JP6415915B2 - レーダシステムおよび干渉抑圧方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、協調制御型レーダシステムに関する。
近年になり開発が進められている協調制御型レーダシステムは、マルチスタティック方式として知られるレーダシステムの一例である。マルチスタティックレーダの多くは、一つの送受信局と複数の受信局とを備える。例えば、フェーズドアレイ/DBF(Digital Beam Forming)機能を持つレーダ(送受信局)と、二次元DBF機能を持つレーダ(受信局)とを組み合わせることが考えられている。この種のレーダシステムは気象観測などへの応用が期待されている。
フェーズドアレイ/DBFレーダは気象現象を高速に観測することができる。二次元DBFレーダは、送受信局から送信された電波(以下、レーダ波と称する)による側方散乱を観測することができる。これらのレーダを協調的に動作させることで気象現象を短時間に高密度で、かつ三次元的に観測することが可能になり、ひいては極端気象の予兆を確実に検知できるようになる。
ところで、複数のレーダ装置が同時刻に同じ周波数を用いると電波干渉を生じることがある。例えば与干渉局のサイドローブから送信された電波が被干渉局のメインローブに入り込むと、有りもしない目標像が観測されることがある。これも電波干渉の一つである。
既存のレーダは個別に運用されているので、被干渉局は与干渉局についての情報を詳しく知ることができなかった。せいぜい、電波の送信時刻や送信方向の大雑把な値が過去の履歴から推測されるに過ぎなかったので、被干渉局は与干渉局からの干渉を効果的に抑圧することができなかった。同様に与干渉局も被干渉局の情報を知り得ないので、電波干渉の抑圧のための対策を採ることができなかった。
協調制御型レーダは上記の不具合を解決し得る可能性を秘めていると思われる。しかしその具体的な手法については未だ知られていない。電波干渉を確実に抑圧できるようにする技術が要望されている。
目的は、電波干渉を確実に抑圧し得るレーダシステムおよび干渉抑圧方法を提供することにある。
実施形態によれば、レーダシステムは、第1レーダと、第1レーダとは異なる位置に第1レーダと通信ネットワークを介して通信可能に設置される第2レーダとを具備する。第1レーダは、電波を送信する送信部と、通知部とを備える。通知部は、送信される電波の諸元情報を通信ネットワーク経由で第2レーダに通知する。第2レーダは、電波を受信する受信部と、取得部と、抑圧部とを備える。取得部は、通知された諸元情報を取得する。抑圧部は、受信された電波に含まれる干渉波を取得された諸元情報に基づいて抑圧する。
図1は、第1の実施形態に係るレーダシステムの一例を示す図である。 図2は、図1に示されるレーダシステムの一例を示す機能ブロック図である。 図3は、第1の実施形態に係るレーダシステムにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。 図4は、所望波から干渉波の除去される過程を示す模式図である。 図5は、第2の実施形態に係るレーダシステムの一例を示す図である。 図6は、図5に示されるレーダシステムの一例を示す機能ブロック図である。 図7は、第2の実施形態に係るレーダシステムにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、フェーズドアレイレーダおよびX帯MPレーダのサイドローブレベルおよびサイドローブ幅を比較して示す図である。 図9は、第3の実施形態に係るレーダシステムの一例を示す図である。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るレーダシステムの一例を示す図である。このシステムは送受信局100と受信局200を備える。送受信局100および受信局200はそれぞれ地理的に異なる位置(例えばA県の県庁所在地とB県の県庁所在地など)に設置され、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能である。
第1の実施形態では送受信局100を与干渉局とし、受信局200を被干渉局とする。第1の実施形態では被干渉局側で干渉を抑圧する形態について説明する。
図2は、図1に示されるレーダシステムの一例を示す機能ブロック図である。送受信局100は、送信信号発生部10、送信部11、サーキュレータ12、送信ビーム制御部13、アンテナ部14、受信部15および信号処理部16を備える。
送信信号発生部10により発生された送信種信号は、送信部11でレーダパルス信号に変換され、サーキュレータ12を介して送信ビーム制御部13に入力される。送信ビーム制御部13はアンテナ部14からレーダパルスを放射する。
