JP6425216B2 - 水耕栽培装置および水耕栽培方法 - Google Patents

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Description

本発明は、土を用いずに植物を栽培する水耕栽培装置および水耕栽培方法に関する。
土を使用せずに、根が水に浸された状態で、植物を栽培する、いわゆる水耕栽培装置の開発が進められている。従来の水耕栽培装置においては、地上部および地下部が鉛直方向に沿って延びるように植物が支持された状態で、植物に養分が与えられている。この従来の水耕栽培装置によれば、地下部および地上部の長さに応じて、栽培空間の高さが大きくなる。そのため、栽培空間において、地下部が鉛直方向と交差する方向に沿って延びるように、特に、地下部が水平方向に沿って延びるように、植物を配置する栽培方法が考えられている。地下部が水平方向に沿って延びるように植物を配置する方法に関連する技術文献としては、次の特許文献1および2がある。
特開平9−9807号公報 特開2008−253218号公報
上記した地下部が鉛直方向と交差する方向に沿って延びる状態、特に、地下部が水平方向に延びる状態で栽培空間に植物を配置する場合には、屈地性に起因した変形が植物の地下部に生じる。植物の地下部に大きな変形が生じると、植物の商品価値が低減されてしまう。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、地下部が鉛直方向と交差する方向に沿って延びる状態で植物を栽培する場合に、植物の地下部に生じる屈地性に起因した変形を抑制することができる水耕栽培装置を提供することである。また、そのような水耕栽培方法を提供することである。
本発明の態様の水耕栽培装置は、植物に供給される水または養液を貯留する貯留槽部を含み、前記植物を栽培するための栽培槽と、柔軟性および保液性を有し、前記植物の地下部の伸長を鉛直方向と45度より大きくかつ90度より小さい交差角をなして交差する方向または水平方向に沿って案内する培地と、前記栽培槽内に配置され、前記地下部の伸長が前記鉛直方向と45度より大きくかつ90度より小さい交差角をなして交差する方向または前記水平方向に沿って案内される状態が維持されるように、かつ、前記植物の根が前記水または前記養液に浸るが、前記培地が前記貯留槽部に貯留される前記水または前記養液に接触しない高さ位置で、前記培地を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、屈地性に起因した前記地下部の変形に基づく前記培地の弾性変形を抑制することによって前記地下部を前記鉛直方向と45度より大きくかつ90度より小さい交差角をなして交差する方向または前記水平方向に沿って伸長させるように、かつ、前記培地の周辺の水または養液を前記貯留槽部に向かって落下させるように、分散された複数箇所で前記培地を下側から支持する
上記の構成によれば、鉛直方向と交差する方向に沿って延びる状態で植物を栽培する場合に、植物の地下部に生じる屈地性に起因した変形を抑制することができる。
本発明の実施の形態の第1の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に対して垂直な方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第1の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第1の例の水耕栽培装置の内部空間を見たときの斜視図である。 図1に示された複数の栽培空間が積み重ねられた水耕栽培装置を示す図である。 図2に示された複数の栽培空間が積み重ねられた水耕栽培装置を示す図である。 本発明の実施の形態の第2の例の水耕栽培装置の内部空間を見たときの斜視図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置の第1の例の支持部を説明するための図であって、支持部の数を増加させる前の状態を示す図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置の第1の例の支持部を説明するための図であって、支持部の数を増加させた後の状態を示す図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置の第2の例の支持部を説明するための図であって、支持部の形状が変化する前の状態を示す図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置の第2の例の支持部を説明するための図であって、支持部の形状が変化した後の状態を示す図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置の第3の例の支持部を説明するための図であって、植物の地下部が延びる方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置の第3の例の支持部を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置の第4の例の支持部を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態の第3の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に対して垂直な方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第4の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に対して垂直な方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第4の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置において、植物が支持部の上にマトリックス状に配置された状態を示す平面図である。 