JP6427390B2 - ペロブスカイト膜形成液、ペロブスカイト膜、光電変換素子、太陽電池、ペロブスカイト膜の製造方法、光電変換素子の製造方法、および太陽電池の製造方法 - Google Patents

ペロブスカイト膜形成液、ペロブスカイト膜、光電変換素子、太陽電池、ペロブスカイト膜の製造方法、光電変換素子の製造方法、および太陽電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペロブスカイト膜形成液、ペロブスカイト膜、光電変換素子、および太陽電池に関する。
光電変換素子は、各種の光センサー、複写機、太陽電池等に用いられている。太陽電池は、非枯渇性の太陽エネルギーを利用するものとして、その本格的な実用化が期待されている。このなかでも、増感剤として有機色素またはRuビピリジル錯体等を用いた色素増感太陽電池は、研究開発が盛んに進められ、光電変換効率が11%程度に到達している。
その一方で、近年、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物(以下、ペロブスカイト化合物ということがある)として金属ハロゲン化物を用いた太陽電池が、比較的高い光電変換効率を達成できるとの研究成果が報告されている。
例えば、特許文献1には、多孔質層とペロブスカイト型結晶構造を有する化合物を組み合わせた光電変換素子が記載されている。特許文献2には、多孔質でないペロブスカイト層を有する光電変換素子が記載されている。特許文献3には、光電変換層に有機無機混成ペロブスカイト化合物および無機ペロブスカイト化合物を用いた固体接合型光電変換素子が記載されている。
国際公開第2013/171520号 国際公開第2014/045021号 特開2014−49631号公報
上述のように、金属ハロゲン化物のペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子および太陽電池は、光電変換効率の向上に一定の成果が得られている。しかし、この光電変換素子および太陽電池は、近年、注目されたものであり、光電変換効率以外の電池性能についてはまだ十分な知見が得られていない。
このような状況において、金属ハロゲン化物の、ペロブスカイト化合物を用いて上記の太陽電池を同一の製造方法で繰り返して製造したところ、得られた太陽電池間で光電変換効率のバラツキが大きく、電池性能の安定性が十分ではないことが、分かった。また、得られた太陽電池は耐湿性が十分とはいえなかった。
本発明は、光電変換効率の変動が小さく、安定した電池性能を発揮でき、耐湿性に優れた光電変換素子および太陽電池を作製できる、ペロブスカイト膜形成液を提供することを課題とする。また、このペロブスカイト膜形成液を使用して形成したペロブスカイト膜を提供することを課題とする。さらに、このペロブスカイト膜を用いて作製した、光電変換効率の変動が低減され、耐湿性に優れた光電変換素子および太陽電池を提供することを課題とする。
本発明者らは、ペロブスカイト化合物を光吸収剤として感光層に用いた光電変換素子や太陽電池の製造に当たり、感光層形成に用いる形成液に着目し、検討を行った。その結果、アンモニウム化合物と金属化合物と特定の比誘電率を有する溶媒とを含有し、形成液中のアンモニウム化合物と金属化合物の含有率を特定の割合としたペロブスカイト膜形成液を使用することにより、得られるペロブスカイト膜を備えた光電変換素子または太陽電池において光電変換効率の変動(ばらつき)が低減され、耐湿性が向上することを見出した。本発明はこれらの知見により成されたものである。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
〔1〕
下記式(1A)で表される化合物を少なくとも1種と、下記式(3)で表される化合物を少なくとも1種と、溶媒を少なくとも1種とを含有するペロブスカイト膜形成液であって、下記式(A)で規定される含有率Cが50質量%以上75質量%以下であり、かつ溶媒の比誘電率が2.0以上20以下であるペロブスカイト膜形成液。
式(1A):R1a−NH・X
式(1A)中、R1aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、または下記式(2A)で表すことができる基を表す。Xはアニオン性原子を表す。
Figure 0006427390
式(2A)中、XはNR1c、酸素原子または硫黄原子を表す。R1bおよびR1cは各々独立に水素原子または置換基を表す。***は式(1A)のN原子との結合位置を表す。
式(3):MX
式(3)中、Mは金属原子を表し、Xはアニオン性原子を表す。
式(A):C(質量%)=[(C+C)/(C+C+C)]×100
式(A)中、Cは式(1A)で表される化合物の、ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表し、Cは式(3)で表される化合物の、ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表し、Cは溶媒の、ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表す。
〔2〕
式(1A)で表される化合物においてR1aが炭素数3以上のアルキル基、またはシクロアルキル基である〔1〕に記載のペロブスカイト膜形成液。
〔3〕
式(A)で規定される含有率Cが50質量%以上70質量%以下である〔1〕または〔2〕に記載のペロブスカイト膜形成液。
〔4〕
溶媒の比誘電率が5.0以上20以下である〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載のペロブスカイト膜形成液。
〔5〕
〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載のペロブスカイト膜形成液を用いて形成したペロブスカイト膜。
〔6〕
〔5〕に記載のペロブスカイト膜を有する光電変換素子。
〔7〕
ペロブスカイト膜が感光層である〔6〕に記載の光電変換素子。
〔8〕
〔5〕に記載のペロブスカイト膜を有する太陽電池。
〔9〕
〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載のペロブスカイト膜形成液を塗布、乾燥する工程を含む、ペロブスカイト膜の製造方法。
〔10〕
〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載のペロブスカイト膜形成液を塗布、乾燥してペロブスカイト膜を感光層として形成する工程を含む、光電変換素子の製造方法。
〔11〕
〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載のペロブスカイト膜形成液を塗布、乾燥してペロブスカイト膜を感光層として形成する工程を含む、太陽電池の製造方法。
本明細書において、各式の表記は、化合物の化学構造の理解のために、一部を示性式として表記することもある。これに伴い、各式において、部分構造を、(置換)基、イオンまたは原子等と称するが、本明細書において、これらは、(置換)基、イオンまたは原子等のほかに、上記式で表される(置換)基もしくはイオンを構成する元素団、または、元素を意味することがある。
本明細書において、化合物(錯体、色素を含む)の表示については、化合物そのもののほか、その塩、そのイオンを含む意味に用いる。また、目的とする効果を損なわない範囲で、構造の一部を変化させたものを含む意味である。さらに、置換または無置換を明記していない化合物については、目的とする効果を損なわない範囲で、任意の置換基を有する化合物を含む意味である。このことは、置換基および連結基等(以下、置換基等という)についても同様である。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基等が複数あるとき、または複数の置換基等を同時に規定するときには、特段の断りがない限り、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。このことは、置換基等の数の規定についても同様である。
また、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明により、光電変換効率の変動が小さく、安定した電池性能を発揮でき、耐湿性に優れた光電変換素子および太陽電池を作製できる、ペロブスカイト膜形成液、これにより形成されるペロブスカイト膜、並びにこれを備えた光電変換素子および太陽電池を提供することができる。
本発明の光電変換素子の好ましい態様について模式的に示した断面図である。 本発明の光電変換素子の厚い感光層を有する好ましい態様について模式的に示した断面図である。 本発明の光電変換素子の別の好ましい態様について模式的に示した断面図である。 本発明の光電変換素子のまた別の好ましい態様について模式的に示した断面図である。 本発明の光電変換素子のさらに別の好ましい態様について模式的に示した断面図である。
<<ペロブスカイト膜形成液>>
本発明のペロブスカイト膜形成液は、下記式(1A)で表される化合物(アンモニウム化合物ともいう)を少なくとも1種と、下記式(3)で表される化合物(金属化合物ともいう)を少なくとも1種と、比誘電率が2.0以上20以下である溶媒を少なくとも1種とを含有し、下記式(A)で規定される含有率Cが50質量%以上である。
ペロブスカイト膜形成液は、通常は溶液であるが、分散液でも懸濁液でもよい。
式(1A):R1a−NH・X
