以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下の説明において、多重転写とは、像保持体の表面に形成されたトナー像を、被転写体に順次転写し、被転写体上でトナー像を重ねることをいう。被転写体は、例えば、中間転写方式における中間転写体や、直接転写方式における記録媒体である。また、本実施形態に係る液体現像剤は、ポリエステル樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子とシリコーンオイルとを含む。
一例として図1に示すように、画像記録装置300は、5連タンデム方式且つ中間転写方式の画像記録装置である。画像記録装置300では、透明で帯状の記録媒体Pでトナー像が重ねられる。なお、以下では、説明の便宜上、本発明に係る主走査方向の一例である記録媒体Pの幅方向をX方向と称し、本発明に係る副走査方向の一例である記録媒体Pの搬送方向をY方向と称する。
画像記録装置300は、電子写真方式の画像記録ユニット301W,301Y,301M,301C,301Kと、定着装置340と、光学式センサ350と、を含む。画像記録ユニット301W,301Y,301M,301C,301Kは、Y方向において、上流側から下流側にかけて順に、Y方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。
画像記録ユニット301W,301Y,301M,301C,301Kはそれぞれ、ホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の各色のトナー像を記録するユニットである。画像記録ユニット301W,301Y,301M,301C,301Kは、画像記録装置300に着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
なお、以下では、説明の便宜上、画像記録ユニット301W,301Y,301M,301C,301Kを区別して説明する必要がない場合、「画像記録ユニット301」と称する。また、以下では、説明の便宜上、ホワイトをW色と称し、イエローをY色と称し、マゼンタをM色と称し、シアンをC色と称し、ブラックをK色と称する。また、W色は、本発明に係る第1基本色の一例であり、Y色、M色、C色、及びK色は、本発明に係る第2基本色の一例である。
画像記録ユニット301は、湿式の画像記録ユニットであり、それぞれ、感光体ドラム102と、帯電装置104と、露光装置106と、現像装置108と、中間転写体310と、転写ロール320と、を含む。
中間転写体310は、ロール状の部材であり、感光体ドラム102に近接又は接触するように設けられている。中間転写体310は、例えば、静電気力によって、感光体ドラム102上のトナー像を中間転写体310に転写する。
転写ロール320は、中間転写体310に接触するように設けられており、例えば、静電気力及び圧力によって、中間転写体310上のトナー像を記録媒体Pに転写する。
画像記録装置300では、感光体ドラム102の表面から中間転写体310の表面にトナー像が転写される。そして、転写ロール320が中間転写体310と共に、搬送される記録媒体Pを挟み込み、中間転写体310上のトナー像を記録媒体Pに転写する。記録媒体Pが5つの画像記録ユニットを順に通過することによって、W色、Y色、M色、C色、及びK色の各色のトナー像が順次、記録媒体P上に重ねられて、重ね合わせトナー像が形成される。重ね合わせトナー像が形成された記録媒体Pは、定着装置340に搬送され、記録媒体Pの表面に画像が定着する。
記録媒体Pにトナー像を転写した後の中間転写体310は、中間転写体クリーナ311によって残った液体現像剤が除去され、再び転写工程へ移行する。
感光体ドラム102の周囲には、帯電装置104、露光装置106、現像装置108、及び、一次転写後に感光体ドラム102の表面に残存するトナー粒子及びキャリア液を除去する感光体ドラムクリーナ131が順に配設されている。
帯電装置104は、感光体ドラム102の表面を帯電する。露光装置106は、帯電した感光体ドラム102の表面を、画像を示す画像情報を基に、例えば、レーザ光線によって露光して静電潜像を形成する。なお、画像情報には、画素毎の階調値が規定されている。
現像装置108は、湿式の現像装置であり、現像剤タンク132、現像剤供給ロール134、供給量規制部材136、現像ロール138、及び現像ロールクリーナ139を備えている。現像剤タンク132、現像剤供給ロール134、供給量規制部材136、現像ロール138、及び現像ロールクリーナ139は、画像記録装置に着脱されるプロセスカートリッジとして一体化されたものであってもよい。
現像剤タンク132は、液体現像剤Gを収容する。現像剤タンク132には、液体現像剤Gを攪拌する攪拌部材(図示省略)が設けられていてもよい。
現像剤供給ロール134は、現像剤タンク132に収容された液体現像剤Gに一部が浸り、且つ、現像ロール138に近接又は接触するように設けられており、現像剤タンク132中の液体現像剤Gを現像ロール138の表面に供給する。供給量規制部材136は、現像剤供給ロール134による液体現像剤Gの供給量を制御する。
現像ロール138は、現像剤供給ロール134から供給された液体現像剤Gによって、感光体ドラム102の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する。
現像ロールクリーナ139は、現像ロール138の回転方向の感光体ドラム102よりも下流側に設けられており、現像ロール138表面に残った液体現像剤を除去する。除去された液体現像剤は、循環手段(図示省略)によって現像剤タンク132に戻される。
定着装置340よりも下流側には、本発明に係る読取素子列の一例である光学式センサ350が配置されている。一例として図2に示すように、光学式センサ350は、各々光の明暗を電気信号に変換する複数の光電変換素子R(例えば、CMOSイメージセンサ)が線状に一列に配置されたセンサであり、光学式センサ350のX方向の長さは、記録媒体Pの幅に対応している。光学式センサ350は、記録媒体Pを介して黒色のプラテン352に対向する位置に配置される。
光学式センサ350は、画像記録ユニット301により記録媒体Pに記録された画質保障用パッチ354から反射した光量を測定することで、画質保障用パッチ354の濃度を測定する。
画質保障用パッチ354は、本発明に係る第1試験画像の一例であるW色パッチ360W(図4参照)、及び本発明に係る第2試験画像の一例である他色パッチ390(図5参照)に大別される。他色パッチ390は、Y色パッチ360Y(図5参照)、M色パッチ360M(図5参照)、C色パッチ360C(図5参照)、及びK色パッチ360K(図5参照)に大別される。なお、以下では、説明の便宜上、Y色、M色、C色、及びK色を区別して説明する必要がない場合、「他色」と称する。
一例として図3に示すように、記録媒体Pは、例えば、Y方向の下流側から上流側にかけて間隔を空けて、W色ブロック370W、Y色ブロック370Y、M色ブロック370M、C色ブロック370C、及びK色ブロック370Kに区分される。
