JP6416457B2 - 車両用ミラー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、付加体が移動されて展開及び格納される車両用ミラー装置に関する。
下記特許文献1の車両運転安全装置では、ミラーが後視ミラー体に被覆されると共に、後視ミラー体に補助ミラー体が設けられており、補助ミラー体が移動されて展開及び格納される。また、補助ミラー体が一対のギアを介してモータに連絡されており、モータが一方向に回転駆動されて補助ミラー体が展開されると共に、モータが他方向に回転駆動されて補助ミラー体が格納される。
しかしながら、この車両運転安全装置では、モータが一方向に回転駆動される際(補助ミラー体が展開される際)とモータが他方向に回転駆動される際(補助ミラー体が格納される際)とで、一対のギアに作用される力が反転されて、作動音が異なる。このため、補助ミラー体が展開される際及び補助ミラー体が格納される際の一方における作動音の調整が必要になる可能性がある。
国際公開第2009/051374号
本発明は、上記事実を考慮し、付加体が展開又は格納される際における移動機構の作動音を低減できる車両用ミラー装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、車両のミラーに対し付加され、移動されて展開及び格納される付加体と、回転駆動されることで前記付加体の展開及び格納の一方が行われるモータ及び前記付加体に付勢力を作用させることで前記付加体の展開及び格納の他方が行われる付勢手段を有する移動機構と、前記移動機構に設けられ又は前記移動機構とは別に設けられ、前記付加体の展開及び格納の一方が終了して前記モータの駆動が停止された際に前記付加体の展開及び格納の他方を制限すると共に、前記付加体の展開及び格納の他方が行われる際に前記付加体の展開及び格納の他方を制限する力の前記付加体への伝達経路が遮断される制限手段と、を備えている。
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、請求項1に記載の車両用ミラー装置において、前記モータを一方向のみに回転駆動させる。
請求項3に記載の車両用ミラー装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ミラー装置において、前記移動機構は、前記モータに連絡され、前記モータが回転駆動されて回転される第1ギアと、前記付加体に連絡されると共に、前記第1ギアが回転されて前記第1ギアが係合される状態と前記第1ギアが係合されない状態とに変更され、前記付加体の展開及び格納の一方が行われる際に前記第1ギアが係合されると共に、前記付加体の展開及び格納の他方が行われる際に前記第1ギアが係合されない第2ギアと、を有している。
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、ミラーに対し付加体が付加されており、付加体が移動されて展開及び格納される。
ここで、移動機構がモータ及び付勢手段を有しており、モータが回転駆動されることで、付加体の展開及び格納の一方が行われると共に、付勢手段が付加体に付勢力を作用させることで、付加体の展開及び格納の他方が行われる。このため、付加体の展開及び格納の他方が行われる際における移動機構の作動音を低減できる。
請求項2に記載の車両用ミラー装置では、モータを一方向のみに回転駆動させる。このため、モータの制御構造を簡単にできる。
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、付加体の展開及び格納の一方が終了した際に、制限手段が付加体の移動を制限する。このため、付加体の展開及び格納の一方が終了した際に、付勢手段が付加体に付勢力を作用させる場合でも、付加体の展開及び格納の他方が行われることを制限できる。
請求項3に記載の車両用ミラー装置では、モータに第1ギアが連絡されると共に、付加体に第2ギアが連絡されており、付加体の展開及び格納の一方が行われる際に、第1ギアが第2ギアに係合されるため、モータが回転駆動されて、第1ギア及び第2ギアが回転される。
