JP6422840B2 - 空気流入逆止弁 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物内において空気を循環させるための空気流通層を装備した建造物内空気流通機構に用いる空気の流入逆止弁であって、空気流通層内に空気を導入流入させるとともに空気の排出逆流を防ぐ空気流入逆止弁に関する。
従来より、建造物内の空調設備に供される機器として、夏季はクーラー等の冷房装置が、冬季はストーブ、エアコン、ガスヒーターや、温水等を用いた床下暖房機器等の暖房装置が広く使用されており、居住空間の快適性が高まっている。
また、快適性とともに経済性を追求するため、建造物内全体の温度や湿度等を自動的に管理することにより、建造物内の空調を一元管理するシステムが普及している。
例えば、特開2013−235322号公報では、建物内の居住環境の最適化および環境負荷の軽減を図ることを目的として、ホストサーバが、温湿度センサの検出した屋外の温度と、住宅の消費電力量が、消費電力量マップの所定の範囲にあるか否かを判定し、この判定に基づいて住宅の屋外に面した窓を覆うブラインドやガラス戸の開閉の要否を決定する技術が開示されている。ここでは、サーバがセンサ等から送信される情報を基に判断して住宅内の温度調整を行っている。
近年、環境に配慮した製品やサービスを提供する必要性が各種業界において要求されており、住宅関連業界にもその風潮がある。需要者の意識も高いため、環境に配慮した省エネ型の建造物内の空調設備に関する技術の開発は急務といえる。前記特開2013−235322号公報で開示されている技術は、住居内の温度管理をシステム的に自動化させることで、居住空間の快適性および経済性を高めており、環境に対する負荷を軽減したものであるが、システムを稼働させるためには電気が必ず必要となるため、環境に対する負荷は必ずしもゼロにはならないという意味では環境に完全に配慮したものとはいえないという問題点があった。
本発明の出願人は、特許第317933号(特開平10−325585号)の特許権者であり、かつ、特許第4314408号(特開2006−46669号)および特許4947746号(特開2012−219476号)の発明者および特許権者でもある。
特許第317933号(特開平10−325585号)には、建造物内に2重壁による空気を流通させる空間を設け、外壁を太陽光が加熱することにより層内の空気が自然に暖められ、または、冷却されることによっても空気の循環が始まり、これを促進・加速することにより建造物内における天然の暖房または冷房を行う技術が開示されており、暖冷房に消費される燃料を削減し、自然への負荷を軽減することが可能になる旨が示唆されている。
また、特許第4314408号(特開2006−46669号)には、建造物内に空気を循環させる仕様の建造物の床下に設置される床下換気装置に関する技術が開示されている。
更に、特許4947746号(特開2012−219476号)には、建造物内空気流通機構に装備される空気流通層への空気の流通効率を上げるとともに、空気流通の停止時(夜間等)には空気流通層内の空気の逆流を防止して結露を防ぐための空気流入逆止弁・空気排出逆止弁に関する技術、および、これらを用いた建造物内空気流通機構に関する技術が開示されている。
これらの発明は、いずれも空調について電気を使った制御を行うことなく、自然の力を利用して建造物内の空調を行うものであり、これらの技術を利用した建造物は、環境に充分配慮したものであるということができる。
従来の発明は、建造物の外壁や屋根が太陽光によって熱せられることで、建造物内に設けられた空気流通層内の空気が温められることにより発生する上昇気流の力を利用している。すなわち、この発生した上昇気流の力を利用して、外壁の内側および/または屋根部に設けられた空気流通層の蓋となる逆止弁が開くことにより、建造物の床下の空気が吸い上げられて建造物内の空気の循環流通が始まる。空気流通層内で発生した上昇気流は建造物内に放出され、かつ、下部に設けられた逆止弁を同時に開いた状態にして空気を取り込む構造となっている。気温が下がると、空気流通層内の空気の流れは停止するため、重量バランスにより逆止弁は閉じられる構成となっている。