一例として図4に示すように、W色ブロック370Wでは、W色パッチ360Wが記録される。一例として図5に示すように、Y色ブロック370Yでは、W色下地画像380Wが記録され、W色下地画像380W上にY色パッチ390Yが重ねて記録される。M色ブロック370Mでは、W色下地画像380Wが記録され、W色下地画像380W上にY色パッチ390Mが重ねて記録される。C色ブロック370Cでは、W色下地画像380Wが記録され、W色下地画像380W上にC色パッチ390Cが重ねて記録される。K色ブロック370Kでは、W色下地画像380Wが記録され、W色下地画像380W上にK色パッチ390Kが重ねて記録される。
なお、以下では、説明の便宜上、Y色ブロック370Y、M色ブロック370M、C色ブロック370C、及びK色ブロック370Kを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「他色ブロック」と称する。
W色パッチ360Wは、W色を示すパッチである。W色パッチ360Wは、W色パッチ360Wを示す画像情報であるW色パッチ情報を基に画像記録ユニット301Wにより記録媒体Pに記録される。
一例として図4に示すように、W色パッチ360Wは、Y方向に沿って濃度別に区分されており、本発明に係る第1区分領域の一例であるW色区分パッチ360W1,360W2,360W3,360W4,360W5,360W6を有する。
W色区分パッチ360W1は、濃度100%に対応する階調値が規定されたW色パッチ情報を基に画像記録ユニット301WによりW色ブロック370Wに記録される。W色区分パッチ360W2は、濃度80%に対応する階調値が規定されたW色パッチ情報を基に画像記録ユニット301WによりW色ブロック370Wに記録される。W色区分パッチ360W3は、濃度60%に対応する階調値が規定されたW色パッチ情報を基に画像記録ユニット301WによりW色ブロック370Wに記録される。W色区分パッチ360W4は、濃度40%に対応する階調値が規定されたW色パッチ情報を基に画像記録ユニット301WによりW色ブロック370Wが記録される。W色区分パッチ360W5は、濃度20%に対応する階調値が規定されたW色パッチ情報を基に画像記録ユニット301WによりW色ブロック370Wに記録される。W色区分パッチ360W6は、濃度0%に対応する階調値が規定されたW色パッチ情報を基に画像記録ユニット301WによりW色ブロック370Wに記録される。
W色下地画像380Wは、濃度100%のW色を示す画像である。W色下地画像380Wは、濃度100%に対応する階調値が規定されたW色パッチ情報を基に画像記録ユニット301Wにより他色ブロックに記録される。なお、W色ブロック370WとY色ブロック370Yとの間隔は、他色ブロック間の間隔よりも長い。W色ブロック370WとY色ブロック370Yとの間隔は、例えば、W色ブロック370WにおけるW色パッチ360Wの濃度を測定して得た結果をW色下地画像380Wの記録に反映させるのに間に合う間隔であればよい。
一例として図5に示すように、他色パッチ390は、他色パッチ390を示す画像情報である他色パッチ情報を基に、対応する色の画像記録ユニット301により記録媒体Pに記録される。
一例として図4に示すように、他色パッチ390は、Y方向に沿って濃度別に区分けされており、本発明に係る第2区分領域の一例である他色区分パッチ3901,3902,3903,3904,3905,3906を有する。
他色区分パッチ3901は、濃度100%に対応する階調値が規定された他色パッチ情報を基に、対応する色の画像記録ユニット301により、対応する色の他色ブロックのW色下地画像380W上に重ねて記録される。他色区分パッチ3902は、濃度80%に対応する階調値が規定された他色パッチ情報を基に、対応する色の画像記録ユニット301により、対応する色の他色ブロックのW色下地画像380W上に記録される。他色区分パッチ3903は、濃度60%に対応する階調値が規定された他色パッチ情報を基に、対応する色の画像記録ユニット301により、対応する色の他色ブロックのW色下地画像380W上に記録される。他色区分パッチ3904は、濃度40%に対応する階調値が規定された他色パッチ情報を基に、対応する色の画像記録ユニット301により、対応する色の他色ブロックのW色下地画像380W上に記録される。他色区分パッチ3905は、濃度20%に対応する階調値が規定された他色パッチ情報を基に、対応する色の画像記録ユニット301により、対応する色の他色ブロックのW色下地画像380W上に記録される。他色区分パッチ3906は、濃度0%に対応する階調値が規定された他色パッチ情報を基に、対応する色の画像記録ユニット301により、対応する色の他色ブロックのW色下地画像380W上に記録される。
なお、以下では、説明の便宜上、W色パッチ360W、Y色パッチ360Y、M色パッチ360M、C色パッチ360C、及びK色パッチ360Kを区別して説明する必要がない場合、符号を付さずに「パッチ」と称する。また、以下では、説明の便宜上、W色区分パッチ360W1,360W2,360W3,360W4,360W5,360W6及び他色区分パッチ3901,3902,3903,3904,3905,3906を区別して説明する必要がない場合、区分パッチと称する。
一例として図6に示すように、他色パッチ390は、光学式センサ350により、Y方向の予め定められた間隔(例えば、1画素)毎に、複数のX位置の各々で濃度が測定される。ここで、X位置とは、X方向における予め定められた間隔毎に定められた位置を指す。図6に示す例では、他色パッチ390に対する濃度の測定方式が示されているが、白色パッチ360Wに対しても、他色パッチ390に対する濃度の測定方式と変わらない測定方式で濃度が測定される。
なお、本実施形態では、パッチの下地の色が測定に与える影響を軽減するため、光学式センサ350によって測定される範囲を、パッチの全領域のうちの、予め定められた幅(例えば、2画素分の幅)の外周縁以外の領域としている。
一例として図7に示すように、画像記録装置300は、本発明に係る濃度補正装置の一例であるコントローラ10を含む。コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)40、一次記憶部42、及び二次記憶部44を備えている。一次記憶部42は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))である。二次記憶部44は、画像記録装置300の作動を制御する制御プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する不揮発性のメモリ(例えば、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)など)である。CPU40、一次記憶部42、及び二次記憶部44は、バス46を介して相互に接続されている。
画像記録装置300は、インプット・アウトプット・インタフェース(I/O)48を備えている。I/O48は、コントローラ10と各種の入出力デバイスとを電気的に接続する。各種の入出力デバイスは、I/O48に接続されることにより、バス46を介してコントローラ10と電気的に接続され、I/O48は、コントローラ10と各種の入出力デバイスとの間の各種情報の送受信を司る。
