JP6426916B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、洗濯脱水槽が回転する際の振動を抑制可能な洗濯機に関する。
従来、箱状に形成された本体の内部で有底円筒状の外槽を支持し、その外槽の内側で内槽である洗濯脱水槽を回転可能に支持する構成の洗濯機が一般的に知られている(例えば、特許文献1を参照)。
こうした一般的な洗濯機では、ばねを含んで構成されるサスペンションとこれを吊持する吊棒とを介して、外槽が本体に対し4箇所で弾性的に支持されることで、動作時の振動が抑制される。
このような構成とする場合、洗濯脱水槽の回転軸回りに外槽が振れ回る振動形態の低次固有振動数が、洗濯脱水槽の回転速度よりも低い領域で現れる。具体的には、洗濯脱水槽の底部にパルセータ(撹拌翼)が設けられ、脱水時には外槽の内部で洗濯脱水槽とパルセータとを一体的に高速回転させる。洗濯脱水槽の回転を開始し、増速する過程において、洗濯脱水槽の回転速度が上記低次固有振動数に合致すると一時的に振動が大きくなる。さらに洗濯脱水槽の回転速度を上げ、低次固有振動数より離れるにつれ振動は小さくなり、設定された回転速度において安定的に動作させることができる。
しかしながら、洗濯脱水槽に入れた洗濯物に偏りがあり、回転軸回りのアンバランス量が大きい場合には、外槽の振動が増大し、特に低次固有振動数において外槽が大きく振れ回り本体の内部に接触することも考えられる。さらに、洗濯機全体に大きな騒音・振動が生じることで、洗濯機の設置場所周辺の環境が悪化するとともに洗濯機を構成する部材が損傷するおそれがある。
上記の不具合を抑制するため、一般的には、外槽と本体との間に一定以上の隙間を持たせて外槽と本体との衝突を減らすことが考えられる。また、過大な振動を検知した際には回転を停止する、あるいは洗濯物の偏りを是正するような制御を行うことも考えられる。
しかしながら、外槽と本体との間に一定以上の隙間を持たせる場合には、本体に比し外槽を小型化せざるを得ず、本体内部に大きなデッドスペースが必要になる。また、振動対策を制御により行う場合には、振動検知手段及び複雑な制御が必要となり、コストの増大に繋がる。
そこで、上記の問題を解消するために下記特許文献2記載の技術を用いることが考えられる。特許文献2には、洗濯機の外槽の外側にクリアランスを持たせた状態でリングを同軸に配置し、このリングの外側に板ばねを設ける構成が開示されている(段落0094,0095及び図19D,19E参照)。この板ばねは、予め与圧を与えて変位させた状態でストッパにより保持され、それ以上に変位させてストッパによる規制が無くなった場合には、与圧分を含めた大きなばね力を作用させることができる。
そのため、特許文献2記載の技術では、洗濯脱水槽の回転速度が低次固有振動数に近づき、外槽が大きく振れ回りリングに接触すると、外槽が上記サスペンションに含まれるばねのみならず、リングに設けられた板ばねによっても弾性的に支持される状態となり、低次固有振動数が変化することで、振動を低減することが可能となる。
特開2011−240041号公報 特許第3984630号公報
しかしながら、上記特許文献2では、板ばねの一端を固定し、与圧を与えて圧縮(変位)させた状態で他端をストッパにより係止するとともに、板ばねの中央部付近をリングに当接させている。このように板ばねの両端に相対変位を与え、与圧を付与しながら、中央部をリングに当接させることは極めて困難であり、これを実現するためには現物合わせによる細かな位置調整が必要となることから、製造コストが増大する。
さらに、上記のとおり細かな位置調整を要することから、板ばねを支持するための機構及びリングを支持するための機構が複雑になり、製造コストがさらに増加する。
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、具体的には、外槽の振動を好適に抑制し、外槽と本体との隙間を小さくすることができる上に、簡単な構造とすることで組立を容易にして製造コストの低減を図ることのできる洗濯機を提供することを目的とする。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の洗濯機は、内部空間を形成された本体と、当該本体の内部空間に配置された外槽と、当該外槽の内部に配置され回転自在に支持された内槽と、前記外槽に設けられ前記内槽を回転させるモータと、前記本体に対して前記外槽を弾性的に支持する弾性支持手段とを備えるものにおいて、前記外槽と前記本体との間に配され前記外槽の変位が伝達されることで当該外槽を元の位置に戻すための反力を与える複数の引張りばねと、前記外槽の変位が所定値以上に大きくなった場合にのみ当該外槽の変位を前記引張りばねに伝達する変位伝達手段と、前記引張りばねの与圧を設定する与圧設定手段とを設け、前記外槽の変位が前記所定値以上となったタイミングで、前記与圧設定手段により設定されていた前記与圧を前記反力として作用させる、ことを特徴とする。
