しかしながら、前述した従来技術では、機密原稿であることを示すパターン等を検出した場合、何れも複写動作を停止することによって複写制限を行う構成であるため、続いて複写を行う場合には複写制限を解除した上で新たなデータの入力を受付ける必要があり、処理効率が低下するという問題点を有していた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、処理効率を低下させることなく機密文書、重要文書等の複写制限を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、シート上に頁単位の画像形成を指示するジョブを受付け、受付けたジョブに基づいてシート上に頁単位の画像形成を行う画像形成装置において、画像形成を行う部数を受付ける手段と、所定の画像を記憶してある記憶手段と、前記ジョブに基づいてシート上に形成する各頁の画像に所定のパターンが含まれているか否かを検出する検出手段と、前記パターンを含んだ画像を検出した場合、前記画像に代えて、前記記憶手段に記憶してある画像をシート上に形成する手段と、受付けた部数が2以上であり、前記検出手段が前記パターンを含んだ画像を検出した場合、1部についての画像形成を行った後、残りの部数についての画像形成を停止する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、シート上に形成する各頁の画像に所定のパターンが含まれているか否かを検出し、パターンを含んだ画像を検出した場合、その画像に代えて、記憶手段に予め記憶してある画像をシート上に形成するようにしているため、機密性を有する情報、重要な情報が含まれる頁に予めパターンを記録しておくことにより、その頁については予め用意してある別の画像に置換えられて出力されることとなる。また、複数頁の一部にパターンが含まれる場合であっても、途中で動作を停止させることなく、全頁について画像形成が実行される。
本発明にあっては、画像形成を行う部数が2以上であり、パターンを含んだ画像を検出した場合、1部について画像形成を行った後、残りについて画像形成を停止するようにしているため、処理の続行、及び中止が利用者の意志により決定される。
本発明に係る画像形成装置は、前記画像形成に対する実行要求を受付ける手段と、該手段にて前記実行要求を受付けた場合、前記画像形成を実行する手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、実行要求を受付けた場合、残りの部数について画像形成を行う構成としているため、処理の続行、及び中止が利用者の意志により決定される。
本発明に係る画像形成装置は、前記実行要求を受付ける際に利用者認証を行う手段を備え、該手段により利用者が認証された場合、前記実行要求を受付けるようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、実行要求を受付ける際に利用者認証を行い、利用者が認証された場合、実行要求を受付けるようにしているため、正当な利用者のみが画像形成を指示することができるようになり、機密文書、重要文書等の情報漏洩が防止される。
本発明に係る画像形成装置は、前記実行要求に基づいて画像形成を実行する場合、前記ジョブに基づく画像をシート上に形成するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、残りの部数ついて画像形成を実行する場合、受付けたジョブに基づいて画像をシート上に形成するようにしているため、オリジナルと同じ状態で画像形成が実行されることとなる。
本発明に係る画像形成装置は、前記実行要求に基づいて画像形成を実行する場合、前記パターンを含んだ画像については、該画像に代えて、前記記憶手段に記憶してある画像をシート上に形成するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、残りの部数について画像形成を実行する場合、パターンを含んだ画像については、その画像に代えて、記憶手段に予め記憶してある画像をシート上に形成するようにしているため、1部目と同様の状態で画像形成が実行されることとなる。
本発明に係る画像形成装置は、前記記憶手段に記憶してある画像は、画像の複製が制限されている旨の情報を含むことを特徴とする。
本発明にあっては、記憶手段に記憶してある画像は、画像の複製が制限されている旨の情報を含むため、利用者に対し印刷物の取り扱いについて注意を促すことが可能となる。
