JP6419062B2 - 段成形検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、段ボールシートの製造ラインにおいて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを検査するための段成形検査方法に関するものである。
段ボールシートの製造においては、中芯原紙が波形に成形されてからライナと貼合されるまでの過程で、波形の山がつぶれて低くなる「段つぶれ」や、中芯が部分的にライナから剥がれる等により山が突出して高くなる「段とび」等の不良が生じることがある。本出願人は過去に、製造ラインを走行している途中の段ボールシートについて、このような段成形の不良を検出する方法及び装置を提案している(特許文献1,2参照)。
この特許文献1,2の技術の基本的な原理は、製造ラインを走行している段ボールシートに対して、中芯の波形に対して傾斜させた光を投射し、波形における山の部分で反射された光のうち、高さが許容範囲にある山から反射された光のみを受光器で受光するように、光の投射条件または受光条件を調整するというものである。許容範囲から外れて高い山、或いは、許容範囲から外れて低い山によって反射された光は、受光器には入光しない。従って、受光器が光を検知したか否か、換言すれば「光の有無」によって、段成形の不良を簡易に検出することができる。
本出願人は、上記の技術と同様に、製造ラインを走行している途中の段ボールシートについて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを、簡易に検査することができる他の手段についての検討を続けてきている。本発明は、その検討の中でなされたものである。
特許第2571520号公報 特許第4857382号公報
上記のように、本発明は、製造ラインを走行している途中の段ボールシートについて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを、簡易に検査することができる段成形検査方法の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる段成形検査方法は、
「中芯が波形に成形された後で製造ラインを走行している途中の段ボールシートに、
シート面の垂線に対して傾斜した方向にある光源から光を投射し、
前記光源とは異なる角度で、前記段ボールシートをカメラで撮影することにより、
前記波形における山部によって光が遮られて影となった部分の像である暗部と、光が当たっている部分の像である明部とが交互となった縞模様の二次元画像を取得し、
二次元画像の画像処理に基づいて、前記中芯が適正に成形されているか否かの判定を、検査領域を単位として行う」ものである。
中芯が波形に成形された段ボールシートに、シート面の垂線に対して傾斜した方向から光を投射し、光源とは異なる方向から撮影すると、波形における山部によって光が遮られて影となった部分の像である暗部と、光が当たっている部分の像である明部とが交互になった縞模様の二次元画像(以下、「縞模様画像」と称することがある)が得られる。中芯が適正な波形に形成されている場合、山部の高さは等しいため、暗部及び明部はそれぞれ幅が一定の帯状である。ところが、段つぶれ等によって、正常な山部より低くなっている山部が一部に存在すると、本来は影となる部分に光が当たるため、暗部の帯の中に明部が部分的に現れる。逆に、中芯の剥がれ等によって、正常な山部より高くなっている山部が一部に存在すると、本来は光が当たるべき部分が影となってしまうため、明部の帯の中に暗部が部分的に現れる。
従って、縞模様画像の画像処理を、製造ラインにおける段ボールシートの製造と並行して行い、縞模様画像の時系列的な変動を検出したり、取得された縞模様画像を中芯が適正な波形に形成されている場合の縞模様画像と対比したりする等の解析によって、中芯が適正な波形に成形されているか否かを、簡易に検査することができる。
なお、画像処理、及び、これに基づく判定は、縞模様画像に設定した検査領域を単位とし、検査領域をシフトさせながら行うことができる。
本発明にかかる段成形検査方法は、上記構成において、
「前記判定は、
前記検査領域における前記暗部及び前記明部の面積比、前記検査領域における前記暗部の面積割合、または、前記検査領域における前記明部の面積割合である検出値が、一定であるか変動しているかの判定である」ものとすることができる。