また本発明は、前記与圧設定手段が、前記引張りばねの両端にそれぞれ一体的に設けられたばね端規制部と、前記引張りばねに沿って配置した規制軸体とを備えており、前記変位伝達手段による変位が伝達されていない状態において、前記規制軸体の端部により前記ばね端規制部の相対位置を規制することで、前記引張りばねの伸びを許容しながら与圧を与えることを特徴とする。
そして本発明は、前記変位伝達手段が、前記外槽の外周に対して所定の隙間を設定して配されるリング状の振動規制部材と、これを支持するための紐状部材とを備え、前記引張りばねと前記紐状部材とを直列に接続し、これら引張りばね及び紐状部材を介して前記振動規制部材を前記本体に支持させたことを特徴とする。
また本発明は、前記変位伝達手段が、前記外槽の外周と前記本体との間に設けられた紐状部材であり、前記外槽の変位が所定値以上になった場合に前記紐状部材が緊張し、前記引張りばねに引張り力を作用させることを特徴とする。
さらに本発明は、前記変位伝達手段が、前記外槽の外周の少なくとも一部を包囲するとともに当該外槽の外周と所定の隙間を持たせて配置させ、端部を前記本体に接続させた帯状体を備えており、当該帯状体と前記引張りばねとを直列に接続させたことを特徴とする。
以上説明した本発明によれば、モータにより内槽を回転させる際に、外槽の固有振動数に回転速度が近接することで外槽が大きく振れ回ると、外槽の外周に設けられた弾性体が本体内部に接触することで、固有振動数を変化させて振動を低減することができる。
具体的には、外槽が振れ回る振動形態の固有振動数は、外槽を支持する弾性支持手段の弾性支持強さ(ばね定数)に依存し、回転速度がこの固有振動数に近接することで外槽は大きく振れ回る態様にて振動し、外槽の変位が所定値以上になった場合には、変位伝達手段を介して外槽の変位が引張りばねに伝達されることで、引張りばねにより反力を生じさせ外槽に与えることができる。この際、予め引張りばねには与圧を与えてあることから、外槽に対して急激に大きな反力が生じることになる。そのため、外槽の弾性支持強さが急激に変化することで固有振動数を変化させて外槽の振動を抑えることができ、内槽を所定の回転周波数までさらに昇速させることができる。
このように、外槽の固有振動数に起因する振動を振幅が過大になる前に低減し、内槽を所定の回転速度まで増速することが可能となることから、騒音や振動を防ぎ、設置場所の環境悪化を抑制することができる。さらには、外槽の弾性支持強さを変化させるための弾性体として、複数の引張りばねを用いることから、与圧を与える構成を簡単に実現することができるとともに、調整を容易にして、製造コストの低減を図ることができる。
特に、与圧設定手段の構成を具体化した本発明によれば、引張りばねに沿って規制軸体を設け、この規制軸体によりばね端規制部を介してばねの両端の相対位置を規制することで、簡単な構成でありながら、引張りばねに伸長方向への変形を許容しつつ与圧を与えることができる。
さらに、変位伝達手段がリング状の振動規制部材と紐状部材とを備える本発明によれば、変位量が所定値以上である限り、どの方向に外槽が変位した場合であっても引張りばねによる引張り力を外槽に作用させ、弾性支持強さを急激に変化させることができるため、振動の方向によらず速やかに振動の抑制を図ることが可能となる。
また、変位伝達手段が外槽の外周と本体との間に設けられた紐状部材である本発明によれば、外槽の変位が所定値以上となった場合に、紐状部材を介して外槽の変位を引張りばねに伝達するとともに、引張りばねによる引張り力を外槽に作用させることができ、簡単な構成ながら外槽が振れ回った際に弾性支持強さを急激に変化させて速やかに振動の抑制を図ることができる。
そして、変位伝達手段が外槽の外周を包囲する帯状体を備える本発明によれば、外槽の変位が所定値以上となった場合に、外槽の外周に配置した帯状体を介して引張りばねに外槽の変位を伝達するとともに、引張りばねによる引張り力を外槽に作用させることができ、簡単な構成ながら外槽が振れ回った際に弾性支持強さを急激に変化させ速やかに振動の抑制を図ることができる。また、外槽が振れ回った際には帯状体の内側との間で摩擦抵抗が生じることで振動の減衰を図ることもできるため、より大きな振動抑制効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る洗濯機を示す縦断面図。 図1のA−A断面矢視図。 同洗濯機における与圧設定手段を示す説明図。 同洗濯機の外槽に作用する力を模式的に示す説明図。 同外槽に作用する力と変位の関係を説明するための説明図。 本発明の第2実施形態に係る洗濯機を示す縦断面図。 図6の状態より洗濯脱水槽が変位した状態を示す縦断面図。 図6のA−A断面矢視図。 本発明の第3実施形態に係る洗濯機を示す縦断面図。 図9のA−A断面矢視図。 図10の状態より帯状体の一部を取り外して簡略化した状態を示す図。 図11の状態より洗濯脱水槽が変位した状態を示す図。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る洗濯機1を示す縦断面図であり、図2(a)は図1に記載したA−A位置における断面矢視図である。ただし、図1は、図2(a)のB−B位置、すなわち対角位置における断面を示す。また、図2(b)は、後述するように外槽3が変位した状態を示す。これら図1,2に記載した洗濯機1は概略構成を示したものであり、本発明とは無関係な部分を省略している。さらに、図2では、図1に記載される後述の弾性支持手段5を省略している。
