以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能は、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する機能である。複写機能は、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する機能である。プリンタとしての機能は、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う機能である。ファクシミリ機能は、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する機能である。データ通信機能は、接続された外部機器との間でデータを送受信する機能である。サーバ機能は、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする機能である。
画像形成装置は、読取装置を備えている。読取装置は、複写機能やプリンタとしての機能により画像が形成された用紙を画像として読み取る。読取装置による読取結果を用いて、画像形成条件の調整や、画像形成の履歴管理等、目的に応じた種々の機能が実行される。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の一例における画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示されるように、画像形成装置1は、本体10と及び画像読取装置40とを備えている。本体10は、用紙上に画像を形成する。画像読取装置40は、画像が形成された用紙上の画像を読み取る。以下、本体10により画像形成のために生成される画像を第1画像と呼ぶことがある。また、画像読取装置40により用紙上の画像を読み取って生成される画像を第2画像と呼ぶことがある。
本体10と画像読取装置40との間には、本体10から画像読取装置40へ用紙を搬送する搬送ユニット10aが配置されている。
本体10には、画像形成部20と、スキャナ部31とが設けられている。本体10の内部では、搬送部26が設けられている。搬送部26は、給紙トレイ25から給紙した用紙を用紙搬送経路に沿って画像形成部20で搬送する。搬送部26は、複数の搬送ローラ26aを有している。搬送ローラ26aは、用紙搬送経路のうち複数の箇所に設けられている。搬送ローラ26aは、レジストローラ26bや排紙ローラ26cなどを含む。
図2は、画像形成装置の機能ブロック図である。
図2において、本体10と画像読取装置40との主な構成が、機能毎に示されている。
図2に示されるように、本体10は、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、画像生成部30、画像処理部17、画像形成部20及び履歴保存部19を備えている。本体10は、ネットワーク上の外部装置50に接続されている。本体10は、通信部15により、外部装置50と通信することができる。
制御部11は、記憶部12に記憶されている制御プログラム12aを読み出す。制御部11は、読み出した制御プログラム12aを実行することにより、本体10の各部を制御する。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成することができる。
例えば、制御部11は、画像生成部30により生成された画像を、画像処理部17により画像処理させる。制御部11は、画像処理後の画像の各画素の階調値に応じて、画像形成部20により用紙上に画像を形成させる。
記憶部12は、制御プログラム12aと、ローラ位置情報12bと、制御プログラム12aの実行時に用いられるデータ等とを記憶している。これらの制御プログラム12aや情報は、制御部11により読み取り可能である。ローラ位置情報12bは、例えば、複数の搬送ローラ26aのそれぞれの位置が記録されたテーブルデータである。
また、記憶部12は、属性情報や、第2画像や、履歴保存部19において生成された情報等を記憶することができる。属性情報は、例えば、画像生成部30により生成される。第2画像は、画像読取装置40により生成される。履歴保存部19において生成された情報としては、例えば、履歴用の画像等がある。
記憶部12としては、ハードディスクドライブ等の大容量メモリを用いることができる。
図1に示されるように、操作部13及び表示部14は、本体10のユーザインターフェイスとして設けられている。
操作部13は、ユーザの操作に応じた操作信号を生成する。操作部13は、生成した操作信号を、制御部11に出力する。操作部13としては、例えばキーやタッチパネル等が上げられる。タッチパネルは、表示部14と一体に構成されている。
表示部14は、制御部11の指示に従って、操作画面等を表示する。表示部14としては、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro Luminescence Display)等を用いることができる。
図2に示されるように、通信部15は、ネットワーク上の外部装置50と通信する。外部装置50は、例えばユーザ端末、サーバ、又は他の画像形成装置等である。