アンテナ部14は、例えばアレイ状に配列される複数のアンテナ素子を備える、2次元フェーズドアレイアンテナである。送信ビーム制御部13は、アンテナ部14の形成する送信ビームを電子的に走査し、また、送信ビームパターンの形状を制御する。
さらに送受信局100は、制御部17、記憶部18および通信部19を備える。このうち通信部19は、通信ネットワークNWを介して受信局200と通信する。
制御部17は、送受信局100を気象レーダとして運用するための機能に加え、第1の実施形態に係る処理機能として通知部17aを備える。通知部17aは、記憶部18に記憶される電波諸元情報を通信ネットワークNW経由で受信局200に通知する。
電波諸元情報は、送信される電波の諸元を示す情報を含み、例えば送受信局100の割り当て周波数、周波数レンジ、送信電力などの基本的な情報に加え、レーダ波の特徴(短パルス、長パルス、パルス幅および偏波状態など)といった、より詳細な情報も含む。
また電波諸元情報は、送受信局100の送信ビームスケジュール18aを含む。送信ビームスケジュール18aは、例えば送信ビームの3次元的な指向方向を時刻ごと(例えばマイクロ秒、ナノ秒単位の瞬間ごと)に対応付けたデータである。すなわち送信ビームスケジュール18aは送信ビームパターンの走査スケジュールを示す。
さらに、電波諸元情報に、送受信局100と受信局200とを同期させるための時刻同期情報を含めるようにしても良い。
受信局200は、アンテナ部20、受信ビーム制御部21、受信部22、信号処理部23を備える。このうちアンテナ部20は、例えば2次元フェーズドアレイアンテナである。受信ビーム制御部21はアンテナ部20の形成する受信ビームを電子的に走査し、また、受信ビームパターンの形状を制御する。
降雨などの気象目標からのレーダエコーは、アンテナ部20により捕捉される。アンテナ部20からの信号は受信ビーム制御部21を介して受信部22で受信され、A/D(アナログ/ディジタル)変換された後に直交検波(I/Q検波)される。信号処理部23は受信部22から出力されるI/Q信号を処理して、受信電力やドップラ速度を算出する。これにより気象現象に関する様々な知見を得ることができる。
なおアンテナ部20は、レーダエコーのほか、送受信局100から直接的に到来する電波(干渉波)をも捕捉してしまうことがある。実施形態ではこの干渉波を効果的に抑圧できるようにする技術を開示する。
さらに受信局200は、制御部24、記憶部25および通信部26を備える。このうち通信部26は、通信ネットワークNWを介して送受信局100と通信する。
制御部24は受信局200を気象レーダとして運用するための機能に加え、第1の実施形態に係る処理機能として取得部24a、抑圧部24bを備える。取得部24aは、送受信局100から通知される電波諸元情報を取得し、記憶部25に記憶する。これにより送受信局100の電波諸元情報および送信ビームスケジュール18aが、受信局200の記憶部25に記憶される。
抑圧部24bは、受信部22で受信された電波に含まれる干渉波を、記憶部25に記憶された電波諸元情報に基づいて抑圧する。すなわち抑圧部24bは、送受信局100から干渉波として到来する電波を回避すべく、電波諸元情報(送信ビームスケジュール18a)に基づいて受信ビームスケジュール25aを作成する。受信ビームスケジュール25aは受信ビームの指向方向を時刻ごとに対応付けたデータであり、受信ビームパターンの走査スケジュールを示す。作成された受信ビームスケジュール25aは記憶部25に記憶される。
なお、送信ビームスケジュール18aの取得から受信ビームスケジュール25aの作成をリアルタイムで実施する必要はない。例えば、送信ビームスケジュール18aの通知から10分後にこの送信ビームスケジュール18aに基づくビームスキャンを開始する、というモードがある。このモードのもとではその10分間の間に受信ビームスケジュール25aを作成すればよい。
抑圧部24bは、受信ビーム制御部21に、受信ビームスケジュール25aに基づいて干渉波を回避するように受信ビームを走査させることで干渉波を抑圧する。
さらに抑圧部24bは、送受信局100とは異なる電波源から放射される電波に由来する干渉波を、既知の手法により抑圧する機能も備える。この種の技術としては例えば(1)〜(3)などが知られている。いずれの方法も、電波源から放射される電波の諸元が未知であることを前提として干渉波を除去することが可能である。
(1) 孤立する反射点を除去する方法。
(2) 反射信号を既定の距離ごとに平均化する方法。
(3) 観測結果から干渉波の周期等を推定し、その結果に基づいて干渉波成分を除去する方法。
図3は、第1の実施形態に係るレーダシステムにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。図3において、送受信局100は電波諸元情報を受信局200に通知する(ステップS1)。受信局200は電波諸元情報を通信ネットワークNW経由で取得し(ステップS2)、記憶部25に記憶する(ステップS3)。
