JP6420542B2 - 飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、飲料に関する。詳細には、乳成分や植物成分の香り立ちが良好であり、且つ安定性の高い飲料に関する。
乳成分及び植物成分を含有する飲料(例えば、フルーツ・オレなど)は、殺菌時及び長期保存時下におけるタンパク質の沈殿や、層分離等を防止するため、重曹(炭酸水素ナトリウム)、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤としての塩を添加する必要がある。例えば、特許文献1には、炭酸塩及び/又はクエン酸塩を添加して飲料のpHを元のpHからアルカリ性側に調整後、飲料中に果汁及び/又はクエン酸溶液を加え、その後、均質化処理する技術が開示されている。
しかし、これら塩類は特有の塩味を有するため、pH調整剤として使用することで、乳成分や植物成分(例えば、果汁、野菜汁等)の香り立ちや風味が大幅に低下する、加熱殺菌時に当該塩類に由来する加熱臭が生じるという問題を有している。
乳成分や植物成分本来の風味を楽しむ手法の一つとして、飲料のpHを6を越えるように調整する方法があるが、この場合も、pH調整剤としての塩を使用しない場合には、加熱殺菌により乳タンパクが凝集する、長期保存下において凝集物の沈降が起こる結果、酷い場合には層分離や沈殿が発生してしまう等の問題を有していた。
pH調整剤としての塩を用いない技術として、特許文献2には、乳成分及び酸味香味成分を各々殺菌し、殺菌後に両成分を混合する乳成分含有飲料が開示されている。
しかし、乳成分及び酸味香味成分を各々殺菌し、無菌的に混合・充填する製造工程は、従来の飲料の製造工程とは大きく異なる。そのため、特許文献2に開示された技術を用いるためには適切な装置の導入と製造ラインの改造が必要となり、工業的な技術導入が容易にできるものではない。更に、特許文献2で開示された殺菌条件は、精密濾過(MF)、限外濾過(UF)等の膜濾過を用いる技術であるが、膜濾過による殺菌は濾過可能な原料に限られており、植物成分としてピューレなどを使用するのは難しいといった問題を有していた。
特開2006−333719号公報 特開2000−139342号公報
本発明は、上記従来技術に鑑み、pH調整剤としての塩を使用しない場合であっても、殺菌時及び長期保存下での層分離や沈殿の発生が顕著に抑制され、乳成分や植物成分の香り立ちが良好な飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、μ成分及びν成分を有するカラギナンという、特定のカラギナンを用いることで、本発明が目的とする飲料を提供できることを見出し本発明に至った。
具体的には、本発明は以下の態様を有する;
項1.乳成分、植物成分、並びにμ成分及びν成分を有するカラギナンを含有し、pHが6を超える飲料。
項2.飲料製造時に、pH調整剤としての塩を実質的に使用しない、項1に記載の飲料。
項3.更に乳化剤を併用する、項1又は2に記載の飲料。
項4.乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルである、項1〜3のいずれかに記載の飲料。
項5.飲料における乳成分含量が、牛乳換算で10質量%以上である、項1〜4のいずれかに記載の飲料。
殺菌時及び長期保存下での層分離や沈殿の発生が顕著に抑制された、乳成分及び植物成分を含有する飲料を提供できる。また、本発明によれば、製造時にpH調整剤としての塩類を使用せずとも、安定性に優れる飲料を提供でき、乳成分や植物成分の香り立ちが良好な飲料を提供できる。
実験例1における、比較例1−1の飲料の状態を示す写真である。 実験例1における、実施例1−1の飲料の様子を示す写真である。
本発明の飲料は、乳成分、植物成分、並びにμ成分及びν成分を有するカラギナンを含有する。
本発明で用いる乳成分は、飲料に使用できる素材であれば特に制限されない。例えば、乳又はその加工品(クリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、練乳、バター、その他の加工乳)等が挙げられる。
飲料中における乳成分の含量が牛乳換算で10質量%を超える場合、特には20質量%以上まで増加した場合は、殺菌時や長期保存下で、層分離や沈殿が顕著に発生し、品質が安定した飲料を提供することが難しい。かかるところ、本発明の飲料は、乳成分含量が牛乳換算で10質量%を超える場合、特には20質量%以上まで増加した場合であっても、殺菌時や長期保存下で生じる層分離や沈殿等が顕著に抑制された、極めて安定性の高い飲料である。牛乳換算における乳成分含量の上限は特に制限がないが、60質量%を例示できる。