I/O48には、画像記録ユニット301、定着装置340、及び光学式センサ350が接続されている。CPU40は、画像記録ユニット301、定着装置340、及び光学式センサ350から各種情報を取得し、画像記録ユニット301、定着装置340、及び光学式センサ350を制御する。
I/O48には、受付デバイス50が接続されている。受付デバイス50は、例えば、ハードキー及びタッチパネルであり、ユーザから与えられる各種情報を受け付ける。CPU40は、受付デバイス50によって受け付けられた各種情報を取得する。
I/O48には、表示デバイス52が接続されている。表示デバイス52は、例えば、液晶ディスプレイであり、液晶ディスプレイの表示面には受付デバイス50のタッチパネルが重ねられている。表示デバイス52は、CPU40の制御下で各種情報を表示する。
I/O48には、動力生成装置54が接続されている。動力生成装置54は、記録媒体Pを搬送する搬送ロール(図示省略)や感光体ドラム102などを回転させるための動力を生成する。動力生成装置54は、モータ(図示省略)及びモータドライバ(図示省略)を含む。モータは、ギア等の動力伝達機構(図示省略)を介して搬送ロールや感光体ドラム102などに接続されており、搬送ロールや感光体ドラム102などに動力を供給する。モータドライバは、CPU40の指示に従ってモータを制御する。
I/O48には、通信インタフェース(I/F)56が接続されている。通信I/F56は、例えば、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの通信網に接続されており、通信網に接続されたパーソナル・コンピュータやサーバ装置等の外部装置(図示省略)との間の各種情報の送受信を司る。
なお、本実施形態において、通信I/F56は、外部装置から画像記録要求情報を受信する。画像記録要求情報は、記録媒体Pに記録すべき画像として指示された画像である指示画像(本発明に係る指示画像の一例)を示す画像情報と画像の記録に供する各種指示を示す指示情報とを含む。
指示画像は、画像記録装置300が外部装置から受け付ける画像(ラスタライズされて得られた画像)であり、かつ、画像記録装置300により出力される記録媒体Pに記録される画像である。画像記録要求情報は、外部装置からジョブ(例えば、1回の実行指示に応じて実行される処理の単位)毎に画像記録装置300に送信される。ここで、実行指示とは、指示画像の記録を要求する指示である。
CPU40は、通信I/F56を介して取得した画像記録要求情報を基に、画像記録ユニット301及び定着装置340を制御する。
ところで、一例として図8に示すように、K色パッチ390Kに濃度のむらが存在しない場合、K色パッチ390Kについて、光学式センサ350によってX方向に沿って測定された濃度を示す階調値はX方向の位置(X座標)間で変化しない。
しかし、一例として図9に示すように、K色パッチ390Kに濃度のむらが存在する場合、K色パッチ390Kについて、光学式センサ350によってX方向に沿って測定された濃度を示す階調値はX方向の位置間で変化する。階調値の変化は、K色パッチ390の濃度が高いほど顕著に現れる。このようにX方向で部分的に階調値が変化するのは、K色パッチ390KからW色下地画像380Wが部分的に透けて、W色下地画像380Wが光学式センサ350による濃度の測定に影響を及ぼすからである。
なお、K色パッチ390K以外の他色パッチ390についても、濃度のむらが存在する場合、一例として図10〜図12に示すように、他色パッチ390のX方向の位置間で階調値に変化が生じる。また、W色パッチ360Wについても、濃度のむらが存在する場合、一例として図13に示すように、W色パッチ360WのX方向の位置間で階調値に変化が生じる。
そこで、画像における濃度のむらを解消すべく、一例として図14に示すように、二次記憶部44は、画像記録プログラム60、実測値テーブル61、及び補正テーブル62を記憶している。
CPU40は、二次記憶部44から画像記録プログラム60を読み出して一次記憶部42に展開し、画像記録プログラム60を実行することで、一例として図7に示すように、取得部70、補正部72、及び制御部74として動作する。
取得部70は、画像の濃度に関する濃度情報を取得する。制御部74は、画像記録ユニット301WによりW色パッチ360Wが記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301Wを制御する。また、制御部74は、W色パッチ360Wの記録に引き続き、画像記録ユニット301WによりW色下地画像380Wが記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301Wを制御する。更に、制御部74は、画像記録ユニット301W以外の画像記録ユニット301によりW色下地画像380W上に他色パッチ390が記録されるように、画像記録ユニット301W以外の画像記録ユニット301を制御する。
補正部72は、W色パッチ360Wについて取得部70により取得された第1濃度情報と第1目標濃度情報とを比較して得た第1比較結果を基にW色の濃度を補正する。また、補正部72は、他色パッチ390について取得部70により取得された第2濃度情報と第2目標濃度情報とを比較して得た第2比較結果を基に他色の濃度を補正する。
制御部74は、補正部72により補正された濃度のW色のW色下地画像380Wが記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301Wを制御する。
なお、ここでは、画像記録プログラム60を二次記憶部44から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から二次記憶部44に記憶させておく必要はない。例えば、画像記録装置300に接続されて使用されるSSD(Solid State Drive)、DVDディスク、ICカード、光磁気ディスク、CD−ROMなどの任意の可搬型の記憶媒体に先ずは位置調整プログラム64を記憶させておいてもよい。そして、CPU40が可搬型の記憶媒体から画像記録プログラム60を取得して実行するようにしてもよい。また、通信網(図示省略)を介して画像記録装置300に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に画像記録プログラム60を記憶させておき、CPU40が他のコンピュータ又はサーバ装置等から画像記録プログラム60を取得して実行してもよい。
実測値テーブル61は、W色、Y色、M色、C色、及びK色の色毎に設けられており、一例として図15に示すように、実測値テーブル61には、各色のパッチの各々について、パッチ濃度別に、X0,X1,X2,・・・Xnの各々のX位置での測定平均階調値が記憶される。ここで、パッチ濃度とは、区分パッチに割り当てられた濃度、すなわち、0%、20%、40%、60%、80%、及び100%を指す。また、測定平均階調値とは、光学式センサ350により測定された濃度を示す階調値である赤(R)、緑(G)、及び青(B)による測定階調値のY方向における平均値がグレイスケール変換されて得られた8ビットの階調値である。なお、測定平均階調値は、本発明に係る濃度情報の一例である。