式(1A)中、R1aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、または下記式(2A)で表すことができる基を表す。Xはアニオン性原子を表す。
Figure 0006427390
式(2A)中、XはNR1c、酸素原子または硫黄原子を表す。R1bおよびR1cは各々独立に水素原子または置換基を表す。***は式(1A)のN原子との結合位置を表す。
アルキル基は、直鎖状または分枝状のアルキル基であり、特に限定されない。アルキル基は炭素数3以上のアルキル基が好ましい。また、分枝状のアルキル基が好ましい。直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜18であることが好ましく、炭素数が3〜12であることがより好ましい。直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−オクタデシル等が挙げられる。分枝状のアルキル基は、炭素数3〜30であることが好ましく、炭素数3〜20であることがより好ましく、炭素数3〜15であることがさらに好ましい。分枝状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル、t−ブチル、sec−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシル、2−ブチルオクチル等が挙げられる。
シクロアルキル基は、炭素数が3以上のシクロアルキル基であればよく、炭素数が3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
アルケニル基は、炭素数が2〜18のアルケニル基が好ましく、例えば、エテニル、アリル、ブテニルまたはヘキセニル等が挙げられる。
アルキニル基は、炭素数が2〜18のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル、ブチニルまたはヘキシニル等が挙げられる。
アリール基は、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニルが挙げられる。
ヘテロアリール基は、芳香族ヘテロ環のみからなる基と、芳香族ヘテロ環に他の環、例えば、芳香環、脂肪族環やヘテロ環が縮合した縮合ヘテロ環からなる基とを包含する。
芳香族ヘテロ環を構成する環構成ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましい。また、芳香族ヘテロ環の環員数としては、5員環または6員環が好ましい。
5員環の芳香族ヘテロ環および5員環の芳香族ヘテロ環を含む縮合ヘテロ環としては、例えば、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、フラン環、チオフェン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インドリン環、インダゾール環の各環基が挙げられる。また、6員環の芳香族ヘテロ環および6員環の芳香族ヘテロ環を含む縮合ヘテロ環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キナゾリン環の各環基が挙げられる。
式(2A)で表すことができる基において、XはNR1c、酸素原子または硫黄原子を表し、NR1cが好ましい。ここで、R1cは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、水素原子がさらに好ましい。
1bは、水素原子または置換基を表し、水素原子が好ましい。R1bが取りうる置換基は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基が挙げられる。
1bおよびR1cがそれぞれとり得る、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基およびヘテロアリール基は、上記R1aの各基と同義であり、好ましいものも同じである。
式(2A)で表すことができる基としては、例えば、ホルムイミドイル(HC(=NH)−)、アセトイミドイル(CHC(=NH)−)、プロピオンイミドイル(CHCHC(=NH)−)等が挙げられる。なかでも、ホルムイミドイルが好ましい。
1aがとり得る、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基および上記式(2A)で表すことができる基は、いずれも、置換基を有していてもよい。R1aが有していてもよい置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基またはカルボキシ基が挙げられる。R1aが有していてもよい各置換基は、さらに上述の置換基で置換されていてもよい。
式(1A)において、R1aは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基である。R1aは、炭素数3以上のアルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基であることがより好ましく、炭素数3以上のアルキル基またはシクロアルキル基であることがさらに好ましい。これらの置換基を有すると、溶媒との親和性がより高くなり、光電変換素子や太陽電池の感光層とした際に、光電変換効率がばらつかず、また耐湿性に優れる。
Xで表されるアニオン性原子(原子団)は、特に限定されないが、好ましくは、ハロゲン原子、または、NCS、NCOもしくはCOOの各原子団である。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等が挙げられる。
式(1A)で表される化合物は、上記R1a−NHおよびXからなる化合物であればよく、その例としては、後述するペロブスカイト化合物の具体例におけるR1a−NHとXとからなる化合物が挙げられる。
本発明のペロブスカイト膜形成液は、さらに下記式(3)で表される化合物を含有している。
式(3):MX
式中、Mは金属原子を表し、Xはアニオン性原子を表す。
Mで表される金属原子は、周期表第一族元素以外の金属原子が好ましく、ペロブスカイト型結晶構造を取りうる金属原子であれば、特に限定されない。このような金属原子としては、例えば、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、カドミウム(Cd)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、イッテルビウム(Yb)、ユウロピウム(Eu)、インジウム(In)等の金属原子が挙げられる。なかでも、金属原子MはPb原子またはSn原子が特に好ましい。Mは1種の金属原子であってもよく、2種以上の金属原子であってもよい。2種以上の金属原子である場合には、Pb原子およびSn原子の2種が好ましい。なお、このときの金属原子の割合は特に限定されない。
Xは、式(1A)のXと同義であり、好ましい範囲も同じである。
ただし、式(3)において、アニオン性原子Xは、1種のアニオン性原子であってもよく、2種以上のアニオン性原子であってもよい。2種以上のアニオン性原子である場合には、2種のハロゲン原子、特に臭素原子およびヨウ素原子が好ましい。なお、このときのアニオン性原子の割合は特に限定されない。
式(3)のXは、式(1A)のXと同じでもよく、異なっていてもよい。
本発明のペロブスカイト膜形成液に使用される溶媒の比誘電率は2.0以上20以下であり、好ましくは5.0以上20以下である。溶媒の比誘電率が2.0以上20以下であると、式(1A)で表される化合物との親和性が高く、光電変換素子や太陽電池の感光層とした際に、光電変換効率がばらつかず、また耐湿性に優れる。
溶媒としては、比誘電率が2.0以上20以下であれば特に限定されない。溶媒の比誘電率はDavid R. Lide編「CRC HANDBOOK OF CHEMISTRY and PHYSICS 88TH EDITION 2007−2008」(CRC PRESS)に記載されている値を用いる。
溶媒の例としては、1−ブタノール(比誘電率:17.8)および1−ペンタノール(比誘電率:15.13)等のアルコール溶媒、ジブチルエーテル(比誘電率:3.08)、1,2−ジメトキシエタン(比誘電率:7.30)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(比誘電率:7.23)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(比誘電率:5.70)、テトラヒドロフラン(比誘電率:7.52)、およびアニソール(比誘電率:4.30)等のエーテル溶媒、酢酸エチル(比誘電率:6.08)および酢酸ブチル(比誘電率:5.07)等のエステル溶媒、ベンズアルデヒド(比誘電率:17.8)およびシクロヘキサノン(比誘電率:16.1)等のケトン溶媒、トルエン(比誘電率:2.38)等の芳香族炭化水素溶媒、クロロベンゼン(比誘電率:5.69)、o−ジクロロベンゼン(比誘電率:2.50)、1,2−ジクロロエタン(比誘電率:10.42)、ジクロロメタン(比誘電率:8.93)、およびクロロホルム(比誘電率:4.80)等のハロゲン溶媒等が挙げられる。
溶媒は2種以上の溶媒を混合した混合溶媒でもよい。この場合、混合溶媒の比誘電率が上記範囲内であればよい。混合溶媒の比誘電率は、混合溶媒を構成する各溶媒の比誘電率に各々の体積分率を乗じて合計した値とする。
