JP2011214698A - ダイナミックダンパ - Google Patents

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悠 宮原
Hiroyuki Amano
浩之 天野
Shinichiro Suenaga
真一郎 末永
Shingo Aijima
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Abstract

【課題】回転部材の回転数がある程度低い場合における転動体とこれを収容する転動室との衝突を防止もしくは抑制することができるダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】回転する回転部材2の回転変動にともなって相対回転する転動体8を備えているダイナミックダンパ1において、前記回転部材2が相対的に低回転数の場合に前記転動体8を前記回転部材2に対して固定し、前記回転部材2が前記低回転数を超えた場合に、前記転動体8の前記回転部材2に対する固定を解除する解除機構が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転部材に取り付けられて、そのトルク変動もしくは捩り振動を吸収もしくは減衰するダイナミックダンパに関するものである。
車両のエンジンのクランクシャフトや変速機のインプットシャフトあるいはドライブシャフトなどの回転部材は、エンジンからの起振力に起因して、その軸心の周りに固有の捩り振動を起こすことが知られている。この捩り振動とエンジンのシリンダの爆発回転速度の周期とが共振することを抑制するために、前述したような回転部材に取り付けられて、捩り振動を吸収もしくは減衰させるダイナミックダンパが知られている。そのようなダイナミックダンパの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1には、エンジンのクランク軸に取り付けられた回転盤としてのハブと、このハブに形成された収容室と、この収容室に収容され、その内壁面を転動する転動マスとを備えた装置が記載されている。そして、ハブの回転にともなう遠心力によって転動マスが収容室内であってかつハブの外周側に移動し、その転動マスがハブの回転変動にともなって収容室の内壁面を転動して往復運動することにより捩り振動を吸収するように構成されている。
また、特許文献2には、電磁クラッチに装着されてターンホイールとともに回転する永久磁石により構成された固定部材と、この固定部材の外周側であってターンホイールの半径方向に移動自在に配置された鉄により構成された可動錘部材と、ターンホイールに形成されてこれらを収容する環状空間とを備えた装置が記載されている。そして、ターンホイールが所定回転数となり、固定部材と可動錘部材との間の磁力よりも可動錘部材に作用する遠心力が大きくなった場合に、可動錘部材がターンホイールの半径方向で外側に向けて移動してターンホイールの慣性モーメントを瞬時に増大させるように構成されている。
特開2001−153185号公報 特開平9ー42376号公報
上記の特許文献1に記載されている装置によれば、ハブの回転変動、すなわち捩り振動を転動マスの振子運動により吸収することができる。しかしながら、この特許文献1に記載された構成では、ハブの回転数がある程度低い場合には、収容室と転動マスとの接触あるいは衝突により騒音が発生する虞があり、未だ改良の余地があった。また、特許文献2に記載された技術は、ターンホイールの慣性モーメントを増大させるための技術である。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、回転部材の回転数がある程度低い場合における転動体とこれを収容する転動室との衝突を防止もしくは抑制することができるダイナミックダンパを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転する回転部材の回転変動にともなって相対回転する転動体を備えているダイナミックダンパにおいて、前記回転部材が相対的に低回転数の場合に前記転動体を前記回転部材に対して固定し、前記回転部材が前記低回転数を超えた場合に、前記転動体の前記回転部材に対する固定を解除する解除機構が