この洗濯機1は、本体2と、外槽3と、内槽としての洗濯脱水槽4と、弾性支持手段5〜5とを備える。
本体2は、平面視略正方形状の下板22と、その縁部より立上げた四面をなす側板21〜21と、その上部に接続される上板23とが略直方体状に一体的に構成され、これらにより囲まれることで略直方体状に形成された内部空間2aを備える。
側板21及び下板22は金属板により形成され、上板23は樹脂により形成される。下板22は、その下面の四隅近傍に、本体2を床面に設置可能な脚22a〜22aを有する。上記上板23には、洗濯脱水槽4へ洗濯物を出し入れ可能な略円形の開口23aが設けられる。また、上板23は側板21より脱着可能とすることで、本体2の内部空間2aへ外槽3を容易に組み込むことができる。なお、上板23は洗濯機1の操作を行うための操作パネルと一体的に構成してもよい。
外槽3は、耐熱性を備える合成樹脂により成形され、平面視略円形の底板31と、底板31の縁部より立ち上がる側板32とを有する有底円筒状の部材である。外槽3は、本体2の内部空間2aにおいて弾性支持手段5によって吊持され、側板32の下部の4箇所には、弾性支持手段5を取り付けるための係合部33を備える。
洗濯脱水槽4は、金属によって形成され、平面視略円形の底板41と、底板41の縁部より立ち上がる側板42とを有する有底円筒状の部材である。洗濯脱水槽4は、外槽3の内部でこの外槽3と同軸に配されるとともに、外槽3によって回転自在に支持される。側板42及び底板41には図示しない多数の開口が設けられ、この開口を通じて洗濯脱水槽4内の水を排出することができる。
洗濯脱水槽4は、モータ34が底板31の上面側に向けて延出する駆動軸35を回転させることで回転する。また、モータ34は図示しない伝達手段を介して、洗濯脱水槽4の底板41中央に設けられたパルセータ(撹拌翼)43にも駆動力を与え、パルセータ43を回転させる。そのため、洗濯機1は、洗濯時には主としてパルセータ43のみを回転させ、脱水時には洗濯脱水槽4とパルセータ43とを一体的に高速で回転させることができる。
パルセータ43の回転の中心と洗濯脱水槽4の回転の中心とは、鉛直方向に配された同一の回転軸Raに設定される。なお、回転軸Raは、洗濯脱水槽4の底板41の中心、及び、外槽3の底板31の中心をも通過する。
弾性支持手段5〜5は外槽3を吊持するものである。本実施形態において弾性支持手段5〜5は4つ設けられ、それぞれ吊棒51とその先端に取り付けたサスペンション52とから構成される。サスペンション52は、外筒53とその内部に配された圧縮コイルばね54とを有する。本体2には、その内部空間2a上部の四隅2a1〜2a1(図2参照)に吊棒取り付け部24〜24がそれぞれ設けられ、各吊棒取り付け部24〜24には吊棒51の基端側が取り付けられる。さらにサスペンション52の外筒53は、上記外槽3の係合部33に引っ掛けられる態様でこの係合部33と係合する。このようにして、外槽3は、4つの弾性支持手段5〜5により内部空間2a内で吊持される。
各弾性支持手段5の圧縮コイルばね54は、外槽3の重量により圧縮されて反発力を生じるとともに、変位を吸収しながら外槽3を弾性的に支持する。さらに、4つの弾性支持手段5〜5はそれぞれ斜め方向より外槽3を吊持することで、協働して外槽3を本体2の中央方向に位置させるべくバランスを保つ役割を果たす。
すなわち、弾性支持手段5は、サスペンション52の圧縮コイルばね54の弾性に加えて、その位置関係により、吊持する外槽3をあたかも振り子のように中心に戻す復元力を生じさせることができる。そのため、外槽3は中心位置より変位した場合において、その変位量に応じた復元力を弾性支持手段5より得て、この復元力により本体2の中心位置に戻される。
ここで、上記のように外槽3が弾性支持手段5によって弾性的に支持されることで、外槽3が回転軸Ra回りに振れ回る振動形態に対応する低次固有振動数は約2〜3Hz程度の非常に低い回転速度領域に現れる。洗濯機1において最も振動が生じ易いのは、パルセータ43とともに洗濯脱水槽4を高速回転させる場合であり、一般的には上記低次固有振動数よりも十分に高い所定の運転速度で回転されるものの、起動してから昇速するまでの過程、あるいは、上記運転速度より減速する過程において、洗濯脱水槽4の回転速度が低次固有振動数に合致又は近接した場合には、外槽3が回転軸Ra回りに振れ回る態様で大きく振動する。さらには、洗濯脱水槽4の内部に入れる洗濯物に偏りがある場合には、これが回転軸Ra回りのアンバランスとなって加振力が増すことで、外槽3の振動はより増大する。
そこで、本実施形態の洗濯機1は、外槽3の振動を小さく抑えるため、図1,図2(a)に示すとおり、外槽3の変位が伝達されることで外槽3を元の位置に戻すための反力を与える4つの引張りばね6〜6と、外槽3の変位が所定値以上に大きくなった場合にのみこの外槽3の変位を引張りばね6に伝達する変位伝達手段8と、引張りばね6の与圧を設定する与圧設定手段7とをさらに備える。
