以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能な設置状態(図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向7と定義する。また、前記設置状態において図1に示される給紙カセット24が挿抜される面を正面(前面)として前後方向8を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の正面を基準として左右方向9を定義する。
本発明の実施形態に係る画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えた装置である。画像形成装置10は、所謂タンデムタイプのカラープリンターである。
図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は筐体10Aを備える。筐体10Aは、全体として略直方体形状である。筐体10Aの内部には、画像形成装置10を構成する各部が配設されている。
図2に示されるように、画像形成装置10は、4つの画像形成ユニット4(本発明の画像形成部の一例)、中間転写ユニット5、光走査装置13、二次転写ローラー20、定着装置16、排紙トレイ18、給紙カセット24、操作表示部25(図1参照)、ベルトクリーニング装置6、給紙装置44(本発明のシート給送装置の一例)、搬送ユニット22、及び制御部2などを備える。
画像形成ユニット4各々は、感光体ドラム、帯電装置、現像装置、一次転写ローラーなどを備えており、電子写真方式にしたがって印刷用紙に画像を形成する。画像形成ユニット4は、筐体10Aの内部において前後方向8に沿って並設されており、所謂タンデム方式に基づいてカラー画像を形成する。画像形成ユニット4は、各色のトナー像を中間転写ユニット5の転写ベルト15に重ね合わせて転写して、転写ベルト15にカラーのトナー像を形成する。転写ベルト15上のトナー像は、二次転写ローラー20により、給紙カセット24から給送される印刷用紙(本発明のシートの一例)に転写される。
中間転写ユニット5は、4つの画像形成ユニット4の上側に設けられている。中間転写ユニット5は、転写ベルト15と、駆動ローラー5Aと、従動ローラー5Bとを有する。転写ベルト15は、駆動ローラー5A及び従動ローラー5Bによって回転駆動可能に支持されている。駆動ローラー5A及び従動ローラー5Bによって支持されることにより、転写ベルト15は、その表面が各感光体ドラムの表面に接しながら矢印19の方向へ移動可能となる。
光走査装置13は、4つの画像形成ユニット4の下側に設けられている。光走査装置13は、入力される画像データに基づいてレーザー光を生成し、そのレーザー光を画像形成ユニット4各々の感光体ドラムに照射する。これにより前記感光体ドラムそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
二次転写ローラー20は、筐体10Aの後方側において、駆動ローラー5Aと対向する位置に設けられている。二次転写ローラー20によって転写ベルト15から印刷用紙にトナー像が転写される。
定着装置16は、二次転写ローラー20の上側に設けられている。定着装置16は、印刷用紙に熱を加えてトナー像を印刷用紙に定着させる。定着装置16は、一対のローラー対である加熱ローラー16Aと、加圧ローラー16Bとを有する。二次転写ローラー20から定着装置16に搬送された印刷用紙は、加熱ローラー16Aと加圧ローラー16Bとによって挟持されつつ搬送される。このとき、加熱ローラー16Aから印刷用紙に熱が伝達されて、印刷用紙上のトナーが溶融して印刷用紙に定着する。これにより、カラー画像が印刷用紙に形成される。
図2に示されるように、定着装置16からシート排出口27までの間に排出路28が形成されている。排出路28において、シート排出口27の近傍に、排出ローラー対23が設けられている。排出ローラー対23は、駆動ローラーと、前記駆動ローラーに圧接される従動ローラーとにより構成されている。定着装置16を通過した印刷用紙は排出路28を搬送され、その後、排出ローラー対23によってシート排出口27から排紙トレイ18に排出される。
給紙カセット24は、筐体10Aの底部(最下部)に設けられている。給紙カセット24は、筐体10Aに対して前後方向8へ挿抜可能に構成されている。給紙カセット24に規定サイズの印刷用紙が収容される。給紙カセット24は、筐体10Aに着脱可能に支持されている。給紙カセット24は、筐体10Aの内部において予め定められた装着位置に装着される。図1には、給紙カセット24が前記装着位置に装着された状態が示されている。筐体10Aの後方側に、給紙カセット24から二次転写ローラー20を経て定着装置16に至る縦搬送路26が形成されている。
