以下、本発明の一実施形態に係るマーク検出装置としての画像読取装置及びコンピューターについて図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係るマーク検出装置は、画像読取装置が有する一部の構成と、コンピューターが有する一部の構成とを備えてなる。図1は、当該マーク検出装置の一部をなす画像読取装置としての複合機の機械的構成を示す断面図である。複合機1は、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、およびファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えている。複合機1は、装置本体2を備える。装置本体2は、本体部20と、手差しトレイ4と、装置本体2の上部に配設された原稿読取部(読取部)5と、原稿読取部5の上方に配設された原稿給送部(読取部。但し、読取部として必須ではない)6とを備えている。
また、複合機1のフロント部には、操作部47が設けられている。操作部47は、スタートキー471、テンキー472、表示部473、リセットキー474、及びストップキー475等を備えている。
表示部473は、複合機1が備える前記の各機能に関する操作ガイド情報等を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)等からなる液晶ディスプレイであり、前記各機能を利用する際に必要な各種設定をユーザーが入力可能とするためにタッチパネル機能を有している。
スタートキー471は、ユーザーが印刷実行指示を入力するためのキーである。テンキー472は、印刷部数等の数値を入力するためのキーである。リセットキー474は、表示部473で設定された設定内容をリセットするためのキーである。ストップキー475は、実行中の印刷動作を停止させるためのキーである。
原稿読取部5は、CCD(Charge CoupledDevice)及び画像照射ランプ等からなるスキャナー部51と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台52と、原稿読取スリット53とを備える。スキャナー部51は、図略の駆動部によって移動可能に構成されている。原稿台52に載置された原稿を読み取るときは、スキャナー部51は、原稿台52に対向する位置で原稿面に沿って移動され、当該原稿面を走査しつつ取得した前記原稿の画像データを後述する主制御部100へ出力する。また、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、スキャナー部51は、原稿読取スリット53と対向する位置に移動され、原稿給送部6による前記原稿の搬送動作と同期して、当該搬送動作により搬送された当該原稿を、原稿読取スリット53を介して読取し、当該読み取った原稿の画像データを主制御部100へ出力する。
原稿給送部6は、原稿が載置される原稿載置台61と、画像読み取り済みの原稿が排出される原稿排出部62と、原稿搬送機構63と、を備える。原稿搬送機構63は、図略の給紙ローラー、搬送ローラー、及び用紙反転機構を備えている。原稿搬送機構63は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置台61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介してスキャナー部51から読取可能とした後、原稿排出部62へと排出する。また、原稿搬送機構63は、用紙反転機構が原稿を表裏反転させて原稿読取スリット53と対向する位置へ再搬送することで、当該原稿の両面の画像を、原稿読取スリット53を介してスキャナー部51から読取可能にしている。
さらに原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように装置本体2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台52上面を開放することにより、原稿台52の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
装置本体2は、それぞれサイズが異なる記録用紙(記録媒体の一例)を収納する複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラー462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録用紙に画像を形成して出力する画像形成部40とを備える。
画像形成部40は、画像形成機構12と、定着部45とを備える。画像形成機構12は、給紙カセット461、及び手差しトレイ4から給紙された記録用紙Pにトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成機構12は、中間転写ベルト125と、この中間転写ベルト125に隣接して配設された、マゼンタ用、シアン用、イエロー用及びブラック用にそれぞれの画像形成ユニット12M,12C,12Y,12Bと、中間転写ベルト125を無担走行させる駆動ローラー125aと、二次転写ローラー41とを備えている。
各画像形成ユニット12M,12C,12Y,12Bは、それぞれに、感光体ドラム121と、現像装置122と、トナーカートリッジ(図略)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とを備えている。
主制御部100は、プリントジョブ等の実行時に、各色毎の画像形成ユニット12M,12C,12Y,12Bを駆動制御して、中間転写ベルト125の表面に、マゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像の転写を重なり合うように行わせ、カラーのトナー像を中間転写ベルト125の表面に形成させる(中間転写(一次転写))。