ここで、付加体の展開及び格納の他方が行われる際に、第1ギアが第2ギアに係合されない。このため、付勢手段の付勢力による付加体の移動を第1ギアが第2ギアを介して制限することを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両後側かつ車幅方向内側から見た斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置における移動機構を示す車両後側から見た正面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置における移動体の展開途中を示す車両後側から見た正面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置における移動体の格納途中を示す車両後側から見た正面図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用ドアミラー装置における移動機構を示す車両後側から見た正面図である。 本発明の第3実施形態に係る車両用ドアミラー装置における移動機構の主要部を示す車両後側から見た正面図である。
[第1実施形態]
図1には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第1実施形態に係る車両用ドアミラー装置10が車両後側かつ車幅方向内側(車両右側)から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両左方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示す。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置10は、車両の車体側のドア(フロントサイドドア、図示省略)の上下方向中間部の車両前側端における外部に設置されている。
図1に示す如く、車両用ドアミラー装置10は、設置体としてのステー12を備えており、ステー12がドアに設置されることで、車両用ドアミラー装置10がドアに設置されている。
ステー12の上側には、格納機構(図示省略)が支持されている。格納機構には、軸部材としてのスタンドが設けられており、スタンドがステー12に固定されることで、格納機構がステー12に支持されている。スタンドには、回動体が支持されており、回動体は、スタンドに対し車幅方向外側へ展開(起立)されている。格納機構が正作動された際には、回動体がスタンドに対し車両後側かつ車幅方向内側へ回動されて格納される(折畳まれる)。さらに、格納機構が逆作動された際には、回動体がスタンドに対し車両前側かつ車幅方向外側へ回動されて展開(復帰)される。
回動体には、被覆部材(格納部材)としての樹脂製で略直方体形容器状のバイザ14が支持されており、バイザ14は、内部の車幅方向内側部分に回動体を収容して、回動体に対し車幅方向外側へ延出されている。バイザ14の車両後側面には、開口16が形成されており、開口16は、バイザ14内を車両後側に開口させている。
回動体には、支持部材(剛性部材)としての例えば金属製のブラケット(図示省略)が支持されており、ブラケットは、回動体に対し車幅方向外側へ延出されると共に、バイザ14内に収容されている。ブラケットは、バイザ14に比し剛性が高くされており、ブラケットは、バイザ14と一体にされて、バイザ14を補強している。
バイザ14及びブラケットの少なくとも一方には、略矩形板状のミラー18が支持されており、ミラー18は、バイザ14の開口16部分に配置(収容)されて、全周及び車両前側がバイザ14によって被覆されている。ミラー18の表面(鏡面)は、開口16によって車両後側に露出されており、これにより、車両の乗員(運転手等)がミラー18によって車両の後側を視認可能にされている。
上述の如く、格納機構が正作動された際には、回動体と一体にミラー18(バイザ14及びブラケットを含む)がスタンドに対し車両後側かつ車幅方向内側へ回動されて格納される(折畳まれる)。さらに、格納機構が逆作動された際には、回動体と一体にミラー18(バイザ14及びブラケットを含む)がスタンドに対し車両前側かつ車幅方向外側へ回動されて展開(復帰、起立)される。
バイザ14内の下側部分には、付加体としての移動体20が格納(収容)されている(図1の2点鎖線参照)。
移動体20には、略三角形板状の支持体22が設けられており、支持体22の車幅方向内側端部は、支持軸24によってバイザ14に支持されている。支持体22は、支持軸24に固定されており、支持体22は、支持軸24が回転されることで、支持軸24と一体に上下方向へ所定範囲で回動(移動)可能にされている。支持体22の下面は、バイザ14の下面から露出されており、支持体22の下面は、バイザ14の下面と面一に配置されている。
