JP6424390B2 - 鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置 - Google Patents
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Description
また、ナビゲーション装置等の情報を運転者に伝える手段として、左右の膝で挟み込む燃料タンクの側面部分等に振動子を設置するものがある(例えば特許文献2参照)。
この構成によれば、路面状況の変化等から路面グリップが低下する虞があると判断されるとき、電子制御式ステアリングダンパーの減衰力を低下させて運転者に路面グリップが低下したかのような印象を擬似的に与えることで、前もって運転者にニーグリップを促す警告を行うことができる。
なお、本発明の鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いでニーグリップした状態で乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
この構成によれば、路面状況の変化等から路面グリップが低下する虞があると判断されるとき、乗車中の運転者の下半身が接する車両構成部品を振動させることで、前もって運転者にニーグリップを促す警告を行うことができる。また、一箇所の車両構成部品のみを振動させるのに比べて、より早く運転者に警告を伝えることができる。
この構成によれば、乗車中の運転者の下半身が接する車両構成部品としてシート、ステップ、車体カバーの少なくとも何れか一つを振動させることで、より明確に運転者に警告を与えることができる。また、ニーグリップに必要な車体構成部品を振動させることで、ニーグリップを直接的に意識させることができる。
この構成によれば、アンチロック・ブレーキ・システム(Antilock Brake System:ABS)のABSモジュレータのモータを警告手段の振動源として利用することで、新たな振動源の一つとしてABSモジュレータのモータを共用してコストダウンを図ることができる。
この構成によれば、路面グリップ低下の虞の判断が継続している間は、運転者の認識の低下を防ぎ、運転者に慎重な運転を促すことができる。
この構成によれば、路面グリップ低下の虞の判断が解消したときは、速やかに運転者に通常の運転への復帰を促し、運転者の負荷を軽減することができる。
この構成によれば、路面グリップが低下する虞があるか否か(特に路面が凍結しているか否か)の判断が不要な外気温(たとえば10℃以上)のときは、路面グリップ低下判断のプロセスを無くし、制御手段の簡略化を図ることができる。
この構成によれば、路面の輝度及び色彩等から路面の摩擦係数が低下する虞があるか否かを判断することで、路面状況に応じて路面グリップの低下の虞を運転者に警告することができる。
この構成によれば、対向車のワイパー作動の検出度合いから降雨状態を認識し、路面の摩擦係数が低下する虞があると判断することで、路面状況から摩擦抵抗の低下の虞を判断するよりも早く、路面グリップの低下の虞を運転者に警告することができる。
この構成によれば、路面に部分的な低摩擦係数の要素があるときにも、路面グリップの低下の虞を運転者に警告することができる。
この構成によれば、タイヤの表面温度を直接測定することなく、タイヤの温度が低い状況で路面グリップが低下する虞があると判断される状況であることを、運転者に警告することができる。
この構成によれば、タイヤの表面温度を直接測定することなく、タイヤの温度が低い状況で路面グリップが低下する虞があると判断される状況であることを、運転者に警告することができる。
この構成によれば、運転者の触覚に対する警告に加えて、音声による聴覚に対する警告を行うことで、より確実に運転者に路面グリップの低下の虞を警告することができる。
この構成によれば、運転者の触覚に対する警告に加えて、ヘルメット内のスピーカーから音声を出力させることでも警告を行うことで、より確実に運転者に路面グリップの低下の虞を警告することができる。
図1に示す自動二輪車(鞍乗り型車両)1において、その前輪2は左右一対のフロントフォーク3の下端部に軸支される。左右フロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して車体フレーム5の前端部のヘッドパイプ6に操向可能に枢支される。自動二輪車1の後輪7は、車体後部下側で前後に延びるスイングアーム8の後端部に軸支される。スイングアーム8の前端部は、車体フレーム5の前後中間部のピボット部9に上下揺動可能に枢支される。
