JP6415543B2 - Jak阻害剤としてのビピラゾール誘導体 - Google Patents

Jak阻害剤としてのビピラゾール誘導体 Download PDF

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Description

本出願は、米国特許仮出願(U.S.Provisional Appl.No.61/824,683,filed May 17,2013)に基づく優先権を主張する。なお、この仮出願は、その全体を援用し、本出願に組み入れる。
本発明は、ヤヌスキナーゼ(JAK)の活性を変化させ及びJAKの活性に関連した疾患、例えば、炎症性疾患、自己免疫疾患、癌および他の病気の治療に有用なビピラゾール誘導体、及びそれらの組成物と使用方法を提供する。
タンパク質キナーゼ(Pk) は、とりわけ、細胞の増殖、生存、分化、器官形成、形態形成、血管新生、組織の修復と再生などを含む多様な生物学的プロセスを調節する。タンパク質キナーゼはまた、癌を含むヒトの病気の宿主において特別な役割を果たす。低分子量ポリペプチドまたは糖タンパク質であるサイトカインは、敗血症に至る宿主炎症反応に関与する多くの経路を調節する。サイトカインは、細胞の分化、増殖及び活性化に影響を与え、宿主が病原体に適切に反応できるようにする炎症誘発性反応及び抗炎症反応を調節することができる。サイトカインの幅広いシグナル伝達は、タンパク質チロシンキナーゼのヤヌスキナーゼファミリー(JAK)とシグナル伝達性転写活性化因子 (STAT)の関与で行われる。哺乳類には4種のJAKが知られている。すなわち、 JAK1(ヤヌスキナーゼ−1)、JAK2、JAK3(白血球に特異的なヤヌスキナーゼとして知られる;JAKL;及びL−JAK)、及びTYK2 (タンパク質−チロシンキナーゼ2)である。
サイトカイン刺激による免疫反応及び炎症性反応は、病気の原因となる。すなわち、免疫システムの抑制から重症複合免疫不全(SCID) などの病態が発生し、活性亢進のまたは不適切な免疫/炎症反応は、自己免疫疾患 (例えば、喘息、全身性エリテマトーデス、甲状腺炎、心筋炎)及び強皮症、変形性関節症などの病気の原因となる(非特許文献1)。
JAK の発現不足は、多くの疾患状態に関連する。例えば、Jak1−/−マウスは、出生時に小さく、授乳に失敗し、周産期に死亡する(非特許文献2)。Jak2−/−マウス胚は、貧血状態であり、そして最終的に赤血球形成不全のために、交尾後およそ12.5日で死亡する。
JAK/STAT経路は、特に4種すべてのJKAにおいて、喘息反応、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎、及び下気道の他の関連炎症性疾患の原因の役割を担うと考えられている。JAKを介してシグナルを伝達する複数のサイトカインは、古典的なアレルギー反応であるか否かにかかわらず、鼻や副鼻腔に発症する(鼻炎や副鼻腔炎など)上気道の炎症性疾患/症状に結びついている。JAK/STAT経路は、目及び慢性アレルギー反応の炎症性疾患/症状に関与している。
癌におけるJAK/STATの活性化は、サイトカイン刺激(例えば、IL−6またはGM−CFS)によってまたはSOCS(サイトカインシグナル抑制因子:suppressor or cytokine signaling)またはPIAS(活性STATのタンパク質阻害因子:protein inhibitor of activated STAT)のようなJAKシグナル伝達の内因性抑制の減少によって起こっているといってよい(非特許文献3)。STATシグナル伝達の活性化は、JAKsの他の下流経路(例えば、Akt)と同様に、多数の癌のタイプにおける予後不良と相関している(非特許文献4)。JAK/STATを介してシグナルを伝達する循環サイトカインの上昇レベルは、悪液質及び/または慢性疲労に因果的役割を果たしている。そのため、JAKの阻害性は、潜在的な抗腫瘍作用を超えて拡大する要素があり、癌患者に有益である可能性がある。
チロシンキナーゼJAK2は、骨髄増殖性疾患、例えば多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、骨髄線維症を伴う骨髄様異形成(MMM)などの患者のために有益となり得る(非特許文献5)。JAK2V617Fキナーゼの阻害性が、造血細胞の増殖を抑える。このことは、JAK2が、PV、ET、及びMMMの患者における薬理学的阻害に対して潜在的な目標物質であることを示唆している。
それらJAKの阻害性は、乾癬などの皮膚免疫疾患、及び皮膚感作性に苦しむ患者の利益になるであろう。乾癬の持続性は、多様なケモカイン及び成長因子に加えて、複数の炎症性サイトカインに依存し(非特許文献6)、JAKを介した多数のシグナルに依存すると考えられている(非特許文献7)。
Ortmann,R.A.,T.Cheng,et al.(2000) Arthritis Res 2(1):16−32 Rodig,S.J.,M.A.Meraz,et al.(1998)Cell 93(3):373−83 Boudny,V.,及びKovarik,J.,Neoplasm.49:349−355,2002 Bowman,T.,et al.Oncogene 19:2474−2488,2000 Levin,et al.,Cancer Cell,vol.7,2005:387−397 JCI,113:1664−1675 Adv Pharmacol.2000;47:113−74
このように、(臓器移植の免疫抑制剤のような)免疫及び炎症性経路の増強または抑制を目指す新規でより効果的な医薬品、及び自己免疫疾患の予防と治療、活性亢進の炎症性反応(例えば、湿疹)、アレルギー、癌(例えば、前立腺癌、白血病、多発性骨髄腫)を引き起こす疾患、及び他の治療により引き起こされるいくつかの免疫反応(皮膚の発疹または接触皮膚炎や下痢など)に対する薬剤の開発において、JAKsのようなキナーゼを阻害する新規のあるいは改善された薬剤が求め続けられてきた。ここに記載される本発明の化合物、及びその組成物と使用方法は、それらのニーズから使用法までの広い範囲に向けられている。
本発明は、とりわけて、式Iの化合物、
及び薬学的に許容されるその塩を提供する。ここで、Y、Cy、R、R、R、R、R、及びR10を、以下に定義する。
さらに本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩、及び薬学的に許容される担体から成る組成物を提供する。
さらに本発明は、JAK1が式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩と接触することから成る、JAK1の活性を調節する方法を提供する。
さらに本発明は、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療上有効な量を患者に投与することにより、患者の異常なキナーゼ発現または活性に関連する病気や障害を治療する方法を提供する。
さらに本発明は、自己免疫疾患、癌、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群(MDS)、炎症性疾患、骨吸収疾患、または臓器移植拒絶反応の治療が必要な患者に、治療に効果的な量の式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することから成る、上記疾患の治療方法を提供する。
本発明はまた、自己免疫疾患、癌、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群(MDS)、炎症性疾患、骨吸収疾患、または臓器移植拒絶反応の治療に使用するために本明細書に記載される、式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
さらに本発明は、JAK1の調節に使用するために、本明細書に記載される式Iの化合物、または薬学的に許容されるそれらの塩を提供する。
本発明はまた、JAK1の調節法に使用する薬剤の調合に対して、本明細書に記載される式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用法を提供する。
実施例14に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。 実施例15に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。 実施例16に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。 実施例17に記載の塩のDSCサーモグラムの特徴を示す。 実施例17に記載の塩のTGAデータの特徴を示す。 実施例17に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。 実施例18に記載の塩のDSCサーモグラムの特徴を示す。 実施例18に記載の塩のTGAデータの特徴を示す。 実施例18に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。 実施例19に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。 実施例20に記載の塩のDSCサーモグラムの特徴を示す。 実施例20に記載の塩のTGAデータの特徴を示す。 実施例20に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。 実施例21に記載の塩のDSCサーモグラムの特徴を示す。 実施例21に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。 実施例22に記載の塩のXRPDパターンの特徴を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、とりわけて、式Iの化合物、
または薬学的に許容されるその塩を提供する。ここで、
Cyが、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、またはピリダジニルであり、各々が、R、R、R、及びRから独立して選択される1,2,3、または4の基により随意で置換されており、
Yは、NまたはCHであり、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル、4〜7員ヘテロシクロアルキル、4〜7員ヘテロシクロアルキル−C1−3アルキル、フェニル、フェニル−C1−3アルキル、5〜6員ヘテロアリールまたは5〜6員ヘテロアリール−C1−3アルキルであり、各々が、フルオロ、クロロ、C1−3アルキル、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−C(=O)N(C1−3アルキル)、−C(=O)NH(C1−3アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)O(C1−3アルキル)、−S(=O)(C1−3アルキル)、−S(=O)(C3−6シクロアルキル)、−C(=O)(C3−6シクロアルキル)、及び−C(=O)(C1−3アルキル)から独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、HまたはC1−3アルキルであり、ここで前述のC1−3アルキルは、フルオロ、クロロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−CF、−CHF、−CHF、NH、−NH(C1−3アルキル)、及び−N(C1−3アルキル)から独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、または、
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4、5、または6員ヘテロアルキル環を形成し、F、Cl、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−CHCN、及び−CHOHから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−O(C1−3アルキル)、または−O(C1−3フルオロアルキル)であり、
は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−O(C1−3アルキル)、または−OC(C1−3フルオロアルキル)であり、
は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−O(C1−3アルキル)、または−OC(C1−3フルオロアルキル)であり、
は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−O(C1−3アルキル)、または−OC(C1−3フルオロアルキル)であり、
は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、−NR1717a、−NHC(=O)R17b、−C(=O)NR17a17b、−NHS(=O)17b、または−S(=O)NR17a17bであり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、Cl、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−NH、−NH(CH)、−N(CH、OH、−OCH、及び−OCF、−OCHF、及び−OCHFから選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、F、Cl、C1−3アルキル、またはC1−3ハロアルキルであり、
は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、シクロプロピル、−CN、−NH、−NH(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)であり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
10は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、シクロプロピル、−CN、−NH、−NH(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)であり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
17は、C1−6アルキル、フェニルまたは5〜6員ヘテロアリールであり、各々が1、2、3、または4の、独立して選ばれるR27置換基で置換されていてもよく、
17aは、HまたはC1−3アルキルであり、
17bは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、−NH(CH)、−N(CH、OH、−OCH、及び−OCF、−OCHF、及び−OCHFから選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキルであり、及び、
各々のR27は、ハロ、−OH、NO、−CN、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、C2−3アルキニル、C1−3ハロアルキル、シアノ−C1−3アルキル、HO−C1−3アルキル、CF−C1−3ヒドロキシアルキル、C1−3アルコキシ−C1−3アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、HN−、(C1−3アルキル)NH−、(C1−3アルキル)N−、HS−、C1−3アルキル−S−、C1−3アルキル−S(=O)−、C1−3アルキル−S(=O)−、カルバミル、C1−3アルキルカルバミル、ジ(C1−3アルキル)カルバミル、カルボキシ、C1−3アルキル−C(=O)−、C1−4アルコキシ−C(=O)−、C1−3アルキル−C(=O)O−、C1−3アルキル−C(=O)NH−、C1−3アルキル−S(=O)NH−、HN−SO−、C1−3アルキル−NH−S(=O)−、(C1−3アルキル)N−S(=O)−、HN−S(=O)NH−、C1−3アルキル−NHS(=O)NH−、(C1−3アルキル)N−S(=O)NH−、HN−C(=O)NH−、C1−3アルキル−NHC(=O)NH−、及び(C1−3アルキル)N−C(=O)NH−から独立して選ばれる。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式Iaの化合物、
または薬学的に許容されるその塩である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式Iaの化合物、
または薬学的に許容されるその塩である。ここで、
Xは、NまたはCRであり、
Wは、NまたはCRであり、
Yは、NまたはCHであり、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル、4〜6員ヘテロシクロアルキル、または4〜6員ヘテロシクロアルキル−C1−3アルキルであり、各々が、フルオロ、クロロ、C1−3アルキル、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−C(=O)N(C1−3アルキル)、−C(=O)NH(C1−3アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)O(C1−3アルキル)、−S(=O)(C1−3アルキル)、−S(=O)(C3−6シクロアルキル)、−C(=O)(C3−6シクロアルキル)、及び−C(=O)(C1−3アルキル)から独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、HまたはC1−3アルキルであり;ここで前述のC1−3アルキルは、フルオロ、クロロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−CF、−CHF、−CHF、NH、−NH(C1−3アルキル)、及び−N(C1−3アルキル)から独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、または、
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4、5、または6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、フルオロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、及び−CHCNから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、−OCF、−CF、または−O(C1−3アルキル)であり、