補正テーブル62は、W色補正テーブル62A及び他色補正テーブル62Bに大別される。W色補正テーブル62Aは、W色の濃度を補正するためのテーブルであり、他色補正テーブル62Bは、他色の濃度を補正するためにテーブルである。
他色補正テーブル62Bは、Y色補正テーブル62B1、M色補正テーブル62B2、C色補正テーブル62B3、及びK色補正テーブル62B4に大別される。Y色補正テーブル62B1は、Y色の濃度を補正するためのテーブルである。M色補正テーブル62B2、C色補正テーブル62B3は、C色の濃度を補正するためのテーブルである。K色補正テーブル62B4は、K色の濃度を補正するためのテーブルである。
補正テーブル62では、パッチ濃度毎に、対応する階調値が定められている。また、補正テーブル62では、パッチ濃度毎に、本発明に係る代表値の一例である目標階調値が定められている。目標階調値は、パッチ濃度毎の測定平均階調値の平均値である。すなわち、実測値テーブル61におけるX0,X1,X2,・・・Xnの各々のX位置での測定平均階調値の平均値が目標階調値である。
補正テーブル62には、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、補正値が記憶される。ここで、補正値とは、例えば、実測値テーブル61の測定平均階調値と目標階調値との差を指す。例えば、パッチ濃度100%についてのX0の補正値は、実測値テーブル61のパッチ濃度100%についてのX0の測定平均階調値と補正テーブル62のパッチ濃度100%についての目標階調値との差である。
なお、本実施形態では、測定平均階調値と目標階調値との差の一例として、目標階調値から測定平均階調値を減じて得た値を採用しているが、これに限らず、測定平均階調値から目標階調値を減じて得た値を採用してもよい。
次に、画像記録装置300の作用について説明する。以下では、CPU40が通信I/F56を介して画像記録要求情報を受信した場合にCPU40が画像記録プログラム60を実行することによって実現される画像記録処理について、図17を参照して説明する。
なお、以下では、記録媒体PがY方向に搬送されている状態を前提として説明する。また、以下では、W色パッチ情報及び他色パッチ情報が二次記憶部44に記憶されていることを前提として説明する。また、以下では、実測値テーブル61の測定平均階調値のデフォルト値及び補正テーブル62の補正値のデフォルト値が“0”であることを前提として説明する。また、以下では、補正テーブル62の目標階調値のデフォルト値が補正テーブル62の階調値を予め定められた規則に従って調整して得た値であることを前提として説明する。
図17に示す画像記録処理では、先ず、ステップ400で、補正部72は、累積記録量が閾値を超えているか否かを判定する。ここで、累積記録量とは、画像記録装置300が出荷後に初めて稼動してから、又は、後述の画質保障処理が実行されてから現時点までの画像の記録に要した記録媒体PのY方向の長さ(単位:メートル)の総計を指す。なお、累積記録量は、後述のステップ404でリセットされるまで、指示画像やパッチ等の画像が記録媒体Pに記録されることに伴って増加し続ける。
ステップ400において、累積記録量が閾値を超えている場合は、判定が肯定されて、ステップ402へ移行する。ステップ400において、累積記録量が閾値以下の場合は、判定が否定されて、ステップ406へ移行する。
ステップ402で、CPU40は、一例として図17に示す画質保障処理を実行し、その後、ステップ404へ移行する。
図18に示す画質保障処理では、ステップ500で、CPU40は、一例として図19に示すW色補正処理を実行し、その後、ステップ502へ移行する。
図19に示すW色補正処理では、ステップ500Aで、補正部72は、W色パッチ情報を取得し、その後、ステップ500Bへ移行する。
ステップ500Bで、補正部72は、ステップ500Aで取得したW色パッチ情報の階調値をW色補正テーブル62Aの補正値を用いて補正し、その後、ステップ500Cへ移行する。
ここで、本ステップ500Bで、“累積記録量=0”の場合、補正部72は、W色補正テーブル62Aの補正値のみを用いてW色パッチ情報の階調値を補正する。“累積記録量>0”の場合、補正部72は、下記の数式(1)を用いて、W色パッチ情報の階調値を数式(1)に示す出力階調値に変換することで、W色パッチ情報の階調値を補正する。
数式(1)において、最大記録量とは、1回の記録工程で用いる記録媒体PのY方向の長さを指す。1回の記録工程とは、例えば、1回の実行指示に従って記録動作が連続する工程(例えば、10頁分の記録の実行指示では、実行指示を受けてから10頁分の記録終了までの間)を指す。また、数式(1)において、調整係数とは、例えば、画像記録装置300の種類毎に定められた係数を指す。
ステップ500Bにおいて、数式(1)に示す入力階調値とは、ステップ500Aで取得されたW色パッチ情報により規定されている階調値を指す。また、ステップ500B、後述のステップ500G、後述のステップ502B、及び後述のステップ502Kにおいて、数式(1)に示す補正値とは、W色補正テーブル62Aの補正値を指す。
なお、本実施形態では、階調値が補正された結果、階調値が上限値(例えば、255)を超えた場合は、階調値の上限値が補正後の階調値として用いられる。また、階調値が補正された結果、階調値が下限値(例えば、0)を下回った場合は、階調値の下限値が補正後の階調値として用いられる。
ステップ500Cで、制御部74は、ステップ500Bで補正されたW色パッチ情報に対してスクリーン処理を施して得たW色パッチ情報を基に、W色パッチ360Wが記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301Wを制御する。これにより。記録媒体Pには、画像記録ユニット301WによってW色パッチ360Wが記録される。
次のステップ500Dで、取得部70は、ステップ500Cの処理によって記録媒体Pに記録されたW色パッチ360Wについて、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、光学式センサ350により濃度が測定されるように光学式センサ350を制御する。そして、取得部70は、パッチ濃度別に、かつ、X位置毎に、光学式センサ350により測定された濃度を示す測定階調値を取得し、その後、ステップ500Eへ移行する。
ステップ500Eで、取得部70は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、ステップ500Dで取得した測定階調値から測定平均階調値を算出する。そして、取得部70は、パッチ濃度別に、算出した測定平均階調値を、W色に対応した実測値テーブル61に記憶(上書き)することで、W色に対応した実測値テーブル61を更新する。なお、本ステップ500Eで算出される測定平均階調値は、本発明に係る第1濃度情報の一例である。
