JP2019004810A - 水耕栽培用パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】水耕栽培される野菜の種類に応じて、貫通孔の間隔等を変えることができ、汎用性に優れ、製造コストを抑制することができる発泡樹脂製の水耕栽培用パネルを提供する。【解決手段】発泡樹脂製の水耕栽培用パネル1は、平面板21に定間隔で形成された複数の貫通溝22を有するパネル本体2と、貫通溝22の夫々に嵌め込まれる複数の入れ子部材3と、を備える。入れ子部材3は、その上面から下面に貫通するように形成され、植物Pが植えられた栽培ポット4を保持する貫通孔32を有する。この構成によれば、1つのパネル本体2に対して、貫通孔32の個数等が異なる複数種の入れ子部材3を適宜に選択して装着させるので、野菜の種類に応じて、汎用性に優れたものとなる。また、パネル本体2を成形する大きな金型は一種類で済み、複数種の入れ子部材3には小さな金型を作成すればよいので、製造コストを抑制することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、植物を培養液に浮遊させた状態で保持する発泡樹脂製の水耕栽培用パネルに関する。
従来から、土壌ではなく、循環させた培養液を用いて、野菜等の植物を栽培する水耕栽培に関する種々の技術が開発されている。この種の技術として、例えば、発泡スチロール等の浮力基体を用いた水耕栽培用パネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような水耕栽培用パネルには、複数の貫通孔が形成されており、水耕栽培を行う際には、培養液に浮かせた水耕栽培用パネルの貫通孔内に、植物の苗が植えられた植栽体(栽培ポット)が嵌合、保持される。栽培ポットは、例えば、ウレタンフォームといった多孔質材料から成り、栽培ポットに植えられた植物の根が、下方に向かって生育して培養液に浸され、植物に養分や水分が供給される。植物が生育して出荷される際には、植物と共に栽培ポットを取り外すことにより、水耕栽培用パネル自体は、繰り返し使用することができる。
水耕栽培される野菜には、例えば、葱や三つ葉のように、上方向に伸長する一方で周囲方向への広がりが小さいものから、リーフレタスのように、葉が周囲方向にも大きく広がるものがある。上記のような水耕栽培用パネルを用いて植物を水耕栽培する際には、葉の広がりが大きな野菜には、貫通孔の間隔が広いものが用いられ、葉の広がりが小さい野菜には、貫通孔の間隔が狭いものが用いられる。また、貫通孔の大きさも、水耕栽培される野菜によって異なる。すなわち、水耕栽培用パネルは、水耕栽培される野菜の種類に応じて、貫通孔の間隔や配置、大きさ等が異なるものが用いられる。
ところで、水耕栽培用パネルの浮力基体となる発泡スチロール製品は、一般的に金型により成形される。しかしながら、水耕栽培用パネルは、一辺の長さが800mm以上になることもあり、金型のサイズも大きい。そのため、仮に貫通孔の間隔等が異なる水耕栽培用パネル毎に、金型を作成すると、製造コストが高くなってしまう。また、サイズの大きな水耕栽培用パネルが複数種あると、それらの保管スペースも広く確保する必要があり、複数種の野菜を栽培する生産者にとってもマイナス面が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、水耕栽培される野菜の種類に応じて、貫通孔の間隔等を変えることができ、汎用性に優れ、製造コストを抑制することができる水耕栽培用パネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、植物を培養液に浮遊させた状態で保持する発泡樹脂製の水耕栽培用パネルであって、平面板に定間隔で形成された複数の貫通溝を有するパネル本体と、複数の前記貫通溝の夫々に嵌め込まれる複数の入れ子部材と、を備え、前記入れ子部材は、該入れ子部材の上面から下面に貫通するように形成され、植物が植えられた栽培ポットを保持する貫通孔を有することを特徴とする。
上記水耕栽培用パネルにおいて、前記パネル本体に対して、前記貫通孔の個数、配置又は大きさが異なる複数種の前記入れ子部材を装着可能なように構成されていることが好ましい。
上記水耕栽培用パネルにおいて、前記貫通溝は、前記パネル本体の上面側に開口した上溝と、下面側に開口した下溝と、を有し、前記上溝の開口は、前記下溝の開口よりも大きく、前記入れ子部材は、前記上溝の形状に対応した上部材と、前記下溝の形状に対応した下部材と、を有することが好ましい。
上記水耕栽培用パネルにおいて、前記パネル本体及び前記入れ子部材は、一方が他方と係合するための凸部及び凹部を夫々有することが好ましい。