通信部15は、例えば、ユーザ端末である外部装置50から、ネットワークを介してデータを受信する。通信部15は、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたPDLデータを受信する。また、通信部15は、履歴用の画像等を外部装置50に送信することができる。履歴用の画像等は、履歴保存部19において生成されたものである。
画像生成部30は、通信部15により受信したPDLデータをラスタライズ処理し、第1画像を生成する。第1画像は、画素毎に階調値を有するビットマップ形式の画像である。画像生成部30は、第1画像をC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の色毎に生成する。階調値は、画像の濃淡を表すデータ値である。例えば、8bitのデータ値は、0から255までの階調の濃淡を表す。
画像生成部30は、第1画像の生成時、第1画像の各画素の属性を示す属性情報を生成する。例えば、画像生成部30は、PDLデータに記述された文字コードに従って描画した各画素の属性を文字(Text)と決定する。かな、アルファベット、数字等の画像の各画素の属性は、文字と決定される。画像生成部30は、ベクター形式(DXF、SVG、WMF等)の記述に従って描画した各画素の属性を図形(Graphics)と決定する。罫線、多角形、円等の画像の各画素の属性は、図形と決定される。また、画像生成部30は、JPEG等のファイルにより描画した写真等の画像の属性を写真(Image)と決定する。
図1に示されるように、画像生成部30は、複写機能用に用いられるスキャナ部31を備えている。画像生成部30は、ユーザによりセットされた原稿の画像をスキャナ部31により読み取る。画像生成部30は、スキャナ部31により読み取ることで、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各色の画像を取得する。画像生成部30は、各色の画像を色変換することによってC、M、Y及びKの各色の画像を生成することもできる。
画像処理部17は、画像生成部30により生成された第1画像に画像処理を施す。画像処理には、例えば、階調処理や中間調処理等がある。
階調処理は、画像の各画素の階調値を、補正された階調値に変換する処理である。補正は、用紙上に形成された画像の濃度特性が目標の濃度特性と一致するように行われる。
中間調処理は、例えば誤差拡散処理、組織的ディザ法を用いたスクリーン処理等である。
画像形成部20は、画像処理部17により画像処理された第1画像の各画素の階調値に応じて、複数の色からなる画像を用紙上に形成する。
図1に示されるように、画像形成部20は、4つの書込みユニット21(21Y,21M,21C,21K)、中間転写ベルト23a、2次転写ローラ23b、定着装置24、給紙トレイ25を備えている。各書込みユニット21は、中間転写ベルト23aのベルト面に沿って直列に配置されている。中間転写ベルト23aは、複数のローラにより巻き回されて回転する。複数のローラの1つは、2次転写ローラ23bを構成している。
画像形成部20には、給紙トレイ25から用紙を搬送する搬送部26に加えて、反転機構(搬送部の一例)27を有している。搬送部26は、用紙搬送経路上の複数箇所に設けられた搬送ローラ26aを有している。給紙トレイ25は、用紙を収容している。搬送部26は、複数の搬送ローラ26aにより給紙トレイ25から用紙を搬送する。用紙搬送経路上には、2次転写ローラ23bや定着装置24が配置されている。
4つの書込みユニット21C,21M,21Y,21Kは、それぞれC、M、Y及びKの色の画像を形成する。各書込みユニット21の構成は同じである。すなわち、書込みユニット21は、露光部18a、感光体18b、現像部18c、帯電部18d及びクリーニング部18eを備えている。
各書込みユニット21は、次のようにして各色の画像を形成する。すなわち、帯電部18dは、感光体18bに電圧を印加して帯電させる。露光部18aは、各色C、M、Y及びKの画像の各画素の階調値に応じてレーザービームを照射し、感光体18bを露光する。現像部18cは、トナー等の色材を感光体18bに供給し、感光体18b上に形成された静電潜像を現像する。そうすると、各書込みユニット21の感光体18b上に、各色の画像が形成される。
各感光体18b上の画像は中間転写ベルト23a上に順次重ねて転写され、中間転写ベルト23a上には複数の色からなる画像が形成される。中間転写ベルト23aへの画像の転写後、各書込みユニット21は、感光体18b上に残留する色材をクリーニング部18eにより除去する。
給紙トレイ25により用紙が給紙される。用紙は、搬送部26により用紙搬送路に沿って搬送される。2次転写ローラ23bは、中間転写ベルト23a上の複数の色からなる画像を用紙上に転写する。用紙は定着装置24に搬送される。定着装置24は、その用紙を加熱及び加圧する。これにより、画像が用紙に定着する。その後、用紙は、排出ローラ26cにより搬送ユニット10aに送られる。