支持体22の車幅方向外側部分には、車両後側において、付加部としての略矩形板状の補助ミラー26が取付けられており、補助ミラー26の表面(鏡面)は、車両後側に向けられている。
図2に示す如く、移動体20には、移動機構28が連絡されており、移動機構28は、バイザ14内に支持されている。
移動機構28には、モータ30が設けられており、モータ30には、制御装置32が電気的に接続されている。制御装置32には、給電部が設けられており、制御装置32の制御により、移動機構28が作動されて、給電部からモータ30に電流が供給されることで、モータ30が一方向に回転駆動される。制御装置32には、検知部(検知回路)が設けられており、検知部は、給電部からモータ30に供給される電流を検知する。
モータ30の出力軸30Aには、制限手段を構成するウォーム34が同軸上に固定されており、ウォーム34は、出力軸30Aと一体に回転可能にされている。
ウォーム34には、制限手段を構成するヘリカルギア36(ウォームホイール)が噛合(係合)されており、ヘリカルギア36は、回転軸38が同軸上に固定されて、回転軸38と一体に回転可能にされている。また、ヘリカルギア36の回転は、ウォーム34によって制限(ロック)されている。
回転軸38には、第1ギアとしての平歯車であるゼネバギア40が同軸上に固定されており、ゼネバギア40は、回転軸38と一体に回転可能にされている。このため、上述の如くモータ30が一方向に回転駆動された際には、モータ30の出力軸30A及びウォーム34が一方向に回転されて、ヘリカルギア36及びゼネバギア40が一方向(図2の矢印Aの方向)に回転される。また、ゼネバギア40には、周方向の一部(本実施形態では略半分)のみにおいて、ギア歯が設けられている。
ゼネバギア40には、他方向(図2の矢印Aとは反対方向)側端部のギア歯において、第2ギアとしての平歯車である回転ギア42が噛合(係合)されており、回転ギア42は、上記支持軸24が同軸上に固定されて、支持軸24と一体に回転可能にされている。上述の如くゼネバギア40が一方向に回転される際には、ゼネバギア40が回転ギア42に噛合される場合にゼネバギア40によって回転ギア42が一方向に回転されると共に、ゼネバギア40が回転ギア42に噛合されない場合にゼネバギア40によって回転ギア42が一方向に回転されない。
移動体20の支持体22の車幅方向外側部分とバイザ14内との間には、付勢手段としての圧縮コイルスプリング44が掛渡されており、圧縮コイルスプリング44は、移動体20を下側に付勢している。上述の如くヘリカルギア36の回転がウォーム34によって制限されており、これにより、ゼネバギア40及び回転ギア42の回転が制限されて、圧縮コイルスプリング44の付勢力による移動体20の下側への回動が制限されている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、バイザ14内に移動体20が格納されている。
図3に示す如く、例えば乗員が所定の展開操作をした際(第1の機会)には、移動機構28において、制御装置32の制御によりモータ30に電流が供給されて、モータ30が一方向に回転駆動されることで、モータ30の出力軸30A、ウォーム34、ヘリカルギア36及びゼネバギア40が一方向に回転されて、ゼネバギア40の回転ギア42への噛合が解除される。これにより、移動体20が、圧縮コイルスプリング44の付勢力によって回転ギア42と一体に下側に回動されて、バイザ14から下側に展開される(図1の実線参照)。このため、移動体20の補助ミラー26がバイザ14の下側に露出されて、乗員がミラー18のみならず補助ミラー26によっても車両の後側(例えば車両の後輪近傍)を視認可能になる。したがって、補助ミラー26が、車両用ドアミラー装置10(ミラー18)に対し視認機能を付加(追加)できて、乗員の視認可能範囲を拡大させることができる。
また、上述の如く、モータ30が一方向に回転駆動されて、ゼネバギア40の回転ギア42への噛合が解除された後には、ゼネバギア40が、継続して一方向に回転されて、再度回転ギア42に噛合される。この際には、ゼネバギア40に回転ギア42及び移動体20を介して圧縮コイルスプリング44の付勢力が作用されるため、モータ30の出力軸30A、ウォーム34、ヘリカルギア36及びゼネバギア40の回転抵抗が急激に増加されて、モータ30に供給される電流が急激に増加される。これにより、制御装置32の検知部が当該電流の急激な増加を検知することで、制御装置32の制御によりモータ30への電流の供給が停止されて、モータ30の一方向への回転駆動が停止される。