しかしながら、この従来の逆止弁を開くにはある程度の強さの上昇気流が必要とされており、建造物内の空気循環を開始させるのに時間が掛かるという問題点があった。また、開口部の開閉状態が不完全であるため、空気循環が開始される程度の上昇気流が発生した場合であっても、充分な量の空気を建造物内に循環させることが困難な状態となっているという問題点も内在していた。
上記のような問題点を解消した空気流入逆止弁の開発が待たれていた。
特開2013−235322号公報 特開平10−325585号公報 特開2006−46669号公報 特開2012−219476号公報
本発明は上記問題を解決するために、建造物内において空気を循環させるための空気流通層を装備した建造物内空気流通機構に用いる空気の流入逆止弁であって、空気流通層内に多くの空気を導入流入させるとともに空気の排出逆流を防ぐための、開閉容易な空気流入逆止弁を提供する。
上記の目的を達成するために本発明に係る空気流入逆止弁は、建造物の外壁パネルおよび/または屋根パネルの内部に空気流通層を設けるとともに、該空気流通層内へ空気を流入させるために空気流通層の下端部に設けた流通機構の空気流入口に設置する空気流入逆止弁であって、空気流通層内に空気を取り込むための前記空気流入逆止弁は、側面を開口部とした円筒状のフィン座と、軸回転移動して前記フィン座の空気流通層側の開口部を開閉するフィン本体と、からなり、前記フィン本体は、前記フィン座の開口部に嵌着して開口を閉塞する凸状板(湾曲板)からなる蓋部と、前記蓋部の下部に延設されフィン本体を閉方向へ軸回転させる重力を生じる前記開口部の前面方向に突出するメインウエイト部と、前記蓋部の下端部に延設されフィン本体を開方向へ軸回転させる重力を生じるテールウエイト部と、蓋部とテールウエイト部の中間に位置するフィン本体の重心の上を横切る線上に貫設されるシャフトと、から構成されており、前記フィン本体を、前記シャフトを介して前記フィン座の開口部の背面側下部に設けた軸受に揺動自在に軸装し、空気流通層内が無気流時に前記フィン本体が前記フィン座に接近する方向に軸回転移動するようにシャフトを中心とするフィン本体の重力バランスを取る事により蓋部がフィン座の開口を塞いで閉鎖状態を形成し空気流通層内からの空気の流出を防止するとともに、空気流通層内に上昇気流が発生した際に、前記蓋部の空気流通層側の面を上昇気流が通過することによりフィン本体に揚力を生じさせフィン本体がフィン座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口し空気流通層内に空気を導入させるため、前記フィン本体の蓋部の背面側に、空気流入逆止弁を外壁パネルに設置する際にはフィン本体を開方向へ付勢をするとともに屋根パネルに設置する際にはフィン本体を閉方向へ付勢をする重錘からなる補助ウエイト部と、気流の通過によりフィン本体を開方向へ軸回転させる揚力の生じる形状の凹部からなる揚力発生凹スロープと、を設けた構成である
また、前記補助ウエイト部は、前記シャフトより上部に延設するとともに、前記フィン本体の蓋部の背面側の左右両側に上部から下部に渡って流線型状に立設する構成である。
また、前記フィン座は、前記空気流通層側に空気流通層の幅と等幅からなる一対のフィン回転保護壁を前記フィン本体の左右に対峙するように設置した構成である。
更に、前記蓋部は、フィン本体の開方向への軸回転力となる揚力を揚力発生凹スロープ全面で得るとともに軸回転しやすくするため、蓋部上部を直線状に形成した構成でもある。
また、前記蓋部は、前記開口の閉鎖時に前記開口に嵌着する凸状嵌合部を設けた構成である。
また、前記外壁パネルおよび前記屋根パネルは、相互の空気流通層が一の連通路を形成するように、外壁パネル上部に接続口を有するとともに屋根パネルの建造物内部側に前記接続口と接続する接続受口を設けており、更に、前記外壁パネルおよび前記屋根パネルへの太陽光照射により、空気流通層内に上昇気流が発生した際に、前記空気流入口から前記空気流入逆止弁を介して流入した空気が空気流通層を上昇し、該空気が屋根パネル上部へ達した場合には空気流通層内から素早く排出するため、屋根パネルの上部に空気排気口を設けた構成である。
