JP7016806B2 - フレキシブル太陽電池 - Google Patents

フレキシブル太陽電池 Download PDF

Info

Publication number
JP7016806B2
JP7016806B2 JP2018539757A JP2018539757A JP7016806B2 JP 7016806 B2 JP7016806 B2 JP 7016806B2 JP 2018539757 A JP2018539757 A JP 2018539757A JP 2018539757 A JP2018539757 A JP 2018539757A JP 7016806 B2 JP7016806 B2 JP 7016806B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
organic
photoelectric conversion
solar cell
insulating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018539757A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018052032A1 (ja
Inventor
哲也 榑林
元彦 浅野
健晴 森田
智仁 宇野
麻由美 湯川
明伸 早川
哲也 会田
雄一郎 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Publication of JPWO2018052032A1 publication Critical patent/JPWO2018052032A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7016806B2 publication Critical patent/JP7016806B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/80Constructional details
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を有する場合であっても、耐久性に優れるフレキシブル太陽電池に関する。
従来、太陽電池の光電変換素子として、対向する電極間にN型半導体層とP型半導体層とを配置した積層体が盛んに開発されており、上記N型、P型半導体として主にシリコン等の無機半導体が用いられている。しかしながら、このような無機太陽電池は、製造にコストがかかるうえ大型化が困難であり、利用範囲が限られてしまうという問題があった。そこで、近年、有機無機ペロブスカイト化合物を光電変換層に用いたペロブスカイト太陽電池が注目されている。ペロブスカイト太陽電池は、高い光電変換効率が期待できるうえに、印刷法によって製造できることから製造コストを大幅に削減することができる。
一方、近年太陽電池の基材として、ポリイミド、ポリエステル系の耐熱高分子材料や金属箔を基材とするフレキシブルな太陽電池が注目されるようになってきている。フレキシブル太陽電池は、薄型化や軽量化による運搬、施工の容易さや、衝撃に強い等の利点がある。
フレキシブル太陽電池は、フレキシブル基材上に、光が照射されると電流を生じる機能を有する光電変換層等を薄膜状に積層することにより製造される。更に、必要に応じて太陽電池素子の上下面を、太陽電池封止シートを積層して封止する(例えば、特許文献1等)。
しかしながら、このようなフレキシブル太陽電池に有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を用いた場合、耐久性に劣るという問題があった。
国際公開第2012/046564号
本発明は、上記現状に鑑み、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を有する場合であっても、耐久性に優れるフレキシブル太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも、フレキシブル基材と、有機絶縁層と、電極と、光電変換層と、対向電極と、バリア層とがこの順番に積層されたフレキシブル太陽電池であって、前記フレキシブル基材は金属箔からなり、前記光電変換層は、有機無機ペロブスカイト化合物を含んでおり、前記バリア層は、少なくとも前記光電変換層を封止し、かつ、前記有機絶縁層の側面全体を封止しているフレキシブル太陽電池である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、フレキシブル太陽電池に有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を用いた場合に耐久性が劣る原因を検討したところ、大気中の水分が有機絶縁層を透過して光電変換層を劣化させることが原因であることを見出した。
図1に従来の有機無機ペロブスカイト化合物を用いたフレキシブル太陽電池の断面図を示した。従来のフレキシブル太陽電池では、金属箔からなるフレキシブル基材11の上に有機絶縁層12、電極13、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層(以下単に光電変換層という。)14、対向電極15、バリア層16がこの順番で積層している。電極13、光電変換層14、対向電極15はマスク蒸着やレーザーによってパターニングされており、パターニングにより区切られた電極13、光電変換層14、対向電極15の積層体が太陽電池の各セルとなっている。各セルは対向電極15が隣のセルの電極13と接続することで直列につながっており、セルの両端、つまり電極13の両端部には、セルから生じた電流を取り出すための取り出し電極17が接続されている。