上記水耕栽培用パネルにおいて、前記パネル本体及び前記入れ子部材は、夫々異なる物性の材料により形成され得ることが好ましい。
上記水耕栽培用パネルにおいて、前記貫通孔は、前記入れ子部材の上面側に開口した上孔と、下面側に開口した下孔と、を有し、前記下孔の開口は、前記上孔の開口よりも小さく、前記貫通孔に装着された栽培ポットが前記下孔の開口よりも上位置で保持されること
が好ましい。
が好ましい。
本発明によれば、1のパネル本体に対して、貫通孔の個数等が異なる複数種の入れ子部材を、野菜の種類に応じて適宜に選択して装着させるので、汎用性に優れたものとすることができる。また、パネル本体を成形する大きな金型は一種類で済み、複数種の入れ子部材を形成するには小さな金型を作成すればよいので、製造コストを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る水耕栽培用パネルについて、図1乃至図9を参照して説明する。図1(a)(b)に示すように、本実施形態の水耕栽培用パネル1は、植物を培養液に浮遊させた状態で保持するものである。水耕栽培用パネル1は、平坦なパネル本体2と、このパネル本体2に装着される入れ子部材3と、を備える。パネル本体2及び入れ子部材3は、いずれも発泡合成樹脂の成形体であり、例えば、熱可塑性樹脂の発泡用の粒子を型内に充填し加熱し、発泡させて一体成形される。熱可塑性樹脂は、例えば、スチレン系樹脂であり、又はスチレン系樹脂に、例えば、エチレン系樹脂やオレフィン系樹脂といった他の樹脂を混合させた複合樹脂であってもよい。
パネル本体2は、上面視が略矩形状の平面板21と、この平面板21に定間隔で形成された複数の貫通溝22と、を有する。入れ子部材3は、略短冊状の平板片31であり、パネル本体2の複数の貫通溝22の夫々に嵌め込まれる。入れ子部材3は、その主体を成す平板片31の上面から下面に貫通するように貫通孔32が形成されている。この貫通孔32に、植物Pが植えられた栽培ポット4が嵌合、保持される。水耕栽培用パネル1は、入れ子部材3の貫通孔32に保持された栽培ポット4を脱着することにより、繰り返し使用することができる。なお、栽培ポット4は、ウレタンフォーム等といった吸水性及び弾力性のある多孔質材料により形成され、生育した植物Pが生育し収穫された後に回収され、処分される。
図2(a)乃至(d)に示すように、パネル本体2は、所定厚の平面板21を主体とし、上面視において一方の辺(図例では正面側の辺)が他方の辺(図例では側面側の辺)よりも長い長方形形状となるように形成されている。また、平面板21の四方の角部は、丸みを帯びるように面取りされている。貫通溝22は、平面板21の上面から下面に貫通するように、上面視において帯長の略矩形となるように形成されている。図例では、平面板21の長手方向の辺に沿って2行、短手方向の辺に沿って8列、計16個の貫通溝22が形成されているが、貫通溝22の個数や配置は、図示した構成に限られない。また、貫通溝22の形状は、入れ子部材3の形状に対応していればよく、図示した上面視矩形状に限られない。なお、貫通溝22が矩形である場合には、それらの隅部は、ひび割れ抑制するため、丸みを帯びるようにR状に形成されていることが好ましい。
図3(a)乃至(c)に示すように、貫通溝22は、パネル本体2の上面側に開口した上溝23と、下面側に開口した下溝24と、を有する(特に、図3(c)参照)。上溝23の開口は、下溝24の開口よりも大きくなるように形成されている。上溝23及び下溝24は、いずれもパネル本体2の平面に対して垂直に切り抜かれるように形成されており、パネル本体2の平面と略平行な段違い部25がそれらを接続している。また、下溝24の内面には、全周に亘って凹部26が形成されている。
図4及び図5(a)乃至(e)に示すように、入れ子部材3は、パネル本体2の板厚と略同じ厚さの平板片31を主体とし、上面視において一方の辺(図例では正面側の辺)が他方の辺(図例では側面側の辺)よりも長い短冊状となるように形成されている。平板片31の四方の角部は、丸みを帯びるように面取りされている。貫通孔32は、入れ子部材3の平面に対して垂直な円筒状に切り抜かれるように形成されている。図例では、平板片31の長手方向の辺に沿って等間隔に4個の貫通孔32が形成されているが、貫通孔32の個数や配置、大きさ、形状等は、図示した構成に限られない。
入れ子部材3は、パネル本体2の貫通溝22の上溝23の形状に対応した上部材33と、下溝24の形状に対応した下部材34と、を有する。底面視において、上部材33が下部材34よりも大きく(図5(b)参照)、正面視、側面視では、上部材33が下部材34に対して水平方向に張り出した形状となっている(図5(c)(d))。下部材34の外面には、全周に亘って凸部35が形成されている。