縞模様画像における暗部及び明部それぞれの幅は、投射される光の角度及び撮影する角度に依存するが、光源の位置及びカメラの位置を固定して検査を行えば、一定である。従って、縞模様画像に検査領域を設定し、その検査領域における暗部及び明部の面積比、検査領域における暗部の面積割合、或いは、検査領域における明部の面積割合を検出すれば、検出された値が一定であれば、走行する段ボールシートにおいて中芯は適正な波形に成形されていると判定することができる。一方、上記のように検出された値が変動したときは、中芯の波形に山部が低い不良や山部が高い不良が生じていると、判定することができる。
本発明にかかる段成形検査方法は、上記構成において、
「前記判定は、
前記検査領域において前記段ボールシートの幅方向に並んだ画素の列のうち、前記暗部の画素のみが連続している列の数まは前記明部の画素のみが連続している列の数である検出値に基づいて行う」ものとすることができる。
中芯が適正な波形に成形されている場合、縞模様画像では段ボールシートの走行方向における暗部及び明部それぞれの幅は一定である。従って、縞模様画像において幅方向に並んだ画素の列に着目すると、中芯が適正な波形に成形されている場合、暗部のみが連続している画素の列、または、明部のみが連続している画素の列だけが存在する。ところが、正常な山部より低くなっている山部が一部にあると、上述のように暗部の帯の中に明部が部分的に現れるため、暗部のみが並ぶ画素の列が不連続となる。同様に、正常な山部より高くなっている山部が一部にあると、明部の帯の中に暗部が部分的に現れるため、明部のみが並ぶ画素の列が不連続となる。従って、暗部の画素が連続している列の数、または、明部の画素が連続している列の数に基づいて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを判定することができる。
本発明にかかる段成形検査方法は、上記構成において、
「前記判定は、
前記検査領域において検出した前記暗部と前記明部との境界の画素のうち、隣接する画素それぞれの座標値の差である検出値に基づいて、前記境界の画素が直線上にあるか否かを判定するものである」ものとすることができる。
縞模様画像において、段ボールシートの走行方向に並んだ画素の列に着目すると、暗部から明部に変化する境界の画素、或いは、明部から暗部に変化する境界の画素を検出することができる。中芯が適正な波形に成形されている場合、これらの境界の画素は、段ボールシートの幅方向に平行な直線上に並ぶ。一方、正常な山部より低くなっている山部が一部にあり暗部の帯の中に明部が部分的に現れる場合、境界の画素は明部の部分でその輪郭に沿って並ぶため、境界の画素は直線上には並ばない。同様に、正常な山部より高くなっている山部が一部にあり明部の帯の中に暗部が部分的に現れる場合、境界の画素は暗部の部分でその輪郭に沿って並ぶため、境界の画素は直線上には並ばない。従って、境界の画素が直線上にあるか否かによって、中芯が適正な波形に成形されているか否かを判定することができる。
以上のように、本発明の効果として、製造ラインを走行している途中の段ボールシートについて、中芯が適正な波形に成形されているか否かを、簡易に検査することができる段成形検査方法を、提供することができる。
本発明の一実施形態である段成形検査方法における光源とカメラの配置を示す図である。 中芯が適正な波形に成形されている場合の縞模様画像を模式的に示す図である。 (a)山部の一部が低い場合、及び(b)山部の一部が高い場合について、縞模様画像を模式的に示す図である。 (a),(b)縞模様画像における検査領域を例示する図である。 (a),(b)第二実施形態の判定処理の説明図である。 (a),(b)第三実施形態の判定処理の説明図である。 本発明の一実施形態である段成形検査方法に使用する段成形検査装置の構成図である。
以下、本発明の具体的な実施形態である段成形検査方法、及び、該段成形検査方法に使用する検査装置1について、図1乃至図7を用いて説明する。
まず、段成形検査装置1の構成について説明する。段成形検査装置1は、製造ラインを走行している途中の段ボールシート10に光を投射する光源21と、光が投射された段ボールシート10を撮影するカメラ22と、カメラ22によって撮影された画像を画像処理し、中芯11が適正な波形に成形されているか否かの判定処理を行うコンピュータ50とを、主に備えている。
光源21は、図1に示すように、段ボールシート10のシート面の垂線Zに対して傾斜した方向から光を投射する。ここでは、成形された中芯11に裏ライナ12が貼合された後の片面段ボールシート(段ボールシート10)の走行中に、斜め後方から光を投射している場合を図示している。また、図1は、製造ラインにおいて、片面段ボールシートがロール20に巻き掛けられて走行している部分で、検査を行う場合を例示しており、シート面の垂線Zはロール20の法線である。
