JP6424683B2 - 乗物用シート - Google Patents
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Description
図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。本実施例では、シートクッション4(詳細後述)の後部にシートバック6の下部が起倒可能に連結するとともに、起立状態のシートバック6の上部にヘッドレスト8が配設される。またシートクッション4の後述するシートフレーム4Fにはスライドレール9が取付けられており、このスライドレール9により、乗物用シート2が乗物の前後方向にスライド移動可能とされる。
そしてシートクッション4は、図2及び図6を参照して、上述の基本構成4F,4P,4Sと、支持部材20(枠状体22,面状体24)と、送風装置30と、連結部材50を有する(各部材の詳細は後述)。本実施例では、シートパッド4Pを、枠状のシートフレーム4F上に配置しつつシートカバー4Sで被覆する。このシートパッド4Pは、後述するようにシートフレーム4Fの枠内に配置する支持部材20の面状体24で支持される。そして面状体24が、図7に示す乗員の着座時において、着座側から押圧されたシートパッド4Pを凹み変形しつつ支持する。
シートカバー4Sは、図1及び図6を参照して、シートパッド4Pを被覆可能な袋状の部材であり、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)で構成できる。またシートパッド4Pは、乗員を弾性的に支持する部材であり、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)などの樹脂で形成できる。このシートパッド4Pには、気体が通過可能な流路部10が設けられる。この流路部10は、シートパッド4Pを厚み方向に貫通する流路であり、シートパッド4Pの裏面と着座面にそれぞれ開口する。
支持部材20は、図2及び図6を参照して、シートフレーム4Fの枠内でシートパッド4Pを支持する部材であり、枠状体22と、面状体24を有する。枠状体22は、上面視で略矩形の枠体であり、フロントフレーム4aとリアフレーム4cの間に橋渡し可能な長さ寸法と、一対のサイドフレーム4bの間に配置可能な幅寸法を有する。そして枠状体22は、一本の棒材を略矩形に曲げ変形させてなり、前枠部22aと、一対の側枠部22bと、後枠部22cを有する。前枠部22aは、枠状体22前部の一辺をなす部位であり、シート前方に配置してシート幅方向に延設される。また後枠部22cは、枠状体22後部の一辺をなす部位であり、シート後方に配置してシート幅方向に延設される。そして一対の側枠部22bは、それぞれ枠状体22側部の一辺をなす部位であり、シート前後方向に延設される。これら各側枠部22bの後部側には、リアフレーム4cに掛止可能な掛止部22dが設けられており、この掛止部22dは、各側枠部22bの後部側を上方に向けて略半円状に湾曲させることで形成できる。
送風装置30は、図3を参照して、気体を送り出し可能な部材であり、送風ファン32と、ブラケット34と、ダクト部材40を有する。送風ファン32は、短尺な立方体状をなす中空の箱体であり、送風機構32Mを内蔵する。送風機構32Mとして、軸流式の機構(装置軸方向に沿って送風する機構)や、遠心式の機構(装置軸方向から吸気しつつ遠心方向に送風する機構)を例示できる。この送風ファン32の上面中央には、送風機構32Mが露出する開口33が設けられ、送風ファン32の上面四隅には、それぞれボルト部材BM1を挿入可能な孔部32Hが設けられる。
連結部材50は、図3及び図6を参照して、シートフレーム4Fに送風装置30を取付けるための部材であり、伸縮部52と、第一連結部54と、第二連結部56を有する。伸縮部52は、伸縮可能な帯状の部位であり、引っ張られることで伸張するとともに自身の弾性により縮小できる。伸縮部52の材質は、伸縮可能な素材である限り特に限定しないが、典型的にエラストマやゴム(天然ゴム,合成ゴム)である。そして第一連結部54と第二連結部56は、典型的に樹脂製の部材であり、伸縮部52の端部にそれぞれ取付けられる。ここで各連結部54,56と伸縮部52の取付け方法は特に限定しない。例えばこれらの取付け方法として、各連結部54,56の成形と同時に伸縮部52を一体化するインサート成形、接着や融着、締結、係止、縫合を例示できる。
