JP6422169B2 - 走行制御装置および産業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、走行制御装置および当該走行制御装置を備えた産業車両に関する。
走行制御装置を備えた産業車両としては、例えば、特許文献1に記載のフォークリフトが知られている。特許文献1に記載のフォークリフトでは、走行制御装置が、アクセルレバーの倒し角から、走行用モータの回転数の目標値である目標回転数(目標速度)を算出する。そして、走行制御装置は、目標回転数と走行用モータの現在の回転数(現在の速度)とでPI制御を行い、走行用モータに対して制御信号(トルク指令)を出力して、走行用モータの現在の回転数(現在の速度)を目標回転数(目標速度)に一致させる。
特開2012−90463号公報
上記フォークリフト含む従来のフォークリフトでは、一般に、走行制御として、平坦路では加速制限を行い、登坂路ではオートトルクアップを行い、さらにニュートラル回生や降坂時回生なども行うため、制御が複雑になるという問題があった。また、上記フォークリフトのようにPI制御を行った場合、走行速度が荷物の重さによってほとんど変わらないため、操作フィーリングが良くないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、制御を簡素化することが可能な走行制御装置および当該走行制御装置を備えた産業車両を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る走行制御装置は、
産業車両の走行制御装置であって、
前記産業車両のアクセルレバーの倒し角から、前記倒し角と非線形関係を有し前記倒し角が大きいほど変化量が大きくなるように規定されたレバー移動量を算出するレバー移動量算出部と、
前記レバー移動量から、前記レバー移動量と線形関係を有する前記産業車両の走行用モータの指示回転数を算出する指示回転数算出部と、
所定の周期で、前記指示回転数に基づいて前記走行用モータの目標回転数を算出する目標回転数算出部と、
前記走行用モータの現在の回転数と前記目標回転数とで、P制御、PI制御またはPID制御を行い、前記走行用モータを制御するモータ制御部と、を備え、
前記目標回転数算出部は、
前記目標回転数を前記指示回転数に段階的に近づけるランプ処理を行い、前記目標回転数を変化させる度合に相当する前記ランプ処理のゲインを、前記目標回転数と前記指示回転数との関係に応じて変更しつつ、前記目標回転数を算出するとともに、
前記指示回転数、前記目標回転数および車速0点の大小関係を判定し、
前記車速0点<前記目標回転数<前記指示回転数の場合、または前記車速0点>前記目標回転数>前記指示回転数の場合、前記ゲインを第1ゲインに決定し、
前記車速0点<前記指示回転数<前記目標回転数の場合、または前記車速0点>前記指示回転数>前記目標回転数の場合、前記ゲインを前記第1ゲインよりも小さい第2ゲインに決定し、
前記指示回転数<前記車速0点<前記目標回転数の場合、または前記指示回転数>前記車速0点>前記目標回転数の場合、前記ゲインを前記第1ゲインよりも大きい第3ゲインに決定する
ことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る産業車両は、
上記の走行制御装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、制御を簡素化することが可能な走行制御装置および当該走行制御装置を備えた産業車両を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る産業車両(フォークリフト)の構成図である。 本発明の第1実施形態に係る走行制御装置のブロック図である。 アクセルレバーの倒し角とレバー移動量との関係を示す図である。 レバー移動量と指示回転数との関係を示す図である。 指示回転数、車速0点、目標回転数および現在回転数の大小関係の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る走行制御装置のブロック図である。 走行制御装置の制御に関するフローチャートである。 ランプ処理のゲインを説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る走行制御装置および当該走行制御装置を備えた産業車両の実施形態について説明する。なお、以下では、産業車両としてリーチ式フォークリフトを例に挙げて説明する。
[第1実施形態]
図1に、本発明の第1実施形態に係るリーチ式フォークリフト(以下、フォークリフト)100を示す。フォークリフト100は、本発明の第1実施形態に係る走行制御装置10を車体1の内部に備える。
