JP3212234B2 - 車速制限装置及びその方法 - Google Patents

車速制限装置及びその方法

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JP3212234B2 JP33693294A JP33693294A JP3212234B2 JP 3212234 B2 JP3212234 B2 JP 3212234B2 JP 33693294 A JP33693294 A JP 33693294A JP 33693294 A JP33693294 A JP 33693294A JP 3212234 B2 JP3212234 B2 JP 3212234B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作業車両、特にはダン
プトラックの車速制限装置及びその方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えばダンプトラック等の作業車両にお
いては、走行時のベッセル内に積載した土砂や岩石等の
重量によって、車体、車輪取り付け部、サスペンション
等の車両各部へ与える負荷の影響が大きくなる。特に、
積載重量が設定された最大許容積載重量より重い、いわ
ゆる過積載時に、変速機が最高速度段にシフトされて且
つエンジンの最高回転数で走行する状態、つまり車両の
設定された許容最高速度で走行する状態では、上記車両
各部へ与える過負荷の影響が非常に大きくなる。このた
め、車両各部の耐久性や運転時の乗り心地を劣化させる
だけでなく、走行路面の損傷を招き易く走行路面補修を
頻繁に行なう必要がある。
【0003】上記課題を解決するために、アクセルペダ
ルによる走行(以後、アクセル走行と呼ぶ)時に車速が
積載重量に適した許容最高速度以上にならないように、
車速を制限する装置が提案されている。このような装置
として、例えば特願平4−057282号においては、
走行時の積載重量が最大許容積載重量より重い場合、変
速機が高速速度段に変速されることを禁止し、ダンプト
ラックの走行最高速度を制限する最高速度制限装置を提
案している。
【0004】図10は、この従来の最高速度制限装置に
係わるダンプトラックの側面図であり、また図11は、
従来の最高速度制限装置を表す構成ブロック図である。
以下に、図10及び図11に従って、従来の最高速度制
限装置について簡単に説明する。
【0005】図10において、車体81の前部左右に操
舵前輪82がサスペンションシリンダ83を介して装着
され、後部左右に駆動後輪84がサスペンションシリン
ダ85を介して装着されている。車体81の前部に運転
室86が取り付けられ、また車体81の後部には、ベッ
セル87がホイストシリンダ88を介して上下揺動自在
に取り付けてある。前記サスペンションシリンダ83
85には、伸長室内の圧力を検出する圧力センサ89を
それぞれ設けている。
【0006】図11において、エンジン90の出力軸は
変速機91、例えばトルクフローミッションの入力軸に
連結され、この変速機91の出力軸は前記駆動後輪84
に連結される。変速機91には、各変速段を切り換える
変速制御弁94が装着されていて、変速コントローラ9
3からのシフト信号で変速制御弁94を作動させること
により、変速機91の各変速段が切り換えられる。
【0007】積載重量演算部99は、サスペンションシ
リンダ8385の圧力センサ89からの圧力信号を入
力し、この圧力信号により積載重量を演算し、演算した
積載重量信号を前記変速コントローラ93に出力する。
また変速コントローラ93には、運転室86内にあるシ
フトレバー95からの速度段信号が入力される。
【0008】上記のごとき最高速度制限装置の作用につ
いて、以下に説明する。サスペンションシリンダ83
85の伸長室内には、空荷時に車体81とベッセル87
の重量に見合う圧力が発生し、土砂等積載時にはベッセ
ル87内の積載重量に見合う圧力分だけ上記空荷時圧力
より高い圧力が発生する。よって積載重量演算部99
は、前記圧力センサ89からの土砂等積載時の圧力信号
と空荷時の圧力信号との差分に基づいて積載重量を求
め、この積載重量信号を変速コントローラ93へ出力す
る。
【0009】変速コントローラ93内には積載重量に適
した速度段が記憶されていて、上記積載重量演算部99
からの積載重量信号によって、それに適した速度段を選
択する。例えば、演算された積載重量が最大許容積載重
量より軽い場合は、速度段の制限は無く、車両の有する
最高速度段までシフト可能となる。よって、前進6速段
まである車両でシフトレバー95を前進6速段に切り換
えると、変速コントローラ93は変速制御弁94へ前進
6速段へのシフト信号を出力し、変速機91が前進6速
段へ切り換えられる。このときの車両の走行速度は、前
進6速段でのエンジンの最高許容回転数に相当する最高
速度(例えば45.5km/h)に制限される。
【0010】ところが演算された積載重量が最大許容積
載重量より重い場合は、その過積載重量分に相当して上
限速度段を制限し、その上限速度段より上段へのシフト
を禁止する。例えば、積載重量が最大許容積載重量の1
30%であるような過積載時には、上限速度段を前進時
は5速段に制限している。よって、上記と同様に前進6
速段まである車両でシフトレバー95を前進6速段に切
り換えても、変速コントローラ93は変速制御弁94へ
前進5速段へのシフト信号を出力し、変速機91が前進
5速段へ切り換えられる。
【0011】こうして車両の走行速度が、前進5速段で
のエンジンの最高許容回転数に相当する最高速度(例え
ば33.5km/h)に制限されることとなる。このと
き、アクセルペダルが上記最高速度以上になるように踏
み込まれても、エンジン回転数を最高許容回転数以下に
制御することによって、走行速度がその速度段での最高
速度に制限される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の最
高速度制限装置においては、エンジン保護の為に設けら
れている最高許容回転数以下にエンジンの回転数を制限
する、いわゆる回転リミッタによって車速制限を行なっ
ていた。前述のごとく、過積載時には過積載重量分に相
当して上限速度段を制限し、各速度段での最高速度は、
エンジンの上記最高許容回転数Nmax及び各速度段で
の変速ギヤ比から定まる最高速度に制限されるのであ
る。
【0013】ところが、回転リミッタによる車速制限で
は、エンジン回転数が最高許容回転数Nmaxになった
時エンジンへの燃料供給を強制的に停止し、回転数が最
高許容回転数Nmaxに対して所定値だけ低下したら、
再び燃料供給を開始するようにしている。このために、
走行抵抗が大きいような上り坂や凹凸が多い路面を走行
する場合には、エンジン回転の落ち込みが激しく、よっ
て車速が急に低下したり増加したりする傾向がある。こ
のようなトルク切れの傾向は、特にエンジンの最高許容
回転数Nmaxを最大トルク点付近に設定した場合に、
著しくなることが想定される。この現象は、車両の各部
に与える負荷の影響をさらに大きくし、車両の耐久性や
運転時の乗り心地を劣化させる恐れがある。
【0014】また、ダンプトラック等の作業車両は掘削
作業現場で掘削機等と協調しながら運転され、複数台の
ダンプトラックや掘削機等が広い工事現場領域内でシス
テム的に運行される場合が多い。このようなとき、各ダ
ンプトラックの車速制限値を天候条件、現場環境、シス
テム運行条件等に適した値に設定する必要がある。例え
ば、天候の悪い日にはスリップし易い路面の現場では車
速制限値を小さくしたり、路面の凹凸状態に応じて過積
載重量に適した車速制限値を設定したり、複数台のダン
プトラックが交差する頻度が多い運行経路では車速制限
値を安全運行速度とする等が必要となる。
【0015】しかしながら、前述の如く従来の車速制限
値は、エンジンの最高許容回転数Nmax及び各速度段
での変速ギヤ比から定まる速度に固定されている。よっ
て、車速制限値を天候条件、現場環境、システム運行条
件等に適した値に設定できるようにはなっていない。こ
のためダンプトラックの運転者は、様々な環境条件や運
行条件等に充分に配慮しながら、車速が許容速度以上に
ならないように運転することを要求されるので、運転操
作時の疲労が大きくなる。
【0016】本発明は、上記課題を解決するために、ダ
ンプトラック等の作業車両の車速制限装置において、ア
クセル走行での車速制限時に乗り心地を損なうことなく
滑らかな走行状態が得られるとともに、その車速制限値
を積載重量や環境条件等に適した所定の車速値に設定で
きる、作業車両の車速制限装置及びその方法を提供する
ことを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、アクセルペダル1と、アクセルペダル1
の踏込ストロークを検出する踏込ストローク検出器2
と、踏込ストローク検出器2からの踏込ストローク信号
を入力しこの踏込ストローク信号の大きさに基づいてエ
ンジンのアクセル信号を出力するエンジン制御装置40
と、エンジン制御装置40からのアクセル信号により回
転数制御されるエンジン45とを有する作業車両の車速
制限装置において、作業車両の車速を検出する車速検出
器3と、踏込ストローク検出器2と車速検出器3とエン
ジン制御装置40との間に設け、車速検出器3からの車
速信号と、踏込ストローク検出器2からの前記踏込スト
ローク信号とを入力し、前記車速信号が予め設定された
所定の車速制限値より大きくなったときは車速制限走行
期間と判定し、車速制限走行期間はこの車速信号と車速
制限値との偏差が小さくなるように、この偏差値に基づ
いて前記踏込ストローク信号の補正量を求める制御ゲイ
ンによって前記踏込ストローク信号の補正踏込ストロー
ク信号を演算して、この補正踏込ストローク信号をエン
ジン制御装置40へ出力し、前記車速信号が予め設定さ
れた所定の車速制限値より小さくて、且つ、前記演算さ
れた補正踏込ストローク信号が踏込ストローク検出器2
からの前記踏込ストローク信号より大きくなったとき
は、アクセル走行期間と判定し、アクセル走行期間は踏
込ストローク検出器2からの前記踏込ストローク信号を
エンジン制御装置40へ出力する車速制御装置10とを
備えている。
【0018】車速制限走行を行なうかどうかの判定を行
なう車速しきい値を、上記車速制限値よりも小さい所定
の車速値に設定すると、車速制限値に達する前に早めに
車速制限走行期間に入って車速を制御できるので、迅速
でオーバーシュートの少ない車速制限が可能となる。
【0019】よって、アクセルペダル1と、アクセルペ
ダル1の踏込ストロークを検出する踏込ストローク検出
器2と、踏込ストローク検出器2からの踏込ストローク
信号を入力しこの踏込ストローク信号の大きさに基づい
てエンジンのアクセル信号を出力するエンジン制御装置
40と、エンジン制御装置40からのアクセル信号によ
り回転数制御されるエンジン45とを有する作業車両の
車速制限装置において、作業車両の車速を検出する車速
