JP6420573B2 - 浴槽用断熱材及びそれを用いた浴槽の製造方法 - Google Patents

浴槽用断熱材及びそれを用いた浴槽の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6420573B2
JP6420573B2 JP2014126791A JP2014126791A JP6420573B2 JP 6420573 B2 JP6420573 B2 JP 6420573B2 JP 2014126791 A JP2014126791 A JP 2014126791A JP 2014126791 A JP2014126791 A JP 2014126791A JP 6420573 B2 JP6420573 B2 JP 6420573B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating material
heat insulating
bathtub
bathtubs
nonwoven fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014126791A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016005490A (ja
Inventor
梶山 宏史
宏史 梶山
藤山 友道
友道 藤山
篤志 阿潟浜
篤志 阿潟浜
智之 新井
智之 新井
真吾 吉田
真吾 吉田
理 西村
理 西村
卓也 磯田
卓也 磯田
有亮 佐藤
有亮 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Lixil Corp
Original Assignee
Toray Industries Inc
Lixil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc, Lixil Corp filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2014126791A priority Critical patent/JP6420573B2/ja
Publication of JP2016005490A publication Critical patent/JP2016005490A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6420573B2 publication Critical patent/JP6420573B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Bathtubs, Showers, And Their Attachments (AREA)

Description

本発明は、浴槽用断熱材及びそれを用いた浴槽の製造方法に関するものである。
省エネの観点から、浴槽に関してもより高い保温性能が必要とされ、発泡体を浴槽の外側に貼ったり、浴槽型に合うように複数枚の成型した発泡体を浴槽にはめるなどの手法が用いられている。
また、特許文献1には、グラスウール等の繊維系材料からなる断熱材、および上記の断熱材を浴槽本体に貼り付け断熱材の上からネットを設置した断熱材付浴槽が開示されている。
特開2007−181582号公報
発泡体を用いた断熱材は、浴槽本体1個に対して4〜5点の断熱材の成型体が必要となり、部品数の多さおよび成型品の嵩高さにより保管や輸送が困難になるとの課題がある。また、成型品を製造するための金型が必要であり、浴槽本体の形状の変更に合わせて金型の形状も変える必要があるとの製造上の課題もある。
また、特許文献1に記載の断熱材については、繊維系材料としてグラスウール等を用いているため柔軟性が十分ではなく、半身浴付き浴槽などのベンチだけでなくアームレストがあるものなど、少なくとも2つ以上の高さを異にする底面を備える浴槽に貼り付ける場合には断熱材と浴槽の間に隙間が生じてしまい断熱性が低下するとの課題がある。
また、断熱材を浴槽に隙間なく貼り付け高い断熱性を発揮させるには、浴槽の設置場所で断熱材を浴槽に貼り付けるよりも、貼り付け設備が充実している工場等で断熱材を浴槽に貼り付けた方が良い。しかし、その場合には、断熱材を貼り付けた浴槽を浴槽の設置場所に輸送する必要があるが、その際に断熱材の表面に汚れやキズがつき易いとの課題がある。
そこで、本発明は、浴槽用断熱材として十分な断熱性を保持しながら、浴槽との間に隙間なく貼り付けることを可能とする柔軟性を有し、且つ、浴槽輸送時の汚れやキズを抑えた浴槽用断熱材とその断熱材を用いた浴槽の製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明は、前記課題を解決するために鋭意検討をおこなった結果、次のような手段を採用するものである。
(1)熱可塑性繊維からなる不織布に、目付が30〜100g/mの熱可塑性繊維からなる基布を接合した浴槽用断熱材であって、厚みが10〜40mmで、熱伝導率が0.040W/mK以下であり、熱貫流率が4.000W/mK以下であり、かつ剛軟度が130mm以下であることを特徴とする浴槽用断熱材、
(2)前記熱可塑性繊維からなる基布が、ポリエチレンテレフタレート繊維からなる織物又はポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布であることを特徴とする(1)の浴槽用断熱材、
(3)前記熱可塑性繊維からなる不織布の目付が200〜1000g/mであることを特徴とする(1)または(2)の浴槽用断熱材、
(4)前記熱可塑性繊維からなる不織布が、単糸繊度が1.0dTex以下のポリエチレンテレフタレート繊維を5〜30質量%、中空構造のポリエチレンテレフタレート繊維を5〜30質量%含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの浴槽用断熱材、