このようなフレキシブル太陽電池において、光電変換層14に含まれる有機無機ペロブスカイト化合物は水分に非常に弱いため、大気中の水分による劣化を防ぐためにバリア層16によって保護されており、大気と接触しないようになっている。しかし、光電変換層14は、フレキシブル基材11と電極13の間を絶縁するために形成される有機絶縁層12と接しており、この有機絶縁層12が水分を吸収しやすい性質をもっている。そして、従来のフレキシブル太陽電池では、有機絶縁層12がフレキシブル太陽電池の側面で大気に露出しているため、そこから水分がフレキシブル太陽電池の内部に侵入し、有機絶縁層12と光電変換層14との界面まで達することで、有機無機ペロブスカイト化合物を劣化させていた。
有機絶縁層からの水分の侵入を防ぐ方法としては、有機絶縁層の側面までバリア層を形成することが考えられたが、電極の両端部に取り出し電極を接続する必要があるため、製造工程の容易さの観点から、従来のフレキシブル太陽電池では取り出し電極の内側の範囲内でバリア層を形成することが通常であった。
これに対して、本発明者らは、有機絶縁層の側面まで敢えてバリア層で保護することにより、大気中の水分の侵入を防ぐことができることを見出した。なかでも、本発明者らは更に検討した結果、有機絶縁層の端部がフレキシブル基材の端部よりも内側に位置する構造とすることで、フレキシブル太陽電池の側面までバリア層を形成しなくとも有機絶縁層の側面を保護することができ、大気中の水分の侵入を防ぐことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のフレキシブル太陽電池(以下、単に「太陽電池」ともいう。)では、少なくとも、フレキシブル基材(以下、単に「基材」ともいう。)と、有機絶縁層と、電極と、光電変換層と、対向電極と、バリア層とがこの順番に積層している。
なお、本明細書中、「層」とは、明確な境界を有する層だけではなく、含有元素が徐々に変化する濃度勾配のある層をも意味する。なお、層の元素分析は、例えば、太陽電池の断面のFE-TEM/EDS線分析測定を行い、特定元素の元素分布を確認する等によって行うことができる。また、本明細書中、層とは、平坦な薄膜状の層だけではなく、他の層と一緒になって複雑に入り組んだ構造を形成しうる層をも意味する。
ここで本発明の太陽電池の一例の断面図を図2に示す。図2に示す本発明の太陽電池は、金属箔からなる基材31の上に有機絶縁層32が形成されている。有機絶縁層32の上には電極33、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層(以下単に光電変換層という。)34、対向電極35が従来の太陽電池と同様の構造で積層している。対向電極35の上にはバリア層36が下部の層を封止するように積層されており、バリア層36は有機絶縁層32の側面全体を覆うように形成され、有機絶縁層32の側面全体を封止している。また、電極33の両端部には取り出し電極37が接続されている。
更にここで本発明の太陽電池の別の一例の断面図を図3に示す。図3に示す本発明の太陽電池は、金属箔からなる基材21の上に有機絶縁層22が金属箔からなる基材21の端部よりも内側に形成されている。有機絶縁層22の上には電極23、光電変換層24、対向電極25が従来の太陽電池と同様の構造で積層している。対向電極25の上にはバリア層26が下部の層を封止するように積層されており、バリア層26は有機絶縁層22の側面全体を覆うように形成され、有機絶縁層22の側面全体を封止している。また、電極23の両端部には取り出し電極27が接続されている。
本発明の太陽電池では、上記バリア層は、少なくとも上記光電変換層を封止し、かつ、上記有機絶縁層の側面全体を封止している。
本発明の太陽電池では、図2及び図3に一例として示すように、バリア層36、26が少なくとも光電変換層34、24を封止し、かつ、有機絶縁層32、22の側面全体を封止しているため、大気中の水分が有機絶縁層32、22へ侵入することがなく、光電変換層34、24の劣化を防止できる。
上記バリア層は、少なくとも上記光電変換層を封止し、かつ、上記有機絶縁層の側面全体を封止していればよいが、上記電極、上記対向電極、後述する電子輸送層及びホール輸送層等を更に封止していてもよい。なお、本明細書中、バリア層が「封止している」とは、バリア層がその端部を閉じるようにして対象物全体を覆っていることを意味する。
上記有機絶縁層の端部は、上記基材の端部よりも内側に位置していてもよい。
本発明の太陽電池では、図3に一例として示すように、有機絶縁層22が基材21の端部(基材21の両端)より内側、つまり、基材21が有機絶縁層22の外周からはみ出すように形成されていてもよい。その結果、バリア層26を形成した際に、有機絶縁層22の側面まで封止しやすくなるため、大気中の水分が有機絶縁層22へ侵入することがなく、光電変換層24の劣化を防止できる。
また、上記有機絶縁層の端部を上記基材の端部よりも内側にすることで、太陽電池の側面までバリア層を形成する必要がないため、高耐久性の太陽電池を低コストで製造することができる。
ただし、上記有機絶縁層は、上記基材の端部まで形成されていてもよい。この場合であっても、図2に一例として示すように、バリア層36が有機絶縁層32の側面まで回り込んで封止していれば、大気中の水分が有機絶縁層32へ侵入することがなく、光電変換層34の劣化を防止できる。
上記有機絶縁層の端部と上記基材の端部との距離は、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。上記有機絶縁層の端部が上記基材の端部から1mm以上離れた位置にあることで、バリア層によって上記有機絶縁層を側面まで確実に封止することができる。上記基材の端部と上記有機絶縁層の端部との間の距離の上限は特に限定されないが、太陽電池設置後のランニングコストの観点から10mm以内が好ましい。なお、上記有機絶縁層の端部と上記基材の端部との距離は顕微鏡観察によって測定できる。
