以下、本発明を電子写真方式のカラー画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という。)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の作像エンジン部101の一例を示す概略構成図である。図1において、本実施形態に係る画像形成装置の作像エンジン部101は、多階調の入力画像の画像データに基づいて、複数の画素濃度レベル値を切り替えて設定可能な画素を用いて階調を表現する多値ディザ法により画像を形成する。すなわち、この作像エンジン部101は多階調画像形成手段として機能する。作像エンジン部101は、イエロー(Y),シアン(C),マゼンダ(M),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つのトナー像形成手段としての画像形成ユニットを備えている。また、画像形成装置は、中間転写ベルト6などを有する転写ユニットと、光書込ユニット(不図示)と、定着装置13と、給紙カセット(不図示)と、スキャナ(不図示)とを備えている。
4つの画像形成ユニットは、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。なお、4つの画像形成ユニットは、それらのユニットを共通の保持体に保持して画像形成装置本体に対して一体的に脱着されることで、それらのユニットが同時に交換されるような構成であってもよい。
ここで、Cトナー像を形成するC用の画像形成ユニットを例に挙げて説明する。C画像形成ユニットは、図1に示すように、潜像担持体としてのドラム状の感光体1C、潜像担持体クリーニング手段としてのドラムクリーニング装置16Cとを備えている。さらに、C画像形成ユニットは、潜像担持体除電手段としての除電装置(不図示)、帯電手段としての帯電ローラ2C、現像手段としての現像装置4C等を備えている。
感光体1Cは、図示しない駆動手段によって図中矢印時計回り方向に回転駆動される。そして、帯電バイアスが印加された帯電ローラ2Cを感光体1Cに接触あるいは近接させながら、帯電ローラ2Cと感光体1Cとの間に放電を発生させることで、感光体1Cの表面が一様帯電される。なお、感光体を一様帯電する方式としては、帯電ローラ等の帯電部材を感光体1Cに接触あるいは近接させる方式に代えて、帯電チャージャーによる方式を採用してもよい。
帯電ローラ2Cによって一様帯電された感光体1Cの表面は、形成対象の画像(入力画像)の画像情報(画像データ)に基づいて制御される図示しない潜像書込手段(露光手段)としての光書込ユニットから発せられる書込みレーザー光3Cが照射される。これにより、感光体1Cの表面にC用の静電潜像が形成される。この光書込ユニットからの書込みレーザー光3Cは、例えば、入力画像の画像情報に基づいて画像部/非画像部とを分けて感光体1Cの表面の主走査方向に光走査される。感光体1Cに担持されたC用の静電潜像は、Cトナーを用いる現像装置4Cによって現像されてCトナー像になり、後述する中間転写ベルト6上に1次転写される。
ドラムクリーニング装置16Cは、1次転写工程(後述する1次転写ニップ)を経た後の感光体1C表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置(不図示)は、ドラムクリーニング装置16Cによってクリーニングされた後の感光体1Cの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Cの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
また、他のY,M,K用の画像形成ユニットにおいても、C用の画像形成ユニットと同様にして、感光体1Y,M,K上にY,M,Kトナー像が形成される。
4つの画像形成ユニットの上方には、潜像書込手段(露光手段)としての図示しない光書込ユニットが配設されている。この光書込ユニットは、例えば、光源としてのレーザーダイオードと、レーザーダイオードをパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)方式で駆動するレーザー駆動部とを有する。レーザー駆動部は、後述のプリント制御部132から送られてくる濃度制御設定値としての露光制御PWM値と、感光体上の1画素分の領域にレーザー光を照射可能な時間が1周期に設定された所定の画素クロックとに基づいて、レーザーダイオードを駆動する。露光制御PWM値は、各画素ごとに、画素クロックの1周期にうち1画素分の領域にレーザー光を照射する時間(パルスON時間)を指定する値であり、後述のように各画素における画素濃度レベル値に応じて設定される値である。各画素の露光制御PWM値は、スキャナあるいはパーソナルコンピュータ等の外部機器から送られてくる画像情報に基づいて、後述する多値ディザ法により生成される。光書込ユニットのレーザーダイオードから発したレーザー光が変調され、回転駆動されている感光体1Y,C,M,Kの表面の主走査方向(回転軸に沿った方向)に光走査されることにより、感光体1Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。
また、4つの画像形成ユニットの下方には、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト6を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動させる転写装置としての転写ユニットが配設されている。転写ユニットは、中間転写ベルト6の他に、駆動ローラ7、2次転写対向ローラ11、クリーニングバックアップローラ17、4つの1次転写ローラ5Y,C,M,K、2次転写ローラ10を有している。さらに、転写ユニットは、ベルトクリーニング装置18、ベルトテンションローラ9などを有している。
中間転写ベルト6は、そのループ内側に配設された駆動ローラ7、2次転写対向ローラ11、クリーニングバックアップローラ17、及び4つの1次転写ローラ5Y,C,M,Kなどによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ7の回転力により、同方向に無端移動される。
4つの1次転写ローラ5Y,C,M,Kはそれぞれ、無端移動される中間転写ベルト6を感光体1Y,C,M,Kとの間に挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト6のおもて面と感光体1Y,C,M,Kとが互いに当接するY,C,M,K用の1次転写ニップが形成されている。1次転写ローラ5Y,C,M,Kには、図示しない1次転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体1Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像と、1次転写ローラ5Y,C,M,Kとの間に1次転写電界が形成される。Y用の感光体1Y表面に形成されたYトナーは、感光体1Yの回転に伴ってY用の1次転写ニップに進入する。そして、転写電界やニップ圧の作用により、感光体1Y上から中間転写ベルト6上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写された中間転写ベルト6は、その後、C,M,K用の1次転写ニップを順次通過する。そして、感光体1C,M,K上のC,M,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト6上には4色重ね合わせトナー像が形成される。