乳成分の含量は、タンパク質含量を基準に、牛乳の含量に換算される。例えば、乳成分として全脂粉乳を用いる場合は、全脂粉乳中に含まれるタンパク質と、牛乳中に含まれるタンパク質の含量が同等となるように、牛乳の含量を調整できる。通常、牛乳のタンパク質含量は3〜4質量%、全脂粉乳のタンパク質含量は24〜26質量%、脱脂粉乳のタンパク質含量は33〜35質量%である。
本発明で用いる植物成分の種類も特に制限されない。ここで、植物成分とは、果実や野菜等の農作物の植物体に含まれる食用部位(果実、種実、葉、樹皮、根茎、花弁等)を原料として任意の処理によって得られる成分を広く意味する。例えば、上記所望の植物の食用部位から得られる滲出液(例えば、樹液など)、搾汁(例えば、果汁、野菜汁など)、破砕物(例えば、ピューレ、ペースト、裁断物など)、抽出物などが挙げられる。好ましくは、果汁及び/又は野菜汁であり、特に好ましくは果汁である。
これらは2種以上を混合してもよい。また、本発明では植物成分として、上記の滲出液、搾汁、破砕物、抽出物等を更に処理して、糖分、酸又は不溶成分などを低減ないし除去したものを用いても良い。また、濃縮果汁のように搾汁した果汁を4〜5倍等に濃縮したものや、濃縮還元果汁のように濃縮果汁を濃縮倍率で希釈したもの、或いは濃縮によって蒸散した水分のうち揮発性香気成分を多く含有する部分をカットバックしたものを使用することもできる。
飲料における植物成分の含量は特に制限されない。好ましくは、固形分で0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜2.5質量%である。当該範囲で植物成分を含有させることで、植物成分由来の風味が際立った、非常に風味に優れた飲料を提供できる。
また、本発明によれば、上記植物成分を含有しつつも高い安定性を実現できるため、良好な香り立ちと高い安定性を兼ね備える飲料を提供できる。
本発明では、飲料用安定剤として、μ成分及びν成分を有するカラギナンを用いることを特徴とする。
カラギナンは紅藻類海藻から抽出、精製される天然高分子であり、カラギナンの分子量は通常、100,000〜500,000である。D−ガラクトースと、3,6アンヒドロ−D−ガラクトースから構成される多糖類であるカラギナンの基本構造単位モノマーを下記(化1)に示した。カラギナンの種類は、この結合様式を変えることなく、硫酸基の位置、アンヒドロ糖の有無によって区別される(参照:特表2005−518463号公報)。各成分の基本構造について、(化2)に示した。
一般的に市場で流通しているカラギナンは、上記(化2)中、λ成分、ι成分及びκ成分を各々主成分とするλカラギナン、ιカラギナン及びκカラギナンである。
一方、本発明では上記(化2)で示す、μ成分及びν成分を有するカラギナンを用いることを特徴とする。μ成分及びν成分(化2)はそれぞれκ成分及びι成分の前駆体である。一般的に市場に流通しているκカラギナン及びιカラギナンは、各々μカラギナン及びνカラギナンをアルカリ処理して得られるカラギナンであり、通常、μ及びν成分をほとんど含まない。なお、本発明では、硫酸基含量が20〜40質量%のカラギナンを用いることが好ましい。
本発明では好ましくはμ成分及びν成分を総量で8質量%以上、好ましくは12質量%以上含有するカラギナンを用いる。μ成分及びν成分の上限は特に制限されないが、好ましくは50質量%である。μ成分及びν成分を有するカラギナン製剤として、「カラギニンHi−pHive(「Hi−pHive」はCPケルコ社の登録商標)」を商業上利用することが可能である。当該製品は、μ成分を2〜7質量%、ν成分を10〜17質量%含有するものである。なお、μ成分及びν成分を含有するカラギナンは、それ自体でゲルを形成しないという特徴を有している。
μ成分及びν成分以外のカラギナン成分は特に制限されない。例えば、κ成分、ι成分、λ成分が挙げられる。本発明で用いるμ成分及びν成分を有するカラギナンは、μ成分及びν成分以外の成分として、κ成分及び/又はι成分を含有していることが好ましい。
本発明の飲料中における、μ成分及びν成分を有するカラギナンの含量は、当該飲料の乳成分や植物成分の含量等によって適宜調整できる。通常、0.001〜0.5質量%、好ましくは0.005〜0.3質量%、更に好ましくは0.01〜0.2質量%の範囲である。当該カラギナンの含量が0.001質量%を下回ると、殺菌時や長期保存下で生じる層分離や沈殿を十分に抑制できない場合があり、一方で0.5質量%を上回ると粘度が高くなり、工業的生産における作業性が低下したり、飲料の嗜好性が損なわれる場合がある。
特には、飲料におけるμ成分含量が0.00002〜0.05質量%、好ましくは0.0001〜0.03質量%、更に好ましくは0.0002〜0.02質量%;ν成分含量が0.0001〜0.1質量%、好ましくは0.0005〜0.07質量%、更に好ましくは0.001〜0.05質量%となるように、μ成分及びν成分を有するカラギナンを添加することが望ましい。