上記バリア層は、上記電極に取り出し電極を接続するための開口部を有していることが好ましい。なお、取り出し電極を接続するための開口部は、マスク蒸着によってバリア層を形成する方法や、バリア層を形成した後にレーザー等で削る方法によって形成することができる。
上記基材は、金属箔からなる。
フレキシブル基材を金属箔とすることで、耐熱性高分子を用いる場合と比べてコストを抑えられるとともに、高温処理を行うことができる。上記金属箔としては、例えば、アルミニウム、チタン、銅、金等の金属や、ステンレス鋼(SUS)等の合金を用いることができる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記基材の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は5μm、好ましい上限は500μmである。上記基材の厚さが5μm以上であることで、充分な機械的強度を持つ、取扱い性に優れた太陽電池とすることができる。上記基材の厚さが500μm以下であることで、フレキシブル性に優れた太陽電池とすることができる。上記基材の厚さのより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μmである。
上記有機絶縁層は、上記基材と上記電極との間を絶縁する役割を持つ。
上記有機絶縁層としては、例えば、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。なかでも、絶縁性が優れていることから、ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
上記有機絶縁層の厚みの好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は10μmである。上記有機絶縁層の厚みが0.1μm以上であることで、上記基材と上記電極とを確実に絶縁することができる。上記有機絶縁層の厚みが10μm以下であることで、フレキシブル性に優れた太陽電池とすることができる。上記有機絶縁層の厚みのより好ましい下限は1μm、より好ましい上限は7μmである。
上記電極及び上記対向電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができる。なお、上記電極及び対向電極は、パターニングされた電極であることが多い。
上記電極及び上記対向電極の材料として、例えば、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム-銀混合物、マグネシウム-インジウム混合物、アルミニウム-リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物、金等の金属、CuI、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、上記電極及び上記対向電極は、どちらが陰極になってもよく、陽極になってもよい。
上記光電変換層は有機無機ペロブスカイト化合物を含む。なお、上記光電変換層は、パターニングされた層であることが多い。
上記光電変換層に上記有機無機ペロブスカイト化合物を用いることにより、太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。上記有機無機ペロブスカイト化合物は、一般式R-M-X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物であることが好ましい。
上記Rは有機分子であり、C(l、m、nはいずれも正の整数)で示されることが好ましい。
上記Rは、具体的には例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、イミダゾリン、カルバゾール、メチルカルボキシアミン、エチルカルボキシアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ヘキシルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン、アニリン、ピリジン及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)やフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオンがより好ましい。中でも高い光電変換効率が得られることから、メチルアミン、ホルムアミジニウム及びこれらのイオンが更に好ましい。
上記Mは金属原子であり、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。なかでも、電子軌道の重なりの観点から、鉛又はスズが好ましい。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄、セレン等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物が有機溶媒に可溶になり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子が好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素がより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造を有することが好ましい。
図4は、体心に金属原子M、各頂点に有機分子R、面心にハロゲン原子又はカルコゲン原子Xが配置された立方晶系の構造である、有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。詳細は明らかではないが、上記構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上すると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とは、X線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。