二次転写ローラー41は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、用紙搬送部411から搬送されてきた記録用紙Pに転写させる。当該トナー像が転写された記録用紙Pは定着部45により当該トナー像が定着される。
用紙搬送部411は、用紙搬送路L1と、用紙逆送路L2と、搬送ローラー463、464、及び465を備え、用紙搬送路Lに設けられた搬送ローラー463及び464の駆動により、トナー像が定着された記録紙をスタックトレイ71は排出トレイ48まで搬送する。
画像形成部40が記録用紙の両面に画像を形成して出力する場合には、用紙搬送部441は、画像形成部40において一方の面に画像が形成された前記記録用紙を、排出トレイ48側の搬送ローラー463にニップされた状態とした後、当該記録用紙を搬送ローラー463の反転によりスイッチバックさせて用紙逆送路L2に送ることで画像形成部40の上流域に再度搬送する。これにより、画像形成部40により当該記録用紙の他方の面に画像が形成される。
次に、複合機1の構成を説明する。図2は複合機1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
複合機1は、制御ユニット10を備える。制御ユニット10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成され、複合機1の全体的な動作制御を司る。
制御ユニット10は、原稿読取部5、画像処理部31、画像形成部40、操作部47、ファクシミリ通信部92、HDD(ハードディスクドライブ)81、並びに、ネットワークインターフェース部91と接続されている。
制御ユニット10は、主制御部100と、ネットワーク制御部101と、変換部102と、領域記憶部107と、読取能力記憶部108とを備えている。
主制御部100は、上述した複合機1の全体的な動作制御を司る。主制御部100は、スキャナー機能、コピー機能及びプリンター機能の各機能についての動作制御を実行するために必要な各機構部の駆動及び処理を制御する。
ネットワーク制御部101は、LAN又はインターネットを通じて外部装置、例えばクライアントコンピューター7等とのネットワーク通信を行うための制御を担当する。例えば、ネットワーク制御部101は、ネットワークインターフェース部91から、後述する変換部102により変換された変換後のキャラクター群からなるデータを送信する。
変換部102は、原稿読取部5によって読み取られた読取データが示す画像の各部分を、予め定められた複数の標準パターンのいずれに一致するかを照合し、一致するとされた当該標準パターンに対応付けられたキャラクターにOCR処理により変換する。例えば、変換部102は、文字や記号等のキャラクターを示す画像として、当該各文字や記号等毎に対応付けられたそれぞれの画像を示すパターンを上記標準パターンとして複数予め記憶している。変換部102は、当該標準パターンをテンプレートとして用い、原稿読取部5によって読み取られた読取データが示す画像の各部分に対して、当該テンプレートを重ねながら順次一致するか否かを照合し、標準パターンと当該各部分について画素データレベル対応の相関を調べることにより、当該テンプレートと同じ又は近似する画像部分を上記読取データから検出する(パターンマッチング)。変換部102は、このように検出したテンプレートと同じ又は近似する画像部分を、当該テンプレートに対応付けられたキャラクターに変換する。
領域記憶部107は、変換部102による変換処理及び判別部74による判別処理を行う原稿上での領域を示すマークシート領域を記憶する。例えば、ユーザーが、上記マーク記入が行われる用紙としての見本原稿を原稿読取部5に読み取らせると、当該読み取られた画像が表示制御部75により表示部473に表示される。表示部473が備えるタッチパネル機能により、ユーザーが、当該原稿の画像を示す表示部473の表示画面上で2点を指定すると、当該2点がなす直線を対角線とする矩形領域が上記マークシート領域として操作部47に入力され、当該入力されたマークシート領域が領域記憶部107に記憶される。
読取能力記憶部108は、メモリー等からなり、変更部80によって変更された原稿読取部5の読取能力を記憶する。例えば、クライアントコンピューター7の変更部80によって過去に変更された原稿読取部5の読取能力(例えば、直前に変更された読取能力)を、ネットワークインターフェース部91及びネットワーク制御部101が、クライアントコンピューター7のネットワーク制御部70から取得し、読取能力記憶部108に記憶させる。当該原稿読取部5の読取能力の取得及び記憶は、変更部80によって原稿読取部5の読取能力が変更された直後に行ってもよいし、ユーザーにより操作部47に後述するマーク検出指示が入力された時に行ってもよい。
原稿読取部5のスキャナー部51は、画像照射ランプ511及びCCDセンサー512を備える。スキャナー部51は、画像照射ランプ511により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー512で受光することにより、原稿から画像を読み取る。
画像処理部31は、原稿読取部5で読み取られた画像の画像データを必要に応じて画像処理する。例えば、画像処理部31は、原稿読取部5により読み取られた画像が画像形成部40により画像形成された後の品質を向上させるために、予め定められた画像処理を行う。画像処理部31は、補正部311及び画像加工部312を備える。補正部311は、画像形成部40の画像出力プロセスデータとしての帯電装置123の出力電圧、露光装置124の露光光量、現像装置122の現像バイアス電圧、一次転写ローラー126の転写バイアス、二次転写ローラー41の転写バイアス等の値を調整する。画像加工部312は、例えば、原稿読取部5で読み取られた画像データに対してレベル補正、ガンマ補正等の所定の補正処理を行い、或いは、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。画像処理部31により処理された画像データは、画像メモリー35に記憶され、又は、画像形成部40或いはファクシミリ通信部92等に出力される。