本発明の実施の形態の第5の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に対して垂直な方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第5の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第6の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に対して垂直な方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第6の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第7の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に対して垂直な方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の第7の例の水耕栽培装置の縦断面図であって、植物の地下部が延びる方向に沿って植物を見たときの図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置において使用され得る他の例の培地が植物を支持している状態を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置において使用され得るさらに他の例の培地が植物を支持している状態を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態の水耕栽培装置において使用され得るさらに他の例の培地が植物を支持している状態を説明するための斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の水耕栽培装置を詳細に説明する。
各図面において付された参照符号は、各実施の形態の水耕栽培装置において、同一の機能を果たす部分である。したがって、各図面の説明で参照符号が付された構造について説明がなされていない場合には、他の記載の機能がその説明がなされてない参照符号が付された部材の機能に適用される。
(水耕栽培装置によって栽培される植物の例)
本実施の形態の水耕栽培装置100によって栽培される植物1は、一般的な土耕栽培においては、重力が作用する方向に沿って、その地下部が伸長する根菜類である。根菜類の一例として、オタネニンジン(高麗人参または朝鮮人参)が挙げられる。オタネニンジンは、地下部を水平方向に沿って配置した場合に、上記した屈地性に起因した地下部の変形の問題が顕著に生じる植物である。
(水耕栽培装置の全体構造)
図1〜図5を参照して、本発明の実施の形態の水耕栽培装置100の全体構造を説明する。
図1および図2に示されるように、水耕栽培装置100は、栽培槽3、天井部、筒状の培地2、支持部10、および光照射部5を備えている。天井部は、栽培槽3の蓋部として機能するように、栽培槽3から取り外すことができる。
図1および図2に示されるように、水耕栽培装置100は、栽培槽3と、床部30と、4つの側壁部と、天井部とからなり、6面体構造の筐体を構成している。栽培槽3は、植物1を栽培するための栽培空間13を内包している。栽培槽3は、植物1に供給される水または養液4を貯留する貯留槽部31を含んでいる。貯留槽部31は、3つの側壁部の下端部、縁部3b、および床部30によって構成されている。本実施の形態においては、植物1は、貯留槽部31に貯留された水または養液4の上方において、その地下部1aが筒状の培地2に挿入された状態で、支持部10によって支持されている。
図1および図2に示されるように、筒状の培地2は、柔軟性および保液性(保水性)を有している。したがって、筒状の培地2は、植物1の成長に必要な水または養液4を保持することができる。また、筒状の培地2は、地下部1aに接触しながら、植物1の地下部1aの成長に応じて柔軟に変形することができる。筒状の培地2は、断面が円形の円筒状および断面が多角形の角筒等に限定されない。また、筒状の培地2は、矩形の平板状の柔軟性部材が筒状に丸められ、対向する2辺が固定されたものであってもよい。筒状の培地2は、地下部1aが挿入された状態で、支持部10と協働して、地下部1aの屈地性に起因した変形を抑制しながら地下部1aの伸長を案内するものであれば、いかなるものであってもよい。本実施の形態においては、筒状の培地2は、スポンジ、たとえば、ウレタンフォームによって構成されているが、スポンジ以外の保液性および柔軟性を有する材料で構成されていてもよい。
筒状の培地2は、植物1の根1bが筒状の培地2の先端から垂れ下がるように、地下部1aの周面を覆っている。筒状の培地2は、水または養液4を含んだ状態で、地下部1aに密着している。筒状の培地2は、植物1の地下部1aの伸長を案内するように、地下部1aの先端よりも突出している。したがって、植物1の地下部1aは、筒状の培地2が延びる方向に沿って、ほぼ真っ直ぐに伸びることができる。したがって、筒状の培地2の地下部1aが延びる方向における端部の位置は、地下部1aが最も大きくなった状態で、地下部1aが筒状の培地2から突出しない位置であることが好ましい。
ただし、筒状の培地2があまり長いと、植物1の根1bが筒状の培地2から外方へ延びることができない。この場合、根1bが水または養液4に接触しにくい。そのため、筒状の培地2の長さは、植物1の根1bが筒状の培地2から突出することができる程度であることが好ましい。また、水または養液4が貯留槽部31に貯留されている場合、植物1の根1bが水または養液4に接触する程度であることがさらに好ましい。
筒状の培地2は、地下部1aがその屈曲性に起因して曲がることを抑制するものであればいかなるものであってもよい。筒状の培地2は、おおよそ、地下部1aの商品価値が低下してしまう程度に曲がっていないことが好ましい。筒状の培地2は、実質的に直線に沿って延びていると一般的な消費者が感じる程度に、地下部1aをある方向に沿って案内すると認められるものであることがさらに好ましい。
図1および図2に示されるように、水耕栽培装置100は、縁部3bと1つの側壁部とによって構成された排水流路3aを備えている。貯留槽部31に貯留されている水または養液4は、その高さが縁部3bの高さを超えると、排水流路3aから下方へ排出される。
本実施の形態においては、支持部10は、植物1の根1bが水または養液4に浸るが、筒状の培地2が貯留槽部31に貯留される水または養液4に接触しない高さ位置で、筒状の培地2を支持している。そのため、水または養液4は、植物1に効率的に供給されるが、筒状の培地2に過剰に保持されない。そのため、植物1の腐敗を抑制しながら、植物1の成長を促進させることができる。
