JP4477248B2 - 断熱材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量で断熱性、遮音性を持ち、使用時の作業性にも優れ、曲げ強さ、衝撃強さ等の機械的強度も向上し、更に結露の発生や黴の発生を抑制する調湿機能をもった断熱材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、床、壁、屋根等の住宅用、自動車用、鉄道車両用の断熱材としては、ガラスウールにフェノール樹脂等をスプレー法、含浸法等により塗布し、次いでプラスチックフィルム、アルミニウム箔等を貼り合わせて硬化したものが使用されている。しかしながら、このガラスウール製断熱材は、フェノール樹脂を塗布する工程においては環境汚染を生じやすく、またこの断熱材を施工する際には作業者の肌に触れると皮膚がチクチクと刺激されたり、アレルギー症状等の皮膚障害が生じたりする。さらには施工後長期間経ると湿気と熱によりフェノール樹脂が加水分解を起こして嵩が小さくなり下方にずれ落ちたり外壁と断熱材間に隙間が生じて断熱効果が著しく低下するという大きな問題がある。
【0003】
この様な問題点を解消すべく、ガラスウールに代えて発泡ウレタン、発泡スチレン等を用いる方法が種々検討されている。これらの発泡体は、軽量で断熱性、遮音性等にも優れるが、曲げ強さ、衝撃強さ等の機械的強度が劣る、などの欠点を有する。
【0004】
また、ポリエステル捲縮繊維をマトリックスとし、熱接着性繊維で該繊維を固定したポリエステル繊維製断熱材は、例えば特開平6−257048号公報、特開平7−102461号公報等に記載されている。しかしこれらはいずれも断熱性、吸音性及び弾性も不十分なため、このままでは住宅用、自動車用、鉄道車両用断熱材としては不適当である。
【0005】
住宅は、梅雨時期には高湿度、冬期には温度差によって結露しやすく、黴の発生にもつながる。しかし、従来の断熱材は結露や黴の発生を防ぐ十分な機能を有していなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、軽量で断熱性、遮音性、更に調湿機能も兼ね備え、使用時の作業性にも優れ、曲げ強さ、衝撃強さ等の機械的強度も向上した断熱材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の繊維集合体は、前記課題を解決するために以下のような構成を有する。
【0008】
すなわち、請求項1にかかる発明は、3種類以上の短繊維集合体からなる断熱材であって、該短繊維集合体がマトリックス繊維およびマトリックス繊維の融点よりも低い融点を有する成分を含む低融点繊維および吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維からなり、前記低融点繊維により繊維相互間の接触部の一部で実質的に接着してしていることを特徴とする断熱材である。
【0009】
また、請求項2にかかる発明は、前記マトリックス繊維の含量が20〜94wt%低融点繊維の含量が5〜95wt%、高吸湿性繊維の含量が1〜50wt%である請求項1記載の断熱材である。
【0010】
また、請求項3にかかわる発明は、前記高吸湿性繊維が架橋アクリル酸ナトリウム塩系繊維及びまたはアクリル繊維を後加工によりその表面を加水分解させた合成繊維である請求項1乃至請求項2いずれかに記載の断熱材である。
【0011】
また、請求項4にかかわる発明は、前記短繊維集合体に撥水性及びまたは、耐候性およびまたは難燃性を有するスパンボンド膜またはフラッシュ紡糸膜または編織物である膜状物を積層したことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の断熱材である。
【0012】
また、請求項5にかかわる発明は、前記膜状物が、該短繊維集合体の片面または両面を熱処理による溶融で形成せしめたことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載の断熱材である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の断熱材の部材である繊維集合体について説明する。なお、本実施例は実施の態様の一例を挙げたにすぎず、本発明がこの実施例に限定されるものではない。
【0014】
本発明に用いられる繊維素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)やこれらの共重合体に代表されるポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、その他ポリオレフィン、アクリル、モダクリル等の合成繊維や、絹、綿、麻等の天然繊維が挙げられる。
【0015】
本発明に用いる繊維集合体は、上記繊維を3種類以上含むが、マトリックス繊維として少なくとも1種類は中空型構造の繊維であることが好ましい。中空型構造の繊維を使用することにより、軽量であるだけでなく断熱性にも優れた繊維集合体を得ることが可能である。
これは中空型構造の繊維の場合、繊維の中空部分に空気が保持されるためである。通常、繊維集合体を断熱材として使用する場合、繊維集合体中に発生する空気対流によって熱が移動するが、中空型構造の繊維を使用することによりこれを抑える効果がある。
【0016】
また、マトリックス繊維は、単独ポリマーからなるものだけでなく、複合繊維も好ましく用いられる。例えば、サイドバイサイドの構造を有し自己捲縮発現性を有する繊維等である。また、サイドバイサイド構造と上記中空型構造を組み合わせた繊維も知られており、このタイプの繊維は本発明の繊維構造体のマトリックス繊維として特に好ましく用いられる。
マトリックス繊維は1種類のみでなく、複数の種類を組み合わせてもよい。
【0017】
本発明に用いる繊維集合体は、マトリックス繊維以外に温度20℃、相対湿度50%の測定条件下で吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維を含む。高吸湿性繊維を含むことにより、結露や黴の発生を抑制する調湿機能を有する優れた断熱材を得ることが出来る。
【0018】
本発明に用いる高吸湿性繊維素材として、たとえば架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系繊維やアクリル繊維を後加工によりその表面を加水分解させた繊維などの合成繊維があげられ、これらの繊維は、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0019】
これらの吸湿性繊維の中では、架橋アクリル酸ナトリウム塩系繊維は、温度20℃、相対湿度50%の測定条件下で25重量%以上という高吸湿性を有するので、本発明において好適に使用しうるものである。例としてカネボウ合繊(株)製、商品名「ベルオアシス」や東洋紡績(株)製、商品名「モイスケア」が挙げられる。