各引張りばね6〜6は、デッドスペースとなりがちな本体2の隅部2a1に配されることから、振動抑制のための機能を持たせながら、装置全体の大型化を抑制することができる。
変位伝達手段8は、リング状をなす振動規制部材81と、この振動規制部材81を支持するための4つの紐状部材82〜82より構成される。振動規制部材81は、金属又は樹脂により形成することができる。紐状部材82は伸びにくい金属製などのワイヤを利用して構成され、可撓性を備えることで、引張り方向にのみ力の伝達を行い、圧縮方向にはほとんど力の伝達を生じさせない。
紐状部材82〜82は、その一端を振動規制部材81の4箇所に接続され、他端を上記引張りばね6〜6の一つにそれぞれ接続される。さらに、各引張りばね6〜6は、本体2の隅部2a1〜2a1に接続される。そのため、振動規制部材81は、引張りばね6〜6及び紐状部材82〜82を介して、本体2の四隅(隅部2a1〜2a1)より支持される。振動規制部材81は外槽3の上部近傍において外槽3と同軸に配され、外槽3の外周面32aとの間で全周に亘って略均等な隙間Eをなす。
図3は、引張りばね6及び与圧設定手段7を示す断面図である。具体的には、図3(a)は、引張りばね6が自然長Lの状態にある場合を示すものである。そして、図3(b)は、引張りばね6の両端に引張り力となる与圧Fpを与えてΔLだけ伸長させ、その長さを保持させた状態を示すものである。
本実施形態で用いる引張りばね6には金属巻線からなる引張りコイルばねを用い、この引張りばね6の両端にはそれぞればね端規制部71,71が一体的に設けられ、引張りばね6の内部には引張りばね6の長手方向に沿って規制軸体72が設けられる。なお、引張り力に対して反発力を生じるものであれば、引張りコイルばねに代え、他の弾性体を引張りばね6として利用することもできる。
ばね端規制部71は、それぞれ、円板部71aとこの円板部71aより外方に向かって張り出させた円環状の取付部71bとを備える。上記円板部71aは、引張りばね6の端部を構成するコイルの内部に挿入された上で固定され、引張りばね6の端部とともに変位することができる。引張りばね6の両端に配される各ばね端規制部71,71の一方には、円環状の取付部71bを利用して上記紐状部材82(図2参照)が取り付けられ、ばね端規制部71,71の他方は取付部71bを利用して本体2の隅部2a1(図2参照)に取り付けられる。こうすることで図2に示すとおり、引張りばね6〜6及び紐状部材82〜82を介して、振動規制部材81を本体2の四隅(隅部2a1〜2a1)より支持させる。
図3(b)に戻って、引張りばね6の内部に規制軸体72を挿入することで、この規制軸体72により、ばね端規制部71,71の円板部71a,71a同士の相対位置が規制される。こうすることで、引張りばね6を、ばね端規制部71,71を介し、与圧Fpを与えて自然長LよりもΔLだけ伸長させた状態で保持することができる。すなわち、ばね端規制部71,71及び規制軸体72は、引張りばね6に与圧Fpを設定するための与圧設定手段7として機能する。なお、通常密に巻いた引張りコイルばねには初期張力が発生し、この初期張力を越える力を与えないことには伸びを生じないため、この初期張力を上記の与圧Fpとして利用する場合には規制軸体72を用いない構成とすることもできる。
図3(c)は、図3(b)の状態より、さらに引張りばね6を伸長させた状態を示すものである。この図で示すとおり、与圧設定手段7は、引張りばね6の両端に与圧Fpを越える力を与えた場合には、引張りばね6を伸長させることができる。すなわち、与圧設定手段7は、引張りばね6の伸長方向への変形を許容しながら、与圧Fpを設定した状態を基準として短くなる方向への変形を規制する。
このように与圧設定手段7によって与圧を与えられた4つの引張りばね6〜6に加え、図1及び図2(a)に示すとおり、引張りばね6〜6と直列に接続される紐状部材82〜82により振動規制部材81は支持される。この際、各紐状部材82〜82の長さに僅かに余裕を持たせることで、振動規制部材81を支持させた状態においても各引張りばね6〜6には与圧設定時を越える伸びは生じない。
図2(b)を用いて上述したとおり、振動規制部材81は、外槽3の外周に対して隙間Eを持たせて配されることから、外槽3が水平方向(図中の例では右下方向)へ隙間E以上に大きく変位すると、外槽3の外周面32aが振動規制部材81に当接する。この際、外槽3の変位方向とは逆側(図中の例では左上)に位置する引張りばね6に、変位伝達手段8を構成する振動規制部材81及び紐状部材82を介して外槽3の変位が伝達される。なお、この紐状部材82の反対側に取り付けられた紐状部材82は弛みが増すものの、これと接続された引張りばね6に対して力を及ぼすことはない。
外槽3の変位が伝達されることで、引張りばね6に与圧設定時を基準とした伸びが僅かでも生じた場合には、与圧設定手段7による規制が解かれることで、それまで与圧設定手段7が負担していた与圧Fp分が引張りばね6の両端に作用し、振動規制部材81を介して、外槽3を変位とは逆の元の位置に引き戻す力を与えることができる。