次のステップ500Fで、補正部72は、パッチ濃度毎に、ステップ500Eで更新された実測値テーブル61の測定平均階調値を用いて目標階調値を算出する。そして、補正部72は、パッチ濃度毎に、算出した目標階調値をW色補正テーブル62Aに記憶(上書き)することでW色補正テーブル62Aを更新する。なお、本ステップ500FでW色補正テーブル62Aに記憶される目標階調値は、本発明に係る第1目標濃度情報の一例である。
また、ステップ500Fで、補正部72は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、ステップ500Eで更新された実測値テーブル61の測定平均階調値と更新済みの目標階調値とを用いて補正値を算出する。そして、補正部72は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、算出した補正値をW色補正テーブル62Aに記憶(上書き)することでW色補正テーブル62Aを更新する。なお、本ステップ500FでW色補正テーブル62Aに記憶される補正値は、本発明に係る第1比較結果の一例である。
次のステップ500Gで、補正部72は、現時点のW色パッチ情報の階調値をW色補正テーブル62Aの補正値を用いて補正し、その後、ステップ500Hへ移行する。現時点のW色パッチ情報とは、未だにステップ500H以降の処理が実行されていない場合、ステップ500Bで補正したW色パッチ情報を指し、後述のステップ500Lにおいて判定が否定された場合、前回のステップ500Gで補正したW色パッチ情報を指す。
ここで、本ステップ500Gで、“累積記録量=0”の場合、補正部72は、W色補正テーブル62Aの補正値のみを用いて現時点のW色パッチ情報の階調値を補正する。“累積記録量>0”の場合、補正部72は、数式(1)を用いて、現時点のW色パッチ情報の階調値を数式(1)に示す出力階調値に変換することで、現時点のW色パッチ情報の階調値を補正する。なお、ステップ500Gにおいて、数式(1)に示す入力階調値とは、現時点のW色パッチ情報により規定されている階調値を指す。
ステップ500Hで、制御部74は、ステップ500Gで補正されたW色パッチ情報に対してスクリーン処理を施して得たW色パッチ情報を基に、W色パッチ360Wが記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301Wを制御する。これにより、記録媒体Pには、画像記録ユニット301WによってW色パッチ360Wが記録される。
次のステップ500Iで、取得部70は、ステップ500Hの処理によって記録媒体Pに記録されたW色パッチ360Wについて、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、光学式センサ350により濃度が測定されるように光学式センサ350を制御する。そして、取得部70は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、光学式センサ350により測定された濃度を示す測定階調値を取得し、その後、ステップ500Eへ移行する。
ステップ500Jで、取得部70は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、ステップ500Iで取得した測定階調値から測定平均階調値を算出する。そして、取得部70は、パッチ濃度別に、算出した測定平均階調値を、W色に対応した実測値テーブル61に記憶(上書き)することで、W色に対応した実測値テーブル61を更新する。なお、本ステップ500Jで算出される測定平均階調値は、本発明に係る第1濃度情報の一例である。
次のステップ500Kで、補正部72は、パッチ濃度毎に、ステップ500Jで更新された実測値テーブル61の測定平均階調値を用いて目標階調値を算出する。そして、補正部72は、パッチ濃度毎に、算出した目標階調値をW色補正テーブル62Aに記憶(上書き)することでW色補正テーブル62Aを更新する。なお、本ステップ500KでW色補正テーブル62Aに記憶される目標階調値は、本発明に係る第1目標濃度情報の一例である。
また、ステップ500Kで、補正部72は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、ステップ500Jで更新された実測値テーブル61の測定平均階調値と更新済みの目標階調値とを用いて補正値を算出する。そして、補正部72は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、算出した補正値をW色補正テーブル62Aに記憶(上書き)することでW色補正テーブル62Aを更新する。なお、本ステップ500KでW色補正テーブル62Aに記憶される補正値は、本発明に係る第1比較結果の一例である。
次のステップ500Lで、補正部72は、W色補正テーブル62Aの補正値のずれ量が許容範囲内か否かを判定する。ここで、W色補正テーブル62Aの補正値のずれ量とは、例えば、X位置の各々の補正値のうちの最大値と最小値との差の絶対値を指す。
ステップ500Lにおいて、W色補正テーブル62Aの補正値のずれ量が許容範囲外の場合は、判定が否定されて、ステップ500Gへ移行する。ステップ500Lにおいて、W色補正テーブル62Aの補正値のずれ量が許容範囲内の場合は、判定が肯定されて、本W色補正処理を終了する。
図18に示す画質保障処理では、ステップ502で、CPU40は、一例として図20に示す他色補正処理を実行し、その後、本画質保障処理を終了する。
図20に示す他色補正処理では、ステップ502Aで、補正部72は、W色補正処理のステップ500Gで補正したW色パッチ情報を取得し、その後、ステップ502Bへ移行する。
ステップ502Bで、補正部72は、ステップ502Aで取得したW色パッチ情報の階調値を、ステップ500Kで更新したW色補正テーブル62Aの補正値を用いて補正し、その後、ステップ502Cへ移行する。
ステップ502Cで、制御部74は、ステップ502Bで補正されたW色パッチ情報に対してスクリーン処理を施して得たW色パッチ情報を基に、W色下地画像380Wが記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301Wを制御する。これにより。記録媒体Pには、画像記録ユニット301WによってW色下地画像380Wが記録される。
次のステップ502Dで、補正部72は、他色パッチ情報を取得し、その後、ステップ502Eへ移行する。
ステップ502Eで、補正部72は、ステップ502Dで取得した他色パッチ情報の階調値を他色補正テーブル62Bの補正値を用いて補正し、その後、ステップ502Fへ移行する。
ここで、本ステップ502Eで、“累積記録量=0”の場合、補正部72は、他色補正テーブル62Bの補正値のみを用いて他色パッチ情報の階調値を補正する。“累積記録量>0”の場合、補正部72は、数式(1)を用いて、他色パッチ情報の階調値を数式(1)に示す出力階調値に変換することで、他色パッチ情報の階調値を補正する。
なお、ステップ502Eにおいて、数式(1)に示す入力階調値とは、ステップ502Dで取得された他色パッチ情報により規定されている階調値を指す。また、ステップ502E、及び後述のステップ502Mにおいて、数式(1)に示す補正値とは、他色補正テーブル62Bの補正値を指す。