本発明による場合は、シート上に形成する各頁の画像に所定のパターンが含まれているか否かを検出し、パターンを含んだ画像を検出した場合、その画像に代えて、記憶手段に予め記憶してある画像をシート上に形成するようにしている。したがって、機密性を有する情報、又は重要な情報が含まれる頁に予めパターンを記録しておくことにより、その頁の複写を行う場合には別の画像に置換えた上で画像形成が実行されることとなり、機密性を保持することができる。また、複数頁の一部にパターンが含まれる場合であっても、途中で動作を停止させることなく、全頁についての画像形成を実行するため、処理効率が低下することがなくなる。
本発明による場合は、画像形成を行う部数が2以上であり、パターンを含んだ画像を検出した場合、1部について画像形成を行った後、残りについて画像形成を停止するようにしている。したがって、処理の続行、及び中止を利用者の意志により決定することができる。
本発明による場合は、実行要求を受付けた場合、残りの部数について画像形成を行う構成としている。したがって、処理の続行、及び中止を利用者の意志により決定することができる。
本発明による場合は、実行要求を受付ける際に利用者認証を行い、利用者が認証された場合、実行要求を受付けるようにしている。したがって、正当な利用者のみが画像形成を指示することができるようになり、機密文書、重要文書等の情報漏洩を防止することができる。
本発明による場合は、残りの部数ついて画像形成を実行する場合、受付けたジョブに基づいて画像をシート上に形成するようにしている。したがって、オリジナルと同じ状態で画像形成が実行されることとなり、利用目的に応じた印刷物の準備が可能となる。
本発明による場合は、残りの部数について画像形成を実行する場合、パターンを含んだ画像については、その画像に代えて、記憶手段に予め記憶してある画像をシート上に形成するようにしている。したがって、1部目と同様の状態で画像形成が実行されることとなり、利用目的に応じた印刷物の準備が可能となる。
本発明による場合は、記憶手段に記憶してある画像は、画像の複製が制限されている旨の情報を含むため、利用者に対し、印刷物の取り扱いについて注意を促すことが可能となる。
以下、本発明に係る画像形成装置をデジタル複合機へ適用した形態について図面を用いて具体的に説明する。
図1は本実施の形態に係るデジタル複合機を備える画像形成システムの模式的構成図である。図中100は、本実施の形態に係るデジタル複合機であり、原稿の画像を読取り、用紙、OHPフィルム等のシート(以下、単に用紙という)上に画像形成を行うコピー機能、外部から送信されるプリントジョブを受信して用紙上に画像形成を行うプリンタ機能を有している。
デジタル複合機100には、通信ネットワークNを介してパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置200,200,…,200が接続されている。情報処理装置200には通信ネットワークNを介してデジタル複合機100を利用するためのドライバプログラム(プリンタドライバ)が予めインストールされており、当該プリンタドライバによりプリントジョブを生成し、生成したプリントジョブをデジタル複合機100へ送信することによって出力処理を実行させるようにしている。デジタル複合機100が情報処理装置200から送信されたプリントジョブを受信した場合、そのプリントジョブに従って頁単位の画像データを生成し、生成した画像データに基づいて用紙上に画像を形成する。
図2はデジタル複合機100の動作を説明する説明図である。デジタル複合機100のコピー機能又はプリンタ機能を利用してN頁分(Nは自然数)の画像データが入力された場合、各頁の画像データを調べて特定のパターン(以下、特定パターンという)が含まれているか否かを検出する。デジタル複合機100にて検出する特定パターンとしては、例えば、所定の文字又は図形からなるマーク、配置関係が予め定められた複数のドットからなるパターン、ライン数、ライン幅、ライン間隔が予め定められたラインパターン等である。デジタル複合機100がこのような特定パターンを含んだ頁を検出した場合、その頁の画像を別の画像(以下、置換画像という)に置換えて出力を行う。この置換画像は、デジタル複合機100が予め用意してある画像であり、例えば、グレーの網点画像、市松模様からなるパターン画像、利用者に対して複写制限を喚起するような文字列を含んだ文字画像等を用いることができる。図2に示した例では、特定パターンとして設定されたマークS1がi頁目(iは、1≦i≦Nを満たす整数)の入力画像に含まれている様子を示している。このマークS1は、「秘」の文字を含んだ文字領域と、円形の境界線とにより構成されている。デジタル複合機100はこのマークS1を特定パターンとして検出し、検出したi頁目の入力画像をグレーの網点画像S2に置換して出力処理を実行する。