画像メモリー35は、上記原稿読取部5で読み取られた画像データ等を記憶する。
用紙搬送部411は、図1に示した給紙カセット461、給紙ローラー462、及び搬送ローラー463,464,465等から構成され、給紙カセット461に収納されている記録用紙を画像形成部40及び排出トレイ48まで搬送する。
画像形成部40は、上述したように、画像形成ユニット12M、12C、12Y、12Bと、駆動ローラー125aに張架された中間転写ベルト125と、二次転写ローラー41等を備えている。画像形成部40による画像形成対象となる画像データは、原稿読取部5で読み取られた画像データ、LAN及びネットワークインターフェース部91を介してローカルエリア内のクライアントコンピューター7等から送信されてきた画像データ等から送信されてきた画像データ等である。
操作部47は、表示部473等を備え、表示部473によるタッチパネル機能及び上述した各操作キー群により複合機1についてのユーザーからの指示を受け付ける。
ファクシミリ通信部92は、図略の符号化/復号化部、変復調部及びNCU(Network Control Unit)を備え、公衆電話回線網を用いてのファクシミリの送信を行うものである。ファクシミリ通信部92は、例えば原稿読取部5によって読み取られた原稿の画像データを、電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
HDD(ハードディスクドライブ)81は、原稿読取部5によって読み取られた画像データ及び同画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDD81に記憶されている画像データは、複合機1及びこれに採用される各種プログラムで用いられる。
ネットワークインターフェース部91は、LANボード等の通信モジュールから構成され、当該ネットワークインターフェース部91に接続されたLAN5等を介して、クライアントコンピューター7等と種々のデータの送受信を行う。例えば、ネットワークインターフェース部91は、ネットワークインターフェース部91及びLAN5等を介して、変換部102によって変換されたキャラクター群からなるデータをクライアントコンピューター7に送信する。
クライアントコンピューター7は、ネットワーク制御部70と、主制御部72と、表示部73と、判別部74と、表示制御部75と、指示受付部76と、設定部77と、集計部78と、判定部79と、変更部80とを備える。なお、クライアントコンピューター7は、当該マーク検出装置の一部をなすコンピューターの一実施形態である。
ネットワーク制御部70は、ネットワークを通じたデータ通信を制御する。主制御部72は、クライアントコンピューター7の全体的な動作制御を司る。
判別部74は、例えば、変換部102によって変換されたキャラクターのうち、黒一色の四角形状の画像又はこれ近似する画像に形状が似た、
等の複数のキャラクターを基準キャラクターとして予め記憶している。
判別部74は、複合機1の変換部102による上記変換後のキャラクターが、予め定められた基準キャラクターであるか否かを判断し、当該キャラクターが基準キャラクターであれば、複合機1の原稿読取部5によって読み取られた読取データにおける当該キャラクターに対応するとされた画像部分がマークであると判別し、当該キャラクターが基準キャラクターでなければ、原稿読取部5によって読み取られた読取データにおける当該キャラクターに対応するとされた画像部分がマークではないと判別する。判別部74による当該マーク判別は上記変換後のキャラクター毎に行われ、マーク判別結果は上記変換後のキャラクター毎に存在する。当該マークとは、原稿上に印刷により示された指定位置に筆記具での塗りつぶし等により人の手書き等で記入された印をいう。例えば、原稿の全部又は一部が所謂マークシートである場合に、当該マークシート上の所定箇所に、人により筆記具で記入された印等が当該マークである。
判定部79は、原稿読取部5による読取対象となる原稿上の予め定められた規定領域における読取データについて、判別部74により得られたマーク否かのマーク判別結果の数が、予め定められた規定数であるか否かを判定する。判定部79は、領域記憶部107に記憶されているマークシート領域を例えば複数に区分したそれぞれの領域を上記規定領域として記憶している。例えば、ネットワーク制御部70により、複合機1側から送信されてきた上記マークシート領域が受信され、主制御部72が当該マークシート領域を示す画像を表示部73に表示させる。この表示時に、ユーザーが操作部701としてのマウスポインタ等を操作して、当該マークシート領域の画像を示す表示部73の表示画面上で2点を指定すると、当該2点がなす直線を対角線とする矩形領域が上記規定領域として操作部47に入力され、当該入力された規定領域を判定部79が記憶する。判定部79は、ユーザーによって指定された各規定領域について、それぞれの規定領域内における上記マーク判別結果の数が規定数か否かを判定する。また、予め定められた規定数は、ユーザーが操作部701としてのマウスポインタ等を操作して、当該規定数とする数値を入力し、判定部79が当該入力された数値を規定数として記憶する。なお、上記操作により、領域記憶部107に記憶されているマークシート領域の全体を上記規定領域とすることも可能である。
変更部80は、指示受付部76に能力変更指示が受け付けられた場合に、前記能力変更指示が示す読取能力に従って、前記読取部による原稿の読取能力を変更する。