検出器3と、踏込ストローク検出器2と車速検出器3と
エンジン制御装置40との間に設け、車速検出器3から
の車速信号と、踏込ストローク検出器2からの前記踏込
ストローク信号とを入力し、前記車速信号が予め設定さ
れた所定の車速しきい値より大きくなったときは車速制
限走行期間と判定し、車速制限走行期間はこの車速信号
と車速制限値との偏差が小さくなるように、この偏差
値、及び車速信号から演算される加速度に基づいて前記
踏込ストローク信号の補正量を求める制御ゲインによっ
て前記踏込ストローク信号の補正踏込ストローク信号を
演算して、この補正踏込ストローク信号をエンジン制御
装置40へ出力し、前記車速信号が予め設定された所定
の車速しきい値より小さいときはアクセル走行期間と判
定し、アクセル走行期間は踏込ストローク検出器2から
の前記踏込ストローク信号をエンジン制御装置40へ出
力する車速制御装置10とを備えていても良い。
【0020】車速制限値近傍の所定の車速範囲内で所定
時間以上継続して作業車両が走行している場合は、車速
安定期間と判定できる。この期間は、制御ゲインを必要
以上に大きくして徒に車速の変動を招き易くするより
も、制御ゲインを適度に小さくして車速の安定を図った
方が好ましい。
【0021】一方、前記補正踏込ストローク信号によっ
て車速を制御している状態で、且つ、その時車速安定期
間でない期間を、加減速期間と呼び、このような加減速
期間としては例えば、車速制限値以上の車速に相当する
踏込ストロークまでアクセルペダルが踏み込まれて、車
速制限走行期間に入った直後の車速制限開始時期等が考
えられる。また、走行中に路面の大きな凹凸によって急
に走行抵抗が大きくなったため、車速が車速制限値より
所定値以下に急激に下がった直後の車速制限期間も同様
である。この加減速期間においては、前記補正踏込スト
ローク信号によって車速の偏差を短時間で敏感に小さく
できるように、制御ゲインを適度に大きくして応答性を
重視する方が良い。
【0022】よって、車速制限値に達した後の車速制御
において車速の安定を図るために、上記の作業車両の車
速制限装置において、前記車速制御装置10は、車速検
出器3からの車速信号を入力し、この車速信号と予め設
定された所定の車速制限値との偏差が所定値以下になっ
た時間が所定時間以上継続した場合には車速安定期間
と、及び、この車速安定期間以外の場合には加減速期間
と判定し、この判定結果を出力する加減速/定速判定手
段13と、加減速/定速判定手段13からの判定結果を
入力して、この判定結果に対応した制御ゲインを出力す
る制御ゲイン変更手段12と、制御ゲイン変更手段12
からの制御ゲインと、車速検出器3からの車速信号と、
踏込ストローク検出器2からの前記踏込ストローク信号
とを入力し、前記車速制限走行期間と判定したときは、
この車速信号と車速制限値との偏差が小さくなるように
この偏差値及び前記制御ゲインに基づいて前記踏込スト
ローク信号を補正した補正踏込ストローク信号を演算し
て、この補正踏込ストローク信号をエンジン制御装置4
0へ出力し、前記アクセル走行期間と判定したときは、
踏込ストローク検出器2からの前記踏込ストローク信号
をエンジン制御装置40へ出力する車速制限制御手段1
1とを備えている方が好ましい。
【0023】車速信号と車速制限値との偏差値及び制御
ゲインに基づいて、踏込ストローク検出器2からの踏込
ストローク信号を補正して補正踏込ストローク信号を演
算する場合、踏込ストローク検出器2からの踏込ストロ
ーク信号の大きさに応じてこの補正量を演算した方が、
短時間で車速を車速制限値に制御できる。すなわち、踏
込ストローク検出器2からの踏込ストローク信号の大き
さに相当する車速が車速制限値よりも大きくかけ離れて
いるときは、前記補正量を大きくすることにより、補正
踏込ストローク信号は短時間で車速制限値相当に達する
ことができる。
【0024】よって、上記の作業車両の車速制限装置に
おいては、前記車速制御装置10は、前記車速制限走行
期間と判定したときは、車速信号と車速制限値との偏差
が小さくなるように、踏込ストローク検出器2からの前
記踏込ストローク信号の大きさに応じて、前記偏差値及
び制御ゲインに基づいて前記踏込ストローク信号を補正
した補正踏込ストローク信号を演算し、この補正踏込ス
トローク信号をエンジン制御装置40へ出力した方が好
ましい。
【0025】また例えば、勾配の急な下り坂を長時間走
行する場合に、エンジン制御装置40へ出力する前記補
正踏込ストローク信号が零のアクセル停止信号を出力し
て、且つ、このアクセル停止信号を所定時間出力し続け
ても、車速信号と車速制限値との偏差が所定値以内に小
さくならないときがある。このときは、運転者に車速制
限の制御可能状況でないことを知らしめて、運転時の車
速に注意を払うように警告することが望ましい。
【0026】よって、上記の作業車両の車速制限装置に
おいて、前記車速制限走行期間と判定した場合、車速信
号と車速制限値との偏差が小さくなるように、この偏差
値及び制御ゲインに基づいて前記踏込ストローク信号を
補正した補正踏込ストローク信号を演算し、この補正踏
込ストローク信号が零のアクセル停止信号を出力して、
且つ、このアクセル停止信号を所定時間出力し続けても
車速信号と車速制限値との偏差が所定値以内に小さくな
らないときは、警告信号を出力する前記車速制御装置1
0と、車速制御装置10からの警告信号を入力して、運
転者に警告を発する警告装置50とを備えていることが
望ましい。
【0027】前述の車速制限値及び制御ゲイン値を積載
重量や環境条件等に適した所定値に設定するために、上
記の作業車両の車速制限装置において、前記車速制御装
置10には、少なくとも、前記所定の車速制限値や制御
ゲインを予め設定するための設定値入力手段を、あるい
は、前記設定値入力手段とその設定値を表示する設定値
表示手段とを有する制御定数設定手段5が付設され、こ
の制御定数設定手段5はそれぞれの設定値情報を前記車
速制御装置10とやり取りするように構成しても良い。
【0028】前記車速制限値や制御ゲインを予め設定す
るのに際して、積載重量、タイヤのスリップ状況、タイ
ヤの内圧や温度等の状況、走行路面の勾配の大きさ、及
び走行路面の凹凸等の粗さ状況等の、様々な車両走行状
況や外部環境条件に適する設定値を各状況毎に設定して
置く。そして、これらの設定値の中から車両走行状況や
外部環境条件に最も適合する値を選択して車速制限時の
制御に使用することにより、車両の耐久性、走行安全
性、乗り心地及び車速安定性等をさらに向上させること
ができる。
【0029】よって、上記の作業車両の車速制限装置に
おいて、前記車速制御装置10には、車両の走行状況や
外部環境状況を検出し、この状況信号を車速制御装置1
0へ出力する環境条件検出手段7が付設され、車速制御
装置10は、環境条件検出手段7からの状況信号を入力
し、各状況信号に適するように予め設定された車速制限
値や制御ゲインの中から、前記入力した状況信号に対応
する前記車速制限値や制御ゲインを選択し、この選択し
た車速制限値や制御ゲインを使用して前記補正踏込スト
ローク信号を演算するようにしても良い。
【0030】広い工事現場領域内でシステム的に作業車
両を運行させる場合は、毎日の天候条件、現場環境条件
及びシステム運行条件等に適するように、必要な時に外
部から一括して前記車速制限値や制御ゲイン等を設定で
きる方が、システム管理及び運行管理の面で都合が良い
ことが多い。とりわけ、複数台の作業車両の各種制御定
数設定値を、各々の作業車両の性能や特性に合わせると
同時に、各々の作業車両のシステム運行条件に適した値
に設定する必要がある場合は、例えば外部の基地局から
一括して同時に設定することにより、システム管理の作
業性向上や運行一括管理が図れる。
【0031】よって、システム的に作業車両を運行させ
る場合は、上記の作業車両の車速制限装置において、前
記制御定数設定手段5は、少なくとも無線受信装置を、
あるいは無線受信装置と無線送信装置とを有しており、
外部局から無線受信した車速制限値や制御ゲインの各デ
ータを設定値情報として前記車速制御装置10へ出力
し、あるいは車速制御装置10から入力した設定値情
報、前記車両状況信号又は前記外部環境条件信号を外部
局へ無線送信することが望ましい。
【0032】前述のごとく、エンジン制御装置40へ出
力する前記補正踏込ストローク信号が零のアクセル停止
信号を出力して、且つ、このアクセル停止信号を所定時
間出力し続けても、車速信号と車速制限値との偏差が所
定値以内に小さくならない場合に、さらに、エンジンに
よる制動トルクを大きくするため変速機65をシフトダ
ウンしたり、又はシフトアップしにくくしたり、またブ
レーキ75を作動したりすることによって、車速制限の
効果が大きくなる。
【0033】よって、上記の作業車両の車速制限装置に
おいて、前記車速制限走行期間と判定した場合、車速信
号と車速制限値との偏差が小さくなるように、この偏差
値及び制御ゲインに基づいて前記踏込ストローク信号を
補正した補正踏込ストローク信号を演算し、この補正踏
込ストローク信号が零のアクセル停止信号を出力して、
且つ、このアクセル停止信号を所定時間出力し続けても
車速信号と車速制限値との偏差が所定値以内に小さくな
らないときは、大きめのシフトダウン判定用車速値デー
タ又はシフトアップ判定用車速値データを出力し、ある
いはブレーキ信号を出力する前記車速制御装置10と、
前記シフトダウン判定用車速値データ及びシフトアップ
判定用車速値データを入力し、これらのシフトダウン判
定用車速値データ及びシフトアップ判定用車速値データ
と現在の車速値とを比較して速度段を変速すべきかどう
かを判定し、変速すべきときは対応した速度段へのシフ
ト信号を出力して変速機を制御する変速制御装置60
と、前記ブレーキ信号を入力し、このブレーキ信号に基
づいてブレーキ制御信号を出力してブレーキを制御する
ブレーキ制御装置70とを備えていることが好ましい。
【0034】
【作用】車速制限値をエンジンの最高許容回転数Nma
x及び最高速度段での変速ギヤ比から定まる最高速度値
と異なる値に設け、アクセル走行時に車速が車速制限値
より大きくなった場合は、車速制限走行期間と判定して
車速と車速制限値との偏差が小さくなるように、この偏
差値及び所定の制御ゲインに基づいて踏込ストローク検
出器2からの踏込ストローク信号を補正した補正踏込ス
トローク信号をエンジン制御装置40へ出力して、車速
制限の制御を行なうので、アクセル走行での車速制限時
に乗り心地を損なうことなく滑らかな走行状態を得る。
【0035】また、車速制限値より小さい所定の車速し
きい値を車速が越えたら、車速制限走行期間と判定して
車速と車速制限値との偏差が小さくなるように、この偏
差値、車速信号から演算される加速度、及び所定の制御
ゲインに基づいて補正した補正踏込ストローク信号をエ
ンジン制御装置40へ出力して、車速制限の制御を行な
うので、オーバーシュート量が小さく迅速に車速制限値
へ車速が収束する。
【0036】車速制限値近傍の所定の車速範囲内で所定