なお、デジタル複合機100が検出する特定パターンは1種類であってもよく、複数種であってもよい。また、特定パターンを検出した場合に入力画像に代えて出力する置換画像は1種類であってもよく、検出した特定パターンに対応付けて複数種の置換画像を用意する構成であってもよい。
図3はデジタル複合機100の内部構成を示すブロック図である。デジタル複合機100は、CPU101を備えており、このCPU101がROM103に格納された制御プログラムをRAM104にロードして実行することにより、バス102に接続された各種ハードウェアを制御し、本発明に係る画像形成装置として動作させる。
以下、バス102に接続されている各種ハードウェアの構成について説明する。管理部105は、不揮発性の半導体メモリにより構成されており、利用者によって設定された設定情報、利用者を特定するための認証コード(例えば、4桁の数値)等を記憶している。CPU101は、必要に応じて管理部105に記憶されている情報を読出し、読出した情報に従って適宜の処理を実行する。
操作パネル106は、利用者による操作指示を受付ける操作部106aと、利用者に対して報知すべき情報を表示する表示部106bとにより構成される。操作部106aは、各種のハードウェアキーを備えており、出力部数の設定、画像形成時の濃度の設定等を受付ける。表示部106bは、液晶ディスプレイ又はLEDディスプレイ等を備えており、デジタル複合機100の動作状況、操作部106aを通じて入力された設定値等を表示する。また、表示部106bの一部にはタッチパネル方式のソフトウェアキーが配置され、利用者による選択操作等を受付けるようにしている。
画像読取部107は、読取用の原稿が載置されるガラス製の原稿台、読取用の原稿が多数セットされ、セットされた原稿を順次的に取り込む自動原稿搬送装置、載置された原稿又は取り込まれた原稿に対して読取用の照明を照射する光源、画像を光学的に読取るCCDラインセンサ、このCCDラインセンサが出力するアナログ画像信号をデジタル形式の信号に変換するAD変換器等を備えている。画像読取部107では、原稿からの反射光をCCDラインセンサに結像させ、CCDラインセンサが出力するアナログ画像信号をデジタル信号に変換し、得られたデジタル信号に対して原稿読取時の光源の配光特性、CCDラインセンサの感度ムラ等に対する補正を施すことによりデジタル形式の画像データを取得する。
通信IF108は、通信ネットワークNの通信規格に準拠したインタフェースを備えている。通信IF108では、通信ネットワークNを介して接続された情報処理装置200から送信されるプリントジョブを受信すると共に、情報処理装置200に対して報知すべき情報を送信する。通信IF108では、このような各種データの送受信を制御する。
画像メモリ109は、出力用の画像データを頁単位で記憶するページメモリであり、予め定められた頁数の画像データを記憶できるようにしている。画像メモリ109が記憶する画像データは、画像読取部107にて取得した画像データ、又は通信IF108にて受信したプリントジョブから展開される画像データである。これらの画像データは画素の集合からなるデータであり、各画素は、例えば、RGBが各色256階調を有している。記憶された画像データは、CPU101からの指示に従って画像メモリ109から読出され、後述する画像処理部110又は画像形成部111へ転送される。
画像処理部110は、画像メモリ109から転送されてきた画像データに特定パターンが含まれているか否かの検出を行い、特定パターンを検出した場合には入力された画像と異なる画像(置換画像)を出力するように構成されている。画像処理部110から出力される画像は画像形成部111へ転送される。なお、画像処理部110の詳細については後に詳述することとする。
画像形成部111は、画像メモリ109又は画像処理部110から転送されてくる画像データに基づいて用紙上に画像形成を行う。そのため、画像形成部111は、感光体ドラムを所定の電位に帯電させる帯電器、外部から受付けた画像データに応じてレーザ光を発して感光体ドラム上に静電潜像を生成させるレーザ書込装置、感光体ドラム表面に形成された静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像器、感光体ドラム表面に形成されたトナー像を用紙上に転写する転写器等(不図示)を備えており、電子写真方式にて利用者が所望する画像を用紙上に記録する。なお、レーザ書込装置を用いた電子写真方式により画像形成を行う構成の他、インクジェット方式、熱転写方式、昇華方式等により画像形成を行う構成であってもよい。
図4は画像処理部110の内部構成を示すブロック図である。画像処理部110は、入力バッファ110a、出力バッファ110b、二値化処理部110c、領域抽出部110d、特定パターン検出部110e、出力判定部110f、及び置換画像記憶部110gから構成される。