は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、または−O(C1−3アルキル)であり、
は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、または−O(C1−3アルキル)であり、
は、H、F、Cl、−CN、またはC1−3アルキルであり、
は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、−NR1717a、−NHC(=O)R17b、−C(=O)NR17a17b、−NHS(=O)17b、または−S(=O)NR17a17bであり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、Cl、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、H、F、Cl、C1−3アルキル、またはC1−3ハロアルキルであり、
は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、シクロプロピル、−CN、−NH、−NH(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)であり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
10は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、シクロプロピル、−CN、−NH、−NH(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)であり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
17は、C1−6アルキル、フェニルまたは5〜6員ヘテロアリールであり、各々はR27から独立して選ばれる1、2、3、または4個の置換基で置換されていてもよく、
17aは、HまたはC1−3アルキルであり、
17bは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよいC1−3アルキルであり、そして、
各々のR27は、ハロ、−OH、NO、−CN、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、C2−3アルキニル、C1−3ハロアルキル、シアノ−C1−3アルキル、HO−C1−3アルキル、CF−C1−3ヒドロキシアルキル、C1−3アルコキシ−C1−3アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、HN−、(C1−3アルキル)NH−、(C1−3アルキル)N−、HS−、C1−3アルキル−S−、C1−3アルキル−S(=O)−、C1−3アルキル−S(=O)−、カルバミル、C1−3アルキルカルバミル、ジ(C1−3アルキル)カルバミル、カルボキシ、C1−3アルキル−C(=O)−、C1−4アルコキシ−C(=O)−、C1−3アルキル−C(=O)O−、C1−3アルキル−C(=O)NH−、C1−3アルキル−S(=O)NH−、HN−SO−、C1−3アルキル−NH−S(=O)−、(C1−3アルキル)N−S(=O)−、HN−S(=O)NH−、C1−3アルキル−NHS(=O)NH−、(C1−3アルキル)N−S(=O)NH−、HN−C(=O)NH−、C1−3アルキル−NHC(=O)NH−、及び(C1−3アルキル)N−C(=O)NH−から独立して選ばれる。
いくつかの実施形態において、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、F、またはClであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、メチルまたはエチルであり、及び、
10は、H、メチル、エチルまたはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、Yは、Nである。
いくつかの実施形態において、Yは、CHである。
いくつかの実施形態において、Xは、Nである。
いくつかの実施形態において、Xは、CRである。
いくつかの実施形態において、Rは、HまたはFである。
いくつかの実施形態において、Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、Rは、Fである。
いくつかの実施形態において、Wは、Nである。
いくつかの実施形態において、Wは、CRである。
いくつかの実施形態において、Rは、H、F、またはClである。
いくつかの実施形態において、Rは、HまたはFである。
いくつかの実施形態において、Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、Rは、Fである。
いくつかの実施形態において、Rは、HまたはFである。
いくつかの実施形態において、Rは、HまたはFである。
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたはメチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、Rは、メチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよい。
いくつかの実施形態において、Rは、イソプロピル、エチル、1−メチルプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、1−シクロプロピルエチル、シクロプロピル、1−トリフルオロメチルシクロプロピル、1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2,2−ジフルオロエチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、イソプロピル、エチル、1−メチルプロピル、または2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、イソプロピルである。
いくつかの実施形態において、Rは、エチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、1−メチルプロピルである。
いくつかの実施形態において、Rは、2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、Rは、メチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたはメチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、Rは、H、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、Hである。
いくつかの実施形態において、Rは、メチルである。
いくつかの実施形態において、R10は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、R10は、Hである。
いくつかの実施形態において、R10は、メチルである。
いくつかの実施形態において、R10は、エチルである。
いくつかの実施形態において、R10は、HO−CH−である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IIの化合物、
または薬学的に許容されるその塩である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IIIの化合物、
または薬学的に許容されるその塩である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IVの化合物、
または薬学的に許容されるその塩である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IIaの化合物、
または薬学的に許容されるその塩である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IIIaの化合物、
または薬学的に許容されるその塩である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IVaの化合物、
または薬学的に許容されるその塩である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式Iaの化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、ここで、
Xは、NまたはCRであり、
Wは、NまたはCRであり、
Yは、NまたはCHであり、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、F、またはClであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、メチルまたはエチルであり、及び
10は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IIの化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、ここで、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、F、またはClであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、メチルまたはエチルであり、及び
10は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IIIの化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、ここで、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、F、またはClであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、メチルまたはエチルであり、及び
10は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IVの化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、ここで、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、F、またはClであり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、メチルまたはエチルであり、及び
10は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IIaの化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、ここで、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、F、またはClであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、メチルまたはエチルであり、及び
10は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IIIaの化合物、または薬学的に許容されるその塩であり、ここで、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、F、またはClであり、
は、HまたはFであり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、メチルまたはエチルであり、及び
10は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、当該化合物は、式IVaの化合物であり、ここで、
は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基で置換されていてもよく、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、F、またはClであり、
は、HまたはFであり、
は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
は、Hまたはメチルであり、
は、H、メチルまたはエチルであり、及び
10は、H、メチル、エチル、またはHO−CH−である。
いくつかの実施形態において、本出願は、5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルベンズアミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、4−[3−(1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)−3−(シアノメチル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、5−[3−(シアノメチル)−3−(3,3’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、5−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、5−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、5−[3−(シアノメチル)−3−(3−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−エチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、4−{3−(シアノメチル)−3−[3’−(ヒドロキシメチル)−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、4−{3−(シアノメチル)−3−[3−(ヒドロキシメチル)−3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、または薬学的に許容されるその塩を提供する。
いくつかの実施形態において、本出願は、以下から選ばれる塩を提供する。
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩、
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド塩酸塩、
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド臭化水素酸塩、及び、
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド硫酸塩。
いくつかの実施形態において、当該塩は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩である。いくつかの実施形態において、当該塩は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドのリン酸に対する化学量論比は、1:1である。いくつかの実施形態において、当該塩は、結晶質である。いくつかの実施形態において、当該塩は、実質的に単離される。
いくつかの実施形態において、当該塩は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド塩酸塩である。いくつかの実施形態において、当該塩は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドの塩酸に対する化学量論比は、1:1である。いくつかの実施形態において、当該塩は、結晶質である。いくつかの実施形態において、当該塩は、実質的に単離される。
いくつかの実施形態において、当該塩は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド臭化水素酸塩である。いくつかの実施形態において、当該塩は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドの臭化水素酸に対する化学量論比は、1:1である。いくつかの実施形態において、当該塩は、結晶質である。いくつかの実施形態において、当該塩は、実質的に単離される。
いくつかの実施形態において、当該塩は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド硫酸塩である。いくつかの実施形態において、当該塩は、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドの硫酸に対する化学量論比は、1:1である。いくつかの実施形態において、当該塩は、結晶質である。いくつかの実施形態において、当該塩は、実質的に単離される。
いくつかの実施形態において、当該4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩は、約228℃で吸熱ピークを持つDSCサーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施形態において、当該リン酸塩は、実質的に図4Aに示すようなDSCサーモグラムを持つ。いくつかの実施形態において、当該リン酸塩は、回析角度2θを単位として、約6.8°、約16.5°、約19.8°、約20.7°、及び約23.6°から選ばれる少なくとも1つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該リン酸塩は、回析角度2θを単位として、約6.8°、約16.5°、約19.8°、約20.7°、及び約23.6°から選ばれる少なくとも2つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該リン酸塩は、回析角度2θを単位として、約6.8°、約16.5°、約19.8°、約20.7°、及び約23.6°から選ばれる少なくとも3つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該リン酸塩は、回析角度2θを単位として、約6.8°、約16.5°、約19.8°、約20.7°、及び約23.6°から選ばれる少なくとも4つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該リン酸塩は、実質的に図4Cに示すようなXRPDプロファイルを有する。