なお、用紙の両面に画像を形成する場合は、画像が定着された後、用紙は反転機構27に搬送される。反転機構27は、搬送ローラ27a等を有する。反転機構27は、搬送ローラ27aにより用紙面を反転させて、再度2次転写ローラ23bへ用紙を搬送する。これにより、用紙の反対面に画像が形成される。
搬送ユニット10aには、搬送部28が設けられている。搬送部28は、用紙搬送経路の複数の箇所に配置された搬送ローラ28aを有している。搬送ユニット10aに送られた用紙は、搬送部28によって搬送され、画像読取装置40に送られる。
履歴保存部19は、画像読取部41により用紙上の画像が読み取られて生成された第2画像を用いて、実施した画像形成の履歴を表す履歴用の画像を生成し、記憶部12に保存する。
画像読取装置40は、画像読取部41と、搬送部42とを備えている。搬送部42は、用紙搬送経路の複数の箇所に配置された搬送ローラ42aを有している。画像読取装置40は、画像が形成された用紙を搬送部42により画像読取部41に搬送する。画像読取部41は、搬送された用紙を画像として読み取る。読み取られた用紙は、搬送部42により搬送され、画像読取装置40から外部に排出される。
なお、搬送部42には、用紙の反転機構が設けられている。用紙の両面を読み取るときには、用紙の片面の読み取りが行われた後、反転機構で反転された用紙が、画像読取部41に搬送される。
画像読取部41は、用紙搬送経路上に配置されるラインセンサである。画像読取部41は、搬送ユニット10aにより本体10から搬送された用紙上の画像を読み取り、ビットマップ形式の画像を第2画像として生成する。なお、画像読取部41は、エリアセンサであってもよい。
図3は、画像読取部41の概略構成を示す図である。
図3に示されるように、画像読取部41は、搬送ローラ44,45と、コンタクトガラス46と、光源48aと、センサ48bと、ミラー48cと、レンズ48d等とを有している。搬送ローラ44,45は、用紙搬送経路上に設けられている。用紙Pは、搬送方向Dに搬送される。
画像読取部41は、搬送ローラ44,45により、用紙Pを搬送する。搬送ローラ44(上流側搬送ローラ44)は、用紙搬送経路の上流側に設けられている。搬送ローラ45(下流側搬送ローラ45)は、用紙搬送経路の下流側に設けられている。用紙Pは、搬送ローラ44,45により、所定の速度でコンタクトガラス46の読取位置を通過するように搬送される。
光源48aは、例えば、LED(発光ダイオード)である。光源48aは、コンタクトガラス46の近くに配置されており、読取位置を照らす。
センサ48bは、読取位置における用紙P上に形成された画像の読み取りを行う。センサ48bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)などの光学式センサである。センサ48bは、用紙Pの主走査方向の全範囲(全幅の範囲)を読み取り可能な、カラーラインセンサである。
ミラー48c及びレンズ48dは、読取位置の像をセンサ48bに導くための光学系を構成する。
画像読取部41は、このような構成を備えることにより、コンタクトガラス46を通過する用紙Pの全幅にわたって、用紙P上に形成された画像を順次読み取る。
なお、画像読取部41のコンタクトガラス46の下方には、校正部47が設けられている。校正部47は、読取位置に設けられた白基準板を備えている。白基準板は、画像の読み取りの際に行うシェーディング補正の補正値を決定するためのものである。白基準板は、センサ48bにより、用紙の非通過時(例えば、用紙と用紙の合間等)等に読み取られる。白基準板の読取結果に応じて、読み取った画像の生成に関するキャリブレーションが行われる。
図2に示されるように、画像読取装置40と本体10との間には、PCIexpress等のインターフェイスを用いた画像転送経路が設けられている。画像読取部41により生成された第2画像は、この画像転送経路を介して、本体10に転送される。本体10は、転送された第2画像を、記憶部12に記憶する。
外部装置50は、上述したように、ユーザ端末、サーバ、他の画像形成装置等でありうる。図2に示されるように、外部装置50は、記憶部51を備えている。
記憶部51は、本体10の記憶部12と同様に、画像生成部30により生成された属性情報や、履歴保存部19において生成された情報を記憶することができる。履歴保存部19において生成された情報は、履歴用の画像などの情報である。記憶部51としては、ハードディスクドライブ等の大容量メモリーを用いることができる。
図4は、画像形成装置1で行われる画像形成処理の処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態において、画像形成処理では、画像形成部20により画像が形成され、画像読取部41により履歴用の画像が生成される。
PDLデータが画像形成装置1に送信されると、画像生成部30は、PDLデータのラスタライズ処理を実行し、第1画像をページ毎に生成する(ステップS11)。各ページについて、画像形成処理が行われる。
まず、画像の形成が行われる。すなわち、図4に示されるように、画像生成部30は、第1画像の各画素の属性を示す属性情報を生成し、生成した属性情報を記憶部12に保存する(ステップS12)。
画像生成部30は、第1画像において文字の属性の画像を生成した場合、その文字の色情報を生成し、属性情報に対応付けて記憶部12に保存する(ステップS13)。