転写ユニットの2次転写ローラ10は、中間転写ベルト6のループ外側に中間転写ベルト6方向に加圧されて配設されており、ループ内側の2次転写対向ローラ11との間に中間転写ベルト6を挟み込んでいる。これにより、2次転写ローラ10は中間転写ベルト6又は記録媒体(画像形成媒体)としての転写紙に接触しながら回転し、中間転写ベルト6のおもて面と2次転写対向ローラ11とが当接する2次転写ニップが形成される。2次転写ローラ10は接地されているのに対し、2次転写対向ローラ11には、図示しない2次転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。これにより、2次転写対向ローラ11と2次転写ローラ10との間に、マイナス極性のトナーを2次転写対向ローラ11側から2次転写ローラ10側に向けて静電移動させる2次転写電界が形成される。
転写ユニットの下方には、転写紙を複数枚重ねた紙束の状態で収容している図示しない給紙カセットが配設されている。この給紙カセットでは、紙束の一番上の転写紙に図示しない給紙ローラを当接させており、この給紙ローラを所定のタイミングで回転駆動させることで、給紙カセットの転写紙を、図中破線で示す転写紙搬送経路15に向けて送り出す。転写紙搬送経路15の搬送方向上流側の末端付近には、レジストローラ対12が配設されている。このレジストローラ対12は、給紙カセットから送り出された転写紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ転写紙Pを2次転写ニップ内で中間転写ベルト6上の4色重ね合わせトナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、転写紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。2次転写ニップで転写紙に密着された中間転写ベルト6上の4色重ね合わせトナー像は、2次転写電界やニップ圧の作用によって転写紙上に一括2次転写され、転写紙の白色と相まってフルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された転写紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ10や中間転写ベルト6から曲率分離する。
2次転写対向ローラ11には、図示しない2次転写バイアス電源から出力された2次転写バイアスが印加されている。これにより、2次転写対向ローラ11と2次転写ローラ10との間では、中間転写ベルト6上のトナーが2次転写対向ローラ11側から2次転写ローラ10側に静電移動して、転写紙Pに一括して2次転写される。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト6には、転写紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト6のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置18によって中間転写ベルト6の表面が除去されてクリーニングされる。
2次転写ニップの図中右側方には、定着装置13が配設されている。この定着装置13では、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラとにより、定着ニップが形成されている。定着装置13内に送り込まれた転写紙は、その未定着トナー像担持面が定着ローラに密着する姿勢で、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化されて、フルカラー画像が転写紙上に定着される。定着装置13内から排出された転写紙は、定着後搬送路を経由した後、機外へと排出される。
本実施形態の画像形成装置において、モノクロ画像を形成する場合には、転写ユニットにおけるY,C,M用の1次転写ローラ5Y,C,Mを支持している図示しない支持板を移動させて、1次転写ローラ5Y,C,Mを、感光体1Y,C,Mから遠ざける。これにより、中間転写ベルト6のおもて面を感光体1Y,C,Mから引き離して、中間転写ベルト6をK用の感光体1Kだけに当接させる。この状態で、4つの画像形成ユニットのうち、K用の画像形成ユニットだけを駆動して、Kトナー像を感光体1K上に形成する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の画像形成装置は、入出力部110、制御手段としてのプリンタコントローラ120、プリンタ部130、スキャナコントローラ140、スキャナ部150及びホストI/F160を備えている。これらはバス170を介して互いに通信可能に接続されている。ここで、プリンタコントローラ120及びスキャナコントローラ140はそれぞれ、例えば、制御プログラムを読み込んで実行可能なCPU、RAMやROM等のメモリなどで構成することができる。
プリンタコントローラ120は、I/F121、階調画像データ記憶手段及びディザ設定データ記憶手段としてのメモリ部122、データ生成部123、階調段差範囲特定手段及びディザマトリクス変更手段としての階調補正演算部124等を備えている。また、プリンタコントローラ120は、I/F121によりバス170に接続されている。I/F121は、プリンタコントローラ120と、プリンタ部130、入出力部110、スキャナコントローラ140、スキャナ部150及びホストI/F160とを接続するインターフェイスである。そして、I/F121は、これらの各部との間でバス170を介して各種信号およびデータの送受信を行う。具体的には、I/F121は、プリンタ部130の画像形成制御やプリンタ部130への画像形成データ(印刷データ)の転送、スキャナコントローラ140を介してスキャナ部150の読み取り制御や読み取りデータの受信等を行う。また、入出力部110の表示内容の制御、入力データの取得、ホストI/F160を介して外部装置からの画像データの受信や、画像形成装置100自体の状態の外部装置への通知等を行う。ホストI/F160には、例えば、有線または無線のLAN等のネットワーク、シリアル通信線、USB信号線等の通信線が接続され、その通信線によって外部装置等と接続されている。
メモリ部122は、例えばRAMやROM等で構成され、画像形成装置100の基本プログラムや制御コード、フォントデータ、ディザデータ、γテーブル等の階調補正処理を実行する際に必要な各種パラメータが格納される。さらに、メモリ部122には、出力画像の各画素に設定可能な複数の画素濃度レベル値と画素の濃度の制御に用いられる濃度制御設定値(露光制御PWM値)との対応関係を示す画素濃度レベル設定データ等が格納される。また、メモリ部122には、階調補正用画像としての階調段差補正用の第1の画像パターンのデータ及び第2の画像パターンのデータが格納される。この階調段差補正用の画像パターンは、全階調中においてスジ状の濃淡ムラである階調段差が生じている階調範囲を抽出することが可能な画像パターン、または、画素濃度レベルと画像特性との関係が把握可能な画像パターンである。
データ生成部123は、ホストI/F160を介して外部装置から受け取った画像形成データに基づいてプリンタ部130へ転送するデータの制御コード変換、入出力部110の操作画面の表示や設定等の処理を行う。また、データ生成部123は、必要に応じてメモリ部122等の各種画像パラメータやフォントデータ等を参照する。