エンジン10の上方には燃料タンク13が配置され、燃料タンク13の後方にはシート14が配置される。車体前部には車体フレーム5に支持されたフロントカウル15が装着される。フロントカウル15の前部上側にはスクリーン16が設けられる。フロントカウル15の内側にはメータ装置17が配置される。図中符号Jは自動二輪車1の運転者、符号14aは運転者Jの脚を載せるステップ、符号14bは車体中央側部を覆うサイドカバー(車体カバー)をそれぞれ示す。
撮影装置24は、例えば車体前端部(自動二輪車1ではフロントカウル15の前端部)に設けられて車両前方の撮像領域を撮像するCCDカメラ等の車載カメラ24aと、制御手段23に設けられて車載カメラ24aが撮像した画像に適宜の画像処理を行なって所望の画像データを生成する画像処理部24cと、を備える。
振動警告装置22は、乗車中の運転者Jの下半身が接する車両構成部品に近接又は支持される振動機31を備える。
図1を参照し、振動機31は、シート14又はその近傍に配置されてシート14の座面上の運手者に振動を伝える第一振動機35a、ステップ14a又はその近傍に配置されてステップ14a上の運転者Jの脚Rに振動を伝える第二振動機35b、ニーグリップ位置にある車体カバー又はその近傍に配置されて車体カバーに接する運転者Jの脚Rに振動を与える第三振動機35c、ニーグリップ位置にある燃料タンク13(タンクカバー及びダミータンクを含む)又はその近傍に配置されて燃料タンク13に接する運転者Jの脚Rに振動を与える第四振動機35d、の少なくとも一つを備える。
振動警告装置22は、乗車中の運転者Jの下半身が接する車両構成部品(燃料タンク13、シート14、ステップ14a、サイドカバー14b等)の左右それぞれの複数個所を、複数の振動機31によって振動させて警告を行う。具体的に、振動警告装置22は、複数の振動機31をそれぞれ左右一対のセットとして、前記セットを複数同時若しくは振動個所を順次変更して警告を行う。
表示部18には、車速メータ51及びタコメータ52が左右に並び、その左右外側に燃料計53及び水温計54が配置される。これらは指針を回動させて目盛を指し示すアナログ式とされる。車速メータ51及びタコメータ52の間にはインジケータランプ群55が配置され、インジケータランプ群55の上方には情報表示部56が配置される。
なお、メータ装置17は、アナログ式の車速メータ51及びタコメータ52等を備えるものに限らず、数値を文字表示したり複数のセグメントを配列したバー表示の長さを増減させたりするデジタル式の車速メータ51及びタコメータ52等を備えるものであってもよい。
なお、タイヤ状況判断部28は、エンジン温度に基づく警告作動の他、例えばエンジン停止を伴う停車から所定時間の経過後、あらためてエンジンを始動して走行を開始したときに、エンジン始動後から所定時間が経過するまで、あるいはエンジン始動後から所定距離を走行するまでは、タイヤの摩擦係数が低下する虞があると判断して、例えば第二インジケータランプ58による警告を行うという構成でもよい。
まず、自動二輪車1のメインスイッチのオン操作に伴い、路面グリップ警告(μ(摩擦係数)低下警告)の処理を開始する。次いで、ステップS11では、自動二輪車1が走行中か否かの判定を行う。ステップS11でYESになると、ステップS12で路面グリップの検出を行う。路面グリップの検出は、車載カメラ24aで車両前方の撮像領域を撮影するとともに、撮影した画像を画像処理することで行う。
まず、自動二輪車1のメインスイッチのオン操作に伴い、路面グリップ警告の処理を開始し、ステップS21で自動二輪車1が走行中か否かの判定を行い、自動二輪車1が走行中であれば(ステップS21でYES)、ステップS22で外気温の検出を行う。すなわち、外気温センサ25から現在の検出データを取得する。
外気温が低い状況では、タイヤが冷えて路面グリップの低下の虞が生じ易いので、その間は第一インジケータランプ57による警告を運転者Jに与え続けることで、運転者Jに慎重な運転を促すことができる。第一インジケータランプ57による警告は、振動等による触覚に対する警告と比べて煩わしさが少なく、かつ電力消費も抑えられるため、継続的な警告に向いている。
ここで、ステップS23でNOの場合(外気温が閾値以上)、特に路面Sが凍結しているか否かの判断は不要といえるので、路面グリップの低下判断プロセスであるステップS25〜S27を行わずに処理を終了する構成としてもよい。
また、振動警告装置22は、鞍乗り型車両が備えるABSモジュレータ42のモータを空転させて振動を発生させることも可能であり、新たな振動源の一つとしてABSモジュレータ42のモータを共用することでコストダウンを図ることができる。