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記解除機構は、前記回転部材が相対的に低回転数の場合に、前記転動体を前記回転部材に対して固定する固定手段と、前記回転部材が前記低回転数を超えた場合に、前記固定手段による前記転動体の前記回転部材に対する固定を解除する固定解除手段とを備えていることを特徴とするダイナミックダンパである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記固定手段は、前記回転部材が相対的に低回転数の場合に、前記転動体を前記回転部材に対して固定するように弾性力を付与する弾性部材と、その弾性部材によって前記回転部材に保持され、前記弾性部材の弾性力により前記転動体を前記回転部材に対して押圧することにより固定するプレートとを含み、前記固定解除手段は、前記回転部材が前記低回転数を超えた場合に、前記回転部材の遠心力によって前記回転部材の半径方向に移動させられるマス部材と、前記マス部材に作用する遠心力を油圧に変換して、その油圧を前記弾性部材の弾性力に抗するように前記プレートに作用させることにより、前記プレートを前記転動体から離隔させる油圧機構とを含むこと特徴とするダイナミックダンパである。
請求項1の発明によれば、回転部材が相対的に低回転数の場合に転動体が回転部材に対して固定され、その低回転数を超えた場合に、転動体の回転部材に対する固定が解除される。その結果、回転部材がある程度低回転数の場合に転動体が固定されるので、回転部材がある程度低回転数の場合における転動体と転動体を収容する転動室の内壁面との衝突あるいは接触が防止もしくは抑制できる。すなわち、回転部材がある程度低回転数の場合における転動体と転動体を収容する転動室の内壁面とが衝突あるいは接触することによる騒音の発生を防止もしくは抑制できる。また、回転部材が所定の回転数を超えた場合に、転動体の回転部材に対する固定が解除されるので、転動体を転動させることができ、その往復運動により回転部材の捩り振動を吸収もしくは減衰できる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、回転部材が相対的に低回転数の場合に、固定手段によって転動体が回転部材に対して固定される。また、回転部材がその相対的に低い回転数を超えた場合に、固定解除手段によって転動体の回転部材に対する固定が解除される。その結果、回転部材がある程度低回転数の場合に転動体が固定されるので、回転部材がある程度低回転数の場合における転動体と転動体を収容する転動室の内壁面との衝突あるいは接触が防止もしくは抑制できる。また、回転部材が所定の回転数を超えた場合に、転動体の回転部材に対する固定が解除されるので、転動体を転動させることができ、その往復運動により回転部材の捩り振動を吸収もしくは減衰できる。
請求項3の発明によれば、請求項2の発明による効果と同様の効果に加えて、回転部材が相対的に低い回転数の場合に、転動体は弾性部材の弾性力が付与されたプレートによって回転部材に対して固定される。また、回転部材が相対的に低い回転数を超えた場合に、マス部材に作用する遠心力が油圧に変換されて、その油圧により転動体の回転部材に対する固定が解除される。その結果、回転部材がある程度低回転数の場合に、転動体は弾性力が付与されたプレートによって固定されるので、転動体と転動体を収容する転動室の内壁面との衝突あるいは接触が防止もしくは抑制できる。また、回転部材が所定の回転数を超えた場合に、そのマス部材に作用する遠心力が油圧に変換され、その油圧によって転動体の回転部材に対する固定を解除できる。すなわち、回転部材が所定の回転数を超えた場合に、転動体の固定を解除して転動させることができ、その往復運動により回転部材の捩り振動を吸収もしくは減衰できる。