入力バッファ110aには、画像メモリ109から転送される頁単位の画像データ(入力画像)が入力される。入力バッファ110aは、入力された画像データを一時的に保持すると共に、出力バッファ110b及び二値化処理部110cの双方へ画像データを送出する。
出力バッファ110bは、入力バッファから送出される画像データを一時的に保持する。そして、保持した画像データを必要に応じて画像形成部111へ転送する。すなわち、出力バッファ110bから転送される画像データに基づいて画像形成部111が出力処理を実行する場合、入力画像を別の画像に置換えることなく出力処理が実行されることとなる。
二値化処理部110cは、入力される画像データに対して二値化処理を施す。二値化処理部110cに入力される画像データは、例えば、各画素がRGB各色256階調を有するデータであるため、その階調を白(画素値=1)及び黒(画素値=0)の2階調に変換する。二値化処理を施した画像データ(二値画像)は後段の領域抽出部110dへ送出される。また、このとき画像データの解像度を落とす処理を行ってもよい。例えば、入力される画像データの解像度が600dpi(dot per inch)である場合、200dpiまで解像度を落とした後、後段の領域抽出部110dへ画像データを送出するようにしてもよい。このように、画像データの階調数及び解像度を落とすことにより、後段において特定パターンを検出する処理が高速化される。
領域抽出部110dは、入力される画像データに基づいて特定パターンを含む可能性がある領域を抽出する。例えば、図2に示したようなマークS1を検出対象の特定パターンとして設定している場合、領域抽出部110dは円形の境界線で囲まれる領域を抽出する。領域の抽出手法は以下の通りである。まず、二値画像内に適宜の大きさを有する検出ウインド(例えば、5×50画素からなる長方形のウインド)を仮想的に設定し、その検出ウインド内に所定の曲率半径を有する円弧が含まれているか否かを判断する。所定の曲率半径を有する円弧が含まれていると判断した場合、その円弧に基づいて境界線の重心の画素を算出し、その画素を中心とする円形領域を抽出すべき領域として抽出する。二値画像の全領域に亘って走査し、1又は複数の円形領域を抽出した場合、領域抽出部110dはその円形領域を抽出画像として後段の特定パターン検出部110eへ送出する。
特定パターン検出部110eは、領域抽出部110dによって抽出された抽出画像が特定パターンを含んだ画像であるか否かの検出を行う。検出手法は以下の通りである。まず、抽出画像を構成する各画素の画素値を調べ、画素値が0である画素の数をカウントする。そして、カウントした値が予め定めた範囲内の値である場合、その抽出画像には特定パターンが含まれていると判断し、カウントした値が予め定めた範囲外の値である場合、特定パターンが含まれていないと判断する。特定パターン検出部110eは、抽出画像に特定パターンが含まれていると判断した場合、その旨を検出結果として出力判定部110fへ出力し、抽出画像に特定パターンが含まれていないと判断した場合、又は領域抽出部110dにて領域が抽出できなかった場合、特定パターンを検出していない旨の検出結果を出力判定部110fへ出力する。
出力判定部110fは、特定パターン検出部110eによる検出結果を受けて出力バッファ110bに保持された画像データを出力するか、又は置換画像記憶部110gに予め記憶してある置換画像を出力するかの判定を行う。すなわち、特定パターンを検出した旨の検出結果を受けた場合、置換画像を出力すると判定し、その旨の判定結果を置換画像記憶部110gへ出力する。一方、特定パターンを検出していない旨の検出結果を受けた場合、出力バッファ110bに保持された画像データを出力すると判定し、その旨の判定結果を出力バッファ110bへ出力する。
出力バッファ110b及び置換画像記憶部110gは判定結果が入力された場合、自身が記憶している画像データ(入力画像、又は置換画像)を画像形成部111へ転送する。
なお、本実施の形態では、二値化処理部110c、領域抽出部110d、及び特定パターン検出部110eの処理によりマークS1のような特定パターンを検出するようにしたが、検出手法はこれに限定する必要はなく、利用する特定パターンに最適な検出手法を採用して検出処理を行うことが望ましい。
また、本実施の形態では、入力画像に特定パターンが含まれていない場合、その入力画像をそのまま出力画像として出力する構成としたが、RGB信号をCMYK信号に変換する処理、入力画像の特徴に応じて画質の調整を行う処理等を施すようにしてもよいことは勿論のことである。