【0020】
また、マトリックス繊維の融点よりも低い融点を有する成分を含む低融点繊維を使用することが必要である。このような、低融点成分(あるいは融着成分ともいう)は、通常数十℃から百数十℃の温度で溶融又は軟化する。低融点成分のみが溶融又は軟化し、他の繊維成分には影響のない温度で繊維構造体を熱処理し、低融点成分により繊維相互間の接触部の一部で実質的に接着させる。これにより、繊維集合体の形態が保持される。
【0021】
このような低融点成分を含む繊維の例としては、イソフタル酸を共重合したPETとホモPETからなる複合繊維、ポリオレフィンとPETからなる複合繊維等が挙げられる。
【0022】
低融点繊維の混率は任意であるが、繊維集合体中の耐熱性や形態保持性の観点から5〜95wt%の利用が好ましい。
【0023】
本発明の好ましい態様として、断熱性能と弾性性能の面から、繊維径の大きいものと小さいものを混合して用いる事は好ましい。
【0024】
また、難燃性繊維(たとえば東洋紡績(株)製「ハイム」)を混合使用して難燃性能を付与したり、防黴剤(たとえば、三菱化学製「マルカサイド」やラサ工業製「ラサップ」)加工を施しても良い。
【0025】
次に本発明の断熱材の製造方法について説明する。
最初に前述したマトリックス繊維およびマトリックス繊維の融点よりも低い融点を有する成分を含む低融点繊維および吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維を任意の混率で混合する。混綿、カーディングを行い、クロスレイヤでウェッブを積層して熱処理を施す。熱処理温度は低融点繊維中の低融点成分が軟化又は溶融する温度より高く、他の繊維成分が溶融する温度より低い温度で行う。これにより、低融点繊維(の一部)が溶融し、繊維集合体は構成繊維の相互間の接触部の一部で実質的に接着する。
【0026】
更に、後述する方法等により繊維集合体の少なくとも一面に、膜状物を積層して不織布断熱材としても良い。
【0027】
膜状物は、均一膜、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ弗化ビニリデンフィルムがあげられる。又多孔性膜も好ましく用いられる。多孔性膜の材料としてはリサイクル面から考えると、不織布構造体と同一種類のものが良く、主にポリエステル系のスパンボンド、ニードル不織布等があげられる。しかしながらナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのスパンボンドやフラッシュ紡糸膜、又は編織物であっても良い。
【0028】
さらに膜状物は、該短繊維集合体を片面または両面を熱処理によって表面を溶融せしめ、膜を形成させても良い。熱処理の方法は、遠赤外線ヒータ、熱ロール、熱風循環式熱処理機等が用いられる。作業性や成形性より遠赤外線ヒータがより好ましい。
【0029】
また、本発明の断熱材を長期間屋外で使用することを考慮すると、浸入してくる雨水を不織布断熱材に入れないように撥水性を保有していること、紫外線による劣化が少ない耐候性を有していること、難燃性を有していることも好ましい。
多孔膜、特に通気抵抗が30%以上である多孔膜は、通気性を有し雨水を不織布断熱材に入れないので好ましい。
【0030】
この不織布断熱材はカーディング後、表面に膜状物を積層して一体成形によって製造する。または一旦繊維集合体を作成したるのちに、膜状物を積層しても良い。不織布断熱材の片面に薄い表皮を積層することにより、熱が入射してきた場合、表皮に相当する膜部分によって伝熱が遮断されるので好ましい。製造された本発明にかかる繊維集合体の外形は、薄い略直方体となる。
【0031】
本発明の断熱材の大きさや密度は、使用目的や必要とされる断熱性に応じて適宜変更が可能である。
【0032】
【実施例】
実施例1
サイドバイサイドの構造を有し自己捲縮発現性を有する中空構造型ポリエステル繊維(繊度7dtex、繊維長51mm)30重量%、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm)30重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より融点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)20重量%、吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維(カネボウ合繊(株)製「ベルオアシス」繊度10dtex、繊維長51mm)20重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成し、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付875g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度25kg/m3の不織布断熱材を得た。この断熱材は軽量で、施工時の作業性に優れていた。又、結露の発生や黴の発生も抑制した。
【0033】
実施例2
サイドバイサイドの構造を有し自己捲縮発現性を有する中空構造型ポリエステル繊維(繊度7dtex、繊維長51mm)30重量%、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm)30重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より融点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)20重量%、吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維(カネボウ合繊(株)製「ベルオアシス」繊度10dtex、繊維長51mm)20重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成し、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付875g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度25kg/m3の繊維集合体を作成した。別に、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)が100重量%、目付100g/m2、繊維集合体の全体厚み1mmのニードル不織布を撥水加工および難燃加工したものを製造した。上記繊維集合体とニードル不織布をニードルパンチ処理により張り合わせて不織布断熱材を得た。この断熱材は軽量で、施工時の作業性に優れていた。又、結露の発生や黴の発生も抑制した。