給紙カセット24の後端部の付近に、給紙装置44が設けられている。給紙カセット24が前記装着位置に装着された状態で、給紙装置44は、給紙カセット24に積載されている印刷用紙を一枚ずつ取り出して、縦搬送路26へ向けて給送する。なお、給紙装置44の詳細な構成については後述する。
給紙カセット24は、複数枚の印刷用紙を収容可能なように、上側に開口を有するトレイ形状に形成されている。給紙カセット24の底部38には、上下方向7に昇降されるリフト板39が取り付けられている。リフト板39は、底部38において後方側に設けられている。リフト板39の上に印刷用紙が積載される。リフト板39の前端部は、給紙カセット24の底部38に回動可能に支持されており、その後端部は自由端となっている。リフト板39が上下方向7へ変位されると、リフト板39上の印刷用紙も上下方向7へ昇降される。
図2に示されるように、光走査装置13と給紙カセット24との間に搬送ガイド機構30が設けられている。具体的には、搬送ガイド機構30は、給紙カセット24の上面に配置されている。搬送ガイド機構30は、上側ガイド部材31と、下側ガイド部材32と、複数の搬送ローラー対48とを有する。搬送ガイド機構30は、光走査装置13と給紙カセット24との間に搬送路40を形成する。つまり、画像形成装置10において、光走査装置13と給紙カセット24との間に、搬送ガイド機構30によって搬送路40が形成されている。搬送路40は、筐体10Aの前面から背面へ延びている。搬送路40は、画像形成装置10の後方側で縦搬送路26に連結している。搬送ローラー対48は、互いに圧接される搬送ローラー48A及び従動コロ48Bを有する。上側ガイド部材31には、複数の搬送ローラー48Aが回転可能に支持されている。下側ガイド部材32には、複数の従動コロ48Bが回転可能に支持されている。
画像形成装置10の前面側には、印刷用紙が載置される用紙トレイ46と、給紙ユニット42とが設けられている。用紙トレイ46は、画像形成装置10の筐体10Aの前面に取り付けられている。用紙トレイ46は、筐体10Aの前面のカバーを兼ねる。用紙トレイ46は、筐体10Aの前面に対して搬送路40の入口を開閉可能に構成されている。
給紙ユニット42は、ピックアップローラー41と、給送ローラー対47とを備えている。ピックアップローラー41は、用紙トレイ46に載置された印刷用紙を取り出して給送ローラー対47に給送する。給送ローラー対47は、モーターなどの駆動源からの駆動力を受けて回転する駆動ローラー47Aと、その下側に配置されるリタードローラー47Bとにより構成されている。ピックアップローラー41は、駆動ローラー47Aとギヤなどの伝達機構によって同期駆動可能に連結されている。制御部2は、前記駆動源を制御することにより、駆動ローラー47A及びピックアップローラー41を回転させたり停止させたりする。用紙トレイ46に載置された印刷用紙は給送ローラー対47によって搬送路40に給送される。搬送路40に給送された印刷用紙は、搬送ローラー対48によって搬送路40を後方へ向けて搬送されて、縦搬送路26に案内される。
図2に示されるように、画像形成装置10の背面には、筐体10Aに対して開閉可能な背面カバー43が設けられている。画像形成装置10の背面には開口が形成されており、その開口を背面カバー43が覆っている。背面カバー43の下端の両側部に支軸43Aが設けられており、その支軸43Aが筐体10Aの内部フレームに軸支されている。これにより、背面カバー43は、支軸43Aを中心として、前記開口を閉塞する位置と前記開口を開放する位置との間で開閉可能となる。
搬送ユニット22は、筐体10Aの内部において後方側に配置されている。搬送ユニット22は、縦搬送路26のガイド面や後述の反転搬送路50のガイド面を構成するとともに、縦搬送路26や反転搬送路50にある印刷用紙を所定の位置へ搬送する。
図3は、画像形成装置10を左右方向9の中央で切断したときの断面斜視図である。説明の便宜上、図3では、画像形成ユニット4、中間転写ユニット5、及び光走査装置13は示されていない。図2及び図3に示されるように、縦搬送路26の近傍にレジストローラー対29が設けられている。レジストローラー対29は、制御部2によって回転駆動される駆動ローラー29Aと、駆動ローラー29Aに接触して従動する従動ローラー29Bとを有する。駆動ローラー29Aが搬送ユニット22のガイドフレーム22Aに回転可能に支持されている。従動ローラー29Bは、筐体10A内の内部フレームに回転可能に支持されている。縦搬送路26に案内された印刷用紙は、レジストローラー対29によって二次転写ローラー20へ向けて搬送される。