支持部10は、栽培空間13に設けられ、栽培槽3の水または養液4の上方で、地下部1aが延びる方向に沿った2つの位置で筒状の培地2を局所的に支持している。2つの位置は、線状部材10aおよび線状部材10bのそれぞれと筒状の培地2とが接触している位置である。ただし、3以上の線状部材が、それぞれ、3以上の位置で、筒状の培地2を局所的に支持してもよい。
本実施の形態においては、地下部1aが水平方向に延びる状態で、栽培空間13に植物1が配置されている。筒状の培地2は、水平方向に沿った地下部1aの伸長を案内する。また、支持部10は、地下部1aを水平方向に沿って伸長させるために、筒状の培地2が水平方向に沿って延びるように、筒状の培地2を支持している。したがって、屈地性に起因した変形が植物1の地下部1aに生じることが抑制されている。
また、支持部10は、地下部1aが延びる方向に沿った2以上の位置で筒状の培地2を局所的に支持している。つまり、支持部10は、筒状の培地2の周辺の水または養液4を貯留槽部31に向かって落下させるように、分散された複数箇所で、筒状の培地2を支持している。そのため、筒状の培地2が水または養液4を過剰に保持することに起因して地下部1aが腐敗してしまうことが抑制されている。
栽培槽3の互いに対向する2つの側壁部には、それぞれ、ガイド部16aおよびガイド部16bが取り付けられている。ガイド部16aおよびガイド部16bは、水平面に沿って互いに平行に延びるように設けられている。ガイド部16aおよびガイド部16bには、それぞれ、ランナー部15aおよびランナー部15bが差し込まれている。ランナー部15aおよびランナー部15bは、それぞれ、ガイド部16aおよびガイド部16bから外れることなく、ガイド部16aおよびガイド部16bが延びる方向に沿ってスライドすることができる。
線状部材10aは、その両端にランナー部15aおよび15bを有している。線状部材10bも、その両端にランナー部15aおよび15bを有している。したがって、線状部材10aおよび線状部材10bは、それぞれ、互いに平行な状態を維持しながら、水平面に沿って独立して移動することができる。したがって、地下部1aの伸長度合いに応じて線状部材10aと線状部材10bとの間の距離を変更することができる。
上記の支持部10の構造によれば、栽培空間13において地下部1aが水平方向に延びる状態で植物1を栽培することが可能になる。したがって、栽培空間13の高さを小さくすることができる。
図1および図2に示されるように、光照射部5は、植物1の地上部1cが上方に向かって伸長するように、筒状の培地2の上方、すなわち植物1の上方に設けられている。具体的には、光照射部5は、栽培槽3の天井部の下面上に栽培槽3の床部30に向かって設けられている。したがって、光照射部5は、上側から下側へ向かって植物1に光を照射する。そのため、図1〜図5には示されていないが、地下部1aが延びる方向に沿って複数の地下部1aを並べることができる。したがって、平面視においてマトリックス状(図17参照)に複数の地下部1aを配置することが可能になる。この地下部1aのマトリックス状の配置は、後述される。光照射部5は、本実施の形態においては、LED(Light Emitting Diode)または蛍光灯等の自ら光を発する光源である。ただし、光照射部5は、他の光源で発せられた光または太陽光が植物1に照射されるように、水耕栽培装置の外部から内部へ光を導く導光部であってもよい。
図1〜図3から分かるように、支持部10は、複数の地下部1aがそれぞれ互いに平行に延びるように、複数の植物1の位置を固定する形状を有している。具体的には、図2および図3から分かるように、線状部材10aに位置決め部11a,11b,11c,11d,11eが取り付けられ、線状部材10bに位置決め部12a,12b,12c,12d,12eが取り付けられている。位置決め部11a,11b,11c,11d,11eおよび位置決め部12a,12b,12c,12d,12eは、それぞれ、線状部材10aおよび線状部材10bに固定された鍔状部材である。このような構成によれば、地下部1aが延びる方向に対して垂直な方向に沿って、複数の地下部1aを適切な間隔で列をなすように並べることが容易である。また、複数の地下部1aを互いに平行な状態に維持することができる。したがって、栽培空間13の有効利用を図ることが容易である。
図1および図3から分かるように、支持部10は、根1bが水または養液4に浸るように筒状の培地2の一方端から垂れ下がることを阻害しない形状を有している。また、支持部10は、地上部1cが筒状の培地2の他方端から上方へ向かって伸びることを阻害しない形状を有している。また、支持部10は、地下部1aが延びる方向に垂直な水平方向において互いに隣接する地下部1aの地上部1c側の端部同士が互いに逆方向を向くことを阻害しない形状を有している。したがって、地下部1aが延びる方向に垂直な水平方向において隣接する地上部1c同士の距離を大きくすることができる。そのため、地上部1cに光を効率的に照射することができる。
図4および図5に示されるように、本実施の形態の水耕栽培装置100においては、複数の栽培空間13が鉛直方向に積み重ねられてもよい。これによれば、平面視における水耕栽培装置100の占有面積を増加させることなく、植物1の栽培数を増加させることができる。
(他の例の水耕栽培装置の全体構造)
図6に示されるように、他の例の水耕栽培装置100は、3つの側壁部の下端部、縁部3b、および床部30によって構成される貯留槽部31の代わりに、植物1にミスト状の水または養液4を噴霧する噴霧部6を備えていてもよい。この場合も、筒状の培地2は、植物1の根1bが筒状の培地2の先端から垂れ下がるように植物1の地下部1aの周囲を覆っている。ただし、支持部10は、筒状の培地2が貯留槽部31に溜まった水または養液4に接触しない高さ位置で、筒状の培地2を支持している。この構成によれば、植物1の根1bに水または養液4を供給しながら、筒状の培地2の適切な湿潤状態を維持することができる。
本実施の形態の水耕栽培装置100は、図6に示されるように、線状部材10aが位置決め部11a,11b,11c,11d,11eを有しておらず、線状部材10bが位置決め部12a,12b,12c,12d,12eを有していなくてもよい。