カメラ22は、段ボールシート10の走行方向(図2におけるY方向)に直交する方向、すなわち、段ボールシート10の幅方向(図2におけるX方向)の一次元画像を取得するラインセンサカメラ22であり、段ボールシート10の走行に伴い連続的に撮影した一次元画像をコンピュータ50に送信する。また、ラインセンサカメラ22では、段ボールシート10の種類の変更によって幅長さが変更されても、段ボールシート10の全幅に亘り一次元画像を撮影するのに十分な長さで受光素子が配設されている。
更に、製造ラインの機械的な構成において駆動部と同期している箇所、例えば、ロール20の回転機構部には、エンコーダ25が取り付けられている。エンコーダ25からの電気信号は、コンピュータ50に送出される。
コンピュータ50は、ハード構成として主記憶装置と、主記憶装置に記憶されたプログラムに従って処理を行う中央処理装置(CPU)と、ハードディスク等の補助記憶装置53とを具備している。
ここで、主記憶装置には、画像処理手段51としてコンピュータ50を機能させる画像処理プログラムが記憶されている。この画像処理プログラムに基づく処理によって、カメラ22から送信された一次元画像から二次元画像が形成される。そして、エンコーダ25から送出される電気信号、及び、カメラ22による撮影箇所とエンコーダ25との位置関係により、二次元画像における画素の座標と、実際の段ボールシート10における位置とが対応付けられる。また、主記憶装置には、二次元画像に基づいて、中芯11が適正な波形に成形されているか否かの判定処理を行う判定手段52として、コンピュータ50を機能させる判定プログラムが記憶されている。
なお、補助記憶装置53には、カメラ22から送信された一次元画像のデータ、画像処理後の二次元画像データ、画像処理のために必要な段ボールシート10の段種やピッチ等の段ボール情報、画像処理や判定処理における基準値、中芯11が適正な波形に成形されているか否かの判定結果等を、記憶させることができる。
また、段成形検査装置1は、コンピュータ50に対して上記の段ボール情報や基準値等の入力を行うキーボードやポインティングデバイス等の入力装置61、コンピュータ50による処理の過程や処理の結果を表示するモニタやプリンタ等の出力装置62、コンピュータ50による処理の結果、中芯11が適正な波形に成形されていないと判定された場合に、警報灯や警報音により報知を行う警報装置65を備えている。
更に、コンピュータ50は、段ボールシート10の製造事業者の事務所コンピュータ67や、製造ラインの生産管理装置68と、有線通信または無線通信可能に接続されている。事務所コンピュータ67からコンピュータ50に、上記の段ボール情報や基準値を入力することができ、コンピュータ50による処理の過程や処理の結果を、コンピュータ50から事務所コンピュータ67に送信することができる。或いは、段ボール情報や基準値が事務所コンピュータ67から生産管理装置68に送信され、生産管理装置68において記憶されると共に、生産管理装置68からコンピュータ50に送信される構成とすることもできる。
次に、上記構成の段成形検査装置1を使用して行われる段成形検査方法について説明する。本実施形態の段成形検査方法は、中芯11が波形に成形された後で製造ラインを走行している途中の段ボールシート10に、シート面の垂線Zに対して傾斜した方向にある光源21から光を投射し、光源21とは異なる角度で段ボールシート10をカメラ22で撮影することにより、波形における山部によって光が遮られて影となった部分の像である暗部31と、光が当たっている部分の像である明部32とが交互となった縞模様画像30を取得し、縞模様画像30の画像処理に基づいて、中芯11が適正に成形されているか否かの判定を行うものである。
なお、ここでは、波形が適正に成形されている正常な高さの山部、適正な場合より低い山部、及び適正な場合より高い山部に対して、それぞれ符号「F」、「F」、及び「F」を用いている。
中芯11が波形に成形された段ボールシート10に、シート面の垂線Zに対して傾斜した方向から光を投射し、光源21とは異なる方向から撮影すると、波形における山部によって光が遮られて影となった部分の像である暗部31と、光が当たっている部分の像である明部32とが交互になった縞模様画像30が得られる。中芯11が適正な波形に形成されており、正常な高さの山部Fが連続している場合は、図2に示すように、暗部31及び明部32はそれぞれ一定の幅を有する帯状である。暗部31及び明部32それぞれの幅は、光が投射される角度、及び、撮影する角度に依存するが、光源21及びカメラ22の位置が固定されていれば、これらの幅は一定である。