表示制御部75は、判定部79によって行われたマーク判別結果の数が予め定められた規定数ではないと判定された場合に、ユーザーに対して、当該マーク判別結果の数が前記規定数以外である旨を示すメッセージを表示部73に表示させる制御を行う。
また、表示制御部75は、変換部102によって変換されたキャラクターと、当該変換されたキャラクターについての判別部74によるマーク検出の判別結果とを表示部73に表示させる制御等を行う。
指示受付部76は、判別部74による判別結果の数が上記規定数以外である旨のメッセージが、表示制御部75による表示制御の下で表示部73に表示された後、原稿読取部5による原稿の読取能力を変更する能力変更指示をユーザーから受け付ける。当該能力変更指示は、ユーザーによる操作部(キーボード、マウスポインタ等。クライアントコンピューター7に備えられる)701の操作で入力され、当該入力された能力変更指示が指示受付部76に受け付けられる。
また、指示受付部76は、表示制御部75による表示制御の下で表示部73に表示されているキャラクターを、上記基準キャラクターとするか否かを示すキャラクター設定指示等をユーザーから受け付ける。当該キャラクター設定指示は、ユーザーによる操作部701の操作で入力され、当該入力されたキャラクター設定指示が指示受付部76に受け付けられる。
設定部77は、指示受付部76に受け付けられた上記キャラクター設定指示の示す内容に従って、上記表示部73に表示されているキャラクターを、基準キャラクターとする設定、又は基準キャラクターから除外する設定のいずれかを行う。すなわち、設定部77は、指示受付部76に受け付けられた上記キャラクター設定指示が、表示部73に表示されているキャラクターを基準キャラクターとすることを示す場合は、当該キャラクターを基準キャラクターに設定し、指示受付部76に受け付けられた上記キャラクター設定指示が、表示部73に表示されているキャラクターを基準キャラクターから除外することを示す場合は、当該キャラクターを基準キャラクターから除外する設定を行う。
集計部78は、原稿読取部5によって読み取られた読取データが示す画像の各部分について上記判別部74により判別されたマークであるか否かの判別結果を集計する。
なお、上述した各部は、後述するマーク検出処理及び基準キャラクター更新処理の各実施形態において必要な場合にのみ備えられていればよい。
次に、マーク検出装置によるマーク検出処理の第1実施形態を説明する。図3はマーク検出装置によるマーク検出処理の第1実施形態を示すフローチャートである。図4は原稿表面の例を示す図である。図5に、原稿m上に印刷された印pの画像、及び当該印p内に記入されたマークの画像の例を示す図である。図6は、原稿m上における規定領域の例を示した図である。図7は、集計データの例を示す図である。図8は表示部73の表示画面の例を示す図である。図9(A)は変換部によって変換されたキャラクター群の例を仮想的に示す図、(B)は数式の例を示す図、(C)は集計値列の例を示す図である。
ユーザーによる操作部47の操作で、原稿読取部5によって読み取られた読取データの示す画像から、予め定められたマークの形状を示す画像を検出するマーク検出処理の実行を求めるマーク検出指示が操作部47に入力されると(S1でYES)、主制御部100が原稿読取部5に、原稿載置台61又は原稿台52等に載置された原稿の画像を読み取らせる(S2)。但し、当該マーク検出指示は、ユーザーによるクライアントコンピューター7の操作部701の操作により当該クライアントコンピューター7に入力され、ネットワーク制御部70が複合機1側に当該マーク検出指示を出力し、複合機1のネットワーク制御部101が当該マーク検出指示を受け取って、主制御部100が上記原稿読取部5に原稿読取を行わせるようにしてもよい。なお、ユーザーからマーク検出指示無しに原稿画像読取指示が操作部47に入力された場合は、主制御部100が原稿読取部5に通常の画像読取処理(コピー動作時、スキャン動作時に行われる一連の画像読取動作)を行わせる。
例えば、図4に示すように、当該読取の対象とする原稿m上には、正方形状の印pが印刷されており、当該印pにより記入者がマークを記入すべき位置が示されている。原稿m上において当該印pで囲まれた領域に記入者がマークを筆記具等で書き込むことによって、当該原稿m上にマークが記される。このようにマークが記入された原稿を原稿読取部5が読み取ると、印pの画像と、当該印p内に記入されたマークの画像とが読取データとして読み取られる。
続いて、変換部102は、原稿読取部5によって読み取られた読取データが示す画像の各部分について、上述したOCR処理によるキャラクター変換を行う(S3)。変換部102は、上記のように、原稿読取部5による原稿の読み取りで得られた読取データが示す画像の各部分に対して、標準パターンをテンプレートとして用いた上述したOCR処理によるキャラクターへの変換処理を行う。ここで、当該読取データの示す画像には、印pの画像及び当該印p内に記入されたマークの画像が含まれるため、変換部102は、これら印pの画像及びマークの画像をキャラクターに変換する。
ここで、印pを示す四角形状の内側全てが塗りつぶされた黒一色の四角形状の画像又はこれ近似する画像となるマークmkは、図5に例を示す形状となる。このため、マークmkは、変換部102のOCR処理により、黒一色の四角形状の画像又はこれ近似する画像に形状が似た、
等のキャラクターに変換される。
一方、記入者によるマークの記入がされておらず、白抜き正方形状の印p、図5に例を示す形状となる。このため、印pは、変換部102のOCR処理により、白抜き正方形状の画像又はこれに近似する画像に形状が似た、
等のキャラクターに変換される。
なお、変換部102による上述したOCR処理でのキャラクター変換が不可能である画像部分については(当該画像部分に対応して変換候補となるキャラクターが存在しない場合には)、上記キャラクターは特定されず、当該部分については変換部102による変換結果は出力されない。