ラスタライズ処理によって、Y、M、C及びKの各色の画像が生成される。そのため、色情報として、文字を構成する各画素のY、M、C及びKの階調値を使用することができる。また、PDLデータに文字の色として記述されたR、G及びBの階調値を色情報とすることもできる。文字は単一色であることも多いため、画素単位ではなく、文字単位又は文字列単位で1つの色情報を生成し、色情報のデータ量を減らすようにしてもよい。
第1画像が生成されると、画像処理部17が第1画像に画像処理を施す。画像処理としては、階調処理、中間調処理等が挙げられる。画像処理部17は、第1画像とともに生成された属性情報を記憶部12から取得する。画像処理部17は、属性に応じて異なる条件の画像処理を施すことができる。例えば、画像処理部17は、属性情報が示す属性毎にスクリーン線数が異なるように画像処理を行うことができる。
また、画像処理部17は、画像形成の応用設定に応じて、画像処理を施すことができる。画像処理部17は、第1画像の位置、色等の変更、画像の追加、削除、変換、拡大、縮小等を行うことができる。応用設定としては、ページ割り付け、ページ差し込み、倍率変更、リピート、センタリング、とじ代、画像編集、スタンプ、色調整、ネガポジ反転、鏡像、枠消し等がある。ページ割り付けは、1ページに複数ページの画像を縮小して配置する処理である。ページ差し込みは、1ページの画像を追加する処理である。倍率変更は、画像を拡大又は縮小する処理である。リピートは、同じ画像を複数のページに配置する処理である。センタリングは、画像をページの中心位置にシフトする処理である。とじ代は、画像の位置をシフトして綴じ用の領域を設ける処理である。画像編集は、日付、ページ数等の文字を追加する処理である。スタンプは、ウォーターマーク、ロゴマーク等の画像を追加する処理である。ネガポジ反転は、画像の輝度を反転させる処理である。鏡像は、画像を鏡像に変換する処理である。枠消しは、画像中の枠を削除する処理である。
画像形成部20は、画像処理後の第1画像の各画素の階調値に応じて、用紙上に画像を形成する(ステップS14)。画像が形成された用紙は、搬送ユニット10aにより画像読取装置40へ搬送される。
画像読取装置40では、画像読取部41が用紙上の画像を読み取る(ステップS15)。これにより、第2画像が生成される。生成された第2画像は、本体10の記憶部12へ転送され、履歴用の画像として保存される(ステップS16)。
ここで、本実施の形態においては、画像読取部41の読取結果を用いて、汚れ検知処理が行われる(ステップS17)。汚れ検知処理については、後述する。
汚れ検知処理が行われると、そのページについての画像形成処理が終了する。未印刷のページが続く場合には、次のページについて生成された第1画像に基づいて、このような処理が繰り返し行われる。
ここで、本実施の形態において、画像形成装置1内の用紙搬送経路上の複数の箇所の搬送ローラ26a,27a,28a,42aのそれぞれは、搬送される用紙に対する主走査方向の位置(用紙の搬送方向(副走査方向)に直交する方向の位置)が互いに異なるように配置されている。そして、搬送ローラ26a,27a,28a,42aのそれぞれの主走査方向の位置についての情報が、ローラ位置情報12bとして、予め記憶部12に記憶されている。
汚れ検知処理では、画像読取部41の読取結果に基づいて、搬送部26,28,42及び反転機構27に異常が発生していることが検知される。具体的には、本実施の形態において、搬送ローラ26a,27a,28a,42aのいずれかに汚れが生じていることが検知される。
図5は、汚れ検知処理の処理を示すフローチャートである。
図5に示されるように、ステップS101において、制御部11は、第2画像に基づいて、用紙に汚れがあるか否かを検知する。汚れを検知しなければ、汚れ検知処理を終了する。汚れがある場合、次の処理に進む。
ステップS102において、検知された汚れが、いわゆるローラ筋であるか否が判定される。ローラ筋は、搬送ローラ26a,27a,28a,42aが汚れているときに発生する用紙の汚れである。ローラ筋は、特徴的な汚れである。例えば、ローラ筋は、連続的又は周期的に発生し、ぼんやりとした輪郭を有する。制御部11は、このような特徴の有無に基づいて、判定を行う。
ステップS102においてローラ筋でないと判定されたとき、ステップS103において、制御部11は、一般的な異常通知を行う。一般的な異常通知は、例えば、用紙に汚れがあることを通知するものである。通知は、例えば、表示部14にメッセージを表示することにより行われたり、音声を出力することにより行われたりする。これにより、ユーザは、各不良に対して、画像形成装置1が適切に画像形成をすることができるように復帰作業を行うことができる。なお、用紙の汚れの原因が判定できたとき、その原因も併せて通知するようにしてもよい。
他方、ステップS102においてローラ筋であると判定されたとき、ステップS104において、制御部11は、ローラ筋の位置を測定する。これにより、制御部11は、汚れ位置情報を取得する。本実施の形態において、制御部11は、用紙の中心を基準にし、ローラ筋の主走査方向の位置が測定される。なお、用紙の主走査方向一端部を基準にし、ローラ筋の主走査方向の位置が測定されるようにしてもよい。また、用紙搬送経路の所定の位置を基準にして、ローラ筋と用紙とのそれぞれの主走査方向の位置が測定されるようにしてもよい。