図4に示す如く、例えば乗員が所定の格納操作をした際(第2の機会)には、移動機構28において、制御装置32の制御によりモータ30に電流が供給されて、モータ30が一方向に回転駆動されることで、モータ30の出力軸30A、ウォーム34、ヘリカルギア36、ゼネバギア40及び回転ギア42が一方向に回転される。これにより、移動体20が、圧縮コイルスプリング44の付勢力に抗して回転ギア42と一体に上側に回動されて、バイザ14内に移動体20が格納される(図1の2点鎖線及び図2参照)。
また、上述の如く、モータ30が一方向に回転駆動されて、移動体20が圧縮コイルスプリング44の付勢力に抗して上側に回動される際には、移動体20に作用される圧縮コイルスプリング44の付勢力が徐々に増加されることで、モータ30の出力軸30A、ウォーム34、ヘリカルギア36、ゼネバギア40及び回転ギア42の回転抵抗が徐々に増加されて、モータ30に供給される電流が徐々に増加される。これにより、モータ30に供給される電流が移動体20が格納位置に到達した際の当該電流まで増加されたことを制御装置32の検知部が検知することで、制御装置32の制御によりモータ30への電流の供給が停止されて、モータ30の一方向への回転駆動が停止される。
ところで、本実施形態では、モータ30を一方向に回転駆動させた際の方が、モータ30を他方向に回転駆動させた際に比し、モータ30、ウォーム34、ヘリカルギア36、ゼネバギア40及び回転ギア42の作動音が移動体20の作動を演出する音又は乗員の邪魔にならない音として好ましくされた構造にされている。
ここで、上述の如く、圧縮コイルスプリング44の付勢力によって移動体20が回動されて展開されると共に、モータ30が一方向に回転駆動されることで移動体20が回動されて格納される。このため、移動体20が展開される際における移動機構28の作動音を低減できるのみならず、移動体20が格納される際における移動機構28の作動音を、モータ30の一方向への回転駆動によるモータ30、ウォーム34、ヘリカルギア36、ゼネバギア40及び回転ギア42の作動音にできて、移動体20の格納作動を演出する音又は乗員の邪魔にならない音にできる。これにより、移動体20が展開される際及び移動体20が格納される際における移動機構28の作動音を乗員が不快に感じることを抑制できる。
さらに、移動体20が展開される際及び移動体20が格納される際に、モータ30が一方向のみに回転駆動される。このため、モータ30の他方向への回転駆動によるモータ30、ウォーム34、ヘリカルギア36、ゼネバギア40及び回転ギア42の作動音を乗員が不快に感じることを防止できる。しかも、モータ30の回転駆動を停止させるためにモータ30に供給される電流を検知する制御装置32の検知部を、モータ30の一方向への回転駆動を停止させるためのもののみにできて、モータ30の他方向への回転駆動を停止させるためのものは不要にできるため、制御装置32の構造を簡単にできると共に、モータ30の回転駆動の停止制御を簡単にできる。
また、移動体20の格納が終了された際には、モータ30の一方向への回転駆動が停止されても、ヘリカルギア36の回転がウォーム34によって制限されることで、ゼネバギア40及び回転ギア42の回転が制限されて、移動体20の回動が制限される。このため、圧縮コイルスプリング44の付勢力によって移動体20が下側に回動されて展開されることを制限できる。
さらに、移動体20が圧縮コイルスプリング44の付勢力によって展開される際には、ゼネバギア40の回転ギア42への噛合が解除される。このため、圧縮コイルスプリング44の付勢力による移動体20の展開をモータ30、ウォーム34、ヘリカルギア36及びゼネバギア40が回転ギア42を介して制限することを抑制できる。
また、モータ30の回転駆動によって移動体20が回動される。このため、ソレノイドの作動によって移動体20が回動される場合に比し、移動体20の回動ストロークを長くできると共に、移動体20に対する駆動力を大きくでき、かつ、モータ30を小型にできる。
[第2実施形態]
図5には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第2実施形態に係る車両用ドアミラー装置50における移動機構28が車両後側から見た正面図にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置50は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図5に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置50では、移動機構28において、モータ30の出力軸30Aとゼネバギア40(回転軸38)とがギア機構52(減速機構)を介して連絡されており、ギア機構52は、上記第1実施形態におけるウォーム34及びヘリカルギア36が含まれない構成(例えば一対の傘歯車が含まれる構成)にされている。