【0034】
実施例3
レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)50重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より融点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)30重量%、吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維(カネボウ合繊(株)製「ベルオアシス」繊度10dtex、繊維長51mm)20重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成した後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付875g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度25kg/m3の繊維集合体を作成した。別に目付100g/m2、厚み0.3mm、撥水加工、難燃加工及び紫外線吸収剤の塗布加工したホットメルト樹脂付きのポリエステルスパンボンドを製造した。繊維集合体の上にスパンボンドを乗せて、赤外線ヒータの輻射熱による間接的な加熱処理を片面より施し、両者を張り合わせて不織布断熱材を得た。この断熱材は軽量で、施工時の作業性に優れていた。又、結露の発生や黴の発生も抑制した。
【0035】
実施例4
レギュラー機械捲縮中空ポリエステル繊維(繊度7dtex、繊維長51mm)40重量%、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm)20重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より軟化点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)20重量%、吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維(カネボウ合繊(株)製「ベルオアシス」繊度10dtex、繊維長51mm)20重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成した後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付525g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度15kg/m3の繊維集合体を作成した。これに目付20g/m2のホットメルト不織布と目付61g/m2、厚み0.16mmのデュポン製「タイベック」を順番に乗せて、赤外線ヒータの輻射熱による間接的な加熱処理を片面より施し、張り合わせて不織布断熱材を得た。この断熱材は軽量で、施工時の作業性に優れていた。又、結露の発生や黴の発生も抑制した。
【0036】
実施例5
サイドバイサイドの構造を有し自己捲縮発現性を有するポリエステル繊維(繊度7dtex、繊維長51mm)30重量%、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm)20重量%、ポリエステル系難燃繊維東洋紡績(株)製「ハイム」(繊度3.3dtex、繊維長51mm)20重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より軟化点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)20重量%、吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維(カネボウ合繊(株)製「ベルオアシス」繊度10dtex、繊維長51mm)10重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成した後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付875g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度25kg/m3の不織布断熱材を得た。この断熱材は軽量で、施工時の作業性に優れていた。又、結露の発生や黴の発生も抑制した。
【0037】
実施例6
サイドバイサイドの構造を有し自己捲縮発現性を有する中空構造型ポリエステル繊維(繊度7dtex、繊維長51mm)40重量%、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm)35重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より融点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)20重量%、吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維(東洋紡績(株)製「モイスケア」繊度4.4dtex、繊維長50mm)5重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成した。このウェブに防黴剤(三菱化学製「マルカサイド」)を純分で0.5重量%スプレーで塗布し、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付500g/m2、繊維集合体の全体厚み50mmで密度10kg/m3の不織布断熱材を得た。この断熱材は軽量で、施工時の作業性に優れていた。又、結露の発生や黴の発生も抑制した。
【0038】
実施例7
実施例6と同様の方法で繊維集合体を作製した後に、該繊維集合体の片面を遠赤外線ヒータ熱処理によって表面を溶融せしめ、膜を形成させて、目付500g/m2、繊維集合体の全体厚み50mmで密度10kg/m3の不織布断熱材を得た。この断熱材は軽量で、施工時の作業性に優れていた。又、結露の発生や黴の発生も抑制した。
【0039】
比較例1
レギュラー機械捲縮中空ポリエステル繊維(繊度7dtex、繊維長51mm)40重量%、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm)40重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より軟化点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)20重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成した後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付875g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度25kg/m3の不織布断熱材を得た。