次に、受信局200の抑圧部24bは電波諸元情報を考慮した受信ビームスケジュール25aを作成し、記憶部25に記憶させる(ステップS4)。そうして受信局200は、受信ビームスケジュール25aに基づいて受信ビームパターンを走査し(ステップS5)、レーダ受信処理を実施して気象データを得る(ステップS6)。
この過程において他の電波源からの干渉波が検知されると(ステップS7でYes)、受信局200の抑圧部24bは干渉波除去処理により受信信号から干渉波の成分を除去する(ステップS8)。他の電波源からの干渉波が検知されなければ(ステップS7でNo)、受信局200はステップS7からステップS9の手順に移る。
ステップS5〜ステップS9の手順は電波諸元情報を取得すべき次の周期が来るまで繰り返し実行される。そして、例えば24時間の周期が経過すると処理手順はステップS9からステップS2に戻り、電波諸元情報が再び取得される。
一方、送受信局100はステップS1で電波諸元情報を受信局200に通知したのち、レーダパルスの送信を伴うレーダ送信処理を繰り返し実行する(ステップS10)。そして、既定の周期が到来すると(ステップS11でYes)処理手順はステップS1に戻り、送受信局100は受信局200への電波諸元情報の通知を繰り返す。
以上述べたように第1の実施形態によれば、送受信局100および受信局200に通信機能を持たせ、通信ネットワークNW経由で電波諸元情報を送受信局100から受信局200に通知する。そして受信局200は、送受信局100からからの干渉波を回避すべく電波諸元情報に基づいて受信ビームをスキャンするようにしている。電波諸元情報は送信ビームスケジュールや時刻同期情報などを含むので、受信局200(被干渉局)は、電波干渉を受ける方向/タイミング/干渉レベル/周波数等を正確に把握することができる。これにより受信局200は、干渉を受ける方向(与干渉局方向)を決して向かないように受信ビームを走査することができるようになる。従って図4(a)および図4(b)に示されるように、受信局200は、所望波に含まれる干渉波のレベルを抑圧することが可能になる。
しかも第1の実施形態では、送受信局100とは別の電波源からの干渉を、平均化や干渉部分除去などの既知の手法により抑圧するようにしている。これにより電波諸元を知り得る干渉波はもとより、諸元が未知の干渉波にも対応できるようになるので、図4(c)に示されるように干渉波レベルをさらに低減することが可能になる。
もともと気象レーダは、他の気象レーダや未知の与干渉局(航空機搭載レーダ、無線LAN、UWB等)からの電波による干渉を抑圧する機能を備えている。ただしこの干渉抑圧機能は、電波源が比較的既知のもの(他の気象レーダなど)か、あるいは全く未知の電波源であるかに関わらず、電波諸元が全て未知であることを前提として干渉を抑圧するものである。このため受信ビームの走査スケジュールが適切でなく、干渉波の混入を防止することが難しかった。
これに対し第1の実施形態によれば、送受信局100と受信局200との間で電波諸元情報を共有し、また、互いの時刻やローカル位相を同期させることが可能になるので、高度な干渉抑圧機能を実現できるようになる。これらのことから第1の実施形態によれば、電波干渉を確実に抑圧し得るレーダシステムおよび干渉抑圧方法を提供することが可能となる。
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係るレーダシステムの一例を示す図である。第2の実施形態のシステムは、通信ネットワークNW経由で互いに通信可能な、送受信局300および受信局400を具備する。第2の実施形態では送受信局300を与干渉局とし、受信局400を被干渉局とする。第2の実施形態では与干渉局側で干渉を抑圧する形態について説明する。
図6は、図5に示されるレーダシステムの一例を示す機能ブロック図である。図6において図2と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。受信局400の制御部24は、通知部24cを備える。また記憶部25は、受信ビームスケジュール25bを含む受信環境情報を記憶する。
受信環境情報は、受信する電波の諸元を示す情報を含み、例えば受信局200の割り当て周波数、周波数レンジ、受信利得などの基本的な情報に加え、受信可能なレーダ波の特徴(短パルス、長パルス、パルス幅および偏波状態など)といった、より詳細な情報も含む。
また受信環境情報は、受信局200の受信ビームスケジュール25bを含む。受信ビームスケジュール25bは、例えば受信ビームの3次元的な指向方向を時刻ごと(例えばマイクロ秒、ナノ秒単位の瞬間ごと)に対応付けたデータである。すなわち受信ビームスケジュール25bは受信ビームパターンの走査スケジュールを示す。