フォークリフト100は、車体1の前側に延出された左右一対のストラドルレッグ2と、ストラドルレッグ2に沿って前後方向に移動するキャリッジ3と、キャリッジ3に立設された左右一対のマスト装置4と、マスト装置4に昇降可能に取り付けられた左右一対のフォーク5と、ストラドルレッグ2に設けられた左右一対の前輪6と、車体1の右後部(運転席7の下側)に設けられたキャスタ輪(図示略)とを備える。
フォークリフト100は、車体1の左後部に、駆動輪20と、走行用モータ21とを備える。走行制御装置10の制御下で走行用モータ21が回転駆動すると、走行用モータ21の動力が駆動輪20に伝達され、駆動輪20が正転または逆転する。さらに、フォークリフト100は、車体1の上面に、駆動輪20を操舵するためのステアリングハンドル8と、レバー類9とを備える。レバー類9は、荷役レバー(リフトレバー、ティルトレバーおよびリーチレバー)とアクセルレバーとを含む。
ニュートラル位置のアクセルレバーを前傾または後傾させるアクセルON操作が行われると、走行制御装置10は、前傾の場合に駆動輪20を正転させ、後傾の場合に駆動輪20を逆転させる。前傾状態のアクセルレバーを後傾状態にさせたり後傾状態のアクセルレバーを前傾状態にさせたりするアクセル反転操作が行われると、走行制御装置10は、駆動輪20の回転方向を変える。前傾状態または後傾状態のアクセルレバーをニュートラル位置に戻すアクセルOFF操作が行われると、走行制御装置10は、駆動輪20の回転を停止させる。
図2に、走行制御装置10の具体的な構成を示す。走行制御装置10は、レバー移動量算出部11と、指示回転数算出部12と、目標回転数算出部13と、ランプゲイン決定部14と、モータ制御部15とを備える。走行制御装置10は、例えば、少なくとも1つのマイコンにより構成される。ランプゲイン決定部14は、目標回転数算出部13に含まれていてもよい(例えば、目標回転数算出部13が、ランプゲイン決定部14の機能を有していてもよい)。
レバー移動量算出部11は、アクセルレバーの倒し角からレバー移動量を算出する。アクセルレバーの倒し角は、アクセルレバーに設けられた倒し角検出手段(例えば、ポテンショメータ)から入力される。レバー移動量は、倒し角と非線形関係を有する。具体的には、図3に示すとおり、倒し角が大きいとレバー移動量も大きくなる(倒し角が最大のときにレバー移動量も最大になる)が、倒し角が大きいほどレバー移動量の変化量が大きくなり、倒し角が小さいほどレバー移動量の変化量が小さくなる。このため、倒し角が大きい範囲では高速走行を容易に行うことができ、倒し角が小さい範囲では微速走行を容易に行うことができる。その結果、操作フィーリングが向上する。
指示回転数算出部12は、レバー移動量から、走行用モータ21の回転数の指示値である指示回転数を算出する。図4に示すとおり、指示回転数は、レバー移動量と線形関係を有する。このため、指示回転数算出部12は、レバー移動量に所定の係数を乗算することで、指示回転数を算出することができる。算出された指示回転数は、目標回転数算出部13に出力される。
目標回転数算出部13は、所定の周期(例えば、2[ms])で、指示回転数に基づいて走行用モータ21の回転数の目標値である目標回転数を算出する。具体的には、目標回転数算出部13は、目標回転数を指示回転数に段階的に近づけるランプ処理を行い、目標回転数を算出する。目標回転数は、指示回転数が正(正転)の場合には指示回転数以下の値になり、指示回転数が負(逆転)の場合に目標回転数が指示回転数以上の値になる。
ランプ処理のゲインは、ランプ処理において目標回転数を変化させる度合に相当する。本実施形態では、ランプゲイン決定部14により、ランプ処理のゲインを大中小と3段階に変更することができる。ゲインを大きくすると、目標回転数を変化させる(増加または減少させる)度合も大きくなるので、目標回転数が指示回転数に達するまでの時間が短くなる。すなわち、走行用モータ21の現在の回転数(現在回転数)が指示回転数に達するまでの時間が短くなる。一方、ゲインを小さくすると、目標回転数を変化させる度合も小さくなるので、目標回転数が指示回転数に達するまでの時間が長くなる。すなわち、現在回転数が指示回転数に達するまでの時間が長くなる。
ランプゲイン決定部14は、所定の周期(例えば、2[ms])で、指示回転数、目標回転数および車速0点の大小関係を判定し、その結果から、ランプ処理のゲインを第1ゲイン(ゲイン中)、第1ゲインよりも小さい第2ゲイン(ゲイン小)、または第1ゲインよりも大きい第3ゲイン(ゲイン大)のいずれかに決定する。ここで、車速0点とは、フォークリフト100の車速がゼロのときの走行用モータ21の回転数のことであり、回転数ゼロのことである。