階調補正演算部124は、本実施形態における階調補正処理に用いる各種処理を行う。例えば、階調補正演算部124は、階調と明度等の色特性との関係を狙い通りのプロファイルにするための階調補正処理を行う。また、階調補正演算部124は、階調補正用画像としての階調段差補正用の画像パターンの生成、階調段差補正用の画像特性の測定データの処理、全階調中における階調段差の修正要否判定処理、修正対象のディザマトリクスの決定、ディザマトリクスの修正等を行う。階調補正演算部124で修正したディザマトリクスのデータは、メモリ部122に保存され、必要に応じてメモリ部122から読み出して使用することができる。
スキャナコントローラ140は、I/F141、メモリ部142、読込データ生成部143および色変換部144等を備えており、I/F141によりバス170に接続されている。I/F141は、スキャナコントローラ140とスキャナ部150、入出力部110、プリンタ部130、およびホストI/F160を接続するインターフェイスであり、これら各部との間でバス170を介して信号およびデータの授受を行う。具体的には、I/F141は、スキャナ部150のスキャン制御やスキャナ部150からの読み取りデータの受信等を行う。また、I/F141は、入出力部110の表示内容の制御、入力データの取得、ホストI/F160を介した外部装置への画像データ送信や画像形成装置100の状態の外部装置への通知等を行う。
読込データ生成部143は、スキャナ部150で読み取られたR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の光三原色の測色値に基づいて、TIFFやJPEG等の形式のデジタル画像を生成する。読み込みデータ生成部143は、生成したデジタル画像を、ホストI/F160を介して外部装置に送信する。また、読み込みデータ生成部143は、読み取りデータが階調補正用画像としての階調段差補正用の第1、第2の画像パターンを読み込んだデータであるときには、この読み取りデータをプリンタコントローラ120に転送する。
色変換部144は、スキャナ部150が読み込んだRGBの光三原色のデータ値をC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の色三原色およびK(ブラック)色のデータ等に変換する色変換処理を行う。そして、この色変換処理を、スキャナ部150が読み込んだ画像の読込データの生成や、階調段差補正用の第1、第2の画像パターンの読込値の変換において実行する。
プリンタ部130は、I/F131およびプリント制御部132等を備えている。そして、プリント制御部132の制御下で、I/F131を介してプリンタコントローラ120から受け取った出力対象の画像の画像形成データ(印刷データ)およびプリント制御コマンドに基づいて、転写紙に三原色による画像形成処理を行う。
スキャナ部150は、画像読み取り手段として機能し、I/F151およびスキャン制御部152等を備えている。そして、I/F151を介してスキャナコントローラ140から入力されるスキャナコマンドに基づいて、原稿読み取りガラスにセットされた原稿を、主走査および副走査して、CCD等の光電変換素子で光電変換する。このようにして、原稿の画像をRGBの光三原色の読み取り値として取得する。
本実施形態において、スキャナコントローラ140及びスキャナ部150は、プリンタ部130で形成された画像の画像特性を測定する画像特性測定手段としても機能する。
入出力部110は、I/F111、入力部112および出力部113等を備えており、I/F111は、バス170を介してプリンタコントローラ120およびスキャナコントローラ140と信号およびデータの授受を行う。
入力部112は、例えば、テンキーや専用の操作キー、タッチパネル等であり、ユーザの入力操作内容を取得してI/F111を介してプリンタコントローラ120やスキャナコントローラ140に出力する。この入力部112は、階調段差補正モードを操作者が実施する際にも使用される。
出力部113は、LCDやLED等が用いられ、LCDには、上記入力部112として機能するタッチパネルが重ね合わされて配設されている。出力部113は、プリンタコントローラ120やスキャナコントローラ140等からの情報を表示する。
ホストI/F160は、外部装置からの画像形成要求(印刷要求)、画像データ(印刷データ)およびマシン情報等の送受信を行う。
上記構成の制御系において、プリンタコントローラ120及びプリンタ部130は、多階調画像形成手段及び階調補正用画像形成手段としての機能も有している。例えば、プリンタコントローラ120は、プリンタ部130を介して、メモリ部122に記憶された階調補正用画像のデータに基づいて作像エンジン部101により階調補正用画像を形成するように制御する。更に、プリンタコントローラ120は、作像エンジン部101で形成された階調補正用画像の画像特性を、スキャナコントローラ140及びスキャナ部150により測定するように制御する。また、プリンタコントローラ120は、階調補正用画像の測定データに基づいて、階調特性上でスジ状の濃淡ムラが生じている階調範囲を特定する。また、プリンタコントローラ120は、その特定された階調範囲で用いられるディザマトリクスについて、そのディザマトリクスに含まれる互いに画素濃度レベル値が異なる複数種類の画素の個数配分を変更する。
次に、本実施形態に係る画像形成装置における多階調画像上の階調段差の判定について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置で用いる多値ディザ法では、ディザマトリクスを構成する各画素に設定される画素濃度レベル値の数(段階数)として、4段階(2[bit])又は16段階(4[bit])が用いられることが多い。本実施形態では、12行×16列の画素からなるディザマトリクスにおいて各画素に16段階(4[bit])の画素濃度レベル値を設定する場合について説明する。また、前述のスジ状の濃淡ムラとして視認される階調段差は画像形成装置の基本色(Y,C,M,K)いずれにおいても発生する可能性があるが、本実施形態ではC(シアン)色のトナー像において階調段差が発生した場合について説明する。
図3は、本実施形態の画像形成装置で用いられる全階調それぞれに対応する複数種類の階調画像部を含む階調段差補正用の第1の画像パターンとしてのグラデーション画像におけるスジ状の濃淡ムラである階調段差の一例を示す説明図である。このグラデーション画像は、多値4[bit]の画素濃度レベル値を有する画素を用いてディザマトリクスを構成した多値ディザ法により形成された、階調値が0〜255まで連続的に変化するシアン(C)色のグラデーション画像の例である。図中のグラデーション画像の下方に記載した数値は階調値である。グラデーション画像では明度が滑らかに変化していることが理想であるが、図3に示すグラデーション画像では、隣接する両隣の領域よりも濃く見えるスジ状の濃淡ムラである階調段差が、図中A,B及びCで示す3ヶ所の階調値のところで視認される。
一般に、画像形成装置では、入力画像の各部の階調値が互いに同じであっても、個体差や経時変化により、出力される画像の明度が異なってしまう。そこで、狙いの「階調と明度との関係」を実現・維持するために、通常、所定のタイミングで後述の階調補正を実施する。