送受信局300の制御部17は、取得部17bおよび抑圧部17cを備える。取得部17bは、受信局200から通知される受信環境情報を取得し、記憶部18に記憶する。これにより受信局200の受信ビームスケジュール25bが、送受信局100の記憶部18に記憶される。
抑圧部17cは受信局200の受信環境情報を参照することで、自らの発する電波が受信局200で干渉波として受信されることを防止する。すなわち抑圧部17cは、受信環境情報(受信ビームスケジュール25b)に基づいて、自らの放射する電波が干渉波として受信局200で受信されることを防止するための送信ビームスケジュール18cを作成する。作成された送信ビームスケジュール18cは記憶部18に記憶される。
図7は、第2の実施形態に係るレーダシステムにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。図7において図3と共通する部分には同じ符号を付して示し、ここでは異なる部分についてのみ説明する。
図7において、受信局200は受信環境情報を送受信局100に通知する(ステップS21)。送受信局100は受信環境情報を通信ネットワークNW経由で取得し(ステップS22)、記憶部18に記憶する(ステップS23)。
次に、送受信局100の抑圧部17cは受信環境情報を考慮した送信ビームスケジュール18cを作成し、記憶部18に記憶させる(ステップS24)。この送信ビームスケジュール18cに基づいて、送受信局100は送信ビームパターンを走査し(ステップS25)、気象データを得るためのレーダ送信処理を実施する(ステップS10)。
ステップS25およびステップS10の手順は繰り返し実施され、受信環境情報を取得すべき次の周期(例えば24時間)が到来すると(ステップS11でYes)処理手順はステップS11からステップS22に戻り、受信環境情報が再び取得される。
一方、受信局200はステップS21で受信環境情報を送受信局100に通知すると、図3に示されるステップS5〜ステップS9と同様の手順によりデータ観測および干渉波抑圧処理を実施する。
以上述べたように第2の実施形態では、受信局200の受信環境を示す受信環境情報を受信局200から送受信局100に通知する。そして送受信局100は、自らの放射する電波が受信局200に干渉波として受信されないような送信ビームスケジュールに基づいて送信ビームをスキャンするようにしている。
受信環境情報は受信ビームスケジュールや時刻同期情報などを含むので、送受信局100(与干渉局)は、受信局200(被干渉局)が電波干渉を受ける方向/タイミング/干渉レベル/周波数等を正確に把握することができる。これにより送受信局100は受信局200の受信ビームを避けて電波を送信できるので、受信局200で受信される電波に干渉波の混入することが無くなる。
一般に、フェーズドアレイ気象レーダは観測速度を上げるために送信メインローブ幅が広く、これに伴って送信サイドローブ幅も広い。送信開口の波源分布が一般に一様なので、特別な処置をしない限り、図8に示されるように送信サイドローブレベルは送信メインローブに対して−13dB〜−17dB程度の高いレベルとなる。これは、現在稼働しているX帯MPレーダよりも厳しい条件である。
しかし、フェーズドアレイならではの特性(例えば位相制御)を用いれば、送信開口の波源分布が一様であっても特定方向の送信サイドローブレベルを下げることができる。このことを利用して第2の実施形態では、干渉が生じる場合には被干渉局方向の送信サイドローブレベルを下げるようなビームパターンを形成することで干渉の影響を軽減するようにした。つまり送信ビームパターンを制御することで送信サイドローブレベルを−13〜−17dBよりも低下させ、干渉の影響を軽減するようにした。
パラボラアンテナによりレーダ波を送信する既存の気象レーダは、送信ビームパターンを制御することが原理的に不可能である。このためサイドローブを被干渉局方向に向けないという制御ができないので、干渉を防止するためには電波の送信を停止せざるを得ない。よって電波の送信停止期間においては観測が不可能になるなどの弊害があった。
これに対し第2の実施形態によれば、受信局200に干渉する方向、時刻を送受信局100において知ることができ、その知見に基づいてフェーズドアレイアンテナによる送信ビームパターン制御を実施することができる。よって与干渉局側で送信サイドローブレベルを落とすなどの、被干渉局への干渉を、より積極的に抑圧することができる。
これらのことから、電波干渉を確実に抑圧し得るレーダシステムおよび干渉抑圧方法を提供することが可能となる。
[第3の実施形態]