本発明は、上記詳述した通りの構成であるので、以下のような効果を奏する。
1.開口部の前面方向に突出するメインウエイト部を設けたため、フィン本体を閉じる方向へ回転させる力を容易に発生することが出来るとともに、傾斜角の緩い屋根に配置した場合であっても閉じる回転力を得ることが可能となる。また、蓋部の下端部にテールウエイト部を延設したため、フィン本体を開方向へ軸回転させる力を得ることが可能となる。また、補助ウエイト部を設けたため、設置角度に応じて回転させる力の方向を変えることが可能となる。更に、揚力発生凹スロープを設けたため、上昇気流をとらえて他の動力を加えることなくフィン本体を軸回転させて蓋を開放する事が可能となる。
2.補助ウエイト部をシャフトより上部に設置したため、壁面および屋根の何れに空気排出逆止弁を設置しても容易に開閉を行う事が可能となる。また、補助ウエイト部を流線型状に構成したため、流通層内の内壁に接触する事なくフィン本体を軸回転することが可能となる。
3.フィン座に一対のフィン回転保護壁を設けたため、一定のクリアランスを確保することが可能となり、空気流通層内の壁面部材がフィン本体に接触することを防ぐことが可能となる。
4.蓋部上部を直線状に形成したため、フィン本体の揚力が得やすくなる。
5.蓋部に凸状嵌合部を設けため、フィン本体の蓋部が閉状態の際に密封状態とすることが可能となる。
6.外壁パネル上部に接続口を設け、屋根パネルに接続受口を設けたため、外壁下部から屋根上部まで一連の空気流通層を形成することが可能となる。
以下、本発明に係る空気流入逆止弁を、図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る空気流入逆止弁の斜視図であり、図2は、フィン座の斜視図である。図3は、空気流入逆止弁のフィン本体の斜視図であり、図4は、開口部側から見たフィン本体の斜視図である。図5は、フィン本体の側面断面図であり、図6aは、壁面に設置した空気流入逆止弁の側面断面図である。図6bは、屋根に設置した空気流入逆止弁の側面断面図であり、図7は、空気流入逆止弁を設置した流通機構の概念図である。図8は、屋根に空気流入逆止弁を設置した流通機構の概念図である。
本発明の空気流入逆止弁10は、図6aおよび図6bに示すように、空気流通層20を有する建造物内に設けられる流通機構1に設置される流通する空気の逆止弁である。流通機構1は、本発明に係る空気流入逆止弁10と空気流通層20とからなり、建造物の外壁パネル2aおよび/または屋根パネル2bの内部に空気流通層20を設けるとともに、空気流通層20内へ空気を取り込んで流入させるために、図7および図8に示すように、空気流入逆止弁10を空気流通層20の下端部に設けた構成となっている。
空気流入逆止弁10は、図1、図7および図8に示すように、空気流通層20の空気流入口4に設置される部材であり、フィン本体100と、フィン座200とによって構成される。フィン座200は、空気流通層20に設けられた開口(空気流入口4)に嵌合して固定されるフィン本体100の土台となる部材で、図2に示すように略円筒状からなり、両側に貫通した開口部210を有している。また、フィン本体100は、フィン座200に揺動自在に設置され、空気流通層20側の開口部210を軸回転移動して開閉する蓋の役割を果たすフィン状部材である。
フィン本体100は、図3および図4に示すように、蓋部110と、メインウエイト部120と、テールウエイト部130と、シャフト140と、補助ウエイト部150と、揚力発生凹スロープ160とからなる。フィン本体100は、軽さと断熱性が要求される部材であるため、本実施例では発泡スチロールで構成されているが、これに限定されることはなく、軽量であってかつ断熱性を有する材質であれば適宜選択して使用することが可能である。