本実施形態の水耕栽培用パネル1は、植物Pを栽培する際に、パネル本体2の貫通溝22に、パネル本体2の上面側から入れ子部材3を嵌め込んで装着させることで使用される。このとき、入れ子部材3の上部材33が、貫通溝22の段違い部25に当接するので、入れ子部材3が、パネル本体2の下面側に突き抜けることもなく、パネル本体2の上面側から入れ子部材3を押し込むことで、入れ子部材3をパネル本体2に容易に装着させることができる。また、入れ子部材3の貫通孔32に栽培ポット4を差し込む際にも、入れ子部材3が、パネル本体2の下面側に突き抜けることを抑制することができる。
また、パネル本体2側の貫通溝22の内面に形成された凹部26と、入れ子部材3の外面に形成された凸部35とが係合するので、貫通溝22に装着された入れ子部材3が、パネル本体2の上面側に外れることを抑制することができる。特に、生育した植物Pを収穫する際には、植物Pを栽培ポット4ごと回収するので、この際に、栽培ポット4に引っ張られて入れ子部材3が外れてしまうことを防止することができる。
凸部35は、緩やかな丸みを帯びるように、約1mm程度、突出していればよい。凸部35の外周サイズは、貫通溝22の下溝24の内周サイズよりも僅かに大きい。貫通溝22の下溝24に、入れ子部材3の下部材34を差し込み、更に入れ子部材3を上方から押し込むことで、発泡樹脂の弾性により、凸部35は、下溝24内に挿入されて凹部26の位置で係合される。なお、ここでは、パネル本体2側に凹部26を、入れ子部材3側に凸部35を設けた構成を示すが、パネル本体2側に凸部を、入れ子部材3側に凹部を設けてもよい。
このようにしてパネル本体2に入れ子部材3が装着された状態で、入れ子部材3に形成された貫通孔32に、植物Pの苗が植えられた栽培ポット4が装着される。図6は、本実施形態の水耕栽培用パネルを用いて、植物Pを栽培している様子を示す。植物Pが植えられた栽培ポット4が装着された水耕栽培用パネル1は、水槽5に満たされた培養液6に浮かべて使用される。水耕栽培用パネル1は、それ自体が発泡樹脂により形成されているので、植物Pが植えられた状態の水耕栽培用パネル1が培養液6に浮くために必要な浮力を得ることができる。
培養液6は、植物Pの生育に必要な養分及び水分を供給し、必要に応じて循環される。栽培ポット4は、ウレタンフォームといった多孔質材料で形成されているので、培養液6を吸い込み、植物Pの根に養分及び水分を供給することができる。なお、水槽5は、複数の水耕栽培用パネル1を列状に並べて載置できるものであってもよく、植物Pの生育段階に応じて、植物Pが植えられた状態の水耕栽培用パネル1を移動できるように構成されていてもよい。
本実施形態の水耕栽培用パネル1は、パネル本体2に対して、貫通孔32の個数、配置又は大きさが異なる複数種の入れ子部材3(後述する入れ子部材3A〜3C)を装着可能なように構成されている。図7(a)に示す入れ子部材3Aは、その中心を挟んで均等な位置に2個の貫通孔32が形成されている。この入れ子部材3Aを、パネル本体2に装着させると、図7(b)に示すように、水耕栽培用パネル1の長手方向における貫通孔32の間隔を広くすることができる。
また、図8(a)に示す入れ子部材3Bは、貫通孔32が形成されていない。この入れ子部材3Bと、図7(a)で示した入れ子部材3Aとを組み合わせてパネル本体2に装着させると、図8(b)に示すように、水耕栽培用パネル1の長手方向だけでなく、短手方向における貫通孔32の間隔を広くすることができる。
更に、図9(a)に示す入れ子部材3Cは、その中心を挟んで不均等な位置に2個の貫通孔32が形成されている。この入れ子部材3Cは、隣り合う入れ子部材3Cの貫通孔32の位置が逆向きになるように配置して、パネル本体2に装着される。これにより、図9(b)に示すように、貫通孔32を水耕栽培用パネル1の平面上において千鳥格子状に配置することができ、貫通孔32の間隔を広くし、且つ貫通孔32の個数を多くすることができる。
このように、本実施形態の水耕栽培用パネル1は、1つのパネル本体2に対して、貫通孔32の個数や配置等の異なる複数種の入れ子部材3を適宜に選択して装着させる。これにより、葉の広がりが大きな野菜には、貫通孔32の間隔を広くすることができる入れ子部材3が用いられ、葉の広がりが小さい野菜には、貫通孔32の間隔を狭くすることができる入れ子部材3が用いられる。従って、水耕栽培される野菜の種類に応じて、貫通孔32の間隔等を変えることができ、汎用性に優れた水耕栽培用パネル1を得ることができる。
また、パネル本体2は、一辺の長さが800mm以上であり、金型のサイズも大きいが、この大きな金型を一種類で済み、パネル本体2よりも小さい入れ子部材3に、貫通孔32の可数や位置が異なる複数種の小さな金型を作成すればよいので、製造コストを抑制することができる。また、水耕栽培用パネル1を使用する生産者にとっても、サイズの大きなパネル本体2は1種類しかないので、保管スペースの確保が容易になる。