図9は、第3の実施形態に係るレーダシステムの一例を示す図である。第1の実施形態では被干渉局において受信ビームパターンを干渉から逃がすことで干渉を防止した。第2の実施形態では与干渉局において送信ビームパターンを干渉から避けることで干渉を防止した。これに限ることなく、被干渉局における信号処理により干渉を抑圧することも可能である。
例えば図9に示されるように、干渉を受ける方向(与干渉局の方向)を受信局200(被干渉局)が観測することを考える。当然、受信信号に干渉が混入するが既に説明したように受信局200は、この方向に送受信局100(与干渉局)から電波が放射される時刻の精密な値を知ることができる。よって、受信後の信号処理によりそのタイミングの受信信号を棄却するようにすれば与干渉局からの干渉を抑圧することができる。つまり送信ビームまたは受信ビームを制御することだけでなく、電波諸元情報に基づく信号処理によっても干渉成分を抑圧することが可能である。
なお、この発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態では送受信局100を与干渉局とし受信局200を被干渉局として説明したが、これに限定されるものではない。例えば2基の送受信局が対向するような形態もあり得るし、複数の送受信局と複数の受信局を備えるシステムや、全て送受信局であるシステムも有り得る。このような形態では被干渉局と干渉局との関係が非常に複雑になるが、電波諸元や送信ビームスケジュール、受信ビームスケジュールを互いに共有できれば、干渉の抑圧は原理的には困難ではない。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…送信信号発生部、11…送信部、12…サーキュレータ、13…送信ビーム制御部、14…アンテナ部、15…受信部、16…信号処理部、17…制御部、17a…通知部、17b…取得部、17c…抑圧部、18…記憶部、18a…送信ビームスケジュール、18c…送信ビームスケジュール、19…通信部、20…アンテナ部、21…受信ビーム制御部、22…受信部、23…信号処理部、24…制御部、24a…取得部、24b…抑圧部、24c…通知部、25…記憶部、25a…受信ビームスケジュール、25b…受信ビームスケジュール、26…通信部、100…送受信局、200…受信局、300…送受信局、400…受信局。

Claims (4)

  1. 送信ビームを電子的に走査可能な第1レーダと、
    前記第1レーダとは異なる位置に前記第1レーダと通信ネットワークを介して通信可能に設置され、受信ビームを電子的に走査可能な第2レーダとを具備し、
    前記第1レーダは、
    電波を送信する送信部と、
    前記送信される電波の送信ビームパターンを制御する送信ビーム制御部と、
    前記送信ビームパターンの走査スケジュールを前記通信ネットワーク経由で前記第2レーダに通知する通知部とを備え、
    前記第2レーダは、
    電波を受信する受信部と、
    前記通知された送信ビームパターンの走査スケジュールを取得する取得部と、
    前記取得された送信ビームパターンの走査スケジュールに基づいて、前記受信された電波に含まれる干渉波を抑圧すべく、前記受信ビームの3次元的な指向方向を少なくともマイクロ秒単位の時刻ごとに対応付けた受信ビームスケジュールを作成する抑圧部と、
    前記作成された受信ビームスケジュールに従って受信ビームパターンを走査する受信ビーム制御部とを備える、レーダシステム。
  2. 前記抑圧部は、前記第1レーダとは異なる電波源から放射される電波に由来する干渉波を、当該電波の諸元が未知であることを前提として除去する、請求項1に記載のレーダシステム。
  3. 送信ビームを電子的に走査可能な第1レーダと、受信ビームを電子的に走査可能な第2レーダとを具備するレーダシステムに適用可能な干渉抑圧方法であって、
    前記第1レーダが、前記送信ビームの走査スケジュールを前記第2レーダに通知し、
    前記第2レーダが、前記通知された送信ビームパターンの走査スケジュールを取得し、
    前記第2レーダが、前記取得された送信ビームパターンの走査スケジュールに基づいて、受信した電波に含まれる干渉波を抑圧すべく、前記受信ビームの3次元的な指向方向を少なくともマイクロ秒単位の時刻ごとに対応付けた受信ビームスケジュールを作成し、
    前記第2レーダが、前記作成された受信ビームスケジュールに従って受信ビームパターンを走査する、干渉抑圧方法。
  4. 前記抑圧することは、前記第1レーダとは異なる電波源から放射される電波に由来する干渉波を、当該電波の諸元が未知であることを前提として除去することを特徴とする請求項3に記載の干渉抑圧方法
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