上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制されやすくなる。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度の好ましい下限は30%である。上記結晶化度が30%以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。また、上記結晶化度が30%以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制されやすくなる。上記結晶化度のより好ましい下限は50%、更に好ましい下限は70%である。
また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法として、例えば、熱アニール(加熱処理)、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等が挙げられる。
また、他の結晶化の指標として結晶子径を評価することもできる。結晶子径は、X線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークの半値幅からhalder-wagner法で算出することができる。
上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶子径が5nm以上であれば、太陽電池に光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)、特に短絡電流の低下に起因する光劣化が抑制される。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、太陽電池の光電変換効率が向上する。上記結晶子径の好ましい下限は10nm、より好ましい下限は20nmである。
上記光電変換層は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物に加えて、更に、有機半導体又は無機半導体を含んでいてもよい。
上記有機半導体として、例えば、ポリ(3-アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物や、表面修飾されていてもよいカーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のカーボン含有材料も挙げられる。
上記無機半導体として、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛、CuSCN、CuO、CuI、MoO、V、WO、MoS、MoSe、CuS等が挙げられる。
上記光電変換層は、上記有機無機ペロブスカイト化合物と上記有機半導体又は上記無機半導体とを含む場合、薄膜状の有機半導体又は無機半導体部位と薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位とを積層した積層体であってもよいし、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜であってもよい。製法が簡便である点では積層体が好ましく、上記有機半導体又は上記無機半導体中の電荷分離効率を向上させることができる点では複合膜が好ましい。
上記薄膜状の有機無機ペロブスカイト化合物部位の厚みは、好ましい下限が5nm、好ましい上限が5000nmである。上記厚みが5nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが5000nm以下であれば、電荷分離できない領域が発生することを抑制できるため、光電変換効率の向上につながる。上記厚みのより好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は20nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物部位とを複合化した複合膜である場合、上記複合膜の厚みの好ましい下限は30nm、好ましい上限は3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、充分に光を吸収することができるようになり、光電変換効率が高くなる。上記厚みが3000nm以下であれば、電荷が電極に到達しやすくなるため、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は40nm、より好ましい上限は2000nmであり、更に好ましい下限は50nm、更に好ましい上限は1000nmである。
上記光電変換層は、光電変換層形成後に熱アニール(加熱処理)が施されていることが好ましい。熱アニール(加熱処理)を施すことにより、光電変換層中の有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができ、光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)をより抑制することができる。従来の耐熱高分子材料からなるフレキシブル基材を用いたフレキシブル太陽電池にこのような熱アニール(加熱処理)を行うと、フレキシブル基材と光電変換層等との線膨張係数の相違により、アニール時に歪みが生じ、その結果、高い光電変換効率を達成することが難しくなる。これに対して本発明では、上記フレキシブル基材として金属箔を用いることにより、熱アニール(加熱処理)を行っても、歪みの発生を最小限に抑えて、高い光電変換効率を有するフレキシブル太陽電池を得ることができる。