通常の階調補正では、全階調(階調値:0〜255)からいくつかの階調値を選び、その選択した複数の階調値によるパッチ画像を並べた画像パターンからなる階調補正用画像を出力する。出力した階調補正用画像の各パッチ画像の明度(画像濃度)の測定データと元データの階調値とを照合する。そして、階調値と出力画像の明度(画像濃度)との関係が狙いの関係からずれていれば、画像出力時の階調値を変更する。例えば、画像データの階調値100に対する狙いの明度が80であるのに対して、測定した明度が85であった場合、画像データで階調値100の部分は、明度80で出力されるであろう階調値110に変更する。この階調値の変更量は、階調補正用画像に用いた各階調値と出力画像の測定データとの関係から補間して求められる。しかし、前述の図3のグラデーション画像は、階調補正を解除し、階調補正を実施しない状態で、画像データの階調値に対応するディザ設定データをそのまま出力している。解消の対象とする階調段差が、微小な階調範囲(階調領域)での明度変化であるため、上記通常の階調補正を実施しても解消されるものではなく、階調段差が生じる位置(階調値)がずれるだけである。このため、階調段差が如何なるディザ設定データで生じているかを把握するためにも、各階調値で用いているディザ設定データを知る必要がある。
図4は、図3のグラデーション画像の階調値に対する明度L*の変化を測定したグラフである。図5(a)〜(c)はそれぞれ、図4のグラフにおける領域A,B,Cの部分拡大図である。図3のグラデーション画像は、横方向に階調値が変化するが、縦方向は全て同じ階調値である。また、横方向も階調値が0〜255の計256階調であるので、例えば画像の横幅が256[mm]であれば、横方向1[mm]は同じ階調値となっている。図4及び図5のグラフは、同じ階調値の範囲で複数箇所の明度を測定し、その複数の測定値を平均化した値を用いて作成している。
図4のグラフでは、階調値が100、145、210あたりの領域に、他の領域とは明度変化の様子が異なるデータ変化の形状(凹形状)が見られる。これらの3つの領域の階調値は、図3のグラデーション画像で「濃いスジ状の濃淡ムラ」として視認される階調段差が生じている階調値とほぼ一致している。図4のグラフでは、階調値が大きくなるにつれて明度が下がっているが、明度の下がり具合が他の部分に比べて大きい部分で、グラデーション画像での濃いスジ状の濃淡ムラである階調段差が生じている。
また、図5(a)〜(c)に示すように、図4の階調段差が発生している部分を拡大して詳細に確認すると、階調値の小さい方から1番目の階調段差では93〜103の階調値の範囲(階調範囲)で他の部分よりも明度変化が大きい。同様に、2番目の階調段差は142〜154の階調値の範囲(階調範囲)で生じ、3番目の階調段差は204〜217の階調値の範囲(階調範囲)で生じている。図3のグラデーション画像では、上記3箇所の階調値の範囲それぞれで「濃いスジ状の濃淡ムラ」として視認される階調段差が生じている。
本実施形態に係る画像形成装置では、階調補正用画像としての階調段差補正用の第1の画像パターンとして、図3に示す階調画像パターンの画像データをメモリ部122に格納しており、必要に応じて、転写紙などの記録媒体上に出力することができる。そして、記録媒体上に出力された階調段差補正用の画像パターンをスキャナ部150で読み取り、画像処理によりその画像特性を測定し、図4に示すグラフのデータを取得する。図4のグラフは、画像特性として明度を求めたグラフである。ここで、画像特性の測定は、本実施形態に係る画像形成装置のようにスキャナを備えていればそのスキャナにより読み取り、RGBデータから明度に換算する。画像形成装置がスキャナを備えていなければ、画像形成装置に専用に設けた画像センサなどや、画像形成装置とは別体の測定器により画像特性を測定してもよい。
図4に示すグラフのデータから、さらに、階調段差を判定しやすくするために、図4の階調値−明度L*のデータから、図6に示すグラフのようなデータを得ることができる。図6の縦軸の値ΔL*は、着目している階調において、当該階調の明度と、当該階調よりも5階調だけ高い階調の明度及び当該階調よりも5階調だけ低い階調の明度の平均値との差を算出した階調値に対する明度の変化量(以下「明度変化量」という。)である。すなわち、任意の階調nにおける明度変化量ΔL*は、次の式(1)で求めることができる。
階調nの明度変化量ΔL*=(階調nの明度)−〔(階調n−5の明度)+(階調n+5の明度)〕/2・・・式(1)
図6からわかるように、1番目の階調段差が発生している階調範囲(図中のAの範囲)では、階調値93〜98の階調範囲の明度変化量ΔL*が、他の階調範囲の平均的な明度変化量よりもマイナス側に連続して大きくなっている。つまり、階調値93〜98の階調範囲における明度の低下量が、他の階調範囲での平均的な明度の低下量よりも大きくなっている。また、その低階調側に隣接する階調値98〜103の階調範囲では、明度変化量ΔL*が次第にプラス側に大きくなっている。つまり、階調値98〜103の階調範囲では、その直前の階調値93〜98の階調範囲で明度が大きく低下した分、他の階調範囲での平均的な明度の低下量よりも小さくなっている。同様に、2番目の階調段差が発生している階調範囲(図中のBの範囲)では、階調値142〜146の階調範囲の明度変化量ΔL*が他の階調範囲の平均的な階調変化量よりも大きくなっている。また、3番目の階調段差が発生している階調範囲(図中のCの範囲)では、階調値204〜209の階調範囲の明度変化量ΔL*が他の階調範囲の平均的な階調変化量よりも大きくなっている。以上示したように、図6の明度変化量のデータに基づき、明度変化量ΔL*が連続してマイナス側又はプラス側に大きくなっている階調範囲(明度L*が連続して1方向に変化している階調範囲)により、スジ状の濃淡ムラである階調段差を判定することができる。また、その階調範囲における明度変化量の最大値と最小値との差などにより、スジ状の濃淡ムラである階調段差を判定することができる。
次に、本実施形態の画像形成装置において多値ディザ法により多階調画像を形成するときのディザマトリクスを構成する画素に設定する画素濃度レベル値の補正について説明する。なお、以下の例では、1画素あたり画像濃度レベルを16レベル(4[bit])で表現したC色の多階調画像を形成する場合について説明する。なお、1画素あたり画像濃度レベルが16レベル以外の場合やC色以外の色の多階調画像についても同様であるので、説明を省略する。
本例では、1画素の画素濃度レベル値は0〜15の16レベル(4[bit])の範囲で設定可能である。この1画素の画素濃度レベル値は、書込みレーザー光3C(図1参照)の点灯時間を制御するための濃度レベル制御値としての露光制御PWM値によって設定することができる。すなわち、露光制御PWM値を変更することにより、1画素の画素濃度レベル値を0〜15の範囲内で変更することができる。露光制御PWM値は、6[bit]の64段階(0〜63)で設定することができる。例えば、ある画素に対する露光制御PWM値が最小値「0」の場合は、その画素に対する画素クロックの1周期においてレーザーダイオードを点灯しないよう制御される。一方、露光制御PWM値が最大値「63」の場合は、画素クロックの1周期においてレーザーダイオードを全点灯させるように制御される。
図7は、補正前の画素濃度レベル値と露光制御PWM値との関係を示すグラフである。また、表1は、補正前の画素濃度レベル値の設定データの数値例を示す一覧表である。なお、表1の「Δ」の欄は、各画素濃度レベル値における露光制御PWM値の変化量Δ(一つ前の画素濃度レベル値における露光制御PWM値からの増分)である。
ここで、露光制御PWM値の変化と画素濃度レベル値の変化とは必ずしも線形な関係ではない。特に、画素濃度レベル値が0から1まで変化する場合の濃度変化は少ない。このため、画素濃度レベル値の0から1への変化に対する露光制御PWM値の変化量Δを8として、以降は画素濃度レベル値が1上がるごとに、露光制御PWM値が4ずつ増えるように(変化量Δ=4)、露光制御PWM値を設定している。