この発明に係るダイナミックダンパを回転部材に適用した例を模式的に示す図である。 図1に示すII−II線に沿う断面図であって、回転部材が相対的に低回転数の場合におけるこの発明に係るダイナミックダンパの動作例を示す図である。 図1に示すII−II線に沿う断面図であって、回転部材が相対的に高回転数の場合におけるこの発明に係るダイナミックダンパの動作例を示す図である。 図1に示す構成を改良した例を示す図である。 図4に示すV−V線に沿う断面図である。 図1に示す構成を更に改良した例を示す図である。 図1に示す構成を更に改良した例を示す図である。 図7に示す構成を改良した例を示す図である。 回転部材に対して転動体を固定するプレートを、その軸線方向に向けて変位させることにより転動体の回転部材に対する固定を解除する構成を改良した例を示す図である。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。この発明は、回転する回転部材に取り付けられて、回転部材の回転変動もしくはこれに起因する捩り振動を吸収もしくは減衰させるダイナミックダンパに関するものである。したがって、その回転部材は、車両に搭載されるエンジンのクランクシャフトや変速機のインプットシャフトあるいはドライブシャフトなどの動力伝達軸、あるいはこれらに取り付けられてこれらと一体回転する部材などである。したがって、この発明に係るダイナミックダンパは、例えば動力源の発生させたトルクを伝達する前述した動力伝達軸などの回転部材に一体回転可能に設けられており、動力源のトルク変動を吸収もしくは減衰させるように構成されている。その回転部材は、例えば具体的には車両に搭載されるフライホイールなどの回転板であってよい。また、動力源には、例えばガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジンなどが挙げられる。
図1に、この発明に係るダイナミックダンパを回転部材に適用した例を模式的に示してある。図1にはダイナミックダンパ1が取り付けられる回転部材2の回転面に対して垂直な方向から見た状態を示してある。この回転部材2は、前述した動力伝達軸3に一体回転可能に設けられている。この回転部材2の内部には、その回転軸線と同軸の回転軸線を有し、回転部材2と一体回転するとともに内部が中空の転動室4が形成されている。この転動室4の外周縁には、所定の曲率半径を有し、転動室の半径方向に突となった曲面が複数形成されている。言い換えれば、この転動室4は、所定の曲率半径を有する複数の孔が互いに少なくともその一部が重なり合うように回転部材2に同心円状に配置され、動力伝達軸3の外周部と互いに重なり合わない各孔の外周縁との間の部分が取り除かれて中空状に形成されている。
動力伝達軸3の外周側には、動力伝達軸3に第1の弾性部材5によって保持され、所定の質量を有する複数のマス部材6が設けられている。このマス部材6は、例えば扇形状に形成されている。また、マス部材6は、その一方の側面、すなわちマス部材6の一方の回転面における径に対して他方の側面における径が大径に形成されており、したがって、マス部材6の外周面は、一方の側面の端部から他方の側面の端部にかけて斜めに形成されたテーパー面となっている。
第1の弾性部材5は、回転部材2が相対的に低い回転数の場合に、その弾性力によってマス部材6の回転部材2の半径方向で外側に向けた移動を規制するようになっている。そしてこれとは反対に、回転部材2が前述した回転数を超えた場合に、その回転にともなってマス部材6に作用する遠心力が増大すると、第1の弾性部材5は、マス部材6の回転部材2の半径方向で外側に向けた移動を許容するようになっている。言い換えれば、第1の弾性部材5は、その弾性力に抗する遠心力がマス部材6に作用した場合に、マス部材6が回転部材2の半径方向で外側に向けて移動することを許容するようになっている。したがって、回転部材2の回転数が相対的に低い場合に、その回転によってマス部材6に作用する遠心力に抗する第1の弾性部材5の弾性力あるいは長さは、予め実験やシミュレーションなどにより求めておくことができる。
また、回転部材2の相対的に低い回転数とは、この発明に係るダイナミックダンパ1によって吸収もしくは減衰させたい回転部材2のトルク変動もしくはこれに起因する捩り振動が生じない回転数であり、したがってこれは、予め実験やシミュレーションなどにより求めておくことができる。