なお、葉の広がりが大きな野菜に対して、貫通孔の間隔が狭いものを用いた場合、使用されない貫通孔から培養液に光が差し込んで藻が繁殖することがある。そのため、この場合には、使用されない多数の貫通孔の一つ一つに蓋をする手間のかかる作業が必要となる。これに対して、本実施形態の水耕栽培用パネル1では、栽培する野菜の種類に応じて、入れ子部材3を取り換えればよいので、貫通孔に蓋をする作業を不要とすることができる。
また、本実施形態の水耕栽培用パネル1は、パネル本体2及び入れ子部材3が、分離可能な別部材なので、夫々を異なる物性の材料により形成することもできる。一般的なビーズ法発泡スチロール(EPS:Eexpanded poly−Styrene)は、壊れ易いが、低コストで製造することができる。一方、EPSと、発泡ポリエチレン(EPE:Expanded Poly−Ethylene)との共重合体は、弾性に優れ、壊れにくいが、コスト高である。そこで、繰り返し使用されるパネル本体2には、EPS−EPE共重合体を用い、適宜に取り換え可能な入れ子部材3にEPSを用いることにより、全体をEPS−EPE共重合体で製造するよりも低コストで、全体をEPSで製造するよりも壊れにくい水耕栽培用パネル1を得ることができる。
植物Pが植えられた栽培ポット4が装着される貫通孔32は、植物Pの根が侵入し、収穫時に栽培ポット4ごと植物Pを取り外したときに、その界面で植物Pの根が切断されて貫通孔32内部に残存することがある。残存した植物根は、貫通孔32を洗浄しても容易には除去できず、残存した植物根が腐敗すると、病原菌の温床となる虞もある。本実施形態の水耕栽培用パネル1では、貫通孔32に植物Pの根が入り込む等により、貫通孔32が汚染された場合でも、水耕栽培用パネル1全体ではなく、入れ子部材3のみを交換すればよいので、メンテナンスも容易で、しかも低コストとすることができる。
また、貫通孔の内部への植物の根の侵入を抑制し、藻の発生を抑制することができる技術として、複数の発泡樹脂ビーズの間隙に、抗菌性を有する無機物を混合した樹脂が充填された水耕栽培用パネルがある(特許第5699001号公報参照)。この技術において、無機物として、抗菌作用を有する銀ゼオライトが用いられるが、銀ゼオライトは高価であり、製造コストが高くなる。そこで、貫通孔32が形成されている入れ子部材3に、銀ゼオライトを混合した発泡樹脂を用い、パネル本体2や、貫通孔32が形成されていない入れ子部材3に、銀ゼオライトを混合していない通常の発泡樹脂を用いることで、銀ゼオライトによる抗菌作用を得ることができ、且つ水耕栽培用パネル1全体の製造コストを抑制することができる。
次に、上記実施形態の変形例に係る水耕栽培用パネル1について、図10及び図11を参照して説明する。図10(a)乃至(d)に示すように、本変形例に係る水耕栽培用パネルでは、上記実施形態とは貫通孔32の形状が異なる入れ子部材3Dが用いられる。なお、パネル本体2は、上記実施形態と同じである(図1参照)。入れ子部材3Dの貫通孔32は、入れ子部材3Dの上面側に開口した上孔32aと、下面側に開口した下孔32bと、を有し、下孔32bの開口は、上孔32aの開口よりも小さい(特に、図10(d)参照)。上孔32aは、入れ子部材3Dの上面側が円筒形状であり、下孔32bに向けてテーパ状の先細り形状となっている。下孔32bは、上孔32aよりも口径が小さい円筒形状である。図11に示すように、この貫通孔32では、上孔32a及び下孔32bの境界において、植物Pが植えられた栽培ポット4が保持される。
例えば、ホウレンソウ等の植物は、根の一部が空気に触れており、栽培ポット4が直接的に培養液6に接していない栽培条件が適している。このような植物を栽培する際には、水槽5に保持棚51を設け、水耕栽培用パネル1の底面が、培養液6の水面よりも高い位置になるように、水耕栽培用パネル1を保持する必要がある。しかしながら、栽培ポット4は、その弾力性で貫通孔32内に保持されており、上記実施形態のように、貫通孔32が円筒形状である場合、植物Pや栽培ポット4の重みで、栽培ポット4の一部が、水耕栽培用パネル1の底面よりも下に垂れ下がり、培養液6に接してしまうことがある。
これに対して、本変形例では、貫通孔32では、下孔32bの開口が上孔32aの開口よりも小さいので、開口が狭くなった下孔32bにより、栽培ポット4が締め付けられ、貫通孔32に装着された栽培ポット4が下孔32bの開口よりも上位置で保持される。従って、栽培ポット4が、水耕栽培用パネル1の底面より下位置に垂れ下がることを抑制し、培養液6に接することを防止することができる。これにより、栽培ポット4が直接的に培養液6に接していない栽培条件が適した植物を栽培するための水耕栽培用パネル1を得ることができる。