次に、デジタル複合機100の動作について説明する。図5〜図7は原稿をコピーする際にデジタル複合機100が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。デジタル複合機100のCPU101は、まず、操作パネル106の操作部106aを通じて原稿の読取指示があるか否かを判断する(ステップS11)。原稿の読取指示がないと判断した場合(S11:NO)、原稿の読取指示があるまで待機する。
原稿の読取指示があると判断した場合(S11:YES)、CPU101は画像読取部107を制御して読取処理を実行する(ステップS12)。具体的には、原稿が原稿台にセットされている場合、光源を原稿台の面に沿って移動させ、原稿からの反射光をイメージセンサに結像させることにより頁単位の画像データを取得する。また、原稿が自動原稿搬送装置にセットされている場合、セットされている原稿を1枚取り込み、取り込んだ原稿を搬送させながら光源の光を照射し、原稿からの反射光をイメージセンサに結像させることにより頁単位の画像データを取得する。
読取処理を実行した後、CPU101は、取得した画像データ(入力画像)をその頁の情報に対応させて画像メモリ109に記憶させ(ステップS13)、画像メモリ109経由で画像データを画像処理部110へ転送する(ステップS14)。
次いで、画像処理部110は、入力された画像データに基づいて特定パターンを検出したか否かを判断する(ステップS15)。特定パターンを検出していないと判断した場合(S15:NO)、画像処理部110は出力バッファ110bに保持した画像データを送出することにより、入力された画像データをそのまま画像形成部111へ転送する(ステップS16)。特定パターンを検出したと判断した場合(S15:YES)、検出した頁の情報を記憶すると共に(ステップS17)、置換画像記憶部110gに記憶された画像データを画像形成部111へ転送する(ステップS18)。
次いで、CPU101は、画像形成部111を制御することにより、画像処理部110から転送されてくる画像データに基づいて出力処理を実行する(ステップS19)。そして、出力処理を実行した頁が最終頁であるか否かを判断し(ステップS20)、最終頁でないと判断した場合(S20:NO)、処理をステップS12へ戻すことにより、次頁の原稿の読取処理、特定パターンの検出処理、及び出力処理を実行する。
ステップS19で実行した出力処理が最終頁であると判断した場合(S20:YES)、CPU101は、出力部数が1部であるか否かを判断する(ステップS21)。利用者は原稿のコピーを行うときに操作パネル106を通じて事前に出力部数を設定することができるようにしている。設定された出力部数の情報は例えばRAM104に記憶され、CPU101は、RAM104に記憶された情報を取得することにより出力部数が1部であるか否かを判断する。
出力部数が1部であると判断した場合(S21:YES)、CPU101は、置換画像に置換えて出力した画像を元の画像(入力画像)に戻して再出力する必要があるか否かを利用者に確認する。具体的には、置換画像に置換えて出力処理を実行した場合、CPU101は、図8(a)の模式図に示したような画面を操作パネル106の表示部106bに表示する。この画面には、特定パターンを検出した為、該当頁を別の画像(置換画像)に置換えた旨のメッセージ、及び元の画像により再出力を行うか否かを確認するためのメッセージが表示されている。また、画面の下部には2つのソフトウェアキー11,12が配置されており、ソフトウェアキー11が利用者により押下操作された場合、再出力を行い、ソフトウェアキー12が利用者により押下操作された場合、再出力を行わないように構成されている。
CPU101は、図8(a)に示した画面を通じて、元の画像で再出力することが指示されたか否かを判断する(ステップS22)。図8(a)に示した画面においてソフトウェアキー11が押下操作された場合、元の画像で再出力することが指示されたと判断し(S22:YES)、CPU101は、認証コードの受付けを行う(ステップS23)。具体的には、CPU101は、図8(b)に示したような画面を操作パネル106の表示部106bに表示する。この画面には、認証コードを入力すべき旨のメッセージが表示されている。また、画面の中央には認証コード入力欄21、画面の下部には2つのソフトウェアキー22,23が配置されている。操作パネル106の操作部106aを通じて認証コードが入力され、ソフトウェアキー22が押下操作された場合、認証コードの入力が確定する。また、ソフトウェアキー23が押下された場合、認証コードの入力を確定せずに新たな認証コードの受付けを行う。