【0040】
比較例2
サイドバイサイドの構造を有し自己捲縮発現性を有するポリエステル繊維(繊度7dtex、繊維長51mm)40重量%、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm)40重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より軟化点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)20重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成した後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付875g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度25kg/m3の不織布断熱材を得た。
【0041】
比較例3
レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)70重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より軟化点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)30重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成した後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付875g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度25kg/m3の不織布断熱材を得た。
【0042】
比較例4
サイドバイサイドの構造を有し自己捲縮発現性を有するポリエステル繊維(繊度7dtex、繊維長51mm)30重量%、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維(繊度1.6dtex、繊維長51mm)50重量%、芯鞘型の複合繊維であってその鞘部を構成する繊維の融点が、レギュラー機械捲縮ポリエステル繊維より軟化点が約140℃低いポリエステル繊維(繊度2.2dtex、繊維長51mm)20重量%を混綿し、カーディングを行ってウェブを作成した後、通常の熱風循環による均一な加熱処理を繊維集合体全体に施し、目付525g/m2、繊維集合体の全体厚み35mmで密度15kg/m3の不織布断熱材を得た。
【0043】
次に本発明にかかる不織布断熱材の性能評価の結果を示す。性能評価は、この繊維集合体を断熱材として使用する場合の熱伝導率、吸音特性、吸湿性能、難燃性能、防黴性能である。熱伝導率は、JIS−A−1412による平板直接法で測定した。
【0044】
吸音率は、JIS−A1405による垂直入射吸音率であって、Bruel&Kjar社製マルチチャンネル分析システム3550型(ソフトウェア:BZ5087型2チャンネル分析ソフトウェア)による2マイクロフォン法で測定した。吸音率は、1000Hz時で比較した。
【0045】
吸湿性能の測定は、試料を20℃×20%RH雰囲気下で調湿しておき、30℃×90%RH(吸湿)に調整した室内で供試料を取り出し、吸湿8時間後に天秤にて秤量する(W1)。次ぎに20℃×50%RH(放湿)に調整した室内に供試料を持ち込み、放湿3時間後に天秤にて秤量する(W2)。の試料重量を測定する。繰り返し吸湿、放湿性能を測定するときは上記操作を繰り返す。最後に供試料を120℃、3時間乾燥したときの絶乾重量W0とする。
計算式
吸湿率(重量%)=(W1−W0)÷W0×100
放湿率(重量%)=(W2−W0)÷W0×100
【0046】
難燃性能の測定は、JIS−A1322に準拠して測定した。
防黴性能の測定は、JIS―Z2911に準拠して測定した。
得られた不織布断熱材の特性を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
次ぎに実施例1で得られた高吸湿性繊維を含有した不織布断熱材の調湿状況を測定した。試料の寸法が30cm×30cm×厚さ3.5cmの不織布断熱材を、20℃、20%RHに調整した恒温恒湿槽で8時間放置した後、30℃、90%RHに調整した恒温恒湿槽に投入した。この条件では吸湿を続け、8時間後に20℃、50%RHに調整した恒温恒湿槽に投入した。この条件では放湿を続けた。以降30℃、90%RHで8時間、20℃、50%RHで3時間の条件下に放置することにより該不織布断熱材は、吸湿、放湿を繰り返した。得られた重量変化を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、軽量で断熱性、遮音性、更に調湿機能も兼ね備え、使用時の作業性にも優れ、曲げ強さ、衝撃強さ等の機械的強度も向上し、更に結露の発生や黴の発生を抑制する調湿機能をもった断熱材が得られる。
Claims (6)
- 3種類以上の短繊維集合体からなる断熱材であって、該短繊維集合体がマトリックス繊維およびマトリックス繊維の融点よりも低い融点を有する成分を含む低融点繊維および吸湿量が10重量%以上である高吸湿性繊維からなり、前記低融点繊維により繊維相互間の接触部の一部で接着しており、かつ、前記高吸湿性繊維が架橋アクリル酸ナトリウム塩系繊維および/またはアクリル繊維を後加工によりその表面を加水分解させた合成繊維であることを特徴とする断熱材。
- 前記マトリックス繊維の含量が20〜94wt%低融点繊維の含量が5〜95wt%、高吸湿性繊維の含量が1〜50wt%である請求項1記載の断熱材。
- 前記マトリックス繊維が中空型繊維である請求項1乃至請求項2記載のいずれかに記載の断熱材。
- 前記短繊維集合体にスパンボンド膜またはフラッシュ紡糸膜または編織物である膜状物を積層したことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の断熱材。
- 前記膜状物は耐候性・難燃性・撥水性のいずれか、または組み合わせた特徴を有する物である請求項4記載の断熱材。
- 前記膜状物が、該短繊維集合体の片面または両面を熱処理による溶融で形成せしめたことを特徴とする請求項4乃至請求項5のいずれかに記載の断熱材。
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