(5)(1)〜(4)のいずれかの浴槽用断熱材を浴槽の外周形状に合わせて裁断する工程と、浴槽の外周形状に合わせて裁断した浴槽用断熱材を浴槽に貼り合わせる工程とを有する浴槽の製造方法。
本発明によれば、浴槽用断熱材として十分な断熱性を保持しながら、浴槽との間に隙間なく貼り付けることを可能とする柔軟性を有し、且つ、浴槽輸送時の汚れやキズを抑えた浴槽用断熱材とその断熱材を用いた浴槽の製造方法を提供することができる。
半身浴タイプの浴槽および半身浴タイプの浴槽の外周形状に合わせて浴槽用断熱材を貼り合わせる様子を示す概略図である。 半身浴タイプの浴槽および半身浴タイプの浴槽の外周形状に合わせて裁断した浴槽用断熱材の概略図である。
本発明の浴槽用断熱材は、熱可塑性繊維からなる不織布に、目付が30〜100g/mの熱可塑性繊維からなる基布を接合した浴槽用断熱材であって、厚みが10〜40mmで、熱伝導率が0.040W/mK以下であり、熱貫流率が4.000W/mK以下であり、かつ剛軟度が130mm以下であることを特徴とするものである。すなわち、本発明の浴槽用断熱材は、浴槽の輸送時に断熱材の表面に汚れやキズがつくのを抑制でき、さらに優れた断熱性能と優れた柔軟性を併せ持つものである。
ここで、図1には、半身浴タイプの浴槽およびその半身浴タイプの浴槽の外周形状に合わせて浴槽用断熱材を貼り合わせる様子を示す概略図である。本発明の浴槽用断熱材2は優れた柔軟性を有するものであるため、複雑な形状の半身浴タイプの浴槽1に貼り合わせる際に、半身浴タイプの浴槽1の複雑な外周形状に追従し、隙間なく貼り付けることが可能である。
まず、本発明の浴槽用断熱材の構成について述べる。本発明の浴槽用断熱材は、浴槽用断熱材として優れた断熱性能を発揮させるための不織布と、浴槽用断熱材の表面に汚れやキズがつくのを抑制するための基布を接着剤で接合したものである。
上記の不織布は、生産性や断熱性能の均一性の観点から熱可塑性繊維からなることが必要である。また、上記の不織布は、さらに熱可塑性バインダー繊維を含有することが好ましい。
上記の不織布を構成する熱可塑性繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維やポリアミド6繊維やポリプロピレン繊維が挙げられるが、なかでも疎水性や耐熱性に優れ、浴槽用断熱材の耐久性や難燃性の向上に寄与する観点からポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。一方で、綿や羊毛などの天然繊維は浴槽で使用した場合にカビが発生するなどの問題があるので好ましくない。
不織布は、単糸繊度が1.0dtex以下の熱可塑性繊維を不織布全体に対し5〜30質量%含有することが好ましい。不織布が、単糸繊度が1.0dtex以下の熱可塑性繊維を不織布全体に対し5質量%以上含有することで、浴槽用断熱材の断熱性能をより上げることができる。一方で、不織布が、単糸繊度が1.0dtex以下の熱可塑性繊維を不織布全体に対し30質量%以下含有することで、細繊度の熱可塑性繊維の比率が低く抑えられるために、不織布作成時のカード工程での通過性がより向上し生産性により優れたものとなる。不織布は、単糸繊度が1.0dtex以下の熱可塑性繊維を不織布全体に対し10〜25質量%含有することがより好ましい。
また、不織布の空気保持性能を向上させて浴槽用断熱材の断熱性能を上げるために、不織布は、中空構造を持つ熱可塑性繊維を不織布全体に対して5〜30質量%含有することが好ましい。不織布が、中空構造を持つ熱可塑性繊維を不織布全体に対して5質量%以上含有することで、不織布の空気保持性能がより向上し浴槽用断熱材の断熱性能がより一層向上する。一方で、不織布が、中空構造を持つ熱可塑性繊維を不織布全体に対して30質量%以下含有することで、中空繊維の比率を低く抑えることができるため、浴槽用断熱材の優れた断熱性能を担保しつつ嵩高くなることを抑制することができる。不織布は、中空構造を持つ熱可塑性繊維を不織布全体に対して10〜25質量%含有することがより好ましい。
熱可塑性バインダー繊維は芯鞘構造とし、ポリエステルからなるバインダー繊維を鞘部として用いることが好ましく、熱可塑性繊維の融点よりも30℃以上低い温度から溶融するものであることが好ましい。
熱可塑性バインダー繊維の構造としては、芯部にポリエチレンテレフタレート、鞘部にバインダー成分からなる芯鞘構造とすることが、不織布の熱収縮を抑制することができる観点から好ましい。
バインダー成分としては、特に限定されるものではないが、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、イソフタル酸またはそのエステル形成性誘導体、低級アルキレングリコール、並びにポリアルキレングリコール及び/またはそのモノエーテルからなる共重合ポリエステルを使用することが好ましい。
熱可塑性バインダー繊維は不織布全体に対し5〜30質量%含有させることが好ましい。バインダー繊維の含有率を5質量%以上とすることで熱可塑性繊維同士を十分に接着することができ、不織布の剛軟度を一定以上とすることができる。一方で、バインダー繊維の含有率を30質量%以下とすることで熱可塑性繊維間の接着が強すぎるため不織布が固くなることを抑制し、より優れた柔軟性をもった浴槽用断熱材を得ることができる。
また、使用する熱可塑性繊維は捲縮を有することが好ましい。そうすることで、浴槽用断熱材において嵩高性が向上することで断熱性能や形態保持性に優れた浴槽用断熱材を得ることができる。また、カーディング法において針にしっかり引っかかり、他の繊維と均一に分散し緻密に絡み合うことができ、安定した高収率な不織布を得ることができる。
熱可塑性繊維の平均繊維長は、10〜90mmであることが好ましい。平均繊維長が10mm以上の熱可塑性繊維とバインダー繊維で結合することにより、不織布の剛軟度がより優れたものとなり形態保持性により優れる不織布が得られるため好ましい。一方、平均繊維長を90mm以下とすることで、熱可塑性繊維とバインダー繊維とを有する不織布の製造工程、すなわちカーディング法又はエアレイド法等の繊維分散工程において、熱可塑性繊維とバインダー繊維が均一に分散して緻密に絡み合い、微細な空隙を持つことができ、断熱性能に優れた浴槽用断熱材が得られる。