バイザ14内には、制限手段としての制限爪54の基端が固定されており、制限爪54は、弾性を有している。制限爪54の先端(突出部)は、移動体20の支持体22に係止されており、これにより、圧縮コイルスプリング44の付勢力による移動体20の下側への回動が制限されている。
ここで、例えば乗員が所定の展開操作をした際(第1の機会)には、移動機構28において、制御装置32の制御によりモータ30に電流が供給されて、モータ30が一方向に回転駆動されることで、モータ30の出力軸30A、ギア機構52及びゼネバギア40が一方向に回転されて、ゼネバギア40の回転ギア42への噛合が解除される。また、ゼネバギア40の回転ギア42への噛合が解除される際には、ゼネバギア40によって回転ギア42が僅かに一方向に回転されて、移動体20が回転ギア42と一体に僅かに下側に回動されることで、制限爪54が弾性変形されて、制限爪54先端の移動体20への係止が解除される。これにより、移動体20が、圧縮コイルスプリング44の付勢力によって回転ギア42と一体に下側に回動されて、バイザ14から下側に展開される(図1の実線参照)。
また、上述の如く、モータ30が一方向に回転駆動されて、ゼネバギア40の回転ギア42への噛合が解除された後には、ゼネバギア40が、継続して一方向に回転されて、再度回転ギア42に噛合される。この際には、ゼネバギア40に回転ギア42及び移動体20を介して圧縮コイルスプリング44の付勢力が作用されるため、モータ30の出力軸30A、ギア機構52及びゼネバギア40の回転抵抗が急激に増加されて、モータ30に供給される電流が急激に増加される。これにより、制御装置32の検知部が当該電流の急激な増加を検知することで、制御装置32の制御によりモータ30への電流の供給が停止されて、モータ30の一方向への回転駆動が停止される。
例えば乗員が所定の格納操作をした際(第2の機会)には、移動機構28において、制御装置32の制御によりモータ30に電流が供給されて、モータ30が一方向に回転駆動されることで、モータ30の出力軸30A、ギア機構52、ゼネバギア40及び回転ギア42が一方向に回転される。これにより、移動体20が、圧縮コイルスプリング44の付勢力に抗して回転ギア42と一体に上側に回動されて、バイザ14内に移動体20が格納される(図1の2点鎖線及び図5参照)と共に、制限爪54が弾性力によって先端を移動体20に係止させる。
また、上述の如く、モータ30が一方向に回転駆動されて、移動体20が圧縮コイルスプリング44の付勢力に抗して上側に回動される際には、移動体20に作用される圧縮コイルスプリング44の付勢力が徐々に増加されることで、モータ30の出力軸30A、ギア機構52、ゼネバギア40及び回転ギア42の回転抵抗が徐々に増加されて、モータ30に供給される電流が徐々に増加される。これにより、モータ30に供給される電流が移動体20が格納位置に到達した際の当該電流まで増加されたことを制御装置32の検知部が検知することで、制御装置32の制御によりモータ30への電流の供給が停止されて、モータ30の一方向への回転駆動が停止される。
以上により、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、移動体20が格納された際にゼネバギア40が回転ギア42に噛合される。しかしながら、移動体20が格納された際にゼネバギア40が回転ギア42に噛合されなくてもよい。この場合、ゼネバギア40が一方向に回転されて回転ギア42への噛合を開始される際に、ゼネバギア40によって回転ギア42が一方向に回転されて、移動体20が回転ギア42と一体に下側に回動されることで、制限爪54が弾性変形されて、制限爪54先端の移動体20への係止が解除される。
[第3実施形態]
図6には、本発明の車両用ミラー装置が適用された第3実施形態に係る車両用ドアミラー装置60における移動機構28の主要部が車両後側から見た正面図にて示されている。