図2及び図3に示されるように、画像形成装置10には、排出路28の分岐点P1(図2参照)から分岐して縦搬送路26に定められた合流点P2(図2参照)に接続する反転搬送路50が形成されている。前記分岐点P1は、縦搬送路26において二次転写ローラー20よりも上流側に定められている。前記分岐点P1には、排出路28から反転搬送路50へ印刷用紙を案内するフラップ(不図示)が設けられている。シート排出口27から逆送された印刷用紙は、前記フラップによって反転搬送路50に案内され、反転搬送路50に設けられた複数の搬送ローラー対51(図2参照)によって反転搬送路50を下方へ搬送される。そして、印刷用紙は、反転搬送路50を通って縦搬送路26に合流し、再び二次転写ローラー20に搬送される。その後に二次転写ローラー20に到達した印刷用紙は、その裏面にトナー像が転写され、定着装置16を経ることによって、印刷用紙の裏面に画像が形成される。両面に画像が形成された印刷用紙は、正転駆動に戻された排出ローラー対23によってシート排出口27から排紙トレイ18に排出される。
搬送ユニット22は、筐体10Aの内部に回動可能に支持されている。搬送ユニット22は、縦搬送路26や反転搬送路50などのガイド面を構成するガイドフレーム22Aを有する。ガイドフレーム22Aの下端に支軸(不図示)が設けられており、この支軸が筐体10Aの内部フレームに軸支されている。これにより、搬送ユニット22は、背面カバー43が筐体10Aの背面の開口を開放した位置にある状態で、前記支軸を中心として回動可能となる。本実施形態では、搬送ユニット22は、筐体10Aの内部に収容されて縦搬送路26及び反転搬送路50を形成可能な収容位置(図3に示す位置)と、筐体10Aの背面から後方へ傾倒するように引き出されて縦搬送路26を開放する開放位置(図4に示す位置)との間で回動可能となる。搬送ユニット22が前記開放位置に配置された状態で、後述のリタードユニット62が、筐体10Aの背面から後方へ抜き出すことが可能となる。なお、図4では、リタードユニット62が未装着の状態が示されている。
図5乃至図8に示されるように、給紙装置44は、給紙ユニット61と、リタードユニット62(本発明のシート分離ユニットの一例)と、第1支持フレーム63(本発明の支持フレームの一例)と、第2支持フレーム64と、を備えている。
給紙ユニット61は、給紙カセット24の印刷用紙を給送するものであり、ピックアップローラー66と、フィードローラー67(本発明の給送ローラーの一例)と、ローラーホルダー68(本発明のホルダーの一例)と、伝達機構69(図8参照)とを有する。
ローラーホルダー68は、第1支持フレーム63に着脱可能に取り付けられている。ローラーホルダー68は、ピックアップローラー66及びフィードローラー67を回転可能に支持するものである。図7(A)、(B)に示されるように、ローラーホルダー68は、下面が開口した略直方体形状の箱形の部材である。ローラーホルダー68は、左右方向9に隔てられた一対の側壁81A,81Bと、前後方向8に隔てられた前壁82A、後壁82Bと、上板83とを有する。ピックアップローラー66及びフィードローラー67は、側壁81と側壁81Bとの間に配置された状態で、側壁81,81Bに回転可能に支持されている。
図7(A)及び図11(A)に示されるように、後壁82Bの右半分には切り欠き82B1が形成されている。切り欠き82B1の上縁には、前記上縁から後方へ突出するレバー131が延設されている。レバー131の基部には側面視で台形の凸部131Aが形成されている。
図7に示されるように、側壁81A,81Bそれぞれの外面の前方側には、ガイド軸133が同軸上に形成されている。各ガイド軸133は、側壁81A,81Bそれぞれの外面から外方向へ突出している。
図6に示されるように、給紙ユニット61の上側に第1支持フレーム63が設けられている。第1支持フレーム63の上面は、搬送路40の下側のガイド面の一部を構成している。第1支持フレーム63は、ローラーホルダー68を支持するものであり、筐体14Aの内部フレームに固定されている。本実施形態では、第1支持フレーム63は、ローラーホルダー68を着脱可能に支持する装着部65(図8参照)を備えている。第1支持フレーム63の装着部65によるローラーホルダー68の支持機構については後述する。
図3及び図4に示されるように、第2支持フレーム64は、筐体10Aの内部において最も後方に設けられている。具体的には、第2支持フレーム64は、給紙カセット24の後方側に設けられている。第2支持フレーム64は、給紙カセット24から給送される印刷用紙を斜め上方へ案内するガイド部材35を有する。本実施形態では、第2支持フレーム64にリタードユニット62が装着される。