本発明のペロブスカイト膜形成液において、式(1A)で表される化合物と式(3)で表される化合物の、下記式(A)で規定される含有率Cは50質量%以上であり、50質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、55質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましい。
式(A):C(質量%)=[(C+C)/(C+C+C)]×100
式(A)中、Cは式(1A)で表される化合物の、ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表し、Cは式(3)で表される化合物の、ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表し、Cは溶媒の、ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表す。ここで、式(1A)で表される化合物と式(3)で表される化合物がペロブスカイト化合物を形成している場合には、各化合物の含有量に換算する。
式(A)で規定される含有率Cが50質量%以上であると、光電変換素子や太陽電池の感光層とした際に、光電変換効率の変動が低減し、また耐湿性に優れる。式(A)で規定される含有率Cを50質量%以上とすることにより、厚みのあるペロブスカイト膜を形成できる。
式(1A)で表される化合物と式(3)で表される化合物とのモル比は、所望のペロブスカイト化合物に応じて、設定することが好ましい。このモル比は、5:1〜1:2が好ましく、4:1〜1:1.5がより好ましい。
本発明のペロブスカイト膜形成液を使用すると、得られるペロブスカイト膜を感光層として備えた光電変換素子または太陽電池の光電変換効率の変動を低減し、耐湿性を向上させることができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
従来、太陽電池等において、ペロブスカイト化合物を含む感光層を形成する場合、原料化合物の溶解性、乾燥速度等の点で、ジメチルホルムアミド(DMF)(比誘電率:38.3)やアセトニトリル(比誘電率:36.6)が多用されている(特許文献1〜3参照)。
しかし、本発明では、特定の構造のアンモニウム化合物と特定の比誘電率の溶媒とを組み合わせて用いる。この場合、アンモニウム化合物の構造と、特定の比誘電率を持つ溶媒とが相互に作用し、この溶媒とアンモニウム化合物の親和性が高くなる。このため、この形成液を使用してペロブスカイト膜を形成すると、膜形成時に水の影響を受けにくく、形成された膜の含水率を低減できる。しかも、結晶成長のばらつきによる欠陥の少ないペロブスカイト膜を形成できる。さらには、ペロブスカイト膜表面の性状も安定することに加え、疎水的になるためペロブスカイト膜が水分の影響を受けにくくなる。これらにより、ペロブスカイト膜の耐湿性が向上すると考えられる。
また、上記含有率Cが高い場合、上記の効果に加え、厚みのあるペロブスカイト膜を形成でき、好ましい。
ペロブスカイト膜形成液は、式(1A)で表される化合物、式(3)で表される化合物、および比誘電率2.0以上20以下の溶媒に加えて、他の成分を含有していてもよい。例えば、式(1A)で表される化合物と式(3)で表される化合物とから形成されるペロブスカイト化合物以外の光吸収剤を含んでいてもよい。
本発明のペロブスカイト膜形成液の調製方法は、特に限定されず、通常の方法で調製することができる。例えば、式(1A)で表される化合物と、式(3)で表される化合物と、比誘電率2.0以上20以下の溶媒とを、式(A)で規定される含有率Cが50質量%以上となるように、混合することにより調製する。
式(1A)で表される化合物と式(3)で表される化合物と溶媒とを混合する際の温度および時間は、ペロブスカイト膜形成液の組成等により異なるため、一義的に決定することができない。その一例を挙げると、混合時の温度は、0〜130℃であることが好ましく、20〜80℃であることがより好ましい。また、混合時間は、0.1〜48時間であることが好ましく、1〜24時間であることがより好ましい。
<<ペロブスカイト膜>>
本発明のペロブスカイト膜は、本発明のペロブスカイト膜形成液を使用して形成した膜である。
本発明において、ペロブスカイト膜は、支持体上等に形成されたものでもよい。このペロブスカイト膜は、厚みが無視できるほど薄い状態、厚みを持ち特定の形状を有する状態、支持体等の表面に一様にまたは分散して薄く付着した状態のいずれをも含む。
ペロブスカイト膜の好ましい態様は、後述する感光層と同様である。
ペロブスカイト膜中には、式(1A)で表される化合物と式(3)で表される化合物より得られるペロブスカイト化合物が含まれている。
ペロブスカイト化合物について説明する。
本発明において、ペロブスカイト化合物は、下記「式(1)で表されるカチオン性有機基A」と、「金属原子M」と、「アニオン性原子X」と、を有する。式(1)で表されるカチオン性有機基Aは、式(1A)で表される化合物に由来し、金属原子Mは式(3)で表される化合物に由来し、アニオン性原子Xは式(1A)で表される化合物および式(3)で表される化合物に由来する。
ペロブスカイト化合物の式(1)で表されるカチオン性有機基A、金属原子Mおよびアニオン性原子Xは、それぞれ、ペロブスカイト型結晶構造において、カチオン(便宜上、カチオンAということがある)、金属カチオン(便宜上、カチオンMということがある)およびアニオン(便宜上、アニオンXということがある)の各構成イオンとして存在する。
本発明において、カチオン性有機基とは、ペロブスカイト型結晶構造においてカチオンになる性質を有する有機基をいい、アニオン性原子とはペロブスカイト型結晶構造においてアニオンになる性質を有する原子をいう。
このペロブスカイト化合物は、上記構成イオンを含むペロブスカイト型結晶構造を取りうる化合物であれば特に限定されない。
本発明のペロブスカイト膜に含まれるペロブスカイト化合物において、カチオンAは式(1)で表されるカチオン性有機基Aからなる有機カチオンである。
式(1):R1a−NH
式中、R1aは式(1A)のR1aと同義であり、好ましいものも同じである。
上記式(1)で表される有機カチオンが共鳴構造を取り得る場合、有機カチオンはカチオンに加えて共鳴構造のカチオンを含む。
例えば、R1aが下記式(2)で表すことができる基である場合について説明する。
Figure 0006427390
式(2)中、X、R1b、および***は式(2A)のX、R1b、および***と各々同義であり、好ましいものも同じである。
式(2)で表すことができる基においてXがNH(R1cが水素原子)である場合、有機カチオンは、上記式(2)で表すことができる基とNHとが結合してなるアンモニウムカチオン性有機基の有機アンモニウムカチオンに加えて、この有機アンモニウムカチオンの共鳴構造の1つである有機アミジニウムカチオンをも包含する。アミジニウムカチオン性有機基からなる有機アミジニウムカチオンとしては、下記式(Aam)で表されるカチオンが挙げられる。なお、本明細書において、下記式(Aam)で表されるカチオンを便宜上、「R1bC(=NH)−NH」と表記することがある。
Figure 0006427390
本発明のペロブスカイト膜に含まれるペロブスカイト化合物において、金属カチオンMの金属原子は、式(3)のMと同義であり、好ましいものも同じである。
本発明のペロブスカイト膜に含まれるペロブスカイト化合物において、アニオンXはアニオン性原子のアニオンである。このアニオン性原子は式(3)のXと同義であり、好ましいものも同じである。
本発明のペロブスカイト膜に含まれるペロブスカイト化合物は、上記の各構成イオンを有するペロブスカイト型結晶構造を有し、下記式(I)で表されるペロブスカイト化合物が好ましい。
式(I):A
式中、Aはカチオン性有機基を表す。Mは金属原子を表す。Xはアニオン性原子を表す。
aは1または2を表し、mは1を表し、a、mおよびxはa+2m=xを満たす。
式(I)において、カチオン性有機基Aは、ペロブスカイト型結晶構造の上記カチオンAを形成する。したがって、式(1)で表されるカチオン性有機基と同義であり、好ましいものも同じである。
金属原子Mは、ペロブスカイト型結晶構造の上記金属カチオンMを形成する金属原子である。金属原子Mは、上記金属カチオンMで説明した上記金属原子と同義であり、好ましいものも同じである。
アニオン性原子Xは、ペロブスカイト型結晶構造の上記アニオンXを形成する。アニオン性原子Xは、上記アニオンXで説明したアニオン性原子と同義であり、好ましいものも同じである。
式(I)で表されるペロブスカイト化合物は、aが1である場合、下記式(I−1)で表されるペロブスカイト化合物であり、aが2である場合、下記式(I−2)で表されるペロブスカイト化合物である。
式(I−1):AMX
式(I−2):AMX
式(I−1)および式(I−2)において、Aはカチオン性有機基を表し、上記式(I)のAと同義であり、好ましいものも同じである。
Mは、金属原子を表し、上記式(I)のMと同義であり、好ましいものも同じである。
Xは、アニオン性原子を表し、上記式(I)のXと同義であり、好ましいものも同じである。
本発明のペロブスカイト膜に含まれるペロブスカイト化合物は、式(I−1)で表される化合物および式(I−2)で表される化合物のいずれでもよく、これらの混合物でもよい。したがって、本発明において、ペロブスカイト化合物は、少なくとも1種が存在していればよく、組成式、分子式および結晶構造等により、厳密にいかなる化合物であるかを明確に区別する必要はない。