なお、水耕栽培装置は、図6に示される噴霧部6および図1〜図3に示される貯留槽部31の双方を備えていてもよい。これによれば、根1bの水または養液4の供給と筒状の培地2への水または養液4の噴霧との双方を効率的に行うことができる。ただし、この場合、貯留槽部31に水または養液4が貯留されているため、噴霧部6が設置される位置は、側壁部の内側面等であることが好ましい。
(支持部)
次に、本実施の形態の支持部10の詳細構造を説明する。
筒状の培地2は、柔軟性を有するため、地下部1aが屈地性に起因して変形すると、それにともなって弾性変形するおそれがある。そのため、支持部10は、地下部1aが屈地性に起因して変形しようとしたときに、それに伴って生じる筒状の培地2の弾性変形を抑制するように設けられている。したがって、支持部10は、筒状の培地2と協働して、地下部1aの屈地性に起因した変形を抑制することができる。以下に説明される支持部10は、いずれも、筒状の培地2が地下部1aの屈地性に起因する変形を抑制する機能を補助する態様で筒状の培地2を支持している。
また、以下に示される支持部10は、いずれも、分散された複数箇所で筒状の培地2を局所的に支持している。そのため、支持部10は、筒状の培地2の周辺の水または養液4を底面へ向かって落下させることができる。そのため、筒状の培地2に過剰な水分が保持されることに起因して地下部1aが腐敗してしまうことが抑制されている。
支持部10の第1の例は、図1〜図6に示されるように、それぞれが筒状の培地2を支持し、かつ、互いに平行に延びる、2本の線状部材10a,10bを含んでいる。2本の線状部材10aおよび10bは、同じ高さ位置に設けられ、かつ、水平面に沿って延びている。この支持部10によれば、極めて簡単な構造で、地下部1aが水平方向に延びるように、植物1を支持することができる。ただし、支持部10は、植物1の地下部1aおよび筒状の培地2の大きさに応じて、同じ高さ位置に設けられ、かつ、互いに平行に延びる3以上の線状部材によって構成されていてもよい。線状部材の数が多い方が、筒状の培地2の支持は安定する。また、線状部材10a,10bの代わりに、棒状部材、または細長い板状の部材が用いられてもよい。支持部10は、筒状の培地2を局所的に支持することができる2以上の直線状に延びる部材であれば、その太さ、幅、または厚さは、いかなるものであてもよい。
図7〜図12に示されるように、支持部10は、地下部1aの伸長に応じて、支持部10を構成する部材の数、形状、および位置の少なくともいずれか1つを変更することが可能に構成されている。
図7および図8に示される支持部10は、地下部1aの伸長に伴って、それを構成する部材の数を増加させることができる。図7に示されるように、地下部1aの長さが相対的に小さいときには、筒状の培地2は、2本の線状部材10a,10bからなる支持部10によって支持される。一方、図8に示されるように、地下部1aの長さが相対的に大きくなると、筒状の培地2は、同じ高さ位置に設けられ、かつ、水平面に沿って延びる3本線状部材10a,10b,10cからなる支持部10によって支持されている。つまり、線状部材10cが線状部材10aおよび10bに加えて用いられている。これによれば、地下部1aの伸長に起因して支持部10による筒状の培地2の支持が不安定になることが抑制される。
なお、図7および図8においては、地下部1aが伸長しても同一の大きさの筒状の培地2が継続して用いられているが、地下部1aの伸長の度合いに応じて大きさが異なる筒状の培地2が用いられてもよい。
図9および図10に示されるように、地下部1aの伸長に応じて、支持部10の形状が変更されてもよい。図9および図10においては、支持部10は、L字のコーナ部を有する縦フレーム10dと直線状の横フレーム10gとを有している。図9および図10に示されるように、平面視において、縦フレーム10dと横フレーム10gとによって、矩形の枠構造が形成される。矩形の枠構造の内側には、網目状部材10fが張られている。網目状部材10fを構成する複数の紐のそれぞれの両端は、縦フレーム10dまたは横フレーム10gに固定されている。網目状部材10fを構成する複数の紐の十字に交差する部分は、互いに固定されておらず、縦紐と横紐とは相対的に移動することができる。
図9および図10に示される支持部10は、縦フレーム10dの4つのL字のコーナ部のそれぞれの下面から鉛直方向に延びる脚部(図示せず)を備えている。4つの脚部は、底面上に設置される。これにより、縦フレーム10dおよび横フレーム10gが水平面に平行に配置される。
図9および図10においては、位置決め部11a,11b,11c,11d,11eおよび位置決め部12a,12b,12c,12d,12eは、縦フレーム10dに設けられた鍔部によって構成されている。そのため、複数の筒状の培地2を適切な間隔で並べることができる。
図9と図10とを対比すれば分かるように、植物1の地下部1aが延びる方向に沿って、支持部10の幅が大きくなっている。具体的には、縦フレーム10dと横フレーム10gとが入れ子状に形成されており、縦フレーム10dが横フレーム10gに対して横フレーム10gが延びる方向に沿って相対的に移動することが可能になっている。また、網目状部材10fを構成する紐部は、縦フレーム10dの位置決め部11a,11b,11c,11d,11e内において巻き取りリールによって巻き取られている。そのため、網目状部材10fを構成する横紐は、引っ張られると、巻き取りリールが逆回転することにより、縦フレーム10dから出てくる仕組みになっている。巻き取りリールが正回転すると、横紐が巻き取りリールによって巻き取られる。したがって、網目状部材10fは、縦紐と横紐とが相対的に移動することにより網目の形状を変化させることができる。
上記図9および図10に示されるように、形状が変化する支持部10によっても、地下部1aの伸長に起因して支持部10による筒状の培地2の支持が不安定になることが抑制される。
図9および図10においては、横フレーム10gに取っ手部10eが設けられている。したがって、支持部10は、2つの取っ手部10eを両手で握ることにより、容易に栽培槽3に取り付けることができる。
上記のような網目状部材または格子状部材が支持部10として用いられると、筒状の培地2の周辺の水または養液4は、支持部10上に溜まることなく、貯留槽部31へ向かって落下する。なお、支持部10の形状の変化を必要としない場合には、網目状または格子状の部材を有する支持部10が、ステンレス、プラスチック、または木からなる網目状部材によって構成されていてもよい。