いくつかの実施形態において、当該4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド塩酸塩は、約213℃で吸熱ピークを持つDSCサーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施形態において、当該塩酸塩は、実質的に図5Aに示すようなDSCサーモグラムを持つ。いくつかの実施形態において、当該塩酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.0°、約12.1°、約13.7°、約14.8°、約15.5°、約16.6°、約17.1°、約19.7°、約20.4°、約20.8°、約23.9°、約24.7°、約25.1°、約25.7°、約27.4°、及び約28.3°から選ばれる少なくとも1つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該塩酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.0°、約12.1°、約13.7°、約14.8°、約15.5°、約16.6°、約17.1°、約19.7°、約20.4°、約20.8°、約23.9°、約24.7°、約25.1°、約25.7°、約27.4°、及び約28.3°から選ばれる少なくとも2つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該塩酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.0°、約12.1°、約13.7°、約14.8°、約15.5°、約16.6°、約17.1°、約19.7°、約20.4°、約20.8°、約23.9°、約24.7°、約25.1°、約25.7°、約27.4°、及び約28.3°から選ばれる少なくとも3つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該塩酸酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.0°、約12.1°、約13.7°、約14.8°、約15.5°、約16.6°、約17.1°、約19.7°、約20.4°、約20.8°、約23.9°、約24.7°、約25.1°、約25.7°、約27.4°、及び約28.3°から選ばれる少なくとも4つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該塩酸塩は、実質的に図5Cに示すようなXRPDプロファイルを有する。
いくつかの実施形態において、当該4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド臭化水素酸塩は、約203℃で吸熱ピークを持つDSCサーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施形態において、当該臭化水素酸塩は、実質的に図7Aに示すようなDSCサーモグラムを持つ。いくつかの実施形態において、当該臭化水素酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.0°、約14.4°、約17.1°、約20.2°、約21.1°、約22.8°、約23.5°、約24.9°、約26.6°、約27.1°、及び約28.2°から選ばれる少なくとも1つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該臭化水素酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.0°、約14.4°、約17.1°、約20.2°、約21.1°、約22.8°、約23.5°、約24.9°、約26.6°、約27.1°、及び約28.2°から選ばれる少なくとも2つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該臭化水素酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.0°、約14.4°、約17.1°、約20.2°、約21.1°、約22.8°、約23.5°、約24.9°、約26.6°、約27.1°、及び約28.2°から選ばれる少なくとも3つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該臭化水素酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.0°、約14.4°、約17.1°、約20.2°、約21.1°、約22.8°、約23.5°、約24.9°、約26.6°、約27.1°、及び約28.2°から選ばれる少なくとも4つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該臭化水素酸塩は、実質的に図7Cに示すようなXRPDプロファイルを有する。
いくつかの実施形態において、当該4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド硫酸塩は、約259℃で吸熱ピークを持つDSCサーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施形態において、当該硫酸塩は、約136℃、約147℃、約259℃における3つの吸熱ピークを持つDSCサーモグラムによって特徴付けられる。いくつかの実施形態において、当該硫酸塩は、実質的に図8Aに示すようなDSCサーモグラムを持つ。いくつかの実施形態において、当該硫酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.3°、約14.7°、約9.9°、約19.0°、約19.6°、約21.3°、及び約24.6°から選ばれる少なくとも1つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該硫酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.3°、約14.7°、約9.9°、約19.0°、約19.6°、約21.3°、及び約24.6°から選ばれる少なくとも2つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該硫酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.3°、約14.7°、約9.9°、約19.0°、約19.6°、約21.3°、及び約24.6°から選ばれる少なくとも3つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該硫酸塩は、回析角度2θを単位として、約7.3°、約14.7°、約9.9°、約19.0°、約19.6°、約21.3°、及び約24.6°から選ばれる少なくとも4つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態において、当該硫酸塩は、実質的に図8Bに示すようなXRPDプロファイルを有する。
異なる結晶体は、異なる結晶格子(例えば、単位セル)を持ち、通常その結果として、異なる物理特性を持つ。異なる塩形成体は、粉末X線回析(XRPD)のような固体評価手法によって特定される。他の評価方法としては、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的水蒸気収着(DVS)などがあり、塩形成体を識別し、安定性及び溶媒/水含有量を決定するのに役立つ。
XRPDの反射パターン(ピーク)は、特定の結晶体の典型的な指紋とみなされる。XRPDの相対強度は、とりわけ、サンプル調整技術、結晶粒径分布、使用した様々なフィルター、サンプルの組み付け手順、及び用いられた特定の装置によって広く変動することが良く知られている。いくつかの例では、設置した計測器の種類またはその設定条件によっては、新規のピークが観察され、または実際に在るピークが現れないということがあり得る。本明細書で使用する用語「ピーク」は、最大ピークの高さ/強度の少なくとも約4%の相対高さ/強度を持つ反射を指す。さらに、測定器の差及び他の要因が、2θ値に悪影響することがあり得る。このように、ここで報告される値におけるピークの割り当ては、プラスマイナイ約0.2°(2θ)で変動する可能性があり、及び本明細書におけるXRPDの文脈において使用される用語「実質的に」と「約」は、上述の変動を包含していることを意味する。
同様に、DSC、TGA、または他の熱分析実験との関連で読み込まれる温度は、その装置、特定の設定条件、サンプル調整などによって約±3℃の変動があり得る。従って、本明細書で報告される結晶体は、いずれの図面においても「実質的に」または「約」として示されるDSCサーモグラムを用いているのは、そのような変動に対応するためである、と理解される。
いくつかの実施形態において、そこに記載される塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」の表現によって、その化合物が、少なくとも部分的または実質的にそれが形成されまたは検出された環境から分離されることを意味する。部分的な分離とは、例えば、ここに記載される塩の中に濃縮された化合物を包含する。実質的な分離は、ここに記載される塩の重量に対して、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99%を構成する組成物、またはその塩を包含することができる。化合物およびその塩の単離方法は、当技術分野において所定の方法である。
明確化のために、別々の実施形態の文脈で記載される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態の組み合わせ(一方で、実施形態が、多数形態従属形式で書かれたかのように組み合わせることを意図している)で提供され得ることが、理解されよう。逆に、簡素化のために、単一の実施形態の文脈で記述される本発明の様々な特徴は、別々にまたはいくつかの適切な部分的な組み合わせでも提供され得る。
本明細書の様々な個所で、本発明の化合物の置換基が、群でまたは範囲で開示される。本発明は、そのような群または範囲の中の基の、互いにそしてすべてが独立した部分的な組み合わせを包含していることを明確に意図している。例えば、用語「C1−6アルキル」は、メチル、エチル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、及びCアルキルの各々を開示することを明確に意図している。
本明細書の様々な個所で、連結置換基が記述される。当該構造が、明確に連結基を要求する場合には、その基に対して一連で示されるマーカッシュ変動が、連結基であると理解される。例えば、もしその構造が連結基を求め及び「アルキル」または「アリール」の変動一覧に対するマーカッシュ形式のグループ定義を求めるならば、その「アルキル」または「アリール」は、連結のアルキレン基またはアリレン基を、各々代表すると理解される。
本明細書の様々な個所で、環状物が記載される(例えば、「ピペリジン環」)。特別の規定がない限り、これらの環状物は、原子価によって許容される限り、任意の環員に位置する分子の残基に結合させることができる。例えば、用語「2H−テトラヒドロピラン環」は、2H−テトラヒドロピラン−2−イル、2H−テトラヒドロピラン−3−イル、2H−テトラヒドロピラン−4−イル環などを指してよい。
nが通常整数である用語「n員」は、環形成原子の数がnである構成成分中の環形成原子の数を記述する。例えば、2H−テトラヒドロピランは、6員のヘテロシクロアルキル環の例であり、1H−1,2,4−トリアゾールは、5員のヘテロアリール環の例であり、ピリジンは、6員のヘテロアリール環の例であり、及び1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレンは、10員のシクロアルキル基の例である。
一回ならず変化して登場する本発明の化合物に対して、各々の変化は、その変化を決定している基から独立して選ばれる異なった1構成成分であり得る。例えば、ある同じ化合物において、同時に存在する2つのR基を持つと記載される構造の場合、この2つのR基は、Rに対して定義される基から独立して選ばれる異なった構成成分を代表することができる。他の例として、随意で複数の置換基が、ある形態の中に指定される場合、
置換基Rは、環上にp回出現することができ、及び各々の出現において構成成分は異なってよい、と理解される。各々のR基は、(CH)nの水素原子の1つまたは両方を含む、環の原子に結合したどの水素原子と交換してもよい、と理解される。さらに、上述の例において、変化するQが、いわゆるCH、NHなどのように、水素を含むと定義される場合、上記例のRのようないずれの浮動置換基も、変化するQの水素及びこの環の他のいずれの非変化成分における水素とも交換可能である。
本明細書で使用する表現「置換されていてもよい」は、非置換のまたは置換のを意味する。本明細書で使用する用語「置換された」は、1つの水素原子が取り除かれて置換基で置き換えられたことを意味する。所定の原子における置換は、原子価により制約されると理解される。
本明細書で使用する用語「Cn−mアルキル」は、単独でまたは他の用語との組み合わせで用いられ、直鎖または分岐鎖である飽和炭化水素基を指し、nからmの炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、当該アルキル基は、1から6、1から4または1から3の炭素原子を含有する。アルキル成分の例としては、非限定的だが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−ペンチル、n−ヘキシル、1,2,2−トリメチルプロピル及びそれに類する化学基を包含する。
本明細書で使用する用語「アルキレン」は、単独でまたは他の用語との組み合わせで用いられ、二価のアルキル連結基を指し、分岐または直鎖であり得て、2つの置換基が、当該アルキレン連結基のいかなる位置にも結合してよい。アルキルグループの例として、非限定的に、エタン−1,2−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル及びそれらに類するものを包含する。
本明細書で使用する用語「Cn−mアルケニル」は、1つまたはそれ以上の炭素−炭素二重結合を有し及びnからmの炭素原子を有するアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、アルケニル成分は、2から3の炭素原子を含有する。アルケニル基の例として、非限定的に、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブテニル、sec−ブテニル及びそれらに類するものを包含する。
本明細書で使用する用語「Cn−mアルキニル」は、1つまたはそれ以上の炭素−炭素三重結合を有し及びnからmの炭素原子を有するアルキル基を指す。アルキニル基の例として、非限定的に、エチニル、プロピン−1−イル及びそれらに類するものを包含する。いくつかの実施形態において、アルキニル成分は、2から3の炭素原子を含有する。
本明細書で使用する用語「C1−3アルコキシ」は、単独でまたは他の用語との組み合わせで用いられ、化学式−O−アルキルの基を指し、当該アルキル基は、1から3の炭素原子を有する。アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシ(例えば、n−プロポキシ及びイソプロポキシ)を包含する。
本明細書で使用する用語「CF−C1−3ヒドロキシアルキル」は、1つのCF基及び1つのOH基で置換されたC1−3アルキル基を指す。
(C1−3アルキル)N−、(C1−3アルキル)N−S(=O)NH−、及び(C1−3アルキル)N−C(=O)NH−にあるC1−3基は、同じであっても異なっていてもよい。
本明細書で使用する用語「カルボキシ」は、化学式−C(=O)OHの基を指す。
本明細書で使用する用語「カルバミル」は、化学式−C(=O)−NHの基を指す。
本明細書で使用する用語「C1−3アルキルカルバミル」は、化学式−C(=O)−NH(アルキル)の基を指し、ここでアルキル基は、1から3の炭素原子を有する。
本明細書で使用する用語「ジ(C1−3アルキル)カルバミル」は、化学式−C(=O)N(アルキル)の基を指し、ここで2つのアルキル基はそれぞれ、独立して、1から3の炭素原子を有する。
本明細書で使用する用語「HO−Cn−m−アルキル」は、化学式−アルキレン−OHの基を指し、ここで前述のアルキレン基は、nからmの炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、前述のアルキレン基は、1から3の炭素原子を有する。
本明細書で使用する用語「Co−pアルコキシ−Cn−m−アルキル」は、化学式−アルキレン−O−アルキルの基を指し、ここで前述のアルキルン基は、nからmの炭素原子を有し及び前述のアルキル基は、oからpの炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、当該アルキル及びアルキレン基は、互いに独立して、1から3の炭素原子を有する。
本明細書で使用する用語「ハロ」または「ハロゲン」は、単独でまたは他の用語との組み合わせで用いられ、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びイオドを包含する。いくつかの実施形態において、当該ハロ基は、フルオロまたはクロロである。
本明細書で使用する用語「Cn−mハロアルキル」は、単独でまたは他の用語との組み合わせで用いられ、同じでも異なっていてもよい最大で{2(nからm)+1}のハロゲン原子を有するCn−mアルキル基を指す。いくつかの実施形態において、当該ハロゲン原子は、フルオロ原子である。いくつかの実施形態において、当該アルキル基は、1−6または1−3の炭素原子を有する。ハロアルキル基の例として、CF、C、CHF、CCl、CHCl、CCl及びそれらに類するものを包含する。いくつかの実施形態において、当該ハロアルキル基は、フルオロアルキル基である。
本明細書で使用する用語「C1−3フルオロアルキル」は、フルオロ原子によって部分的にまたは完全に置換されていてよいC1−3アルキル基を指す。