図5及び図6に示されるように、ピックアップローラー66は、ローラーホルダー68に回転可能に支持されている。ピックアップローラー66は、左右方向9に延びる回転軸66Aを備えている。回転軸66Aがローラーホルダー68の側壁81,81Bに回転可能に支持されている。
ピックアップローラー66は、給紙カセット24の上方に位置するようにローラーホルダー68に支持されている。詳細には、ピックアップローラー66は、そのローラー面が給紙カセット24に収容された最上位の印刷用紙に当接する位置に配置されている。所定の回転駆動力が回転軸66Aに入力してピックアップローラー66が回転駆動されると、ピックアップローラー66はリフト板39により持ち上げられた印刷用紙のうち最上位の印刷用紙に対して接触摩擦による給送力を付与する。これにより、ピックアップローラー66は、ピックアップローラー66による給送方向の下流側のフィードローラー67へ向けて印刷用紙を送り出す。
フィードローラー67は、ピックアップローラー66よりも前記給送方向の下流側に設けられている。フィードローラー67は、ピックアップローラー66から送られてきた印刷用紙は、給送方向の下流側へ給送する。フィードローラー67は、ピックアップローラー66の回転軸66Aと平行な断面円形状の回転軸67Aを備える。図8に示されるように、回転軸67Aには、フランジ85、ワンウェイクラッチ86、及び軸ホルダー87が取り付けられている。フランジ85、ワンウェイクラッチ86、及び軸ホルダー87それぞれの中心には挿通孔が形成されており、前記挿通孔に回転軸67Aは挿通されている。
軸ホルダー87は、軸方向に長い円筒状に形成されている。軸ホルダー87の外周面にフィードローラー67が固定されている。また、軸ホルダー87の内孔に回転軸67Aが挿通されている。回転軸67Aの左端部には他の部分よりも外径が小さい小径部67A1が形成されており、この小径部67A1が側壁81Bに形成された軸孔81B1に回転可能に支持されている。
軸ホルダー87の右端部には、回転軸67Aよりも外径の大きいクラッチホルダー87Aが形成されている。クラッチホルダー87Aの内部にワンウェイクラッチ86を収容可能な収容空間が形成されており、その収容空間にワンウェイクラッチ86が取り付けられている。ワンウェイクラッチ86は、前記給送方向に対応する回転方向(正回転方向)の回転駆動力を回転軸67Aに伝え、前記回転方向とは反対の回転方向方向(逆回転方向)の駆動力を遮断する。
回転軸67Aにおいて、ワンウェイクラッチ86の右側にフランジ85が取り付けられている。フランジ85は、回転軸67Aに固定されている。フランジ85の外周面には、伝達機構69を構成する第1ギヤ85Aが形成されている。また、フランジ85は、その側面から突出する軸部85Bを有する。軸部85Bが側壁81Aに形成された軸孔81A1に回転可能に支持されている。なお、回転軸67Aは、フランジ85を軸方向の外側へ突出しており、後述の入力軸99(図8参照)に連結される。そのため、回転軸67Aの右端部には、断面視で外周面の一部が平坦面形状に形成された係合面を有する係合部67A2を有している。
フィードローラー67は、そのローラー面がピックアップローラー66によって送り出された印刷用紙の上面に当接する位置に配置されている。モーターからの回転駆動力が後述の入力軸99(図8参照)を介して回転軸67Aに入力されると、フィードローラー67が回転駆動する。これにより、フィードローラー67は、ピックアップローラー66により送り出された印刷用紙に対して接触摩擦による給送力を付与して、その印刷用紙を前記給送方向の下流側の縦搬送路26に給送する。
伝達機構69は、側壁81Aと側壁81Bとの間の空間においてピックアップローラー66及びフィードローラー67よりも側壁81A側(右側)に設けられている。伝達機構69は、フランジ85に形成された第1ギヤ85Aと、回転軸66Aに固定された第2ギヤ88と、回転軸66Aに設けられた連結部89とにより構成されている。また、連結部89は、回転軸66Aに固定された第1鋸歯状ギヤ89Aと、ピックアップローラー66の側面に固定された第2鋸歯状ギヤ89Bとを有する。モーターから入力軸99(図8参照)を介して回転軸67Aに入力された回転駆動力は、回転軸67Aからフランジ85の第1ギヤ85A、第2ギヤ88、第1鋸歯状ギヤ89A、そして第2鋸歯状ギヤ89Bを順次伝達して、回転軸66Aに伝達し、ピックアップローラー66を回転させる。