また、熱可塑性繊維からなる不織布の目付は200〜1000g/mとすることが好ましい。200g/m以上とすることで浴槽用断熱材の断熱性能がより向上し、1000g/m以下とすることで浴槽用断熱材の剛軟度は低くなり柔軟性に優れたものとなるとともに、浴槽用断熱材の軽量化が可能となり浴槽への貼り合わせ工程における作業性がより優れたものとなる。熱可塑性繊維からなる不織布の目付は300〜800g/mであることがより好ましい。
不織布の製造方法としては、熱可塑性繊維および必要に応じて熱可塑性バインダー繊維を混ぜ合わせ、開繊後、カーディング法又はエアレイド法にて得られるウェブを複数枚積層し、熱処理を行うことで得るのが好ましい。すなわち、このカーディング法又はエアレイド法により熱可塑性繊維とバインダー繊維が均一に分散したウエブを複数枚積層させて不織布を作ることができる。熱処理温度は、一例として、バインダー繊維中のバインダー成分(低融点成分)が軟化又は溶融する温度より高く、バインダー成分以外の成分が溶融する温度より低い温度を挙げることができる。これにより、低融点成分が軟化又は溶融し、熱可塑性繊維を強固に繋ぎ止めることができ、長期形態保持性に優れる浴槽用断熱材となる。熱処理の手法は熱風乾燥機、熱風循環式熱処理機、赤外線ヒーター、熱ロールなどが用いられる。
目付と厚さの調整方法は不織布の積層工程における送り速度等により、不織布の積層量を決定することができ、さらに、熱処理工程の前にロールにて不織布の厚さを調整することで、均一な不織布を得ることができる。
また、不織布の毛羽立ちや浴槽施工時に工具によるキズや、浴槽輸送時に浴槽用断熱材の表面に汚れやキズがつくのを抑制するために、不織布には熱可塑性繊維からなる基布を接着剤で接合することが必要である。
上記の基布を構成する熱可塑性繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維やポリアミド6繊維やポリプロピレン繊維が上げられるが、疎水性や耐熱性に優れ浴槽用断熱材の耐久性や難燃性の向上に寄与する観点からポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
基布は、編物、織物またはスパンボンド不織布などがあるが、収縮性が少ないポリエチレンテレフタレート繊維からなる織物又はポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布であることが好ましい。
基布の目付としては、30〜100g/mであることが必要である。目付が30g/m未満であれば工具などで基布が破れるなどし、保護層としての機能が十分に得られない。一方で、目付が、100g/m超となれば基布が固くなり浴槽用断熱材の柔軟性が損なわれるなどの問題が発生する。好ましくは基布の目付は40〜80g/mである。
織物を基布として使用する場合は、汚れが目立ちにくいグレー色などに染色しても良い。
基布を不織布に接合する方法としては、不織布よりも融点の低いポリオレフィン系やポリプロピレン系などからなるフィルムを接着剤として不織布と基布の間に挟んで加熱ローラーで抑えながら接合する方法や、不織布にパウダー状の接着剤を噴霧して、さらに基布をのせて加熱ローラーで接合する方法が挙げられる。
次に、不織布と基布を接合した浴槽用熱断熱材について述べる。
浴槽用断熱材としての厚みは、10〜40mmであることが必要である。厚みが10mm未満では十分な断熱性を得ることが難しく、厚みが40mm超となると断熱材が厚くなるため、浴槽施工時に浴槽と化粧カバーの隙間に入らないなど施工性に問題がある。好ましくは浴槽用断熱材の厚みは、15〜30mmである。
浴槽用断熱材の熱伝導率としては、0.040W/mK以下であることが必要である。0.040W/mK超では、浴槽使用時に十分な保温性能を得ることができない。好ましくは浴槽用断熱材の熱伝導率は、0.038W/mK以下である。
さらに、浴槽用断熱材の熱貫流率についても4.000W/mK以下であることが必要である。4.000W/mK超では、浴槽使用時に十分な保温性能を得ることができない。好ましくは浴槽用断熱材の熱貫流率は、2.500W/mK以下である。
浴槽用断熱材の熱伝導率および熱貫流率は、上記のとおり、不織布を構成する熱可塑性繊維の単糸繊度または繊維長を調整すること、不織布を構成する熱可塑性繊維を中空構造とすること、不織布を構成する熱可塑性繊維が捲縮を有するものとすること、もしくは不織布の目付を調整すること等の手段を1以上組み合わせることで上記の範囲とすることができる。
また、浴槽用熱断熱材は柔軟性を持つことが必要であり、柔軟性を示す値として剛軟度が130mm以下であることが必要である。剛軟度が130mm超では、浴槽の湾曲部に沿って貼り合わせるときに浴槽用断熱材の柔軟性がなく固いため、浴槽の湾曲部と浴槽用断熱材との間に隙間やシワが発生し、浴槽と浴槽用断熱材の密着性が悪くなるために浴槽の保温性能が劣る問題が生じる。好ましくは浴槽用熱断熱材の剛軟度は、100〜120mmである。
ここで、浴槽用断熱材の剛軟度は、上記のとおり、熱可塑性バインダー繊維を使用すること、熱可塑性バインダー繊維の含有量を調整すること、または不織布の目付を調整すること等の手段を1以上組み合わせることで上記の範囲とすることができる。ただし、浴槽用断熱材の柔軟性と、浴槽用断熱材の断熱性能および防キズ性能等とは、一般的に相反する関係にあるため、そのことを考慮し上記の範囲となるようにすることが重要である。
本発明の浴槽用断熱材を浴槽に貼り合わせて使用した場合の浴槽の断熱性能としては、JIS A 1718に定められた高断熱浴槽基準で4時間後の浴槽中のお湯の温度低下が2.5℃以下であることが好ましい。4時間後のお湯の温度低下が2.5℃以内であれば十分に断熱効果が得られていると言える。