車速0点<目標回転数<指示回転数の場合、または車速0点>目標回転数>指示回転数の場合、言い換えれば、フォークリフト100が加速状態の場合(例えば、アクセルレバーの倒し角を大きくした場合)、ランプゲイン決定部14は、ゲインを第1ゲイン(ゲイン中)に決定する。
車速0点<指示回転数<目標回転数の場合、または車速0点>指示回転数>目標回転数の場合、言い換えれば、フォークリフト100が減速状態の場合(例えば、アクセルレバーの倒し角を小さくした場合)、ランプゲイン決定部14は、ゲインを第2ゲイン(ゲイン小)に決定する。
指示回転数<車速0点<目標回転数の場合、または指示回転数>車速0点>目標回転数の場合(図5の場合)、言い換えれば、フォークリフト100が反転状態の場合(例えば、前傾状態のアクセルレバーを後傾状態にさせた場合、または後傾状態のアクセルレバーを前傾状態にさせた場合)、ランプゲイン決定部14は、ゲインを第3ゲイン(ゲイン大)に決定する。
上記のとおり、ランプゲイン決定部14は、指示回転数、目標回転数および車速0点の大小関係に応じてランプ処理のゲインを変更するので、従来のフォークリフトのように複数の走行制御を使い分ける(例えば、平坦路では加速制限を行い、登坂路ではオートトルクアップを行い、さらにニュートラル回生や降坂時回生なども行う)必要がなくなる。したがって、本実施形態に係る走行制御装置10およびフォークリフト100によれば、制御を簡素化することできる。
モータ制御部15は、目標回転数に従って走行用モータ21を制御する。具体的には、モータ制御部15は、目標回転数と走行用モータ21の現在の回転数(現在回転数)とでP制御(比例制御)を行い、走行用モータ21に対して制御信号(トルク指令)を出力する。走行用モータ21の現在回転数は、例えば、走行用モータ21に設けられたエンコーダから入力される。
上記のとおりP制御を行うことで、フォーク5上の荷物が重くなれば目標回転数(目標速度)に達するまでの時間が長くなり、フォーク5上の荷物が軽くなれば目標回転数(目標速度)に達するまでの時間が短くなる。したがって、本実施形態に係る走行制御装置10およびフォークリフト100によれば、操作フィーリングが向上する。
[第2実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る走行制御装置10Aを説明する。走行制御装置10Aは、目標回転数算出部13Aを備えている点を除き、第1実施形態に係る走行制御装置10と大部分が共通する。
目標回転数算出部13Aは、所定の周期(例えば、2[ms])で、指示回転数に基づいて走行用モータ21の回転数の目標値である目標回転数を算出する。具体的には、目標回転数算出部13Aは、目標回転数を指示回転数に段階的に近づけるランプ処理を行い、かつ目標回転数と指示回転数との偏差に応じてランプ処理のゲインを変更しつつ、目標回転数を算出する。目標回転数と指示回転数との偏差の絶対値が大きければゲインは大きくなり、偏差の絶対値が小さければゲインは小さくなる。
図7に、走行制御装置10Aの制御に関するフローチャートを示す。以下では、図1のフォークリフト100に走行制御装置10Aが備えられているものとする。また、目標回転数[rpm]を目標速度とし、指示回転数[rpm]を指示速度とする。
走行制御装置10Aは、所定の周期(例えば、2[ms])で目標速度を算出する制御をスタートさせる。ステップS1において、アクセルレバーの角度(倒し角)がレバー移動量算出部11に入力されると、レバー移動量算出部11は、レバー移動量を算出し、指示回転数算出部12に出力する。
ステップS2において、指示回転数算出部12は、レバー移動量から指示速度を計算する。ステップS3において、目標回転数算出部13Aは、ブレーキがオン(例えば、ブレーキペダルが踏まれている)か否かを判定する。
ブレーキがオンでない(例えば、ブレーキペダルが踏まれていない)場合、ステップS4において、目標回転数算出部13Aは、目標速度と指示速度との偏差を算出する。本実施形態では、偏差=指示速度−目標速度である。なお、フォークリフト100の始動時(停止状態のフォークリフト100において、アクセルレバーを前傾または後傾させるアクセルON操作が行われた時)は、ステップS4の目標速度は0になる。すなわち、偏差=指示速度となる。一方、フォークリフト100の始動後は、ステップS4の目標速度は、直前に算出した目標速度になる。
目標回転数算出部13Aは、偏差と予め設定された複数の閾値との比較を行い、比較の結果に応じてゲインを決定する(ステップS5〜S12)。本実施形態では、指示速度の最大値を3000[rpm]とし、最小値を−3000[rpm]とする。