本明細書で使用する用語「Cn−mハロアルキル」は、nからmの炭素原子を有する化学式−O−ハロアルキルの基を指す。ハロアルキル基の一例は、OCFである。いくつかの実施形態において、当該ハロアルキル基は、唯一フッ素化されている。いくつかの実施形態において、当該アルキル基は、1から6または1から4の炭素原子を有する。
本明細書で使用する用語「シアノ−Cn−mアルキル」は、1つのシアノ基により置換されたCn−mアルキルである。いくつかの実施形態において、当該アルキル基は、1から3の炭素原子を有する。
本明細書で使用する、1つの構成成分の名前の前につく用語「モノシクロ」は、その構成成分が、単一環であることを示す。
本明細書で使用する用語「フェニルアルキル」は、化学式−アルキレン−フェニルの基を指す。いくつかの実施形態において、フェニルアルキルは、フェニル−C1−3アルキルである。
本明細書で使用する用語「シクロアルキル」は、単独でまたは他の用語との組み合わせで用いられ、非芳香族環状炭化水素成分を指し、環状構造の一部に1つまたはそれ以上のアルケニレン基を、随意に含めてよい。シクロアルキル基は、単環状または多環状システム(例えば、2、3、または4の縮合環、スピロ環、または架橋環を有する)を包含することができる。またシクロアルキルの定義に含まれるものとして、シクロアルキル環に縮合した1つまたは複数の芳香族環(すなわち、共有結合を有する)を持つ構成成分、例えば、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、及びそれらのベンゾ誘導体などがある。シクロアルキル基の1つまたは複数の環形成炭素原子は、カルボニル結合を形成するために酸化され得る。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、3−7員シクロアルキルであり、単環状または二環状である。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、3−6、または3−7員の単環状シクロアルキルである。シクロアルキル基の例として、1,2,3,4− テトラヒドロナフタレン、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、 シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボルニル、ノルピニル、ノルカルニル、アダマンチル、またはそれらに類するものを包含する。いくつかの実施形態では、当該シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
本明細書で使用する用語「シクロアルキルアルキル」は、化学式−アルキレン−シクロアルキルの基を指す。いくつかの実施形態において、シクロアルキルアルキルは、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここでシクロアルキル部は、単環状である。
本明細書で使用する用語「ヘテロアリール」は、単独でまたは他の用語との組み合わせで用いられ、単環状または多環状(例えば、2、3、または4の縮合環を有する)の芳香族炭化水素成分を指し、窒素、硫黄及び酸素から選ばれる1つまたは複数のヘテロ原子を環員として有する。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、5〜6員ヘテロアリールであり、単環状または二環状であり、1から5の炭素原子及び窒素、硫黄及び酸素から独立して選ばれる1、2、3、または4のヘテロ原子環員から成る。当該ヘテロアリール基が、一つ以上のヘテロ原子環員を含有する場合、そのヘテロ原子は、同じであっても異なっていてもよい。ヘテロアリール基の例として、非限定的に、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、アゾリル、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、フラン、チオフェン、またはそれに類するものを包含する。
5員ヘテロアリールは、1つまたはそれ以上(例えば、1、2、または3)の環原子が窒素、酸素及び硫黄から独立して選ばれる5還原子を有するヘテロアリールである。5員ヘテロアリールの例として、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、及び1,3,4−オキサジアゾリルがある。
6員ヘテロアリールは、1つまたはそれ以上(例えば、1、2、または3)の環原子が窒素、酸素及び硫黄から独立して選ばれる6つの還原子を有するヘテロアリールである。6員ヘテロアリールの例として、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル及びピリダジニルがある。
本明細書で使用する用語「ヘテロアリールアルキル」は、化学式−アルキレン−ヘテロアリールの基を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールアルキルは、5〜6員ヘテロアリール−C1−3アルキルであり、ここで当該ヘテロアリール部は、単環状であり、1から5の炭素原子及び1、2、3、または4の窒素、硫黄及び酸素から独立して選ばれるヘテロ原子環員から成る。
本明細書で使用する用語「ヘテロシクロアルキル」は、単独でまたは他の用語との組み合わせで用いられ、非芳香族環状システムを指し、環構造の一部に1つまたはそれ以上のアルケニレンまたはアルキニレン基を、随意で含有してよく、及び窒素、硫黄及び酸素から独立して選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子環員を有する。当該ヘテロシクロアルキル基が、一つ以上のヘテロ原子を含有する場合、そのヘテロ原子は、同じであっても異なっていてもよい。ヘテロシクロアルキル基は、単環状または多環状(例えば、2、3または4の縮合環、スピロ環、または架橋環を有する)のシステムである。また、ヘテロシクロアルキルの定義に含まれるものは、非芳香族環、例えば、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリンおよびそれに類するものに縮合した1つまたはそれ以上の芳香族環(すなわち、共有結合を有する)を有する構成成分である。ヘテロシクロアルキル基の環にある炭素原子またはヘテロ原子は、カルボニルを形成するために酸化され得て、またはスルホニル基(または他の酸化連鎖)または窒素原子は、四級化される。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、4〜7員ヘテロシクロアルキルであり、単環状であり、2−6の炭素原子及び窒素、硫黄及び酸素から独立して選ばれる1、2、3、または4のヘテロ原子環員から成る。ヘテロシクロアルキル基の例として、アゼチジン、アゼパン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、及び2−オキソ−1,3−オキサゾリジン環を包含する。
本明細書で使用する用語「ヘテロシクロアルキルアルキル」は、化学式−アルキレン−ヘテロシクロアルキルの基を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルアルキルは、4〜7員ヘテロシクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで当該ヘテロシクロアルキル部は単環状であり、2−6の炭素原子及び窒素、硫黄及び酸素から独立して選ばれる1、2、3、または4のヘテロ原子環員から成る。
本明細書に記載の化合物は、非対称になり得る(例えば、1つまたはそれ以上の立体中心を有する)。特に明記しない限り、エナンチオマー及びジアステレオマーのような全ての立体異性体を意図する。非対称に置換された炭素原子を含有する本発明の化合物は、光学活性またはラセミ体の形で単離される。ラセミ混合物の分割により、または立体選択的合成によるなどの、光学不活性原料から光学活性体を調合する方法は、当業者には公知である。オレフィン、C=N二重結合、およびそれらに類するものを含む多数の幾何異性体は、本明細書に記載される化合物の中に存在でき、及び全てのそのような安定異性体は、本発明の中に考慮される。本発明の化合物のシス及びトランス幾何異性体が記載され、及び異性体の混合物としてまたは分離異性体として単離されるであろう。
化合物のラセミ混合物の分割は、当技術分野で公知の多数の任意の方法において実施できる。1つの例法としては、光学活性な塩形成有機酸であるキラル溶解酸を利用した部分再結晶法を包含する。部分再結晶法に適切な分割剤には、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸のD体及びL体のような光学活性な酸、またはβ−カンファースルホン酸のような様々な光学活性カンファースルホン酸がある。他の部分結晶法に適切な分割剤には、α−メチルベンジルアミン(例えば、S及びR体、またはジアステレオマー的純粋物)、2−フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N−メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、およびそれらに類するものの立体異性体的純粋物を包含する。
ラセミ混合物の分割はまた、光学活性な分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を詰めたカラム上の溶出によって実施できる。適切な溶出溶媒組成物は、当業者により決定できる。
本発明の化合物はまた、互変異性体を包含する。互変異性体は、プロトンの付随移行を伴って単結合が隣接する二重結合と入れ替わる結果、形成される。互変異性体には、同じ化学式及び総電荷量を有し、異性プロトン状態にあるプロトン互変異性体を含める。プロトン互変異性体の例として、ケトン−エノールペア、アミド−イミド酸ペア、ラクタム−ラクチンペア、エナミン−イミンペア、及びプロトンが、ヘテロシクロシステムの2つまたはそれ以上の位置を占めることができる環状体、例えば、1H−及び3H−イミダゾール、1H−、2H−及び4H−1,2,4−トリアゾール、1H−及び2H−イソインドール、及び1H−及び2H−ピラゾールを包含する。互変異性体は、適切な置換によって平衡状態にあり、または立体的に固定された一状態にあることができる。例えば、次のピラゾール環は、2つの互変異性体を形成すると認識される。
本請求項は、両方の互変異性体を包含することを意図する。
本発明の化合物はまた、中間または最終化合物の原子の全ての同位体を包含することができる。同位体は、同じ原子番号で異なる質量数を持つそれらの原子を包含する。例えば、水素同位体には、トリチウムと重水素を含める。いくつかの実施形態において、化学式Iのアゼチン環にある1、2、または3のCH基は、CHDまたはCD基に入れ変わる。いくつかの実施形態において、化学式Iのピペリジン環の1、2、または3のCHまたはCH基は、各々CHD、CDまたはCD基と入れ変わる。いくつかの実施形態において、化学式Iのピペリジン環の1、2、3、4、または5のCHまたはCH基は、各々CHD、CDまたはCD基と入れ変わる。
本明細書で使用する用語「化合物」は、すべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及び描かれた構造体の同位体を含むことを意味する。さらに、1つの特定の互変異性体の名前または構造により定義される本明細書に記載の化合物は、特に明記しない限り、他の互変異性体を含むことを意図する。
すべての化合物、及び薬学的に許容されるその塩は、水及び溶媒(例えば、水和物及び溶媒和物)などの他の物質と共に見出すことができ、または単離することができる。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物、またはその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、当該化合物が、少なくとも部分的にまたは実質的に、それが形成されたまたは検出された環境から分離されることを意味する。部分単離には、例えば、本発明の化合物に濃縮された組成物を含めることができる。実質的単離には、本発明の化合物、またはその塩の重量で、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、少なくとも約99%を構成する組成物を含めることができる。化合物及びその塩を単離する方法は、当技術分野においては日常的なことである。
表現「薬学的に許容される」とは、それら化合物、物質、組成物、及び/または投薬体が、健全な医療判断の範囲内であり、ヒト及び動物の組織接触への使用に対して、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題や合併症がなく、合理的な利点/リスク比に見合っており、適切であることを指すために本明細書で用いられる。
本明細書で使用される、「常温」及び「室温」という表現は、当業者には理解されるうえ、一般に温度、例えば反応温度を指し、反応が、例えば、約20℃から30℃の温度で進行する時の室温である。
本発明は、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩を包含する。本明細書で使用する「薬学的に許容される塩」とは、親化合物が既存の酸または塩基部位を塩の形態に変換することによって変更された本開示化合物の誘導体を指す。薬学的に許容されるその塩の例として、非限定的だが、アミンなど塩基性残基の無機又は有機酸塩、カルボン酸など酸性残基のアルカリまたは有機塩、及びそれらに類するものを包含する。本発明の薬学的に許容される塩は、例えば、非毒性無機または有機酸から形成される親化合物の非毒性塩を含む。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法により塩基または酸成分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これら化合物の遊離酸または遊離塩基が、水または有機溶媒中、またはそれらの混合溶媒中にある化学量論的量の適切な塩基または酸と反応することによって調合できる。一般的には、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、またはブタノール)、またはアセトニトリル(ACN)などの非水溶媒が好ましい。適切な塩の一覧は、Reimington‘s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に見られ、各々は、その全体を援用することにより本明細書に組み入れる。いくつかの実施形態にいて、本明細書に記載の化合物は、そのN−オキシド形態を包含する。
合成
その塩を含めた本発明の化合物は、公知の有機合成技術を使用して調合でき、及び以下のスキームにあるような多数の可能な合成ルートのいずれかに従って合成できる。本発明の化合物を合成するための反応は、有機合成分野の一つの技術によって容易に選択される好適な溶媒中で実施することができる。好適な溶媒は、原料(反応物質)、中間体、または生成物質と、反応が実施される温度、例えば、その溶媒の凝固点から沸点までの温度で、実質的に非反応性である。所定の反応は、1つの溶媒または1つ以上の混合溶媒中で実施できる。特定の反応段階に応じて、当業者によりその特定の反応段階に適した溶媒を選択できる。
本発明の化合物の合成は、多様な化学基の保護及び脱保護に関わる。保護及び脱保護の必要性、及び適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定される。保護基の化学的構造は、例えば、Wuts及びGreene,Protective Groups in Organic Synthesis, 4th ed.,John Wiley & Sons:New Jersey,(2007)に見出すことができ、その全体を援用により本明細書に組み入れる。
反応は、当技術分野で公知の任意の適切な方法に従ってモニターされる。例えば、生成物質の形成は、分光学的手法、例えば、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、吸光光度法(例えば、紫外−可視)、質量分析法、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)や薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によってモニターされる。
化学式Iの化合物は、以下のスキームの手順に類したやり方で合成できる。ビピラゾール誘導体9の一連の化合物は、スキーム1にまとめた方法に従って合成できる。芳香族酸1は、BOP、PyOP、HATU、HBTU、EDC、またはCDIのようなアミド結合試薬の使用によって、対応するアミド2に都合よく変換される。化合物3を生成するために、3−ヒドロキシアゼチジンによる化合物2にある脱離基Hal(Halは、ハロゲン、OTsまたはOTfであり得る)の交換は、非限定的だが、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたは炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下で、DMSO,ジオキサン、DMF、またはNMPのような適切な溶剤中にて、温熱条件下で達成できるし、または、ヨウ化銅(I)及び炭酸カリウムの使用による銅−触媒化のウルマン型N−アリール化反応の条件下で、またはキサントホス、BINAP、または配位子としてのP(o−Tol)及び塩基としての炭酸カリウムや炭酸セシウムを使用するパラジウム−触媒化のC−N結合反応の条件下で達成できる。α,β−不飽和ニトリル5は、ジエチルシアノメチルホスホン酸塩と、化合物3のスワーン酸化によって調製されるケトン4とのウィティヒ反応によって得ることができる。化合物6とα,β−不飽和ニトリル5とのマイケル付加反応は、ホウ酸エステル7を提供する。ホウ酸エステル7と適切なピラゾールのハロゲン化物8との鈴木カップリングは、対応するビピラゾール誘導体9を提供する。
ホウ酸エステル誘導体7の一連の化合物は、スキーム2の概要に従って合成できる。化合物6とα,β−不飽和ニトリル10のマイケル付加反応は、ホウ酸エステル11を提供する。対応するアミン12を提供するためのBoc−基の除去は、酸条件下で達成される。化合物12による、化合物2の脱離基Halの交換では、非限定的に、アセトニトリル、DMSO,ジオキサン、DMF、またはNMPのような適切な溶剤中にて、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたは炭酸ナトリウム、ヒューニック塩基またはDBUなどの塩基の存在下で、温熱条件下でホウ酸エステル7を生成する。