以下に、本発明のペロブスカイト膜に含まれるペロブスカイト化合物の具体例を例示するが、これによって本発明が制限されるものではない。下記においては、式(I−1)で表される化合物と、式(I−2)で表される化合物とを分けて記載する。ただし、式(I−1)で表される化合物として例示した化合物であっても、合成条件等によっては、式(I−2)で表される化合物となる場合もあり、また、式(I−1)で表される化合物と式(I−2)で表される化合物との混合物となる場合もある。同様に、式(I−2)で表される化合物として例示した化合物であっても、式(I−1)で表される化合物となる場合もあり、また、式(I−1)で表される化合物と式(I−2)で表される化合物との混合物となる場合もある。
式(I−1)で表される化合物の具体例として、例えば、CHNHPbCl、CHNHPbBr、CHNHPbI、CHNHPbBrI、CHNHPbBrI、CHNHSnBr、CHNHSnI、CH(=NH)NHPbIが挙げられる。
式(I−2)で表される化合物の具体例として、例えば、(CNHPbI、(CH=CHNHPbI、(CH≡CNHPbI、(n−CNHPbI、(n−CNHPbI、(CNHPbI、(CNHPbI、(CNHPbI、(CSNHPbIが挙げられる。
ここで、(CSNHPbIにおけるCSNHはアミノチオフェンである。
本発明のペロブスカイト膜は、本発明のペロブスカイト膜形成液を塗布し、得られた塗膜を乾燥して形成される。
塗布方法は特に限定されず、後述する塗布方法を使用することができる。
ペロブスカイト膜形成液を乾燥する際の条件は、ペロブスカイト膜形成液の組成等により異なるため、一義的に決定できない。その一例を挙げると、乾燥は、40〜150℃で行うことが好ましく、50〜110℃で行うことがより好ましい。乾燥は、0.1〜12時間で行うことが好ましく、0.1〜3時間で行うことがより好ましい。乾燥は、0.001〜1気圧のいずれの圧で行ってもよい。また、乾燥は、窒素雰囲気で行うことが好ましい。
<<光電変換素子>>
本発明の光電変換素子は、光吸収剤を含む感光層を導電性支持体上に有する第一電極と、第一電極に対向する第二電極とを有する。感光層および第二電極はこの順で導電性支持体上に設けられている。
本発明の光電変換素子は、本発明のペロブスカイト膜を有しており、好ましくは本発明のペロブスカイト膜を感光層として有している。感光層として有している場合、ペロブスカイト膜中のペロブスカイト化合物が、光吸収剤として作用する。
感光層は、光吸収剤として、ペロブスカイト化合物と併せて、ペロブスカイト化合物以外の光吸収剤を含んでいてもよい。ペロブスカイト化合物以外の光吸収剤としては、例えば金属錯体色素および有機色素が挙げられる。
本発明において、「感光層を導電性支持体上に有する」とは、導電性支持体の表面に接して感光層を有する態様、および、導電性支持体の表面上方に他の層を介して感光層を有する態様を含む意味である。
導電性支持体の表面上方に他の層を介して感光層を有する態様において、導電性支持体と感光層との間に設けられる他の層としては、太陽電池の電池性能を低下させないものであれば特に限定されない。例えば、多孔質層、ブロッキング層、電子輸送層および正孔輸送層等が挙げられる。
本発明において、導電性支持体の表面上方に他の層を介して感光層を有する態様としては、例えば、感光層が、多孔質層の表面に薄い膜状等に設けられる態様(図1参照)、多孔質層の表面に厚く設けられる態様(図2参照)、ブロッキング層の表面に薄く設けられる態様、ブロッキング層の表面に厚い膜状に設けられる態様(図3参照)、電子輸送層の表面に薄い膜状または厚い膜状(図4参照)に設けられる態様、および、正孔輸送層の表面に薄い膜状または厚い膜状(図5参照)に設けられる態様が挙げられる。
感光層は、線状または分散状に設けられてもよいが、好ましくは膜状に設けられる。
本発明の光電変換素子は、本発明で規定する構成以外の構成は特に限定されず、光電変換素子および太陽電池に関する公知の構成を採用できる。本発明の光電変換素子を構成する各層は、目的に応じて設計され、例えば、単層に形成されても、複層に形成されてもよい。
以下、本発明の光電変換素子の好ましい態様について説明する。
図1〜図5において、同じ符号は同じ構成要素(部材)を意味する。
なお、図1および図2は、多孔質層12を形成する微粒子の大きさを強調して示してある。これら微粒子は、好ましくは、導電性支持体11に対して水平方向および垂直方向に詰まり(堆積または密着して)、多孔質構造を形成している。
本明細書において、単に「光電変換素子10」という場合は、特に断らない限り、光電変換素子10A、10B、10C、10Dおよび10Eを意味する。このことは、システム100および第一電極1についても同様である。また、単に、感光層13という場合は、特に断らない限り、感光層13A、13Bおよび13Cを意味する。同様に、正孔輸送層3という場合は、特に断らない限り、正孔輸送層3Aおよび3Bを意味する。
本発明の光電変換素子の好ましい態様として、例えば、図1に示す光電変換素子10Aが挙げられる。図1に示されるシステム100Aは、光電変換素子10Aを外部回路6で動作手段M(例えば電動モーター)に仕事をさせる電池用途に応用したシステムである。
この光電変換素子10Aは、第一電極1Aと、第二電極2と、第一電極1Aと第二電極2の間に正孔輸送層3Aを有している。
第一電極1Aは、支持体11aおよび透明電極11bからなる導電性支持体11と、多孔質層12と、多孔質層12上に感光層13Aとを有している。また、透明電極11b上にブロッキング層14を有し、ブロッキング層14上に多孔質層12が形成されている。このように多孔質層12を有する光電変換素子10Aは、感光層13Aの表面積が大きくなるため、電荷分離および電荷移動効率が向上すると推定される。
図2に示す光電変換素子10Bは、図1に示す光電変換素子10Aの感光層13Aを厚く設けた好ましい態様を模式的に示したものである。この光電変換素子10Bにおいて、正孔輸送層3Bは薄く設けられている。光電変換素子10Bは、図1で示した光電変換素子10Aに対して感光層13Bおよび正孔輸送層3Bの膜厚の点で異なるが、これらの点以外は光電変換素子10Aと同様に構成されている。
図3に示す光電変換素子10Cは、本発明の光電変換素子の別の好ましい態様を模式的に示したものである。光電変換素子10Cは、図2に示す光電変換素子10Bに対して多孔質層12を設けていない点で異なるが、この点以外は光電変換素子10Bと同様に構成されている。光電変換素子10Cにおいて、感光層13Cはブロッキング層14の表面に厚い膜状に形成されている。
図4に示す光電変換素子10Dは、本発明の光電変換素子のまた別の好ましい態様を模式的に示したものである。この光電変換素子10Dは、図3に示す光電変換素子10Cに対してブロッキング層14に代えて電子輸送層15を設けた点で異なるが、この点以外は光電変換素子10Cと同様に構成されている。第一電極1Dは、導電性支持体11と、導電性支持体11上に順に形成された、電子輸送層15および感光層13Cとを有している。この光電変換素子10Dは、各層を有機材料で形成できる点で、好ましい。これにより、光電変換素子の生産性が向上し、しかも薄型化またはフレキシブル化が可能になる。
図5に示す光電変換素子10Eは、本発明の光電変換素子のさらにまた別の好ましい態様を模式的に示したものである。この光電変換素子10Eを含むシステム100Eは、システム100Aと同様に電池用途に応用したシステムである。
光電変換素子10Eは、第一電極1Eと、第二電極2と、第一電極1Eおよび第二電極2の間に電子輸送層4とを有している。第一電極1Eは、導電性支持体11と、導電性支持体11上に順に形成された、正孔輸送層16および感光層13Cとを有している。この光電変換素子10Eは、光電変換素子10Dと同様に、各層を有機材料で形成できる点で、好ましい。
本発明において、光電変換素子10を応用したシステム100は、以下のようにして、太陽電池として、機能する。
すなわち、光電変換素子10において、導電性支持体11を透過して、または第二電極2を透過して感光層13に入射した光は光吸収剤を励起する。励起された光吸収剤はエネルギーの高い電子を有しており、この電子を放出できる。エネルギーの高い電子を放出した光吸収剤は酸化体となる。
光電変換素子10A〜10Dにおいては、光吸収剤から放出された電子は、光吸収剤間を移動して感光層13から導電性支持体11に到達する。導電性支持体11に到達した電子は外部回路6で仕事をした後に、第二電極2を経由して(正孔輸送層3がある場合にはさらに正孔輸送層3を経由して)、感光層13に戻る。感光層13に戻った電子により光吸収剤が還元される。
一方、光電変換素子10Eにおいては、光吸収剤から放出された電子は、感光層13Cから電子輸送層4を経て第二電極2に到達し、外部回路6で仕事をした後に導電性支持体11を経て、感光層13に戻る。感光層13に戻った電子により光吸収剤が還元される。
光電変換素子10において、このような、上記光吸収剤の励起および電子移動のサイクルを繰り返すことにより、システム100が太陽電池として機能する。
光電変換素子10A〜10Dにおいて、感光層13から導電性支持体11への電子の流れ方は、多孔質層12の有無およびその種類等により、異なる。本発明の光電変換素子10においては、光吸収剤間を電子が移動する電子伝導が起こる。したがって、多孔質層12を設ける場合、多孔質層12は従来の半導体以外に絶縁体で形成することができる。多孔質層12が半導体で形成される場合、多孔質層12の半導体微粒子内部や半導体微粒子間を電子が移動する電子伝導も起こる。一方、多孔質層12が絶縁体で形成される場合、多孔質層12での電子伝導は起こらない。多孔質層12が絶縁体で形成される場合、絶縁体微粒子に酸化アルミニウム(Al)の微粒子を用いると、比較的高い起電力(Voc)が得られる。