図7に示されるように、側壁81A(本発明の一方の側壁の一例)の外側の側面には、回転軸67Aと同軸上に設けられた第1突出部91が形成されている。第1突出部91は、側壁81Aから回転軸67Aの軸方向の外側へ突出している。第1突出部91は、円筒形状に形成されており、その内部に回転軸67Aを挿通可能な挿通孔95が形成されている。挿通孔95の外径は、軸孔81A1の外径よりも大きく、また、入力軸99の連結部99Aの外径よりも大きい。
図8及び図11(B)に示されるように、側壁81B(本発明の他方の側壁の一例)の外側の側面には、回転軸67Aと同軸上に設けられた第2突出部92が形成されている。第2突出部92は、側壁81Bから回転軸67Aの軸方向の外側へ突出している。第2突出部92は、円筒形状に形成されており、その内部に回転軸67Aを挿通可能な挿通孔96(図8参照)が形成されている。第2突出部92は、軸孔81B1に連続するように形成された内孔を有するダブルDカット部92Aと、ダブルDカット部92Aの内孔に連続する内孔を有する大筒部92Bとを有する。大筒部92Bの外径はダブルDカット部92Aの最小幅よりも大きい。ダブルDカット部92Aは、その内孔のサイズが軸孔81B1と同じサイズに形成されている。大筒部92Bは、その内孔のサイズが軸孔81B1よりも大きいサイズに形成されている。
図12(B)及び図13に示されるように、第1支持フレーム63は、ローラーホルダー68を着脱可能に支持する装着部65を有する。装着部65は、第1支持フレーム63において左右方向9の中央に設けられている。
装着部65は、第1支持フレーム63の左右方向9の中央に、後面と下面が開口した凹部空間である。装着部65は、左右方向9へ延びる上面部100と、上面部100の両側部から下方へ延びる一対の側板101,102とを有する。側板101は、本発明の第1支持壁の一例であり、側板102は本発明の第2支持壁の一例である。上面部100の左右方向9の長さは、ローラーホルダー68を収容可能な同じ長さである。側板101の内側面に第1突出部91を支持する第1支持部111が形成されている。また、側板102の内側面に第2突出部92を支持する第2支持部112が形成されている。なお、第1支持部111及び第2支持部112については後述する。
側板101,102それぞれの内面には、後方の開口135Aから前方の閉止端135Bへ向かって斜め下方に傾斜する案内溝135が互いに対向して形成されている。案内溝135は、側板101,102それぞれにおいて、第1支持部111及び第2支持部112の上方に形成されている。案内溝135は、給紙ユニット61が装着部65に装着される際に、ガイド軸133が挿通される部分である。
また、装着部65の上面部100には、後縁の左右方向9における中央よりもやや右側から、後方へ突出する係止片137が形成されている。係止片137は、ローラーホルダー68が装着部65に装着されるときにレバー131と係合される部分である。
図5及び図6に示されるように、リタードユニット62は、給紙ユニット61の下方に設けられている。リタードユニット62は、リタードローラー97と、リタードホルダー98とを備えている。リタードホルダー98にリタードローラー97が回転可能に支持されている。リタードホルダー98によって支持された状態で、リタードローラー97はフィードローラー67の下方に配置される。リタードローラー97は、フィードローラー67のローラー面と圧接して、フィードローラー67との間でニップ部を形成する。リタードローラー97は、ピックアップローラー66によって一度に複数枚の印刷用紙が送り出されたときに、その複数枚の印刷用紙のうち最上位置の印刷用紙から他の印刷用紙を分離させる。
リタードユニット62は、筐体10Aに対して着脱可能に構成されている。リタードユニット62は、給紙ユニット61の後方に設けられたガイド部材35(図4及び図5参照)に着脱可能に支持されている。リタードローラー97が給紙ユニット61の下方に配置されてフィードローラー67との間で前記ニップ部を形成する位置(図6に示される位置)がリタードユニット62の装着位置である。そして、背面カバー43が筐体10Aの背面の開口を開放する位置に配置され、更に、搬送ユニット22が前記開放位置に配置された状態(図4参照)で、リタードユニット62は、前記装着位置から後方斜め上方へ引き出されることにより、ガイド部材35から取り外される。図4及び図9には、リタードユニット62がガイド部材35から取り外された状態が示されている。リタードユニット62がガイド部材35から取り外されることによって、給紙ユニット61から筐体10Aの背面に至る領域に空きスペース70(図4及び図9参照)が形成される。