回転部材2の半径方向における側面であって、マス部材6と転動室4の外周縁との間には、言い換えれば、マス部材6と所定の曲率半径を有する転動室4の曲面との間には、回転部材2と一体回転するとともに、回転部材2や転動室4と同軸の回転軸線を有する突部7が設けられている。この突部7は、回転部材2や転動室4の回転軸線方向に対して突となるように形成されており、例えばその根元部分、すなわち基端部における径に対してその頂部における径が小径に形成されている。すなわち、突部7における内周側の面、言い換えれば突部7における回転部材2側の面は、基端部から頂部にかけて斜めに形成されたテーパー面となっており、したがって突部7のテーパー面と前述したマス部材6の外周面に形成されたテーパー面とが平行かつ対向するようになっている。そのため、回転部材2が相対的に低い回転数を超えてマス部材6に作用する遠心力が増大すると、回転部材2の半径方向で外側に向けて移動したマス部材6は、突部7のテーパー面によって回転部材2の軸線方向に移動するようになっている。このマス部材と突部とがこの発明における固定解除手段に相当する。
また、この突部7と転動室4の外周縁との間には、回転部材2のトルク変動あるいはこれに起因する捩り振動を転動することにより吸収もしくは減衰させる転動体8が収容されている。すなわち、転動室4の半径方向で外側に突となり所定の曲率半径を有する内周面が、言い換えれば外周縁の内側の面が、転動体8が転動する転動面になっている。この転動体8は、一例として円柱形状に形成されており、その回転軸線が回転部材2や転動室4の回転軸線に平行になるように形成されている。この転動体8は、回転部材2のトルク変動、すなわち回転部材2の回転変動次数もしくはこれに起因する捩り振動を吸収もしくは減衰させるためのものであるから、その転動体8の往復振動次数は、吸収もしくは減衰させたい回転部材2の回転変動次数に等しくなるように設計されている。
また、扇形状の各マス部材6の間には、複数の第2の弾性部材9が設けられている。この第2の弾性部材9は、その一方の端部が回転部材2の側面に、すなわち回転部材2の回転面に設けられており、他方の端部が例えば転動体8を回転部材に対して固定するプレートに設けられている。したがって、プレートは第2の弾性部材の弾性力が付与されることによって転動体8を回転部材に対して固定するようになっている。この第2の弾性部材9は、回転部材2がある程度低回転数の場合に、その弾性力をプレートに付与し、その弾性力が付与されたプレートによって転動体8を回転部材2に押圧することにより転動体8を回転部材2に対して固定するようになっている。言い換えれば、第2の弾性部材の弾性力によって回転部材2の回転面とプレートとの間に転動体8を挟み込むことにより、転動体8を回転部材2に対して固定するようになっている。この第2の弾性部材9の弾性力は、回転部材2の回転数が相対的に低い場合に転動体8を回転部材2に対して固定し、また回転部材2がその相対的に低い回転数を超えて前述したマス部材6が軸線方向に移動した場合に、そのマス部材6の移動によって転動体8の回転部材2に対する固定を解除できる弾性力であり、したがってこれは、予め実験やシミュレーションなどにより求めておくことができる。この第2の弾性部材がこの発明における弾性部材に相当し、第2の弾性部材とプレートとがこの発明における固定手段に相当する。
図2は、図1に示すII−II線に沿う断面図であって、この図2に、回転部材が相対的に低回転数の場合におけるこの発明に係るダイナミックダンパの動作例を示してある。図2に示したように、また前述したように、動力伝達軸3に一体に回転部材2が設けられている。この回転部材2の内部には、その一方の側面が開口した転動室4が形成されている。転動室4における最内周側に、すなわち動力伝達軸3に第1の弾性部材5によって保持されてマス部材6が設けられている。マス部材6よりも回転部材2の半径方向で外側に、マス部材6のテーパー面に対向するテーパー面を有する突部7が回転部材2の回転面からその軸線方向に突となって設けられている。
転動室4には、転動体8が収容されており、その転動体8が転動室4の内周面に形成された転動面を転動するようになっている。図2に示す例において、転動室4の開口端側に、その転動室4の内径よりも小径のプレート10が設けられている。このプレート10の転動室4側の面と回転部材2の回転面との間には前述した第2の弾性部材9が設けられており、その第2の弾性部材9の弾性力によって、プレート10をその軸線方向で転動室4側に引き寄せるようになっている。このプレート10と動力伝達軸3との間およびプレート10と転動室4の転動面との間には、それぞれシール部材11,12が設けられている。なお、プレート10は、第2の弾性部材9の弾性力が付与されることにより転動体8を回転部材2に対して押圧して固定するものであるから、その形状は、例えば円盤形状など任意の形状のものであってよい。