ところが、段つぶれ等により、正常な高さより低くなっている山部Fが一部にあると、本来は影となる部分に光が当たるため、図3(a)に示すように、暗部31の帯の中に明部32が部分的に現れる。逆に、中芯11が裏ライナ12から剥がれる等により、正常な高さより高くなっている山部Fが一部にあると、本来は光が当たるべき部分が影となってしまうため、図3(b)に示すように、明部32の帯の中に暗部31が部分的に現れる。
そこで、縞模様画像30における暗部31及び明部32を解析することにより、波形が適正に成形されているか否かを判定することができる。
なお、縞模様画像30において暗部31と明部32とを明確にするために、ライセンサカメラ22による一次元画像をもとに形成された二次元画像を、予め定めた閾値で二値化してもよい。
本実施形態では、縞模様画像30において、判定処理の単位となる検査領域40を設定する。そして、一つの検査領域40について判定処理が終了したら、検査領域40をシフトさせて判定処理を行い、これを繰り返すことにより、縞模様画像30の全範囲について判定処理を行う。
検査領域40の寸法は、段ボールシート10の走行方向(Y方向)では、波形のピッチ(隣接する山部の頂点間の距離)の整数倍とすると好適である。図2では、検査領域40のY方向の長さが、1ピッチ分である場合を例示している。例えば、エンコーダ25のパルス信号に基づき0.1mmの走行距離ごとに一次元画像を取得し、波形の1ピッチが6mmであるとすると、図2の検査領域40には、Y方向の画素の列が60本存在する。段ボールシート10の走行に伴い、ラインセンサカメラ22が一次元画像を連続的に撮影することにより形成された二次元画像(縞模様画像30)のY方向の長さが、検査領域40のY方向の長さと等しくなった時点で、コンピュータ50による画像処理及び判定処理が開始される。そして、次の二次元画像を取得している間に、検査領域40を段ボールシート10の幅方向(X方向)にシフトさせ、画像処理及び判定処理を行う。
従って、検査領域40の寸法は、Y方向の長さがある長さである二次元画像を取得するために必要な時間と、X方向に検査領域40をシフトさせることにより、段ボールシート10の全幅に亘り画像処理及び判定処理を行うために必要な時間とのバランスを考慮して決定する。例えば、図4(a),(b)に示すように、波形のピッチの短い段種の段ボールシート10について検査を行う場合、縞模様画像30b,30cにおいて設定される検査領域40のY方向の長さは、波形のピッチの複数倍とし、その倍数をピッチが短いほど大きく設定すれば、上記の時間のバランスが取り易い。
次に、検査領域40における判定処理について説明する。第一実施形態の判定処理は、縞模様画像30における暗部31及び明部32の面積に基づいて行うものである。図2では、検査領域40における暗部31及び明部32の面積比が50:50である場合を例示しているが、暗部31及び明部32の面積比は、光の投射角度やカメラ22による撮影角度によって変化する。しかしながら、光源21及びカメラ22の位置が固定であれば、中芯11が適正な波形に形成されている場合、すなわち、高さが正常な山部Fが連続している場合、暗部31及び明部32の面積比は一定である。
従って、検査領域40における暗部31及び明部32の面積比、検査領域40における暗部31の面積割合、或いは、検査領域40における明部32の面積割合を検出し、これを閾値と対比することにより、中芯11が適正な波形に形成されているか否かを判定することができる。なお、閾値は、許容範囲の上限値及び下限値について設定することができる。
そして、コンピュータ50によって、中芯11が適正な波形に形成されていないと判定された場合は、コンピュータ50から警報装置65に不良検知信号が送出され、警報装置65によって報知がなされる。これと共に、段ボールシート10における不良の発生位置に関する情報が、出力装置62に出力される。
ここで、閾値は、予め定めて補助記憶装置53に記憶させる固定値、または、作業者が入力装置61を介して随時入力する固定値とすることができる。
或いは、判定処理の進行に伴って、コンピュータ50が閾値を変動させる構成とすることができる。例えば、検査領域40における暗部31及び明部32の面積比、検査領域40における暗部31の面積割合、或いは、検査領域40における明部32の面積割合など、判定に用いる検出値について、移動平均値(過去N回分の検査領域40の平均値)や、移動中央値(過去N回分の検査領域40の中央値)に基づき、プラスマイナス何パーセントというように閾値を設定することができる。このように、実際に検出される値をもとに閾値を変動させることにより、製造ラインを走行する段ボールシート10の段種が変更された場合であっても、新たな閾値を外部から入力して設定する手間を要することなく、閾値を適切な値に速やかに修正することができる。