上記熱アニール(加熱処理)を行う場合、上記光電変換層を加熱する温度は特に限定されないが、100℃以上、200℃未満であることが好ましい。上記加熱温度が100℃以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加熱温度が200℃未満であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。より好ましい加熱温度は、120℃以上、170℃以下である。また、加熱時間も特に限定されないが、3分以上、2時間以内であることが好ましい。上記加熱時間が3分以上であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を充分に上げることができる。上記加熱時間が2時間以内であれば、上記有機無機ペロブスカイト化合物を熱劣化させることなく加熱処理を行うことができる。
これらの加熱操作は真空又は不活性ガス下で行われることが好ましく、露点温度は10℃以下が好ましく、7.5℃以下がより好ましく、5℃以下が更に好ましい。
本発明の太陽電池は、陰極となる電極と上記光電変換層との間に、電子輸送層を有してもよい。なお、上記電子輸送層は、パターニングされた層であることが多い。
上記電子輸送層の材料は特に限定されず、例えば、N型導電性高分子、N型低分子有機半導体、N型金属酸化物、N型金属硫化物、ハロゲン化アルカリ金属、アルカリ金属、界面活性剤等が挙げられる。具体的には例えば、シアノ基含有ポリフェニレンビニレン、ホウ素含有ポリマー、バソキュプロイン、バソフェナントレン、ヒドロキシキノリナトアルミニウム、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸化合物、ペリレン誘導体、ホスフィンオキサイド化合物、ホスフィンスルフィド化合物、フルオロ基含有フタロシアニン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ガリウム、硫化スズ、硫化インジウム、硫化亜鉛等が挙げられる。
上記電子輸送層は、薄膜状の電子輸送層(バッファ層)のみからなっていてもよいが、多孔質状の電子輸送層を含むことが好ましい。特に、上記光電変換層が、有機半導体又は無機半導体部位と有機無機ペロブスカイト化合物を複合化した複合膜である場合、より複雑な複合膜(より複雑に入り組んだ構造)が得られ、光電変換効率が高くなることから、多孔質状の電子輸送層上に複合膜が製膜されていることが好ましい。
上記電子輸送層の厚みは、好ましい下限が1nm、好ましい上限が2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分にホールをブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、電子輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記電子輸送層の厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
本発明の太陽電池は、上記光電変換層と陽極となる電極との間に、ホール輸送層を有してもよい。なお、上記ホール輸送層は、パターニングされた層であることが多い。
上記ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、P型導電性高分子、P型低分子有機半導体、P型金属酸化物、P型金属硫化物、界面活性剤等が挙げられる。具体的には例えば、ポリ(3-アルキルチオフェン)等のチオフェン骨格を有する化合物等が挙げられる。また、例えば、トリフェニルアミン骨格、ポリパラフェニレンビニレン骨格、ポリビニルカルバゾール骨格、ポリアニリン骨格、ポリアセチレン骨格等を有する導電性高分子等も挙げられる。更に、例えば、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ベンゾポルフィリン骨格等のポルフィリン骨格、スピロビフルオレン骨格等を有する化合物等が挙げられる。更に、例えば、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸、CuSCN、CuI等の銅化合物、カーボンナノチューブ、グラフェン等のカーボン含有材料等が挙げられる。
上記ホール輸送層は、その一部が上記光電変換層に浸漬していてもよい(上記光電変換層と入り組んだ構造を形成していてもよい)し、上記光電変換層上に薄膜状に配置されてもよい。上記ホール輸送層が薄膜状に存在する時の厚みは、好ましい下限は1nm、好ましい上限は2000nmである。上記厚みが1nm以上であれば、充分に電子をブロックできるようになる。上記厚みが2000nm以下であれば、ホール輸送の際の抵抗になり難く、光電変換効率が高くなる。上記厚みのより好ましい下限は3nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は5nm、更に好ましい上限は500nmである。
上記バリア層は太陽電池を外部の水分や物質から保護する役割を持つ。上記バリア層は、水蒸気バリア性が高く、バリア層を薄くできることから無機材料であることが好ましい。上記無機材料としては、Si、Al、Zn、Sn、In、Ti、Mg、Zr、Ni、Ta、W、Cu若しくはこれらを2種以上含む合金の酸化物、窒化物又は酸窒化物が挙げられる。なかでも、上記バリア層に水蒸気バリア性及び柔軟性を付与するために、Zn、Snの両金属元素を含む金属元素の酸化物、窒化物又は酸窒化物が好ましい。
上記バリア層の厚みは、好ましい下限が30nm、好ましい上限が3000nmである。上記厚みが30nm以上であれば、上記バリア層が充分な水蒸気バリア性を有することができ、太陽電池の耐久性が向上する。上記厚みが3000nm以下であれば、上記バリア層の厚みが増した場合であっても、発生する応力が小さいため、上記バリア層の剥離を抑制することができる。上記厚みのより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は1000nmであり、更に好ましい下限は100nm、更に好ましい上限は500nmである。