本発明の飲料は、pHが6を超えることを特徴とする。好ましくは、pH6.1〜6.5であり、更に好ましくはpH6.1〜6.4である。本発明の飲料は、上記pHを有しつつも、殺菌時や長期保存下における飲料の層分離や沈殿の発生が顕著に抑制され、安定性が高い飲料を提供できる。なお、本発明において飲料のpHは、殺菌前における飲料のpHを示す。
乳成分及び植物成分が有する良好な風味を生かすためには、飲料の製造時にpH調整剤としての塩を実質的に使用しないことが好ましい。本発明において、「製造時にpH調整剤としての塩を実質的に使用しない」とは、飲料製造時に使用されるpH調整剤としての塩の添加量が0.03質量%以下、好ましくは0.01質量%以下であることをいう。「pH調整剤としての塩」とは、飲料のpHを調整するために用いられる塩であり、具体的には、重曹(炭酸水素ナトリウム)、クエン酸ナトリウム(クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム)、リン酸ナトリウム(リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム)又はリン酸カリウム(リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム)、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、乳酸ナトリウム等を例示できる。
pH調整剤としての塩を実質的に使用しない場合には、乳成分及び植物成分を含有する飲料の安定性が格段に低下するが、本発明によれば、飲料製造時にpH調整剤としての塩を実質的に使用しないにも関わらず、高い品質安定性を有する。これにより、高い安定性及び良好な香り立ち、風味を兼ね備えた飲料を提供することが可能となった。
本発明では、上記特定のカラギナンに加えて、乳化剤を併用することが望ましい。乳化剤を併用することで、より一層飲料の安定性を向上させることができる。乳化剤は、親水部及び疎水部を有し、乳化作用を有するものであって、飲料に使用可能な素材を広く使用できる。例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル(例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル)、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ユッカ抽出物、サポニン、レシチン、ポリソルベート等の乳化剤や、アラビアガム、ガティガム、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化力を有する多糖類が挙げられる。好ましくは、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルである。
飲料における乳化剤の含量は特に制限されない。通常、0.005〜0.3質量%、好ましくは0.01〜0.15%、特に好ましくは0.03〜0.1質量%である。
本発明の飲料の製造方法に特に制限はないが、例えば以下の方法を例示できる;
製法I:イオン交換水に、本発明のカラギナン(μ成分及びν成分を有するカラギナン)、必要に応じて乳化剤や糖類等を加えて加温(例えば、60〜80℃)し、安定剤溶液を調製する。安定剤溶液に、乳成分及び植物成分を添加し、必要に応じて酸を添加し、原料液を調製する。原料液を加温(例えば、60〜80℃)し、均質化処理後、殺菌処理を行って飲料を調製する。
製法II:イオン交換水に、乳成分、本発明のカラギナン(μ成分及びν成分を有するカラギナン)、必要に応じて乳化剤、糖類等を加えて、加温(例えば、60〜80℃)し、安定剤溶液を調製する。安定剤溶液に植物成分を添加し、原料液を調製する。原料液を加温(例えば、60〜80℃)し、均質化処理後、殺菌処理を行って飲料を調製する。
飲料の均質化処理条件としては、ホモゲナイザーによる均質化(例えば、5〜20MPa)等を例示できる。殺菌処理条件としては、例えば121〜125℃で20〜30分間のレトルト殺菌、120〜145℃で1〜60秒間のUHT殺菌等が挙げられる。特にUHT殺菌処理は、レトルト殺菌と比較して殺菌による風味劣化が少ないという利点を有する。一方で、UHT殺菌はレトルト殺菌と比較してより高温で殺菌する為、熱によるタンパク質の凝集や乳化皮膜の破壊によって、沈殿の発生頻度が増大する。かかるところ、本発明では特定のカラギナンを用いることで、UHT殺菌を行った場合であっても高い安定性を有する飲料を提供できる。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを意味する。
実験例1 飲料の調製(1)