CPU101は、図8(b)に示した画面を通じて入力された認証コードと管理部105に予め記憶されている認証コードとの照合を行うことにより、利用者が認証されたか否かを判断する(ステップS24)。利用者が認証されていないと判断した場合(S24:NO)、CPU101は処理をステップS23へ戻す。また、利用者が認証されたと判断した場合(S24:YES)、置換えた頁に対応する画像データを画像メモリ109から読出し(ステップS25)、読出した画像データを画像形成部111へ転送する(ステップS26)。そして、CPU101は、画像形成部111を制御することにより、出力処理を実行する(ステップS27)。このとき、置換画像に置換えられた頁のみが元の画像に戻された状態で出力されることとなる。
図8(a)に示した画面においてソフトウェアキー12が押下操作された場合、又は特定パターンが検出されなかった為、置換画像による置換えを行っていない場合、CPU101は、元の画像で再出力することが指示されていないと判断し(S22:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS21で出力部数が1部でないと判断した場合(S21:NO)、すなわち、出力部数が2部以上であると判断した場合、CPU101は、置換画像に置換えて出力した画像を元の画像(入力画像)に戻して残り部数の出力を行う必要があるか否かを利用者に確認する。具体的には、置換画像に置換えた出力処理を最初の1部について行った場合、CPU101は、図9の模式図に示したような画面を操作パネル106の表示部106bに表示する。この画面には、特定パターンを検出した為、該当頁を別の画像(置換画像)に置換えた旨のメッセージ、及び残り部数を元の画像で出力するか否かを確認するためのメッセージが表示されている。また、画面の下部には2つのソフトウェアキー31,32が配置されており、ソフトウェアキー31が利用者により押下操作された場合、残り部数を元の画像で出力し、ソフトウェアキー32が利用者により押下操作された場合、置換画像に置換えた画像にて出力処理を実行するように構成されている。
CPU101は、図9に示した画面を通じて、残り部数を元の画像で出力することが指示されたか否かを判断する(ステップS28)。図9に示した画面においてソフトウェアキー31が押下操作された場合、元の画像で残り部数を出力することが指示されたと判断し(S28:YES)、CPU101は、認証コードの受付けを行う(ステップS29)。具体的には、図8(b)と同様の画面を操作パネル106の表示部106bに表示し、操作部106a及び画面に配置されるソフトウェアキー(22,23)を通じて認証コードの受付けを行う。
CPU101は、受付けた認証コードと管理部105に予め記憶されている認証コードとの照合を行うことにより、利用者が認証されたか否かを判断する(ステップS30)。利用者が認証されていないと判断した場合(S30:NO)、CPU101は処理をステップS29へ戻す。また、利用者が認証されたと判断した場合(S30:YES)、CPU101は、画像メモリ109に記憶された画像データを順次的に画像形成部111へ転送し(ステップS31)、残り部数について出力処理を実行する(ステップS32)。
一方、ステップS28において、残り部数を元の画像で出力することが指示されていないと判断した場合(S28:NO)、デジタル複合機100は、残り部数を1部目と同様に出力する。そのため、CPU101は、まず、最初の頁を指定し(ステップS33)、特定パターンを検出した頁であるか否かを判断する(ステップS34)。特定パターンを検出した頁でないと判断した場合(S34:NO)、画像メモリ109に記憶された該当ページの画像データを読出し、読出した画像データを画像形成部107へ転送する(ステップS35)。また、特定パターンを検出した頁であると判断した場合(S34:YES)、置換画像記憶部110gに記憶された画像データ(置換画像)を読出し、読出した画像データを画像形成部107へ転送する(ステップS36)。そして、CPU101は、画像形成部111を制御し、画像メモリ109又は置換画像記憶部110gから転送されてきた画像データに基づき出力処理を実行する(ステップS37)。
次いで、CPU101は、出力処理を実行した頁が最終頁であるか否かを判断し(ステップS38)、最終頁でないと判断した場合(S38:NO)、CPU101は、次の頁を指定した上で(ステップS39)、処理をステップS34へ戻す。また、出力処理を実行した頁が最終頁であると判断した場合(S38:YES)、本フローチャートによる処理を終了する。
なお、本実施の形態では、原稿をコピーする際にデジタル複合機100が実行する処理の手順について説明したが、情報処理装置200から送信されるプリントジョブを受信し、受信したプリントジョブに基づいて出力処理を実行する場合も同様の処理を行い、特定パターンが含まれている場合には、入力画像を置換画像に置換えて出力処理を実行する。