ステップS105において、制御部11は、汚れの原因と考えられる搬送ローラ26a,27a,28a,42aがあるか否かを判断する。判断は、汚れ位置情報と、ローラ位置情報12bとに基づいて行われる。すなわち、制御部11は、汚れ位置情報と、予め記憶された各搬送ローラ26a,27a,28a,42aの主走査方向の位置についての情報とを対比する。搬送ローラ26a,27a,28a,42aのうち、主走査方向の位置が、ローラ筋の主走査方向の位置と対応するものがあれば、それが汚れの原因であると判断される。
ステップS105で汚れの原因と考えられる搬送ローラ26a,27a,28a,42aがあれば、ステップS106の処理が行われる。ステップS106において、制御部11は、ユーザに通知を行う。ローラが汚れている旨(汚れている可能性がある旨)と、そのローラが設けられている箇所についてのローラ情報とが通知される。通知は、表示部14にメッセージを表示することにより行われたり、音声を出力することにより行われたりする。ユーザは、通知されたローラ情報に基づいて、その搬送ローラ26a,27a,28a,42aの清掃等、復旧作業を行うことができる。なお、表示部14に図や写真を表示して清掃すべき搬送ローラ26a,27a,28a,42aの位置や清掃方法等について通知が行われるようにしてもよい。
他方、ステップS105で汚れの原因と考えられる搬送ローラ26a,27a,28a,42aがなければ、ステップS107の処理が行われる。ステップS107において、制御部11は、ユーザに通知を行う。ステップS106の場合とは異なり、この場合は汚れの原因と考えられる搬送ローラ26a,27a,28a,42aがない。そのため、通知は、清掃すべき搬送ローラ26a,27a,28a,42aについてのローラ情報を含まない。したがって、ローラが汚れている旨がユーザに通知される。
ステップS103の処理、ステップS106の処理、又はステップS107の処理が終了すると、汚れ検知処理が終了する。
なお、ステップS102において、制御部11は、汚れがローラ筋である可能性が比較的低い場合でも、ローラ筋である可能性があると判断し、ステップS104以降の処理に進んでもよい。すなわち、用紙に汚れがある場合、ローラの汚れによるローラ筋であると判断する判断基準が上述の実施の形態よりも若干下げられていてもよい。
また、ステップS105において、制御部11は、搬送ローラ26a,27a,28a,42aのいずれかに汚れが生じている可能性がある場合に、それを検知するようにしてもよい。すなわち、制御部11は、ローラ位置情報12bと汚れ位置情報とを対比した結果、ローラ筋と搬送ローラ26a,27a,28a,42aとの対応関係の確からしさが比較的低い場合であっても、ステップS106の処理に進むようにしてもよい。
図6は、汚れ検知処理の一例について模式的に説明する図である。
図6を参照して、汚れ検知処理の一例について説明する。図6においては、例えば4箇所に搬送ローラ110(111,113,115,117)が設けられている例が模式的に示されている。画像形成装置1においては、上述のようにより多くの搬送ローラ26a,27a,28a,42aが用いられているが、汚れ検知処理の仕組みはこれと同様である。
図6に示されているように、用紙Pの搬送方向(副走査方向)Dの上流側から、搬送ローラ111,113,115,117がこの順で並んでいる。搬送ローラ111,113,115は、用紙搬送経路の中央Bに対して、主走査方向に対称に一対に並んでいる。搬送ローラ117は、中央Bに対して主走査方向に対称に一対に並び、さらに中央にも1つが並んで構成されている。
すなわち、搬送ローラ111は、搬送方向Dの左手側(図6において右側)にあるローラ111aと、同方向右手側にあるローラ111bとで構成されている。ローラ111aとローラ111bとは、互いに、中央Bから主走査方向に間隔D1だけ離れて配置されている。
搬送ローラ113は、搬送方向Dの左手側にあるローラ113aと、同方向右手側にあるローラ113bとで構成されている。ローラ113aとローラ113bとは、互いに、中央Bから主走査方向に間隔D3だけ離れて配置されている。
搬送ローラ115は、搬送方向Dの左手側にあるローラ115aと、同方向右手側にあるローラ115bとで構成されている。ローラ115aとローラ115bとは、互いに、中央Bから主走査方向に間隔D5だけ離れて配置されている。
搬送ローラ117は、搬送方向Dの左手側にあるローラ117aと、同方向右手側にあるローラ117bとで構成されている。ローラ117aとローラ117bとは、互いに、中央Bから主走査方向に間隔D7だけ離れて配置されている。
間隔D1,D3,D5,D7は、次の関係にある。すなわち、4箇所の搬送ローラ111,113,115,117は、主走査方向の位置が互いに異なるようにして配置されている。それぞれの搬送ローラ111,113,115,117とその間隔D1,D3,D5,D7とは対応付けられて、ローラ位置情報12bとして記憶されている。