時間以上継続して作業車両が走行している場合は、車速
安定期間と判定し、この期間は車速の安定を図るべく制
御ゲインを適度に小さく設定し、上記車速安定期間以外
の車速制限期間、つまり加減速期間においては、車速の
偏差を短時間で敏感に小さくできるように、制御ゲイン
を適度に大きく設定して加減速特性を重視するごとく、
車速安定期間と加減速期間とで最適な制御ゲインに切り
換えることによって、車速の制御特性が改善される。
【0037】前記補正踏込ストローク信号を演算する場
合、踏込ストローク検出器2からの踏込ストローク信号
の大きさに応じて前記補正量も大きな値になるように演
算するので、アクセルペダルの踏み込み量の大小にかか
わらず、加減速時の応答性が良くなる。
【0038】車速制限の制御不能な状態が所定時間継続
した場合は、運転者に車速制限の制御可能状況でないこ
とを知らしめて、運転時の車速に注意を払うように警告
することができる。
【0039】制御定数設定手段5の設定値入力手段、例
えばキースイッチによって、車速制限値及び制御ゲイン
値等の制御定数を積載重量や環境条件等に適した所定値
に任意に設定する。また、この設定情報を表示手段に表
示させて確認することもできる。
【0040】様々な車両走行状況や外部環境条件に適合
する車速制限制御を行ない、乗り心地及び車速安定性等
の向上を図る場合は、車速制御装置10に、それぞれの
走行状況や外部環境条件に適する制御定数設定値を各状
況毎に設定して置く。車速制御装置10は、前記設定さ
れた様々な制御定数設定値の中から、環境条件検出手段
7によって認知された上記車両走行状況や外部環境条件
に最も適合する設定値を選択して車速制限時の制御に使
用する。
【0041】制御定数設定手段5に無線受信装置を設け
ると、外部局から無線受信した車速制限値や制御ゲイン
等の制御定数データを設定値情報として車速制御装置1
0へ出力するので、外部局から複数台の作業車両に対し
て一括して同時に制御定数を設定すること可能となる。
また制御定数設定手段5に無線送信装置を設けると、車
速制御装置10から入力した設定値情報、車両状況信号
又は外部環境条件信号を外部局へ無線送信するので、シ
ステム運行管理が容易である。
【0042】惰走状態でエンジン制御装置40によるエ
ンジン制御のみでは車速制限が不可能なとき、変速制御
装置60による変速段シフト制御、及びブレーキ制御装
置70によるブレーキ制御を併用することができる。こ
のため、車速制限する制動力が増して、安定して確実に
車速制限ができる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例を図面を用いて説明する。図
1は、本発明に係わる車速制限装置の基本構成を示した
機能ブロック図である。車速制御装置10は、車速制限
制御手段11と制御ゲイン変更手段12と加減速/定速
判定手段13とから構成されている。アクセルペダル1
の踏込ストローク量はアクセルペダル踏込ストローク検
出器2を介して、車速制限制御手段11へ入力され、ま
た車速検出器3の車速信号が、車速制限制御手段11及
び加減速/定速判定手段13へ入力される。車速制限制
御手段11は、エンジン制御装置40及び変速制御装置
60及びブレーキ制御装置70を介して、それぞれエン
ジン45及び変速機65及びブレーキ75を制御する。
【0044】アクセルペダル1は、作業車両を加速する
ときに使用するもので、通常は運転席の足元にあって足
で操作される。アクセルペダル1を踏み込んだストロー
ク量が、エンジンへの燃料噴射量に比例し、エンジンが
回転する。その時の走行抵抗や負荷等の大きさによって
定まる車両の必要とするトルクとエンジン出力トルクと
がバランスした状態でエンジンの回転数が定まり、この
回転数に比例した車速で走行できる。
【0045】アクセルペダル踏込ストローク検出器2
は、アクセルペダル1の踏込ストローク量を検出するセ
ンサである。本実施例では、踏込ストローク量をアクセ
ルペダル1が支点Aを中心に回転するときの回転角度で
検出している。車速検出器3は、作業車両の車速を検出
するものである。
【0046】本実施例では車速制御装置10は、車速制
限制御手段11、制御ゲイン変更手段12及び加減速/
定速判定手段13から構成されているが、車速制限制御
手段11のみであっても良い。車速制限制御手段11
は、前記踏込ストローク信号と前記車速信号とを入力
し、車速信号が車速制限値より小さい間は、入力した踏
込ストローク信号をエンジン制御装置40へ出力する。
一方、車速信号が車速制限値より一旦大きくなったとき
は、車速信号と車速制限値との偏差値が小さくなるよう
に入力した踏込ストローク信号を補正し、この補正踏込
ストローク信号を新たな踏込ストローク信号としてエン
ジン制御装置40へ出力する。
【0047】加減速/定速判定手段13は、車速制限制
御手段11が車速制限のために踏込ストローク信号を補
正して車速制御を行なっている最中に、現在の車速は車
速安定期間か又は加減速期間かを判定するものである。
この判定結果は、制御ゲイン変更手段12へ出力され
る。制御ゲイン変更手段12は前記車速安定期間か又は
加減速期間かの判定結果を入力し、それに適する制御ゲ
イン値を車速制限制御手段11へ出力する。
【0048】エンジン制御装置40は、前記踏込ストロ
ーク信号又は補正踏込ストローク信号を入力し、この踏
込ストローク量に対応する燃料噴射量、及びその時のエ
ンジン回転数に対応する燃料噴射時期になるように、燃
料噴射を制御してエンジン45へ燃料を供給する。エン
ジン45は、この燃料供給によって回転する。
【0049】変速制御装置60は、各速度段に対応した
シフトダウン及びシフトアップ時の切り換え車速値デー
タ及び現在の車速値データを車速制限制御手段11から
入力し、この切り換え車速値データ及び現在の車速値デ
ータを比較してシフトダウン又はシフトアップウンすべ
きかどうか判定する。シフトダウン又はシフトアップす
べきときは、対応した速度段になるように変速制御弁を
切り換え、変速機11を制御する。ブレーキ制御装置7
0は、車速制限制御手段11からブレーキ作動信号を入
力し、その信号に基づいてブレーキ制御弁を作動してブ
レーキ75を制御する。
【0050】警告装置50は、車速制限制御手段11か
ら警告信号を入力し、この警告信号に基づいて運転者へ
警告を発するものである。ブザー音、警告音声、警告ラ
ンプ又は警告メッセージ表示等を備え、運転者が運転中
でも容易に警告内容を確認できる位置に設けることが好
ましい。
【0051】図2は、第一実施例の一構成例を表す具体
的な回路ブロック図である。以下、図に従って詳細に説
明する。本実施例では、アクセルペダル踏込ストローク
検出器2としてポテンショメータを使用している。ポテ
ンショメータはアクセルペダル1の回転支点Aと同期し
て回転する所定の場所に取り付けられ、そのポテンショ
メータの出力電圧とアクセルペダル踏込ストローク量が
比例するように、ポテンショメータの回転範囲を調整し
て固定される。
【0052】また、車速検出器3としてパルスジェネレ
ータを使用しており、通常駆動後輪の回転軸と同期して
回転する軸に固定する。パルスジェネレータは、その単
位時間当たりのパルス数が入力回転軸の回転数に比例し
たようなパルス列を出力するもので、よって単位時間当
たりの出力パルス数をカウントすることにより、駆動後
輪の回転数を演算して車速を検出できる。
【0053】エンジン制御装置40は、エンジンコント
ローラ41、燃料噴射量制御ソレノイド弁42、燃料噴
射時期制御ソレノイド弁43及び燃料噴射ポンプ44か
ら構成されている。エンジンコントローラ41は、車速
制限制御手段11(車速制御装置10内)から踏込スト
ローク信号又は補正踏込ストローク信号を入力し、また
図示していないエンジン回転数検出器からエンジンの回
転数信号を入力する。エンジンコントローラ41は、こ
の踏込ストローク量に相当する燃料噴射量を演算すると
同時に、その時のエンジン回転数に適した燃料噴射時期
を演算し、燃料噴射量制御ソレノイド弁42及び燃料噴
射時期制御ソレノイド弁43へそれぞれ燃料噴射量信号
及び燃料噴射時期信号を出力する。
【0054】燃料噴射量制御ソレノイド弁42及び燃料
噴射時期制御ソレノイド弁43は、入力信号の電流の大
きさに比例した油圧流量を出力する比例ソレノイド弁で
ある。燃料噴射量制御ソレノイド弁42の出力油圧流量
に比例して、燃料噴射ポンプ44からの燃料噴射量が設
定されるようになっている。また、燃料噴射時期制御ソ
レノイド弁43の出力油圧流量に比例して、燃料噴射ポ
ンプ44からの燃料噴射時期が設定される。
【0055】変速制御装置60は、変速コントローラ6
1及び変速制御弁62から構成されている。変速コント
ローラ61は、各速度段に対応したシフトダウン及びシ
フトアップ時の切り換え車速値データ及び現在の車速値
データを車速制限制御手段11(車速制御装置10内)
から入力し、この切り換え車速値データ及び現在の車速
値データを比較してシフトダウン又はシフトアップウン
すべきかどうか判定する。シフトダウン又はシフトアッ
プすべきときは、対応した速度段信号を変速制御弁62
へ出力する。変速制御弁62は、速度段信号に基づいて
作動する切り換えソレノイド弁であり、変速機11の速
度段を切り換える。
【0056】ブレーキ制御装置70は、ブレーキコント
ローラ71及びブレーキ制御弁72から構成されてい
る。ブレーキコントローラ71は、車速制限制御手段1
1(車速制御装置10内)からブレーキ作動信号を入力
し、その信号に基づいてブレーキ制御弁72を作動さ
せ、ブレーキ75を制御する。
【0057】一般的に、ブレーキ75は作業車両等が走
行中に連続して車速制御のために使用されるので、本実
施例ではブレーキ75にはリターダブレーキを採用して
いる。このリターダブレーキは、油圧又はエア圧によっ
て作動する。多段にリターダブレーキを制御するとき
は、前記ブレーキ制御弁72としてサーボ弁等を使用し
てアナログ的に流量を制御する。ON/OFF制御を行
なうときは、前記ブレーキ制御弁72には通常の切り換
え弁等を使用してもよい。
【0058】警告装置50は、本実施例では警告ブザー
及びランプで構成している。運転中の運転者に注意を促
すために、視覚と聴覚によって警告する方が好ましい。
【0059】車速制御装置10は、図2のごとく一般的
なマイクロコンピュータシステムによって構成されてい
る。CPU20は、マイクロコンピュータシステムの中
枢をなすマイクロコンピュータであり、内部に記憶装
置、演算処理装置、実行制御装置及び入出力インターフ
ェース部等を備えている一般的なものである。システム
の実行手順をきめるシステムプログラムがROM21内
に記憶されている。RAM22は読み出し及び書き込み
が自由にできる通常のランダムアクセスメモリであり、
RAM22には車速制御時に使用する、各制御定数例え
ば車速制限値や制御ゲイン、及び演算や制御のための一
時的なデータ等が記憶される。CPU20は、ROM2