なお、本発明は、パネル本体2及び入れ子部材3が、分離可能な別部材として構成されたものであり、少なくとも1つの入れ子部材3に貫通孔32が形成されたものでれば、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。また、例えば、上記実施形態では、パネル本体2の貫通溝22及び入れ子部材3が、水耕栽培用パネル1の長手方向に細長い構成例を示したが、水耕栽培用パネル1の短手方向に細長いものであってもよい。なお、1つのパネル本体2の貫通溝22は、いずれも同形状であることが好ましいが、2種類又は3種類程度であれば、サイズが異なるものが含まれていてもよい。また、入れ子部材3が、水耕栽培用パネル1の長手方向に長細く、1つの入れ子部材3には1列に貫通孔32が形成された構成を示したが、入れ子部材3は、図示したものよりも幅広であってもよく、1つの入れ子部材3には2列、又はそれ以上の貫通孔32が形成されていてもよい。また、貫通孔32の大きさは、入れ子部材3の幅が許す限りにおいて、複数種あってもよい。
1 水耕栽培用パネル
2 パネル本体
21 平面板
22 貫通溝
23 上溝
24 下溝
26 凹部
3 入れ子部材
32 貫通孔
32a 上孔
32b 下孔
33 上部材
34 下部材
35 凸部
2 パネル本体
21 平面板
22 貫通溝
23 上溝
24 下溝
26 凹部
3 入れ子部材
32 貫通孔
32a 上孔
32b 下孔
33 上部材
34 下部材
35 凸部
Claims (6)
- 植物を培養液に浮遊させた状態で保持する発泡樹脂製の水耕栽培用パネルであって、
平面板に定間隔で形成された複数の貫通溝を有するパネル本体と、複数の前記貫通溝の夫々に嵌め込まれる複数の入れ子部材と、を備え、
前記入れ子部材は、該入れ子部材の上面から下面に貫通するように形成され、植物が植えられた栽培ポットを保持する貫通孔を有することを特徴とする水耕栽培用パネル。 - 前記パネル本体に対して、前記貫通孔の個数、配置又は大きさが異なる複数種の前記入れ子部材を装着可能なように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の水耕栽培用パネル。
- 前記貫通溝は、前記パネル本体の上面側に開口した上溝と、下面側に開口した下溝と、を有し、前記上溝の開口は、前記下溝の開口よりも大きく、
前記入れ子部材は、前記上溝の形状に対応した上部材と、前記下溝の形状に対応した下部材と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水耕栽培用パネル。 - 前記パネル本体及び前記入れ子部材は、一方が他方と係合するための凸部及び凹部を夫々有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水耕栽培用パネル。
- 前記パネル本体及び前記入れ子部材は、夫々異なる物性の材料により形成され得ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の水耕栽培用パネル。
- 前記貫通孔は、前記入れ子部材の上面側に開口した上孔と、下面側に開口した下孔と、を有し、前記下孔の開口は、前記上孔の開口よりも小さく、前記貫通孔に装着された栽培ポットが前記下孔の開口よりも上位置で保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の水耕栽培用パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017125085A JP2019004810A (ja) | 2017-06-27 | 2017-06-27 | 水耕栽培用パネル |
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JP2017125085A JP2019004810A (ja) | 2017-06-27 | 2017-06-27 | 水耕栽培用パネル |
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Publication Number | Publication Date |
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2017
- 2017-06-27 JP JP2017125085A patent/JP2019004810A/ja active Pending
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