なお、上記他の層としてのブロッキング層14が導体または半導体により形成された場合もブロッキング層14での電子伝導が起こる。
また、電子輸送層15でも、電子伝導が起こる。
本発明の光電変換素子および太陽電池は、上記の好ましい態様に限定されず、各態様の構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各態様間で適宜組み合わせることができる。
本発明において、光電変換素子または太陽電池に用いられる材料および各部材は、光吸収剤を除いて、常法により調製することができる。ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子または太陽電池について、例えば、特許文献1〜3を参照することができる。また、色素増感太陽電池について、例えば、特開2001−291534号公報、米国特許第4,927,721号明細書、米国特許第4,684,537号明細書、米国特許第5,084,365号明細書、米国特許第5,350,644号明細書、米国特許第5,463,057号明細書、米国特許第5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2004−220974号公報、特開2008−135197号公報を参照することができる。
以下、本発明の光電変換素子および太陽電池の主たる部材および化合物の好ましい態様について、説明する。
<第一電極1>
第一電極1は、導電性支持体11と感光層13とを有し、光電変換素子10において作用電極として機能する。
第一電極1は、図1〜5に示されるように、多孔質層12、ブロッキング層14、電子輸送層15および正孔輸送層16の少なくとも1つの層を有することが好ましい。
第一電極1は、短絡防止の点で少なくともブロッキング層14を有することが好ましく、光吸収効率の点および短絡防止の点などで多孔質層12およびブロッキング層14を有していることがさらに好ましい。
また、第一電極1は、有機材料で形成できる点で、電子輸送層15または正孔輸送層16を有することが好ましい。
− 導電性支持体11 −
導電性支持体11は、導電性を有し、感光層13等を支持できるものであれば特に限定されない。導電性支持体11は、導電性を有する材料、例えば金属で形成された構成、または、ガラスもしくはプラスチックの支持体11aとこの支持体11aの表面に成膜された導電膜としての透明電極11bとを有する構成が好ましい。
導電性支持体11の強度が十分に保たれる場合は、支持体11aは必ずしも必要ではない。
なかでも、図1〜図5に示されるように、ガラスまたはプラスチックの支持体11aの表面に導電性の金属酸化物を塗設して透明電極11bを成膜した導電性支持体11がさらに好ましい。プラスチックで形成された支持体11aとしては、例えば、特開2001−291534号公報の段落番号0153に記載の透明ポリマーフィルムが挙げられる。支持体11aを形成する材料としては、ガラスおよびプラスチックの他にも、セラミック(特開2005−135902号公報)、導電性樹脂(特開2001−160425号公報)を用いることができる。金属酸化物としては、スズ酸化物(TO)が好ましく、インジウム−スズ酸化物(スズドープ酸化インジウム;ITO)、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等のフッ素ドープスズ酸化物が特に好ましい。このときの金属酸化物の塗布量は、支持体11aの表面積1m当たり0.1〜100gが好ましい。導電性支持体11を用いる場合、光は支持体11a側から入射させることが好ましい。
導電性支持体11は、実質的に透明であることが好ましい。本発明において、「実質的に透明である」とは、光(波長300〜1200nm)の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上が好ましく、80%以上が特に好ましい。
支持体11aおよび導電性支持体11の厚みは、特に限定されず、適宜の厚みに設定される。例えば、0.01μm〜10mmであることが好ましく、0.1μm〜5mmであることがさらに好ましく、0.3μm〜4mmであることが特に好ましい。
透明電極11bを設ける場合、透明電極11bの膜厚は、特に限定されず、例えば、0.01〜30μmであることが好ましく、0.03〜25μmであることがさらに好ましく、0.05〜20μmであることが特に好ましい。
導電性支持体11または支持体11aは、表面に光マネージメント機能を有してもよい。例えば、導電性支持体11または支持体11aの表面に、特開2003−123859号公報に記載の、高屈折膜および低屈折率の酸化物膜を交互に積層した反射防止膜を有してもよく、特開2002−260746号公報に記載のライトガイド機能を有してもよい。
− ブロッキング層14 −
本発明においては、光電変換素子10A〜10Cのように、好ましくは、透明電極11bの表面に、すなわち導電性支持体11と多孔質層12、感光層13または正孔輸送層3等との間に、ブロッキング層14を有している。
光電変換素子および太陽電池において、感光層13または正孔輸送層3と、透明電極11bとが電気的に接触すると逆電流を生じる。ブロッキング層14は、この逆電流を防止する機能を果たす。ブロッキング層14は短絡防止層ともいう。
このブロッキング層は、光電変換素子が電子輸送層を有する場合にも設けられてもよい。例えば、光電変換素子10Dの場合、導電性支持体11と電子輸送層15との間に設けられてもよく、光電変換素子10Eの場合、第二電極2と電子輸送層4との間に設けられてもよい。
ブロッキング層14を形成する材料は、上記機能を果たすことのできる材料であれば特に限定されないが、可視光を透過する物質であって、導電性支持体11(透明電極11b)に対する絶縁性物質であることが好ましい。「導電性支持体11(透明電極11b)に対する絶縁性物質」とは、具体的には、伝導帯のエネルギー準位が、導電性支持体11を形成する材料(透明電極11bを形成する金属酸化物)の伝導帯のエネルギー準位以上であり、かつ、多孔質層12を構成する材料の伝導帯や光吸収剤の基底状態のエネルギー準位より低い化合物(n型半導体化合物)をいう。
ブロッキング層14を形成する材料は、例えば、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等が挙げられる。また、一般的に光電変換材料に用いられる材料でもよく、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化タングステン等も挙げられる。なかでも、酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等が好ましい。
ブロッキング層14の膜厚は、0.001〜10μmが好ましく、0.005〜1μmがさらに好ましく、0.01〜0.1μmが特に好ましい。
本発明において、各層の膜厚は、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて光電変換素子10の断面を観察することにより、測定できる。
− 多孔質層12 −
本発明において、光電変換素子10Aおよび10Bのように、好ましくは、透明電極11b上に多孔質層12を有している。ブロッキング層14を有している場合、多孔質層12はブロッキング層14上に形成されることが好ましい。
多孔質層12は、表面に感光層13を担持する足場として機能する層である。太陽電池において、光吸収効率を高めるためには、少なくとも太陽光等の光を受ける部分の表面積を大きくすることが好ましく、多孔質層12の全体としての表面積を大きくすることが好ましい。
多孔質層12は、多孔質層12を形成する材料の微粒子が堆積または密着してなる、細孔を有する微粒子層であることが好ましい。多孔質層12は、2種以上の多微粒子が堆積してなる微粒子層であってもよい。多孔質層12が細孔を有する微粒子層であると、光吸収剤の担持量(吸着量)を増量できる。
多孔質層12の表面積を大きくするには、多孔質層12を構成する個々の微粒子の表面積を大きくすることが好ましい。本発明では、多孔質層12を形成する微粒子を導電性支持体11等に塗設した状態で、この微粒子の表面積が投影面積に対して10倍以上であることが好ましく、100倍以上であることがより好ましい。この上限には特に制限はないが、通常5000倍程度である。多孔質層12を形成する微粒子の粒径は、投影面積を円に換算したときの直径を用いた平均粒径において、1次粒子として0.001〜1μmが好ましい。微粒子の分散物を用いて多孔質層12を形成する場合、微粒子の上記平均粒径は、分散物の平均粒径として0.01〜100μmが好ましい。
多孔質層12を形成する材料は、導電性に関しては特に限定されず、絶縁体(絶縁性の材料)であっても、導電性の材料または半導体(半導電性の材料)であってもよい。
多孔質層12を形成する材料としては、例えば、金属のカルコゲニド(例えば酸化物、硫化物、セレン化物等)、ペロブスカイト化合物(上述の式(1A)で表される化合物と式(3)で表される化合物より得られるペロブスカイト化合物を除く。)、ケイ素の酸化物(例えば、二酸化ケイ素、ゼオライト)、またはカーボンナノチューブ(カーボンナノワイヤおよびカーボンナノロッド等を含む)を用いることができる。