得られた浴槽用断熱材を浴槽に貼り合わせる方法としては、まずは浴槽の外周及び外底部に沿って型紙を作成する。次に、型紙に合わせて浴槽用断熱材を裁断する。このとき、2〜3枚に浴槽用断熱材を分割しても良い。裁断する方法としては、カッターやハサミを用いた手切り方法でも良いが、型紙に合わせてトムソン型を作成して複数枚の浴槽用断熱材を重ねて抜き機で抜き出しても良い。
ここで、図2は、半身浴タイプの浴槽および半身浴タイプの浴槽の外周形状に合わせて裁断した浴槽用断熱材の概略図を示す。半身浴タイプの浴槽の外周形状に合わせて裁断した浴槽用断熱材3を、半身浴タイプの浴槽1に貼り合わせる。
次に裁断した複数枚の浴槽用断熱材を浴槽に貼り合わせる方法としては、浴槽の外周及び外底面に粘着テープやシリコンなどの接着剤をつけ、裁断した浴槽用断熱材を貼り合わせる。なお、浴槽用断熱材の裏面にあらかじめ粘着テープや粘着剤を塗布し、その上に離型紙をつけた後、型紙に合わせて浴槽用断熱材を裁断しても良い。この方法では、あらかじめ浴槽の外周、及び外底面に接着剤を塗布する必要が無く、裁断した浴槽用断熱材の離型紙を剥がすだけで、浴槽に貼り合わせることが可能となる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な変形や修正が可能である。また、実施例および比較例の性能は次の方法で測定した。
(1)目付(ms、g/m
JIS L 1913(1998)6.2に基づいて測定した。
試料から300mm×300mmの試験片を、鋼製定規とかみそり刃とを用いて3枚採取した。標準状態における試験片の質量を測定して、単位面積当たりの質量を次の式によって求め、3枚の平均値を算出して目付とした。
ms=m/S
ms:単位面積当たりの質量(g/m
m:試験片の平均質量(g)
S:試験片の面積(m)。
(2)単糸繊度
JIS L 1015(1999)8.5.1 A法に基づき試料を金ぐしで平行に引きそろえ、これを切断台上においたラシャ紙の上に載せ、適度の力でまっすぐにはったままゲージ板を圧着し、安全かみそりなどの刃で30mmの長さに切断し、繊維を数えて300本を一組とし、その質量を量り、見掛繊度を求める。この見掛繊度と別に測定した平衡水分率とから、次の式によって正量繊度(dtex)を算出し、5回の平均値を求めて単糸繊度とした。
F0=D’×{(100+R0)/(100+Re)}
F0:正量繊度(dtex)
D’:見掛繊度(dtex)
R0:公定水分率(0.4)
Re:平衡水分率。
(3)繊維長
JIS L 1015(1999)8.4.1 A法に基づき試料を金ぐしに平行に引きそろえ、ペア形ソーターでステープルダイヤグラムを約25cm幅に作製する。作製の際、繊維を全部ビロード板上に配列するためにグリップでつかんで引き出す回数は、約70回とする。この上に目盛りを刻んだセルロイド板を置き、方眼紙上に図記する。この方法で図記したステープルダイヤグラムを50の繊維長群に等分し、各区分の境界及び両端の繊維長を測定し、両端繊維長の平均に49の境界繊維長を加えて50で除し、平均繊維長(mm)を算出して繊維長を得た。
(4)断熱材の厚さ
得られた断熱材の側面の縦方向の長さを金型定規で測定し、厚さ(mm)とした。
(5)熱伝導率
JIS A 1412−2(1999)6.2に準じて測定した。熱伝導率は英弘精機(株)製の熱伝導率測定装置HC−074を用いて測定した。試料寸法は幅300mm、長さ300mm、の試料を用意した。標準試料は発泡ポリスチレンを用いた。試料は温度20℃、相対湿度65%の標準状態にて24hr放置後、試料を測定機に入れ、プレートの温度差25℃、平均温度20℃(高温のプレート温度は32.5℃、低温のプレート温度は7.5℃)の条件にて測定を行い、試験回数3回の平均値より熱伝導率(W/m・K)を算出した。なお、測定時のサンプルの厚さは設計の厚さを用いて測定を実施した。
(6)熱貫流率
段落[0050]で得られた熱伝導率(W/m・K)を用いて、浴槽用断熱材の厚さをmmからmに換算し、以下の計算式を用いて熱貫流率(W/m・K)を求めた。
熱貫流率(W/m・K)=1/(厚さ/熱伝導率)
(7)剛軟度
JIS L 1096(8.19.1)(2010)に規定されたA法(45°カンチレバー法)により、浴槽用断熱材のタテ方向およびヨコ方向の剛軟度をそれぞれn=5で測定し、10個の平均値から剛軟度(mm)を求めた。
(8)浴槽貼り付け評価
裁断した浴槽用断熱材を浴槽に貼り合わせた時の外観評価を以下の判断基準で級判定を実施した。
◎:浴槽外周面の湾曲部への追従性は良好で、断熱材にシワの発生もなく外観品位は非常に良好。
○:浴槽外周面の湾曲部への追従性は良好だが、断熱材に弱いシワが見えるが外観品位は良好。
△:浴槽外周面の湾曲部への追従性がやや悪く、断熱材にシワが見え外観品位はやや劣る。
×:浴槽外周面の湾曲部への追従性が悪く、断熱材にシワ発生し、浴槽と不織布に空隙が見え、外観品位はかなり劣る。
(9)傷つき試験
浴槽に貼り合せた浴槽用断熱材をマイナスドライバーで10回擦って、表皮基布が破れないものを「○」とし、表皮基布が破れたり、不織布が毛羽立つものを「×」とした。
(10)浴槽保温性
JIS A 1718 5.18に基づき実施した。周辺の温度を一定に調整できる試験室内に浴槽または浴室ユニットを設置しておこなう。試験室の環境温度は温度10±2℃とする。ただし、浴室ユニットの場合はドアを開けた状態とした。浴槽内に、45℃を超えない湯を浴槽の深さ約70%になるように給湯し、速やかにJIS A 5532に規定する専用ふろフタで塞いで20分間以上放置した。浴槽内の湯温が40±2℃になった時点から試験を開始し、4時間後の湯温を測定した。湯温の測定位置は平面方向中央、深さは湯面から100mm、底面から100mmおよび、その中間の3箇所とし、断熱性能を示す湯温はその3箇所の平均値とした。
[実施例1]
(基布の作成)
タテ糸に総繊度56dtex(デシテックス)、フィラメント本数24フィラメント、ヨコ糸に総繊度84dtex(デシテックス)、フィラメント本数24フィラメントのポリエチレンテレフタレート(PET)製のマルチフィラメントを用いて、タテ糸×ヨコ糸打ち込み本数を19×81本/2.54cmのグレーに染色した目付53g/mのタフタ(平織)を作成した。