図11および図12に示されるように、支持部10が、2本の線状部材10a,10bとそれぞれが移動可能な4つの柱部10j,10k,10l,10mとを含んでいてもよい。柱部10j,10k,10l,10mは、いずれも、栽培槽3の底面上に設置される。線状部材10aの両端が、それぞれ、可動式の柱部10jおよび10kに取り付けられている。また、線状部材10bの両端が、それぞれ、10mおよび10lに取り付けられている。そのため、図11および図12から分かるように、一組の柱部10j,10kおよび一組の柱部10m,10lのいずれかの位置を変更することができる。そのため、支持部10を構成する線状部材10aと線状部材10bの間隔を変更することができる。これによっても、地下部1aの伸長に応じて、支持部10を構成する線状部材10a,10bの位置が変更され得る。したがって、地下部1aの伸長に起因して支持部10による筒状の培地2の支持が不安定になることが抑制される。
図11および図12においては、位置決め部11a,11b,11c,11dおよび位置決め部12a,12b,12c,12dは、それぞれ、線状部材10aおよび線状部材10bに固定された鍔状部材によって構成されている。したがって、複数の筒状の培地2を適切な間隔で配置することができる。
図13に示されるように、支持部10は、複数の貫通孔10hが設けられ、平板形状を有している孔空き部材10uであってもよい。孔空き部材10uは、栽培空間13において、水平面に平行に設置される。孔空き部材10uの高さは、前述された線状部材10aおよび10bの高さと同一である。孔空き部材10uは、筒状の培地2の周辺の水または水または養液4が支持部10上に溜まらないように、複数の貫通孔10hのそれぞれに向かって孔空き部材10uの上面が傾斜していることが望ましい。
上記の孔空き部材10uによれば、支持部10を容易に製造することができる。孔空き部材10uの例として、パンチングメタルまたは孔空きプラスチック等が挙げられる。
孔空き部材10uの上面には、上方に突出する複数の凸条11j,11k,11lが設けられている。凸条は、断面が凸形状の直線上に延びる部分である。複数の凸条11j,11k,11lは、それぞれ、互いに平行に延びている。また、複数の筒状の培地2は、複数の凸条11j,11k,11lの間に配置される。したがって、凸条11j,11k,11l同士の間に、複数の筒状の培地2を互いに平行に延びるように配置することができる。また、複数の筒状の培地2を適切な間隔で配置することができる。
支持部10は、上述の図7〜図13に示される支持部10のうちのいずれかが、地下部1aの伸長に応じて、上述の図7〜図13に示される支持部10のうちの他の支持部10に交換されてもよい。これによっても、地下部1aの伸長に起因して支持部10による筒状の培地2の支持が不安定になることが抑制される。
(光照明部の他の例)
図14および図15に示されるように、光照射部5は、植物1の地上部1cが地下部1aの伸長方向とは逆方向に伸長するように、筒状の培地2の側方に設けられていてもよい。すなわち、光照射部5は、植物1の地上部1c側の側方に設けられていてもよい。具体的には、栽培槽3の側壁部の内側面上に光照射部5が取り付けられる。ただし、光照射部5が地上部1cの側方に設けられているのであれば、光照射部5は、いかなるものに取り付けられていてもよい。たとえば、光照射部5が床部30から延びる部材によって支持され、地上部1cの側方に位置付けられてもよい。
上記の構成によれば、地上部1cおよび地下部1aのいずれも、水平面に沿って延びる。そのため、植物1の栽培空間13の高さをさらに小さくすることが可能になる。
図14においては、噴霧部6が底面上に設置されているため、排水流路3aが床部30を貫通するように設けられた孔によって構成されている。一方、図15においては、貯留槽部31に水または養液4が貯留されているため、排水流路3aは、縁部3bと栽培槽3の側壁部とによって構成された溝によって構成されている。
(支持部の天井からの吊り下げ)
光照射部5が地上部1cの側方に設けられる場合、図15および図16に示されるように、支持部10は、それぞれがU字状でかつ柔軟性を有する複数の網目状または格子状の部材10nを有していてもよい。この場合、複数の網目状または格子状の部材10nは、それぞれ、天井部から吊り下げられている。U字状の網目状または格子状の部材10nは、所定の硬さを有する帯状の網目状または格子状の部材がU字に変形されたものであってもよい。この場合、床部30によって、U字状の網目状または格子状の部材10nが支持される。複数の網目状または格子状の部材10nは、複数の植物1の地下部1aが水平面に沿って延びるように、同じ高さ位置で、複数の筒状の培地2を支持している。また、複数の網目状または格子状の部材10nは、複数の筒状の培地2が互いに平行に延びるように、複数の筒状の培地2を支持している。したがって、複数の地下部1aも互いに平行に延びている。この場合、複数の網目状または格子状の部材10nは、それぞれ、複数の筒状の培地2の位置を固定するように、1対1の態様で複数の筒状の培地2を支持している。
前述の網目状または格子状の部材10nも、上記の支持部10と同様に、筒状の培地2が地下部1aの変形を抑制する機能を補助している。前述の複数の網目状または格子状の部材10nも、分散された複数箇所で、筒状の培地2を局所的に支持する。したがって、図15および図16に示される支持部10も、筒状の培地2の周辺の水または養液4を貯留槽部31に向かって落下させる。
(植物のマトリックス配置)
図17に示されるように、支持部群110は、植物1の地下部1aが延びる方向に沿って間隔をおいて並べられた複数の支持部10を含んでいてもよい。複数の支持部10は、ぞれぞれ、植物1の地下部1aが延びる方向と垂直な水平方向に沿って、2以上の植物1の地下部1aが列をなすように、複数の筒状の培地2を支持している。したがって、図17から分かるように、水平面に沿って複数の筒状の培地2が互いに平行に配置されている。また、互いに平行に配置された隣接する2つの筒状の培地2においては、植物1の地上部1c側の地下部1aの端部同士が互いに逆向きになるように、複数の植物1が配置されている。これによれば、平面視において、隣接する地上部1c同士の距離を大きくすることができる。したがって、複数の植物1に光合成を効率的に行わせることができる。