金属のカルコゲニドとしては、特に限定されないが、好ましくは、チタン、スズ、亜鉛、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、アルミニウムまたはタンタルの各酸化物、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。金属のカルコゲニドの結晶構造として、アナターゼ型、ブルッカイト型またはルチル型が挙げられ、アナターゼ型、ブルッカイト型が好ましい。
ペロブスカイト化合物としては、特に限定されないが、遷移金属酸化物等が挙げられる。例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、ジルコン酸バリウム、スズ酸バリウム、ジルコン酸鉛、ジルコン酸ストロンチウム、タンタル酸ストロンチウム、ニオブ酸カリウム、鉄酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムバリウム、チタン酸バリウムランタン、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸ビスマスが挙げられる。なかでも、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム等が好ましい。
カーボンナノチューブは、炭素膜(グラフェンシート)を筒状に丸めた形状を有する。カーボンナノチューブは、1枚のグラフェンシートが円筒状に巻かれた単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた2層カーボンナノチューブ(DWCNT)、複数のグラフェンシートが同心円状に巻かれた多層カーボンナノチューブ(MWCNT)に分類される。多孔質層12としては、いずれのカーボンナノチューブも特に限定されず、用いることができる。
多孔質層12を形成する材料は、なかでも、チタン、スズ、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウムもしくはケイ素の酸化物、またはカーボンナノチューブが好ましく、酸化チタンまたは酸化アルミニウムがさらに好ましい。
多孔質層12は、上述の、金属のカルコゲニド、ペロブスカイト化合物、ケイ素の酸化物およびカーボンナノチューブのうち少なくとも1種で形成されていればよく、複数種で形成されていてもよい。
多孔質層12の膜厚は、特に限定されないが、通常0.1〜100μmの範囲であり、太陽電池として用いる場合は、0.1〜50μmが好ましく、0.3〜30μmがより好ましい。
− 電子輸送層15−
本発明においては、光電変換素子10Dのように、好ましくは、透明電極11bの表面に電子輸送層15を有している。
電子輸送層15は、感光層13で発生した電子を導電性支持体11に輸送する機能を有する。電子輸送層15は、この機能を発揮することができる電子輸送材料で形成される。電子輸送材料としては、特に限定されないが、有機材料(有機電子輸送材料)が好ましい。有機電子輸送材料としては、[6,6]−Phenyl−C61−Butyric Acid Methyl Ester(PCBM)等のフラーレン化合物、ペリレンテトラカルボキシジイミド(PTCDI)等のペリレン化合物、その他、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の低分子化合物、または、高分子化合物等が挙げられる。
電子輸送層15の膜厚は、特に限定されないが、0.001〜10μmが好ましく、0.01〜1μmがより好ましい。
− 正孔輸送層16−
本発明においては、光電変換素子10Eのように、好ましくは、透明電極11bの表面に正孔輸送層16を有している。
正孔輸送層16は、形成される位置が異なる点以外は、後述する正孔輸送層3と同じである。
− 感光層(光吸収層)13 −
感光層13は本発明のペロブスカイト膜により構成されている。
感光層13は、好ましくは、多孔質層12(光電変換素子10Aおよび10B)、ブロッキング層14(光電変換素子10C)、電子輸送層15(光電変換素子10D)、または、正孔輸送層16(光電変換素子10E)の各層の表面(感光層13が設けられる表面が凹凸の場合の内表面を含む)に設けられる。
本発明において、感光層は、光吸収剤として式(1A)で表されるアンモニウム塩と式(3)で表される金属化合物とから形成されるペロブスカイト化合物を少なくとも1種含有していればよく、2種以上のペロブスカイト化合物を含有してもよい。
感光層13は、単層であっても2層以上の積層であってもよい。感光層13が2層以上の積層構造である場合、互いに異なった光吸収剤からなる層を積層してなる積層構造でもよく、また感光層と感光層の間に、正孔輸送材料を含む中間層を有する積層構造でもよい。
感光層13を導電性支持体11上に有する形態は、上述したとおりである。感光層13は、好ましくは、励起した電子が導電性支持体11に流れるように、上記各層の表面に設けられる。このとき、感光層13は、上記各層の表面全体に設けられていてもよく、その表面の一部に設けられていてもよい。
感光層13の膜厚は、導電性支持体11上に感光層13を有する態様に応じて適宜に設定され、特に限定されない。例えば、感光層13の膜厚(多孔質層12を有する場合、多孔質層12の膜厚との合計膜厚)は、0.1〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがさらに好ましく、0.3〜30μmが特に好ましい。
本発明において、感光層を厚い膜状に設ける場合(感光層13Bおよび13C)、この感光層に含まれる光吸収剤は正孔輸送材料として機能することもある。
<正孔輸送層3>
正孔輸送層3は、光吸収剤の酸化体に電子を補充する機能を有する。正孔輸送層3は、液体電解質等の液層であってもよく、固体状の層(固層)でもよい。本発明においては、好ましくは固体状の層である。
正孔輸送層3は、好ましくは第一電極1の感光層13と第二電極2の間に設けられる。
正孔輸送層3を形成する正孔輸送材料は、特に限定されないが、CuI、CuNCS、グラフェンオキシド(GO)等の無機材料、および、特開2001−291534号公報の段落番号0209〜0212に記載の有機正孔輸送材料等が挙げられる。有機正孔輸送材料としては、好ましくは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールおよびポリシラン等の導電性高分子、2個の環がC、Siなど四面体構造を取る中心原子を共有するスピロ化合物、トリアリールアミン等の芳香族アミン化合物、トリフェニレン化合物、含窒素複素環化合物または液晶性シアノ化合物が挙げられる。
正孔輸送材料は、溶液塗布可能で固体状になる有機正孔輸送材料が好ましく、具体的には、2,2’,7,7’−テトラキス−(N,N−ジ−p−メトキシフェニルアミン)−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−OMeTADともいう)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)、4−(ジエチルアミノ)ベンゾアルデヒド ジフェニルヒドラゾン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等が挙げられる。
正孔輸送層3の膜厚は、特に限定されないが、50μm以下が好ましく、1nm〜10μmがより好ましく、5nm〜5μmがさらに好ましく、10nm〜1μmが特に好ましい。
本発明において、多孔質層12を有する場合、多孔質層12と感光層13と正孔輸送層3との合計膜厚は、特に限定されないが、例えば、0.1〜200μmが好ましく、0.5〜50μmがより好ましく、0.5〜5μmがさらに好ましい。
<電子輸送層4>
光電変換素子10Eにおいては、感光層13Cと第二電極2との間に電子輸送層4を有している。
電子輸送層4は、電子の輸送先が第二電極である点、および、形成される位置が異なる点以外は、上記電子輸送層15と同じである。
<第二電極2>
第二電極2は、太陽電池において正極として機能する。第二電極2は、導電性を有していれば特に限定されず、通常、導電性支持体11と同じ構成とすることができる。
第二電極2の構造としては、集電効果が高い構造が好ましい。感光層13に光が到達するためには、導電性支持体11と第二電極2との少なくとも一方は実質的に透明でなければならない。本発明の太陽電池においては、導電性支持体11が透明であって太陽光を支持体11a側から入射させるのが好ましい。この場合、第二電極2は光を反射する性質を有することがさらに好ましい。
第二電極2を形成する材料としては、例えば、白金(Pt)、金(Au)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、銀(Ag)、インジウム(In)、ルテニウム(Ru)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスニウム(Os)等の金属、上述の導電性の金属酸化物、炭素材料等が挙げられる。炭素材料としては、炭素原子同士が結合してなる、導電性を有する材料であればよく、例えば、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン等が挙げられる。
第二電極2としては、金属もしくは導電性の金属酸化物の薄膜(蒸着してなる薄膜を含む)、または、この薄膜を有するガラス基板もしくはプラスチック基板が好ましい。ガラス基板もしくはプラスチック基板としては、金もしくは白金の薄膜を有するガラス、または、白金を蒸着したガラスが特に好ましい。
第二電極2の膜厚は、特に限定されず、0.01〜100μmが好ましく、0.01〜10μmがさらに好ましく、0.01〜1μmが特に好ましい。