本実施形態に係る車両用ドアミラー装置60は、上記第1実施形態と、ほぼ同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図6に示す如く、本実施形態に係る車両用ドアミラー装置60では、移動機構28において、ゼネバギア40の周面に係合部としての第1凹部62及び第2凹部64が形成されており、第1凹部62及び第2凹部64は、ゼネバギア40のギア歯設置部分の周方向両側に隣接して配置されると共に、ギア歯間の歯底に比しゼネバギア40の径方向内側へ凹んでいる。
回転ギア42では、隣接する一対のギア歯が係合部としての第1凸部66及び第2凸部68にされており、第1凸部66及び第2凸部68は、他のギア歯に比し回転ギア42の径方向外側へ突出されている。第1凸部66には、ゼネバギア40の第1凹部62が噛合(係合)されており、ヘリカルギア36の回転がウォーム34によって制限されることで、ゼネバギア40及び回転ギア42の回転が制限されて、圧縮コイルスプリング44の付勢力による移動体20の下側への回動が制限されている。
ここで、例えば乗員が所定の展開操作をした際(第1の機会)には、移動機構28において、制御装置32の制御によりモータ30に電流が供給されて、モータ30が一方向に回転駆動されることで、モータ30の出力軸30A、ウォーム34、ヘリカルギア36及びゼネバギア40が一方向に回転されて、ゼネバギア40(第1凹部62)の回転ギア42(第1凸部66)への噛合が解除される。これにより、移動体20が、圧縮コイルスプリング44の付勢力によって回転ギア42と一体に下側に回動されて、バイザ14から下側に展開される(図1の実線参照)。
また、上述の如く、モータ30が一方向に回転駆動されて、ゼネバギア40(第1凹部62)の回転ギア42(第1凸部66)への噛合が解除された後には、ゼネバギア40が継続して一方向に回転されて、ゼネバギア40(第2凹部64)が回転ギア42(第2凸部68)に噛合される。この際には、ゼネバギア40に回転ギア42及び移動体20を介して圧縮コイルスプリング44の付勢力が作用されるため、モータ30の出力軸30A、ウォーム34、ヘリカルギア36及びゼネバギア40の回転抵抗が急激に増加されて、モータ30に供給される電流が急激に増加される。これにより、制御装置32の検知部が当該電流の急激な増加を検知することで、制御装置32の制御によりモータ30への電流の供給が停止されて、モータ30の一方向への回転駆動が停止される。
以上により、本実施形態でも、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
さらに、移動体20が格納された際には、回転ギア42の第1凸部66にゼネバギア40の第1凹部62が噛合されることで、回転ギア42にゼネバギア40が効果的に噛合できる。このため、ヘリカルギア36の回転がウォーム34によって制限されることで、ゼネバギア40が回転ギア42の回転を効果的に制限でき、圧縮コイルスプリング44の付勢力による移動体20の下側への回動を効果的に制限できる。
また、移動体20が展開される際には、ゼネバギア40(第1凹部62)の回転ギア42(第1凸部66)への噛合が解除された後に、ゼネバギア40が継続して一方向に回転されることで、ゼネバギア40の第2凹部64が回転ギア42の第2凸部68に噛合されて、回転ギア42にゼネバギア40が効果的に噛合できる。このため、回転ギア42にゼネバギア40を確実に噛合させることができる。
なお、本実施形態では、回転ギア42に第1凸部66及び第2凸部68を設けた。しかしながら、回転ギア42に1つの凸部(係合部)を設けてもよい。この場合、回転ギア42の1つの凸部にゼネバギア40の第1凹部62及び第2凹部64が噛合(係合)可能にされる。
さらに、本実施形態では、ゼネバギア40に第1凹部62及び第2凹部64を設けると共に、回転ギア42に第1凸部66及び第2凸部68を設けた。しかしながら、ゼネバギア40に第1凸部66及び第2凸部68を設けると共に、回転ギア42に第1凹部62及び第2凹部64を設けてもよい。しかも、回転ギア42に1つの凹部(係合部)を設けてもよく、この場合、回転ギア42の1つの凹部にゼネバギア40の第1凸部66及び第2凸部68が噛合(係合)可能にされる。
また、本実施形態では、本実施形態のゼネバギア40及び回転ギア42を上記第1実施形態に適用した。しかしながら、本実施形態のゼネバギア40及び回転ギア42を上記第2実施形態に適用してもよい。
さらに、上記第1実施形態〜第3実施形態では、移動体20を圧縮コイルスプリング44の付勢力によって展開すると共に、移動体20をモータ30の回転駆動によって格納する。しかしながら、移動体20をモータ30の回転駆動によって展開すると共に、移動体20を圧縮コイルスプリング44の付勢力によって格納してもよい。