次に、タフタの裏に接着剤として厚み40μmのポリエチレン(PE)系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
熱可塑性繊維として平均繊維長35mm、単糸維度0.8デシテックスのポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を20質量%、平均繊維長51mm、単糸繊度6.6デシテックスの中空ポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を15質量%、平均繊維長51mm、単糸繊度2.2デシテックスのポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を50質量%、また、バインダー繊維として平均繊維長51mm、単糸繊度2.2デシテックスのポリエチレンテレフタレート短繊維の芯鞘複合繊維(鞘成分:低融点ポリエチレンテレフタレート(融点110℃)、芯成分:ホモポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、鞘比率50重量%、東レ(株)“サフメット”(登録商標)T9611)を15質量%の比率で混繊した。
カードマシンを用いて混繊、開繊し、均一なウェブを成形した。次にウェブを所定の厚みとなるように積層し、プレスロールでウエブの厚みを20mmとなるように押さえながら、上下ネットコンベヤーを有する215℃の熱処理炉にて繊維間を熱融着させ、目付400g/mとなるように調整し、加熱炉から出てきた不織布に先ほど作製した基布のフィルムを貼り合せた面が不織布面になるように設定し、165℃の加熱ローラーで抑えながらフィルムを溶かして基布と不織布を接合した浴槽用断熱材を得た。
得られた浴槽用断熱材の不織布層の目付は400g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は504g/m、厚み20mmであり、熱伝導率は0.033W/mK、熱貫流率は1.687W/mK、剛軟度は110mmであった。
次に、得られた浴槽用断熱材3を図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合わせた。浴槽用断熱材が柔らかいため、外周面の湾曲部への貼り合わせも良好で、浴槽への貼り付け評価は「◎」であり、傷つき試験も「○」、浴槽保温性も−2.0℃と非常に良好な結果となった。
[実施例2]
(基布の作成)
市販されているポリエチレンテレフタレート100%からなる目付100g/mのスパンボンド不織布に実施例1と同じく接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
実施例1と同じ原綿構成および作製方法の不織布に、上記スパンボンド不織布からなる基布を実施例1と同じ方法で接合して浴槽用断熱材を得た。
得られた、浴槽用断熱材の不織布層の目付は400g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は557g/m、厚み20mmであり、熱伝導率は0.034W/mK、熱貫流率は1.700W/mK、剛軟度は120mmであった。
得られた浴槽用断熱材3を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せた。浴槽用断熱材が柔らかいため、外周面の湾曲部への貼り合わせも良好で、浴槽への貼り付け評価は「◎」であり、傷つき試験も「○」、浴槽保温性も−2.0℃と非常に良好な結果となった。
[実施例3]
(基布の作成)
実施例1と同じ基布に、接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
不織布目付を800g/mとし、厚みを40mmとなるようにした以外は実施例1と同じように作製した不織布に、実施例1と同じ方法で基布を接合して浴槽用断熱材を得た。
得られた浴槽用断熱材不織布層の目付は800g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は905g/m、厚み40mmであり、熱伝導率は0.032W/mK、熱貫流率は0.800W/mK、剛軟度は130mmであった。
得られた浴槽用断熱材を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せたが、外周面の湾曲部への貼り合わせ時の追従性がやや悪く、断熱材にシワの発生が見られ貼り付け評価は「△」であった。しかし、傷つき試験は「○」、浴槽保温性は−1.8℃と良好な結果となった。
[実施例4]
(基布の作成)
実施例1と同じ基布に、接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
不織布目付を300g/mとし、厚みを10mmとなるようにした以外は実施例1と同じように作製した不織布に、実施例1と同じ方法で基布を接合して浴槽用断熱材を得た。
得られた浴槽用断熱材不織布層の目付は300g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は405g/m、厚み10mmであり、熱伝導率は0.033W/mK、熱貫流率は3.300W/mK、剛軟度は105mmであった。
得られた浴槽用断熱材3を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せた。浴槽用断熱材が柔らかいため、外周面の湾曲部への貼り合わせも良好で、浴槽への貼り付け評価は「◎」であり、傷つき試験も「○」、浴槽保温性も−2.4℃と良好な結果となった。
[比較例1]
(基布の作成)
市販されているポリエチレンテレフタレート100%からな目付150g/mのスパンボンド不織布に実施例1と同じく接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
実施例1と同じ原綿構成および作製方法の不織布に、上記スパンボンド不織布からなる基布を実施例1と同じ方法で接合して浴槽用断熱材を得た。