<その他の構成>
本発明では、第一電極1と第二電極2との接触を防ぐために、ブロッキング層14等に代えて、または、ブロッキング層14等とともに、スペーサーやセパレータを用いることもできる。
また、第二電極2と正孔輸送層3の間に正孔ブロッキング層を設けてもよい。
<<太陽電池>>
本発明の太陽電池は、本発明の光電変換素子を用いて構成される。例えば図1〜図5に示されるように、外部回路6を設けて構成した光電変換素子10を太陽電池として用いることができる。第一電極1(導電性支持体11)および第二電極2に接続される外部回路は、公知のものを特に制限されることなく、用いることができる。
本発明の太陽電池は、構成物の劣化および蒸散等を防止するために、側面をポリマーや接着剤等で密封することが好ましい。
本発明の光電変換素子が適用される太陽電池は、特に限定されず、例えば特許文献1〜3に記載の太陽電池が挙げられる。
<<光電変換素子および太陽電池の製造方法>>
本発明の光電変換素子および太陽電池は、感光層13以外は、公知の製造方法、例えば特許文献1〜3等に記載の方法等に準拠して、製造できる。
以下に、本発明の光電変換素子および太陽電池の製造方法を簡潔に説明する。
導電性支持体11の表面に、所望により、ブロッキング層14、多孔質層12、電子輸送層15および正孔輸送層16の少なくとも一つを形成する。
ブロッキング層14は、例えば、上記絶縁性物質またはその前駆体化合物等を含有する分散物を導電性支持体11の表面に塗布し、焼成する方法またはスプレー熱分解法等によって、形成できる。
多孔質層12を形成する材料は、好ましくは微粒子として用いられ、さらに好ましくは微粒子を含有する分散物として用いられる。
多孔質層12を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、湿式法、乾式法、その他の方法(例えば、Chemical Review,第110巻,6595頁(2010年刊)に記載の方法)が挙げられる。これらの方法において、導電性支持体11の表面またはブロッキング層14の表面に分散物(ペースト)を塗布した後に、100〜800℃の温度で10分〜10時間焼成することが好ましい。これにより、微粒子同士を密着させることができる。
焼成を複数回行う場合、最後の焼成以外の焼成の温度(最後以外の焼成温度)を、最後の焼成の温度(最後の焼成温度)よりも低い温度で行うのがよい。例えば、酸化チタンペーストを用いる場合、最後以外の焼成温度を50〜300℃の範囲内に設定することができる。また、最後の焼成温度を、100〜600℃の範囲内において、最後以外の焼成温度よりも高くなるように、設定することができる。支持体11aとしてガラス支持体を用いる場合、焼成温度は60〜500℃が好ましい。
多孔質層12を形成するときの、多孔質材料の塗布量は、多孔質層12の膜厚および塗布回数等に応じて適宜に設定され、特に限定されない。導電性支持体11の表面積1m当たりの多孔質材料の塗布量は、例えば、0.5〜500gが好ましく、さらには5〜100gが好ましい。
電子輸送層15または正孔輸送層16を設ける場合、それぞれ、後述する正孔輸送層3または正孔輸送層4と同様にして、形成することができる。
次いで、感光層13を設ける。感光層13は、前述のとおり本発明のペロブスカイト膜形成液を用いて形成することができる。
具体的には、ペロブスカイト膜形成液を、その表面に感光層13を形成する層(光電変換素子10においては、多孔質層12、ブロッキング層14、電子輸送層15および正孔輸送層16のいずれかの層)の表面に、例えば上記方法および条件等により、塗布し、乾燥する。これにより、ペロブスカイト化合物が形成され、感光層13となる。
このようにして設けられた感光層13上に、好ましくは正孔輸送層3または電子輸送層4を形成する。
正孔輸送層3は、正孔輸送材料を含有する正孔輸送材料溶液を塗布し、乾燥して、形成することができる。正孔輸送材料溶液は、塗布性に優れる点、および多孔質層12を有する場合は多孔質層12の孔内部まで侵入しやすい点で、正孔輸送材料の濃度が0.1〜1.0M(モル/L)であるのが好ましい。
電子輸送層4は、電子輸送材料を含有する電子輸送材料溶液を塗布し、乾燥して、形成することができる。
正孔輸送層3または電子輸送層4を形成した後に、第二電極2を形成して、光電変換素子および太陽電池が製造される。
各層の膜厚は、各分散液または溶液の濃度、塗布回数を適宜に変更して、調整できる。例えば、膜厚が厚い感光層13Bおよび13Cを設ける場合には、ペロブスカイト膜形成液を複数回塗布、乾燥すればよい。
上述の各分散液および溶液は、それぞれ、必要に応じて、分散助剤、界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。
光電変換素子および太陽電池の製造方法(感光層の製造方法を除く)に使用する溶媒または分散媒としては、特開2001−291534号公報に記載の溶媒が挙げられるが、特にこれに限定されない。本発明においては、有機溶媒が好ましく、さらにアルコール溶媒、アミド溶媒、ニトリル溶媒、炭化水素溶媒、ラクトン溶媒、および、これらの2種以上の混合溶媒がより好ましい。混合溶媒としては、アルコール溶媒と、アミド溶媒、ニトリル溶媒または炭化水素溶媒から選ばれる溶媒との混合溶媒が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、γ−ブチロラクトン、クロロベンゼン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルアセトアミド、または、これらの混合溶媒が好ましい。
各層を形成する溶液または分散物の塗布方法は、特に限定されず、スピンコート、エクストルージョンダイコート、ブレードコート、バーコート、スクリーン印刷、ステンシル印刷、ロールコート、カーテンコート、スプレーコート、ディップコート、インクジェット印刷法、浸漬法等、公知の塗布方法を用いることができる。なかでも、スピンコート、スクリーン印刷、浸漬法等が好ましい。
上記のようにして作製した光電変換素子は、第一電極1および第二電極2に外部回路6を接続して、太陽電池として用いることができる。
以下に実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例1
(光電変換素子の製造)
以下に示す手順により、図1に示される光電変換素子10Aを製造した。なお、感光層13の膜厚が大きい場合は、図2に示される光電変換素子10Bに対応することになる。
<導電性支持体11の作製>
ガラス基板(支持体11a、厚さ2.2mm)上にフッ素ドープされたSnO導電膜(透明電極11b)を形成し、導電性支持体11を作製した。
<ブロッキング層用溶液の調製>
チタニウム ジイソプロポキシド ビス(アセチルアセトナート)の15質量%イソプロパノール溶液(アルドリッチ社製)を1−ブタノールで希釈して、0.02Mのブロッキング層用溶液を調製した。
<ブロッキング層14の形成>
調製した0.02Mのブロッキング層用溶液を用いてスプレー熱分解法により、450℃にて、上記SnO導電膜上に酸化チタンからなるブロッキング層14(膜厚100nm)を形成した。
<酸化チタンペーストの調製>
酸化チタン(アナターゼ、平均粒径20nm)のエタノール分散液に、エチルセルロース、ラウリン酸およびテルピネオールを加えて、酸化チタンペーストを調製した。
<多孔質層12の形成>
調製した酸化チタンペーストをブロッキング層14の上にスクリーン印刷法で塗布し、焼成した。この酸化チタンペーストの塗布および焼成をそれぞれ2回行った。焼成温度は、1回目の焼成を130℃で行い、2回目の焼成を500℃で1時間行った。得られた酸化チタンの焼成体を、40mMのTiCl水溶液に浸した後、60℃で1時間加熱し、続けて500℃で30分間加熱して、TiOからなる多孔質層12(膜厚500nm)を形成した。
<アンモニウム化合物の調製>
下記に示す化合物A−1(R1a−NH、R1a=2−エチルヘキシル)の40%メタノール溶液(27.86mL)と57質量%のヨウ化水素の水溶液(ヨウ化水素酸、30mL)とを、フラスコ中、0℃で2時間攪拌した後、濃縮して、アンモニウム化合物の粗体を得た。得られたアンモニウム化合物の粗体をエタノールに溶解し、ジエチルエーテルで再結晶した。析出した結晶をろ取し、60℃で24時間減圧乾燥して、精製したアンモニウム化合物R1a−NHIを得た。
<感光層13の形成>
アンモニウム化合物R1a−NHIと金属化合物PbIを、モル比で2:1とし、表1に記載の溶媒中、60℃で12時間攪拌して混合した後、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターでろ過して、式(1A)で表される化合物と式(3)で表される化合物を表1に記載の含有率(質量%)(前述の式(A)で規定される含有率C。下記表1において「含有率C」と示す。)で含むペロブスカイト膜形成液A(光吸収剤溶液Aともいう)を調製した。
調製したペロブスカイト膜形成液Aをスピンコート法(2000rpmで60秒、続けて3000rpmで60秒)により多孔質層12の上に塗布し、塗布したペロブスカイト膜形成液Aをホットプレートにより、常圧下、窒素雰囲気中、100℃で40分間乾燥して、ペロブスカイト化合物を有する感光層13Aとしてのペロブスカイト膜(膜厚600nm:多孔質層12の膜厚500nmを含む)を形成した。得られたペロブスカイト化合物は(R1a−NHPbIを含んでいた。
このようにして、第一電極1を作製した。
<正孔輸送材料溶液の調製>