図3及び図5を参照して、ブラケット34内に送風ファン32を収容したのち、これらの上面に配置する各孔部32H,34Hにボルト部材BM1を挿設して締結する。そして送風ファン32から送り出される気体をブラケット34の吹出孔36を介して外部に吹出し可能とする。つぎにブラケット34の上面側にダクト部材40を配置しつつ、ダクト部材40の各係止部46を、ブラケット34の対応する係止孔38に挿入して係止する。つぎにブラケット34の右側と左側にそれぞれ連結部材50をあてがう。このとき図5を参照して、第一連結部54の他面54bをブラケット34にあてがいながら、これらの間に係止部46を挟み付ける。この状態で第一連結部54の各第一取付け孔54Hをブラケット34の各取付け孔39に位置合わせしつつ、これら孔部にボルト部材BM2を挿設することで、ブラケット34の下部両側にそれぞれ連結部材50を締結して取付けることができる。こうして送風ファン32から送り出される気体を、ダクト部材40の吹出孔36を通じてブラケット34の開口部42から吹出させる構成とする。
図6を参照して、支持部材20を、シートフレーム4Fに取付けてシートパッド4Pを支持可能に配置するとともに、送風装置30を、連結部材50を介してシートフレーム4Fに取付ける。このとき図3を参照して、枠状体22の前枠部22aを、フロントフレーム4aの掛止爪4dに挿入して係止するとともに、側枠部22bの後部に形成された掛止部22dをリアフレーム4cに上方から掛止する。こうして枠状体22をシートフレーム4Fに取付けつつ、面状体24を、シートフレーム4Fの枠内でシートパッド4Pを支持可能な位置に配置できる。
図7及び図8を参照して、着座状態の乗員CMを、シートパッド4Pが下方に凹み変形しつつ弾性的に支持する。そしてシートの快適性向上の観点から、送風装置30を作動させて着座側の乗員CMに気体を供給する。本実施例では、送風装置30から送り出される気体を、支持部材20の面状体24を通じてシートパッド4Pの流路部10から着座側に吹出させることができる。このとき送風装置30は、連結部材50を介してシートフレーム4Fに取付けられており、面状体24自体に取付けられてはいない。このため送風装置30の振動を連結部材50の伸縮にて吸収できるとともに、送風装置30の振動が面状体24に直接的に伝達されることを極力回避できる。このため本実施例によれば、作動状態の送風装置30により面状体24が過度に振動することを好適に回避できる。
本実施例の乗物用シートは、実施例1の乗物用シートとほぼ同一の構成を備えるため、共通の構造は対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。本実施例のシートクッション4は、図9〜図11を参照して、基本構成4F,4P,4Sと、支持部材20と、送風装置30Aと、連結部材50Aと、略矩形の平板材である固定プレート70を有する。送風装置30Aは、図9を参照して、送風ファン32と、ブラケット34Aを有するが、実施例1とは異なりダクト部材が省略される。なおブラケット34Aは、係止孔38が省略された点を除いて実施例1のブラケット34と略同一の基本構成を有する。
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
9 スライドレール
4S シートカバー
4P シートパッド
4F シートフレーム
10 流路部
20 支持部材
22 枠状体
24 面状体
30 送風装置
32 送風ファン
34 ブラケット
40 ダクト部材
41 本体部
42 開口部
44 当接部
46 係止部
50 連結部材
52 伸縮部
54 第一連結部
56 第二連結部
60 ダクト部
BM1〜BM4 ボルト部材
CM 乗員
Claims (2)
- シート骨格をなす枠状のシートフレームと、シート外形をなして乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、前記シートパッドを厚み方向に貫通する流路部と、前記シートパッドを支持する支持部材と、気体を送り出し又は吸い込み可能な送風装置とを備え、前記支持部材が、前記シートパッドを支持可能な通気性を備える面状体と、前記面状体を保持可能な枠状体とを有し、
前記シートフレームの枠内に前記枠状体を取付けて、前記枠状体に保持された前記面状体にて前記シートパッドをその裏面側から支持するとともに、前記送風装置を、前記面状体の裏面側に設けて、前記面状体を通じて前記送風装置と前記流路部の間で気体の行き来を可能とした乗物用シートにおいて、
前記送風装置が、伸縮可能な連結部材を介して前記シートフレームの枠部分に取付けられ、前記面状体が、前記シートパッドを支持しつつ着座側から離れる方向に凹み変形する際に、前記送風装置を、前記連結部材を伸張させながら凹み変形する前記面状体に追従させる構成とした乗物用シート。 - 前記連結部材が、前記面状体に対面可能に配置する面状のダクト部と、前記ダクト部を厚み方向に貫通する開口部とを有し、前記ダクト部の縁部が、前記開口部から離れるに従って次第に前記面状体に向けて曲げられてなる請求項1に記載の乗物用シート。
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