図8(a)〜(c)は本実施形態の画像形成装置における多階調画像形成で用いるディザマトリクス(「閾値マトリクス」ともいう。)を用いた多値ディザ法により出力対象画像の各画素における画素濃度レベル値を設定していく手順の一例を示す説明図である。図8(a)〜(c)はそれぞれ、全体が同じ画像パターンからなる出力対象画像の一部分をマトリクス状に表示したものであり、その画素数は、ディザマトリクスと同じ192(=16×12)個である。図中1つのマスが1つの画素を表している。ここで、例えば画像形成装置の出力画像の解像度が600[dpi]であれば、この画素の1辺は約42[μm]である。また、図8(a)〜(c)中の各画素(マス)の中に記載されている数字は、各画素に設定されている画素濃度レベル値を表している。なお、図8はディザマトリクスを表すものではない。
図8の例では、出力対象画像の全体を有色(例えばC色)の画素で埋めていく処理が、4つのステップ1〜4に分けられている。
ステップ1が終了した図8(a)では、出力対象画像を構成する全画素のうち画素濃度レベル値が15となっている画素(以下「#15画素」という。)以外の画素は、画素濃度レベル値が0のままである。階調値が1の場合は、図8(a)の#15画素に画素濃度レベル値として1が設定され、階調値が1から上がるに従って、当該画素の画素濃度レベル値を1から上げていく。ステップ1の最後ではC色の#15画素でラインが形成され、出力対象画像の全画素の4分の1が#15画素となっている。
ステップ2では、ステップ1で形成した♯15画素からなる1本目のラインの隣に有色画素(C色画素)からなる2本目のラインを形成し、その有色画素の画素濃度レベル値を1から徐々に大きい値に置き換えていく。そして、ステップ2の最後には、図8(b)に示すように2本目のラインを構成する有色画素のすべてが♯15画素に置き換わり、出力対象画像の全画素の2分の1がC色の♯15画素となっている。
ステップ3では、ステップ2で形成した♯15画素からなる2本目のラインの隣に有色画素(C色画素)からなる3本目のラインを形成し、その有色画素の画素濃度レベル値を1から徐々に大きい値に置き換えていく。そして、ステップ3の最後には、図8(c)に示すように3本目のラインを構成する有色画素のすべてが♯15画素に置き換わり、出力対象画像の全画素の4分の3がC色の♯15画素となっている。
最後のステップ4は図示しないが、出力対象画像の全画素が♯15画素となった状態で、それが階調値が255の状態である。以上のような多値ディザ法によりC色の全256段階の階調を表現している。
図9(a)〜(d)はそれぞれ、4ビットの多値ディザ法で用いられるディザマトリクスの一例を示す説明図である。ここで、ディザマトリクス(閾値マトリクス)は、各画素濃度レベル値ごとに設けられ、各画素濃度レベル値の配置、個数などを決める閾値が設定されたマトリクスである。各画素濃度レベル値のディザマトリクスは、その画素濃度レベル値が大きい順番に、入力画像(画像形成対象の画像)の階調値とが比較される。そして、例えば、ある画素濃度レベル値のディザマトリクス中の各画素の閾値と、入力画像(画像形成対象の画像)の階調値とが比較され、階調値が閾値よりも大きい画素について当該画素濃度レベル値が設定される。また、以下の説明において、画素濃度レベル値の数値の前には「#」を付して表す。例えば、数値が1、12、13、15の各画素濃度レベル値はそれぞれ「♯1」、「♯12」、「♯13」、「♯15」と表す。また、任意の数値nの画素濃度レベル値「#n」が設定される画素については「#n画素」と表す。例えば、♯1、♯12、♯13、♯15が設定される画素はそれぞれ、「♯1画素」、「♯12画素」、「♯13画素」、「♯15画素」と表す。
4ビットの多値ディザ法の場合、各画素濃度レベル値の画素の配置、個数などを決めるディザマトリクスは15枚存在する。図9(a)〜(d)に本実施形態の多値(4[bit])ディザ法における15枚のディザマトリクスのうち、♯1、♯12、♯13、♯15に対する4枚のディザマトリクスを示している。これらのディザマトリクスを用いて多値ディザ処理を行った場合、出力対象画像の各画素における画素濃度レベル値は、例えば次の図10に示すように設定される。
図10(a)は、多値ディザ処理前の画像データが全て階調値145(全256階調中)の画像を多値ディザ処理した場合の出力対象画像の一例を示す説明図である。また、図10(b)は、階調値146の画像を多値ディザ処理した場合の出力対象画像の一例を示す説明図である。
図10(a)に示す階調値145の出力対象画像では、ステップ1で画素濃度レベル値が♯15になった画素が48個あり、♯15の画素が形成するラインの隣に、♯12及び♯13の画素が合わせて48個混在している。また、図10(b)に示す階調値146の出力対象画像では、♯12の画素が殆ど♯13の画素に変わっている。このように画像の階調値の変化により、各画素濃度レベル値の画素の構成(個数及び配置)が変わるようになっている。
図11は、ディザ処理後の階調値と各画素濃度レベル値の画素の個数との関係を示すディザ設定データが格納されたディザ設定テーブルの一例の説明図である。この図11のディザ設定テーブルは、図4及び図5に示す3つの階調段差のうち図中矢印Bで示す2番目の階調段差が生じている階調値142〜154の階調範囲についてディザ設定データが格納されている。図11では、ステップ2,3で変化が生じる画素濃度レベル値の画素しか図示しておらず、ステップ1で♯15となった48個の画素は省略している。また、図11において、図10(a)に示す階調値145は、ステップ1の画素濃度レベル値♯15:48個(不図示)、♯12:20個、♯13:28個の画素で構成されている。また、1階調上がった階調値146は、ステップ1の画素濃度レベル値♯15:48個(不図示)、♯12:4個、♯13:44個の画素で構成されている。
以上示したディザマトリクス(閾値マトリクス)を用いた多値ディザ法で処理した多階調画像を構成する各画素の画素濃度レベル値の設定について本発明者らが鋭意検討した結果、次のことがわかった。
画素に2[bit]以上の画素濃度レベル値を設定して256階調の画像を表現しようとすると、ディザマトリクスのサイズも大きくなり、同じ濃度レベル値の画素がディザマトリクスの中に複数存在するようになる。そして、256階調中のある階調値の画像濃度(明度)は、主に異なる画素濃度レベル値の画素がそれぞれ何個ずつの配分となっているかによって決まる。従って、互いに異なる画素濃度レベル値の複数の画素の個数配分を適正に決めることが重要になってくる。この各画素濃度レベル値の画素の配分が適正でないと、256階調中の数階調から十数階調の範囲で階調段差が生じる場合があることがわかった。また、画素の配置等の位置関係も階調段差に影響する場合があることもわかった。
前述の図5のグラフより、図中Bで示す2番目の階調段差で明度低下の大きくなっている階調範囲は階調値が142〜146であると判定できた。そして、図11のディザ設定テーブルと照合すると、その階調範囲では、画素濃度レベル値が♯13の画素が0→12→28→44と増えている階調値の範囲であることが分かった。従って、この階調範囲での画素濃度レベル値が♯13の画素の増加量を少なくなるようにすれば、明度の低下量が少なくなり、階調段差を低減することができることに着目した。
