JP3209218U - 耐火二層管継手及び熱膨張性部材 - Google Patents

耐火二層管継手及び熱膨張性部材 Download PDF

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Abstract

【課題】熱膨張剤を含む耐火材を袋状に収納してシート部材とし、管外周に装着して管路構築をしたり、シート部材を内管の所定位置に組み込んだ耐火二層管継手の防火対策手段に対して、作業性の簡素化を実現する熱膨張性部材を提供する。【解決手段】熱膨張性剤を含む樹脂体からなり、装着対象である床スラブ貫通孔に使用する管路の外周形状に対応した筒形状を、筒軸方向に沿って複数に分割した形状に形成した複数の分割体3a,3bで構成される。或いは熱膨張性剤を含むと共に適宜弾性を備えた樹脂体からなり、装着対象の管外周形状に対応した筒形状に対応すると共に、筒軸方向に分離切込42を設けて形成した単一体で構成される。【選択図】図1

Description

本考案は、床面等を貫通する箇所に使用される熱膨張性部材及び前記部材を組み込んで形成して当該箇所に使用される耐火二層管継手に関するものである。
多階層住宅において床スラブを貫通して配設される管路において、当該管路のための貫通孔が火災時の被害拡大の原因(他層階への火災波及)とならないように、適宜な防火対策が講じられている。
例えば床スラブに開口した管路用孔に金属管で構成される管路外周を貫通設置する際に、管路用孔の残余部分をモルタルで塞ぐと共に、管周面に熱膨張性剤を含む発泡樹脂製シートを装着し、火災時の前記シートの体積減少を熱膨張性材で補う手法が知られている(特許文献1)
また塩ビ内管とモルタル外管で構成される耐火二層管継手を採用する場合には、粉末熱膨張性剤を所定の帯状袋に収納して塩ビ内管の外周に装着してモルタル被覆を施した二層管を採用し、火災時に塩ビ管の溶融と共に管路内自体を前記粉末熱膨張剤の熱膨張で閉塞する手段が知られている(特許文献2)。
特開平9−262305号公報。 特開2010−139057号公報。
熱膨張剤を含むシート部材に一旦形成し、このシート部材を配管の所定箇所に巻装し、床スラブに開口した管路用孔に当該配管を設置する手法(特許文献1)、及び前記のシート部材を内管の所定箇所に巻装して外管を形成した継手を床スラブに開口した管路用孔に設置する手法(特許文献2)においては、共にシート部材の形成及びその巻装という煩瑣な作業を伴うものである。
そこで本考案は管装着作業を容易に実施できる新規な熱膨張性部材及び前記部材を組み込んだ耐火二層管継手を提案したものである。
本考案の請求項1記載に係る熱膨張性部材は、熱膨張性剤を含む樹脂体で、装着対象である床スラブ貫通孔に使用する管路の外周形状に対応した筒形状を、筒軸方向で複数に分割した形状に形成した複数の分割体で構成してなるものであり、請求項4記載の熱膨張性部材は、熱膨張性剤を含むと共に適宜弾性を備えた樹脂体で、前記の装着対象の管外周形状に対応した筒形状で、筒軸方向で分離切込を設け形成した単一体で構成してなるものである。
また本考案(請求項6)に係る耐火二層管継手は、前記の熱膨張性部材を、床スラブ貫通孔に使用する耐火二層管継手の内管における所定位置に装着すると共に、モルタル外管被覆を施してなるものである。
而して前記の熱膨張性部材は、床スラブの開口個所(管路用孔)に設置する管に対して、複数の分割体を全周に渡って装着(貼着或いは接着または自己の弾性による挟圧装着)し、或いは単一体を分離切込から拡径して所定位置に配すると共に、弾性反発力で管外周に密着させて装着するものであり、当該熱膨張性部材を装着した管は床スラブに設けた管路用孔に貫通設置し、常法とおり周囲部分を耐火材で塞いで管路を構成するもので、火災に際して、当該熱膨張性部材が体積膨張をなし、非金属管の場合には管路自体を塞いで延焼を防止し、金属管の場合には、管外周部分の閉塞を確実なものとして延焼を防止する。
また耐火二層管継手の場合には、前記した熱膨張性部材(分割体又は単一体)を塩ビ内管の所定位置に装着し、モルタル被覆を施して二層管とするものであり、前記継手を、床スラブの開口個所(管路用孔)に設置すると、従前の耐火二層管継手と同様に、火災による熱の影響を受けた時に、外管で被覆された内部の内管が溶融するので、前記内管を押しながら膨張して外管内の管路を閉塞して延焼を防止する。
本考案の構成は、上記のとおり床スラブ貫通孔に設置される管路に対して使用する熱膨張性部材及び耐火二層管継手であり、熱膨張性部材が分割体又は単一体で構成されることになり、シート部材として管路等に巻装せずに単に接着などの手段で装着できるもので、その作業性に優れているものである。