このように、前述した構成では、制振対象の回転部材2が回転し始めて、これと一体にダイナミックダンパ1が回転し始めると、マス部材6および転動体8には、ダイナミックダンパ1の回転数に応じた遠心力が作用する。すなわち、ダイナミックダンパ1の回転数が上昇するほど大きな遠心力がマス部材6および転動体8に作用する。そして、回転部材2の回転数が相対的に低く、すなわち回転部材2が予め定められた所定の回転数以下であり、したがってマス部材6に作用する遠心力がある程度小さい場合には、図2に示したように、遠心力によるマス部材6の回転部材2や転動室4の半径方向で外側に向けた変位が抑制される。すなわち、第1の弾性部材5の弾性力がマス部材6に作用する遠心力よりも相対的に大きいので、マス部材6の半径方向で外側に向けた変位が抑制される。また、図2に示したように、第2の弾性部材9の弾性力は、前述したようにプレート10の軸線方向で転動室4側に収縮するように作用する。したがって、回転部材2の回転数がある程度低い場合には、第2の弾性部材9の弾性力はプレート10をその軸線方向で転動室4側に作用し、このプレート10が転動体8を回転部材2の回転面に押圧して固定するから、転動体8の転動室4内における変位が防止もしくは抑制される。
図3は、図1に示すII−II線に沿う断面図であって、この図3に、回転部材が相対的に高回転数の場合におけるこの発明に係るダイナミックダンパの動作例を示してある。制振対象の回転部材2が回転し始めてこれと一体にダイナミックダンパ1が回転し始める。そして回転部材2の回転数がある程度高くなり前述したある程度低い回転数を超えると、すなわち回転部材2が予め定められた所定の回転数を超えてマス部材6にある程度の大きさの遠心力が生じると、マス部材6は、図3に示したように、先ず、その遠心力によって回転部材2や転動室4の半径方向で外側に向けて変位する。すなわち、回転部材2がある程度低い回転数を超えると、マス部材6に作用する遠心力が第1の弾性部材5の弾性力よりも相対的に大きくなり、第1の弾性部材5の弾性力に抗してマス部材6が半径方向で外側に向けて変位する。このマス部材6の半径方向で外側に向けた変位を、図3に矢印Aで示してある。
前述したように、回転部材2の回転数がある程度高くなり、したがってマス部材6に作用する遠心力が大きくなると、マス部材6は前述した突部7に接触する。より具体的に説明すると、マス部材6が遠心力によって半径方向で外側に変位することにより、マス部材6の外周面に形成されたテーパー面と、前述した突部7のテーパー面とが接触する。すなわち、図3に示した状態になる。マス部材6に更に遠心力が作用すると、マス部材6の半径方向で外側に向けた変位は、突部7あるいはこれらのテーパー面によって回転部材2に軸線方向に変化させられる。言い換えれば、マス部材6の変位の方向は、突部7によって回転部材2に軸線方向にガイドされる。すなわち、突部7はマス部材6の変位の方向を変化させるように作用する。
前述したように、突部7によってマス部材6の変位の方向が回転部材2に軸線方向に変化すると、マス部材6の軸線方向に向けた変位は第2の弾性部材9の弾性力に抗するように作用する。すなわちマス部材6が第2の弾性部材9の弾性力に抗してプレート10を押圧する。このマス部材6の回転部材2の軸線方向に向けた変位を、図3に矢印Bで示してある。このマス部材6のプレート10に対する押圧力が第2の弾性部材9の弾性力が付与されたプレート10の転動体8に対する押圧力よりも相対的に大きくなると、プレート10はマス部材6の押圧力によって第2の弾性部材の弾性力に抗してその軸線方向に押し出される。したがって、回転部材2の回転数がある程度低い、予め定められた所定の回転数を超えた場合には、プレート10は第2の弾性部材9の弾性力に抗してその軸線方向に押し出されるから、転動体8の回転部材2の回転面に対する固定が解除される。すなわち、前述した構成では、回転部材2がある程度低い回転数を超えた場合に、前述したような転動体8の固定が解除され、転動体8が転動面を転動して往復運動できる状態になる。