図12は、本発明者らが検討した結果に基づいて、図11に示した階調値と各画素濃度レベル値の画素の個数との関係において画素濃度レベル値の画素の配分を補正したディザ設定データを有するディザ設定テーブルの一例を示す説明図である。図12では、階調値の増加に伴って、画素濃度レベル値♯13の画素が0→8→16→24→32→44→48と緩やかに増えるようにしている。これは、元の階調値146の画素の構成を階調値148の画素の構成にずらすなど、元々ある画素の構成をずらしたり、その間の階調値での画素数を中間の個数に補間して設定したりする程度の変更である。このように画素濃度レベル値別の画素の個数配分を変更して導出したディザ設定テーブルにより、階調段差の要因となっている画層濃度レベル値♯13の画素の増え方が緩やかになり、図11のディザ設定テーブルを用いる場合に比して、階調段差が低減される。
ディザ設定テーブルを図11から図12のように変更するには、画素濃度レベル値が♯12、♯13、♯14、♯15、♯1のディザマトリクスを変更することになる。例えば、前述の図9(b)に示す画素濃度レベル値が♯13のディザマトリクスの場合、143、144、145、146の値が設定されている画素を、143〜148の画素となるように変更する。変更後の#13のディザマトリクス上における各数値(143〜148)の個数は、図12の♯13画素の個数の階調値間の差分となる。例えば図12のようにするには、画素濃度レベル値が♯13のディザマトリクス上で、143の画素が8個、144の画素が8個、145画素が8個、146画素が8個、147の画素が12個、148の画素が4個、合計48個の配分とする。
以上の図11及び図12の説明では、図4,5中の矢印Bで示した2番目の階調段差の低減についてのみ説明したが、1番目及び3番目の階調段差についても同様の手順でディザ設定データの変更及びディザマトリクスの変更を行う。これにより、1番目及び3番目の階調段差についても低減することができる。
なお、本実施形態に係る画像形成装置では、図12に示した変更後のディザ設定データもメモリ部122に格納している。そして、図5に示すグラフのデータから判定した階調段差が発生した階調範囲と、その階調段差の要因となっている画素濃度レベル値とから、ディザ設定データの変更及びディザマトリクスの修正を行う。
図13は、互いに階調値が異なる複数種類の階調画像部を含む階調補正用画像としての階調段差補正用の第2の画像パターンの一例を示す図である。図13に示す画像パターンでは、用いるディザ設定データのステップ数に応じて4列(A列〜D列)、各列に画素濃度レベル値の数に応じた16個のパッチ画像が並べてある。A列(ステップ1)の画像濃度レベル値が「0」のパッチ画像は有色の画素は無く、転写紙など記録媒体の地肌のままである。また、B列、C列及びD列それぞれの画像濃度レベル値が「0」のパッチ画像は、その前の列(図中左側の列)の画素濃度レベル値が「15」(最大濃度レベル)のパッチ画像と同じである。例えば、B列の画像濃度レベル値が「0」のパッチは、A列の画素濃度レベル値が「15」のパッチ画像と同じである。
図14は、図13中のA列(ステップ1)における4つの画素濃度レベル値(15、14、2、1)それぞれに対する階調画像部としてのパッチ画像の画素構成の一部を詳細に示す説明図である。ここで、パッチ画像中の数字が付されているマス目は画素を表し、そのマス目中の数字は画素の濃度レベルを表している。例えば、「0」は紙白(地肌)の最小濃度レベルを表し、「15」は最大濃度レベルを表している。図14において、A列のパッチ画像は、用いるディザ設定データのステップ1で画素濃度レベル値を徐々にではなく、一斉に入れ替えた画素構成になっている。
また、図15は、図13中のC列(ステップ3)における4つの画素濃度レベル値(14、13、2、1)に対する階調画像部としてのパッチ画像の画素構成の一部を詳細に示す図である。図15においても、パッチ画像中の数字が付されているマス目は画素を表し、そのマス目中の数字は画素の濃度レベルを表している。C列のパッチ画像は、用いるディザ設定データのステップ3で画素濃度レベル値を一斉に入れ替えた構成にしている。また、ステップ1及びステップ2で画素濃度レベル値を上げていった画素は最終の画素濃度レベル値である♯15で固定している。また同様に、B列(ステップ2)及びD列(ステップ4)についても、その前のステップで画素濃度レベル値を上げた画素は画素濃度レベル値を♯15に固定している。画素濃度レベル値を変える画素については、画素濃度レベル値を一斉に入れ替えた画素構成のパッチ画像を配置している。
図13〜15に示した階調補正用画像は、スクリーン角、線数などのディザ設定の構成は、多値ディザ処理で用いるディザ設定テーブルのままとした。本来であれば階調数を稼ぐために、各ステップで画素濃度レベル値を徐々に入れ替えていくところを、一斉に入れ替えることで、用いるディザ設定テーブルにおける“画素濃度レベル値による明度変化”を把握することを狙っているものである。すなわち、図13〜15に示した階調補正用画像は、互いに階調値が異なる複数種類の階調画像部を含む。そして、その複数種類の階調画像部はそれぞれ、最大画素濃度レベル値(15)が設定される第1の画素としての#15画素と、最小画素濃度レベル値(0)が設定される第2の画素として#0画素とを含んでいる。そして、上記複数種類の階調画像部はそれぞれ、#15画素と、#0画素と、最大画素濃度レベル値と最小画素濃度レベル値との間の画素濃度レベル値が設定される第3の画素としての#1画素〜#14画素のいずれか一種類の画素によって構成されている。ここで、前記第3の画素(#1画素〜#14画素)は、その画素を含む階調画像部内では同一の画素濃度レベル値が設定され、前記複数種類の階調画像部間では画素濃度レベル値が1レベルずつずらして設定されている。
なお、本実施形態に係る画像形成装置では、階調段差補正用の第2の画像パターンとして、図13に示す画像パターンの画像データをメモリ部122に格納しており、必要に応じて、転写紙などの記録媒体上に出力することができる。
図16は、図13に示す階調段差補正用の第2の画像パターンを転写紙などの記録媒体に出力し、その出力画像の画像特性を測定した結果を示すグラフである。画像特性の測定は、上述した図5のグラフのデータを得た場合と同様である。つまり、各パッチ画像の明度を測定し、各ステップで画像濃度レベル値が「0」のパッチ画像からの差分ΔL*を求めている。表2は図16に示すグラフの元の数値を示したものである。
図16及び表2に示すように、各ステップごとに、画素濃度レベル値の明度変化への影響が異なっていることが分かる。ステップが上がり、既存の画素濃度レベル値が♯15の画素が多いほど、画素濃度レベル値による明度変化が少なくなっている。また、ステップ2,3では、画素濃度レベル値が♯12→♯13での明度変化が他の場合に比べて大きくなっている。これが、図4〜6の矢印B及びCで示した2番目、3番目の階調段差が生じている要因となっている。図11及び図12を用いて説明したように、図16のデータからも、ステップ2,3では、画素濃度レベル値が♯13の画素の増加量を少なくする必要があることが分かる。
本実施形態に係る画像形成装置では、図13で示した階調段差補正用の第2の画像パターンの階調画像データをメモリ部122に格納し、必要に応じて、転写紙などの記録媒体上に出力し、出力した画像の明度変化を測定して図16のグラフのデータを求めてもよい。この場合、ステップ毎に、各画素濃度レベル値のパッチ画像それぞれについて、その前の画素濃度レベル値のパッチ画像との明度差を求め、その明度差が所定量以上となっている画素濃度レベル値を階調段差の要因となると判定する。その後、ディザ設定テーブルにおいて、その画素濃度レベル値の個数とその前後の画素濃度レベル値の画素の個数について、階調段差の要因となる画素濃度レベル値の影響が少なくなるように画素の個数配分を決定し、ディザマトリクスを変更する。