(間隔D1)<(間隔D3)<(間隔D5)<(間隔D7)
用紙Pは、用紙搬送経路の中央B上を、搬送方向Dに搬送される。すなわち、用紙Phaは、搬送ローラ111,113,115,117により、搬送される。
ここで、ローラ117bに、汚れEが付着している場合を想定する。このとき、搬送された用紙Pにローラ筋Mが発生すると、制御部11により、それが検知される。そうすると、制御部11は、ローラ筋Mの主走査方向の位置を測定する。この場合、例えば、中央Bすなわち用紙Pの主走査方向中央からローラ筋Mの位置までの間隔D11が測定される(汚れ位置情報)。
このように汚れ位置情報として間隔D11が測定されると、制御部11は、それとローラ位置情報12bとを対比する。間隔D11に対して、ローラ位置情報12b内の間隔D7が最も近く、間隔D11と間隔D7とが略同じであることがわかる。そうすると、制御部11は、ローラ位置情報12bに基づいて、間隔D7に対応する搬送ローラ117のうち、ローラ筋Mがある側のローラ117bが汚れている可能性が高いと判断する。したがって、制御部11は、ローラ117bを清掃すべきとするローラ情報と共に、ユーザに通知を行う。ユーザは、通知に基づいて、ローラ117bを清掃することができる。
なお、制御部11は、ローラ筋の主走査方向の位置を測定するとき、種々の方法で測定を行うことができる。例えば、ローラ筋の主走査方向中央の位置を測定することができる。また、ローラ筋の主走査方向の一方又は両方の端部の位置を測定することができる。また、制御部11は、あわせて、ローラ筋の主走査方向の幅を測定するようにしてもよい。
ここで、制御部11は、複数箇所のローラに汚れがあるときには、それぞれのローラについて汚れがあることを検知することができる。
図7は、汚れ検知処理の他の例について模式的に説明する図である。
図7において、搬送ローラ110の配置は、図6で説明したものと同様である。図7においては、ローラ111aと、ローラ115bと、ローラ117bとに汚れEが付着している場合が示されている。
図7に示されるように、搬送された用紙Pには、2つのローラ筋M1,M2が発生するローラ115bとローラ117bとは主走査方向に近接している。そのため、ローラ115bの汚れEによる部分とローラ117bの汚れEによる部分とが重なって、1つのローラ筋M1が発生している。
制御部11は、ローラ筋M1,M2を検知すると、それぞれのローラ筋M1,M2について主走査方向の位置を測定する。すなわち、制御部11は、用紙Pの主走査方向中央からローラ筋M1の位置までの間隔D21を測定する。また、制御部11は、用紙Pの主走査方向中央からローラ筋M2の位置までの間隔D22を測定する。
ローラ筋M2について、制御部11は、ローラ位置情報12bに基づいて、間隔D22に対応する搬送ローラ111を特定できる。したがって、制御部11は、ローラ111aにローラ筋M2の原因となる汚れEがある可能性が高いと判断する。
ローラ筋M1について、制御部11は、ローラ位置情報12bに基づいて、間隔D21に対応する位置にあるローラを判断する。このとき、間隔D21は、おおまかに、搬送ローラ115と搬送ローラ117との中間の位置に対応する。したがって、制御部11は、ローラ115bとローラ117bとに、共に、ローラ筋M1の原因となる汚れEがある可能性があると判断する。
なお、このとき、制御部11は、ローラ筋M1の主走査方向の幅を測定し、それに基づいて汚れEがある可能性があるローラについて判断してもよい。例えば、ローラ筋M1の幅が比較的大きい場合には、2つのローラ115b、117bの両方を清掃すべきとしてユーザに通知してもよい。他方、ローラ筋M1の幅が比較的狭い場合には、2つのローラ115b、117bのうちいずれか一方のみが汚れている可能性があるとしてユーザに通知してもよい。いずれの場合であっても、汚れている可能性のあるローラをある程度の範囲に特定して、ユーザにそのローラ情報を通知することができる。
以上説明したように、本実施の形態においては、ローラ筋が発生したとき、制御部11が、その原因となった搬送ローラ又はその原因となった可能性が高い搬送ローラを特定する。比較的速やかに、搬送ローラに生じている原因を除去する作業や動作を行うことができる。そのため、画像形成装置1を画像形成可能な状態に、速やかに復帰させることができる。
例えば、ユーザが清掃作業を行って復旧させる場合には、清掃すべきローラ情報がユーザに通知される。したがって、ユーザが、汚れている搬送ローラを探索する作業を行う負担が軽減される。ユーザは、通知されたローラ情報に基づいて清掃すべき搬送ローラを清掃することができるので、速やかに作業を行い、画像形成装置1を復帰させることができる。汚れの発生に伴う画像形成装置1のダウンタイムを短縮させることができ、画像形成装置1の生産性を向上させることができる。
[変型例の説明]