ビピラゾール誘導体21の一連の化合物は、スキーム3にまとめた方法に従って合成できる。ハロ−芳香族エステル13は、ハロ−芳香族エステル13とビニルホウ酸エステルとの鈴木カップリングによって、対応するアルケン14に変換できる。アルケン14は、ジクロロシクロブタノン15を与えるために、2+2環化付加反応の条件下で、適切な置換ケテン(例えば、ジクロロケテン)と反応する。還元条件下(例えば、温熱条件下の酢酸中の亜鉛)で、ジクロロシクロブタノン15は、シクロブタノン16に変換される。α,β−不飽和ニトリル17は、シクロブタノン16とホーナー・ワズワース・エモンズ試薬との反応によって形成される。化合物18を与えるために、ホウ酸エステル6は、マイケル付加反応条件下で、カップリング剤の存在の下、α,β−不飽和ニトリル17と反応する。ホウ酸エステル18と適切なピラゾールのハロゲン化物8との鈴木カップリングで、対応するビピラゾール19が提供される。塩基条件下のエステル19の加水分解で、酸20が与えられる。アミド21は、酸20と、BOP、PyBop、HATU、HBTU、EDC、またはCDIなどのアミドカップリング剤を使用した適切な置換アミンとのカップリングで合成される。
プロセス
本出願は、目的の塩を形成するために、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドと、リン酸、塩酸、臭化水素酸及び硫酸からから選ばれる酸との反応から成る本明細書に記載の塩形成のプロセスを提供する。いくつかの実施形態において、当該プロセスは、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドの1当量に対して、約0.55から1.5当量の酸を利用する。
いくつかの実施形態において、当該プロセスは、室温を上回る温度の溶媒成分中の4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドとリン酸との反応から成り、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドのリン酸塩を形成する。いくつかの実施形態において、上記温度は、約40℃から約70℃である。いくつかの実施形態において、上記温度は、約45℃から約55℃である。いくつかの実施形態において、上記溶媒成分は、エタノールを含有する。いくつかの実施形態において、上記溶媒成分は、アセトニトリルを含有する。いくつかの実施形態において、上記溶媒成分は、イソプロパノールを含有する。いくつかの実施形態において、上記溶媒成分は、メタノールを含有する。いくつかの実施形態において、上記溶媒成分は、メタノールとイソプロパノールを含有する。いくつかの実施形態において、上記溶媒成分は、メタノール、イソプロパノール及びn−ヘプタンを含有する。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、混合物を室温まで冷却し及び当該塩を単離するためのろ過から成る。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、前述のろ過の前に濃縮混合物を形成するための溶媒分の除去から成る。いくつかの実施形態において、溶媒分は、蒸留によって除去される。
本出願はさらに、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩を形成するプロセスを提供する。当該プロセスは、約40℃から約70℃のメタノールとイソプロパノールから成る溶媒成分中の4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドとリン酸との反応から成り、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩のリン酸塩から成る混合物を形成する。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、約40℃から約70℃の前記混合物にn−ヘプタンを添加することから成り、第二混合物を形成する。いくつかの実施形態において、前述の反応が、約45℃から約55℃の温度で実施される。いくつかの実施形態において、前述の反応が、約50℃の温度で実施される。
いくつかの実施形態において、本出願はさらに、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩を合成するプロセスを提供する。当該プロセスは以下から成る。
(a)4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩を約40℃から約70℃でメタノールに溶解して、第一混合物を形成し、
(b)n−ヘプタンを、約40℃から約70℃で前記第一混合物に添加して、第二混合物を形成し、及び
(c)前述の第二混合物を冷却して、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩を提供する。
いくつかの実施形態において、さらに先行する実施形態のプロセスは、ステップ(b)に先立ち、第一混合物から少なくともメタノール分を蒸留することから成る。いくつかの実施形態において、さらに先行する実施形態のプロセスは、ステップ(c)に先立ち、第二混合物から少なくともメタノール分及び/またはn−ヘプタン分を蒸留することから成る。いくつかの実施形態において、ステップ(a)及び(b)は、約45℃から約55℃の温度で実施される。いくつかの実施形態において、ステップ(a)及び(b)は、約50℃の温度で実施される。
いくつかの実施形態において、当該プロセスは、室温を上回る温度の溶媒成分中の4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドと塩酸との反応から成り、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドの塩酸塩を形成する。いくつかの実施形態において、当該反応は、おおよそ室温で実施される。いくつかの実施形態において、当該溶媒成分は、2−ブタノールから成る。いくつかの実施形態において、当該溶媒成分は、イソプロパノールから成る。いくつかの実施形態において、当該溶媒成分は、イソプロパノール及び酢酸イソロプロピルから成る。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、塩を単離するためのろ過から成る。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、単離された塩のメチルtert−ブチルエーテルでの洗浄から成る。
いくつかの実施形態において、当該プロセスは、室温を上回る温度の溶媒成分中の4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドと臭化水素酸との反応から成り、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドの臭化水素酸塩を形成する。いくつかの実施形態において、当該反応は、おおよそ室温で実施される。いくつかの実施形態において、当該溶媒成分は、イソプロパノールから成る。いくつかの実施形態において、当該溶媒成分は、イソプロパノール及び水から成る。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、塩を単離するためのろ過から成る。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、単離された塩のメチルtert−ブチルエーテルでの洗浄から成る。
いくつかの実施形態において、当該プロセスは、溶媒組成物中の4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドと硫酸との反応から成り、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオル−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドの硫酸塩を形成する。いくつかの実施形態において、当該反応は、おおよそ室温で実施される。いくつかの実施形態において、当該溶媒成分は、イソプロパノールから成る。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、塩を単離するためのろ過から成る。いくつかの実施形態において、当該反応は、約60℃で実施される。いくつかの実施形態において、当該溶媒成分は、イソプロパノール及び水から成る。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、前記混合物を室温まで冷却し、当該塩を単離するためにろ過するプロセスから成る。いくつかの実施形態において、当該プロセスはさらに、単離された塩のメチルtert−ブチルエーテルでの洗浄から成る。
方法
本発明の化合物は、JAK阻害剤であり、本発明の化合物の大部分は、JAK1選択性阻害剤である。JAK1選択性阻害剤は、他のヤヌスキナーゼより優先的にJAK1の活性を阻害する化合物である。例えば、本発明の化合物は、1つまたは複数のJAK2、JAK3、及びTYK2より優先的にJAK1を阻害する。いくつかの実施形態において、当該化合物は、JAK2より優先的にJAK1を阻害する(例えば、JAK1/JAK2のIC50比が>1)。いくつかの実施形態において、当該化合物は、JAK2よりJAK1に対して約10倍以上選択的である。いくつかの実施形態において、当該化合物は、1mMのATPにおけるIC50測定による算出では、JAK2よりJAK1に対して約3倍、約5倍、約10倍、約15倍、または約20倍以上選択的である(例えば、実施例Aを参照)。
JAK1は、調節不全の場合、多数のサイトカイン及び増殖因子シグナル伝達経路の中で中心的な役割を担い、病状をもたらしまたは病状に影響を及ぼす。例えば、悪影響をもたらすとみなされる疾患である関節リウマチにおいて、IL−6のレベルが上昇する(Fonesca,J.E.et al.,Autoimmunity Reviews,8:538−42,2009)。IL−6は、少なくとも部分的に、JAK1を介してのシグナルなので、JAK1阻害を介する直接または間接のIL−6拮抗は、臨床的な有益性を与えると期待される(Guschin,D.,N.,et al Embo J 14:1421,1995;Smolen,J.S.,et al.Lancet 371:987,2008)。さらに、いくつかの癌のJAK1においては、結果として構造性の望ましくない腫瘍細胞の増殖と生存へと変異する(Mullighan CG,Proc Natl Acad Sci USA.106:9414−8,2009;Flex E.,et al.J Exp Med.205:751−8,2008)。炎症性サイトカインが全身レベルで上昇した他の自己免疫疾患や癌において、活性JAK1は、その病気及び/または関連する症状に影響を及ぼすであろう。従って、そのような疾患を持つ患者には、JAK1阻害剤からの恩恵が期待できる。JAK1の選択性阻害剤は、他のJAKキナーゼへの阻害による不必要で潜在的に望ましくない影響を回避しながら、効果を発揮するであろう。
JAK1の選択性阻害剤は、他のJAKキナーゼとの比較において、無選択性阻害剤に比べて複数の治療上の利点がある。JAK2に対する選択性に関しては、多数の重要なサイトカイン及び増殖因子が、例えば、エリスポエチン(Epo及びトロンボオエチン(Tpo)を含むJAK2を介して、シグナル伝達される(Parganas E,et al.Cell.93:385−95,1998)。Epoは、赤血球産生の重要増殖因子であり、よって、Epo依存−シグナル伝達の不足は、赤血球の数を減らし、結果として貧血に至る(Kaushansky K,NEJM 354:2034−45,2006)。他のJAK2−依存の増殖因子の例であるTpoは、巨核球−血小板が産生される細胞の増殖と成熟の制御に中心的な役割を果たす(Kaushansky K,NEJM 354:2034−45,2006)。このように、Tpoシグナル伝達の減少は、巨核球数を減らし(巨核球数減少症)及び血小板数の循環を低下させる(血小板減少症)。このことは、結果として望ましくない及び/または制御不能な出血につながる。他のJAK、例えばJAK3及びTyk2の阻害性低下は、これらのキナーゼの機能バージョンに欠けているヒトが、重度複合免疫不全や高グロブリン血症E症候群など多くの病気に苦しむことに示されるように、望ましいであろう(Minegishi,Y,et al.Immunity 25:745−55,2006;Macchi P,et al.Nature.377:65−8,1995)。従って、他のJAKとの関係の少ないJAK1阻害剤は、免疫抑制、貧血及び血小板減少症を伴う副作用の低減に関連して、無選択性阻害剤に比べて大きな利点を有するであろう。
本発明の他の態様は、必要に応じて、本発明の化合物または薬学的に許容されるその組成物の治療に効果的な量または投与量を、個人(例えば、患者)に処置することにより、当該個人のJAK関連の病気や障害を治療する方法に関わる。JAK関連疾患は、JAKの発現または活性、過剰発現及び/または異常活性レベルを含むが、直接または間接に関連するいなかる病気、障害または症状をも包含し得る。JAK関連疾患はまた、JAK活性を調節することにより予防され、改善され、または治癒されるいなかる病気、障害または症状をも包含し得る。
JAK関連疾患の例として、例えば、臓器移植の拒絶反応(同種移植拒絶反応や移植片対宿主病など)を含む免疫系関連疾患を包含する。
さらにJAK関連疾患の例として、多発性硬化症、関節リウマチ、若年性関節炎、乾癬性関節炎、I型糖尿病、狼瘡、乾癬、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、重症筋無力症、免疫グロブリン腎症、心筋炎、自己免疫性甲状腺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、およびそれらに類する自己免疫疾患を包含する。いくつかの実施形態において、前記自己免疫疾患は、尋常性天疱瘡(PV)や水疱性類天疱瘡(BP)など自己免疫性水疱性皮膚疾患である。
さらなるJAK関連疾患の例として、喘息、食物アレルギー、湿疹性皮膚炎、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎(アトロパアトピー性皮膚炎)、鼻炎などのアレルギー症状を包含する。JAK関連疾患のそれ以上の例として、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)、B型肝炎、C型肝炎、HIV、白血病1、水痘−帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)などのウイルス性疾患を包含する。
さらなるJAK関連疾患の例として、例えば、痛風関節炎、敗血症または感染性関節炎、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、疼痛性ジストロフィー、ティーツェ症候群、肋骨関節疾患、変形性関節症変形性風土病、ムセレニ病(Mseleni disease)、ハンディゴデュ病(Handigodu disease)、変性線維筋痛、全身性エリテマトーデス、強皮症、または強直性脊椎炎などの軟骨代謝回転に関連する疾患を包含する。
JAK関連疾患のそれ以上の例として、遺伝性軟骨溶解を含む先天性軟骨奇形、軟骨異形成症、及び偽軟骨異形成(小耳症、無耳症、及び骨幹端軟骨異形成)を包含する。
さらなるJAK関連疾患または症状の例として、乾癬(例えば、尋常性乾癬)、アトピー性皮膚炎、皮膚の発疹、皮膚刺激性、皮膚感作性(例えば、接触性皮膚炎やアレルギー性接触性膚炎)などの皮膚疾患を包含する。例えば、局所的に適用された医薬品を含む特定の物質は、皮膚感作性を引き起こす可能性がある。いくつかの実施形態において、望ましくない感作性を引き起こす薬剤と、少なくとも1つの本発明のJAK阻害剤との重複投与または連続投与は、望ましくない感作性や皮膚炎の治療に効果を発揮できる。いくつかの実施形態において、前記皮膚疾患は、少なくとも1つの本発明のJAK阻害剤の局所投与によって治療される。
さらなる実施形態において、当該JAK関連疾患は、腫瘍により特徴付けられる癌(例えば、前立腺癌、腎癌、肝癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、肺癌、頭頸部及び神経の癌、甲状腺癌、膠芽腫、カポジ肉腫、キャッスルマン病、子宮平滑筋肉腫、悪性黒色腫などの癌)、血液癌(例えば、リンパ腫、急性のリンパ芽球性白血病(ALL)などの白血病、急性骨髄性白血病(AML)や多発性骨髄腫)、及び皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)と皮膚B細胞リンパ腫などの皮膚癌である。CTCLの例としては、セザリー症候群及び菌状息肉腫がある。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるJAK阻害剤、または他のJAK阻害剤との組み合わせは、例えば、U.S.Ser.No.11/637,545に報告され、そしてその全体を援用することによりここに組み入れるが、炎症関連癌の治療に使用可能である。いくつかの実施形態において、前記癌は、炎症性腸疾患に関連する。いくつかの実施形態において、前記炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎である。いくつかの実施形態において、前記炎症性腸疾患は、クローン病である。いくつかの実施形態において、前記炎症性関連癌は、大腸炎関連癌である。いくつかの実施形態において、前記炎症性関連癌は、大腸癌または結直腸癌である。いくつかの実施形態において、前記癌は、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、腺癌、小腸癌、または直腸癌である。
JAK関連疾患は、さらに以下の発現で特徴づけられる疾患を包含し得る。偽キナーゼドメインに少なくとも1つの変異体を有するようなJAK2変異体(例えば、JAK2V617F)、偽キナーゼドメインの外に少なくとも1つの変異体を有するJAK2変異体、JAK1変異体、JAK3変異体、エリスロポエチン受容体(EPOR)の変異体、またはCRLF2の脱調節発現。