なお、上記バリア層の厚みは、光学干渉式膜厚測定装置(例えば、大塚電子社製のFE-3000等)を用いて測定することができる。
上記バリア層を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、気相反応法(CVD)、イオンプレーティング法が好ましい。なかでも、緻密な層を形成するためにはスパッタリング法が好ましく、スパッタリング法のなかでもDCマグネトロンスパッタリング法がより好ましい。
上記スパッタリング法においては、金属ターゲット、及び、酸素ガス又は窒素ガスを原料とし、上記対向電極上に原料を堆積して製膜することにより、無機材料からなるバリア層を形成することができる。
上記有機絶縁層の側面全体を封止するように上記バリア層を形成するためには、上記有機絶縁層の端部をマスクで覆うことなく、かつ、上記有機絶縁層の幅よりも小さい幅のスパッタターゲットを用いて製膜することが好ましい。これにより、上記有機絶縁層を上記基材の端部まで形成したとしても、上記バリア層が上記有機絶縁層の側面まで回り込んで封止することができる。更には、製膜時の圧力を0.5Paよりも高くすることが好ましい。これにより、スパッタ粒子の平均自由行程が短くなり直進性が低くなるため、上記有機絶縁層の側面の封止性がより向上する。また、上記有機絶縁層の側面全体を封止するように上記バリア層を形成するためには、上記有機絶縁層の端部を上記基材の端部よりも内側に位置させることも好ましい。
本発明の太陽電池においては、更に、上記バリア層上を、例えば樹脂フィルム、無機材料を被覆した樹脂フィルム、金属箔等のその他の材料が覆っていてもよい。即ち、本発明の太陽電池は、上記対向電極と上記その他の材料との間を、上記バリア層によって封止、充填又は接着している構成であってもよい。これにより、仮に上記バリア層にピンホールがあった場合にも充分に水蒸気をブロックすることができ、太陽電池の耐久性をより向上させることができる。
本発明の太陽電池を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記基材上に、上記有機絶縁層、上記電極、上記光電変換層、上記対向電極、上記バリア層を上記の方法で積層する方法等が挙げられる。なお、各層をパターニングしたり、所定の位置に形成したりするためには、マスクを用いて所定の位置を覆ったうえで各層を形成する方法や、各層を形成した後に所定の位置を拭き取ったりレーザー等で削ったりする方法を用いることができる。
本発明によれば、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を有する場合であっても、耐久性に優れるフレキシブル太陽電池を提供することができる。
従来の有機無機ペロブスカイト化合物を用いたフレキシブル太陽電池の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の有機無機ペロブスカイト化合物を用いたフレキシブル太陽電池の一例を模式的に示した断面図である。 本発明の有機無機ペロブスカイト化合物を用いたフレキシブル太陽電池の別の一例を模式的に示した断面図である。 有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造の一例を示す模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(試験用フレキシブル太陽電池の製造)
耐久性を評価するためのサンプルとして以下の工程で試験用フレキシブル太陽電池を製造した。
厚さ100μmのアルミニウム箔の表面上に、アルミニウム箔の端をマスクで覆った上でスピンコートすることで厚さ3μmのポリイミド樹脂(UV-S、宇部興産社製)からなる有機絶縁層を形成した。これにより、有機絶縁層の端部の位置をアルミニウム箔の端部より2mm内側とした。有機絶縁層形成後にマスクを除去した。
次いで、有機絶縁層上に、陰極として真空蒸着法により厚み200nmのアルミニウム膜を、マスクを用いて所定の位置に形成した。陰極形成後にマスクを除去した。
その後、陰極上に有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径10nmと30nmとの混合物)とを含有する酸化チタンペーストをスピンコート法により塗布し、アルミニウム箔の端部と陰極の一部が露出するように酸化チタンペーストを拭き取り、150℃で10分間乾燥させた。更に、高圧水銀ランプ(セン特殊光源社製、HLR100T-2)を用いて、紫外線を射強度500mW/cmで15分間照射し、酸化チタンからなる厚み200nmの多孔質状の電子輸送層を形成した。
次いで、ハロゲン化金属化合物としてヨウ化鉛をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させて1Mの溶液を調製し、上記多孔質状の電子輸送層上にスピンコート法によって製膜した。更に、アミン化合物としてヨウ化メチルアンモニウムを2-プロパノールに溶解させて1Mの溶液を調製した。この溶液内に上記のヨウ化鉛を製膜したサンプルを浸漬させることによって有機無機ペロブスカイト化合物であるCHNHPbIを含む層を形成し、アルミニウム箔の端部と陰極の一部が露出するように有機無機ペロブスカイト化合物を含む層を拭き取った。その後、得られたサンプルに対して120℃にて30分間アニール処理を行った。
アニール後の光電変換層の有機無機ペロブスカイト化合物部位上に、Poly(4-butylphenyl-diphenyl-amine)(1-Material社製)の2重量%クロロベンゼン溶液を、スピンコート法によって100nmの厚みに積層してホール輸送層を形成した。アルミニウム箔の端部と陰極の一部が露出するようにホール輸送層を拭き取った。