ステップ502Fで、制御部74は、ステップ502Eで階調値が補正された他色パッチ情報に対してスクリーン処理を施す。そして、制御部74は、スクリーン処理を施して得た他色パッチ情報を基に、他色パッチ390が記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301W以外の画像記録ユニット301を制御する。これにより。記録媒体Pには、画像記録ユニット301W以外の画像記録ユニット301によって他色パッチ390が記録される。
次のステップ502Gで、取得部70は、ステップ502Fの処理によって記録媒体Pに記録された他色パッチ390について、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、光学式センサ350により濃度が測定されるように光学式センサ350を制御する。そして、取得部70は、パッチ濃度別に、かつ、X位置毎に、光学式センサ350により測定された濃度を示す測定階調値を取得し、その後、ステップ502Hへ移行する。
ステップ502Hで、取得部70は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、ステップ502Gで取得した測定階調値から測定平均階調値を算出する。そして、取得部70は、パッチ濃度別に、算出した測定平均階調値を、他色に対応した実測値テーブル61に記憶(上書き)することで、他色に対応した実測値テーブル61を更新する。なお、本ステップ502Hで算出される測定平均階調値は、本発明に係る第2濃度情報の一例である。
次のステップ502Iで、補正部72は、パッチ濃度毎に、ステップ502Hで更新された実測値テーブル61の測定平均階調値を用いて目標階調値を算出する。そして、補正部72は、パッチ濃度毎に、算出した目標階調値を他色補正テーブル62Bに記憶(上書き)することで他色補正テーブル62Bを更新する。なお、本ステップ502Iで他色補正テーブル62Bに記憶される目標階調値は、本発明に係る第2目標濃度情報の一例である。
また、ステップ502Iで、補正部72は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、ステップ502Hで更新された実測値テーブル61の測定平均階調値と更新済みの目標階調値とを用いて補正値を算出する。そして、補正部72は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、算出した補正値を他色補正テーブル62Bに記憶(上書き)することで他色補正テーブル62Bを更新する。なお、本ステップ502Iで他色補正テーブル62Bに記憶される補正値は、本発明に係る第2比較結果の一例である。
次のステップ502Jで、補正部72は、W色補正処理のステップ500Gで補正したW色パッチ情報を取得し、その後、ステップ502Kへ移行する。
ステップ502Kで、補正部72は、ステップ502Jで取得したW色パッチ情報の階調値を、ステップ500Kで更新したW色補正テーブル62Aの補正値を用いて補正し、その後、ステップ502Lへ移行する。
ステップ502Lで、制御部74は、ステップ502Kで補正されたW色パッチ情報に対してスクリーン処理を施して得たW色パッチ情報を基に、W色下地画像380Wが記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301Wを制御する。これにより。記録媒体Pには、画像記録ユニット301WによってW色下地画像380Wが記録される。
次のステップ502Mで、補正部72は、現時点の他色パッチ情報の階調値を他色補正テーブル62Bの補正値を用いて補正し、その後、ステップ502Nへ移行する。現時点の他色パッチ情報とは、未だにステップ502N以降の処理が実行されていない場合、ステップ502Eで補正した他色パッチ情報を指し、後述のステップ502Sにおいて判定が否定された場合、前回のステップ502Mで補正した他色パッチ情報を指す。
ここで、本ステップ502Mで、“累積記録量=0”の場合、補正部72は、他色補正テーブル62Bの補正値のみを用いて現時点の他色パッチ情報の階調値を補正する。“累積記録量>0”の場合、補正部72は、数式(1)を用いて、現時点の他色パッチ情報の階調値を数式(1)に示す出力階調値に変換することで、現時点の他色パッチ情報の階調値を補正する。なお、ステップ502Mにおいて、数式(1)に示す入力階調値とは、現時点の他色パッチ情報により規定されている階調値を指す。
ステップ502Nで、制御部74は、ステップ502Mで補正された他色パッチ情報に対してスクリーン処理を施す。そして、制御部74は、スクリーン処理を施して得た他色パッチ情報を基に他色パッチ390が記録媒体Pに記録されるように画像記録ユニット301W以外の画像記録ユニット301を制御する。これにより。記録媒体Pには、画像記録ユニット301W以外の画像記録ユニット301によって他色パッチ390が記録される。
次のステップ502Pで、取得部70は、ステップ502Nの処理によって記録媒体Pに記録された他色パッチ390について、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、光学式センサ350により濃度が測定されるように光学式センサ350を制御する。そして、取得部70は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、光学式センサ350により測定された濃度を示す測定階調値を取得し、その後、ステップ502Qへ移行する。
ステップ502Qで、取得部70は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、ステップ502Pで取得した測定階調値から測定平均階調値を算出する。そして、取得部70は、パッチ濃度別に、算出した測定平均階調値を、他色に対応した実測値テーブル61に記憶(上書き)することで、他色に対応した実測値テーブル61を更新する。なお、本ステップ502Qで算出される測定平均階調値は、本発明に係る第2濃度情報の一例である。
ステップ502Rで、補正部72は、パッチ濃度毎に、ステップ502Qで更新された実測値テーブル61の測定平均階調値を用いて目標階調値を算出する。そして、補正部72は、パッチ濃度毎に、算出した目標階調値を他色補正テーブル62Bに記憶(上書き)することで他色補正テーブル62Bを更新する。なお、本ステップ502Rで他色補正テーブル62Bに記憶される目標階調値は、本発明に係る第2目標濃度情報の一例である。
また、ステップ502Rで、補正部72は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、ステップ502Qで更新された実測値テーブル61の測定平均階調値と更新済みの目標階調値とを用いて補正値を算出する。そして、補正部72は、パッチ濃度毎に、かつ、X位置毎に、算出した補正値を他色補正テーブル62Bに記憶(上書き)することで他色補正テーブル62Bを更新する。なお、本ステップ502Rで他色補正テーブル62Bに記憶される補正値は、本発明に係る第2比較結果の一例である。