また、上記第1実施形態〜第3実施形態では、本発明の付勢手段を圧縮コイルスプリング44にして、圧縮コイルスプリング44が移動体20に付勢力を作用させた。しかしながら、本発明の付勢手段を支持軸24に設けた捩りコイルスプリングにして、捩りコイルスプリングが移動体20に付勢力を作用させてもよく、また、本発明の付勢手段をスプリング以外のマグネット等の部材にして、マグネット等の部材が移動体20に付勢力を作用させてもよい。
さらに、上記第1実施形態〜第3実施形態では、制御装置32の検知部が検知するモータ30に供給される電流に基づき、制御装置32の制御によりモータ30への電流の供給を停止させて、モータ30の回転駆動を停止させる。しかしながら、制御装置32の検知部を例えばリミットスイッチにして、検知部が検知する移動体20の回動位置(回転ギア42又は支持軸24の回転位置でもよい)に基づき、移動体20が展開位置及び格納位置に到達した際に、制御装置32の制御によりモータ30への電流の供給を停止させて、モータ30の回転駆動を停止させてもよい。
また、上記第1実施形態〜第3実施形態では、移動体20を回動可能にした。しかしながら、移動体20をスライド可能にしてもよい。
さらに、上記第1実施形態〜第3実施形態では、移動体20をバイザ14の下側に展開させる。しかしながら、移動体20をバイザ14の他の方向(例えば上側、車両前側、車両後側、車幅方向外側又は車幅方向内側)に展開させてもよい。
また、上記第1実施形態〜第3実施形態では、移動体20に付加部として補助ミラー26を設けた。しかしながら、これに代えて、又は、これと共に、移動体20に付加部としてカメラ(撮像機能部)、センサ(検出機能部)及びランプ(照明機能部)の少なくとも1つを設けてもよい。
さらに、上記第1実施形態〜第3実施形態では、移動体20を付加体として、移動体20を移動機構28により展開及び格納可能にした。しかしながら、格納機構の回動体を付加体として、回動体を移動機構28により展開及び格納可能にしてもよい。
また、上記第1実施形態〜第3実施形態では、本発明の車両用ミラー装置を車両用ドアミラー装置10、50、60に適用した。しかしながら、本発明の車両用ミラー装置を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用してもよい。
10 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
18 ミラー
20 移動体(付加体)
28 移動機構
30 モータ
34 ウォーム(制限手段)
36 ヘリカルギア(制限手段)
40 ゼネバギア(第1ギア)
42 回転ギア(第2ギア)
44 圧縮コイルスプリング(付勢手段)
50 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
54 制限爪(制限手段)
60 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)

Claims (3)

  1. 車両のミラーに対し付加され、移動されて展開及び格納される付加体と、
    回転駆動されることで前記付加体の展開及び格納の一方が行われるモータ及び前記付加体に付勢力を作用させることで前記付加体の展開及び格納の他方が行われる付勢手段を有する移動機構と、
    前記移動機構に設けられ又は前記移動機構とは別に設けられ、前記付加体の展開及び格納の一方が終了して前記モータの駆動が停止された際に前記付加体の展開及び格納の他方を制限すると共に、前記付加体の展開及び格納の他方が行われる際に前記付加体の展開及び格納の他方を制限する力の前記付加体への伝達経路が遮断される制限手段と、
    を備えた車両用ミラー装置。
  2. 前記モータを一方向のみに回転駆動させる請求項1記載の車両用ミラー装置。
  3. 前記移動機構は、
    前記モータに連絡され、前記モータが回転駆動されて回転される第1ギアと、
    前記付加体に連絡されると共に、前記第1ギアが回転されて前記第1ギアが係合される状態と前記第1ギアが係合されない状態とに変更され、前記付加体の展開及び格納の一方が行われる際に前記第1ギアが係合されると共に、前記付加体の展開及び格納の他方が行われる際に前記第1ギアが係合されない第2ギアと、
    を有する請求項1又は請求項2記載の車両用ミラー装置。
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