図17に示される例では、個々の支持部10は、2本の線状部材10a,10bによって構成されている。しかしながら、図15および図16に示される柔軟性を有する網目状または格子状の部材10nがマトリックス状に栽培槽3の天井部分に取り付けられていてもよい。これらの支持部10によれば、植物1の地下部1aをマトリックス状に配置することにより、栽培槽3内の平面スペースを有効に活用することができる。
(培地の他の例)
図18〜図26に示されるように、前述の培地2の代わりに、以下に説明する培地2a,2b,2c,2f,2gが用いられてもよい。なお、培地2a,2b,2c,2f,2gは、以下に説明される以外の点においては、前述の培地2と同様の構成を有している。
図18および図19に示されるように、前述の培地2の代わりに、培地2aが用いられてもよい。培地2aは、円筒状のパイプを軸方向に沿って切った、いわゆるハーフパイプの形状を有している。したがって、培地2aは、軸方向に垂直な横断面が180°の円弧をなしており、かつ、水平平方向に沿って延びる保持面2a1を有している。保持面2a1は、地下部1aに密着し、地下部1aを保持する溝を構成する。この場合、溝は、地下部1aの外周面に沿った曲面を有している。
図20および図21に示されるように、前述の培地2の代わりに、培地2bが用いられてもよい。培地2bは、円筒状のパイプに軸方向に沿ってスリットが設けられた形状を有している。したがって、培地2bは、軸方向に垂直な横断面が180°の円弧よりも大きな角度の円弧をなしており、かつ、水平方向に沿って延びる保持面2b1を有している。保持面2b1は、地下部1bに密着し、地下部1aを保持する溝を構成する。この場合も、溝は、地下部1aの外周面に沿った曲面を有している。培地2bは、スリットを押し広げられることにより、地下部1aを受け入れ、スリットが狭められることにより、地下部1aを包み込む。培地2bは、地下部1aを受け入れていない状態で、スリットが閉じられているように構成されていてもよい。
なお、前述の円筒状の培地2が用いられる場合においても、円筒状の培地の下側の内面は、地下部1aを保持する保持面を構成し、その保持面は、地下部1aに密着し、地下部1aを保持する溝を構成する。この場合も、溝は、地下部1aの外周面に沿った曲面を有している。
図22および図23に示されるように、前述の培地2の代わりに、培地2cが用いられてもよい。培地2cは、横断面が波形、具体的には、サインカーブを描く保持面2c1を有している。保持面2c1は、地下部1bに密着し、地下部1aを保持する溝を構成する。この場合も、溝は、地下部1aの外周面に沿った曲面を有している。
ただし、保持面2c1は、曲面でなくてもよく、複数の地下部1aをそれぞれ受け入れる複数の凹部と、複数の凹部同士の仕切を構成する複数の凸部とからなっていれば、凹凸の形状はいかなるものであってもよい。この場合、凹部が保持面としての溝を構成している。
前述の培地2の代わりに、前述の溝が直方体の主表面に断面が180°の円弧を描く保持面によって構成された培地が用いられてもよい。言い換えると、その保持面は、地下部1aに密着し、地下部1aを保持する溝を構成している。この場合も、溝は、地下部1aの外周面に沿った曲面を有している。ただし、保持面は、曲面でなくてもよく、直方体の4つの側面のうちの3つの側面によって構成される溝であってもよい。また、前述の培地2の代わりに、前述の溝は、三角柱の3つの側面のうちの2つの側面からなる保持面によって構成された培地が用いられてもよい。
図24に示されるように、前述の培地2の代わりに、培地2fが用いられてもよい。培地2fは、地下部1aが延びる方向に沿って延びる溝を有している。溝は、鉛直方向と交差する方向に沿って延びる保持面2f1を有している。保持面2f1は、一方端2f11から他方端2f12まで延びている。言い換えると、保持面2f1は、地下部1aに密着し、地下部1aを保持する溝を構成している。この場合も、溝は、地下部1aの外周面に沿った曲面を有している。
培地2fが支持部10上に設置されたとき、一方端2f1は他方端2f12よりも高い位置にある。そのため、培地2fが地下部1aを保持すると、
地下部1aが、鉛直方向に対して傾斜しており、かつ、水平面に対して傾斜している。
図24においては、支持部10a,10bが延びる方向に沿って隣接する培地2fを見たときに、2つの保持面2f1の勾配の正負が互いに逆になっている。この場合、地下部1aの地上部1c側の端部が保持面2f1の上側の位置から突出するように、地下部1aを培地2fに設置する。それにより、隣接する培地2f同士の関係において、地下部1aの地上部1c側の端部同士が隣接していない。つまり、植物1の地上部1c側の地下部1aの端部同士が互いに逆向きになるように、複数の植物1が配置される。なお、この場合、照明部5は、地上部1cが伸びる方向に応じて側面および天井面のうちのいずれに設置されていてもよい。
図25および図26に示されるように、前述の筒状の培地2の代わりに、培地2gが用いられてもよい。培地2gは、直方体に切れ込みが形成された形状を有し、切れ込みによって形成された2つの対向面からなる保持面2g1を有している。この切れ込み内に地下部1aが押し込まれることにより、切れ込みが開く。この切れ込み内に地下部1aが挿入される。その結果、地下部1aは、保持面2g1に接触し、保持面2g1によって支持される。保持面2g1は、地下部1aに密着し、地下部1aを保持する溝を構成する。この場合も、溝は、地下部1aの外周面に沿った曲面を有している。
以上から分かるように、培地2,2a,2b,2c,2f,2gは、いずれも、地下部1aの伸長を鉛直方向と交差する方向に案内する。また、支持部10は、培地2,2a,2b,2c,2f,2gの状態が維持されるように培地2,2a,2b,2c,2f,2gを支持する。培地は、地下部1aの伸長を鉛直方向と交差する方向に案内するものであれば、他のいかなるものであってもよい。
前述の鉛直方向と交差する方向が鉛直方向となす交差角は、0°よりも大きければ、いかなる角度であってもよいが、栽培空間13の高さを小さくする観点からは、極力90°に近いことが望ましい。特に、地下部1aが実質的に水平方向に沿って伸長するように、前述の交差角が決定されていることが好ましい。たとえば、地下部1aが実質的に水平方向に沿って伸長する交差角は、85度〜90度までの値であってもよい。