この後、ネットワーク制御部101は、ネットワークインターフェース部91から、クライアントコンピューター7等の後述する集計を行うためのコンピューターに、S3において上記変換部102により変換された変換後のキャラクター群からなるデータを送信する(S4)。
クライアントコンピューター7では、ネットワーク制御部70が図略のネットワークインターフェース部を介して、上記変換後のキャラクター群からなるデータを受信すると(SS1)、その判別部74は、当該変換されたキャラクターが、上述した基準キャラクターであるか否かを判断し(SS2)、当該キャラクターが基準キャラクターであれば(SS2でYES)、原稿読取部5によって読み取られた読取データが示す画像において、当該キャラクターに対応する画像部分が、記入者によって記入されたマークmkであると判別する(SS3)。また、判別部74は、当該変換されたキャラクターが、基準キャラクターでなければ(SS2でNO)、原稿読取部5によって読み取られた読取データが示す画像において、当該キャラクターに対応する画像部分が、記入者によって記入されたマークmkではないと判別する(SS5)。
すなわち、変換部102による上記変換は、読み取られた原稿の画像データに対して単にOCR処理を行うものであるが、この判別部74では、当該OCR処理により変換されたキャラクターが、上記記入されたマークmkを示す画像が変換されてなるキャラクターであるか、白抜き四角形状の印pを示す画像が変換されてなるキャラクターであるかが判別される。
例えば、上記基準キャラクターとして、上記記入されたマークmkを示す黒一色の四角形状の画像又はこれ近似する画像に形状が似た、
等のキャラクターが予め選定され、当該選定された複数のキャラクターが基準キャラクターとして判別部74に予め記憶されている。なお、上記マークが記入されず白抜き正方形状の印pを示す画像又はこれに近似する画像は、変換部102により、当該白抜き正方形状の画像に近似する、
等のキャラクターに変換されると想定されるため、基準キャラクターとしては、少なくとも、これらのキャラクターは除外したものが記憶されることが望ましい。
これにより、原稿上に記載された或る画像が原稿読取部5により読み込まれて、いずれかのキャラクターに変換部102により変換されたときに、判別部74が、当該変換されたキャラクターが第1キャラクターに該当することをもって、上記読み込まれた画像がマークmkであると判別することで、原稿上にマークmkが存在することを正確に識別できる。
上記のようにして、原稿読取部5によって読み取られた原稿(原稿が複数枚である場合はその全て)の読取データが示す画像の全ての部分について上記キャラクター変換及び判別が終わると、判定部79が、原稿読取部5によって読み取られた各原稿毎に、読取データが示す画像における上記規定領域に、判別部74により行われたマーク判別結果の数が上記予め定められた規定数であるか否かを判定する(SS6)。
例えば、図4に示したように、原稿m上に問1〜問5が印刷され、各問毎に5つの印pが印刷されており、当該5つの印pのうちの一つに記入者によりマークmkが記入される場合において、判定部79は、上記規定領域として、図6に示すように、ユーザーにより上述したようにして設定された規定領域fa1〜fa5を記憶し、上記予め定められた規定数として「5」を記憶している。
判定部79は、判別部74によって判別された各原稿についての各判別結果が示す、マークmkであるか否かの情報と、各判別結果に対応するマークmk又は印pの位置を示す情報(後述のタイミングマーク画像の検出に基づく処理により得られる)とを用いて、原稿読取部5によって読み取られた原稿の読取データが示す画像における各規定領域の位置に存在する判別結果の数を算出する。そして、判定部79は、各規定領域毎に、当該算出した判別結果の数が上記規定数であるか否かを判定する。
ここで、判定部79により、上記全ての規定領域fa1〜fa5について、判別結果の数が規定数であると判定された場合は(SS6でYES)、上記キャラクター変換及び判別で得られた結果が集計部78により集計される(SS10)。
例えば、図4に示したように、原稿m上に各問毎に5つの印pが印刷されており、当該5つの印pのうちの一つに記入者によりマークmkが記入される場合、集計部78は、判別部74によって判別された各原稿についての各判別結果が示す、マークmkであるか否かの情報と、各判別結果に対応するマークmk又は印pの位置を示す情報とを用いて、複数の原稿のそれぞれの問(図4のQ1,Q2,Q3,…)毎に、第1番目から第5番目の各印pに記されたマークmkの数を算出し、例えば、図7に示すような集計データを作成する。
このような集計を行う場合、集計部78は、判別部74によって判別された各原稿についての各判別結果が示す、マークmkであるか否かの情報と、各判別結果に対応するマークmk又は印pの位置を示す情報とを用いて、複数の原稿のそれぞれの問(図4のQ1,Q2,Q3,…)毎に、第1番目から第5番目の各印pに記されたマークmkの数を算出し、図6に示す集計データを作成する。例えば、マークシートとしての原稿には、それぞれの問(図4のQ1,Q2,Q3,…)の近傍に黒色等のインクで図略のタイミングマークが印刷されているものとする。この場合、変換部102は、各原稿についての読取データの示す画像の各部分をキャラクター変換する際、当該各原稿についての読取データの示す画像から当該タイミングマークの画像を検出し、当該検出したタイミングマークに基づいて各問毎にマークmk又は印pの位置情報を取得する。変換部102による当該タイミングマークの検出は、例えば、上述したパターンマッチングと同様にして行う。