したがって、前述した図1ないし図3に示す構成では、回転部材2が予め定められたある程度低い回転数の場合には、転動体8が回転部材2に対して固定されるので、転動体8と転動面を含む転動室4の内壁面とが衝突することによる騒音の発生を防止もしくは抑制できる。言い換えれば、転動体8に作用する遠心力が小さいことにより転動体8が転動室4の内部でその半径方向で内側に向けて変位することを防止もしくは抑制できる。すなわち、前述した構成によれば、回転部材2の回転数に寄らずに、言い換えれば転動体8に作用する遠心力の大きさに寄らずに、転動体8を転動室4における半径方向である程度外側に配置できる。更に言えば、回転部材2の回転数に寄らずに、ダイナミックダンパ1の慣性モーメントをある程度大きく保つことができる。また、回転部材2が予め定められたある程度低い回転数を超えた場合には、前述した転動体8の回転部材2に対する固定が解除されるので、転動体8は転動面を転動することができる。その結果、転動体8が転動面を転動して往復運動(振子運動と呼ばれることがある)することにより、回転部材2のトルク変動もしくはこれに起因する捩り振動を防止もしくは抑制できる。
図4に、前述した図1に示す構成を改良した例を示してある。ここに示す例は、マス部材6とプレート10とが回転部材2の軸線方向に相対移動することを抑制するとともに、マス部材6とプレート10とが回転部材2の半径方向に相対移動できるように構成した例である。具体的に説明すると、図5に、図4に示すV−V線に沿う断面図を示してある。図5に示す構成では、マス部材6が回転する方向に形成されている側面およびこれとは反対側の側面の少なくとも一部に凹形状のガイド溝13が形成されている。また、プレート10の転動室4側の回転面であって、マス部材6に対向する回転面の少なくとも一部に、マス部材6を覆い被すように転動室4側に突出した突状部14が形成されている。この突状部14には、前述したマス部材6に形成された凹形状のガイド溝13に嵌り込むガイド突部15が設けられている。すなわち、マス部材6のガイド溝13にプレート10のガイド突部15を遊嵌することにより、ス部材6とプレート10とが軸線方向に相対移動できないように、また半径方向に相対移動できるように接続され、言い換えれば一体化されている。
したがって、前述した図4および図5に示す構成では、図1に示す構成と比較して、マス部材6とプレート10とが接続されているので、例えばマス部材6が軸線方向に振動した場合に、マス部材6とプレート10あるいは転動室4のマス部材6に対向する回転面との衝突による騒音の発生を防止もしくは抑制できる。すなわち、図1に示す構成と比較して、マス部材6とプレート10とを一体化できるので、簡素な構成でマス部材6や転動体8のいわゆるがたつきによる騒音の発生を防止もしくは抑制できる。また、図1に示す構成と比較して、部品点数を削減できる。
図6に、前述した図1に示す構成を更に改良した例を示してある。ここに示す例は、マス部材6の回転部材2の半径方向で外側に向けた変位の方向を回転部材2の軸線方向に変化させる突部7をプレート10における転動室4側の側面に設けた例である。図6に示したように、回転部材2の回転数が相対的に低く、すなわち回転部材2が予め定められた所定の回転数以下であり、したがってマス部材6に作用する遠心力がある程度小さい場合には、前述したように遠心力によるマス部材6の回転部材2や転動室4の半径方向で外側に向けた変位が第1の弾性部材5の弾性力によって抑制される。これとは反対に、回転部材2の回転数がある程度高くなり、したがってマス部材6に作用する遠心力が大きくなると、マス部材6はプレート10に設けられた突部7に接触する。そしてマス部材6に更に遠心力が作用すると、マス部材6の半径方向で外側に向けた変位の方向は、突部7によって回転部材2に軸線方向に変化させられ、マス部材6の軸線方向に向けた変位は第2の弾性部材9の弾性力に抗するように作用する。その結果、回転部材2が予め定められた所定の回転数を超えた場合には、マス部材6はプレート10を第2の弾性部材9の弾性力に抗してその軸線方向に押し出し、転動体8の回転部材2の回転面に対する固定が解除される。
したがって、図6に示す構成では、前述した図1に示す構成と同様に、回転部材2が予め定められたある程度低い回転数の場合には、転動体8が回転部材2に対して固定されるので、転動体8と転動面を含む転動室4の内壁面とが衝突することによる騒音の発生を防止もしくは抑制できる。また、回転部材2が予め定められたある程度低い回転数を超えた場合には、転動体8の回転部材2に対する固定が解除されるので、転動体8は転動面を転動することができる。すなわち、転動体8が転動面を転動して往復運動することにより、回転部材2のトルク変動もしくはこれに起因する捩り振動を防止もしくは抑制できる。