また、培地2,2a,2b,2c,2f,2gと地下部1aとの間に生じる摩擦力によって、植物1は、培地2,2a,2b,2c,2f,2gから下方へ落ちないように保持されることが望ましい。そのため、この観点からも、前述の交差角は、極力90°に近い値であることが好ましい。ただし、培地の表面粗さの値が大きければ、前述の交差角は、たとえば、45度よりも大きくかつ90度よりも小さな値であってもよい。また、前述の交差角が0°よりも大きくかつ45°よりも小さい値である場合には、地下部1aの培地からの落下を防止するように地下部1aを支持する支持部材が培地に設けられていてもよい。
なお、支持部10は、培地の状態が維持されるように培地を支持するものであれば、他のいかなるものであってもよい。
上記の場合においても、支持部10は、植物1の屈地性に起因した地下部1aの変形に基づく培地2,2a,2b,2c,2f,2gの弾性変形を抑制する。支持部10は、屈地性に起因した地下部1aの変形に基づく培地2,2a,2b,2c,2f,2gの弾性変形を抑制する位置で、培地2,2a,2b,2c,2f,2gを下側から支持している。
ただし、培地2,2a,2b,2c,2f,2gの大きさ、厚さ、または弾性係数等によっては、培地2,2a,2b,2c,2f,2g自身が地下部1aの屈地性に起因した変形を抑制することも可能である。
(実施の形態の水耕栽培装置の利点)
上記した本実施の形態の水耕栽培装置100によれば、植物1の地下部1aが鉛直方向と交差する方向に沿って延びるように配置されている。したがって、栽培空間13の高さを小さくすることができる。特に、植物1の地下部1aが水平方向に延びるように配置されている場合には、地下部1aの長さに関係なく地上部1cの長さだけを考慮して栽培空間13の高さを決定することができる。その結果、植物1の地下部1aおよび地上部1cの長さに依存する栽培空間13の高さが低減される。したがって、限られた高さを有する植物工場内の空間で水耕栽培を行う場合においても、多数の栽培空間13を積み重ねることが可能になる。それにより、植物工場内の空間をより効率的に利用することが可能になる。したがって、単位面積当りの収穫量を増加させることができる。
以下、実施の形態の水耕栽培装置100の特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
(1) 水耕栽培装置100は、植物1を栽培するための栽培槽3を備えている。水耕栽培装置100は、柔軟性および保液性を有し、地下部1aの伸長を鉛直方向と交差する方向に沿って案内する培地2,2a,2b,2c,2f,2gを備えている。水耕栽培装置100は、栽培槽3内に配置され、地下部1aの伸長が鉛直方向と交差する方向に沿って案内される状態が維持されるように、培地2,2a,2b,2c,2f,2gを支持する支持部10を備えている。
上記の構成によれば、培地2,2a,2b,2c,2f,2gは、屈地性に起因した地下部1aの変形を抑制しながら地下部1aの伸長を案内する。支持部10は、培地2,2a,2b,2c,2f,2gが地下部1aの変形を抑制する機能を補助する。その結果、培地2,2a,2b,2c,2f,2gおよび支持部10によって植物1の地下部1aに生じる屈地性に起因した変形を低減することができる。そのため、栽培空間13において地下部1aが鉛直方向と交差する方向に延びる状態で植物1を栽培することが可能になる。したがって、栽培空間13の高さを小さくすることができる。
(2) 培地2,2a,2b,2c,2f,2gは、地下部1aに接触し、地下部1aを保持する保持面2a1,2b1,2c1,2f1,2g1を有していてもよい。保持面2a1,2b1,2c1,2f1,2g1は、前述の鉛直方向と交差する方向に沿って延びる溝を構成してもよい。
上記の構成によれば、保持面2a1,2b1,2c1,2f1,2g1に沿って地下部1aが伸長するため、地下部1aの伸長の方向を容易に案内することができる。
(3) 溝は、地下部1aの外周面に沿った曲面を有している。この構成によれば、保持面2a1,2b1,2c1,2f1,2g1を地下部1aの外周面に極力密着させることができる。そのため、水または養液4を地下部1aに効率的に供給することができる。
(4) 支持部10は、屈地性に起因した地下部1aの変形に基づく培地2,2a,2b,2c,2f,2gの弾性変形を抑制する位置で、その培地を下側から支持してもよい。
上記の構成によれば、培地2,2a,2b,2c,2f,2gが大きく弾性変形する材料からなる場合にも、屈地性に起因した地下部1aの変形を抑制することができる。
(5) 支持部10は、分散された複数箇所で培地2,2a,2b,2c,2f,2gを支持することが好ましい。これによれば、培地2,2a,2b,2c,2f,2gの周辺に水または養液4が溜まることに起因した植物1の腐敗を抑制することができる。
(6) 支持部10は、地下部1aの伸長に応じて、支持部10を構成する部材の数、形状、および位置の少なくともいずれか1つを変更し得るように構成されていてもよい。これによれば、地下部1aの伸長に起因して支持部10による培地2,2a,2b,2c,2f,2gの支持が不安定になることが抑制される。
(7) 支持部10は、それぞれが培地2,2a,2b,2c,2f,2gを支持し、かつ、互いに平行に延びる、2以上の線状部材10a,10b,10cを含んでいてもよい。これによれば、培地2の周辺の水または養液4は落下する。そのため、培地2,2a,2b,2c,2f,2gに水または養液4が過剰に保持されることに起因して、植物1の地下部1aが腐敗してしまうことを抑制することができる。線状部材10a,10b,10cの代わりに、棒状部材、または細長い板状の部材が用いられてもよい。
(8) 支持部10は、網目状または格子状の部材10nを含んでいてもよい。これによっても、上記と同様の理由のため、培地2,2a,2b,2c,2f,2gに水または養液4が過剰に保持されることに起因して、植物1の地下部1aが腐敗してしまうことを抑制することができる。
(9) 支持部10は、複数の貫通孔10hが設けられた孔空き部材10uを含んでいてもよい。これによっても、上記と同様の理由のため、培地2,2a,2b,2c,2f,2gに水または養液4が過剰に保持されることに起因して、植物1の地下部1aが腐敗してしまうことを抑制することができる。