JAK関連疾患はさらに、真性多血症(PV)のような骨髄増殖性疾患(MPD)、本態性血小板血症(ET)、骨髄様異形成(MMM)を伴った骨髄線維症、原発性骨髄線維症(PMF)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、好酸球増加症候群(HES)、全身性肥満細胞症(SMCD)、及びそれらに類するものを包含することができる。いくつかの実施形態において、前記骨髄増殖性疾患は、骨髄線維症である(例えば、原発性骨髄線維症(PMF)または真性多血症/本態性血小板血症後骨髄線維症(Post−PV/ET MF))。いくつかの実施形態において、前記骨髄増殖性疾患は、本態性血小板血症後骨髄線維症(Post−ET MF)である。いくつかの実施形態において、前記骨髄増殖性疾患は、真性多血症後骨髄線維症(Post−PV MF)である。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のJAK阻害剤は、さらに骨髄異形成症候群(MDS)の治療を必要とする患者に使用できる。いくつかの実施形態において、前記患者は、赤血球輸血依存である。
本明細書に使用される骨髄異形成症候群は、1つまたは複数の主要な骨髄球系細胞系統における無効造血によって特徴付けられる異種とクローンの造血器疾患を網羅することを意図する。骨髄異形成症候群は、骨髄障害、末梢血血球減少、及び急性骨髄性白血病(AML)の進行する傾向と関連付けられる。さらに、MDS症例の約50%で、クローンの細胞遺伝学的異常が検出される。1997年、世界保健機関(WHO)が、血液病理学会(SH)及び欧州血液病理学会(EAHP)と協力して、造血腫瘍に対する新規分類を提案した(Harris,et al.,J Clin Oncol 1999;17:3835−3849;Vardiman,et al.,Blood 2002;100:2292−2302)。MDSに対して、WHOは、MDSのサブセットを定義するために、フランス−アメリカ−イギリス(FAB)分類からの形態学的条件を利用しただけではなく、使用可能な遺伝的、生物学的、及び臨床的特徴を組み込んだ(Bennett,et al.,Br J Haematol 1982;51:189−199)。2008年、新規の臨床的及び科学的情報を組み込むことによって、単一血球系統異形成の詳細でかつ予後関連の下位分類を許諾するために、MDSのWHO分類(表1)がさらに洗練された(Vardiman,et al.,Blood 2009;114:937−951;Swerdlow,et al.,「造血系とリンパ組織の腫瘍WHO分類。第4版」。Lyon France:IARC Tress;2008:88−103;Bunning及びGerming,「骨髄異形成症候群/腫瘍」第5章,Swerdlow,et al,eds.「造血系とリンパ組織の腫瘍WHO分類(第4版)」。Lyon,France:IARC Press;2008:88−103)。
いくつかの実施形態において、前記骨髄異形成症候群は、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)である。
いくつかの実施形態において、前記骨髄異形成症候群は、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)である。
いくつかの実施形態において、前記骨髄異形成症候群は、多血球系異形成を伴う不応性血球減少である。
いくつかの実施形態において、前記骨髄異形成症候群は、芽球増加を伴う不応性貧血−1(RAEB−1)である。
いくつかの実施形態において、前記骨髄異形成症候群は、芽球増加を伴う不応性貧血−2(RAEB−2)である。
いくつかの実施形態において、前記骨髄異形成症候群は、分類不能型骨髄異形成症候群(MDS−U)である。
いくつかの実施形態において、前記骨髄異形成症候群は、del(5q)単独の染色体異常を伴う骨髄異形成症候群である。
いくつかの実施形態において、前記骨髄異形成症候群は、赤血球生成促進剤に対して不応性である。
さらに本発明は、本発明の化合物を含有する局所製剤の投与による乾癬または他の皮膚疾患の治療方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるJAK阻害剤は、肺動脈高血圧症の治療に使用できる。
さらに本発明は、本発明の化合物の投与による、他の医薬品の皮膚への副作用の治療法を提供する。例えば、多数の医薬品が、ざ瘡様発疹または関連皮膚炎としてとして現れる望ましくないアレルギー反応をもたらす。そのような望ましくない副作用をもたらす医薬品の例として、ゲフィチニブ、セツキシマブ、エルロチニブ、及びそれらに類する抗癌剤がある。本発明の化合物は、望ましくない皮膚の副作用を持つ医薬品と組み合わせて(例えば、同時にまたは連続的に)、全身的または局所的に(例えば、皮膚炎の周囲に局所的に)投与できる。いくつかの実施形態において、他の医薬品を本開発の化合物なしで局所に適用し、接触性皮膚炎、アレルギー性接触感作性や類似の皮膚疾患を引き起こした時、本発明の化合物を、1つまたは複数の他の医薬品と組み合わせて局所的に投与できる。従って、本発明の組成物は、本発明の化合物及び皮膚炎、皮膚疾患、または関連する副作用を引き起こすさらなる医薬品を含有する局所製剤を包含する。
さらにJAK関連疾患は、炎症や炎症性疾患を包含する。炎症性疾患の例として、類肉腫症、目の炎症性疾患(例えば、虹彩炎、ぶどう膜炎、強膜炎、結膜炎、または関連疾患)、呼吸器官の炎症性疾患(例えば、鼻炎または副鼻腔炎などの鼻や副鼻腔を含む上気道、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患等を含む下気道、及びそれらに類するもの)、心筋炎などの炎症性筋障害、及び他の炎症性疾患の炎症性疾患がある。いくつかの実施形態において、眼の炎症疾患は眼瞼炎である。
本明細書に記載される当該JAK阻害剤は、さらに脳卒中や心不全など炎症性虚血性の事象に関連する虚血再灌流傷害または病気または症状の治療に使用できる。本明細書に記載される当該JAK阻害剤は、さらにエンドトキシンに引き起こされた病状(例えば、バイパス手術の合併症または慢性心不全につながる慢性エンドトキシン状態)の治療に使用できる。本明細書に記載される当該JAK阻害剤は、さらに癌の結果としてまたはそれに関連した食欲不振、悪液質、または疲労の治療に使用できる。本明細書に記載される当該JAK阻害剤は、さらに再狭窄、強皮症、または線維症の治療に使用できる。本明細書に記載される当該JAK阻害剤は、さらに、例えば、低酸素関連疾患または糖尿病網膜症、癌、または神経変性疾患などのアストログリア増殖症の治療に使用できる。以下を参照のこと、例えば、Dudley,A.C.et al.Biochem.J.2005,390(Pt 2):427−36及びSriram,K.et al.J.Biol.Chem.2004,279(19):19936−47.Epub 2004 Mar 2があり、両方の全体を援用により本明細書に組み入れる。本明細書に記載されるJAK阻害剤は、アルツハイマー病の治療に使用できる。
本明細書に記載されるJAK阻害剤は、さらに全身性炎症反応症候群(SIRS)及び敗血症性ショックなどの他の炎症性疾患を治療するために使用できる。
本明細書に記載されるJAK阻害剤は、さらに例えば、痛風及び良性前立腺肥大症や良性前立腺過形成による前立腺の拡大の治療に使用できる。
さらにJAK関連疾患には、骨粗鬆症、変形性関節症などの骨吸収性の病気が含まれる。骨吸収は、ホルモン不均衡及び/またはホルモン療法、自己免疫疾患(例えば、骨サルコイドーシス)、または癌(例えば骨髄腫)などの他の症状との関連があり得る。当該JAK阻害剤により、骨吸収を、約10%、約20%、約 30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%低減することができる。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のJAK阻害剤は、さらにドライアイ疾患を治療するために使用できる。本明細書で使用する「ドライアイ疾患」とは、ドライアイワークショップ(DEWS)の最近の公式レポートに要約される病気の状態を網羅することを意図する。上記レポートは、ドライアイを「不快感症状を引き起こす涙と眼表面の多因子疾患、視覚障害、及び眼表面への潜在的損傷を伴う涙液膜の不安定化。涙膜の浸透圧の上昇及び眼表面の炎症を伴う」と定義する。Lemp、「ドライアイ疾患の定義と分類:国際ドライアイワークショップの定義と分類の小委員会の報告」、The Ocular Surface,5(2),75−92 April 2007は、その全体を援用により本明細書に組み入れる。いくつかの実施形態において、前記ドライアイ疾患は、涙液水欠ドライアイ(ADDE)または蒸発型ドライアイ疾患、またはそれらの適切な組み合わせから選定される。いくつかの実施形態において、前記ドライアイ疾患は、シェーグレン症候群ドライアイ(SSDE)である。いくつかの実施形態において、前記ドライアイ疾患は、非シェーグレン症候群ドライアイ(NSSDE)である。
さらなる1つの態様において、本発明は、結膜炎、ぶどう膜炎(慢性ぶどう膜炎を含む)、脈絡膜炎、網膜、眼病、強膜炎(sclieritis)、上強膜炎または虹彩炎の治療法、角膜移植、LASIK(近視のレーザーアシスト)、光学的角膜切除、またはLASEK(レーザーアシストの上皮下角膜切削形成術)に関連する炎症または痛みの治療法、角膜移植、LASIK、レーザー屈折矯正角膜切除、またはLASEKに関連する視力低下の抑制法、または、必要に応じて、患者の移植拒絶の抑制法、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩の治療上有効な量の上記患者への投与から成る治療法を提供する。
加えて、本発明の化合物、またはU.S.Ser.No.11/637,545に報告されているような他のJAK阻害剤との組み合わせにおいて、その全体を援用して本明細書に組み入れるが、呼吸不全や、インフルエンザ及びSARSのようなウイルス感染症に関連する障害の治療に使用できる。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載の任意の病気や障害の治療法に使用するために、本明細書のいずれかの実施形態において記載される化学式Iの化合物、薬学的に許容されるその塩を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載の任意の病気や障害の治療法に使用する薬剤の調合に対して、本明細書のいずれかの実施形態においても記載される化学式Iの化合物の使用を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、JAK1の調節法に使用するために、本明細書に記載の化学式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩を提供する。いくつかの実施形態において、本発明はまた、JAK1の調節法に使用する薬剤の調合に対して、本明細書に記載の化学式Iの化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用を提供する。
本明細書で使用する用語「接触している」は、インビトロ系またはインビボ系において指示成分と共に用いることを指す。例えば、JAKが本発明の化合物と「接触している」とは、本発明の化合物を、JAKを有するヒトのような個人または患者に投与する、及び同様に、例えば、JAKを含有する細胞または精製調合サンプルに本発明の化合物を導入することを包含する。
本明細書で互換的に使用する用語「個人」または「患者」とは、哺乳類を含むいずれかの動物を指し、好ましくはマウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、犬、猫、豚、牛、羊、馬、または霊長類を指し、及び最も好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用するフレーズ「治療に効果的な量」とは、研究者、獣医師、医師や他の臨床医によって、組織、システム、動物、個人やヒトに求められる生物学的または薬学的応答を誘発する活性化合物または薬剤の量を指す。いくつかの実施形態において、当該治療に効果的な量とは、約5mgから約1000mg、または約10mgから約500mgである。
本明細書で使用する用語「治療する」または「治療」は、1つまたは複数の以下の内容を指す。(1)病気を予防すること;例えば、疾患の傾向にある、未だ経験していない病気、症状または障害がある、または疾患の症状または徴候を露呈している個人の病気、症状または障害を予防すること;(2)病気を阻害すること;例えば、病気、症状または障害の病状または徴候を経験しているまたは露呈している(すなわち、その病状及び/または徴候のさらなる亢進を引き起こしつつある)、個人の病気、症状または障害を阻害すること;及び(3)病気を改善すること;例えば、病気、症状または障害の病状または徴候を経験しているまたは露呈している個人の病気、症状、または障害を改善する(すなわち、病気の重症度合いを低めるように病状及び/または徴候を反転させる)。
併用療法
本明細書に記載される方法は、1つまたは複数の追加治療薬の投与からさらに成り得る。前述の1つまたは複数の追加治療薬は、併用してまたは連続して患者に投与できる。
いくつかの実施形態において、当該方法は、IMiD、及び抗−IL−6薬、抗−TNF−α薬、低メチル化薬、及び生体応答調節剤(BRM)から選択される追加治療薬の投与からさらに成り得る。
一般的に、BRMは、病気治療のために生きている生物から作られる物質で、体内で自然に発生するかまたは実験室で作られるものである。BRMの例としては、IL−2、インターフェロン、様々なタイプのコロニー刺激因子(CSF、GM−CSF、G−CSF)、アブシキシマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、及び高用量アスコルビン酸などのモノクローナル抗体を包含する。
いくつかの実施形態において、前述の抗−TNF−α薬は、インフリキシマブ、及びエタネルセプトである。
いくつかの実施形態において、前述の低メチル化薬は、DNAメチル基転移酵素阻害剤である。いくつかの実施形態において、DNAメチル基転移酵素阻害剤は、5アザシチジン及びデシタビタンから選択される。
一般的に、IMiDは、免疫調整剤である。いくつかの実施形態において、前述のIMiDは、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドマイド、CC−11006、及びCC−10015から選択される。
いくつかの実施形態において、当該方法は、抗胸腺細胞グロブリン、遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球単球CSF(GM−CSF)、赤血球産生促進剤(ESA)、及びシクロスポリンから選択される追加治療薬の投与からさらに成る。
いくつかの実施形態において、当該方法は更に、追加JAK阻害剤の患者への投与から成る。いくつかの実施形態において、前述の追加JAK阻害剤は、トファシチニブまたはルクソリチニブである。
1つまたは複数の追加薬剤、例えば、化学療法薬、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制薬、及び、例えば、WO2006/056399に記載され、全体として援用により本明細書に組み込まれるPI3Kδ、mTor、Bcr−Abl、Flt−3、RAF及びFAKキナーゼなどの阻害剤、または他の薬剤は、JAK関連の疾患、障害または症状の治療のために本明細書に記載の化合物との組み合わせで使用できる。前述の1つまたは複数の追加薬剤は、併用でまたは連続して患者に投与できる。
化学療法薬の例として、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、サリドマイド、レブリミド及びメルファラン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、エトポシド、カルムスチン、およびそれらに類するDNA−損傷薬を包含する。
ステロイドの例として、デキサメタゾンやプレドニゾンなどのコルチコステロイドを包含する。
Bcr−Abl阻害剤の例として、U.S.Pat.No.5,521,184、WO 04/005281、及びU.S.Ser.No.60/578,491に記載される属及び種の化合物、及び薬学的に許容されるそれらの塩を包含し、それら特許の全体を援用により本明細書に組み入れる。
適切なFlt−3阻害剤の例として、WO 03/037347、WO 03/099771、及びWO 04/046120に記載の化合物、及び薬学的に許容されるそれらの塩を包含し、それら特許の全体を援用により本明細書に組み入れる。
適切なRAF阻害剤の例として、WO 00/09495、及びWO 05/028444に記載の化合物、及び薬学的に許容されるそれらの塩を包含し、両特許の全体を援用により本明細書に組み入れる。
適切なFAK阻害剤の例として、WO 04/080980、WO 04/056786、WO 03/024967、WO 01/064655、WO 00/053595、及びWO 01/014402に記載の化合物、及び薬学的に許容されるそれらの塩を包含し、それら特許の全体を援用により本明細書に組み入れる。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の本発明の化合物は、特にイマチニブや他のキナーゼ阻害剤に耐性がある患者の治療のために、イマチニブを含む1つまたは複数の他のキナーゼ阻害剤との組み合わせで使用できる。
いくつかの実施形態において、適切な化学療法薬は、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ1阻害剤、プラチナ類似物、タキサン系薬剤、アンスラサイクリン、及びEGFR阻害剤、そしてそれらの組み合わせから選択できる。
いくつかの実施形態において、代謝拮抗薬は、カペシタビン、ゲムシタビン、及びフルオロウラシル(5−FU)を包含する。
いくつかの実施形態において、タキサン系薬剤は、パクリタキセル、アブラキサン(登録商標)(パクリタキセル注射用懸濁液の蛋白結合粒子)、及びタキソテール(登録商標)(ドセタキセル)を包含する。
いくつかの実施形態において、プラチナ類似物は、オキサリプラチン、シスプラチン、及びカルボプラチンを包含する。
いくつかの実施形態において、トポイソメラーゼ1阻害剤は、イリノテカン及びトポテカンを包含する。
いくつかの実施形態において、アンスラサイクリンは、ドキソルビシンまたはドキソルビシンのリポソーム製剤を包含する。