図17は、図16のグラフのデータに基づいて階調段差を低減するディザ設定データを算出した結果を有するディザ設定テーブルの一例を示す説明図である。図16のグラフのデータから階調段差の要因となる画素濃度レベル値を特定し、その特定した画素濃度レベル値を用いるディザマトリクスについてディザ設定データを変更することで階調段差を低減可能である。しかし、図16のグラフのデータにおいて、他の部分よりも明度変化の大きくなっている画素濃度レベル値の画素を用いる階調範囲であっても階調段差が生じない場合もありえる。元々のディザ設定データで、その画素濃度レベル値の画素の増え方が緩やかになっている場合である。
そこで、本実施形態に係る画像形成装置では、図11に示すディザ設定テーブルのように、ディザ処理後の階調値と画素濃度レベル値の画素数との関係を示す図17ディザ設定データをメモリ部122に格納してもよい。この場合、メモリ部122に格納されたディザ設定データと、図16に示すグラフのデータとを合わせて用いることで、より正確に階調段差を低減することができる。
図16及び表2の各画素濃度レベル値による明度低下量は、本実施形態の場合、48個の画素による効果であるので、48で割ると、画素濃度レベル値の変化による“1画素当りの明度低下量”と考えられる。この1画素当りの明度低下量と、各階調値での画素濃度レベル値の画素数を掛け合わせることにより、その階調値での明度を算出することができる。具体的には、転写紙などの記録媒体(画像形成媒体)の明度を94と仮に設定した場合、例えば、図11の階調値145の明度は、次の式(2)で算出される(図11及び表2を参照)。
階調値145の明度=94+(ステップ1_♯15の明度低下量)×48+(ステップ2_♯12の明度低下量)×20+(ステップ2_♯13の明度低下量)×28
=94+(−18.2/48)×48+(−10.5/48)×20+(−12.1/48)×28
=64.37・・・式(2)
上記式(2)のような計算を全256階調について行ない、階調値と明度との関係を求める。この計算による明度変化と、図4に示すグラフのような256階調の画像の測定による明度変化とを比較すると、絶対値の違いはあるが、階調段差となっている明度変化部分の形状も含め、階調に対する明度変化は同様になっている。従って、この計算による明度データについて、図4のグラフのデータから図6のグラフのデータを求めたのと同じ処理を行う。これにより、全階調(256階調)の画像を出力して画像特性を測定した場合と同様に、階調段差の生じている階調範囲、及びその階調段差の要因となっている画素濃度レベル値を判定することができる。
さらに、階調段差が生じている階調範囲についてディザ設定データを修正しようとする場合、前述の2番目の階調段差が生じている部分では、階調値142と階調値154との間の関係を所定の関係(例えば、線形の関係)にして上記修正を行ってもよい。つまり、階調値142と階調値154との2点間を補間して、各階調値における目標の明度を算出して設定することができる。具体的には、上記式(2)で算出された階調値145の明度(64.37)を目標明度の値に置き換える。そして、画素濃度レベル値が♯12の画素数20と♯13の画素数28とを未知数とし、その値を振って計算を繰り返せば、目標明度に最も近くなる画素濃度レベル値が♯12と♯13とのそれぞれの画素数の個数配分を算出することができる。このようにして求めた階調値142から階調値154の範囲のディザ設定が図17に示す図である。図17に示す画素濃度レベル値別の画素数の配分となるように、対象となるディザマトリクスを変更することで、階調段差を低減することが可能となる。
なお、上記階調段差を低減するためのディザ設定データの補正は、画像形成装置の操作者が各工程を実施するようにしてもよい。また、操作者が、画像形成装置のユーザーインターフェース画面等の入力手段で階調段差補正モードの実施を選択した後は、画像形成装置が自動で行うように構成することも可能である。
図18は、図3に示した階調段差補正用の第1の画像パターンを用いた場合の階調段差の補正手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図18において、階調段差補正モードを開始すると、階調段差補正用の第1の画像パターンである全階調グラデーション画像(図3参照)からなる階調補正用画像が出力される(S101)。そして、出力された階調補正用画像をスキャナ等で読み込み、画像特性の測定を行う(S102)。次に、測定した画像特性のデータについてデータ処理を行い(S103)、修正すべき階調段差が有るか否かの判断を行う(S104)。ここで、修正すべき階調段差が無い場合には階調段差補正モードを終了する(S104でNo)。一方、修正すべき階調段差がある場合(S104でYes)、予め格納しているディザ設定データとの照合を行う(S105)。そして、修正対象となる階調範囲について画素濃度レベル値別の画素の個数配分の修正を行い(S106)、変更対象となる階調範囲で用いられるディザマトリクス中の閾値の修正を行う(S107)。階調段差が解消されていることを確認するために、上記S101のステップに戻り、再度、階調段差補正用の第1の画像パターンである全階調グラデーション画像からなる階調補正用画像を出力し、S102〜S104の処理を行う。
なお、上記S101,S102の処理を操作者が行う場合には、所定種類の転写紙等の記録媒体上に画像を形成させ、前述のスキャナ部150などの画像特性測定手段を用いて画像特性を測定する。画像形成装置が複写機や複合機であれば、その機器自体が備えているスキャナ部で転写紙などの記録媒体上の画像を測定できる。また、階調補正用画像としての階調段差補正用の画像パターンを転写紙などの記録媒体に転写する前に中間転写ベルト上に画像を形成する中間転写方式の画像形成装置の場合には、上記S101,S102の処理を自動的に行う構成とすることもできる。つまり、中間転写ベルトに対向させた光センサや撮像素子などの画像特性測定手段を設けておき、中間転写ベルト上に形成した階調補正用画像の画像特性を測定すれば、上記S101,S102の処理を自動化でき、操作者の手間を低減することができる。
図19は、図13に示した階調段差補正用の第2の画像パターンを用いた場合の階調段差の補正手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図19において、階調段差補正モードを開始すると、階調段差補正用の第2の画像パターンである画素濃度レベル値による画像特性変化確認用画像(図13参照)からなる階調補正用画像が出力される(S201)。そして、出力された階調補正用画像を、前述のスキャナ部150等の画像特性測定手段で読み込み、画像特性の測定を行う(S202)。次に、測定した画像特性のデータに基づき、予め格納しているディザ設定データと合わせて全階調画像特性を算出する(S203)。そして、算出した全階調画像特性のデータについてデータ処理を行い(S204)、修正すべき階調段差が有るか否かの判断を行う(S205)。ここで、修正すべき階調段差が無い場合には階調段差補正モードを終了する(S205でNo)。一方、修正すべき階調段差がある場合(S205でYes)、修正対象となる階調の目標画像特性の設定を行う(S206)。そして、修正対象となる階調範囲について画素濃度レベル値別の画素の個数配分の修正を行い(S207)、変更対象となる階調範囲で用いられるディザマトリクス中の閾値の修正を行う(S208)。階調段差が解消されていることを確認するために上記ステップS201に戻り、再度階調段差補正用の第2の画像パターンである画素濃度レベル値による画像特性変化確認用画像からなる階調補正用画像を出力し、S202〜S205の処理を行う。
