JP5560083B2 - 水耕栽培装置、水耕栽培用容器及び水耕栽培方法 - Google Patents
水耕栽培装置、水耕栽培用容器及び水耕栽培方法 Download PDFInfo
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Description
ところで野菜の種類には上記したキャベツ等の葉菜類の他に、ワサビやダイコン等の根菜類がある。この根菜類は、葉菜類とは異なり成長過程において地下茎(根茎を含む)・根等の食用部に土圧を加えると食用部の肥大が促進されるという性質を有している。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、ワサビやダイコン等の根菜類の成長過程において地下茎・根等の食用部の肥大を促進させることができる水耕栽培装置、水耕栽培用容器及び水耕栽培方法を提供することを、その目的とする。
図1、図2に示すように水耕栽培装置1は水耕栽培用容器3、栽培槽5、支持プレート7等によって構成されている。
水耕栽培用容器3の詳細な構成について説明する。
符号11は容器本体を示し、この容器本体11は有底円筒状を為している。容器本体11は合成ゴム等から成り、ある程度の弾性力を有している。容器本体11の周面と底面には、後述する麦飯石15よりも小さい径寸法の貫通穴13が多数形成されている。
容器本体11には粒状物としての麦飯石15が充填されている。
加圧手段は容器本体11と麦飯石15によって構成されている。
支持プレート7の上方には図示しないLED照明器具が備えられており、このLED照明器具は後述するワサビWに向かって光を照射する。
ワサビWは根菜類であり、このワサビWの地下茎(根茎)は食用とされる食用部Sである(図5参照)。
水耕栽培装置1は密閉された工場内に設置されており、工場内はクリーンな環境に保たれている。また、工場内の温度・湿度等はワサビWの成長に適した条件となるように管理されている。
前述したように容器本体11には多数の貫通穴13が形成されている。従って、図6の矢印に示すように培養液は、貫通穴13を通って容器本体11に流入し、麦飯石15の隙間を通り、そして反対側の貫通穴13を通って容器本体11から流出する。このように容器本体11は通水性を有しているので、培養液がワサビWに連続的に供給される。
このようにワサビWの食用部Sには、容器本体11と麦飯石15によって成長度合いに応じた適度な圧力が常に加えられるので、食用部Sの肥大を十分に促進させることができる。
また、工場は密閉され、且つ無菌状態に管理されているので、ワサビWに害虫が付いてしまうのを防止でき、また土耕栽培のように土を使わないので、手間をかけずにワサビWを栽培することが可能となる。
実施の形態2に係る水耕栽培装置31は、実施の形態1に係る水耕栽培装置1と同様の構成部分を有するので、水耕栽培装置1と同様の構成部分については、同じ符号を付すことで説明を省略する。
図7において符号33は水耕栽培用容器を示し、この水耕栽培用容器33は容器本体35と、この容器本体35に充填された麦飯石15によって構成されている。容器本体35は合成樹脂製のネットによって構成されており、柔軟性、伸縮性及び通水性を有している。
容器本体35の上端部には、水平に延びる一対のパイプ37が互いに対向して取り付けられている。
吊り下げ手段はパイプ37、支持ベース39及び支持棒41によって構成されている。
加圧手段は容器本体35、麦飯石15及び上記吊り下げ手段(パイプ37、支持ベース39及び支持棒41)によって構成されている。
図8に示すようにワサビWの苗の食用部Sを麦飯石15の中に入れて、ワサビWを水耕栽培用容器33に支持させる。そして、水耕栽培用容器33を栽培槽5内に入れて、パイプ37を支持棒41にそれぞれ挿通する。これにより容器本体35の上端部は支持棒41によって支持され、容器本体35等は吊り下げられた状態に支持される。容器本体35には麦飯石15等による下方への荷重がかかり、容器本体35は下方へ伸びると共に縮径する。そして、容器本体35の縮径する力は、麦飯石15を介してワサビWの食用部Sに伝わる。従って、食用部Sには適度な圧力が加わることとなる。
このようにワサビWの食用部Sには成長度合いに応じた適度な圧力が常に加えられる。
上記実施の形態では、根菜類としてワサビWを示したが、根菜類はワサビWに限られずダイコン、サツマイモ、ジャガイモ、タマネギ等であってもよい。なお、ワサビWの食用部Sである地下茎は根茎と称されるが、地下茎は根茎、塊茎、球茎などの総称であり、野菜の種類によって名称が異なるものであることはいうまでもない。
上記実施の形態では、粒状物を麦飯石15によって構成したが、粒状物を砂利やセラミック等で構成してもよい。
上記実施の形態では、LED照明器具を備えたが、照明器具はLEDを用いたものに限られない。
上記実施の形態2では、吊り下げ手段をパイプ37、支持ベース39及び支持棒41によって構成したが、吊り下げ手段は容器本体35等を吊り下げ状態に支持することができればよく、吊り下げ手段は上記構成に限定されない。例えば、支持ベース39を設けない構成にして、支持棒41を栽培槽5の側板に直接固定してもよい。
7…支持プレート 11…容器本体 13…貫通穴
15…麦飯石 21…培養液供給管 23…培養液排出管
25…穴
31…水耕栽培装置 33…水耕栽培用容器 35…容器本体
37…パイプ 39…支持ベース 41…支持棒
W…ワサビ S…食用部
Claims (3)
- 通水性を有する容器本体と前記容器本体に充填された粒状物とから成り、且つ前記粒状物中に根菜類の地下茎・根等の食用部が入れられた状態で前記根菜類を支持する水耕栽培用容器と、前記水耕栽培用容器を収容し、且つ培養液が供給される栽培槽とを備え、
前記容器本体を柔軟性及び伸縮性を有し、且つ上端部を支持して吊り下げた状態で下方への荷重がかかると、下方へ伸びると共に縮径するもので構成し、
さらに、前記容器本体の上端部を支持して吊り下げた状態に支持する吊り下げ手段を備え、
前記根菜類の食用部に圧力が加えられることを特徴とする水耕栽培装置。 - 請求項1に記載した水耕栽培装置に備えられた水耕栽培用容器において、
柔軟性、伸縮性及び通水性を有し、且つ上端部を支持して吊り下げた状態で粒状物等による下方への荷重がかかると、下方へ伸びると共に縮径する容器本体と、前記容器本体に充填された粒状物とから成ることを特徴とする水耕栽培用容器。 - 通水性、柔軟性および伸縮性を有する容器本体に充填された粒状物中に根菜類の地下茎・根等の食用部を入れて、前記容器本体の上端部を支持して吊り下げた状態にして、前記根菜類を前記容器本体と前記粒状物に支持させ、前記容器本体と前記粒状物を培養液が供給される栽培槽に収容し、粒状物等の下方への荷重によって前記容器本体を下方へ伸ばし且つ縮径させて、前記根菜類の食用部に圧力を加えることを特徴とする水耕栽培方法。
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