また、制御手段23が、車載カメラ24aで撮影された車両前方の画像を画像処理することによって、路面Sの輝度及び色彩等の変化から、進行方向の路面Sの摩擦係数が低下する虞があると判断することができ、路面状況に応じて路面グリップの低下の虞を運転者Jに警告することができる。
このとき、車載カメラ24aで撮影された車両前方の画像を画像処理することによって、路面Sのペイント標示及びマンホール蓋の少なくとも一つのパターンを認識したとき、進行方向の路面Sの摩擦係数が低下する虞があると判断することもでき、路面Sに部分的な低摩擦係数の要素があるときにも路面グリップの低下の虞を運転者Jに警告することができる。
このように、制御手段23が、車載カメラ24bで撮影された車両前方の画像を画像処理することによって、対向車のワイパー作動を検出し、対向車のワイパー作動の検出度合いに応じて、進行方向の路面Sの摩擦係数が低下する虞があると判断することで、路面状況から摩擦抵抗の低下の虞を判断するよりも早く、路面グリップの低下の虞を運転者Jに警告することができる。なお、車両間の通信手段を用いて、対向車から温度、天候の情報、あるいはABS、TCS(Traction Control System:トラクションコントロールシステム)の作動情報等を入手する構成としてもよい。制御手段23は、車載カメラ24a,24bの少なくとも一方で撮影された車両前方の画像から、進行方向の路面Sの摩擦係数が低下する虞があると判断する構成でもよい。
図7を参照し、左右フロントフォーク3の上端部間に渡るトップブリッジ4aの後方には、運転者Jが把持するハンドル4bを含めた前輪操舵系に減衰力を付与するステアリングダンパー43が配置される。
ステアリングダンパー43は、平面視扇状の油室44内に揺動可能なベーン45を配置し、ベーン45の揺動時に生じる油室44内の作動油の流動抵抗を減衰力として用いる油圧ロータリ式とされる。ベーン45の基部にはリンク機構46を介してトップブリッジ4aが連結される。
ステアリングダンパー43は、その減衰力を変化させる電子制御式の油圧制御回路47を備えている。油圧制御回路47は、ECU等の制御部48aによりソレノイドバルブ48を駆動して開閉させる。図中符号49aは作動油の流動方向を一方向に規制する複数のチェックバルブ、符号49bは過大な油圧を逃がすリリーフバルブ、符号49cは回路内の油圧を安定させるアキュムレータをそれぞれ示す。
これに対し、自動二輪車1の中車速以上時には、ソレノイドバルブ48が閉状態となる。このとき、油圧制御回路47では作動油が流通せず、ベーン45の揺動時に生じる減衰力ひいては操舵系に付与される減衰力が増加する。
また、上記実施形態の振動警告装置22、ダンパー警告装置122、音声警告装置32及び表示警告装置33は、択一的に作動させるのみならず、複数種を同時に作動させてもよい。また、路面の状況(雨、未舗装路、ペイント、鉄板、凍結等)に応じて段階的にステアリングダンパーの減衰力を低下させる構成でもよい。
本発明の鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いでニーグリップした状態で乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 エンジン
13 燃料タンク(車両構成部品)
14 シート(車両構成部品)
14a ステップ(車両構成部品)
14b サイドカバー(車両構成部品)
20 路面グリップ警告装置
21 周辺状況検出手段
22A 警告手段
22 振動警告装置
23 制御手段
24a,24b 車載カメラ
25 外気温センサ(外気温検出手段)
31 振動機
32 音声警告装置(音声警告手段)
32a スピーカー
42 ABSモジュレータ
43 電子制御式ステアリングダンパー
122 ダンパー警告装置
Claims (14)
- 運転者に路面グリップの低下の虞を警告する鞍乗り型車両(1)の路面グリップ警告装置(20)において、
車両周辺状況を検出する周辺状況検出手段(21)と、
運転者の触覚に対する警告を行う警告手段(22A)と、
前記周辺状況検出手段(21)の検出結果に応じて前記警告手段(22A)を作動させる制御手段(23)と、を備え、
前記警告手段(22A)は、鞍乗り型車両(1)が備える電子制御式ステアリングダンパー(43)の減衰力を低下させて警告を行うダンパー警告装置(122)を備えることを特徴とする鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。 - 前記警告手段(22A)は、乗車中の運転者の下半身が接する車両構成部品(13,14,14a,14b)の左右それぞれの複数個所を、複数の振動機(31)によって振動させて警告を行う振動警告装置(22)を備え、