まず、目標回転数算出部13Aは、偏差と0との比較を行い、偏差>0の場合は目標速度を1段階(例えば、+1[rpm])アップさせる(ステップS5)。次に、目標回転数算出部13Aは、偏差と1000[rpm]との比較を行い、偏差>1000[rpm]の場合は目標速度を1段階(例えば、+1[rpm])アップさせる(ステップS6)。次に、目標回転数算出部13Aは、偏差と2000[rpm]との比較を行い、偏差>2000[rpm]の場合は目標速度を1段階(例えば、+1[rpm])アップさせる(ステップS7)。次に、目標回転数算出部13Aは、偏差と3000[rpm]との比較を行い、偏差>3000[rpm]の場合は目標速度を1段階(例えば、+1[rpm])アップさせる(ステップS8)。
次に、目標回転数算出部13Aは、偏差と0との比較を行い、偏差<0の場合は目標速度を1段階(例えば、−1[rpm])ダウンさせる(ステップS9)。次に、目標回転数算出部13Aは、偏差と−1000[rpm]との比較を行い、偏差<−1000[rpm]の場合は目標速度を1段階(例えば、−1[rpm])ダウンさせる(ステップS10)。次に、目標回転数算出部13Aは、偏差と−2000[rpm]との比較を行い、偏差<−2000[rpm]の場合は目標速度を1段階(例えば、−1[rpm])ダウンさせる(ステップS11)。次に、目標回転数算出部13Aは、偏差と−3000[rpm]との比較を行い、偏差<−3000[rpm]の場合は目標速度を1段階(例えば、−1[rpm])ダウンさせる(ステップS12)。
結局、本実施形態では、目標回転数算出部13Aは、ランプ処理のゲインを4段階に変更することができる。−1000[rpm]≦偏差≦1000[rpm]の場合は、目標速度を1段階アップまたはダウンさせる(1[rpm]増加または減少させる)第1ゲインとなる。1000[rpm]<偏差≦2000[rpm]または−2000[rpm]≦偏差<−1000[rpm]の場合は、目標速度を2段階アップまたはダウンさせる(2[rpm]増加または減少させる)第2ゲインとなる。2000[rpm]<偏差≦3000[rpm]または−3000[rpm]≦偏差<−2000[rpm]の場合は、目標速度を3段階アップまたはダウンさせる(3[rpm]増加または減少させる)第3ゲインとなる。偏差>3000[rpm]または偏差<−3000[rpm]の場合は、目標速度を4段階アップまたはダウンさせる(4[rpm]増加または減少させる)第4ゲインとなる。
ステップS13において、モータ制御部15は、目標回転数算出部13Aが算出した目標速度と、走行用モータ21に設けられたエンコーダから入力された入力速度(現在回転数)とでP制御を行い、トルクを計算する。そして、モータ制御部15は、走行用モータ21に対して制御信号(トルク指令)を出力する。
図8(A)に、指示速度が3000[rpm]、最初の目標速度が−3000[rpm]の場合における、ランプ処理のゲインの変化を示す。目標速度が0になるまでは、偏差>3000[rpm]となるので、ゲインは目標速度を4段階アップさせる(4[rpm]増加させる)第4ゲインとなる。その後、目標速度が指示速度に近づくにつれて、ゲインは第3ゲイン、第2ゲイン、第1ゲインと変化する。
図8(B)に、指示速度が−3000[rpm]、最初の目標速度が3000[rpm]の場合における、ランプ処理のゲインの変化を示す。目標速度が0になるまでは、偏差<−3000[rpm]となるので、ゲインは目標速度を4段階ダウンさせる(4[rpm]減少させる)第4ゲインとなる。その後、目標速度が指示速度に近づくにつれて、ゲインは第3ゲイン、第2ゲイン、第1ゲインと変化する。
図8(C)に、指示速度が2000[rpm]、最初の目標速度が−2000[rpm]の場合における、ランプ処理のゲインの変化を示す。目標速度が−1000[rpm]になるまでは、偏差>3000[rpm]となるので、ゲインは目標速度を4段階アップさせる(4[rpm]増加させる)第4ゲインとなる。その後、目標速度が指示速度に近づくにつれて、ゲインは第3ゲイン、第2ゲイン、第1ゲインと変化する。
再び図7を参照し、ブレーキがオン(例えば、ブレーキペダルが踏まれている)場合、ステップS14、S16において、目標回転数算出部13Aは、目標速度と所定の閾値との比較を行う。所定の閾値は、最大のゲイン(第4ゲイン)のときの目標速度の増減値(例えば、+4[rpm]または−4[rpm])である。
ステップS14において、目標速度>閾値(+4[rpm])の場合、ステップS15において、目標回転数算出部13Aは目標速度を4段階ダウンさせる(4[rpm]減少させる)。ステップS16において、目標速度<閾値(−4[rpm])の場合、ステップS17において、目標回転数算出部13Aは目標速度を4段階アップさせる(4[rpm]増加させる)。ステップS14、S16において、ともにNOの場合(−4[rpm]≦目標速度≦+4[rpm]の場合)、ステップS18において、目標回転数算出部13Aは目標速度を0にする。次いで、ステップS13に移行する。