複数箇所のうちすべての搬送ローラの主走査方向の位置が互いに異なるように配置されていなくてもよい。複数の箇所に配置された搬送ローラのうち、少なくとも1箇所の搬送ローラと他の搬送ローラとが、搬送される用紙に対する主走査方向の位置が互いに異なるように配置されていればよい。このような場合においても、各搬送ローラの主走査方向の位置に関するローラ位置情報12bが記憶されていればよい。これにより、制御部11は、汚れ位置情報とローラ位置情報12bとに基づいて、汚れがあると考えられるローラ情報を含む通知を行うことができる。すなわち、通知は、個別の搬送ローラ毎に行われなくてもよい。このような場合であっても、例えば画像形成装置1のセクション毎など、主走査方向の位置が同じである複数の搬送ローラを含む搬送ローラ群毎に、清掃すべきである旨の通知を行うことができる。このような通知が行われることにより、ユーザは通知された搬送ローラ群を対象に作業を行うことができる。したがって、容易にかつ速やかに画像形成装置1を画像形成可能な状態に復帰させることができる。
図8は、本実施の形態の一変型例に係る画像形成装置1における汚れ検知処理の一例について模式的に説明する図である。
本変型例では、画像形成装置1の各セクションについて、搬送ローラ26a,27a,28b,42aの主走査方向の位置は統一されている。すなわち、搬送部26の用紙搬送経路上の複数の箇所の搬送ローラ26aのそれぞれは、主走査方向の位置が互いに等しくなるように配置されている。反転機構27の搬送ローラ27a、搬送部28の搬送ローラ28a、及び搬送部42の搬送ローラ42aのそれぞれも、同様である。
図8に示されるように、搬送ローラ26a,27a,28b,42aの各群は、他の群とは主走査方向の位置が異なっている。すなわち、搬送ローラ26aは、他の搬送ローラ27a,28a,42aとは主走査方向の位置が異なっている。また、搬送ローラ27aは搬送ローラ28a,42aとは主走査方向の位置が異なっている。搬送ローラ28aと搬送ローラ42aとは、主走査方向の位置が異なっている。
このように搬送ローラ26a,27a,28b,42aが配置されている場合においても、上述のようにして汚れ検知処理を行うことができる。すなわち、制御部11は、ローラ筋が用紙Pに発生したときに、搬送部26,28,42及び反転機構27の各セクションのうち、汚れがある可能性が高いローラが属するセクションを判別することができる。制御部11は、ユーザに、そのセクションについてのローラ情報を通知する。これにより、ユーザは、特定のセクションに属するローラを確認し、速やかに汚れているローラの清掃を行うことができる。
図9は、本実施の形態の別の変型例に係る画像形成装置1における、汚れ検知処理の一例について模式的に説明する図である。
本変型例では、画像形成装置1の各セクション内での搬送ローラの主走査方向の位置が異なるように構成されている。すなわち、搬送ローラ26aについて、主走査方向の位置が互いに異なるように配置されている。搬送ローラ27a,28a,42aのそれぞれについても、そのセクション内での主走査方向の位置が互いに異なっている。各セクション内での主走査方向の位置は異なるが、他のセクションの搬送ローラと主走査方向の位置が同じであってもよい。
本変型例では、搬送部26は、搬送中の用紙Pの主走査方向の位置を、用紙搬送経路の途中でシフトさせるシフト部を有している。例えば、レジストローラ26bや、排出ローラ26cがシフト部として機能する。シフト部は、用紙の画像形成位置の微調整や、用紙の排出位置を変更するために一般的に用いられている。
本変型例では、制御部11は、2回以上の画像形成を行って汚れ検知処理を実行する。すなわち、1回目の画像形成でローラ筋が発見されると、2回目の画像形成を行う。2回目の画像形成は、シフト部により用紙の主走査方向の位置を変化させて行われる。そのうえで、制御部11は、汚れ位置情報と、ローラ位置情報12bと、シフト部によるシフト動作の有無を示す情報とに基づいて、汚れがあるローラについて検知する。
図9においては、簡易的に、2つのセクションS1,S2がある場合の動作について模式的に示されている。図9に示されるように、セクションS1,S2のそれぞれは、用紙搬送経路の複数の箇所に設けられた搬送ローラ110(111,113,115,117)を有している。セクションS1の各搬送ローラ110の主走査方向の位置と、セクションS2の各搬送ローラ110の主走査方向の位置とは同じである。
1枚目の用紙P1が搬送されたとき、ローラ筋M3が発生した場合を想定する。制御部11は、ローラ筋M3についての汚れ位置情報として、間隔D13を測定する。この状態では、間隔D13に対応する搬送ローラ110としては、セクションS1の搬送ローラ117とセクションS2の搬送ローラ117とのどちらに汚れがあるか、特定できない。
1枚目の用紙P1でローラ筋M3が発生すると、2枚目の用紙P2についての画像形成が行われる。このとき、制御部11は、セクションS1とセクションS2との間で、シフト動作を行う。すなわち、セクションS1においては、用紙P1と同様に用紙P2が搬送される。そして、シフト部により、用紙P2の位置が主走査方向にシフトされる。例えば、用紙P2は、搬送方向Dの左手側(図9において右側)にシフト量F1だけシフトされる。これにより、用紙P2は、用紙P1からシフト量F1だけ主走査方向にオフセットされてセクションS2に搬送される。用紙P2の用紙中央B’は、用紙搬送経路の中央Bからシフト量F1だけオフセットされる。