1、RAM22及びその他周辺のデータ入出力インター
フェース部と、データ及びコントロールバス20aを介
して各データのやり取りを行なう。
【0060】割り込みタイマ23は、設定された所定の
時間間隔毎にCPU20へ割り込み信号23aを出力す
るものである。CPU20は、この割り込み信号23a
を受け付けると、現在実行中の処理を強制的に中断して
優先的に前記割り込み信号23aに対応した割り込み処
理を実行し、割り込み処理が終了したら中断した元の処
理を再開する。割り込みの時間間隔を決める前記所定時
間値は、電源投入直後の初期化プログラムによって設定
される。
【0061】A/Dコンバータ24は、アクセルペダル
踏込ストローク量を検出するポテンショメータからのア
ナログ電圧信号をディジタルに変換するものであり、そ
のディジタル値は前記バス20aを介してCPU20へ
出力される。変換されるディジタル値の出力ビット数を
多くすると、アクセルペダル踏込ストローク量を精度良
く検出でき、踏込ストローク信号の前記補正量も細かく
演算できるので、車速制御が滑らかになる。
【0062】カウンタ25は、前記パルスジェネレータ
からのパルス列を入力し、そのパルス数を計数するもの
である。その計数値は、バス20aを介してCPU20
へ出力される。CPU20は、前記割り込みタイマ23
を使用して所定の単位時間毎に周期割り込み信号23a
を発生させ、割り込み処理の実行時に前記計数値を入力
する同時に、カウンタリセット26へリセット指令を
出力する。カウンタリセット26は、このリセット指令
を入力するとカウンタ25にリセットパルスを一回のみ
出力して、前記計数値データを零値に戻す。カウンタ2
5は、再びパルスジェネレータからのパルス数を計数し
始め、上記を繰り返し継続する。CPU20へ入力され
た前記計数値は、単位時間当たりの駆動後輪の回転数に
相当するので、駆動後輪のタイヤ直径長さを用いて単位
時間当たりの走行距離、つまり車速が演算される。
【0063】出力レジスタ27は、エンジンコントロー
ラ41へ踏込ストローク信号又は補正踏込ストローク信
号を出力するものであり、前記A/Dコンバータ24に
よって変換されたアクセルペダル踏込ストローク量のデ
ィジタル値の出力ビット数より多い出力ビット数が望ま
しい。
【0064】出力レジスタ28は、変速コントローラ6
1へシフトダウン及びシフトアップするときの切り換え
車速値データ及び現在の車速値データを出力する。ま
た、出力レジスタ32は、ブレーキコントローラ71へ
ブレーキ作動信号を出力するものである。前述のごと
く、精度良く滑らかに制動制御するときは、出力ビット
数を多くする必要がある。
【0065】出力レジスタ33は、警告装置50へ警告
信号を出力する。本実施例では、警告装置50に警告ブ
ザー及びランプを使用しているので、警告信号として少
なくとも1ビットの出力でよい。警告装置50に文字表
示器やグラフィック表示器等を使用するときは、多くの
警告メッセージデータ等を出力する必要があるが、例え
ばシリアル通信によって送信を行なうと、警告装置50
への配線ケーブルを簡略化できる。
【0066】次に、本実施例における車速制限装置の作
用について説明する。本実施例における車速制限装置
は、車速制御装置10を構成するマイクロコンピュータ
システムが主体となって車速制限の制御を行なってい
る。この車速制限に関する主な機能を列記すると、以下
のようになる。
【0067】1)(車速制限制御手段11相当) カウンタ25を介して車速パルス計数値を入力し、車速
を演算してRAM22内の所定の番地へこの車速値を書
き込む。また、A/Dコンバータ24を介してアクセル
ペダル1の踏み込み角度を入力する。RAM22内に記
憶されている車速制限値又は所定の車速しきい値を読み
出して前記車速と比較し、車速の方が小さいときは前記
踏み込み角度データをそのまま出力レジスタ27に出力
し、エンジンの燃料噴射量を制御する。
【0068】車速の方が車速制限値又は所定の車速しき
い値より大きくなったときは、車速と車速制限値との偏
差が小さくなるように、前回出力した踏み込み角度デー
タの補正値を演算し、この補正踏み込み角度データを出
力レジスタ27に出力する。このとき踏み込み角度デー
タの補正値を演算するための制御ゲイン値を、RAM3
2内の所定の番地から読み出す。そして、車速制限走行
中は上記処理を繰り返す。車速制限走行すべき期間が終
了し、アクセル走行に移行すべきと判定したときは、実
際の踏み込み角度データを出力レジスタ27に出力す
る。
【0069】2)(加減速/定速判定手段13相当) RAM22内に記憶されている車速値と車速制限値とを
読み出して両者の偏差を演算し、この偏差値が所定値以
下である時間が所定時間以上継続したときは車速安定期
間と判定し、この車速安定期間以外のときは加減速期間
と判定し、この判定結果をRAM22内の所定の番地へ
書き込む。 3)(制御ゲイン変更手段12相当) RAM22内の前記車速安定期間及び加減速期間の判定
結果を読み出し、この判定結果に対応した制御ゲイン値
をRAM22内の所定の番地へ書き込む。
【0070】以下に、詳細に説明する。RAM22内に
は、各制御定数及び制御に使用する一時的なデータ等が
記憶されている。説明のため、これらのデータが図3に
示す番地に記憶されるものとし、これらのデータの先頭
番地はF番地と仮定する。実際のアクセルペダル踏込角
度を、図1のごとくθopとする。さらに図4には、車
速制限走行に移行する判定基準の車速しきい値を車速制
限値と等しくした場合の制御フローを示しており、以下
図1から図4を参照しながら車速制限制御フローについ
て説明する。
【0071】(ステップ;S1) いま、車両が停止状態からスタートし、アクセルペダル
1が踏み込み角度θopまで踏み込まれたとする。踏み
込み角度θopの大きさに比例した電圧Sθが踏み込み
ストローク検出器2(ポテンショメータ)から出力され
るので、CPU20はA/Dコンバータ24を介して前
記電圧Sθを入力する。また同時に、CPU20は車速
検出器3(パルスジェネレータ)からのパルス列Pθの
計数値をカウンタ25から入力する。そしてCPU20
は、上記パルス列Pθの計数値と、RAM22内の所定
の番地にある駆動後輪のタイヤ直径データとより、単位
時間当たりの移動距離を演算して車速値Vθに換算す
る。車速値Vθは、RAM22内の所定の番地に一次記
憶しておく。
【0072】(ステップ;S2) 車速制限走行中かどうか判定し、車速制限走行中の場合
は(ステップ;S6)へ処理を進めるが、車速制限走行
中でない場合は(ステップ;S3)へ進む。スタート時
点では、(ステップ;S3)へ進む。 (ステップ;S3) RAM22内の所定の番地にある車速制限値(以後、V
LIMと表す)と前記車速値Vθとを比較し、車速値V
θが車速制限値VLIMより小さい間は、(ステップ;
S4)へ進む。車速値Vθが車速制限値VLIMより大
きい場合は、(ステップ;S5)へ進む。
【0073】(ステップ;S4) この処理は、アクセル走行時の処理となる。すなわち、
前記入力した電圧Sθ相当のアクセルペダル踏み込み角
度データθopを出力レジスタ27に出力する。その
後、CPU20の処理は(ステップ;S1)へ戻る。
【0074】アクセルペダル踏み込み角度データθop
を出力レジスタ27に出力すると、エンジンコントロー
ラ41は、この踏み込み角度データの大きさに相当する
燃料噴射量指令を、電流指令に変換して燃料噴射量制御
ソレノイド弁42に出力する。またエンジンコントロー
ラ41は、エンジン回転数センサ(図示せず)から入力
したエンジン回転数に対応した燃料噴射時期を演算し、
この燃料噴射時期データの大きさに相当する燃料噴射時
期指令を、電流指令に変換して噴射時期制御ソレノイド
弁43に出力する。
【0075】燃料噴射ポンプ44は、この燃料噴射量制
御ソレノイド弁42と噴射時期制御ソレノイド弁43と
によってエンジン45への燃料噴射を制御される。よっ
てエンジン45は、この燃料噴射量に従って回転し、車
両走行に必要なトルクや走行抵抗等とエンジン出力トル
クとがバランスした回転数となる。このようにして車速
が徐々に増加するが、アクセルペダル1がゆっくりと角
度θopまで踏み込まれたときは、車速はこれにおおよ
そ追従して滑らかに加速される。
【0076】(ステップ;S5) 車速制限走行状態に入り、これ以後の処理を車速制限制
御処理に切り換えるために、車速制限走行中フラグをR
AM22内の所定番地へ書き込み、(ステップ;S6)
へ進む。
【0077】(ステップ;S6) このステップでは、車速制御の挙動が車速安定期間か加
減速期間かを判断する。本実施例では以下のごとく、車
速の偏差の大きさとその偏差が小さいと見做される期間
の経過時間とによって判定している。すなわち、まず車
速制限値VLIMと車速値Vθとの偏差値Veを数式
「Ve=VLIM−Vθ」によって求め、この車速偏差
値VeをRAM22内の所定番地へ書き込む。そして、
偏差値Veの絶対値が所定値Vα(正の定数)より小さ
いかを比較する。偏差値Veの絶対値が所定値Vαより
小さい場合は、さらにその状態の経過時間を計測する。
この経過時間が所定の時間tαより大きくなったとき、
車速安定期間に入ったと見做す。また上記条件を満足し
ない場合は、加減速期間と見做す。この判定結果は、加
減速/定速判定結果フラグとしてRAM22内の所定番
地へ書き込まれる。この加減速/定速判定結果フラグを
基に、車速安定期間ならば(ステップ;S8)へ進み、
加減速期間ならば(ステップ:S7)へ進む。
【0078】尚、上記経過時間の計測は、割り込みタイ
マ23を使用すると処理が容易となる。つまり、偏差値
Veの絶対値が所定値Vαより小さくなった時点から上
記タイマをスタートさせ、この経過時間中の周期タイマ
割り込み回数をプログラム上で計数することにより、最
終の経過時間が演算可能である。
【0079】(ステップ;S7) RAM22内の所定番地から加減速期間の制御ゲインを
読み込み、この制御ゲインを、車速制限時の制御ゲイン
Kθを記憶しているRAM22内の所定番地に書き込
む。よって、車速制限時の制御ゲインKθとして加減速
期間の制御ゲインが設定されたことになる。通常は、加
減速期間の制御ゲインは適度に大きな値に設定される。
次に、(ステップ;S9)へ進む。
【0080】(ステップ;S8) 尚、(ステップ;S8)においては上記同様に、RAM
22内の所定番地から車速安定期間の制御ゲインを読み
込み、この制御ゲインを、車速制限時の制御ゲインKθ
を記憶しているRAM22内の所定番地に書き込む。よ
って、車速制限時の制御ゲインKθとして車速安定期間
の制御ゲインが設定されたことになる。通常は、車速安
定期間の制御ゲインは適度に小さな値に設定される。次
に、(ステップ;S9)へ進む。
【0081】(ステップ;S9) 車速制限値VLIMと車速値Vθとの偏差値Veを、数
式「Ve=VLIM−Vθ」によって求める。但し、本
実施例では(ステップ;S6)において既に求めてRA