上記のとおり、目標回転数算出部13Aは、目標回転数(目標速度)と指示回転数(指示速度)との偏差に応じてランプ処理のゲインを変更しつつ、目標回転数を算出する。したがって、走行制御装置10Aは、複数の走行制御を使い分ける(例えば、平坦路では加速制限を行い、登坂路ではオートトルクアップを行い、さらにニュートラル回生や降坂時回生なども行う)必要がなくなる。したがって、本実施形態に係る走行制御装置10Aによれば、制御を簡素化することできる。
以上、本発明に係る走行制御装置および産業車両の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。
上記第1実施形態では、ランプゲイン決定部14が、
(1)車速0点<目標回転数<指示回転数の場合、または車速0点>目標回転数>指示回転数の場合に、ゲインを第1ゲイン(ゲイン中)に決定し、
(2)車速0点<指示回転数<目標回転数の場合、または車速0点>指示回転数>目標回転数の場合に、ゲインを第2ゲイン(ゲイン小)に決定し、
(3)指示回転数<車速0点<目標回転数の場合、または指示回転数>車速0点>目標回転数の場合に、ゲインを第3ゲイン(ゲイン大)に決定しているが、
これに限定されるものではなく、ゲインの決定の仕方は、指示回転数、目標回転数および車速0点の大小関係に基づくのであれば、任意に変更することができる。
上記第2実施形態では、目標回転数算出部13Aが、目標回転数(目標速度)と指示回転数(指示速度)との偏差に応じてランプ処理のゲインを4段階に変更しているが、3段階以下に変更してもよいし、5段階以上に変更してもよい。また、目標回転数を変化させる度合も適宜変更することができる。例えば、1段階変更したときの目標速度の増減値を2[rpm]にしてもよい。
モータ制御部15はP制御を行うことが好ましいが、本発明では、アクセルレバーの倒し角と非線形関係にあるレバー移動量から指示回転数を算出することにより操作フィーリングがある程度向上するので、モータ制御部15は、P制御以外の制御、例えば、PI制御やPID制御を行っても良い。
本発明に係る産業車両は、リーチ式フォークリフト以外のフォークリフト、またはフォークリフト以外の荷役車両を含む。
1 車体
2 ストラドルレッグ
3 キャリッジ
4 マスト装置
5 フォーク
6 前輪
7 運転席
8 ステアリングハンドル
9 レバー類
10、10A 走行制御装置
11 レバー移動量算出部
12 指示回転数算出部
13、13A 目標回転数算出部
14 ランプゲイン決定部
15 モータ制御部
20 駆動輪
21 走行用モータ
100 フォークリフト

Claims (2)

  1. 産業車両の走行制御装置であって、
    前記産業車両のアクセルレバーの倒し角から、前記倒し角と非線形関係を有し前記倒し角が大きいほど変化量が大きくなるように規定されたレバー移動量を算出するレバー移動量算出部と、
    前記レバー移動量から、前記レバー移動量と線形関係を有する前記産業車両の走行用モータの指示回転数を算出する指示回転数算出部と、
    所定の周期で、前記指示回転数に基づいて前記走行用モータの目標回転数を算出する目標回転数算出部と、
    前記走行用モータの現在の回転数と前記目標回転数とで、P制御、PI制御またはPID制御を行い、前記走行用モータを制御するモータ制御部と、を備え、
    前記目標回転数算出部は、
    前記目標回転数を前記指示回転数に段階的に近づけるランプ処理を行い、前記目標回転数を変化させる度合に相当する前記ランプ処理のゲインを、前記目標回転数と前記指示回転数との関係に応じて変更しつつ、前記目標回転数を算出するとともに、
    前記指示回転数、前記目標回転数および車速0点の大小関係を判定し、
    前記車速0点<前記目標回転数<前記指示回転数の場合、または前記車速0点>前記目標回転数>前記指示回転数の場合、前記ゲインを第1ゲインに決定し、
    前記車速0点<前記指示回転数<前記目標回転数の場合、または前記車速0点>前記指示回転数>前記目標回転数の場合、前記ゲインを前記第1ゲインよりも小さい第2ゲインに決定し、
    前記指示回転数<前記車速0点<前記目標回転数の場合、または前記指示回転数>前記車速0点>前記目標回転数の場合、前記ゲインを前記第1ゲインよりも大きい第3ゲインに決定する
    ことを特徴とする走行制御装置。
  2. 請求項に記載の走行制御装置を備えた
    ことを特徴とする産業車両。
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