第二実施形態の判定処理は、縞模様画像30において段ボールシート10の幅方向(X方向)に並んだ画素の列のうち、暗部31の画素のみが連続している列の数、または、明部32の画素のみが連続している列の数に基づいて行うものである。
中芯11が適正な波形に成形されている場合、縞模様画像30では段ボールシート10の走行方向(Y方向)における暗部31及び明部32それぞれの幅は一定である。従って、検査領域40において幅方向(X方向)に並んだ画素の列に着目すると、図5(a)に示すように、検査領域40には明部32の画素のみが連続している列L1、L2と、暗部31の画素のみが連続している列L3,L4だけが存在する。なお、実際には、X方向に並んだ画素の列は、一つの検査領域40内に多数存在するが、図5では明確に示すために、ごく一部の列のみを図示している。
一方、正常な山部Fより低くなっている山部Fが一部にあると、図5(b)に示すように、暗部31の帯の中に明部32が部分的に現れるため、本来は暗部31の画素のみが連続するはずであった列L3,L4が不連続となる。正常な山部Fより高くなっている山部Fが一部にある場合も、同様に、明部32の帯の中に暗部31が部分的に現れるため、本来は明部32の画素のみが連続するはずであった列が不連続となる。従って、暗部31の画素のみが連続している列の数、または、明部32の画素のみが連続している列の数を、上記のように閾値と対比することにより、中芯11が適正な波形に成形されているか否かを判定することができる。
第三実施形態の判定処理は、縞模様画像30において暗部31と明部32との境界の画素Bを検出し、境界の画素Bの並びの直線性に基づいて行うものである。検査領域40において、段ボールシート10の走行方向(Y方向)の画素の列に着目すると、明部32から暗部31に変化する境界の画素Bを検出することができる。このとき、境界の画素Bは、暗部31に変化する直前の明部32の画素、或いは、暗部31に変化した直後の暗部31の画素として検出することができる。同様に、検査領域40においてY方向の画素の列に着目したとき、暗部31から明部32に変化する境界の画素Bを検出することができる。このとき、境界の画素Bは、明部32に変化する直前の暗部31の画素、或いは、明部32に変化した直後の明部32の画素として検出することができる。
そして、中芯11が適正な波形に成形されている場合、縞模様画像30ではY方向における暗部31及び明部32それぞれの幅は一定である。従って、検査領域40において境界の画素Bは、図6(a)に示すように、X方向に平行な直線上に並ぶ。一方、正常な山部Fより低くなっている山部Fが一部にあり暗部31の帯の中に明部32が部分的に現れる場合、図6(b)に示すように、境界の画素Bは明部32の部分でその輪郭に沿って並ぶため、境界の画素BはX方向に平行な直線上には並ばない。同様に、正常な山部Fより高くなっている山部Fが一部にあり明部32の帯の中に暗部31が部分的に現れる場合も、境界の画素Bは暗部31の部分でその輪郭に沿って並ぶため、境界の画素BはX方向に平行な直線上直線上には並ばない。従って、境界の画素Bが直線上にあるか否かによって、中芯11が適正な波形に成形されているか否かを判定することができる。
なお、境界の画素Bが直線上にあるか否かは、例えば、隣接する境界の画素BそれぞれのX座標の差を、閾値と対比することによって判定することができる。
上記のように、本実施形態の段成形検査方法によれば、製造ラインを走行する途中の段ボールシート10に傾斜した方向から光を投射し、これをカメラ22で撮影して暗部31と明部32とが交互に繰り返す縞模様画像30を取得し、これを解析することにより、中芯11が適正な波形に成形されているか否かを判定することができる。
そして、縞模様画像30の解析は、検査領域40における暗部31及び明部32の面積比や面積割合、明部32または暗部31のみが連続している画素の列の数、或いは、暗部31と明部32との境界の画素Bが直線上に並ぶか否かによって、簡易に行うことができる。
加えて、本実施形態では、カメラ22として、段ボールシート10の全幅に亘り一次元画像を撮影できるラインセンサカメラ22を使用し、検査領域40を段ボールシート10の幅方向にシフトさせているため、製造ラインを走行する段ボールシート10の全面積に亘り、中芯11が適正な波形に成形されているか否かの検査をすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、検査領域40をX方向またはY方向にシフトさせる際、検査領域40の周縁部が僅かに重なり合うようにシフトさせてもよい。これにより、段ボールシート10の全面積に亘り、より確実に、中芯11が適正な波形に成形されているか否かの検査をすることができる。