図4(a),(b)は、本実施形態の洗濯機1の構造を模式的に表したものである。以下、図1を参照しながら、図4(a),(b)を用いて、洗濯機1の外槽3に作用する力について説明を行う。
まず、外槽3は、上述した4つの弾性支持手段5〜5によって吊持されることで、中心からの変位eに応じて、外槽3を中心に戻すための復元力k・eが生ずる。ここでkは、弾性支持手段5〜5によって中心方向に働く復元力をばね力と考えた場合(図4(a)参照)のばね定数である。ばね定数kは、外槽3を弾性的に支持するための弾性支持強さともいうことができる。
さらに、外槽3の質量をMとして、重心位置Cgより距離(変位)eだけ離れた回転中心Cr回りに外槽3が振れ回り運動を行う場合には、外径方向に向かう慣性力(遠心力)M・ω・eが生ずる。ここで、ωは外槽3が振れ回る際の角周波数であり、洗濯脱水槽4が回転する際の角周波数ωと等しい。また、洗濯脱水槽4(図2参照)のような、外槽3の内部における回転部分のアンバランスをΔmとして、回転中心Crからの距離をrとすると、このアンバランスに起因する慣性力(遠心力)はΔm・r・ωとなる。
そこで、これらより力の釣り合いを考えた場合、次式のような関係が得られる。
M・ω・e+Δm・r・ω=k・e ・・・式(1)
これを、変形すると次式のようになる。
e=Δm・r・ω/(M・ω−k) ・・・式(2)
式(2)より、M・ω−k=0を満たす回転速度となった場合には、変位eが極大、すなわち振動が大きくなる共振状態となる。
さらに、式(1)の左辺により生ずる力を慣性力Fi、右辺により生ずるばね力Fkとすると、次のように表すことができる。
Fi=M・ω・e+Δm・r・ω ・・・式(3)
Fk=k・e ・・・式(4)
図5は、上式の関係を、振幅(変位)eを横軸、慣性力Fiやばね力Fkを含む振動力Fを縦軸にして表したグラフである。図中で示す直線L1〜L10は、式(3)の関係を表す慣性特性直線であり、直線Laは、式(4)の関係を表すばね特性直線であり、これらの交点は、角周波数ωの時の振幅(変位)eと振動力Fを表す。
慣性特性直線L1〜L10は、傾きが角周波数ωの二乗に比例し、横軸との切片(交点)はΔm・r/Mで表される。慣性特性直線L1〜L10は、それぞれ角周波数ωの大きさを異ならせて記載したものであり、角周波数ωが大きくなるにつれて、直線L1より、L2、L3、・・・L10のように振幅eと慣性力Fiの関係が変化することを示している。そのため、各慣性特性直線L1〜L10とばね特性直線Laとの交点は、角周波数ωごとの振幅eと振動力Fとの関係を示すものとなる。
洗濯脱水槽4(図1参照)を起動させ、角周波数ωが増大していく過程を考えた場合、次のように振幅eと振動力Fが変化する。
まず慣性直線L1に対応する角周波数ωとなった場合、慣性特性直線L1とばね特性直線Laとの交点P1に対応する振幅eと振動力Fが生ずる。角周波数ωが増大し、慣性特性直線L2に対応するものとなった場合、慣性特性直線L2とばね特性直線Laとの交点P2に対応する振幅eと振動力Fが生ずる。さらに角周波数ωが増大して慣性特性直線L3に対応するものとなった場合、慣性特性直線L3とばね特性直線Laとの交点P3に対応する振幅eと振動力Fが生ずる。この状態より、さらに角周波数ωが増大して、慣性直線L4の状態に移行しようとした場合、慣性特性直線Laとの交点に対応する振幅eは非常に大きなものになる。
しかしながら、上述したとおり、本実施形態では、外槽3と本体2との間に隙間Eを介在させて変位伝達手段8を構成する振動規制部材81を設け、この振動規制部材81を紐状部材82及び引張りばね6を介して本体2と接続することで、引張りばね6の作用によって、より強い力で外槽3を中心方向に引き戻そうとする。この際、引張りばね6には与圧設定手段7により予め与圧Fpを与えてあるため、僅かでも伸びを生じた場合には与圧設定手段7による規制が解除され、与圧Fpの分が上乗せされて外槽3に作用する。すなわち、外槽3が大きく振動して隙間E以上に変位した場合、与圧Fpを含むことで急激に大きなばね力が作用し、ばね定数kが見かけ上大きくなる。すなわち、ばね特性直線Laは、振幅eが隙間E以上の領域では、傾きがより大きなばね特性直線Lbに遷移する。
これにより、慣性直線L4とばね特性直線Lbの交点P4に対応する振幅eと振動力Fとなり、振幅eは急激に小さくなる。これは、引張りばね6の作用によって、外槽3の低次固有振動数が変化したことを示しており、角周波数ωとのずれが生ずることで振動が低減する。
振幅eが隙間Eよりも小さくなることで再び外槽3の低次固有振動数は元に戻るが、この際には角周波数ωは低次固有振動数よりも大きくなっており、再び共振が生ずることなく振幅eの小さい状態を維持することができる。すなわち、角周波数ωが増大し、慣性直線L5,L6のように移行しても、ばね特性直線Laとの交点P5,P6に示されるとおり振幅eが隙間Eを越えることはなく、小さいレベルを維持することができる。
なお、ばね特性直線Lbは、必ずしも原点を通過することまでは必要では無く、見かけ上のばね定数kが急激に増大する関係にあれば良い。すなわち、与圧Fpを十分に大きく設定していれば、与圧Fpを与える際の伸長量ΔLや隙間E(図2参照)の大きさを適宜変更してもよい。