得られた浴槽用断熱材の不織布層の目付は400g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は609g/m、厚み20mmであり、熱伝導率は0.033W/mK、熱貫流率は1.650W/mK、剛軟度は140mmであった。
得られた浴槽用断熱材を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せたが、外周面の湾曲部への貼り合わせ部に空隙やシワが発生し、浴槽への貼り付け評価は「×」であり、傷つき試験は「○」、浴槽保温性も−2.6℃であり、浴槽用断熱材としては不適であった。
[比較例2]
(基布の作成)
市販されているポリエチレンテレフタレート100%からな目付20g/mのスパンボンド不織布に実施例1と同じく接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
実施例1と同じ原綿構成および作製方法の不織布に、上記スパンボンド不織布からなる基布を実施例1と同じ方法で接合して浴槽用断熱材を得た。
得られた浴槽用断熱材の不織布層の目付は400g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は470g/m、厚み20mmであり、熱伝導率は0.033W/mK、熱貫流率は1.650W/mK、剛軟度は110mmであった。
得られた浴槽用断熱材を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せた。外周面の湾曲部への貼り合わせも良好で、浴槽への貼り付け評価は「◎」であり、浴槽保温性も−2.0℃であったが、傷つき試験が「×」となり、浴槽用断熱材としては不適であった。
[比較例3]
(基布の作成)
実施例1と同じ基布に、接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
熱可塑性繊維として平均繊維長35mm、単糸繊度0.8デシテックス、のポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を1質量%、平均繊維長51mm、単糸繊度6.6デシテックスの中空ポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を30質量%、平均繊維長51mm、単糸繊度2.2デシテックス、のポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を54質量%、また、バインダー繊維として平均繊維長51mm、単糸繊度2.2デシテックスのポリエチレンテレフタレート短繊維の芯鞘複合繊維(鞘成分:低融点ポリエチレンテレフタレート(融点110℃)、芯成分:ホモポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、鞘比率50重量%、東レ(株)“サフメット”(登録商標)T9611)を15質量%の比率で混繊した。
カードマシンを用いて混繊、開繊し、均一なウェブを成形した。次にウェブを所定の厚みとなるように積層し、プレスロールでウエブの厚みを8mmとなるように押さえながら、上下ネットコンベヤーを有する215℃の熱処理炉にて繊維間を熱融着させ、目付200g/mとなるように調整し、加熱炉から出てきた不織布に先ほど作製した基布のフィルムを貼り合せた面が不織布面になるように設定し、165℃の加熱ローラーで抑えながらフィルムを溶かして基布と不織布を接合した浴槽用断熱材を得た。
得られた浴槽用断熱材の不織布層の目付は200g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は304g/m、厚み8mmであり、熱伝導率は0.041W/mK、熱貫流率は5.125W/mK、剛軟度は90mmであった。
得られた浴槽用断熱材を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せた。外周面の湾曲部への貼り合わせも良好で、浴槽への貼り付け評価は「◎」であり、傷つき試験が「○」であったが、浴槽保温性が−3.2℃となり浴槽用断熱材としては不適であった。
[比較例4]
(基布の作成)
実施例1と同じ基布に、接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
熱可塑性繊維として平均繊維長35mm、単糸繊度0.8デシテックスのポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を20質量%、平均繊維長51mm、単糸繊度6.6デシテックスの中空ポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を15質量%、平均繊維長51mm、単糸繊度2.2デシテックス、のポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を25質量%、また、バインダー繊維として平均繊維長51mm、単糸繊度2.2デシテックスのポリエチレンテレフタレート短繊維の芯鞘複合繊維(鞘成分:低融点ポリエチレンテレフタレート(融点110℃)、芯成分:ホモポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、鞘比率50重量%、東レ(株)“サフメット”(登録商標)T9611)を40質量%の比率で混繊した。
カードマシンを用いて混繊、開繊し、均一なウェブを成形した。次にウェブを所定の厚みとなるように積層し、プレスロールでウエブの厚みを20mmとなるように押さえながら、上下ネットコンベヤーを有する215℃の熱処理炉にて繊維間を熱融着させ、目付400g/mとなるように調整し、加熱炉から出てきた不織布に先ほど作製した基布のフィルムを貼り合せた面が不織布面になるように設定し、165℃の加熱ローラーで抑えながらフィルムを溶かして基布と不織布を接合した浴槽用断熱材を得た。