なお、以上の説明では、画像測定時の特性として明度L*を用いていたが、色によっては、CIE(国際照明委員会)が規定したCIE1976(L*a*b*)表色系のL*a*b*を用いたり、色差ΔEなどを用いたりしてもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
多階調の入力画像の画像データに基づいて、複数の画素濃度レベル値を切り替えて設定可能な画素を用いて階調を表現する多値ディザ法により画像を形成する作像エンジン部101などの多階調画像形成手段を備えた画像形成装置100であって、階調段差補正用の第1の画像パターンや第2の画像パターンなどの階調補正用画像のデータを記憶するメモリ部122などの階調補正用画像データ記憶手段と、前記多階調画像形成手段で形成された画像の画像特性を測定するスキャナ部150などの画像特性測定手段と、前記階調補正用画像データ記憶手段に記憶された階調補正用画像のデータに基づいて前記多階調画像形成手段により階調補正用画像を形成し、その階調補正用画像の画像特性を前記画像特性測定手段により測定し、階調補正用画像の測定データに基づいて、階調特性上で濃淡ムラが生じる階調範囲を特定し、その特定された階調範囲で用いられる画像濃度レベル値及びその前後の画像濃度レベル値それぞれのディザマトリクス(閾値マトリクス)を変更するプリンタコントローラ120などの制御手段と、を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、多階調の入力画像の画像データに基づいて多値ディザ法により画像を形成する多階調画像形成手段により、階調補正用画像を形成する。この階調補正用画像の画像特性を測定した測定データに基づいて、階調特性上で濃淡ムラが生じる階調範囲を特定している。この特定された階調特性上で濃淡ムラが生じる階調範囲で用いられる画像濃度レベル値及びその前後の画像濃度レベル値それぞれのディザマトリクスを変更する。このように変更されたディザマトリクスを用いることにより、上記階調範囲における濃淡ムラを解消できる。従って、上記階調範囲を含む多階調の入力画像の画像データに基づき多値ディザ法を用いて多階調の画像を形成するときの濃淡ムラを低減することができる。
(態様B)
上記態様Aにおいて、前記制御手段は、前記特定された階調範囲で用いられる画像濃度レベル値及びその前後の画像濃度レベル値それぞれのディザマトリクスについて、複数の画素濃度レベル値別の画素の個数配分を変えるように変更する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、複数の画素濃度レベル値別の画素の個数配分を変えるというディザマトリクスの簡単な変更処理で、上記階調範囲における濃淡ムラを解消できる。
(態様C)
上記態様A又はBにおいて、前記階調補正用画像は、当該画像形成装置で用いられる全階調それぞれに対応する複数種類の階調画像部を含む画像であり、ディザ処理後の階調値と各画素濃度レベル値の画素の数との対応関係を示すディザ設定データを記憶するメモリ部122などのディザ設定データ記憶手段を備え、前記制御手段は、前記階調補正用画像の測定データに基づいて特定された階調範囲と、前記ディザ設定データとに基づいて、変更対象の画素濃度レベル値のディザマトリクスを選択し、その選択したディザマトリックを変更する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、前記階調段差などの生じている階調範囲を正確に特定できるとともに、その階調範囲で階調段差の要因となっている画素の濃度レベル値を特定して修正対象の画素濃度レベル値のディザマトリクスを選択することができる。従って、前記階調範囲における濃淡ムラを確実に且つ効率的に低減することが可能となる。
(態様D)
上記態様A又はBにおいて、前記階調補正用画像は、互いに階調値が異なる複数種類の階調画像部を含む画像であり、前記複数種類の階調画像部はそれぞれ、最大画素濃度レベル値が設定される#15画素などの第1の画素と、最小画素濃度レベル値が設定される#0画素などの第2の画素と、最大画素濃度レベル値と最小画素濃度レベル値との間の画素濃度レベル値が設定される#1画素〜#14画素などの第3の画素とによって構成され、前記第3の画素は、前記階調画像部それぞれの中では同一の画素濃度レベル値が設定され、前記複数種類の階調画像部間では画素濃度レベル値が1レベルずつずらして設定され、前記制御手段は、前記階調補正用画像の測定データに基づいて、画素濃度レベル値の変化に対する明度、濃度又は色特性の変化が他と所定量以上異なる画素濃度レベル値を階調段差の要因となる画素濃度レベル値と判定し、該画素濃度レベル値とその前後の画素濃度レベル値それぞれのディザマトリクスを変更する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、階調補正用画像において、最大画素濃度レベル値と最小画素濃度レベル値との間の画素濃度レベル値が設定される第3の画素は、階調画像部それぞれの中では同一の画素濃度レベル値が設定されている。また、この第3の画素は、複数種類の階調画像部間では画素濃度レベル値が1レベルずつずらして設定されている。この設定により、最大画素濃度レベル値が設定される第1の画素及び最小画素濃度レベル値が設定される第2の画素以外の第3の画素については、階調補正用画像内で、互いに異なる画素濃度レベル値の画素が混在することがない。従って、ディザマトリクスを用いた多値ディザ処理によって各画素濃度レベル値を設定していく過程すなわちディザの成長過程における画素濃度レベル値による明度変化、濃度変化又は色特性変化を容易に把握することができる。そして、この階調補正用画像の測定データに基づいて、画素濃度レベル値の変化に対する明度、濃度又は色特性の変化が他と所定量以上異なる画素濃度レベル値を階調段差の要因となる画素濃度レベル値と判定することができる。このように前記階調補正用画像の測定データに基づいて階調段差の要因となる画素濃度レベル値を特定することが容易になる。また、その階調段差の要因となる画素濃度レベル値を特定する処理は、最小の画素濃度レベル値(0レベル)を省いた画素濃度レベル値の数(画素濃度レベル値が4ビットの場合は15個)の数倍の数の明度、濃度又は色特性を測定(又は演算)する程度の処理で済む。
(態様E)
上記態様Dにおいて、ディザ処理後の階調値と各画素濃度レベル値の画素の数との対応関係を示すディザ設定データを記憶するメモリ部122などのディザ設定データ記憶手段を備え、前記制御手段は、前記階調補正用画像の測定データに基づいて特定された階調範囲と、前記ディザ設定データとに基づいて、前記特定された階調範囲における画素濃度レベル値別の画素の数の配分を決定し、前記特定された階調範囲で用いられる画像濃度レベル値及びその前後の画像濃度レベル値それぞれのディザマトリクスを変更する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、階調補正用画像の測定データに基づいて特定された階調範囲とディザ設定データとに基づいて、全階調にわたる明度変化(又はカラー画像の場合は色特性)を算出できる。この全階調にわたる明度変化(又はカラー画像の場合は色特性)に基づいて、前記濃淡ムラが生じている階調範囲を特定するとともに、その特定された階調範囲における画素濃度レベル値別の画素の数の配分を決定してディザマトリクスを変更できる。従って、全階調における濃淡ムラを確実に低減することができる。