上記のように、外槽3と本体2との間に隙間Eを介在させて変位伝達手段8を構成する振動規制部材81を設け、この振動規制部材81を紐状部材82及び引張りばね6を介し本体2と接続させるため、洗濯脱水槽4を回転させ所定の運転速度まで増速させる間に、角周波数ω、すなわち回転速度が外槽3の低次固有振動数と近くなり、隙間Eを越えて振幅eが大きくなった場合、外槽3が振動規制部材81に当接する。紐状部材82を介して振動規制部材81と接続される引張りばね6は、予め与圧Fpを与えられた状態で短くなる方向への変位が規制され、この状態を基準とする伸びが生じた場合に与圧Fp分を上乗せして両端に作用させるため、低次固有振動数を大きく変化させ、これにより振動を低減することが可能となる。さらに、振幅eが隙間Eよりも小さくなった場合には低次固有振動数が元に戻るが、洗濯脱水槽4の回転速度が大きくなり、低次固有振動数よりすでに離間した状態となることで、振動の増大を抑えることができる。
従って、振動及び騒音を小さく抑えることができ、洗濯機1の設置場所周辺の環境を良好にすることができる。さらには、本体2と外槽3との隙間を小さくしても、振動によりこれらが激しく衝突して損傷することを抑制することができるため、外槽3に対して本体2を小さくして洗濯機1全体を小型化することが可能である。また、本体2の寸法をそのままにして、外槽3を大きくした場合には、洗濯機1全体の寸法を変えることなく洗濯容量を増大させることが可能である。
そして、外槽3の変位が大きくなった場合に、弾性支持手段5〜5に加えて外槽3を中心方向へ戻す復元力を得るために、引張りばね6を利用することで与圧Fpを与えるための与圧設定手段7を簡単に構成することができる。具体的には、与圧設定手段7を、引張りばね6の両端に設けたばね端規制部71,71と、引張りばね6の内部に設けた規制軸体72とから構成して、これらにより引張りばね6の伸び量を管理することで適切に与圧Fpを与えることができる。さらには、引張りばね6の両端に伸長方向への相対変位を許容しながら、与圧設定時よりも短くなる方向への変位を規制することもできる。
また、引張りばね6と与圧設定手段7とを、一体的に構成されたユニットとして扱うこともできるため、部品の管理及び組み立てを容易に行うこともできる。
さらに、振動規制部材81と引張りばね6とを紐状部材82により接続することから、引張りばね6に与圧Fp設定時を越える伸びを生じさせること無く、より容易に組み立てを行うことができる。
そして、振動規制部材81がリング状に構成されることから、外槽3が回転軸Raに交差する何れの方向に変位した場合でも、水平方向への変位量が隙間Eを越えることで、外槽3が振動規制部材81に接触して変位させることができる。そのため変位方向とは反対側の1つの引張りばね6、あるいは複数の引張りばね6〜6が作用することで、外槽3を支持する弾性支持強さを変更させ、固有振動数をずらすことができる。
<第2実施形態>
図6は、上述した第1実施形態における図1に対応するものであり、本発明の第2実施形態に係る洗濯機201を示す縦断面図である。さらに、図8(a)は、上述した第1実施形態における図2(a)に対応するものである。すなわち、図8(a)は、図6におけるA−A位置における断面図であり、図6は、図8(a)におけるB−B位置における断面図である。
これら図6及び図8(a)に示した洗濯機201は、後述する構成以外は第1実施形態(図1〜図5)に示した洗濯機1と同様であるため、同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
洗濯機201は、第1実施形態における振動規制部材81(図1参照)に相当する部材を備えておらず、変位伝達手段208は4つの紐状部材282〜282より構成される。そして、各紐状部材282〜282の一端は、外槽3を構成する側板32の外周面32aの上部4箇所に一体的に設けられた固定部材236〜236に取り付けられる。紐状部材282〜282は伸びにくい金属製などのワイヤを利用して構成され、可撓性を備えることで、引張り方向にのみ力の伝達を行い、圧縮方向にはほとんど力の伝達を生じさせない。
さらに紐状部材282〜282の他端は、与圧設定手段7を取り付けられた引張りばね6を介して本体2に接続される。この際、各紐状部材282〜282の長さに余裕を持たせることで、各引張りばね6〜6には与圧設定時を越える伸びは生じない。
図7及び図8(b)は、上記の状態より、外槽3が回転軸Raと交差する方向に変位した状態を示したものである。外槽3の水平方向への変位eが予め定めた所定値以上に大きくなった場合に、変位方向とは反対側の紐状部材282が緊張し、引張りばね6に外槽3の変位を伝達する。この際、緊張する紐状部材282の反対側に取り付けられた紐状部材282は、弛みが増すものの外槽3に力を及ぼすことはない。なお、緊張する紐状部材282を介し外槽3の変位を引張りばね6に伝達するために必要な変位量として設定される上記所定値とは、第1実施形態における隙間E(図2参照)に相当するものである。