得られた浴槽用断熱材の不織布層の目付は400g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は506g/m、厚み20mmであり、熱伝導率は0.036W/mK、熱貫流率は1.800W/mK、剛軟度は150mmであった。
得られた浴槽用断熱材を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せたが、外周面の湾曲部への貼り合わせ部に空隙やシワが発生し、浴槽への貼り付け評価は「×」であった。傷つき試験は「○」であったが、浴槽保温性も貼り合わせが良くないため、浴槽と断熱材の空隙部から熱が逃げるため、−2.7℃であり、浴槽用断熱材としては不適であった。
[比較例5]
(基布の作成)
実施例1と同じ基布に、接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
熱可塑性繊維として平均繊維長35mm、単糸繊度0.8デシテックスのポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を5質量%、平均繊維長51mm、単糸繊度6.6デシテックスの中空ポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を50質量%、平均繊維長51mm、単糸繊度2.2デシテックス、のポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ(株)“テトロン”(登録商標))を30質量%、また、バインダー繊維として平均繊維長51mm、単糸繊度2.2デシテックスのポリエチレンテレフタレート短繊維の芯鞘複合繊維(鞘成分:低融点ポリエチレンテレフタレート(融点110℃)、芯成分:ホモポリエチレンテレフタレート(融点255℃)、鞘比率50重量%、東レ(株)“サフメット”(登録商標)T9611)を15質量%の比率で混繊した。
カードマシンを用いて混繊、開繊し、均一なウェブを成形した。次にウェブを所定の厚みとなるように積層し、プレスロールでウエブの厚みを10mmとなるように押さえながら、上下ネットコンベヤーを有する215℃の熱処理炉にて繊維間を熱融着させ、目付200g/mとなるように調整し、加熱炉から出てきた不織布に先ほど作製した基布のフィルムを貼り合せた面が不織布面になるように設定し、165℃の加熱ローラーで抑えながらフィルムを溶かして基布と不織布を接合した浴槽用断熱材を得た。
得られた、浴槽用断熱材の不織布層の目付は200g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は304g/m、厚み10mmであり、熱伝導率は0.042W/mK、熱貫流率は4.200W/mK、剛軟度は115mmであった。
得られた浴槽用断熱材を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せた。外周面の湾曲部への貼り合わせは良好で、浴槽への貼り付け評価は「◎」であり、傷つき試験が「○」であったが、浴槽保温性は断熱材の熱伝導率及び熱貫流率の性能が劣るため、−3.2℃となり浴槽用断熱材としては不適であった。
[比較例6]
(基布の作成)
実施例1と同じ基布に、接着剤として厚み40μmのポリエチレン系フィルムを125℃の加熱ロールを用いて貼り合せた。
(浴槽用断熱材の作成)
不織布目付を150g/mとし、厚みを8mmとなるようにした以外は実施例1と同じように作製した不織布に、実施例1と同じ方法で基布を接合して浴槽用断熱材を得た。
得られた浴槽用断熱材不織布層の目付は150g/m、不織布と基布を接合した断熱材の目付は255g/m、厚み8mmであり、熱伝導率は0.036W/mK、熱貫流率は4.500W/mK、剛軟度は90mmであった。
得られた浴槽用断熱材を実施例1と同じように図2に示す形に裁断して、図1に示すように、シリコン系接着剤で浴槽用断熱材2を半身浴タイプの浴槽1に貼り合せた。外周面の湾曲部への貼り合わせは良好で、浴槽への貼り付け評価は「◎」であり、傷つき試験が「○」であったが、浴槽保温性が−3.0℃となり浴槽用断熱材としては不適であった。
上記実施例1ないし4の浴槽用断熱材の組成および性能評価結果を以下の表1に示し、比較例1ないし6の浴槽用断熱材の組成および性能評価結果を以下の表2に示す。
表1に示すように、実施例1ないし4の浴槽用断熱材には傷つきがなく、浴層保温性にも優れていることが分かる。浴槽貼り付き性に関しても、実施例1、2、4の浴槽用断熱材の貼り付き性は非常に良好である。実施例3の浴槽用断熱材の浴槽貼り付き性は、実施例1、2、4に比べてやや劣ってはいるが、実用上は問題ないレベルである。
しかし、表2に示す比較例1ないし6の浴槽用断熱材には、以下に説明するような不都合な点がある。
すなわち、比較例1の浴槽用断熱材は、基布の目付が150g/mと大きいので、柔軟性がなく、浴槽貼り付き性が悪い。
比較例2の浴槽用断熱材は、基布の目付が20g/mと小さいので、保護層としての機能がなく、傷が付きやすい。
比較例3の浴槽用断熱材は、不織布における0.8デシテックスの繊維の含有率が少なく、断熱材の厚みが8mmと薄いので、熱伝導率および熱貫流率の数値が大きく、断熱性が劣り、浴槽保温性が悪い。
比較例4の浴槽用断熱材は、不織布におけるバインダー繊維の含有量が多いので、柔軟性がなく、浴槽貼り付き性が悪い。
比較例5の浴槽用断熱材は、熱伝導率および熱貫流率の数値が大きく、断熱性が劣り、浴槽保温性が悪い。
比較例6の浴槽用断熱材は、断熱材の厚みが8mmと薄いので、熱貫流率の数値が大きく、断熱性が劣り、浴槽保温性が悪い。
1:半身浴タイプの浴槽
2:浴槽用断熱材
3:半身浴タイプの浴槽の外周形状に合わせて裁断した浴槽用断熱材

Claims (4)

  1. 熱可塑性繊維からなる不織布に、目付が30〜100g/mの熱可塑性繊維からなる基布を接合した浴槽用断熱材であって、厚みが10〜40mmで、熱伝導率が0.040W/mK以下であり、熱貫流率が4.000W/mK以下であり、かつ剛軟度が130mm以下である浴槽用断熱材において、前記熱可塑性繊維からなる不織布が、単糸繊度が1.0dTex以下のポリエチレンテレフタレート繊維を5〜30質量%、中空構造のポリエチレンテレフタレート繊維を5〜30質量%含むことを特徴とする浴槽用断熱材。