ところで、従来の画像形成装置においては、第1突出部91及び第2突出部92がフィードローラー67の回転軸67Aと同軸上に設けられている場合、給紙ユニット61を第1支持フレーム63に取り付ける際に、第1突出部91及び第2突出部92を第1支持フレーム63に取り付ける取付作業と、回転軸67Aを入力軸99(図8参照)に連結させる連結作業とを並行して行わなければならず、前記取付作業および前記連結作業を容易に行うことができない。そのため、給紙ユニット61の交換の際に作業者は煩雑な交換作業を強いられるため、作業効率が悪いという問題がある。これに対して、本実施形態では、給紙ユニット61の交換作業を容易に行うことが可能なように、第1支持部111及び第2支持部112が構成されている。
以下、図8、図12,図13を参照して、第1支持部111及び第2支持部112の構成について詳細に説明する。ここで、図8及び図12(A)は、給紙ユニット61が第1支持フレーム63の装着部65に装着された状態が示されている。図12(B)及び図13は、給紙ユニット61の装着部65が示されている。
図8及び図12(B)に示されるように、第1支持部111は、側板101の内側面から回転軸67Aの軸方向の内側へ向けて突出している。第1支持部111は、第1突出部91の外周面を嵌合して支持可能な凹陥部115(本発明の第1ガイド孔の一例)を有している。装着部65に給紙ユニット61が装着された状態で、凹陥部115は、その内部で第1突出部91を回動可能なように第1突出部91の外周面を支持している。凹陥部115の深さは、第1突出部91の突出長さと概ね同じ長さに形成されている。したがって、凹陥部115の開口縁部115Aに第1突出部91の先端部91Aが挿入されてからその奥側へ更に挿入される際に、第1突出部91は凹陥部115の内面に沿って回転軸67Aの軸方向へ案内される。言い換えると、凹陥部115は、第1突出部91を前記軸方向に沿って凹陥部115の奥側へ案内可能である。
側板101には、凹陥部115の中心に対応する位置に貫通孔117(本発明の軸受孔の一例)が形成されている。貫通孔117に入力軸99(本発明の駆動入力軸の一例)が挿通されており、これにより、入力軸99が貫通孔117に回転可能に支持されている。入力軸99には、画像形成装置10に設けられたモーターなどの駆動源(不図示)からギヤなどの伝達機構を介して回転駆動力が伝達される。その入力軸99の先端には、連結部99Aが設けられている。連結部99Aは、回転軸67Aの右端部(側板101側の端部)に設けられた係合部67A2と連結される部分であり、係合部67A2が挿入可能な係合孔99B(本発明の被係合部の一例)が形成されている。本実施形態では、入力軸99は、連結部99Aが凹陥部115の深さ方向において概ね中間位置に配置されるように貫通孔117に挿通されており、その中間位置で軸方向に位置決めされている。給紙ユニット61が第1支持フレーム63の装着部65に装着された状態では、連結部99Aの係合孔99Bに係合部67A2が挿入されており、これにより、係合孔99Bと係合部67A2とが係合して、入力軸99と回転軸67Aとが回転方向に連結される。
図7に示されるように、係合部67A2は、回転軸67Aの外周面に形成された互いに平行な一対の平坦面として構成されている。係合部67A2の形状は、ダブルDカットと称されている。係合孔99Bは、前記係合部67A2の形状に対応した形状に形成されており、具体的には、断面形状が所謂ダブルDカット形状に形成されている。そのため、係合部67A2は、係合孔99Bに対して回転軸67Aの軸周り方向に180度(本発明の所定角度の一例)回転されるごとに位置合わせされて、係合孔99Bに挿入可能となる。
第2支持部112は、側板102の内側面から内側へ突出している。第2支持部112は、第2突出部92の大筒部92Bを回転軸67Aの軸方向に直交する直交方向、具体的には、後方斜め上方に緩やかに傾斜する傾斜方向(図10において矢印71に示す方向)へ案内するガイド溝121(図13参照)が形成されている。ガイド溝121は、側板102の内側面において、前記内側面の後端部から前方へ向けて前記傾斜方向に沿って延在している。ガイド溝121の終端部(前方側の端部)には、大筒部92Bを回転可能に支持する軸受け孔123(本発明の第2ガイド孔の一例)を有する軸受ボス124が設けられている。軸受ボス124の後方側には、大筒部92Bの外形よりもサイズが小さく、ダブルDカット部92Aの最小幅よりもサイズが大きいスリット124Aが形成されている。装着部65に給紙ユニット61が装着される際に、ガイド溝121の後方側の開口121A(図13参照)から大筒部92Bがガイド溝121に挿通される。このとき、前記終端部に大筒部92Bが配置される際に、ダブルDカット部92Aがスリット124Aを通り抜ける。そして、前記終端部に大筒部92Bが配置された状態で、回転軸67Aが入力軸99の軸線と一致される。言い換えると、前記終端部に大筒部92Bが配置されたときの位置が、回転軸67Aの軸線と入力軸99の軸線とが一致する位置であり、本発明の第1位置に相当する。前記終端部に大筒部92Bが配置された状態で、大筒部92Bが軸受ボス124の軸受け孔123に進入可能になる。また、この状態で、給紙ユニット61が前記軸方向に沿って第1支持部111側へ向けてスライド可能になる。