上記のように構成することで、外槽3が大きく振れ回り、その変位eが所定値以上となった場合には、その変位は変位伝達手段208を構成する紐状部材282により引張りばね6に伝達され、引張りばね6は外槽3を変位とは反対方向に引き戻す力を作用させることができる。そのため、第1実施形態の場合と同様、外槽3の弾性支持強さを急激に変化させることで、固有振動数をずらし、振動を低減させることが可能となる。
さらには、変位伝達手段208が紐状部材282により構成されることから、第1実施形態の場合よりもさらに構成を単純化して、製造コストの低減を図ることもできる。
<第3実施形態>
図9は、上述した第1実施形態における図1に対応するものであり、本発明の第3実施形態に係る洗濯機301を示す縦断面図である。さらに、図10は、上述した第1実施形態における図2(a)に対応するものである。すなわち、図10は、図9におけるA−A位置における断面図であり、図9は、図10におけるB−B位置における断面図である。
これら図9及び図10に示した洗濯機301は、後述する構成以外は第1実施形態(図1〜図5)に示した洗濯機1と同様であるため、同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。なお、図9は、後述する変位伝達手段308の一部を省略して記載したものである。
洗濯機301は、第1実施形態における振動規制部材81(図1参照)に相当する部材を備えておらず、変位伝達手段308は帯状体381〜381により構成される。外槽3の外周には、4つの引張りばね6〜6と、この引張りばね6〜6と一体的に構成されることで引張りばね6に与圧を与える与圧設定手段7〜7とを設ける。これらの引張りばね6〜6の両端には可撓性を有する帯状体381をそれぞれ接続させる。
図11(a)は、図10の洗濯機301に設ける引張りばね6を1つのみにして、簡略化して示したものである。また、図11(b)は、図11(a)における引張りばね6の周辺を拡大して示したものである。
図11(a),(b)に示すとおり、引張りばね6は、外槽3の外周面32aに設けられた台座336上に配されることで、上下方向に位置を規制される。引張りばね6の両端にはそれぞれ帯状体381,381の一端を接続される。より具体的には、引張りばね6の両端には、与圧設定手段7を構成するばね端規制部71が固定され、このばね端規制部71を介して帯状体381は引張りばね6の端部に接続される。さらに、各帯状体381,381の他端は本体2の隅部2a1に固定される。
引張りばね6及びこれと直列に接続される帯状体381,381の長さには余裕を持たせ、これらは外槽3の外周面32aとの間に所定の隙間が設定され、外槽3の周囲の約2/3を覆う。この状態において引張りばね6には与圧設定時を越える伸びは生じない。
なお、引張りばね6及びこれと直列に接続される帯状体381,381により外槽3の2/3を覆うことは必須ではなく、全ての引張りばね6〜6(図10参照)によって回転軸Raと直交する全方向への規制がなされれば足りる。
図12(a)及び図12(b)は、上記の状態より、外槽3が回転軸Raと交差する方向(図中で左下方向)に変位した状態を示したものである。外槽3の水平方向への変位eが予め定めた所定値以上に大きくなった場合に、変位方向とは反対方向の隅部2a1に固定された帯状体381が緊張し、引張りばね6に外槽3の変位を伝達する。なお、緊張する帯状体381を介し外槽3の変位を引張りばね6に伝達するために必要の変位量として設定される上記所定値とは、第1実施形態における隙間E(図2参照)に相当するものである。
引張りばね6は与圧設定時を基準として僅かにでも伸長し、両端のばね端規制部71,71の相対位置が変位した場合には、規制軸体72とばね端規制部71,71による規制が解除され、与圧Fpの分が上乗せされて両端の帯状体381,381に作用する。
上記のように構成することで、外槽3が大きく振れ回り、その変位量が所定値以上となった場合には、その変位が変位伝達手段308を構成する帯状体381により引張りばね6に伝達され、引張りばね6は外槽3を変位とは反対方向の元の位置に引き戻す力を作用させることができる。このような帯状体381及び引張りばね6を4組備え(図10参照)、外槽3を中心として均等に配することで、外槽3がいずれの方向に変位した場合であってもその変位を引張りばね6に伝達することができる。そのため、第1実施形態の場合と同様、外槽3の弾性支持強さを急激に変化させることで、固有振動数をずらし、振動を低減させることが可能となる。なお、帯状体381及び引張りばね6は最低2組設ければよく、回転軸Raを中心に対向して配することで上記と同様の効果を得ることができる。
また、変位伝達手段308により外槽3の変位を引張りばね6に伝達し、引張りばね6が伸長する過程、さらには外槽3が元の位置に復帰するのに伴って引張りばね6の全長が短くなる過程において、帯状体381の内側が外槽3の外周面32aと摺動して摩擦抵抗を生じることで、ダンパとしての効果も得ることができる。そのため、本実施形態のように帯状体381を用いることで、より大きな振動抑制効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、引張りばね6の両端に設けたばね端規制部71は、引張りばね6を構成するばね材料の一部を折り曲げることにより、一体に構成してもよい。