  2. 前記熱可塑性繊維からなる基布が、ポリエチレンテレフタレート繊維からなる織物又はポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布であることを特徴とする請求項1に記載の浴槽用断熱材。
  3. 前記熱可塑性繊維からなる不織布の目付が200〜1000g/mであることを特徴とする請求項1または2に記載の浴槽用断熱材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の浴槽用断熱材を浴槽の外周形状に合わせて裁断する工程と、浴槽の外周形状に合わせて裁断した浴槽用断熱材を浴槽に張り合わせる工程とを有する浴槽の製造方法。
JP2014126791A 2014-06-20 2014-06-20 浴槽用断熱材及びそれを用いた浴槽の製造方法 Active JP6420573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014126791A JP6420573B2 (ja) 2014-06-20 2014-06-20 浴槽用断熱材及びそれを用いた浴槽の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014126791A JP6420573B2 (ja) 2014-06-20 2014-06-20 浴槽用断熱材及びそれを用いた浴槽の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016005490A JP2016005490A (ja) 2016-01-14
JP6420573B2 true JP6420573B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=55224363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014126791A Active JP6420573B2 (ja) 2014-06-20 2014-06-20 浴槽用断熱材及びそれを用いた浴槽の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6420573B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4644860B2 (ja) * 2001-01-16 2011-03-09 エンデバーハウス株式会社 建築用断熱・吸音材
JP4477248B2 (ja) * 2001-02-01 2010-06-09 帝人ファイバー株式会社 断熱材
JP2003064326A (ja) * 2001-08-28 2003-03-05 Matsushita Electric Works Ltd 断熱材シート、断熱材シートの基体への接着方法及び断熱材シート貼り浴槽

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016005490A (ja) 2016-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5907219B2 (ja) 繊維シート
KR102059557B1 (ko) 경량 펠트재
KR101740401B1 (ko) 인조잔디 매트 제조방법 및 그 인조잔디 매트
CN104066880B (zh) 柔软性和耐磨耗性优异的长纤维无纺布及其用途
CN103046232B (zh) 伸缩性蓬松无纺布以及其制造方法
JP2012241292A (ja) 薄くて軽い保温性不織布
JP5366132B2 (ja) タフテッドカーペットの裏加工方法及びその裏加工方法で製造されたタフテッドカーペット。
TW201226199A (en) Laminated nonwoven fabric and manufactured article using the same
JP6420573B2 (ja) 浴槽用断熱材及びそれを用いた浴槽の製造方法
JP2012180615A (ja) 不織布テープ基材
CN104066879B (zh) 身体取暖物用无纺布
CN105899727B (zh) 纺织品及其用途、用于生产这种纺织品的方法以及用于回收该产品的方法
CN101331258A (zh) 水力缠结弹性非织造片材
JP6310414B2 (ja) 粒状綿シート
JP3976238B2 (ja) クッション材及びその製造方法
JP2008169505A (ja) 極細繊維からなる押圧加工布およびその製造方法
JP2007130823A (ja) 合成樹脂積層体
JP6091313B2 (ja) 成形用表皮材
CN209409546U (zh) 一种环保型热胶无纺墙布复合设备
CN103402752A (zh) 可仿形芯层织物及其制造方法
JP2009249776A (ja) 衣料用布帛
CN109501429A (zh) 一种环保型热胶无纺墙布复合设备
KR101189942B1 (ko) 부직포를 기재로 표면과 이면에 단섬유가 수직상으로 식모된 매트와 그 제조방법
WO2010090093A1 (ja) 不織布裏貼り生地及びその製造方法
JP3224891U (ja) 後貼りの装飾クロス体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181002

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181012

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6420573

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250