蓋部110は、フィン座200の開口部210に嵌着して開口を閉塞するための蓋であり、図3および図4に示すように、凸状板(湾曲板)からなる。本実施例では、蓋部110は、シャフト140より上側に立設した構成となっており、高さと幅の比は幅の方が高さより長い形状となっている。
メインウエイト部120は、フィン本体100を閉じる方向へ軸回転させる補助力となる重力を発生する重錘の役割を果たす部材であり、図4に示すように、蓋部110の下に向かってシャフト140近傍からフィン座200の開口部210側に延設される構成となっており、図6aで示すように、開口部210の前面方向(210a)に突出する形状からなる。メインウエイト部120はこのような突出した形状からなるため、シャフト140を中心とした軸回転を行う力のうちフィン本体100を閉じる方向へ回転させる補助力となる重力を発生する事となる。
テールウエイト部130は、フィン本体100を開く方向へ軸回転させる補助力となる重力を発生する重錘の役割を果たす部材であり、図3および図4に示すように、蓋部110の下方向であってフィン本体100の背面側(空気流通層20側)に延設される構成となっている。テールウエイト部130は下方向に突出した形状からなるため、蓋部110およびメインウエイト部120とバランスを取りながらシャフト140を中心とした軸回転を行う力のうちフィン本体100を開く方向へ回転させるための補助力を発生する。
シャフト140は、フィン本体100の回転の軸であり、蓋部110とテールウエイト部130の中間に位置するフィン本体100の重心のやや上を横切る線上に貫設される。フィン本体100は、図1および図2に示すように、シャフト140を介してフィン座200の開口部210の背面側下部に設けた軸受220に揺動自在に軸装される。シャフト140は、経年劣化等による変形が起こりにくい材質であればよく、本実施例では鉄製部材を用いているがこれに限定されるものではない。
本実施例では、図5、図6aおよび図6bに示すように、蓋部110が垂直および/または屋根に設置する際の角度に配置した場合にもメインウエイト部120とテールウエイト部130は、蓋部110が閉じる方向へ回転するような重量バランスとなるように構成されている。この構成により、本発明に係る空気流入逆止弁10を流通機構1に設置した場合に、風等の外圧が掛からない場合は常にフィン本体100の蓋部110がフィン座200の開口部210を閉じた状態を安定的に保持することとなる。
すなわち、空気流通層20内が無気流時に、フィン本体100がフィン座200に接近する方向に軸回転移動するように、シャフト140を中心とするフィン本体100の重量バランスを取る事により、フィン本体100の蓋部110がフィン座200の開口部210を塞いで閉鎖状態を形成し、空気流通層20内からの空気の排出逆流を防止する構成である。
フィン本体100には、更に、補助ウエイト部150がその両端に立設されている。補助ウエイト部150は、図3に示すように、フィン本体100の蓋部110の背面側(空気流通層20側の面)であって、蓋部の両側端に設置される重錘である。補助ウエイト部150は、図6aおよび図7に示すように、空気流入逆止弁10を外壁パネル2aに設置する際には、その重量バランスにより、フィン本体100を開く方向へ軸回転するように付勢する役割を果たしている。また、図6bおよび図8に示すように、空気流入逆止弁10を屋根パネル2bに設置する際には、その重量バランスにより、フィン本体100を閉じる方向へ軸回転するように付勢する役割を果たしている。
フィン本体100は、太陽光により外壁パネル2aや屋根パネル2bが温められることによって空気流通層20内の空気の温度が上がる事により生じる上昇気流が、後述する揚力発生凹スロープ160を流通することにより、開く方向に軸回転する構成となっているが、上昇気流は特に発生し始めた段階では緩やかであるため、フィン本体100が軸回転する十分な力を得ることができない。また、フィン本体100は、メインウエイト部120とテールウエイト部130の重量バランスおよび設置角度の関係で、空気流入逆止弁10が外壁パネル2aに設置されるより屋根パネル2bに設置される方が閉じにくい構造となっている。すなわち、空気流入逆止弁10を外壁パネル2aに設置した際には、僅かな上昇気流ではフィン本体100が開かず、空気流入逆止弁10を屋根パネル2bに設置した際には、逆にフィン本体100が閉じないという事態が発生する虞がある。