本考案の実施形態の熱膨張部材の全体図で(イ)が単一体(ロ)が分割体を示す。 同耐火二層管継手の内管への熱膨張性部材の装着説明図。 同耐火二層管継手の要部を切断した説明図。 同別例の耐火二層管継手の内管への熱膨張性部材の装着説明図。
次に本考案の実施形態の耐火二層管継手について説明する。床スラブの貫通孔に使用される耐火二層管継手は、内管1と外管2(モルタル被覆)とで構成され、貫通箇所の上下に開口した大径受け口となる上方連結部11,21及び下方連結部12,22を備え、且つ上方箇所に横分岐管13,23を設けて構成されるものである。
分割体である熱膨張性部材3a,3bは、例えば加硫ゴム単独或いは特定量の熱可塑性エラストマーを含有する加硫可能なゴムベースに、熱膨張性黒鉛、無機等を混合して形成した公知のもので、火災時に熱膨張すると共に、加熱後残渣が形状保持性を備えた材質で形成されたものである。
この熱膨張性部材3a,3bは、組み合わせた状態が、装着対象である内管1における装着個所である下方連結部12の大径受け口から径小となる段差14を含む範囲の外周形状と合致する内面形状31を備えた筒状で、且つ筒軸方向に縦傾斜させて二分割した形状である。
即ち熱膨張性部材(分割体)3a,3bは、半円筒状で傾斜側縁32を備えると共に、内管対応の段差33を備えているものである。
前記の熱膨張性部材(分割体)3a,3bは、塩ビ内管1における段差部分14を含む所定位置に、適宜接着剤を使用したりして固着する。熱膨張性部材3a,3bを装着すると常法通りモルタル被覆を施して外管2を形成してなるものである。
而して前記の耐火二層管継手は、常法とおり建築物の階層を仕切る床スラブに穿設した(管路用孔)に設置し、上方階の排水管を横分岐管13,23に接続し、下層階突出部分に縦排水管を接続するもので、特に火災が生じて塩ビ内管1に火が回った場合には、当該熱膨張性部材(分割体)3a,3bが体積膨張をなし、非金属管の場合には管路自体を塞いで延焼を防止するものである。特に分割体3a,3bが傾斜側縁32を採用したことによって、前記の熱膨張に際しての速やかに分割側縁箇所が塞がれるようにする。
尚本考案の熱膨張性部材は前記の分割体に限定されるものではなく3乃至4個の分割体で形成しても良い。更には図1(イ)に示すように、単一体の熱膨張性部材4を採用しても良い。この単一体4を採用する場合には、特に熱膨張性剤を含むと共に適宜弾性を備えた樹脂体で、且つ前記した段差部分14を含む外周形状と対応させた所定の内面形状41を備えると共に、筒軸方向で傾斜した分離切込42を設けて形成する。そして前記切込42から単一体4を拡径して内管1の所定箇所に配置し、単一体4の復帰弾性で内管1を保持するように装着し、モルタル外管2を被覆形成するものである。
更に図4に示すように内管1の下方部分に熱膨張性部材3a,3bを装着せずに、分岐管13の下方の本管周囲に装着するようにしても良く、その場合は当該装着個所に対応する形状の熱膨張性部材5a,5b(或いは単一体の熱膨張性部材で良い)を形成しておき、これを装着するものである。
また前記した熱膨張性部材(分割体又は単一体)は、耐火二層管継手に内装せずに、特許文献1に示されたように、そのまま通常配管の外周に装着して使用することもできる。
1 内管
2 外管
11,21 上方連結部
12,22 下方連結部
13,23 横分岐管
14 段差
3a,3b,5a,5b 熱膨張性部材(分割体)
31 内面形状
32 傾斜側縁
33 段差
4 熱膨張性部材(単一体)
41 内面形状
42 分離切込

Claims (6)

  1. 熱膨張性剤を含む樹脂体で、装着対象である床スラブ貫通孔に使用する管路の外周形状に対応した筒形状を、筒軸方向で複数に分割した形状の複数の分割体で構成した熱膨張性部材。
  2. 分割体が、筒軸方向に対して傾斜して分割した形状として請求項1記載の熱膨張性部材。
  3. 分割体が、筒軸方向に対して二分割とした形状とした請求項1又は2記載の熱膨張性部材。
  4. 熱膨張性剤を含むと共に適宜弾性を備えた樹脂体で、装着対象の装着対象である床スラブ貫通孔に使用する管路の外周形状に対応した筒形状で、筒軸方向で分離切込を設けて形成した単一体で構成した熱膨張性部材。
  5. 単一体が筒軸方向に対して傾斜して分離切込を設けた請求項4記載の熱膨張性部材。
  6. 請求項1乃至5記載の何れかの熱膨張性部材を、床スラブ貫通孔に使用する耐火二層管継手の内管における所定位置に装着すると共に、モルタル外管被覆を施してなる耐火二層管継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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