集計部78は、上記タイミングマーク画像の検出処理に基づいて、当該原稿上に印刷されている印pの位置を示す情報として、各位置の印pに対応付けられた問(図4のQ1,Q2,Q3,…のいずれか)を示す情報と、各問において第何番目の印pであるかの情報とを取得して記憶し、集計部78は、当該印pの位置を示す情報に基づいて、上記集計を行う。
一方、判定部79により、上記規定領域fa1〜fa5のいずれか1つでも、マーク判別結果の数が規定数ではないと判定された場合は(SS6でNO)、表示制御部75が、例えば、図8に示す表示画面により、当該マーク判別結果の数が前記規定数以外である旨を示すメッセージを表示部73に表示させる(SS7)。図8には、規定領域fa1,fa3についてマーク判別結果の数が規定数に足りておらず、マーク判別結果数が4つしかない例を示している。
この表示後、ユーザーによる操作部701の操作(例えば、マウスポインタ等により、図8の「原稿読取光量を上げる」ボタンB10を押下)で、原稿読取部5の原稿読取時における光量を増加させる指示が原稿読取部5の能力変更指示として操作部701に入力され、当該指示が指示受付部76に受け付けられた場合は(SS8でYES)、変更部80は、当該能力変更指示が示す読取能力に従って、原稿読取部5による原稿の読取能力を変更する(SS9)。ここでは、変更部80は、原稿読取部5の原稿読取時における光量を予め定められた一定量だけ増加させる。なお、変更部80により変更された原稿読取部5の読取能力の情報は、クライアントコンピューター7のネットワーク制御部70が複合機1に送信し、複合機1のネットワークインターフェース部91及びネットワーク制御部101が当該読取能力の情報を受け取って、読取能力記憶部108に記憶させる。当該原稿読取部5の読取能力の取得及び記憶は、変更部80によって原稿読取部5の読取能力が変更された直後に行ってもよいし、変更部80が当該読取能力を記憶しておき、ユーザーにより複合機1の操作部47にマーク検出指示が入力された時に行ってもよい。
なお、図8では、規定領域fa1,fa3についてマーク判別結果の数が規定数に足りていない例を示したが、例えば、規定領域fa1,fa3についてマーク判別結果の数が規定数を超えている場合には(SS6でNO)、例えば、ユーザーによる操作部701の操作(例えば、マウスポインタ等により、図8の「原稿読取光量を下げる」ボタンB11を押下)で、原稿読取部5の原稿読取時における光量を低下させる指示を、原稿読取部5の能力変更指示として操作部701に入力することが可能である。当該指示が指示受付部76に受け付けられた場合は(SS8でYES)、変更部80は、原稿読取部5の原稿読取時における光量を予め定められた量だけ低下させる(SS9)。
このSS9における原稿読取部5の読取能力の変更後、又は、SS8においてユーザーから能力変更指示が入力されなかった場合には(SS8でNO)、上述した集計処理が行われる。なお、当該SS10の集計処理は、SS6の処理前に行うものとし、SS10の集計処理の後に、SS6乃至SS9の処理を行うものとしてもよい。
複合機1による当該マーク検出処理によれば、OMR処理が可能な特別な装置を購入しなくても、OCR処理が可能な画像形成装置等に備えられる読取装置を用いて、マークシート等の原稿上におけるマーク検出が可能である。これにより、企業や事務所等の職場環境に一般的に備えられている画像形成装置等を用いて、当該マークを精度良く検出でき、OMR装置を購入する必要がない分、従来よりも低減されたコストで当該マークの検出が可能になる。
また、一旦OCR処理によるキャラクター変換を行って、当該変換されたキャラクターに基づいてマークか否かを判別するため、読取データの示す画像の形状から直接にマークか否かの検出を行う場合よりもマーク検出精度を向上させることができる。単に読取データが示す画像の形状から直接にマークか否かの判定を行う場合は、単に原稿上の汚れ等を画像として読み取ってしまったり、読取が必要な画像の一部が欠落したりすることでマークか否かの判定に悪影響を及ぼす虞があるが、本発明では、一度OCR変換によるキャラクター変換後のキャラクターに基づいてマークか否かの判定を行うため、読取部の読取能力の如何に基づくマーク検出精度の低下が抑制される。
さらに、ユーザーは、判定部によりマーク数が想定通りの数(上記予め定められた規定数)と判定されない場合には、操作部701から指示受付部76に能力変更指示を入力することにより、想定した数のマークが検出されるまで読取部の読取能力を変更可能であるため、読取部による画像読取の精度に基づくマーク検出の不具合を解消可能である。
また、表示部73による上記規定領域毎に報知されるマーク判別結果の過不足に基づいて、ユーザーは、原稿に記載された各マークについて、いずれの領域におけるマークの検出が不可能であったかを把握することが可能となる。
また、上記実施形態では、ユーザーにより原稿表面の領域において複数の規定領域が指定される例を示したが、ユーザーの上述した操作による原稿表面の領域全体を当該規定領域とする指示、又は、ユーザーによる当該規定領域を指定する指示によらず予め設定されているものとして、原稿表面の領域全体におけるマーク判別結果の数が規定数であるか否かを判定部79が判定するようにしてもよい。この場合、規定定数としては、上記の例で言えば、原稿mの表面に印刷された印pの総数が用いられる。
なお、上記では、判別部74は、基準キャラクターとして、上記記入されたマークmkを示す黒一色の四角形状の画像又はこれ近似する画像に形状が似た、
等のキャラクターを記憶しており、変換部102により変換されたキャラクターが当該基準キャラクターである場合に、原稿読取部5によって読み取られた読取データの示す画像のうち当該キャラクターに該当する部分が、マークmkであると判別するが、これに代えて、判別部74は、白抜き正方形状の画像に近似する、
等の予め選定されて記憶しているキャラクター群に該当しないキャラクターを、上記基準キャラクターとし、上記マークか否かの判別に用いるようにしてもよい。