(10) 支持部10は、複数の地下部1aがそれぞれ互いに平行に延びるように、複数の植物1の位置を固定する形状を有していることが好ましい。これによれば、複数の植物1を整理して並べることが容易になるため、スペースの有効利用を図ることが容易になる。
(11) 水耕栽培装置100は、植物1に光を照射する光照射部5を備えていてもよい。光照射部5は、培地2,2a,2b,2c,2f,2gの上方に設けられていてもよい。
上記の構成によれば、植物1の地上部1cが上方に向かって伸長することができる。そのため、地下部1aが延びる方向に沿って複数の地下部1aを並べることができる。したがって、平面視においてマトリックス状に複数の地下部1aを配置することが可能になる。
(12) 水耕栽培装置100は、植物1に光を照射する光照射部5を備えていてもよい。光照射部5は、培地2,2a,2b,2c,2f,2gの側方に設けられていてもよい。これによれば、植物1の地上部1cが地下部1aの伸長方向とは逆方向に伸長することができる。より具体的には、地下部1aだけでなく地上部1aも、側方に伸長することができる。そのため、地下部1aの高さを小さくすることに加えて、地上部1cの高さも小さくすることができるため、栽培空間13の高さをさらに小さくすることが可能になる。
(13) 栽培槽3は、水または養液4を貯留する貯留槽部31を含んでいてもよい。これによれば、培地2,2a,2b,2c,2f,2gから垂れ下がる植物1の根1bを水または養液4に浸すことができる。
(14) 栽培槽3は、ミスト状の水または養液4を噴霧する噴霧部6を備えていてもよい。これによれば、培地2,2a,2b,2c,2f,2gにミスト状の水または養液4を噴霧することができる。
(15) 鉛直方向と交差する方向は、水平方向であることが好ましい。これによれば、水耕栽培装置100の高さを極力低くすることができる。
(16) 上記の水耕栽培装置100の使用した水耕栽培方法は、互いに隣り合う植物1の地上部1c側の地下部1aの端部同士が互いに逆向きになるように、複数の植物1を配置する。
上記の方法によれば、平面視において、隣接する地上部1c同士の距離を大きくすることができる。したがって、複数の植物1に光合成を効率的に行わせることができる。
また、本出願は、2014年10月16日に出願された日本出願の特願2014−211627号に基づく優先権を主張し、当該日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
1 植物
1a 地下部
1b 根
2,2a,2b,2c,2f,2g 培地
2a1,2b1,2c1,2f1,2g1 保持面
3 栽培槽
4 水または養液
5 光照射部
6 噴霧部
10 支持部
10a,10b,10c 線状部材
10f,10n 網目状または格子状の部材
10i,10u 孔空き部材
13 栽培空間
31 貯留槽部
100 水耕栽培装置

Claims (12)

  1. 植物に供給される水または養液を貯留する貯留槽部を含み、前記植物を栽培するための栽培槽と、
    柔軟性および保液性を有し、前記植物の地下部の伸長を鉛直方向と45度より大きくかつ90度より小さい交差角をなして交差する方向または水平方向に沿って案内する培地と、
    前記栽培槽内に配置され、前記地下部の伸長が前記鉛直方向と45度より大きくかつ90度より小さい交差角をなして交差する方向または前記水平方向に沿って案内される状態が維持されるように、かつ、前記植物の根が前記水または前記養液に浸るが、前記培地が前記貯留槽部に貯留される前記水または前記養液に接触しない高さ位置で、前記培地を支持する支持部と、を備え、
    前記支持部は、屈地性に起因した前記地下部の変形に基づく前記培地の弾性変形を抑制することによって前記地下部を前記鉛直方向と45度より大きくかつ90度より小さい交差角をなして交差する方向または前記水平方向に沿って伸長させるように、かつ、前記培地の周辺の水または養液を前記貯留槽部に向かって落下させるように、分散された複数箇所で前記培地を下側から支持する、水耕栽培装置。
  2. 前記支持部は、平面視において、複数の前記培地がそれぞれ互いに平行に延びるように、複数の前記培地の位置を固定する形状を有し、複数の前記地下部を互いに平行な状態に維持する、請求項1に記載の水耕栽培装置。
  3. 前記培地は、前記地下部に接触し、前記地下部を保持する保持面を有し、
    前記保持面は、前記鉛直方向と45度より大きくかつ90度より小さい交差角をなして交差する方向または前記水平方向に沿って延びる溝を構成する、請求項1または2に記載の水耕栽培装置。
  4. 前記溝は、前記地下部の外周面に沿った曲面を有している、請求項3に記載の水耕栽培装置。
  5. 前記支持部は、前記地下部の伸長に応じて、前記支持部を構成する部材の数、形状、および位置の少なくともいずれか1つを変更し得るように構成された、請求項1〜4のいずれかに記載の水耕栽培装置。
  6. 前記支持部は、それぞれが前記培地を支持し、かつ、互いに平行に延びる、2以上の線状、棒状、または細長い板状の部材を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の水耕栽培装置。
  7. 前記支持部は、網目状または格子状の部材を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の水耕栽培装置。
  8. 前記支持部は、複数の貫通孔が設けられた孔空き部材を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の水耕栽培装置。
  9. 前記植物に光を照射する光照射部を備え、
    前記光照射部は、前記培地の上方に設けられた、請求項1〜8のいずれかに記載の水耕栽培装置。
  10. 前記植物に光を照射する光照射部を備え、
    前記光照射部は、前記培地の側方に設けられた、請求項1〜9のいずれかに記載の水耕栽培装置。
  11. 前記栽培槽は、ミスト状の水または養液を噴霧する噴霧部をさらに備えた、請求項1〜10のいずれかに記載の水耕栽培装置。
  12. 請求項2に記載の水耕栽培装置を使用した水耕栽培方法であって、
    互いに隣り合う前記植物の地上部側の前記地下部の端部同士が互いに逆向きになるように、複数の前記植物を配置する、水耕栽培方法。
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