このようにして用紙P2が搬送されたとき、用紙P2にローラ筋M4が発生する。制御部11は、ローラ筋M4についての汚れ位置情報として、間隔D14を測定する。間隔D14は、用紙P2の用紙中央B’からローラ筋M4までの距離である。
このように用紙P2についての汚れ位置情報が得られると、制御部11は、測定した間隔D13,D14と、ローラ位置情報12bと、用紙P2についてシフト動作を行ったこととに基づいて、汚れがあるローラについて検知する。すなわち、間隔D13と間隔D14とは、シフト量F1だけ異なっている。したがって、汚れがあるローラは、セクションS1ではなく、セクションS2に属していることがわかる。また、間隔D13とローラ位置情報12bとに基づいて、セクションS2のローラ117bに汚れEがあることが判別できる。
なお、セクションS1とセクションS2との間で用紙P2のシフト動作が行われればよい。例えば、用紙P2は、セクションS1の搬送時に、用紙P1の搬送位置からオフセットされた位置で搬送され、セクションS2の搬送時には用紙P1と同じ位置で搬送されるようにしてもよい。
図10は、本変型例に係る画像形成処理及び汚れ検知処理の処理手順を示すフローチャートである。
本変型例に係る以上の動作を、図10を参照して説明する。
ステップS111において、処理対象のページについて、画像形成部20により、画像形成処理が行われる。
ステップS112において、制御部11は、画像形成された用紙について、搬送ローラが原因とみられるローラ筋があるか否かが検知される。ローラ筋がある場合には、ステップS114に進む。ローラ筋がない場合には、ステップS113に進む。
ステップS113において、制御部11は、画像形成を行ったページの次のページについての処理に進む。
他方、ステップS114において、制御部11は、ローラ筋の主走査方向の位置を測定する。これにより、このページに関する汚れ位置情報が得られる。
ステップS115において、画像形成部20により、次のページについての画像形成処理が行われる。このとき、制御部11は、用紙の搬送途中において、シフト動作を行う。
ステップS116において、制御部11は、このページに発生したローラ筋の主走査方向の位置を測定する。これにより、このページに関する汚れ位置情報が得られる。
ステップS117において、制御部11は、今回画像形成を行ったページと前回画像形成を行ったページとで、汚れ位置情報を比較する。そして、シフト動作を行ったことと、汚れ位置情報と、ローラ位置情報12bとに基づいて、汚れのある可能性が高いローラを検知する。
ステップS118において、制御部11は、検知したローラに関するローラ情報をユーザに通知する。
以上説明したように、本変型例では、シフト動作を行うことで、次のような効果が得られる。すなわち、シフト動作の前後で主走査方向の位置が同じである搬送ローラがある場合であっても、そのうちどちらの搬送ローラに汚れがあるかを判別することができる。したがって、画像形成装置1において多数の箇所に搬送ローラを用いる場合であっても、より狭い範囲内の搬送ローラを特定して、ユーザに汚れている可能性を通知できる。
なお、図9の例では、2つのセクションS1,S2間で用紙をシフトさせる例が示されているが、これに限られるものではない。搬送ローラの主走査方向の位置が重なるセクションが、用紙をシフトさせる機構を挟んで3つ以上あってもよい。この場合であっても、シフトさせる箇所と汚れ位置情報との関係に基づいて、どのセクションに属する搬送ローラが汚れているかを判別することができる。また、ローラ位置情報12bと汚れ位置情報とに基づいて、そのセクションのうちどの搬送ローラが汚れている可能性が高いかを判別することができる。
[その他]
用紙をシフトさせる機構は、上述のような用紙を搬送するためのローラを用いるものに限られない。
画像読取部で用紙の両面を読み取ることにより、両面印刷を行った場合における搬送ローラについての汚れ検知処理を行うようにしてもよい。
上述の実施の形態のように異常のある搬送ローラが特定された場合には、制御部により、次のような制御が行われるようにしてもよい。すなわち、異常のある搬送ローラが、用紙の搬送経路中央から比較的離れた端の位置にあるものであるか否かが検知される。端の位置のローラである場合、可能であれば、そのローラを避けるように用紙をシフトさせて、次の画像形成動作が行われるようにしてもよい。
汚れている可能性があると判定したローラの位置に従って、通知メッセージの内容を変更するようにしてもよい。例えば、ユーザが容易に作業を行って復帰させることができる位置にあるローラが汚れている場合には、通常通りに通知を行うようにすればよい。他方、作業を行うのに訓練された技術が必要になるような位置のローラが汚れていた場合には、その旨を通知したり、サービスパーソンを呼ぶ必要がある旨を通知するようにしてもよい。
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
画像形成装置のハードウェア構成は上述に限られるものではなく、画像処理が種々の制御回路により行われるようにしてもよい。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。