前記振動警告装置(22)は、前記複数の振動機(31)をそれぞれ左右一対のセットとして、前記セットを複数同時若しくは振動個所を順次変更して警告を行うことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。 - 前記振動警告装置(22)は、前記車両構成部品として鞍乗り型車両が備えるシート(14)、ステップ(14a)、車体カバー(14b)及び燃料タンク(13)の少なくとも何れか二つ以上を振動させて警告を行うことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
- 前記振動警告装置(22)は、鞍乗り型車両(1)が備えるABSモジュレータ(42)のモータを空転させて振動を発生させることでも警告を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
- 前記制御手段(23)は、路面グリップが低下する虞があるとの判断が継続している期間中は、前記警告手段(22A)による運転者への警告を連続的又は間欠的に継続することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
- 前記制御手段(23)は、路面グリップが低下する虞があるとの判断が解消したときは、前記警告手段(22A)による運転者への警告を解除することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
- 前記周辺状況検出手段(21)は、外気温を検出する外気温検出手段(25)を備え、
前記制御手段(23)は、所定の外気温を閾値として、前記外気温検出手段(25)の検出結果が前記閾値以上のときは、路面グリップが低下する虞があるか否かの判断を停止とすることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。 - 前記周辺状況検出手段(21)は、車両前方を撮影する車載カメラ(24a,24b)を備え、
前記制御手段(23)は、前記車載カメラ(24a,24b)で撮影された車両前方の画像を画像処理することで、進行方向の路面の摩擦係数が低下する虞があるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。 - 前記制御手段(23)は、前記車載カメラ(24b)で撮影された車両前方の画像を画像処理することで、対向車のワイパー作動を検出し、対向車のワイパー作動の検出度合いに応じて、進行方向の路面の摩擦係数が低下する虞があると判断することを特徴とする請求項8に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
- 前記制御手段(23)は、前記車載カメラ(24a)で撮影された車両前方の画像を画像処理することで、路面のペイント標示及びマンホール蓋の少なくとも一つのパターンを認識したとき、進行方向の路面の摩擦係数が低下する虞があると判断することを特徴とする請求項8に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
- 前記制御手段(23)は、鞍乗り型車両(1)のエンジン停止を伴う停車から所定時間の経過後、あらためてエンジン(10)を始動して走行を開始したとき、所定時間が経過するまで、又は所定距離を走行するまで、運転者に警告を行うことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
- 前記制御手段(23)は、鞍乗り型車両(1)のエンジン停止を伴う停車から所定時間の経過後、あらためてエンジン(10)を始動して走行を開始したとき、エンジン温度が所定温度以上に上昇するまで、運転者に警告を行うことを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
- 運転者に音声による警告を行う音声警告手段(32)をさらに備え、
前記制御手段(23)は、前記周辺状況検出手段(21)の検出結果に応じて前記音声警告手段(32)を作動させることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。 - 前記音声警告手段(32)は、運転者が着用するヘルメットに内蔵されるスピーカー(32a)から音声を出力させることを特徴とする請求項13に記載の鞍乗り型車両の路面グリップ警告装置。
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