図7に、前述した図1に示す構成を更に改良した例を示してある。ここに示す例は、回転部材2が相対的に低い回転数の場合に、図1に示す構成と比較して、転動体8をより回転部材2に対して固定できるように構成した例である。具体的に説明すると、プレート10の転動室4側の回転面であって、転動体8に対向する回転面の少なくとも一部に摩擦材16が設けられている。なお、この摩擦材16はプレート10の転動体8に対向する回転面の全面に亘って設けてもよい。摩擦材16は、要は、転動体8がプレート10によって回転部材2に対して固定された場合に、その摩擦力により転動体8の振動あるいは変位を抑制できるように設けられていればよい。
このように図7に示す構成では、回転部材2がある程度低い回転数の場合に、転動体8は、第2の弾性部材9の弾性力が付与されるプレート10による固定に加えて、摩擦材16の摩擦力によってその振動あるいは変位が抑制される。したがって図7に示す構成では、回転部材2がある程度低い回転数の場合に、図1に示す構成と比較して、転動体8を回転部材2に対してより強く固定できる。
図8に、前述した図7に示す構成を改良した例を示してある。ここに示す例は、前述した摩擦材16を転動体8の軸線方向における両側面に設けた例である。なお、この摩擦材16は転動体8の軸線方向における両側面の全面に亘って設けてもよい。摩擦材16は、要は、転動体8がプレート10によって回転部材2に対して固定された場合に、その摩擦力により転動体8の振動あるいは変位を抑制できるように設けられていればよい。
したがって図8に示す構成においても前述した図7に示す構成と同様に、回転部材2がある程度低い回転数の場合に、転動体8は第2の弾性部材9の弾性力が付与されるプレート10による固定に加えて、摩擦材16の摩擦力によってその振動あるいは変位が抑制される。したがって図8に示す構成では、回転部材2がある程度低い回転数の場合に、図1に示す構成と比較して、転動体8を回転部材2に対してより強く固定できる。
図9に、前述したプレートを、その軸線方向に向けて変位させることにより転動体の回転部材に対する固定を解除する構成を改良した例を示してある。ここに示す例は、回転部材2が相対的に低い回転数、すなわち予め定められた回転数を超えた場合に、マス部材6に作用する遠心力を油圧に変換し、その油圧によってプレート10をその軸線方向で転動体8とは反対側に変位させて、すなわち移動させて転動体8の回転部材2に対する固定を解除するように構成した例である。具体的に説明すると、図9に示す例では、マス部材6の半径方向で外側に、またマス部材6の外周側を覆い被すように油圧室17が設けられている。この油圧室17には潤滑油が充填されており、したがって油圧室17は、遠心力によってマス部材6が半径方向で外側に向けて変位した場合に、そのマス部材6の変位に応じた油圧を発生させるように構成されている。すなわち、マス部材6は、油圧室17においてその変位に応じた油圧を発生させるピストンとして機能あるいは作用するようになっている。また、プレート10の転動室4側の側面には、油圧室17で発生した油圧を受ける受圧部18がプレート10における転動室4側に突となって設けられており、この受圧部18を覆い被すようにプレート側油圧室19が形成されている。そして前述した油圧室17とプレート側油圧室19とは油路20によって連通されており、油圧室17で発生させた油圧をプレート側油圧室19に供給できるようになっている。したがって、この油圧室17および受圧部18ならびにプレート側油圧室19、そして油路20がこの発明における油圧機構に相当する。なお、マス部材6と油圧室17との間およびプレート側油圧室19と受圧部18との間には、それぞれシール部材21,22が設けられており、潤滑油の漏洩を防止もしくは抑制するようになっている。
このように、前述した構成では、回転部材2が相対的に低い、すなわち予め定められた回転数を超えた場合に、マス部材6の半径方向で外側に向けた変位に応じた油圧が油圧室17で発生させられる。そしてそのマス部材6の変位に応じた油圧は油路20を介してプレート側油圧室19に供給される。この油圧は第2の弾性部材9の弾性力に抗するようにプレート10に作用するから、その油圧によるプレート10に対する押圧力が、第2の弾性部材9の弾性力が付与されたプレート10の転動体8に対する押圧力よりも相対的に大きくなると、プレート10はその軸線方向で転動体8とは反対側に変位させられる。