M22内の所定番地に記憶してあるので、この偏差値V
eを用いることができる。
【0082】ところで、CPU20は本車速制限処理を
一定周期毎に行なっている。いま、前回の周期処理n回
目の時点で演算された出力レジスタ27に出力するアク
セルペダル踏み込み角度データをθnし、そのときの
補正値をΔθnとする。今回の周期処理n+1回目で
は、数式「Δθn+1=Kθ × Δθmin」によっ
て、アクセルペダル踏み込み角度データの補正値Δθn
+1を求める。ここで、Kθは、(ステップ;S7)あ
るいは(ステップ;S8)で求めた車速制限時の制御ゲ
インであり、RAM22内の前記所定番地から読み込
む。Δθminは、補正値Δθn+1を求めるための所
定の最小補正量単位である。次に、(ステップ;S1
0)へ進む。
【0083】(ステップ;S10) (ステップ;S6)あるいは(ステップ;S9)で求め
た偏差値Veの大きさが数式「Ve=VLIM−Vθ≦
0」を満足する場合は、(ステップ;S11)へ進む。
また、上記を満足しない場合は、(ステップ;S13)
へ進む。
【0084】(ステップ;S11) 車速Vθが車速制限値VLIMをオーバーしている状態
であり、減速の必要が有る。よって、今回の周期処理n
+1回目の出力レジスタ27に出力するアクセルペダル
踏み込み角度データθn+1は、数式「θn+1=θn
−Δθn+1」によって補正される。ここで、θnは前
回の出力時にRAM22内の所定番地へ書き込まれたも
のを読み出すが、初回目はθopとする。また、θn+
1を次回使用するため、RAM22内の所定番地へ書き
込む。次に、(ステップ;S12)へ進む。
【0085】(ステップ;S12) 求めたアクセルペダル踏み込み角度データθn+1を出
力レジスタ27に出力する。これで、今回の周期処理を
終了し、次回の周期処理を(ステップ;S1)から開始
する。
【0086】(ステップ;S13) このときの状態は車速Vθが車速制限値VLIMより下
がってきた状態であり、加速する必要が有る。よって、
今回の周期処理n+1回目のアクセルペダル踏み込み角
度データθn+1は、数式「θn+1=θn+Δθn+
1」によって求められる。ここでθnは、前述の(ステ
ップ;S11)と同様である。次に、(ステップ;S1
4)へ進む。
【0087】(ステップ;S14) ここでは、車速制限走行を終了してアクセル走行へ移行
する必要があるかどうかを判定する。すなわち、車速V
θが車速制限値VLIMより下がっている状態では、実
際のアクセルペダル踏み込み角度θopが小さくなって
いる場合がある。また、上り坂等によって走行負荷が大
きくなっていて、実際のアクセルペダル踏み込み角度θ
op相当のエンジン出力指令ではその走行負荷より大き
なトルクを出せなくなっている場合もある。このとき
は、よって、(ステップ;S14)では、演算されたn
+1回目のアクセルペダル踏み込み角度データθn+1
が実際のアクセルペダル踏み込み角度θopより小さい
かを判断し、小さい場合はこれまでの車速制限走行を続
行するため、(ステップ;S12)へ進む。また大きい
場合は、車速制限走行を終了するために(ステップ;S
15)へ進む。 (ステップ;S15) 車速制限走行フラグをクリアして、次回からの周期処理
時はアクセル走行処理へ移行する。
【0088】以上の制御フローに従って車速制限走行す
るときの処理の流れを、具体的に説明する。いま図5
に、車両が停止状態からスタートし、アクセルペダル1
が徐々に踏み込み角度θsまで踏み込まれ、さらに踏み
込み角度θaまで踏み込まれた場合の、実際の踏み込み
角度θopの時間的な経過と、それに対する車速の変化
の様子を概念的に表している。
【0089】このように、アクセルペダル1がゆっくり
と角度θsまで踏み込まれたときは、角度θsに相当す
る車速Vsが車速制限値VLIMよりちいさいので、制
御フローは各ステップS1、S2、S3及びS4の順序
で処理が進み、通常のアクセル走行を行ないながら滑ら
かに加速される。車速がVsに達した後は、車速Vsで
のアクセル走行を行なうことになる。
【0090】次に、アクセルペダル1が急に踏み込み角
度θsから踏み込み角度θaまで踏み込まれたものと
し、この踏み込み角度θaに相当する車速Vaは車速制
限値VLIMより大きいものと仮定する。加速始めの段
階では、車速値が車速制限値VLIMより小さいので、
前述のごとく、制御フローは各ステップS1、S2、S
3及びS4の順序で処理が進む。CPU20は、電圧S
θa相当のアクセルペダル踏み込み角度データVθaを
出力レジスタ27に出力する。これに相当して、エンジ
ン制御装置40がエンジン回転を急加速するので、車速
が車速Vaとなるように加速される。
【0091】上記加速途中で、ステップS3において車
速値Vθが車速制限値VLIMより大きくなったときに
車速制限走行状態に入り、ステップS5及びS6へ進
む。アクセル走行から車速制限走行状態に入った初期段
階では、図5のように加減速期間と見做されるのでステ
ップS7へ進む。さらに、処理がステップS9、S1
0、S11及びS12と進み、次回の周期処理のスター
トからは、S1、S2、S6、S7、S9、S10、S
11及びS12と、各ステップを繰り返す。このとき、
図5のように車速Vθは一旦車速制限値VLIMをオー
バーした後次第に減速して行き、ある時点で車速制限値
VLIMより下がって来る。よってこの後は、処理がス
テップS9からS10へ進んだときに、S13へ分岐し
てS14、S12と進み、次回の周期処理のスタートか
らは、S1、S2、S6、S7、S9、S10、S1
3、S14及びS12と繰り返す。
【0092】尚、車速Vθが減速して行く途中で(VL
IM+Vα)より下がり、偏差の絶対値がVαより小さ
くなるときがある。この時点から、ステップS6では車
速安定期間に入ったかどうかを判定する経過時間の計測
が始まる。ステップS13の処理によって車速が再び加
速されるので、次第に車速が上昇してゆき、上昇してい
る途中で車速制限値VLIMより大きくなる。この過程
で、ステップS6での車速安定期間の上記経過時間計測
が始まってから、車速Vθが(VLIM−Vα)より下
がらずに、計測した経過時間が前記所定の時間tα以上
になったら、車速安定期間と見做される。そして、処理
はS1、S2、S6からS8、S9と進み、車速制限時
の制御ゲインKθとして車速安定期間の制御ゲインが選
択される。
【0093】もし、車速制限制御中に急激な負荷変動が
あって車速偏差の絶対値がVαより大きくなったら、そ
の時点で直ちに加減速期間の制御ゲインに切り換えら
れ、短時間で車速偏差が小さくなるようにする。よっ
て、急激な負荷変動に対する車速制御の応答性が改善さ
れる。このようにして、車速が次第に車速制限値VLI
Mに収束しながら、安定してゆく。
【0094】運転者がアクセルを徐々に戻して行くと、
実際のアクセルペダル踏み込み角度θopが小さくなっ
て来て、遂には演算されたn+1回目のアクセルペダル
踏み込み角度データθn+1の方が実際のアクセルペダ
ル踏み込み角度θopより大きくなる。このときは、ス
テップS14からS15へ処理が進み、これまでの車速
制限走行を終了する。これ以降は再び、実際のアクセル
ペダル踏み込み角度θopによるいわゆるアクセル走行
に移行する。
【0095】本実施例では、アクセル走行から車速制限
走行に移行すべきかの判定基準の車速しきい値を、説明
を容易にするため車速制限値VLIMと等しくしてい
る。このときは、図5でも分かるように、必ず車速Vθ
が車速制限値VLIMを越えてしまう。したがって、車
速のオーバーシュート量を小さくして迅速に車速制限値
に収束させるため、車速制限走行に移行すべきかの判定
基準の車速しきい値は、目的とする車速制限値VLIM
より小さい(VLIM−Vβ)に設定することもでき
る。ここで、VβはVαより大きい正の整数とする。
【0096】この場合、車速Vθが(VLIM−Vβ)
より大きいかどうか判定し、大きいときは車速制限走行
期間に入ったと見做す。この後、加減速期間及び車速安
定期間に対応した各制御ゲインを求め、周期処理n+1
回目のアクセルペダル踏み込み角度データの補正値Δθ
n+1を求める。このとき、車速の偏差値と加速度の大
きさを考慮して補正値Δθn+1を求める。例えば、偏
差値が小さくても加速度が大きいときは補正値Δθn+
1を大きめにして、車速を早めに収束させる。そして、
前述同様に、補正値Δθn+1からθn+1を求めて出
力する。尚、加速度は車速信号から演算し、単位時間当
たりの車速の変化量として演算される。
【0097】また車速Vθが(VLIM−Vβ)より小
さいときは、アクセル走行に移行して実際のアクセルペ
ダル踏み込み角度θopを出力する。このようにして、
車速Vθが車速制限値VLIMに近づき(VLIM−V
β)を越えたら早めに車速制限を行なうことができ、車
速制限値VLIMを大幅に越えてしまうことはない。
【0098】上記制御フローによる車速制限装置及び車
速制限方法の効果として、これまで説明して来たように
車速安定期間と加減速期間とを判別してその期間に適し
た制御ゲインKθを車速制限制御に使用しているので、
車速制限制御時の応答性が良い。車速安定期間と加減速
期間とを判別せずに、一定の制御ゲインKθによって制
御することもできる。この場合は、前述の制御ゲイン変
更手段12及び加減速/定速判定手段13がないので、
車速制限制御手段11が車速制御装置10に相当する。
車速制限制御手段11が、図3にあるような車速制限制
御に必要な各制御定数を持ち、前述の制御フローに従っ
て制御を行なうことができる。また、車速制限走行に移
行すべきかの判定基準の車速しきい値を、目的とする車
速制限値VLIMより小さい(VLIM−Vβ)に設定
すると、車速のオーバーシュート量を小さくして迅速に
車速制限値に収束させることができる。
【0099】本実施例の各回周期処理でのアクセルペダ
ル踏み込み角度データの出力値は、車速偏差を減少させ
る方向に前回出力値を微小量だけ補正して求めている。
この補正値の大きさにより制御の応答性が影響を受ける
ので、制御に適した補正値を演算する必要がある。例え
ば、前述の制御フロー(ステップ;S9)において、こ
の補正値Δθn+1を求めるための所定の最小補正量単
位Δθminを、制御が不安定にならない程度の小さな
値に設定したとする。このとき、実際のアクセルペダル
踏み込み角度が、車速制限速度に相当する踏み込み角度
よりかなり大きいならば、上記小さな最小補正量単位Δ
θminによってアクセルペダル踏み込み角度データの
出力値を補正しても、車速制限速度に安定するまでの時
間がかかってしまうことが考えられる。
【0100】よって、実際のアクセルペダル踏み込み角
度の大きさに応じて、最小補正量単位Δθminを演算
すると、応答性の改善が図れる。例えば、実際のアクセ
ルペダル踏み込み角度θopに対して、最小補正量単位
Δθminを数式「θop/K」により求めることがで
きる。ここで、Kは車速制御の安定性を考慮した正の定
数であり、実験的に求められる。本提案者らによる実験