次いで、マスクを用いて、ホール輸送層上の所定の位置に、電子ビーム蒸着法によってITOからなる厚み1000nmの陽極を形成した。陽極の形成後、マスクを除去した。
次いで、陰極と陽極の取り出し電極を接続する部分をマスクで覆い、スパッタ法により100nmのZnSnOからなるバリア層を、アルミニウム箔の全面かつ有機絶縁層の側面全体を覆うように形成した。その後マスクを除去して試験用フレキシブル太陽電池を得た。
(実施例2~7、参考例1
有機絶縁層の種類、バリア層の種類及び基材の端部と有機絶縁層の端部との距離を表1の通りに変更した以外は実施例1と同様にして試験用フレキシブル太陽電池を得た。なお、フッ素樹脂(PTFE)は、旭硝子社製CTL-107MKを、シリコーン樹脂は、信越シリコーン社製KR255を用いた。
(比較例1)
有機絶縁層をアルミニウム箔の端部まで形成し、有機絶縁層の端部にテープを貼ってマスクしたうえでバリア層を形成することにより有機絶縁層の側面までバリア層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、試験用フレキシブル太陽電池を製造した。
(比較例2、3)
有機絶縁層の種類及びバリア層の種類を表1に記載のものに変更した以外は比較例1と同様にして、試験用フレキシブル太陽電池を製造した。
<評価>
実施例、比較例及び参考例で得られた試験用フレキシブル太陽電池について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(耐久性の評価)
太陽電池の電極間に、電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、強度100mW/cmのソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて、露光面積0.01cmにて光電変換効率を測定し、得られた光電変換効率を初期光電変換効率とした。その後、太陽電池を85%RH、85℃の条件下に置いて耐久試験を行った。耐久試験を100時間行うごとに初期光電変換効率と同様にして光電変換効率を測定し、光電変換効率が初期光電変換効率の80%となった時の時間を測定した。なお、1000時間後の測定においても光電変換効率が初期光電変換効率の80%以上であった場合には劣化無しとした。
Figure 0007016806000001
本発明によれば、有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を有する場合であっても、耐久性に優れるフレキシブル太陽電池を提供することができる。
11、21、31 金属箔からなるフレキシブル基材
12、22、32 有機絶縁層
13、23、33 電極
14、24、34 有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層
15、25、35 対向電極
16、26、36 バリア層
17、27、37 取り出し電極

Claims (1)

  1. 少なくとも、フレキシブル基材と、有機絶縁層と、電極と、光電変換層と、対向電極と、バリア層とがこの順番に積層されたフレキシブル太陽電池であって、
    前記フレキシブル基材は金属箔からなり、
    前記光電変換層は、有機無機ペロブスカイト化合物を含んでおり、
    前記バリア層は、少なくとも前記光電変換層を封止し、かつ、前記有機絶縁層の側面全体を封止しており、
    前記バリア層は、前記電極に取り出し電極を接続するための開口部を有しており、
    前記有機絶縁層の端部は、前記フレキシブル基材の端部よりも内側に位置する
    ことを特徴とするフレキシブル太陽電池。
JP2018539757A 2016-09-14 2017-09-13 フレキシブル太陽電池 Active JP7016806B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016179762 2016-09-14
JP2016179762 2016-09-14
PCT/JP2017/033090 WO2018052032A1 (ja) 2016-09-14 2017-09-13 フレキシブル太陽電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018052032A1 JPWO2018052032A1 (ja) 2019-07-18
JP7016806B2 true JP7016806B2 (ja) 2022-02-07

Family

ID=61618815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018539757A Active JP7016806B2 (ja) 2016-09-14 2017-09-13 フレキシブル太陽電池

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7016806B2 (ja)
WO (1) WO2018052032A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7112225B2 (ja) * 2018-03-27 2022-08-03 積水化学工業株式会社 フレキシブル太陽電池及びフレキシブル太陽電池の製造方法
JP2021174884A (ja) * 2020-04-24 2021-11-01 フジプレアム株式会社 ペロブスカイト型太陽電池
JP2023038868A (ja) 2021-09-07 2023-03-17 株式会社エネコートテクノロジーズ ペロブスカイト太陽電池