いくつかの実施形態において、前述の化学療法薬は、FOLFIRINOX(5−FU、ロイコボリン、イリノテカン及びオキサリプラチン)である。いくつかの実施形態において、当該化学療法薬は、ゲムシタビン及びアブラキサン(登録商標)(パクリタキセル注射用懸濁液の蛋白結合粒子)である。
いくつかの実施形態において、本発明の1つまたはそれ以上のJAK阻害剤は、多発性骨髄腫などの癌の治療に化学療法薬との組み合わせで使用でき、そして、その毒性影響の悪化が無く、化学療法薬だけの効果と比較してその治療効果を向上させるであろう。多発性骨髄腫の治療に使用する追加薬剤の例として、例えば、非限定的だが、メルファラン、メルファランとプレドニゾン[MP]の併用、ドキソルビシン、デキサメタゾン、及びベルケイド(ボルテゾミブ)を包含することができる。多発性骨髄腫の治療に使用するさらなる追加薬剤として、Bcr−Abl、Flt−3、RAF及びFAKキナーゼの阻害剤を包含する。付加効果あるいは相乗効果は、本発明のJAK阻害剤と追加薬との組み合わせの望ましい結果である。さらに、多発性骨髄腫細胞のデキサメタゾンなどの薬剤への耐性は、本発明のJAK阻害剤による治療に対しては可逆的であろう。当該薬剤は、一回のまたは継続的な投与の形態で、本発明の化合物と組み合わせて使用でき、または別の投与形態として併用でまたは連続して投与できる。
いくつかの実施形態において、デキサメタゾンなどのコルチコステロイドは、デキサメタゾンが継続的ではなく断続的に投与される場合には、少なくとも1つのJAK阻害剤との組み合わせで患者に投与される。
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の本発明のJAK阻害剤と他の治療薬との組み合わせは、骨髄移植または幹細胞移植の前に、移植中に、及び/またはその後に、患者に投与できる。
いくつかの実施形態において、前述の追加治療薬は、フルオシノロンアセトニド(Retisert(登録商標))、またはリメキソロン(AL−2178、Vexol、Alcon)である。
いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、シクロスポリン(Restasis(登録商標))である。
いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、コルチコステロイドである。いくつかの実施形態において、前記コルチコステロイドは、トリアムシノロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、コーチゾン、プレドニゾロン、またはフルメトロンである。
いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、DehydrexTM(Holles Labs)、Civamide(Opko)、ヒアルロン酸ナトリウム(Vismed、Lantibio/TRB Chemedia)、シクロスポリン(ST603、Sirion Therapeutics)、ARG101(T)(テストステロン、Argentis)、AGR1012(P)(Argentis)、エカベトナトリウム(千寿製薬−Ista)、ゲファルナート(参天製薬)、15−(s)−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(15(S)−HETE)、セビメリン、ドキシサイクリン(ALTY−0501、Alacrity)、ミノサイクリン、iDestrinTM(NP50301、Nascent Pharmaceuticals)、シクロスポリンA(Nova22007、Novagali)、オキシテトラサイクリン(ズラマイシン、MOLI1901、Lantibio)、CF101(2S,3S,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−[6−[3−イオドフェニル]メチルアミノ]プリン−9−イル]−N−メチル−オキソラン−2−カルバミル、Can−Fite Biopharma)、ボクロスポリン(LX212またはLX214、Lux Biosciences)、ARG103(Agentis)、RX−10045(合成レゾルビン類似体、Resolvyx)、DYN15(Dyanmis療法薬)、リボグリタゾン(DE011、第一三共製薬)、TB4(RegeneRx)、OPH−01(Ophtalmis Monaco)、PCS101(Pericor Science)、REV1−31(Evolutec)、ラクリチン(千寿製薬)、レバミピド(大塚製薬−ノバルティス)、OT551(Othera)、PAI−2(ペンシルバニア大学及びテンプル大学)、ピロカルピン、タクロリムス、ピメクロリムス(AMS981、Novartis)、エタボン酸ロテプレドノール、リツキシマブ、ジクアホソルテトラナトリウム(INS365、Inspire)、KLS−0611(キッセイ薬品工業)、デヒドロエピアンドロステロン、アナキンラ、エファリツマブ、ミコフェノールナトリウム、エタネルセプト(Embrel(登録商標))、ヒドロキシクロロキン、NGX267(TorreyPines療法薬)、アクテムラ、ゲムシタビン、オキサリプラチン、L−アスパラギナーゼ、またはサリドマイドから選択される。
いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、抗血管新生剤、コリン作動性アゴニスト、TRP−1受容体モジュレーター、カルシウムチャネルのブロッカー、ムチン分泌促進剤、MUC1覚醒剤、カルシニューリン阻害剤、コルチコステロイド、P2Y2受容体作動薬、ムスカリン受容体作動薬、mTOR阻害剤、他のJAK阻害剤、Bcr−Ablキナーゼ阻害剤、Flt−3キナーゼ阻害剤、RAFキナーゼ阻害剤、及びFAKキナーゼ阻害剤などの、例えば、WO 2006/056399に記載されて、全体を援用することにより本明細書に組み入れられているものである。いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、テトラサイクリン誘導体(例えば、ミノサイクリンまたはドキシサイクリン)である。いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、FKBP12に結合する。
いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、アルキル化剤またはDNA架橋剤;代謝拮抗薬/脱メチル化剤(例えば、5−フルオロウラシル(flurouracil)、カペシタビンまたはアザシチジン);抗ホルモン療法(例えば、ホルモン受容体拮抗薬、SERMs、またはアロマターゼ阻害剤);有糸分裂阻害剤(例えば、ビンクリスチンまたはパクリタキセルなど);トポイソメラーゼ(IまたはII)阻害剤(例えば、ミトキサントロン及びイリノテカン);アポトーシス誘導物質(例えば、ABT−737);核酸療法 (例えば、アンチセンスまたはRNAi);核内受容体リガンド(例えば、アゴニスト及び/または拮抗薬: オールトランスレチノイン酸またはベキサロテン);ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(例えば、ボリノスタット)などのエピジェネティックターゲット薬、低メチル化剤(例えば、デシタビン);Hsp90阻害剤のようなタンパク質安定化調整因子、ユビキチン及び/またはユビキシン様共役分子または脱共役分子;またはEGFR阻害剤(エルロチニブ)である。
いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、鎮痛点眼薬(「人工涙液」として知られる)であり、非限定的に、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、グリセリン、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)またはカルボキシメチルセルロースを含有する組成物を包含する。人工涙液は、涙液層の低下した潤いと潤滑能力を補正することでドライアイの治療に役立つ。いくつかの実施形態において、当該追加治療薬は、N−アセチル−システインなどの粘液溶解薬であり、ムコタンパク質と相互作用し、涙液層の粘度を下げる。
いくつかの実施形態において、前述の追加治療薬は、抗生物質、抗ウイルス、抗真菌薬、麻酔薬、ステロイド性と非ステロイド性の抗炎症薬を含む抗炎症剤、抗アレルギー剤を包含する。適切な薬剤の例としては、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、ストレプトマイシン、ネチルマイシン、及びカナマイシンなどのアミノグリコシド系抗生物質;シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、ロメフロキサシン、レボフロキサシン、エノキサシンなどのフルオロキノン;ナフチリジン;スルホンアミド;ポリミキシン;クロラムフェニコール;ネオマイシン;パラモマイシン;コリスチメタート;バシトラシン;バンコマイシン;テトラサイクリン系抗生物質;リファンピンとその誘導体(「rifampin」);サイクロセリン;β−ラクタム;セファロスポリン;アンホテリシン;フルコナゾール;フルシトシン;ナタマイシン;ミコナゾール;ケトコナゾール;コルチコステロイド;ジクロフェナク;フルルビプロフェン;ケトロラク;スプロフェン;クロモグリク酸;ロドキサミド;レボカバスチン;ナファゾリン;アンタゾリン;フェニラミン;またはアザライド系抗生物質を包含する。
医薬製剤及び投薬形態
医薬的に採用する場合、本発明の化合物は、薬剤組成物の形態で投与できる。これらの組成物は、製薬分野ではよく知られている方法で調合することができ、及び局所または全身の治療が必要かどうか、さらに治療の場所によって、多様な経路で投与できる。投与は、局所(経皮、表皮、眼及び鼻腔内を含む粘膜、膣と直腸への送達を包含する)、肺(例えば、吸入、粉末の送気または噴霧を含むエアロゾルによって;気管内や鼻腔内)、経口または静脈であってよい。非経口投与には、静脈内投与、動脈内投与、皮下投与、腹腔筋肉内投与または注射または点滴;または頭蓋内投与、例えば、髄腔内または脳室内投与を包含する。非経口投与には、一回のボーラス投与を含めることができ、または、例えば、持続灌流ポンプによるものを含めてよい。局所投与のための薬剤組成物及び製剤処方物には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液体、粉末を含めてよい。従来からの薬剤担体、水溶液、粉末またはオイル基材、増粘剤およびそれらに類するものが、必要または望ましい場合がある。
本発明はまた、有効成分として、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体(賦形剤)との組み合わせで含有する薬剤組成物を包含する。いくつかの実施形態において、上記組成物は、局所投与に好適である。本発明の組成物の製造において、その有効成分は、典型的には賦形剤と混合され、賦形剤で希釈されまたは、例えば、カプセル、包袋、紙、または他の包含材の形態での担体で包まれている。上記賦形剤が、希釈剤として働く場合には、それは固体、半固体、または液体材料であってよく、有効成分の搬送体、担体、または媒体として働く。このように、当該組成物は、錠剤、丸薬、粉末、飴、包袋、カシェー、エリキシル剤、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体または液体媒体)、例えば、活性な化合物、軟及び硬ゼラチンのカプセル、坐剤、無菌注射溶液、及び滅菌パッケージ化された粉末の重量の最大10%を含有している軟膏の形態であり得る。
製剤の調合において、当該活性化合物は、他の含有物との組み合わせの前に、最適な粒径を得るために粉砕される。もし、当該活性化合物が、実質的に不溶性であれば、200メッシュ未満の粒径になるように粉砕される。もし、当該活性化合物が、実質的に水溶性であれば、粒径を実質的にその処方物に均一に分散するように粉砕で調整するができる(例えば、約40メッシュ)。
本発明の化合物は、錠剤形態及び他の製剤タイプに好適な粒径を得るための湿式粉砕などの公知の粉砕方法によって粉砕されてよい。微細(ナノ粒子)に粉砕された当該化合物の準備物は、当技術分野で公知のプロセスで調合される(例えば、WO 2002/000196を参照)。
いくつかの好適な賦形剤の例には、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシアガム、燐酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、及びメチルセルロースを包含する。当該製剤にはさらに、次のものを包含する。タルクなどの潤滑剤、ステアリン酸マグネシウム、及びミネラルオイル;湿潤剤;乳化及び懸濁剤;メチル−及びプロピルヒドロキシ−ベンゾエートなどの保存料;甘味剤;及び香料。本発明の組成物は、当技術分野で公知の手順を取り入れて患者に投与の後、有効成分の即効的、持続的または遅効的放出を提供するための製剤とすることができる。
いくつかの実施形態において、当該薬剤組成物は、ケイ化微結晶セルロース(SMCC)及び少なくとも1つの本明細書に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩から成る。いくつかの実施形態において、前述のケイ化微結晶セルロースは、約98%w/wの微結晶セルロースと約2%の二酸化ケイ素w/wから成る。
いくつかの実施形態において、当該組成物は、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体から成る持続性放出組成物である。いくつかの実施形態において、当該組成物は、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、及び少なくとも1つの微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリエチレンオキサイドから選ばれる成分から成る。いくつかの実施形態において、当該組成物は、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、及び微結晶性セルロース、ラクトース一水和物及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから成る。いくつかの実施形態において、当該組成物は、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、及び微結晶性セルロース、ラクトース一水和物そしてポリエチレンオキサイドから成る。いくつかの実施形態において、当該組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたは二酸化ケイ素から、さらに成る。いくつかの実施形態において、前述の微結晶性セルロースは、Avicel PH102TMである。いくつかの実施形態において、前述のラクトース一水和物は、Fast−flo 316TMである。いくつかの実施形態において、前述のヒドロキシプロピルメチルセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K4M(例えば、Methocel K4MプレミアTM)及び/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K100LV(例えば、Methocel K00LVTM)である。いくつかの実施形態において、前述のポリエチレンオキサイドは、ポリエチレンオキサイドWSR 1105(例えば、Polyox WSR 1105TM)である。
いくつかの実施形態において、湿式造粒プロセスが、当該組成物の製造に使用される。いくつかの実施形態において、乾式造粒プロセスが、当該組成物の製造に使用される。
当該組成物は、一回の投与あたり、その有効成分の約1から約1,000mg、約1mgから約100mg、1mgから約50mg、及び約1mgから10mgを含有する投与量で処方できる。好ましくは、前述の投与は、その有効成分の約1mgから約50mgまたは約1mgから約10mgである。いくつかの実施形態において、各々の投与は、その有効成分の約10mgを含有する。いくつかの実施形態において、各々の投与は、その有効成分の約50mgを含有する。いくつかの実施形態において、各々の投与は、その有効成分の約25mgを含有する。用語「単位投与形態」は、ヒト及び他の哺乳類に対する単一投与量として適切な物理的に個別の単位であり、各単位は、適切な薬品賦形剤との関連において、望ましい治療効果を与えるために算出された有効物質の所定量を含有する。
いくつかの実施形態において、当該組成物は、その有効成分の約1から約1,000mg、約1mgから約100mg、約1mgから約50mg、及び約1mgから10mgから成る。好ましくは、当該組成物は、その有効成分の約1mgから約50mgまたは約1mgから約10mgから成る。その有効成分の約1mgから約10mg、約1mgから約20mg、約1mgから約25mg、約1mgから約50mgを含有する化合物または組成物が、当業者に理解されるであろう。
当該活性化合物は、広い投与範囲において効果的であろうし及び一般的に薬学的に効果的な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、治療の状態、選ばれた投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年齢、体重、及び応答性、患者の症状の重症度のような関連状況に応じて、通常は医師によって決定される、と理解されるであろう。
錠剤のような固体組成物の調合においては、本発明の化合物の均質な混合物から成る固体薬剤組成物を形成するために、主たる有効成分は薬品賦形剤と混合される。これら薬剤組成物が均質であるという場合は、その有効成分が、典型的に当該化合物に均質に分散されており、それゆえに当該組成物が、錠剤、丸薬及びカプセルなどの単一投与形態に、均等に効果的に容易に細分化され得る。この固体薬剤は、例えば、本発明の有効成分の約0.1から約1、000mgを含有する上述のタイプの投与形態単位にさらに分割される。
本発明の錠剤または丸薬は、持続的作用の利点を提供する投与形態を得るために被覆できるし、さもなければ配合できる。例えば、前述の錠剤または丸薬は、内投与成分及び外投与成分から成り得て、後者は、前者を包み込む形態になり得る。前記2成分は、腸溶性の層により分離され得て、腸溶性層は、胃での崩壊に耐え、そして前述の内投与成分をそのまま十二指腸に届けまたは遅れて放出させる。多数のポリマー酸及びポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、セルロースアセテートなどとの混合物を含む様々な物質が、そのような腸溶性層または被覆材に利用できる。