表1及び表2の処方に従って、乳成分及び植物成分を含有する飲料(バナナオレ)を調製した。
(飲料の調製)
イオン交換水を撹拌しながら、カラギナン、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル)及び砂糖を添加し、80℃で10分間撹拌溶解し、安定剤溶液を調製した。得られた安定剤溶液を冷却後、牛乳、及び果糖ぶどう糖液糖を添加し、撹拌しながら植物成分(果汁)及びクエン酸を添加した。色素、香料及び酸化防止剤を加え、全量が100質量部となるようにイオン交換水にて全量を補正後、ホモゲナイザーにて均質化した(一段階目:10MPa、二段階目:5MPa)。UHTプレート殺菌機を用いて129℃にて8秒間殺菌し、無菌的にペットボトル容器に充填して飲料を調製した。飲料における植物成分の含量は固形分で1.2質量%である。
(飲料の安定性評価)
調製した飲料について保存安定性評価を行なった。
具体的には、飲料を調製後、5℃で8週間保存した際の層分離(上透き)、及び沈殿発生量を評価した。結果を表2に示す。
注1)「カラギニンHi−pHive*」(μ成分を2〜7質量%、ν成分を10〜17
質量%含有するカラギナン製剤)を使用。本製剤は、μ成分及びν成分以外に、κ成分及びι成分を含有する。
[層分離(上透き)の評価基準]
保存期間経過後に、飲料の成分が分離し、飲料上部の液面付近が透明化することを上透きとして評価し、上透きの多いものから、++++(極めて多い)>+++(かなり多い)>++(多い)>+(少ない)>±(僅かに存在)>−(なし)の順で評価した。
[沈殿物の評価基準]
保存期間経過後に、容器底部に沈んでいる固形物の量を沈殿物として評価し、沈殿量が多いものから++++(極めて多い)>+++(かなり多い)>++(多い)>+(少ない)>±(僅かに存在)>−(なし)の順で評価した。
(結果)
表2から明らかなように、μ成分及びν成分を有するカラギナンを用いた飲料は、製造時にpH調整剤としての塩を使用せずとも、UHT殺菌処理時や長期保存下(5℃で8週間保存)での層分離や沈殿が顕著に抑制されていた。また、いずれの飲料も、乳成分及び植物成分本来の豊かな風味に優れ、香り立ちの良い飲料であった(実施例1−1〜1−5)。
一方、μ成分及びν成分を有するカラギナンを使用しなかった比較例1−1〜1−2の飲料は、長期保存時に内容成分が分離し、完全に飲料が層分離してしまっていた。5℃で8週間保存後の比較例1−1の飲料の様子を図1に、実施例1−1の飲料の様子を図2に示した。図1及び図2からも、本発明の飲料が顕著に安定性に優れた飲料であることが分かる。
実験例2 飲料の調製(2)
表3及び表4の処方に従って、乳成分及び植物成分を含有する飲料(メロンオレ)を調製した。
(飲料の調製)
イオン交換水を撹拌しながら、カラギナン、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル)及び砂糖を添加し、80℃で10分間撹拌溶解し、安定剤溶液を調製した。得られた安定剤溶液を冷却後、牛乳、及び果糖ぶどう糖液糖を添加し、撹拌しながら植物成分(果汁)及びクエン酸を添加した。色素、香料及び酸化防止剤を加え、全量が100質量部となるようにイオン交換水にて全量を補正後、ホモゲナイザーにて均質化した(一段階目:10MPa、二段階目:5MPa)。UHTプレート殺菌機を用いて129℃にて8秒間殺菌し、無菌的にペットボトル容器に充填して飲料を調製した。飲料における植物成分の含量は固形分で0.3質量%である。
(飲料の安定性評価)
調製した飲料について保存安定性評価を行なった。
具体的には、飲料を調製後、5℃で4週間保存した際の層分離(上透き)、及び沈殿発生量を評価した。結果を表4に示す。
実施例2−1〜2−3のいずれの飲料も、製造時にpH調整剤としての塩を使用せずとも、UHT殺菌処理時や長期保存下(5℃で4週間保存)での層分離や沈殿が顕著に抑制されていた。また、いずれの飲料も、乳成分及び植物成分本来の豊かな風味に優れ、香り立ちの良い飲料であった。

Claims (5)

  1. 乳成分、植物成分、並びにμ成分及びν成分を有するカラギナンを含有し、pHが6〜6.5の飲料。
  2. 飲料製造時に、pH調整剤としての塩を実質的に使用しない、請求項1に記載の飲料。
  3. 更に乳化剤を併用する、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1〜3のいずれかに記載の飲料。
  5. 飲料における乳成分含量が、牛乳換算で10質量%以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の飲料。
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