そのため、補助ウエイト部150を、図3および図5に示す位置、すなわちフィン本体100の蓋部110の背面側の両側端に立設してバランスを取ることにより、空気流入逆止弁10を外壁パネル2aおよび屋根パネル2bの何れに設置した場合であっても、僅かな上昇気流でフィン本体100を開くことができるとともに、上昇気流が止まった場合には速やかにフィン本体100を閉じることを可能としている。
また、フィン本体100には、図3および図5に示すように、揚力発生凹スロープ160が削設されている。揚力発生凹スロープ160は、フィン本体100蓋部110の背面側である空気流通層20側に削設された凹状部材であり、上昇気流が通過することによりフィン本体100が開く方向への軸回転力となる揚力を発生させるために切削した凹形状である。
揚力発生凹スロープ160の下部からスロープ上部方向へ上昇する空気の流れによって揚力が発生し、図6aおよび図6bに示すように、フィン本体100を空気流通層20の建造物外側面に引き付けるように作動する。空気流通層20内の空気が暖められることで上昇気流が発生すると、空気流通層20内の空気流入逆止弁10近傍の空気が上方向に引き上げられて、揚力発生凹スロープ160を通過し、発生した揚力によりフィン本体100がフィン座200から遠ざかる方向に軸回転移動して開口動作状態となり、開口部210より空気が空気流通層20内に流入する。また、上昇気流の発生していない無気流時には、図6aおよび図6bに示すように、シャフト140を中心とするフィン本体100の重量バランスにより、フィン本体100がフィン座200に接近する方向に軸回転移動して、蓋部110がフィン座200の開口に当接して閉鎖状態となり、空気の逆流を制御することにより、室内の暖気と空気流通層20内で冷めた冷気が混合することに起因する結露の発生を抑制している。
より詳細に説明すると、凹状の揚力発生凹スロープ160は、電気等のエネルギーを駆動源とした装置を用いずに上昇気流という自然エネルギーを利用してフィン本体100を軸回転揺動させる原動力を発生させる構造である。図6aおよび図6bに示すように、揚力発生凹スロープ160の近辺に上昇気流が通過すると、スロープを沿って流れる気流がフィン本体100を引き付ける力(揚力)を発生させる。すなわち、気流がスロープの壁面を沿って流れる性質により、空気流通層20の建造物外側面寄りを流れる上昇気流と比べて揚力発生凹スロープ160寄りの上昇気流の方がスロープの凹み分ほど流れる距離が長く、気流の速度が上がり、空気圧が低下する。揚力発生凹スロープ160の反対側である蓋部110の開口部210側の前面側(210a)には上昇気流は発生していないため、フィンは気圧の下がった方へ引っ張られることになり、フィン本体100が開く方向に軸回転移動することになる。これにより、フィン本体100がシャフト140を中心に回転移動し、フィン座200の開口部210から離れて開口状態となり、空気が空気流通層20内に導入されることになる。
以上の構成により、空気流通層20内に上昇気流が発生した際に、フィン本体100の蓋部110の空気流通層20側である背面側を上昇気流が通過することにより、フィン本体100に揚力を生じさせ、フィン本体100がフィン座200から遠ざかる方向に軸回転移動して開口して、空気流通層20内に空気を流入させることが可能となる。
補助ウエイト部150は、本実施例では、図3および図5に示すように、シャフト140より上部に設置している。また、補助ウエイト部150は、フィン本体100の蓋部110の背面側(空気流通層20側)の上部から下部に渡って流線型状に立設されている。この構成とすることにより、空気流入逆止弁10を外壁パネル2aおよび屋根パネル2bの何れに設置した場合であっても、僅かな上昇気流でフィン本体100を開くことができるとともに、上昇気流が止まった場合にはフィン本体100を閉じることが可能な重量バランスを取ることが可能となるとともに、補助ウエイト部150が空気流通層20内の内壁に接触しない状態で、フィン本体100の軸回転を行うことが可能となる。