したがって、前述した図9に示す構成では、回転部材2が予め定められた相対的に低い回転数を超えた場合に、遠心力によるマス部材6の半径方向で外側に向けた変位に応じた油圧を油圧室17で発生させることができる。また、その油圧によるプレート10に対する押圧力が、第2の弾性部材9の弾性力が付与されたプレート10の転動体8に対する押圧力よりも相対的に大きくなると、その油圧によってプレート10を第2の弾性部材9の弾性力に抗してその軸線方向に変位させることができる。すなわち、マス部材6の半径方向で外側に向けた変位を油圧に変換し、その油圧によって前述した転動体8の回転部材2に対する固定を解除できる。その結果、転動体8が転動面を転動して転動面を振子運動することにより、回転部材2のトルク変動もしくはこれに起因する捩り振動を防止もしくは抑制できる。
したがって、この発明によれば、回転部材2が予め定められたある程度低い回転数の場合には、第2の弾性部材9の弾性力が付与されたプレート10によって転動体8が回転部材2に対して固定される。したがって、回転部材2が予め定められたある程度低い回転数の場合に、転動体8が転動室4の内部で暴れたり、また転動体8と転動面を含む転動室4の内壁面とが衝突することによる騒音の発生を防止もしくは抑制できる。また、回転部材2の回転数が相対的に低く、転動体8に作用する遠心力が相対的に小さい場合であっても、転動体8を転動室4における半径方向である程度外側に配置できる。さらにまた、回転部材2が予め定められたある程度低い回転数を超えた場合には、前述した転動体8の固定が解除される。したがって、回転部材2が予め定められたある程度低い回転数を超えた場合に、転動体8が転動面を転動して往復運動することにより、回転部材2のトルク変動もしくはこれに起因する捩り振動を防止もしくは抑制できる。
1…ダイナミックダンパ、 2…回転部材、 4…転動室、 5…第1の弾性部材、 6…マス部材、 7…突部、 8…転動体、 9…第2の弾性部材、 10…プレート。

Claims (3)

  1. 回転する回転部材の回転変動にともなって相対回転する転動体を備えているダイナミックダンパにおいて、
    前記回転部材が相対的に低回転数の場合に前記転動体を前記回転部材に対して固定し、前記回転部材が前記低回転数を超えた場合に、前記転動体の前記回転部材に対する固定を解除する解除機構が設けられている
    ことを特徴とするダイナミックダンパ。
  2. 前記解除機構は、前記回転部材が相対的に低回転数の場合に、前記転動体を前記回転部材に対して固定する固定手段と、
    前記回転部材が前記低回転数を超えた場合に、前記固定手段による前記転動体の前記回転部材に対する固定を解除する固定解除手段とを備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載のダイナミックダンパ。
  3. 前記固定手段は、前記回転部材が相対的に低回転数の場合に、前記転動体を前記回転部材に対して固定するように弾性力を付与する弾性部材と、その弾性部材によって前記回転部材に保持され、前記弾性部材の弾性力により前記転動体を前記回転部材に対して押圧することにより固定するプレートとを含み、
    前記固定解除手段は、前記回転部材が前記低回転数を超えた場合に、前記回転部材の遠心力によって前記回転部材の半径方向に移動させられるマス部材と、
    前記マス部材に作用する遠心力を油圧に変換して、その油圧を前記弾性部材の弾性力に抗するように前記プレートに作用させることにより、前記プレートを前記転動体から離隔させる油圧機構とを含む
    こと特徴とする請求項2に記載のダイナミックダンパ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016118273A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 アイシン精機株式会社 ダンパ装置

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