JP2023141645A (ja) * 2022-03-24 2023-10-05 積水化学工業株式会社 シート構造物及びシート構造物における発電部の取付構造
JP2024051878A (ja) * 2022-09-30 2024-04-11 パナソニックホールディングス株式会社 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法
CN118338695A (zh) * 2024-06-17 2024-07-12 江苏汇显显示技术有限公司 太阳能电池组件及其制备方法和太阳能电池

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011108883A (ja) 2009-11-18 2011-06-02 Mitsubishi Chemicals Corp 太陽電池
JP2016091793A (ja) 2014-11-05 2016-05-23 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンスデバイス及びその製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001127323A (ja) * 1999-10-28 2001-05-11 Nisshin Steel Co Ltd ポリイミド系塗料薄膜を被覆した太陽電池基板用絶縁性金属箔帯およびその製造方法
US20120211061A1 (en) * 2009-10-30 2012-08-23 Takehito Kato Organic photovoltaic cell and organic photovoltaic module
WO2014132076A1 (en) * 2013-03-01 2014-09-04 Isis Innovation Limited Semiconducting layer production process
JP2015046298A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 コニカミノルタ株式会社 光電変換素子およびその製造方法、ならびにそれを用いた太陽電池
US9136408B2 (en) * 2013-11-26 2015-09-15 Hunt Energy Enterprises, Llc Perovskite and other solar cell materials
JP2015154049A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 三菱化学株式会社 薄膜太陽電池モジュール
JP2015185836A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 株式会社豊田中央研究所 複合自立膜、太陽電池、複合自立膜の製造方法
JP6427390B2 (ja) * 2014-11-07 2018-11-21 富士フイルム株式会社 ペロブスカイト膜形成液、ペロブスカイト膜、光電変換素子、太陽電池、ペロブスカイト膜の製造方法、光電変換素子の製造方法、および太陽電池の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011108883A (ja) 2009-11-18 2011-06-02 Mitsubishi Chemicals Corp 太陽電池
JP2016091793A (ja) 2014-11-05 2016-05-23 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンスデバイス及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018052032A1 (ja) 2018-03-22
JPWO2018052032A1 (ja) 2019-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7016806B2 (ja) フレキシブル太陽電池
CN107431131B (zh) 柔性太阳能电池
EP3252839B1 (en) Solar cell and solar cell manufacturing method
TWI753124B (zh) 太陽電池及太陽電池之製造方法
JP6876480B2 (ja) 太陽電池
JP6989391B2 (ja) 太陽電池
JP6592639B1 (ja) 太陽電池の製造方法、及び、太陽電池
JP6745116B2 (ja) フレキシブル太陽電池
JP6921582B2 (ja) 太陽電池
JP2019169684A (ja) 太陽電池
EP3522245B1 (en) Flexible solar cell
JP2016082003A (ja) 薄膜太陽電池の製造方法
JP6078662B2 (ja) 太陽電池
JPWO2018139146A1 (ja) フレキシブル太陽電池
JP6804957B2 (ja) フレキシブル太陽電池及びフレキシブル太陽電池の製造方法
JP7328956B2 (ja) 太陽電池の製造方法、及び、太陽電池
JP6859135B2 (ja) 太陽電池
JP6943713B2 (ja) 太陽電池
JP2018163939A (ja) 太陽電池
JP2018056233A (ja) 太陽電池
JP7112225B2 (ja) フレキシブル太陽電池及びフレキシブル太陽電池の製造方法
JP6835644B2 (ja) 太陽電池
JP2018125522A (ja) フレキシブル太陽電池
JP2020053454A (ja) 太陽電池及び太陽電池の製造方法
JP2018125523A (ja) フレキシブル太陽電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220126