フィン座200は、フィン回転保護壁230を設置した構成とすることが可能である。本実施例では、フィン座200に、図1に示すように、空気流通層20側に空気流通層20の幅と等幅からなる一対のフィン回転保護壁230が、フィン本体100の左右に対峙するように設置した構成となっている。この構成とすることにより、フィン本体100と空気流通層20の内壁間に一定のクリアランスを確保することが可能となる。これにより、空気流通層20内の壁面部材がフィン本体100に接触することを防ぐことが可能となる。
蓋部110は、本実施例は、図3および図4に示すように、上側端部を水平に直線状に形成した構成となっている。すなわち、蓋部110は横長の略長方形に形成されている。この構成とすることにより、蓋部110の上部が軽くなるとともに、蓋部110上端の軸回転移動の距離を短くすることができる。また、揚力発生凹スロープ160を蓋部110背面側の横幅一杯に形成することが可能となる。この構成により、フィン本体100の開方向への軸回転力となる揚力を揚力発生凹スロープ160全面で得ることが可能となる。また、蓋部110上端の軸回転移動の距離が短くなるため負荷が少なくなり、フィン本体100の軸回転を容易にすることが可能となる。
蓋部110は、図3に示すように、本実施例では、凸状嵌合部112が設けられている。凸状嵌合部112は、開口部210を蓋体110が閉鎖する時に、開口部210(開口部の背面側210b)に嵌着して密封閉鎖する部材である。凸状嵌合部112の凸部と、開口部210の凹状は、嵌合可能となるように同じ形状となっている。この構成により、フィン本体100の蓋部110が閉じた状態の際に、密封状態とすることが可能となり、夜間等に気温が下がって空気流通層20内の上昇気流が停止した際に、空気流通層20内の空気が逆流して建造物の床下等に流入することを防止することが可能となるとともに、揚力発生凹スロープ160の曲面の深さを確保することが可能となる。
本発明に係る空気流入逆止弁10を設置した建造物内の空気の流通機構の実施例について説明する。外壁パネル2aは、図7に示すように、相互の空気流通層20が一の連通路を形成するように、外壁パネル2a上部に接続口3aを有している。また、屋根パネル2bは、建造物内部側に接続口3aと接続するための接続受口3bが設けられている。また、屋根パネル2bの上部には、空気流通層20を流通し上昇してきた空気を排出するための空気排気口5が設けられている。
建造物内の空気の流通機構をこの構成とすることにより、外壁パネル2aおよび屋根パネル2bへ太陽光が照射されることによって空気流通層20内に上昇気流が発生した際に、流通機構の建造物内部側に設けられた空気流入口4から空気流入逆止弁10を介して空気が流入するとともに、空気が空気流通層20内を上昇する。空気が屋根パネル2b上部へ達した場合には、屋根パネル2bの空気流通層20内から素早く排出されることとなる。このため、外壁パネル2aおよび屋根パネル2bを一気に空気が上昇流通することとなり、小屋裏内での空気の滞留等を防ぎ、効率の良い空気流通を行うことが可能となった。なお、壁面に窓がある場所など、空気流通層20を外壁パネル2aおよび屋根パネル2b間で連通することが出来ない場合は、図8に示すように、屋根パネル2bに空気流入逆止弁10を設置することが可能となっている。
本発明に係る空気流入逆止弁の斜視図 フィン座の斜視図 空気流入逆止弁のフィン本体の斜視図 開口部側から見たフィン本体の斜視図 フィン本体の側面断面図 壁面に設置した空気流入逆止弁の側面断面図 屋根に設置した空気流入逆止弁の側面断面図 空気流入逆止弁を設置した流通機構の概念図 屋根に空気流入逆止弁を設置した流通機構の概念図
1 流通機構
2a 外壁パネル