給紙ユニット61が第1支持フレーム63の装着部65に装着された装着状態(図8参照)では、大筒部92Bが軸受け孔123に挿入されており、この状態で大筒部92Bが軸受け孔123に回転可能に支持されている。一方、前記装着状態からローラーホルダー68が第1支持部111から離反する方向へ移動されると、大筒部92Bがガイド溝121に配置され、ダブルDカット部92Aが軸受け孔123に配置される。なお、軸受ボス124には、ダブルDカット部92Aを軸受け孔123から後方へ案内する上述のスリット124Aが形成されており、このため、ダブルDカット部92Aが軸受け孔123に配置された状態では、ダブルDカット部92Aはスリット124Aを通って、大筒部92Bはガイド溝121を通って、それぞれ、後方へ移動させることができる。
このように第1支持部111及び第2支持部112が構成されているため、給紙ユニット61の交換作業(取付作業、取り外し作業)において、第1突出部91の先端部91Aが開口縁部115Aよりも凹陥部115の奥側であって先端部91Aが入力軸99の連結部99Aの先端に当接する前記中間位置に配置された状態で、係合部67A2と係合孔99Bとが非連結状態となる。この非連結状態で、第1突出部91が凹陥部115に回転可能に支持される。そして、前記中間位置において、入力軸99に対して回転軸67Aが軸周り方向へ相対的に回転されることによって、係合孔99Bに対して係合部67A2が所定角度に調整される。これにより、給紙ユニット61は、更に側板101側へスライドされると、前記軸方向において係合部67A2が係合孔99Bに係合可能な位置(本発明の第2位置に相当)に配置される。このとき、係合部67A2と係合孔99Bとが連結状態となり、つまり、回転軸67Aと入力軸99とが連結状態となる。
具体的には、給紙ユニット61を第1支持フレーム63に取り付ける場合、給紙ユニット61が第1支持フレーム63に装着されていない状態において、まず、作業者は、給紙ユニット61を空きスペース70(図10参照)から装着部65における側板101と側板102との間の空間に挿入する。このとき、ガイド軸133を、案内溝135の開口135Aから案内溝135に挿通させる。そして、ガイド軸133を案内溝135に沿って前方へスライドさせる。このスライド過程において、大筒部92Bをガイド溝121に挿通させ、ダブルDカット部92Aをスリット124Aに挿通させつつ、給紙ユニット61を前記傾斜方向に沿って前方へ直線的に挿入する。
そして、大筒部92Bがガイド溝121の終端部に配置されると、続いて、作業者は、ローラーホルダー68を回転軸67Aの軸方向に沿って第1支持部111に近づく方向へスライドさせる。このとき、図9(C)に示されるように、第1突出部91の先端部91Aが開口縁部115Aに到達する位置までローラーホルダー68が移動されても、係合部67A2は連結部99Aの係合孔99Bから離れており、係合部67A2と連結部99Aとは連結していない状態(非連結状態)のままである。
その後、ローラーホルダー68が回転軸67Aの軸方向に沿って第1支持部111に近づく方向へ更に移動されると、第1突出部91が凹陥部115に挿入される。このとき、第1突出部91の外周面が凹陥部115の奥側へ徐々に進入して嵌合される。その後、先端部91Aが連結部99Aの先端の位置まで挿入される(図9(B)参照)。このとき、係合部67A2と係合孔99Bとの係合方向が不一致である場合、係合部67A2が連結部99Aの先端に当接してそれ以上挿入することができなくなる。しかしながら、凹陥部115に先端部91Aが嵌合された状態であるため、係合部67A2と連結部99Aとが未連結状態であるが、第1支持部111は第1突出部91を回転可能に支持している。
続いて、作業者は、ローラーホルダー68を第1支持部111側へ押し付けつつフィードローラー67を手動で回転させる。ここで、作業者は、ローラーホルダー68のレバー131を上方へ操作することにより、ローラーホルダー68を第1支持部111側へ押し付けることができる。具体的には、レバー131が上方へ操作されると、レバー131の基部に形成された凸部131Aが装着部65の係止片137の右側のエッジに当接しつつ、前記エッジから第1支持部111側への付勢力を受けることにより、ローラーホルダー68が第1支持部111側へ押し付けられる。