正孔輸送材料としてのSpiro−OMeTAD(180mg)をクロロベンゼン(1mL)に溶解した。このクロロベンゼン溶液に、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(170mg)をアセトニトリル(1mL)に溶解させたアセトニトリル溶液(37.5μL)と、t−ブチルピリジン(TBP、17.5μL)とを加えて混合し、正孔輸送材料溶液を調製した。
<正孔輸送層3の形成>
次いで調製した正孔輸送材料溶液を、スピンコート法により、第一電極1の感光層13上に塗布し、塗布した正孔輸送材料溶液を乾燥して、固体の正孔輸送層3(膜厚0.5μm)を形成した。
<第二電極2の作製>
蒸着法により金を正孔輸送層3上に蒸着して、第二電極2(膜厚0.3μm)を作製した。
このようにして、図1に示される光電変換素子10Aを製造した。
各膜厚は、上記方法に従って、SEMにより観察して、測定した。
実施例2〜9、比較例1〜5
(光電変換素子の製造)
実施例1の光電変換素子の製造において、表1に示したように、R1a−NH、溶媒、および含有率Cを変更してペロブスカイト膜形成液を調製した以外は実施例1と同様にして、光電変換素子(実施例2〜9および比較例1〜5)をそれぞれ製造した。実施例2〜7、9、比較例1〜5において、ペロブスカイト化合物は(R1a−NHPbIを含んでいた。また、実施例8において、ペロブスカイト化合物は(R1a−NH)PbIを含んでいた。
実施例10
(光電変換素子の製造)
実施例1の光電変換素子の製造において、アンモニウム化合物R1a−NHIとPbIとのモル比を1:1に変更した以外は実施例1と同様にして、光電変換素子(実施例10)を製造した。ペロブスカイト化合物は(R1a−NHPbIを含んでいた。
実施例11
(光電変換素子の製造)
実施例1の光電変換素子の製造において、アンモニウム化合物R1a−NHIとPbIとのモル比を3:1に変更した以外は実施例1と同様にして、光電変換素子(実施例11)を製造した。ペロブスカイト化合物は(R1a−NHPbIを含んでいた。
(光電変換効率のばらつき評価)
各実施例または比較例における光電変換素子の光電変換効率のばらつきを以下のようにして評価した。
すなわち、各実施例または比較例における光電変換素子を上記製造方法と同様にして20検体製造し、20検体それぞれについて、電池特性試験を行って、光電変換効率(η/%)を測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレーター「WXS−85H」(WACOM社製)を用いて、AM1.5フィルタを通したキセノンランプから1000W/mの擬似太陽光を各光電変換素子に照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、光電変換効率(η/%)を求めた。
このようにして求めた20検体の光電変換効率のうち、最も高い光電変換効率を「1」とした場合に、この光電変換効率に対する光電変換効率の相対値が0.80以上である検体の数を調べ、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
本発明において、光電変換効率のばらつき評価は、「A」および「B」が合格レベルである。「C」および「D」は変換効率のばらつきが大きく、本発明の合格レベル(要求レベル)に到達しない。
上記検体の数が、
A:18検体以上
B:14〜17検体
C:10〜13検体
D:9検体以下
(耐湿性の評価)
実施例または比較例の各例でそれぞれ製造した光電変換素子20検体のうち、各例において、最も変換効率の高かった検体をそれぞれ湿度65%RHの環境下に室温(25℃)で24時間放置した。その後、各検体について、上記の「光電変換効率のばらつき評価」と同様にして、電池特性試験を行い、放置後の光電変換効率を測定した。そして、それぞれの検体について、放置前の光電変換効率を「1」とした場合の放置後の光電変換効率の相対値を算出し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
本発明において、耐湿性の評価は、「A」および「B」が合格レベルである。「C」は耐湿性が低く、本発明の合格レベル(要求レベル)に到達しない。
上記相対値が、
A:0.9以上
B:0.8以上0.9未満
C:0.8未満
Figure 0006427390
表1中に記載のA−1〜A−4は下記の構造を有する化合物を示す。ここで、Meはメチルを表す。
Figure 0006427390
表1に示されるように、実施例1〜11の光電変換素子は、光電変換効率のばらつきが低減され、耐湿性にも優れていた。特に、R1aが炭素数3以上のアルキル基またはシクロアルキル基である実施例1および実施例6の光電変換素子は、光電変換効率のばらつきの低減および耐湿性の点で特に優れていた。
使用した溶媒の比誘電率が本発明で規定する範囲外である比較例1、比較例3〜5では、光電変換効率のばらつきが大きかった。特に、比較例4は比誘電率が低い溶媒(1−ブタノール)を使用しているが、混合溶媒としての比誘電率が本発明で規定する範囲外であるため、光電変換効率のばらつきが大きかったものと考えられる。また、比較例1および5は耐湿性にも劣っていた。
また、含有率Cの小さい比較例2は、耐湿性に劣っていた。
以上の結果から、本発明の光電変換素子、およびこれを用いた太陽電池は、光電変換効率のばらつきが低減され、耐湿性にも優れていることが示された。
実施例1の光電変換素子の製造において、光電変換素子の形態を図3〜図5に示す各形態に変更したこと以外は実施例1と同様にして、光電変換素子10C〜10Eをそれぞれ製造した。得られた光電変換素子は、実施例1と同様にして耐久性の評価をしたところ、いずれも、実施例1〜11の各光電変換素子と同様に優れた結果であった。
1A、1B、1C、1D、1E 第一電極
11 導電性支持体
11a 支持体
11b 透明電極
12 多孔質層
13A、13B、13C 感光層
14 ブロッキング層
15 電子輸送層
16 正孔輸送層
2 第二電極
3A、3B 正孔輸送層
4 電子輸送層
6 外部回路(リード)
10A、10B、10C、10D、10E 光電変換素子
100A、100B、100C、100D、100E 光電変換素子を電池用途に応用したシステム
M 電動モーター

Claims (11)

  1. 下記式(1A)で表される化合物を少なくとも1種と、下記式(3)で表される化合物を少なくとも1種と、溶媒を少なくとも1種とを含有するペロブスカイト膜形成液であって、下記式(A)で規定される含有率Cが50質量%以上75質量%以下であり、かつ前記溶媒の比誘電率が2.0以上20以下であるペロブスカイト膜形成液。
    式(1A):R1a−NH・X
    式(1A)中、R1aは、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、または下記式(2A)で表すことができる基を表す。Xはアニオン性原子を表す。
    Figure 0006427390
    式(2A)中、XはNR1c、酸素原子または硫黄原子を表す。R1bおよびR1cは各々独立に水素原子または置換基を表す。***は式(1A)のN原子との結合位置を表す。
    式(3):MX
    式(3)中、Mは金属原子を表し、Xはアニオン性原子を表す。
    式(A):C(質量%)=[(C+C)/(C+C+C)]×100
    式(A)中、Cは前記式(1A)で表される化合物の、前記ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表し、Cは前記式(3)で表される化合物の、前記ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表し、Cは前記溶媒の、前記ペロブスカイト膜形成液中の含有量を表す。
  2. 前記式(1A)で表される化合物においてR1aが炭素数3以上のアルキル基、またはシクロアルキル基である請求項1に記載のペロブスカイト膜形成液。
  3. 前記式(A)で規定される含有率Cが50質量%以上70質量%以下である請求項1または2に記載のペロブスカイト膜形成液。
  4. 前記溶媒の比誘電率が5.0以上20以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のペロブスカイト膜形成液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペロブスカイト膜形成液を用いて形成したペロブスカイト膜。
  6. 請求項5に記載のペロブスカイト膜を有する光電変換素子。
  7. 前記ペロブスカイト膜が感光層である請求項6に記載の光電変換素子。
  8. 請求項5に記載のペロブスカイト膜を有する太陽電池。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペロブスカイト膜形成液を塗布、乾燥する工程を含む、ペロブスカイト膜の製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペロブスカイト膜形成液を塗布、乾燥してペロブスカイト膜を感光層として形成する工程を含む、光電変換素子の製造方法。
  11. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペロブスカイト膜形成液を塗布、乾燥してペロブスカイト膜を感光層として形成する工程を含む、太陽電池の製造方法。
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