また、ばね端規制部71,71の一方と、規制軸体72とを一体に構成することもできる。
さらに、規制軸体72は、ばね端規制部71,71と係り合うことで、引張りばね6の両端の相対変位を規制できる限り、引張りばね6の内部に設ける以外にも、引張りばね6の外周を覆う筒状に構成する、あるいは引張りばね6の外側で長手方向に沿って平行に延びる複数の軸体より構成するなど、様々な形態に変更することができる。
上述した第1実施形態において、振動規制部材81は、本体2の四隅(隅部2a1〜2a)より4つの引張りばね6〜6を介して支持されていたが、この引張りばね6〜6は、最低3つあればよく、振動規制部材81の中心回りに配置することで振動規制部材81を安定して支持させることができる。同様に、5つ以上の引張りばね6〜6により振動規制部材81を支持させる構成とすることも可能である。
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、弾性支持手段5〜5は引張りばね6〜6の下方に配されていたが、必ずしもこうした位置関係とすることも要しない。すなわち、弾性支持手段5〜5により外槽3を弾性的に支持させ、外槽3の変位が所定値以上に大きくなった場合に引張りばね6による力を作用させることができる限り、これらを平面視において互いにずらして配置してもよい。
上述した第3実施形態では、1つの引張りばね6の両端に帯状体381,381を直列に接続させ、これらにより外槽3を包囲させていたが、複数の引張りばね6が帯状体381を介して直列に接続される構成としてもよい。
さらに、上述の実施形態では、外槽3が内部で支持する内槽を洗濯脱水槽4として構成したが、本発明は内槽の高速回転が必要な場合には好適に利用することができ、内槽が単なる洗濯槽あるいは脱水槽であっても上記の構成を適用することができる。
加えて、上述の実施形態では、外槽3の軸方向を鉛直方向に設定したが、斜め上方を向く形態であっても同様に本発明を適用することができる。また、外槽3の軸方向が水平方向となるドラム型洗濯機であっても、本発明を利用して、上記に準じた効果を得ることも可能である。
2…本体
2a…内部空間
2a1…隅部
3…外槽
4…洗濯脱水槽(内槽)
5…弾性支持手段
6…引張りばね
7…与圧設定手段
8,208,308…変位伝達手段
21a…(本体の)内面
32a…(外槽の)外周面
34…モータ
71…ばね端規制部
72…規制軸体
81…振動規制部材
82…紐状部材
282…紐状部材
381…帯状体
Fp…与圧
Ra…回転軸

Claims (5)

  1. 内部空間を形成された本体と、当該本体の内部空間に配置された外槽と、当該外槽の内部に配置され回転自在に支持された内槽と、前記外槽に設けられ前記内槽を回転させるモータと、前記本体に対して前記外槽を弾性的に支持する弾性支持手段とを備えるものにおいて、
    前記外槽と前記本体との間に配され前記外槽の変位が伝達されることで当該外槽を元の位置に戻すための反力を与える複数の引張りばねと、前記外槽の変位が所定値以上に大きくなった場合にのみ当該外槽の変位を前記引張りばねに伝達する変位伝達手段と、前記引張りばねの与圧を設定する与圧設定手段とを設け
    前記外槽の変位が前記所定値以上となったタイミングで、前記与圧設定手段により設定されていた前記与圧を前記反力として作用させる、
    ことを特徴とする洗濯機。
  2. 前記与圧設定手段は、前記引張りばねの両端にそれぞれ一体的に設けられたばね端規制部と、前記引張りばねに沿って配置した規制軸体とを備えており、
    前記変位伝達手段による変位が伝達されていない状態において、前記規制軸体の端部により前記ばね端規制部の相対位置を規制することで、前記引張りばねの伸びを許容しながら与圧を与えることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
  3. 前記変位伝達手段は、前記外槽の外周に対して所定の隙間を設定して配されるリング状の振動規制部材と、これを支持するための紐状部材とを備え、前記引張りばねと前記紐状部材とを直列に接続し、これら引張りばね及び紐状部材を介して前記振動規制部材を前記本体に支持させたことを特徴とする請求項1又は2記載の洗濯機。
  4. 前記変位伝達手段は、前記外槽の外周と前記本体との間に設けられた紐状部材であり、前記外槽の変位が所定値以上になった場合に前記紐状部材が緊張し、前記引張りばねに引張り力が作用させることを特徴とする請求項1又は2記載の洗濯機。
  5. 前記変位伝達手段は、前記外槽の外周の少なくとも一部を包囲させるとともに当該外槽の外周と所定の隙間を持たせて配置させ、端部を前記本体に接続させた帯状体を備えており、当該帯状体と前記引張りばねとを直列に接続させたことを特徴とする請求項1又は2記載の洗濯機。
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