では、定数Kを最適に設定した場合に、小さな値の最小
補正量単位Δθminを用いるよりも応答性が非常に改
善されることが確認されている。
【0101】急勾配の下り坂を走行するときは、アクセ
ルペダルを踏まなくても車両重量のために加速されて、
いわゆる惰走状態が生じる。特にダンプトラックは大量
の土砂等の重量物を運搬するので、惰走状態が生じ易
い。車速制限時に惰走状態が生じると、補正踏込角度デ
ータを零で出力しても、つまりアクセル停止信号を出力
しても車速値が車速制限値をオーバーしてしまうことが
ある。この車速制限の制御不能な状態が始まると、CP
U20は割り込みタイマ23を使用して、この継続時間
を計測し始める。そして所定時間継続した場合は、CP
U20は出力レジスタ33にブザー及びランプ50の作
動指令を出力して、運転者に車速制限の制御可能状況で
ないことを知らせる。
【0102】さらに、惰走状態でエンジン制御のみによ
る車速制限が不可能なとき、変速段をシフトダウンした
りブレーキを作動させると、車速制限の制御が精度良く
できる。また、車速制限制御中は、速度段をシフトアッ
プしにくくして現在の速度段を維持する方が、制動力が
大きくなるので車速制限が制御し易い。
【0103】例えば、CPU20が出力レジスタ32に
ブレーキ作動指令データを出力すると、ブレーキコント
ローラ71がブレーキ制御弁72を作動してブレーキ7
5をかけ、車速が徐々に下がる。この後、所定の車速に
なってCPU20が出力レジスタ28に現在のシフトダ
ウン判定用車速値データより大きなシフトダウン判定用
車速値データを出力する。変速コントローラ61は、通
常のシフトダウン時よりも早めにシフトダウンすべきと
判定し、変速制御弁62を作動して変速機65をシフト
ダウンする。これにより、エンジン制御時のさらに大き
な制動トルクが得られるので、惰走状態でも車速制限が
できる場合が多くなる。
【0104】また、CPU20が出力レジスタ28に現
在のシフトアップ判定用車速値データより大きなシフト
アップ判定用車速値データを出力することにより、変速
コントローラ61は通常のシフトアップ時よりも遅めに
シフトアップすべきと判定するのでシフトアップしにく
くなり、現在の制動トルクの大きな速度段を維持でき
る。
【0105】次に、第二実施例を説明する。図6は、第
二実施例を表した車速制限装置の基本構成ブロック図で
あり、また図7は、同じく回路ブロック図である。第二
実施例は、ダンプトラックをシステム的に運行させる場
合の実施例であり、以下に図6及び図7を参照して詳細
に説明する。図において、殆どの構成は第一実施例と同
様であるが、本実施例では、システム管理及び運行管理
を効率良く行なうため、制御定数データを任意に入力し
たり、又は外部の基地局と無線で制御定数データを送受
信できる制御定数設定手段5を設けている。また、外部
環境条件に適した車速制限制御を行なうため、外部環境
条件検出手段7を設けている。制御定数設定手段5と外
部環境条件検出手段7は、車速制限制御手段に付設され
る。ここでは、特徴的なこれらのものを説明する。
【0106】制御定数設定手段5は制御定数等を設定す
るためのものであり、少なくとも設定値入力手段5aを
設け、さらには設定値表示手段5bを設けても良い。設
定値入力手段5aとして、例えば、キースイッチやディ
ジタルスイッチ等を用いて直接数値入力するか、表示器
付きのタッチキーを用いて入力すると操作性が良い。設
定値表示手段5bは上記入力した設定値等を確認するも
のであり、例えばLED表示、7セグメント表示あるい
はプラズマ表示器のごとき文字表示器又はグラフィック
表示器等を備えている。
【0107】制御定数設定手段5は、入力された設定値
情報信号を車速制限制御手段11(車速制御装置10
内)へ出力し、また表示する設定値情報信号を車速制限
制御手段11(車速制御装置10内)から入力する。よ
って、車速制御装置10との間で多くの設定値データを
送受信する必要があるので、例えばRS232Cのよう
なシリアル通信によって上記送受信を行なう方が配線ケ
ーブルやインターフェース回路の簡略化を図ることがで
きる。このため本実施例の制御定数設定手段5は、シリ
アル通信コントローラ5cを有している。
【0108】一方、車速制御装置10内にシリアル通信
コントローラ34を有している。シリアル通信コントロ
ーラ34は、制御定数設定手段5と前述のごとくシリア
ル通信を行なうものであり、内部にはデータ入出力用レ
ジスタとシリアル−パラレルデータ変換部とシリアル通
信制御部とを有している。制御定数設定手段5からシリ
アル送信されたデータは、シリアル通信制御部により受
信され、シリアル−パラレルデータ変換部によりシリア
ルデータをパラレルデータに変換されてデータ入出力用
レジスタにセットされる。CPU20は、このデータ入
出力用レジスタを介して受信データを入力する。逆にC
PU20から送信する場合は、データ入出力用レジスタ
へデータを出力すると、シリアル−パラレルデータ変換
部によりパラレルデータをシリアルデータに変換され、
シリアル通信制御部によりシリアルデータが送信され
る。
【0109】また制御定数設定手段5は、外部の無線基
地局との通信を行なうために、無線受信装置5d及び無
線送信装置5eを有していても良い。無線受信装置5d
で受信されたデータは、設定値表示手段5bに送られる
とともに、シリアル通信コントローラ5cを介して車速
制御装置10内のシリアル通信コントローラ34へ送信
される。車速制御装置10内のCPU20はシリアル通
信コントローラ34からこのデータを読み込み、RAM
22内の所定番地へ書き込む。
【0110】反対に、CPU20はRAM22内の制御
定数データ等を、シリアル通信コントローラ34を介し
て、制御定数設定手段5のシリアル通信コントローラ5
cへ送信する。このデータは、設定値表示手段5bに送
られるとともに、無線送信装置5eから外部局へ送信さ
れる。設定値入力手段5aから入力されたデータは、第
一実施例同様に車速制御装置10内へ送信されるととも
に、無線送信装置5eから外部局へ送信される。
【0111】車速制限制御の特性に影響を与える外部環
境条件として、様々なものがある。例えば、積載重量、
タイヤのスリップ状況、タイヤの状況、路面勾配の大き
さ及び路面の走行抵抗等が代表的なものである。本実施
例では、積載重量及び路面勾配の大きさを検出して、こ
れに基づいて最適な値の制御定数を選択する例を説明す
る。
【0112】まず積載重量検出手段として、従来と同じ
く図10及び図11に示すごとく、車体81の前部左右
及び後部左右にそれぞれ、操舵前輪82がサスペンショ
ンシリンダ83を介して、及び駆動後輪84がサスペン
ションシリンダ85を介して装着されている。そしてサ
スペンションシリンダ83及び85には、伸長室内の圧
力を検出する圧力センサ89をそれぞれ設けている。車
速制御装置10内には、圧力センサ89からのアナログ
信号を入力するためのA/Dコンバータ35及び36を
設け、CPU20は、このA/Dコンバータ35及び3
6を介して圧力センサ89の圧力値を入力する。
【0113】また路面勾配の大きさの検出手段として、
車体傾斜角検出器55を備える。この車体傾斜角検出器
55は、路面勾配の大きさとほぼ等価と見做せるような
車体81の所定位置に設ける。車速制御装置10内に
は、車体傾斜角検出器55からのアナログ信号を入力す
るためのA/Dコンバータ37を設け、CPU20は、
このA/Dコンバータ37を介して車体傾斜角を入力す
る。
【0114】以下に、本実施例の作用について説明する
例えば図3に示すように、積載重量が許容値以内の場合
の各制御定数と、過積載重量の場合の各制御定数と、急
勾配の場合の各制御定数とをRAM22内に記憶して置
く。これらの各制御定数を、晴天時と雨天時の路面に適
するように設定すると、さらに精度良く車速制限制御が
行える。システム管理者は、晴天時と雨天時で車速制限
値及び制御ゲイン値等の制御定数を設定し直すため、制
御定数設定手段5を使用する。これらの制御定数は、R
AM22内に書き込まれているので自由に設定値を変更
することができる。制御定数データを設定値入力手段に
より入力すると、この制御定数データは制御定数設定手
段5のシリアル通信コントローラ5cから車速制御装置
10内のシリアル通信コントローラ34へ送信され、C
PU20によってRAM22内の所定番地へ書き込まれ
る。
【0115】尚、これらの制御定数データは制御に関す
る非常に重要なデータであるので、通常はシステム管理
者だけが自由に変更すべきものである。したがって、誰
でもが制御定数データを変更できないようにするため、
日常は制御定数設定手段5を車速制御装置10から外し
て置いて、上記管理者が必要な時のみ制御定数設定手段
5を接続して使用できる方が好ましい。よって、両者を
接続するケーブルに着脱自在なコネクタ34aを設ける
方が良い。
【0116】システム内には複数台のダンプトラックが
ある場合が多く、これらの制御定数を一括で設定すると
きは、無線による制御定数データ入力を行なう。例え
ば、工事現場内に設けられたシステム管理室に基地局の
無線送受信装置を設置し、システム管理者はここから各
ダンプトラックに装着した制御定数設定手段5へ、無線
で制御定数データを送信する。各制御定数設定手段5
は、受信した制御定数データをシリアル通信コントロー
ラ5cを介して車速制御装置10内のシリアル通信コン
トローラ34へ送信し、車速制御装置10内のCPU2
0は、このデータを入力してRAM22内の所定番地へ
書き込む。
【0117】書き込まれた各制御定数データを確認する
ときは、基地局からデータ確認のための指令を上記同様
に無線で送信すると、各制御定数設定手段5内の設定値
表示手段5bは車速制御装置10内のCPU20へシリ
アル通信コントローラ34を介してデータ要求信号を送
信する。これに答えてCPU20は、制御定数データを
シリアル通信コントローラ34を介して制御定数設定手
段5内の設定値表示手段5bへ送信し、と同時に、設定
値表示手段5bは無線送信装置5eを介して基地局へ送
信する。
【0118】無線による送受信装置を設けている場合
は、常時データを受信できるように、各制御定数設定手
段5の通信ケーブルは車速制御装置10に常に接続して
おく必要がある。しかし、制御定数設定手段5内に設定
値入力手段5aが設けられているときは、誰でもが制御
定数データを変更できないようにするため、設定値入力
手段5aによるデータ変更が出来ないようにする保護キ
ースイッチ等を設ける必要がある。
【0119】さて、積載重量の計測は以下のように行な
う。CPU20はA/Dコンバータ35及び36を介し
て、サスペンションシリンダ83及び85内の圧力セン
サ89からの土砂等積載時の圧力信号を入力し、予め入
力していた空荷時の圧力信号との差分に基づいて積載重
量を求める。この積載重量信号に基づいて過積載重量か
どうかを判定し、過積載時は対応した制御定数をRAM
22内の所定番地から入力し、この制御定数を用いて車