2b 屋根パネル
3a 接続口
3b 接続受口
4 空気流入口
5 空気排気口
10 空気流入逆止弁
20 空気流通層
100 フィン本体
110 蓋部
112 凸状嵌合部
120 メインウエイト部
130 テールウエイト部
140 シャフト
150 補助ウエイト部
160 揚力発生凹スロープ
200 フィン座
210 開口部
210a 開口部の前面側
210b 開口部の背面側
220 軸受
230 フィン回転保護壁

Claims (6)

  1. 建造物の外壁パネルおよび/または屋根パネルの内部に空気流通層を設けるとともに、該空気流通層内へ空気を流入させるために空気流通層の下端部に設けた流通機構の空気流入口に設置する空気流入逆止弁において、
    空気流通層内に空気を取り込むための前記空気流入逆止弁は、側面を開口部とした円筒状のフィン座と、軸回転移動して前記フィン座の空気流通層側の開口部を開閉するフィン本体と、からなり、
    前記フィン本体は、前記フィン座の開口部に嵌着して開口を閉塞する凸状板(湾曲板)からなる蓋部と、前記蓋部の下部に延設されフィン本体を閉方向へ軸回転させる重力を生じる前記開口部の前面方向に突出するメインウエイト部と、前記蓋部の下端部に延設されフィン本体を開方向へ軸回転させる重力を生じるテールウエイト部と、蓋部とテールウエイト部の中間に位置するフィン本体の重心の上を横切る線上に貫設されるシャフトと、から構成されており、
    前記フィン本体を、前記シャフトを介して前記フィン座の開口部の背面側下部に設けた軸受に揺動自在に軸装し、空気流通層内が無気流時に前記フィン本体が前記フィン座に接近する方向に軸回転移動するようにシャフトを中心とするフィン本体の重力バランスを取る事により蓋部がフィン座の開口を塞いで閉鎖状態を形成し空気流通層内からの空気の流出を防止するとともに、空気流通層内に上昇気流が発生した際に、前記蓋部の空気流通層側の面を上昇気流が通過することによりフィン本体に揚力を生じさせフィン本体がフィン座から遠ざかる方向に軸回転移動して開口し空気流通層内に空気を導入させるため、
    前記フィン本体の蓋部の背面側に、空気流入逆止弁を外壁パネルに設置する際にはフィン本体を開方向へ付勢をするとともに屋根パネルに設置する際にはフィン本体を閉方向へ付勢をする重錘からなる補助ウエイト部と、気流の通過によりフィン本体を開方向へ軸回転させる揚力の生じる形状の凹部からなる揚力発生凹スロープと、を設けたことを特徴とする空気流入逆止弁。
  2. 前記補助ウエイト部は、前記シャフトより上部に延設するとともに、前記フィン本体の蓋部の背面側の左右両側に上部から下部に渡って流線型状に立設することを特徴とする請求項1記載の空気流入逆止弁。
  3. 前記フィン座は、前記空気流通層側に空気流通層の幅と等幅からなる一対のフィン回転保護壁を前記フィン本体の左右に対峙するように設置したことを特徴とする請求項1記載の空気流入逆止弁。
  4. 前記蓋部は、フィン本体の開方向への軸回転力となる揚力を揚力発生凹スロープ全面で得るとともに軸回転しやすくするため、蓋部上部を直線状に形成したことを特徴とする請求項1記載の空気流入逆止弁。
  5. 前記蓋部は、前記開口の閉鎖時に前記開口に嵌着する凸状嵌合部を設けたことを特徴とする請求項1記載の空気流入逆止弁。
  6. 前記外壁パネルおよび前記屋根パネルは、相互の空気流通層が一の連通路を形成するように、外壁パネル上部に接続口を有するとともに屋根パネルの建造物内部側に前記接続口と接続する接続受口を設けており、
    更に、前記外壁パネルおよび前記屋根パネルへの太陽光照射により、空気流通層内に上昇気流が発生した際に、前記空気流入口から前記空気流入逆止弁を介して流入した空気が空気流通層を上昇し、該空気が屋根パネル上部へ達した場合には空気流通層内から素早く排出するため、屋根パネルの上部に空気排気口を設けたことを特徴とする空気流入逆止弁を用いた建造物内の空気の流通機構。
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