次のステップ502Sで、補正部72は、他色補正テーブル62Bの補正値のずれ量が許容範囲内か否かを判定する。ここで、他色補正テーブル62Bの補正値のずれ量とは、例えば、X位置の各々の補正値のうちの最大値と最小値との差の絶対値を指す。
ステップ502Sにおいて、他色補正テーブル62Bの補正値のずれ量が許容範囲外の場合は、判定が否定されて、ステップ502Jへ移行する。ここで、判定が否定される場合とは、Y色補正テーブル62B1、M色補正テーブル62B2、C色補正テーブル62B3、及びK色補正テーブル62B3の各々の補正値のずれ量のうちの少なくとも1つのずれ量が許容範囲内の場合を指す。ステップ502Sにおいて、他色補正テーブル62Bの補正値のずれ量が許容範囲外の場合は、判定が肯定されて、本他色補正処理を終了する。
図17に示す画像記録処理において、ステップ404で、補正部72は、累積記録量を“0”にリセットし、その後、ステップ406へ移行する。
ステップ406で、制御部74は、1つのジョブについての画像記録要求情報を基に、記録媒体Pに対して指示画像の記録が開始されるように、画像記録ユニット301及び定着装置340を制御し、その後、本画像記録処理を終了する。
ここで、“累積記録量=0”の場合、制御部74は、補正部72により補正テーブル62の補正値のみを用いて階調値が補正された画像情報に対してスクリーン処理を施す。そして、制御部74は、スクリーン処理を施して得た画像情報を基に、指示画像の記録が開始されるように、画像記録ユニット301を制御する。
一方、“累積記録量>0”の場合、制御部74は、補正部72により階調値が数式(1)に示す出力階調値に再規定された画像情報に対してスクリーン処理を施す。そして、制御部74は、スクリーン処理を施して画像情報を基に、指示画像の記録が開始されるように、画像記録ユニット301を制御する。
なお、ステップ406において、数式(1)に示す入力階調値とは、画像記録要求情報に含まれる画像情報により規定されている階調値を指す。ステップ406において、数式(1)に示す補正値とは、補正テーブル62の補正値を指す。
また、ステップ406で行われる階調値の補正は、パッチ濃度の0%、20%、40%、60%、80%、及び100%の濃度に関する階調値のみが補正されるわけではなく、これらのパッチ濃度間の濃度(例えば、15%や22%等)に関する階調値も補正される。この場合、パッチ濃度間の濃度に関する補正後の階調値は、例えば、補正テーブル62の補正値が補間法によって補間されて得られた値となる。
本ステップ406の処理が実行されると、補正済みの画像情報を基に、画像記録ユニット301によって記録媒体Pに指示画像が記録され、記録媒体Pに記録された指示画像は定着装置39によって記録媒体Pに定着される。
次のステップ408で、制御部74は、1つのジョブについての画像記録要求情報を基にした指示画像の記録が終了したか否かを判定する。ステップ408において、1つのジョブについての画像記録要求情報を基にした指示画像の記録が終了していない場合は、判定が否定されて、ステップ410へ移行する。
ステップ410で、補正部72は、累積記録量が閾値を超えているか否かを判定する。ステップ410において、累積記録量が閾値を超えている場合は、判定が肯定されて、画像記録ユニット301による指示画像の記録が中止されるように画像記録ユニット301が制御部74によって制御され、ステップ412へ移行する。ステップ410において、累積記録量が閾値以下の場合は、判定が否定されて、ステップ408へ移行する。
ステップ412で、CPU40は、上述の画質保障処理(図17参照)を実行し、その後、ステップ414へ移行する。
ステップ414で、補正部72は、累積記録量を“0”にリセットし、その後、ステップ416へ移行する。
ステップ416で、制御部74は、処理対象とされているジョブについての画像記録要求情報を基にした指示画像の記録が再開されるように画像記録ユニット301を制御し、その後、ステップ408へ移行する。本ステップ416の処理が実行されると、画像記録ユニット301による指示画像の記録が再開される。
ステップ408において、1つのジョブについての画像記録要求情報を基にした指示画像の記録が終了した場合は、判定が肯定されて、本画像記録処理を終了する。
なお、上記実施形態では、CPU40が通信I/F56を介して画像記録要求情報を受信した場合に行われる画像記録処理に画質保障処理が含まれる場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像記録装置300の主電源が投入された場合に画質保障処理が実行されるようにしてもよい。また、1ヶ月、半年、又は1年等の予め定められた期間毎に画質保障処理が実行されるようにしてもよい。また、ユーザの指示が受付デバイス50によって受け付けられた場合に画質保障処理が実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、W色、Y色、M色、C色、及びK色の5色のトナー像が記録媒体Pに記録される画像記録装置300を例示したが、W色を含まないトナー像が記録媒体Pに記録される画像記録装置に対しても本発明は適用される。
この場合、例えば、W色以外の4色のトナー像が記録媒体Pに記録される画像記録装置では、一例として図21に示すように、記録媒体Pが、Y色ブロック370Y、M色ブロック370M、C色ブロック370C、及びK色ブロック370Kを有する。
Y色ブロック370Yには、上記実施形態で説明したW色補正処理に相当するY色補正処理が実行されることによってY色パッチ390Yが記録される。M色ブロック370Mには、上記実施形態で説明した他色補正処理に相当する処理が実行されることによって、Y色の下地画像であるY色下地画像680Yが記録され、Y色下地画像680Y上にM色パッチ390Mが記録される。C色ブロック370Cには、上記実施形態で説明した他色補正処理に相当する処理が実行されることによって、Y色下地画像680Yが記録され、Y色下地画像680Y上にC色パッチ390Cが記録される。K色ブロック370Kには、上記実施形態で説明した他色補正処理に相当する処理が実行されることによって、Y色下地画像680Yが記録され、Y色下地画像680Y上にK色パッチ390Kが記録される。
このようにY色下地画像680Yを採用する場合、上記実施形態で説明したW色補正処理に相当するY色補正処理が実行されることによって得られたY色補正テーブル62B1を用いて補正されたY色パッチ情報を基にY色下地画像680Yが記録される。
なお、Y色下地画像680Yに代えて、M色下地画像、C色下地画像、又はK色下地画像であってもよい。M色下地画像を採用する場合、上記実施形態で説明したW色補正処理に相当するM色補正処理が実行されることによって得られたM色補正テーブル62B2を用いて補正されたM色パッチ情報を基にM色下地画像が記録される。C色下地画像を採用する場合、上記実施形態で説明したW色補正処理に相当するC色補正処理が実行されることによって得られたC色補正テーブル62B3を用いて補正されたC色パッチ情報を基にC色下地画像が記録される。K色下地画像を採用する場合、上記実施形態で説明したW色補正処理に相当するK色補正処理が実行されることによって得られたK色補正テーブル62B4を用いて補正されたK色パッチ情報を基にK色下地画像が記録される。