作業者は、係合部67A2と係合孔99Bとの係合方向が一致するまでフィードローラー67を回転する。このとき、作業者は、回転軸67Aが軸周り方向に最大で180度回転するようにフィードローラー67を回転する。回転軸67Aが180度回転するまでの間に、係合部67A2と係合孔99Bとの係合方向が一致する。係合部67A2と係合孔99Bとの係合方向が一致する所定角度になるまでフィードローラー67が回転されると、レバー131の操作に伴う前記付勢力によって、前記所定角度で係合部67A2が連結部99Aの係合孔99Bに挿入される。これにより、係合部67A2と連結部99Aとが連結した状態(連結状態)となる(図9(A)参照)。また、第2突出部92の大筒部92Bは、軸受け孔123に挿入されて軸受け孔123によって支持される。これにより、第1突出部91が第1支持部111によって支持されて、第2突出部92が第2支持部112によって支持される。作業者は、前方への直線的な挿入動作と、軸方向への直線的なスライド動作の2つの動作だけで、給紙ユニット61を第1支持フレーム63に装着することができる。
なお、係合部67A2と連結部99Aとが連結した前記連結状態(図9(A)参照)になると、ローラーホルダー68のレバー131の基部に形成された凸部131Aが、装着部65の係止片137の右側のエッジに係止されて、ローラーホルダー68の左右方向9の移動、すなわち、フィードローラー67の回転軸67Aの軸方向への移動が規制される。これにより、前記連結状態が保持される。
また、給紙ユニット61を第1支持フレーム63の装着部65から取り外す場合、作業者は、給紙ユニット61が第1支持フレーム63に装着された装着状態(図10(A)参照)でレバー131を下方へ操作する。これにより、前記連結状態の保持が解除されて、給紙ユニット61が側板102側へスライド可能となる。続いて、作業者は、前記装着状態から、ローラーホルダー68を回転軸67Aの軸方向に沿って第1支持部111から離反する離反方向へ移動させる。前記装着状態において、入力軸99の連結部99Aは凹陥部115の深さ方向において概ね中間位置に配置されているため、ローラーホルダー68の前記離反方向への移動過程において、まず、係合部67A2が連結部99Aの係合孔99Bから外れる(図9(B)参照)。
そして、ローラーホルダー68が回転軸67Aの軸方向に沿って第1支持部111から前記離反方向へ更に移動されると、続いて第1突出部91が凹陥部115から外れる(図9(C)参照)。これにより、給紙ユニット61の左側が第1支持フレーム63の側板101から取り外される。このとき、第2突出部92の大筒部92Bは、軸受け孔123から右側移動してガイド溝121に配置され、ダブルDカット部92Aが軸受け孔123に配置される。つまり、給紙ユニット61の左側が第1支持フレーム63の側板101から取り外されると、第1突出部91が第1支持部111によって支持されなくなり、第2突出部92が第2支持部112によって支持されなくなる。
この状態で、図10に示されるように、給紙ユニット61が前記傾斜方向に沿って後方へ引き出されると、空きスペース70を通って筐体10Aの背面から外部へ取り出すことができる。つまり、作業者は、給紙ユニット61は、前記装着状態から軸方向への直線的なスライド動作と、後方への直線的な引き出し動作の2つの動作だけで給紙ユニット61を第1支持フレーム63の装着部65から取り外すことができる。
このように第1支持部111及び第2支持部112が構成されているため、作業者は、第1支持フレーム63に対する給紙ユニット61の交換作業を容易に行うことができる。
なお、上述の実施形態では、第1突出部91の先端部91Aが開口縁部115Aから凹陥部115の深さ方向側の前記中間位置に配置された状態で係合部67A2と係合孔99Bとが非連結状態となり、更に係合部67A2と係合孔99Bとの回転方向の位置が前記所定角度に調整された後に第1突出部の先端部91Aが前記中間位置よりも奥側に配置された状態で係合部67A2と係合孔99Bとが連結状態となる例について説明した。しかしながら、本発明はこの例に限られない。本発明は、先端部91Aが開口縁部115Aよりも凹陥部115の奥側であって先端部91Aが入力軸99の連結部99Aの先端に当接せずに対向する位置に配置された状態で、第1突出部91が凹陥部115に回転可能に支持されつつ前記非連結状態となる構成であってもよい。言い換えると、本発明は、先端部91Aが開口縁部115Aから凹陥部115に挿入されるタイミングが、係合部67A2が係合孔99Bに連結されるタイミングよりも早くなる構成であれば、如何なる構成であってもよい。