また、段ボールシート10の幅方向の端部を検出するセンサを使用してもよい。これにより、検査対象の段ボールシート10の幅方向のサイズが変更されても、ラインセンサカメラ22によって撮影を行う幅方向の範囲を、過不足のない範囲とすることができる。
10 段ボールシート
11 中芯
21 光源
22 カメラ
30 縞模様画像
31 暗部
32 明部
B 境界の画素
Z 垂線
X 段ボールシートの幅方向
L1〜L4 段ボールシートの幅方向に並んだ画素の列

Claims (4)

  1. 中芯が波形に成形された後で製造ラインを走行している途中の段ボールシートに、
    シート面の垂線に対して傾斜した方向にある光源から光を投射し、
    前記光源とは異なる角度で、前記段ボールシートをカメラで撮影することにより、
    前記波形における山部によって光が遮られて影となった部分の像である暗部と、光が当たっている部分の像である明部とが交互となった縞模様の二次元画像を取得し、
    二次元画像の画像処理に基づいて、前記中芯が適正に成形されているか否かの判定を、検査領域を単位として行うものであり、
    前記判定は、
    前記検査領域における前記暗部及び前記明部の面積比、前記検査領域における前記暗部の面積割合、または、前記検査領域における前記明部の面積割合である検出値が、一定であるか変動しているかの判定である
    ことを特徴とする段成形検査方法。
  2. 中芯が波形に成形された後で製造ラインを走行している途中の段ボールシートに、
    シート面の垂線に対して傾斜した方向にある光源から光を投射し、
    前記光源とは異なる角度で、前記段ボールシートをカメラで撮影することにより、
    前記波形における山部によって光が遮られて影となった部分の像である暗部と、光が当たっている部分の像である明部とが交互となった縞模様の二次元画像を取得し、
    該二次元画像の画像処理に基づいて、前記中芯が適正に成形されているか否かの判定を、検査領域を単位として行うものであり、
    前記判定は、
    前記検査領域において検出した前記暗部と前記明部との境界の画素のうち、隣接する画素それぞれの座標値の差である検出値に基づいて、前記境界の画素が直線上にあるか否かを判定するものである
    ことを特徴とする段成形検査方法。
  3. 中芯が波形に成形された後で製造ラインを走行している途中の段ボールシートに、
    シート面の垂線に対して傾斜した方向にある光源から光を投射し、
    前記光源とは異なる角度で、前記段ボールシートをカメラで撮影することにより、
    前記波形における山部によって光が遮られて影となった部分の像である暗部と、光が当たっている部分の像である明部とが交互となった縞模様の二次元画像を取得し、
    該二次元画像の画像処理に基づいて、前記中芯が適正に成形されているか否かの判定を、検査領域を単位として行うものであり、
    前記二次元画像は、前記段ボールシートの全幅に亘り一次元画像を撮影するラインセンサカメラで、前記縞模様に平行な前記一次元画像を、前記段ボールシートのY方向への走行に伴い連続的に撮影することにより形成され、
    前記画像処理及び前記判定の処理は、前記二次元画像の前記Y方向の長さが前記検査領域の前記Y方向の長さである処理単位長さとなった時点で開始されると共に、前記段ボールシートの走行に伴い次の前記処理単位長さの前記二次元画像を取得している間に、前記検査領域を前記段ボールシートの幅方向に全幅に亘りシフトさせることにより行われ、
    前記判定は、
    前記検査領域において前記段ボールシートの幅方向に並んだ画素の列のうち、前記暗部の画素のみが連続している列の数まは前記明部の画素のみが連続している列の数である検出値に基づいて行う
    ことを特徴とする段成形検査方法。
  4. 前記判定は、前記検出値と閾値との関係に基づいて行われるものであり、
    該閾値は、過去の複数回の判定における前記検出値の平均値である移動平均値、または、過去の複数回の判定における前記検出値の中央値である移動中央値に基づいて設定される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の段成形検査方法。
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