速制限制御の周期処理を行なう。
【0120】また、CPU20はA/Dコンバータ37
を介して、車体傾斜角検出器55からの車体傾斜角信号
を入力し、路面の勾配の大きさを判定する。所定値以上
の急勾配になっていたら、急勾配に対応した制御定数を
RAM22内の所定番地から入力し、この制御定数を用
いて車速制限制御の周期処理を行なう。
【0121】このようにして、外部環境条件に適した車
速制限制御が可能となる。一方、実際の車速制限走行で
は非常に多くの考慮すべき環境条件があり、しかも、様
々な環境条件が複雑に絡み合っていて各々の条件がお互
いに影響し合っている。このために、前述した車速制限
制御フローによる制御では、多くの環境条件を組み合わ
せた状態での車速制限走行時に適した各制御定数を、各
々の状態毎に予め求めて置く必要がある。
【0122】しかしながら、制御定数のこのようなチュ
ーニング作業は、多大な労力と費用を要することが予測
される。もし仮に、このようにして制御定数を求めたと
しても、最適な値にチューニングできる保証は無く、そ
の制御定数を用いての実際の車速制限走行時の挙動が運
転感覚になじまない恐れもある。
【0123】上記のような場合に、ファジィを制御に適
用すると非常に有効であり、幅広い条件の範囲で安定し
た制御特性が得られ、またチューニング作業も非常に簡
される。以下に、ファジィを適用した車速制御装置
10の説明を行なう。図4の制御フローにおいて、例え
ばステップS7及びステップS8で用いる制御ゲインK
θを、積載重量と車速偏差と加速度とよりファジィを適
用して求める場合を説明する。具体的なファジィ推論
は、本実施例ではCPU20が行なっている。以下では
説明の簡略のため、CPU20が行なうことを改めて明
記していない。
【0124】図8に、判定条件となる積載重量、車速偏
差及び加速度のメンバーシップ関数を示す。それぞれ、
横軸は各判定条件の大きさを、縦軸は各判定条件の正規
化された度合いを表している。また図9には、制御ゲイ
ンKθの大きさを決定するための各ルールの実施例を示
している。車速制御の各回の周期処理の度に、入力した
積載重量、車速偏差及び加速度の各大きさを、対応する
メンバーシップ関数に当てはめ、その時の条件の度合い
を求める。この度合いの数値を用いて前記ルールを参照
し、一般的なmax−min合成重心法によって制御ゲ
インKθを演算することができる。尚、上記加速度の計
測は、各回の周期処理毎に入力した車速検出器3からの
パルス数を記憶して置き、このパルス数の差分から求め
ている。
【0125】また本実施例では、上記各メンバーシップ
関数の横軸の基準値を、車速安定期間の場合と加減速期
間の場合とで二つの値に切り換えて、ファジィ推論をし
ている。例えば図8(a)の車速偏差値メンバーシップ
関数の横軸基準値をVekとし、車速安定期間の場合は
Vekの値を大きめの数値(例えば4km/h)に設定
し、加減速期間の場合はVekの値を小さめの数値(例
えば2km/h)に設定する。このようにすると、同じ
大きさの車速偏差値でも、車速安定期間の場合は偏差が
小さいと見做され制御ゲインが小さめに演算され、加減
速期間の場合は偏差が大きいと見做され制御ゲインが大
きめに演算される。このことは、等価的には、第一実施
例と同様に車速安定期間と加減速期間とで制御ゲインを
切り換えたことになり、制御の応答性が改善される。同
様にして、加速度や積載重量等についても、上記横軸の
基準値を切り換えることによって、車速安定期間と加減
速期間とで制御ゲインを切り換えることができる。
【0126】以下に、第二実施例の各効果を述べる。制
御定数設定手段5を使用すると、車速制限値や制御ゲイ
ン等を外部環境条件に適した値に任意に設定できる。制
御定数設定手段5の車速制御装置10への接続は、着脱
自在のコネクタ接続なので、システム管理者のみが設定
値を変更できる。制御定数設定手段5に無線送受信装置
を設けると、システム管理者が作業車両から遠く離れた
システム管理室にいても、システム的に運行される複数
台の作業車両に対して、一括で同時に車速制限値や制御
ゲイン等の制御定数を外部環境条件に適した値に任意に
設定できる。よって、システム管理時の制御定数変更工
数が短縮される。
【0127】車両の車速制限制御に影響する各環境条件
を的確に認識して、様々な環境条件に適した制御定数を
車速制限制御に使用するので、精度良く安定した制御が
可能となる。また、多くの環境条件に適した制御定数を
演算するために、ファジィ推論を適用するので、複雑に
絡んだ環境条件に対しても容易に演算可能となり、車速
制限走行が可能適用条件が広がる。
【0128】
【発明の効果】エンジンの最高許容回転数と異なる速度
制限値を任意に設定し、車速がこの速度制限値を越えな
いように車速制限したので、安定した車速制限走行がで
きる。車速制限時の制御ゲインを、車両状況や天候条件
や路面状況等に適した値に設定できるので、環境条件の
変動に対しても応答性と安定性を満足する車速制限走行
ができる。また、制御定数の一括設定ができるので、シ
ステム管理者の管理作業が容易となり、作業車両の環境
条件に適したシステム運行管理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例を表す車速制限装置の基本構成ブロ
ック図である。
【図2】第一実施例を表す車速制限制御装置の回路ブロ
ック図である。
【図3】第一実施例を表す車速制限制御装置のマイクロ
コンピュータシステムのRAM内のデータ記憶例を示し
た図である。
【図4】第一実施例を表す車速制限制御装置の制御フロ
ーを説明する図である。
【図5】第一実施例を表す車速制限制御装置の作用を説
明する図である。
【図6】第二実施例を表す車速制限制御装置の基本構成
ブロック図である。
【図7】第二実施例を表す車速制限制御装置の回路ブロ
ック図である。
【図8】第二実施例を表す車速制限制御装置のファジィ
推論による制御を説明する図である。
【図9】第二実施例を表す車速制限制御装置のファジィ
推論による制御を説明するルールである。
【図10】従来の車速制限装置に係わるダンプトラック
の側面図である。
【図11】従来の車速制限制限装置の一構成例の制御ブ
ロック図である。
【符号の説明】
アクセルペダル、 2アクセルペダル踏込ストロ
ーク検出器、 3車速検出機、 5制御定数設定手
段、 5a設定値入力手段、 5b設定値表示手
段、 5cシリアル通信コントローラ、 5d無線
受信装置、 5e無線受信装置、 7環境条件検出
手段、 10車速制御装置、 11車速制限制御手
段、 12制御ゲイン変更手段、 13加減速/定
速判定手段、 20CPU、 20aCPUバス、
21ROM、 22RAM、23割り込みタイ
マ、 23a割り込み信号、 24A/Dコンバー
タ、 25カウンタ、 26カウンタリセット、
27出力レジスタ、 28出力レジスタ、 32
出力レジスタ、 33出力レジスタ、 34シリア
ル通信コントローラ、 35A/Dコンバータ、 3
A/Dコンバータ、 37A/Dコンバータ、
40エンジン制御装置、 41エンジンコントロー
ラ、 42燃料噴射量制御ソレノイド弁、 43
料噴射時期制御ソレノイド弁、 44燃料噴射ポン
プ、 45エンジン、 50警告装置、 55
体傾斜角検出器、 60変速制御装置、 61変速
コントローラ、 62変速制御弁、 65変速機、
70ブレーキ制御装置、 71ブレーキコントロ
ーラ、 72ブレーキ制御弁、 75ブレーキ、
81車体、 82操舵前輪、 83サスペンショ
ンシリンダ、 84駆動後輪、 85サスペンショ
ンシリンダ、 86運転室、 87ベッセル、88
ホイストシリンダ、 89圧力センサ、 90
ンジン、 91変速機、 93変速コントローラ、
94変速制御弁、 95シフトレバー、 97
回転センサ、 98回転センサ、 99積載重量演
算部、 S1〜S15制御ステップ、 θop実際
のアクセルペダル踏込角、 θs実際のアクセルペダ
ル踏込角(車速制限値より小)、 θa実際のアクセ
ルペダル踏込角(車速制限値より大)、 Kθ制御ゲ
イン、 Vθ車速値、 Vsθsに対する車速(車
速制限値より小)、 Vaθaに対する車速(車速制
限値より大)、 VLIM車速制限値、 Ve車速
と車速制限値との偏差値、 Vek偏差値Veのメン
バーシップ関数の横軸基準値、 Vα車速安定期間判
定の偏差許容値、 tα車速安定期間判定の所定時
間、 Vβ車速制限走行判定基準の車速偏差しきい
値、 Δθn+1アクセルペダル踏込角度データの補
正値、 ΔθminΔθn+1を求めるための最小補
正量単位。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−347344(JP,A) 特開 平2−104926(JP,A) 特開 平2−120148(JP,A) 特開 昭62−231825(JP,A) 特開 平6−64461(JP,A) 特開 昭64−9035(JP,A) 特開 平1−109132(JP,A) 特開 平2−274636(JP,A) 特開 平4−314630(JP,A) 特開 昭62−120234(JP,A) 特開 昭62−241735(JP,A) 特開 平1−153344(JP,A) 特開 昭63−100240(JP,A) 特開 平5−221251(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 29/02 311

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセルペダル(1)と、アクセルペダ
    ル(1)の踏込ストロークを検出する踏込ストローク検
    出器(2)と、踏込ストローク検出器(2)からの踏込
    ストローク信号を入力しこの踏込ストローク信号の大き
    さに基づいてエンジンのアクセル信号を出力するエンジ
    ン制御装置(40)と、エンジン制御装置(40)から
    のアクセル信号により回転数制御されるエンジン(4
    5)とを有する作業車両の車速制限装置において、 作業車両の車速を検出する車速検出器(3)と、 踏込ストローク検出器(2)と車速検出器(3)とエン
    ジン制御装置(40)との間に設け、車速検出器(3)
    からの車速信号と、踏込ストローク検出器(2)からの
    前記踏込ストローク信号とを入力し、前記車速信号が予
    め設定された所定の車速制限値より大きくなったときは
    車速制限走行期間と判定し、車速制限走行期間はこの車
    速信号と車速制限値との偏差が小さくなるように、この
    偏差値に基づいて前記踏込ストローク信号の補正量を求
    める制御ゲインによって前記踏込ストローク信号の補正
    踏込ストローク信号を演算して、この補正踏込ストロー
    ク信号をエンジン制御装置(40)へ出力し、前記車速
    信号が予め設定された所定の車速制限値より小さくて、
    且つ、前記演算された補正踏込ストローク信号が踏込ス
    トローク検出器(2)からの前記踏込ストローク信号よ