この場合、集計としては、上述したものの他、以下に示すものを用いることができる。例えば、変換部102によって変換されたデータの示すキャラクター群をネットワーク制御部70が受信したとき、判別部74は、当該キャラクター群を示すデータを各問毎に区分けし、各原稿のデータ毎に整列させる(図9(A))。判別部74及び集計部78は、関数からなる数式を用いて、図9(C)に示す集計値列を算出する。この場合、判別部74は、上記数式として、例えば、各原稿の各問毎に、当該問に含まれる第1番目から第5番目までの印pに対して、白抜き正方形状の画像に近似する、
等のキャラクター群に該当しない注目キャラクターであるかを順次検出して、当該注目キャラクターが検出された印pが何番目であるかを検出し、当該検出した何番目であるかの情報を判別結果とする数式を用いる。なお、当該数式の例は、図9(B)に示している。集計部78は、当該注目キャラクターが検出された印pが何番目であるかを示す当該判別部74による判別結果を各問毎に区分けし、各原稿のデータ毎に整列させた集計値列を作成する(図9(C))。
次に、マーク検出装置によるマーク検出処理の第2実施形態を説明する。図10はマーク検出装置によるマーク検出処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、上述した第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
この第2実施形態では、判定部79が、原稿読取部5によって読み取られた各原稿毎に、読取データが示す画像における上記規定領域に、判別部74により行われたマーク判別結果の数が上記予め定められた規定数であるか否かを判断し(SS14)、ここで、当該予め定められた規定数ではないと判断した場合に(SS14でNO)、変更部80が、当該SS14において判別部74により示されたマーク判別結果が示す内容に対して、原稿読取部5の読取能力変更に用いた読取能力変更指示が過去にあったか否かを判断する(SS15)。
変更部80が、SS14で示されたマーク判別結果に対してユーザーにより入力された読取能力変更指示があると判断した場合(SS15でYES)、変更部80は、SS14において判定部79によりマーク判別結果の数が規定数よりも大きいと判定されている場合は、マーク判別結果の数が規定数よりも大きい場合に過去に行った変更内容と同じ内容で原稿読取部5の読取能力を変更し、SS14において判定部79によりマーク判別結果の数が規定数よりも小さいと判定されている場合は、マーク判別結果の数が規定数よりも小さい場合に過去に行った変更内容と同じ内容で原稿読取部5の読取能力を変更する(SS20)。すなわち、変更部80は、マーク判別結果の数が規定数よりも大きい場合には、この時点までにマーク判別結果の数が規定数よりも大きい場合に変更部80により変更された内容と同じ内容で原稿読取部5の読取能力を変更し、マーク判別結果の数が規定数よりも小さい場合には、この時点までにマーク判別結果の数が規定数よりも小さい場合に変更部80により変更された内容と同じ内容で原稿読取部5の読取能力を変更する。
例えば、変更部80は、過去に、SS14において判定部79によりマーク判別結果の数が規定数よりも大きいと判定されている場合に、ユーザーにより原稿読取部5の読取能力を下げる旨を示す読取能力変更指示に従って、原稿読取部5の読取能力、例えば画像照射ランプ511の光量を低減させていた場合は、これと同様にして、画像照射ランプ511の光量を低減させる。また、変更部80は、過去に、SS14において判定部79によりマーク判別結果の数が規定数よりも小さいと判定されている場合に、ユーザーにより原稿読取部5の読取能力を上げる旨を示す読取能力変更指示に従って、原稿読取部5の読取能力、例えば、画像照射ランプ511の光量を向上させていた場合は、これと同様にして、画像照射ランプ511の光量を向上させる。この後、処理は、SS19の集計処理に移る。
なお、上記SS15において、変更部80が、SS14で示されたマーク判別結果に対して用いられた読取能力変更指示がないと判断した場合は(SS15でNO)、第1実施形態と同様に、SS16乃至SS18に示す原稿読取部5の読取能力変更処理が行われる。
この第2実施形態によれば、変更部80が、判定部79により判別結果の数が規定数以外であると判定された後に、この時点までに行われたユーザーによる能力変更指示の内容に応じて、マーク検出精度が向上すると想定される変更内容を学習して読取部の読取能力を変更することになるので、ユーザーが具体的な内容を指定した能力変更指示を行わなくても、マーク検出精度を向上させることが可能である。
次に、マーク検出装置によるマーク検出処理の第3実施形態を説明する。図11はマーク検出装置によるマーク検出処理の第3実施形態を示すフローチャートである。なお、上述した第1又は第2実施形態と同様の処理は説明を省略する。特に、クライアントコンピューター7による処理は同様であるため、詳細な図示は省略している。
この第3実施形態では、過去に変更部80によって原稿読取部5の読取能力が変更され、読取能力記憶部108に、当該変更された読取能力が記憶されていることを前提とする。
第3実施形態では、ユーザーからマーク検出指示が操作部47に入力され、指示受付部76に当該マーク検出指示が受け付けられた場合は(S31でYES)、主制御部100が、読取能力記憶部108に記憶されている原稿読取部5の読取能力を原稿読取部5に設定し(S32)、当該読取能力で原稿読取部5に原稿読取を行わせる(S33)。