また、上記実施形態では、平板状のプラテン352上の記録媒体Pの画像の濃度が光学式センサ350によって測定される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図22に示すように、黒色のロール702に対応する位置に光学式センサ700が配置され、ロール702上の記録媒体Pの画像の濃度が光学式センサ700によって測定されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、補正値として、測定平均階調値と目標階調値との差を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、目標階調値に対する測定平均階調値の割合であってもよい。また、測定平均階調値と目標階調値との和に対する測定平均階調値の割合であってもよい。また、測定平均階調値と目標階調値との差、測定平均階調値と目標階調値との和に対する測定平均階調値の割合、又は目標階調値に対する測定平均階調値の割合を独立変数として含む演算式によって得られた値であってもよい。
また、上記実施形態では、一例として図4及び図5に示すように、1つの色につき、1つのブロック内で濃度別に区分パッチが記録される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、1つの色につき、濃度毎に1つのブロックを定め、各ブロックに、対応する濃度のパッチが記録されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、W色補正処理において、ステップ500Lの処理が行われることにより、補正値のずれ量が許容範囲に収まるまでステップ500G〜500Kの処理が繰り返し行われるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ステップ500Lの処理は、行われなくてもよい。また、ステップ500Lにおいて、判定が否定された場合に、ステップ500Gへ移行することなく、W色補正テーブル62Aの補正値のずれ量が許容範囲外であることを示す情報が、表示デバイス52を介してユーザに通知されるようにしてもよい。また、ステップ500Lにおいて、判定が肯定された場合に、W色補正テーブル62Aの補正値のずれ量が許容範囲内であることを示す情報が、表示デバイス52を介してユーザに通知されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、他色補正処理において、ステップ502Sの処理が行われることにより、補正値のずれ量が許容範囲に収まるまでステップ502J〜502Rの処理が繰り返し行われるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ステップ502Sの処理は、行われなくてもよい。また、ステップ502Sにおいて、判定が否定された場合に、ステップ502Jへ移行することなく、他色補正テーブル62Bの補正値のずれ量が許容範囲外であることを示す情報が、表示デバイス52を介してユーザに通知されるようにしてもよい。また、ステップ502Sにおいて、判定が肯定された場合に、他色補正テーブル62Bの補正値のずれ量が許容範囲内であることを示す情報が、表示デバイス52を介してユーザに通知されるようにしてもよい。
なお、ユーザに対する通知は、表示デバイス52による可視表示による通知に限らず、スピーカ(図示省略)の音声による可聴表示による通知であってもよいことは言うまでもない。
また、上記実施形態では、測定平均階調値を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、X位置での測定階調値のY方向における統計値であればよい。ここで言う統計値としては、例えば、測定分散階調値、測定中央階調値、又は測定最頻階調値が挙げられる。測定分散階調値とは、X位置での測定階調値のY方向における分散値を指す。測定中央階調値とは、X位置での測定階調値のY方向における中央値を指す。測定最頻階調値とは、X位置での測定階調値のY方向における最頻値を指す。
また、測定平均階調値に代えて、光学式センサ350によって測定された濃度を示す階調値そのものを用いてもよい。この場合、例えば、パッチのY方向における特定の位置(Y座標)に関するX方向について測定された濃度を示す階調値であればよい。
また、上記実施形態では、累積記録量の一例として、画像の記録に要した記録媒体PのY方向の長さの総計を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、累積記録量は、記録媒体Pに記録された画像に含まれる有色の画素数の総計、記録媒体Pに記録された画像の枚数の総計、又は、画素数の総計及び枚数の総計の少なくとも一方を独立変数とする既定の演算式から得られた値であってもよい。
また、上記実施形態では、パッチ濃度として、0%、20%、40%、60%、80%、及び100%を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パッチ濃度は、更に細分化されていてもよい。
また、上記実施形態では、累積記録量=0の場合に、補正テーブル62の補正値のみを用いて階調値が補正される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、累積記録量=0の場合に、微調整された補正値、例えば、補正テーブル62の補正値に係数を乗じて得た値等で階調値が補正されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ジョブの実行前及び実行中に画質保障処理が実行される場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、画像記録装置300の立ち上げ時や、画像記録装置における画像記録に関する部材(例えば、記録媒体P、中間転写体310、転写ロール320、又はプラテン352等)が新たに交換された場合等に画質保障処理が実行されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、透明な記録媒体Pを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、半透明のシート、無彩色の用紙、又は有彩色の用紙などであってもよい。
また、上記各実施形態では、CPU40によって画像記録プログラム60の各ステップを実現するソフトウェア的な形態を例示したが、これに限らず、各種回路(一例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit))を接続して構成されるハードウェア的な形態や、ソフトウェア的な形態とハードウェア的な形態とを組み合わせた形態が挙げられる。
また、上記実施形態では、湿式のゼログラフィ方式を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、乾式のゼログラフィ方式やインクジェット方式などの他の記録方式であってもよい。