    り大きくなったときは、アクセル走行期間と判定し、ア
    クセル走行期間は踏込ストローク検出器(2)からの前
    記踏込ストローク信号をエンジン制御装置(40)へ出
    力する車速制御装置(10)とを備えていることを特徴
    とする作業車両の車速制限装置。
  2. 【請求項2】 アクセルペダル(1)と、アクセルペダ
    ル(1)の踏込ストロークを検出する踏込ストローク検
    出器(2)と、踏込ストローク検出器(2)からの踏込
    ストローク信号を入力しこの踏込ストローク信号の大き
    さに基づいてエンジンのアクセル信号を出力するエンジ
    ン制御装置(40)と、エンジン制御装置(40)から
    のアクセル信号により回転数制御されるエンジン(4
    5)とを有する作業車両の車速制限装置において、 作業車両の車速を検出する車速検出器(3)と、 踏込ストローク検出器(2)と車速検出器(3)とエン
    ジン制御装置(40)との間に設け、車速検出器(3)
    からの車速信号と、踏込ストローク検出器(2)からの
    前記踏込ストローク信号とを入力し、前記車速信号が予
    め設定された所定の車速しきい値より大きくなったとき
    は車速制限走行期間と判定し、車速制限走行期間はこの
    車速信号と車速制限値との偏差が小さくなるように、こ
    の偏差値、及び車速信号から演算される加速度に基づい
    て前記踏込ストローク信号の補正量を求める制御ゲイン
    によって前記踏込ストローク信号の補正踏込ストローク
    信号を演算して、この補正踏込ストローク信号をエンジ
    ン制御装置(40)へ出力し、前記車速信号が予め設定
    された所定の車速しきい値より小さいときはアクセル走
    行期間と判定し、アクセル走行期間は踏込ストローク検
    出器(2)からの前記踏込ストローク信号をエンジン制
    御装置(40)へ出力する車速制御装置(10)とを備
    えていることを特徴とする作業車両の車速制限装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2記載の作業車
    両の車速制限装置において、前記車速制御装置(10)
    は、 車速検出器(3)からの車速信号を入力し、この車速信
    号と予め設定された所定の車速制限値との偏差が所定値
    以下になった時間が所定時間以上継続した場合には車速
    安定期間と、及び、この車速安定期間以外の場合には加
    減速期間と判定し、この判定結果を出力する加減速/定
    速判定手段(13)と、 加減速/定速判定手段(13)からの判定結果を入力し
    て、この判定結果に対応した制御ゲインを出力する制御
    ゲイン変更手段(12)と、 制御ゲイン変更手段(12)からの制御ゲインと、車速
    検出器(3)からの車速信号と、踏込ストローク検出器
    (2)からの前記踏込ストローク信号とを入力し、前記
    車速制限走行期間と判定したときは、この車速信号と車
    速制限値との偏差が小さくなるようにこの偏差値及び前
    記制御ゲインに基づいて前記踏込ストローク信号を補正
    した補正踏込ストローク信号を演算して、この補正踏込
    ストローク信号をエンジン制御装置(40)へ出力し、
    前記アクセル走行期間と判定したときは、踏込ストロー
    ク検出器(2)からの前記踏込ストローク信号をエンジ
    ン制御装置(40)へ出力する車速制限制御手段(1
    1)とを備えていることを特徴とする作業車両の車速制
    限装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1、請求項2又は請求項3記
    載の作業車両の車速制限装置において、 前記車速制御装置(10)は、前記車速制限走行期間と
    判定したときは、車速信号と車速制限値との偏差が小さ
    くなるように、踏込ストローク検出器(2)からの前記
    踏込ストローク信号の大きさに応じて、前記偏差値及び
    制御ゲインに基づいて前記踏込ストローク信号を補正し
    た補正踏込ストローク信号を演算し、この補正踏込スト
    ローク信号をエンジン制御装置(40)へ出力すること
    を特徴とする作業車両の車速制限装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1、請求項2、請求項3又は
    請求項4記載の作業車両の車速制限装置において、 前記車速制限走行期間と判定した場合、車速信号と車速
    制限値との偏差が小さくなるように、この偏差値及び制
    御ゲインに基づいて前記踏込ストローク信号を補正した
    補正踏込ストローク信号を演算し、この補正踏込ストロ
    ーク信号が零のアクセル停止信号を出力して、且つ、こ
    のアクセル停止信号を所定時間出力し続けても車速信号
    と車速制限値との偏差が所定値以内に小さくならないと
    きは、警告信号を出力する前記車速制御装置(10)
    と、 車速制御装置(10)からの警告信号を入力して、運転
    者に警告を発する警告装置(50)とを備えていること
    を特徴とする作業車両の車速制限装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項4又は請求項5記載の作業車両の車速制限装置にお
    いて、 前記車速制御装置(10)には、少なくとも、前記所定
    の車速制限値や制御ゲインを予め設定するための設定値
    入力手段を、あるいは、前記設定値入力手段とその設定
    値を表示する設定値表示手段とを有する制御定数設定手
    段(5)が付設され、 この制御定数設定手段(5)はそれぞれの設定値情報を
    前記車速制御装置(10)とやり取りすることを特徴と
    する作業車両の車速制限装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項4、請求項5又は請求項6記載の作業車両の車速制
    限装置において、 前記車速制御装置(10)には、車両の走行状況や外部
    環境状況を検出し、この状況信号を車速制御装置(1
    0)へ出力する環境条件検出手段(7)が付設され、 車速制御装置(10)は、環境条件検出手段(7)から
    の状況信号を入力し、状況信号に適するように予め設定
    された車速制限値や制御ゲインの中から、前記入力した
    状況信号に対応する前記車速制限値や制御ゲインを選択
    し、この選択した車速制限値や制御ゲインを使用して前
    記補正踏込ストローク信号を演算することを特徴とする
    作業車両の車速制限装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項6又は請求項7記載の作業車
    両の車速制限装置において、 前記制御定数設定手段(5)は、少なくとも無線受信装
    置を、あるいは無線受信装置と無線送信装置とを有して
    おり、外部局から無線受信した車速制限値や制御ゲイン
    の各データを設定値情報として前記車速制御装置(1
    0)へ出力し、あるいは車速制御装置(10)から入力
    した設定値情報、前記車両状況信号又は前記外部環境条
    件信号を外部局へ無線送信することを特徴とする作業車
    両の車速制限装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項1から請求項8のいずれか一
    つの請求項記載の作業車両の車速制限装置において、 前記車速制限走行期間と判定した場合、車速信号と車速
    制限値との偏差が小さくなるように、この偏差値及び制
    御ゲインに基づいて前記踏込ストローク信号を補正した
    補正踏込ストローク信号を演算し、この補正踏込ストロ
    ーク信号が零のアクセル停止信号を出力して、且つ、こ
    のアクセル停止信号を所定時間出力し続けても車速信号
    と車速制限値との偏差が所定値以内に小さくならないと
    きは、大きめのシフトダウン判定用車速値データ又はシ
    フトアップ判定用車速値データを出力し、あるいはブレ
    ーキ信号を出力する前記車速制御装置(10)と、 前記シフトダウン判定用車速値データ及びシフトアップ
    判定用車速値データを入力し、これらのシフトダウン判
    定用車速値データ及びシフトアップ判定用車速値データ
    と現在の車速値とを比較して速度段を変速すべきかどう
    かを判定し、変速すべきときは対応した速度段へのシフ
    ト信号を出力して変速機を制御する変速制御装置(6
    0)と、 前記ブレーキ信号を入力し、このブレーキ信号に基づい
    てブレーキ制御信号を出力してブレーキを制御するブレ
    ーキ制御装置(70)と、 を備えていることを特徴とする作業車両の車速制限装
    置。
  10. 【請求項10】 作業車両のアクセルペダル踏込ストロ
    ーク量と車速とに基づいて車速を車速制限値以下に制御
    する作業車両の車速制限方法において、 車速が予め設定された所定の車速制限値より大きくなっ
    たときは車速制限走行期間と判定し、車速制限走行期間
    はこの車速と車速制限値との偏差が小さくなるように、
    この偏差値に基づいて実際の踏込ストローク量を補正し
    た補正踏込ストローク量を演算し、この補正踏込ストロ
    ーク量によって作業車両の車速を制御し、前記車速が予
    め設定された所定の車速制限値より小さくなり、且つ、
    前記演算された補正踏込ストローク量が実際の踏込スト
    ローク量より大きくなったときは、アクセル走行期間と
    判定し、アクセル走行期間は実際の踏込ストローク量に
    よって作業車両の車速を制御することを特徴とする作業
    車両の車速制限方法。
  11. 【請求項11】 作業車両のアクセルペダル踏込ストロ
    ーク量と車速とに基づいて車速を車速制限値以下に制御
    する作業車両の車速制限方法において、 車速が予め設定された所定の車速しきい値より大きくな
    ったときは車速制限走行期間と判定し、車速制限走行期
    間はこの車速と車速制限値との偏差が小さくなるように
    この偏差値、及び車速信号から演算される加速度に基づ
    いて実際の踏込ストローク量を補正した補正踏込ストロ
    ーク量を演算し、この補正踏込ストローク量によって作
    業車両の車速を制御し、前記車速が予め設定された所定
    の車速しきい値より小さいときはアクセル走行期間と判
    定し、アクセル走行期間は実際の踏込ストローク量によ
    って作業車両の車速を制御することを特徴とする作業車
    両の車速制限方法。
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