また、ネットワーク制御部101が、過去に変更部80によって原稿読取部5の読取能力が変更されたことを記憶しておき、指示受付部76に当該マーク検出指示が受け付けられたときに(S31でYES)、ネットワーク制御部101がネットワークインターフェース部91を介して、クライアントコンピューター7の変更部80に記憶されている当該変更された読取能力をネットワーク制御部70から取得して読取能力記憶部108に記憶させ、主制御部100が読取能力記憶部108に記憶された読取能力を原稿読取部5に設定して(S32)、原稿読取部5に原稿読取を行わせるようにしてもよい(S33)。
他方、ユーザーからマーク検出指示無しに原稿画像読取指示が操作部47に入力され、指示受付部76に当該原稿画像読取指示が受け付けられた場合は(S31でNO)、主制御部100が、原稿読取部5により通常の画像読取処理が行われる際に用いられる読取能力として図略のメモリー等に記憶されているデフォルトの読取能力を設定し(S37)、通常の画像読取処理を行わせる(S38)。
この第3実施形態によれば、マーク検出処理を行う場合と、通常の画像読取処理が行われる場合とで、それぞれの読取に適した読取能力を使い分けることが可能になる。
次に、基準キャラクターを更新する処理を説明する。図12は基準キャラクターを更新する処理を示すフローチャートである。図13は表示部73の表示画面例を示す図である。当該基準キャラクターを更新する処理は、上述したマーク検出処理の第1実施形態におけるSS6乃至SS9に示した原稿読取部5の読取能力変更処理に代えて、又は当該読取能力変更処理と共に行われる。
ユーザーによるクライアントコンピューター7の操作部701の操作で、判別部74による上記マーク検出の判別結果を表示させる指示が操作部701に入力されると(SS41でYES)、表示制御部75は、図13に示すように、この時点で判別部74により判別されている判別結果、すなわち、判別対象とされた各キャラクターと、当該各キャラクターについてのマーク検出の判別結果とを、判別部74が内蔵するメモリー等から読み出し、表示部73に表示させる(S42)。
この表示時に、ユーザーによる操作部701の操作で(例えば、マウスポインタ等により、図13において、所望のキャラクターを指定した後、「基準キャラクターに設定」ボタンB1を押下)、表示部73に表示されている各キャラクターを基準キャラクターに設定する指示が操作部701に入力された場合は(SS43で「設定指示」)、設定部77は、判別部74が基準キャラクターとして記憶しているキャラクター群に当該キャラクターを追加する設定を行う(SS44)。
当該SS44の処理後、変更部80は、原稿読取部5の読取能力、例えば画像照射ランプ511の光量を予め定められた一定量だけ増加させる(SS45)。すなわち、変更部80は、表示部73に表示されているキャラクターが基準キャラクターに設定された場合には、原稿読取部5の読取能力を予め定められた値だけ上げる方向に変更する。
一方、ユーザーによるマウスポインタ操作等で、図13において、所望のキャラクターを指定した後、「基準キャラクターから除外」ボタンB2を押下する等により、表示部73に表示されている各キャラクターを基準キャラクターから除外する指示が操作部701に入力された場合は(SS43で「除外指示」)、設定部77は、判別部74が基準キャラクターとして記憶しているキャラクター群から当該キャラクターを削除する(SS46)。
当該SS46の処理後、変更部80は、原稿読取部5の読取能力、例えば画像照射ランプ511の光量を予め定められた一定量だけ低下させる(SS47)。すなわち、変更部80は、表示部73に表示されているキャラクターが基準キャラクターから除外された場合には、原稿読取部5の読取能力を予め定められた値だけ下げる方向に変更する。
上記SS14のようにして、変換後のキャラクターがユーザーにより基準キャラクターに変更された場合は、本来マークとして読み取るべき画像が、当該画像を構成する画像データ量の不足(例えば、各画素の画素値が白を示す値に近くなる方向に傾くことにより、マークを示すべき画像を示す画素の数が少なくなる等)により、変換部102によってはマークに対応するキャラクターに変換されない程度の画像でしか読み取られない事態が生じていると想定される。また、上記SS16のようにして、変換後のキャラクターがユーザーにより基準キャラクターから除外された場合は、読み取られた画像を構成する画像データ量の過多(例えば、各画素の画素値が黒を示す値に近くなる方向に傾くことにより、マークを示すべき画像を示す画素の数が多くなる等)により、マークとして読み取るべきではない画像が、マークに対応する形状の画像として読み取られてしまい、変換部102によっては想定通りのキャラクター変換が行われていないと考えられる。当該基準キャラクターの更新処理では、上記表示されたキャラクターに対して、ユーザーにより行われた基準キャラクターとするか否かの操作内容に応じて、変更部80が、マーク検出精度が向上すると想定される変更内容を学習して原稿読取部5の読取能力を変更することと同様になるので、ユーザーが具体的な内容を指定した能力変更指示を指示受付部に入力しなくても、以降のマーク検出精度を向上させることが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明の一実施形態に係るマーク検出装置が、画像読取装置としての複合機1の一部構成と、クライアントコンピューター7の一部構成とを備えてなるとして説明しているが、本発明に係るマーク検出装置はこれに限定されない。例えば、上記画像読取装置としては、複合機1に代えて、スキャナー装置等の原稿上の画像を読取可能な装置を用いることも可能である。また、上記実施形態では、マーク検出装置は、複合機1の一部構成と、クライアントコンピューター7の一部構成とを備えてなるとしているが、複合機1が当該クライアントコンピューター7の一部構成までを備え、複合機1等の画像形成装置のみでマーク検出装置をなすものとしてもよい。
なお、図1乃至図13を用いて上記各実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。