本発明の化合物及び組成物における溶液形態を、経口投与に対してまたは注射によって組み入れることができ、それら溶液形態は、水溶液、適切に風味付けされたシロップ、水または油懸濁液、及び綿実油、ごま油、ココナッツオイル、またはピーナッツ油などの食用油で風味付けされたエマルジョン、及びエリキシル剤、類似医薬品搬送材を包含する。
吸入または送気の組成物には、薬学的に許容される水溶液または有機溶媒、またはそれらの混合液、及び粉体に対しての溶液及び懸濁液を包含する。当該溶液及び固体組成物は、上述の適切な薬学的に許容される賦形剤を含有してよい。いくつかの実施形態において、当該組成物は、局所または全身に効果的な、口または鼻呼吸器経路によって投与される。組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧することができる。噴霧溶液は、噴霧装置から直接吸い込まれてよいし、または、その噴霧装置を、フェースマスク状の覆いまたは間欠陽圧呼吸器に取り付けることができる。溶液、懸濁液、または粉体組成物は、適切な方法で定型化された機器から経口または経鼻的に投与できる。
局所製剤には、1つまたは複数の通常の担体を含めることができる。いくつかの実施形態において、軟膏には、例えば、流動パラフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、プロピレングリコール、ホワイトワセリン、およびそれらに類するものから選ばれる水及び1つまたは複数の疎水性担体を含有できる。クリームの担体組成物には、グリセロール及び1つまたは複数の他の成分、例えば、グリセリンモノステアレート、PEG−グリセリンモノステアレート及びセトステアリルアルコールとの組み合わせにおいて水をベースにすることができる。ゲルは、イソプロピルアルコール及び水を使用して、例えば、グリセロール、ヒドロキシエチルセルロースなどの他の成分との適切な組み合わせで配合できる。いくつかの実施形態において、局所製剤は、少なくとも約0.1wt%、少なくとも約0.25wt%、少なくとも約0.5wt%、少なくとも約1wt%、少なくとも約2wt%、または少なくとも約5wt%の本発明の化合物を含有する。前述の局所製剤は、例えば、選択された症状、例えば乾癬や他の皮膚の症状の治療に随意で導入されている100gチューブのようなチューブ容器の中に適切に装填できる。
患者に投与される化合物及び組成物の量は、何が投与されているか、予防または治療などの投与の目的、患者の状態、投与の方法などによって変動するであろう。治療上の適用においては、組成物は、病気ですでに苦しんでいる患者に対しては、病状及びその合併症を部分的に治療するためにまたは少なくとも止めるため適切な量で投与することができる。効果的な投与は、治療している病状に依存するであろうし、及び病気の重症度、患者の年齢、体重及び一般的な状態などに基づき、携わる臨床医の判断によるであろう。
患者に投与される組成物は、前述の薬剤組成物の形態にすることができる。それら組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌できるし、または滅菌フィルターで処理されてもよい。水溶液は、使用目的でパッケージ化でき、または凍結乾燥できるし、投与前に無菌の水溶性担体と組み合わせた凍結乾燥調合ができる。化合物製剤のpHは、典型的には3から11の間、より好ましくは5から9の間、及び最も好ましくは7から8の間であろう。特定の前述の賦形剤、担体、または安定剤の使用は、結果として薬剤の塩の形成になると理解されよう。
本発明の化合物の治療投与量は、例えば、治療が行われる特定の用途、当該化合物の使用方法、患者の健康状態及び症状、及び処方する医師の判断に従って変動する。薬剤組成物中の本発明の化合物の割合または濃度は、投与量、化学的特徴(例えば、疎水性)、投与経路などの多数の要因によって変動する。例えば、本発明の化合物は、非経口投与に対しては、約0.1から約10%w/vの当該化合物を含有する水溶性の生理緩衝水溶液にして与えることができる。いくつかの典型的は投与量の範囲は、約1μg/kgから約1g/kg体重/日である。いくつかの実施形態において、前記投与量の範囲は、約0.01mg/kgから約100mg/kg体重/日である。当該投与量は、病気や障害の種類及び進行度、特定の患者の全体的な健康状態、選択された化合物の生物学的相対効率、賦形剤の処方、及び投与の経路に依存するであろう。効果的な投与量は、インビトロまたは動物モデル試験システムから導かれる用量反応曲線から推定できる。
本発明の化合物はさらに、化学療法、ステロイド、抗炎症化合物、または免疫抑制剤、上記に記載される例などの1つまたは複数の追加薬剤を含有できる。
いくつかの実施形態において、当該化合物、または薬学的に許容されるその塩は、眼科用組成物として投与される。従って、いくつかの実施形態において、その方法は、当該化合物、または薬学的に許容されるその塩、及び眼科的に許容される担体の投与から成る。いくつかの実施形態において、眼科用組成物は、溶液組成物、半固体組成物、挿入体、膜、微粒子またはナノ粒子である。
いくつかの実施形態において、前述の眼科用組成物は、液体組成物である。いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、半固体組成物である。いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、局所用組成物である。前述の局所用組成物は、非限定的に、溶液及び半固体組成物を包含する。いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、局所用組成物である。いくつかの実施形態において、前述の局所用組成物は、水溶液、水性懸濁液、軟膏またはゲルから成る。いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、前眼部、上眼瞼の下、下眼瞼の上及び盲嚢内に局所的に適用される。いくつかの実施形態において、前記眼科用組成物は、滅菌される。前述の滅菌は、当該溶液の滅菌ろ過または目的に応じたアンプル中での当該溶液の加熱などの公知技術によって実現できる。本発明の眼科用組成物は、眼科用処方物の調合に適した薬剤賦形剤をさらに含有できる。そのような賦形剤の例として、防腐剤、緩衝剤、キレート剤、抗酸化剤及び浸透圧を調整するための塩がある。
本明細書で使用される用語「眼科的に許容される担体」とは、当該化合物、または薬学的に許容されるその塩を含有し放出することができ、及び目との相性がよい任意の物質を指す。いくつかの実施形態において、前述の眼科的に許容される担体は、水や水溶液または懸濁液であり、軟膏を作るために使用されるオイル及び眼の挿入体に使用される高分子母材などをも包含する。いくつかの実施形態において、当該組成物は、当該化合物、または薬学的に許容されるその塩からなる水溶性懸濁液であってよい。軟膏及び懸濁液を含有する液体の眼科用組成物は、投与の経路に適した粘度を有するであろう。いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、約1,000から約30,000センチポイズの範囲の粘度を有する。
いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、1つまたは複数の界面活性剤、免疫補助剤、緩衝剤、抗酸化物質、等張化剤、防腐剤 (例えば、EDTA、BAK(塩化ベンザルコニウム)、亜塩素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ポリクオタニウム−1)、増粘剤または粘度調整剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、グリコール400、プロピレングリコール・ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル−グアー、ヒアルロン酸、及びヒドロキシプロピルセルロース)などからさらに構成されてよい。当該処方物の添加剤としては、非限定的だが、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ソルビン酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ヒマシ油、及び過ホウ酸ナトリウムを包含してよい。
水溶性の眼科用組成物(溶液または懸濁液)には、一般に、生理的または眼科的に有害な成分は含まれない。いくつかの実施形態において、純粋化または脱イオン化された水が、前述の組成物に使用される。そのpHは、生理的及び眼科的に許容される、pHが5.0から8.5の範囲内のpH調整用酸、塩基または緩衝剤の添加によって調整される。眼科的に許容される酸の例として、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、塩酸などを包含し、及び塩基の例として、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、トロメタミン、トリスヒドロキシメチルアミノ−メタンなどを包含する。塩及び緩衝剤は、クエン酸/ブドウ糖、炭酸水素ナトリウム、塩化アンモニウム及び前述の酸及び塩基の混合物を包含する。
いくつかの実施形態において、目の外部表面との接触で、治療薬のある蓄積量(デポ)を形成または供給する方法に関する。デポは、涙や目の排除機構によって急速に除去されない治療薬源を指す。この方法は、一回の適用で、目の外部表面上に、液中で継続的、持続的に高濃度に存在する治療薬を与える。いかなる理論にも拘束されることを望まないが、吸収及び浸透は、溶存薬剤濃度と液体含有薬剤と眼の外部細胞との接触時間の両方に依存する場合があると考えられる。薬剤は、眼内液のクリアランスによって及び/または眼細胞への浸透によって排除されるので、より多くの薬剤が、デポからの補充眼内液中に与えられ、例えば、溶解する。従って、デポの使用は、より容易に、より多くの不溶解性治療薬の眼細胞への負荷を促進するであろう。いくつかの実施形態において、前述のデポは、8時間またはそれ以上留まることができる。いくつかの実施形態において、眼内デポ形態は、非限定的だが、水性高分子懸濁液、軟膏、及び固体の挿入体を包含する。
いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、軟膏またはゲルである。いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、オイル基剤の搬送体である。いくつかの実施形態において、前記組成物は、通常は0.1%から2%の有効成分、及び賦形剤を添加した鉱油基剤またはラノリン基剤から成る。一般的な基剤には、非限定的だが、ミネラルオイル、ワセリン、及びそれらの組み合わせを包含してよい。いくつかの実施形態において、前述の軟膏は、下眼瞼に帯状に適用される。
いくつかの実施形態において、前述の眼科用組成物は、眼科用挿入体である。いくつかの実施形態において、前述の眼科用挿入体は、生理的不活性、柔軟性、生物侵食性、粘弾性、治療薬に暴露後の滅菌安定性、空中浮遊細菌感染耐性、生物−浸食、生体親和性、及び/または粘弾性から耐性である。いくつかの実施形態において、当該挿入体は、眼科的に許容される母材、例えば、ポリマー母材から成る。前述の母材は、典型的にはポリマーであり、及び当該治療薬は、一般的にそのポリマー母材に分散されまたは結合している。いくつかの実施形態において、前述の治療薬は、溶解または共有結合の加水分解によって、母材から徐々に放出される。いくつかの実施形態において、前述のポリマーは、生体内分解性(溶融性)であり及びその溶解速度は、母材に分散された治療薬の放出速度を制御できる。他の実施形態において、当該ポリマー母材は、生分解性ポリマーであり、加水分解によるポリマー母材に結合または分散された治療薬の放出によって分解する。さらなる実施形態において、当該母材及び治療薬は、さらに放出速度をコントロールするために追加のポリマーコート材で包み込むことができる。いくつかの実施形態において、当該挿入体は、ポリカプロラクトン(PCL)、エチレン/ビニルアセテート共重合体(EVA)、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリウレタン、ナイロン、またはポリ(dl−ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、またはそれらの共重合体などの生分解性ポリマーから成る。いくつかの実施形態において、当該治療薬は、当該母材に分散されまたは、高分子量化の前に、ポリマー母材の形成に使用されるモノマーの間に分散される。いくつかの実施形態において、当該治療薬の量は、約0.1から約50%、または約2から約20%である。さらなる実施形態において、前述の生分解性または生体内分解性ポリマー母材が使用されるので、時間経過した挿入体を、除去する必要がない。当該生分解性または生体内分解性ポリマーが、分解または溶解することで、当該治療薬が放出される。
さらなる実施形態において、前述の眼科用挿入体は、非限定的だが、Wagh,et al.,「眼内放出形態に使用されるポリマー及び薬剤送達システム」、Asian J.Pharm.,pages 12−17(Jan.2008)に記述されるものを包含するポリマーから成り、その全体を援用により本明細書に組み入れる。いくつかの実施形態において、当該挿入体は、ポリビニルピロリドン(PVP)、アクリル酸またはメタクリル酸のポリマーまたは共重合体(例えば、RohmまたはDegussa製のオイドラギット(Eudragit(登録商標))ファミリー)、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリエチレンオキサイド、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアルコール)、またはポリ(プロピレンフマル酸エステル)から選ばれるポリマーから成る。いくつかの実施形態において、当該挿入体は、ゼルフォーム(Gelfoam(登録商標))から成る。いくつかの実施形態において、前記挿入体は、450kDa−システイン抱合体のポリアクリル酸である。
いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、眼科用被膜体である。そのような被膜体に好適なポリマーとして、非限定的だが、Wagh,et al.(前述の個所)に記載されるポリマーを包含する。いくつかの実施形態において、当該被膜体は、N,N−ジエチルアクリルアミドとエチレングリコールジメタクリレートと架橋したメタクリル酸との共重合体などから作られるソフトコンタクトレンズである。
いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、マイクロスフェアまたはナノ粒子から成る。いくつかの実施形態において、前述のマイクロスフェアは、ゼラチンから成る。いくつかの実施形態において、当該マイクロスフェアは、後眼部、脈絡膜(chroroidal)スペース、強膜、硝子体または副網膜に注入される。いくつかの実施形態において、当該マイクロスフェアまたはナノ粒子は、非限定的だが、Wagh,et al.(前述の個所)に記載されるものを包含するポリマーから成り、その全体を援用することにより本明細書に組み入れる。いくつかの実施形態において、上述のポリマーは、キトサン、ポリアクリル酸などのポリカルボン酸、アルブミン粒子、ヒアルロン酸エステル、ポリイタコン酸、ポリ(ブチル)シアノアクリレート、ポリカプロラクトン、ポリ(イソブチル)カプロラクトン、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)、またはポリ(乳酸)である。いくつかの実施形態において、当該マイクロスフェアまたはナノ粒子は、固体脂質粒子から成る。
いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、イオン交換樹脂から成る。いくつかの実施形態において、前述のイオン交換樹脂は、無機ゼオライトまたは合成有機樹脂である。いくつかの実施形態において、前述のイオン交換樹脂は、非限定的だが、Wagh,et al.(前述の個所)に記載されるものを包含し、その全体を援用することにより本明細書に組み入れる。いくつかの実施形態において、当該イオン交換樹脂は、部分的に中和されたポリアクリル酸である。
いくつかの実施形態において、当該眼科用組成物は、水溶性ポリマー懸濁液である。いくつかの実施形態において、いくつかの実施形態において、当該治療薬及びポリマー懸濁液は、水性溶媒中にて懸濁される。いくつかの実施形態において、前述の水溶性ポリマー懸濁液は、目に投与される前にあった眼液と同じか実質的に同じ粘度を保持できるようにして処方される。いくつかの実施形態において、涙液との接触時にゲル化し増粘するように処方される。
標識化合物及び分析評価法
本発明の他の態様は、本発明の標識化合物(放射性標識、蛍光標識など)に関する。標識化合物は、イメージング技術においてのみではなく、分析評価において、インビトロ及びインビボの両方において、ヒトを含む組織サンプル中のJAKの局在化及び定量化において、及び標識化合物の結合阻害によるJAK配位子の特定に対して有用である。従って、本発明は、そのような標識化合物を含むJAKの分析評価法を包含する。
本発明はさらに、同位体で標識された本発明の化合物を包含する。「同位体標識の」または「放射性標識の」化合物は、1つまたは複数の原子が、天然に典型的に見出される(すなわち、天然発現の)原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって交換または置換された、本発明の化合物である。本発明の化合物に組み込まれてよい適切な放射性核種は、非限定的だが、H(トリチウムのTとして記載される)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I及び131Iを包含する。インスタント放射性標識化合物に組み込まれる放射性核種は、その放射性標識化合物に特定の用途に依存するであろう。例えば、インビトロでのJAK標識化及び競合分析評価においては、H、14C、82Br、125I、131I、35Sを組み込んだ化合物が、一般的には最も有用であろう。放射性イメージング用途においては、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Br、または77Brが、一般的には最も有用であろう。
「放射性標識化合物」または「標識化合物」は、少なくとも1つの核種が組み込まれた化合物である。いくつかの実施形態において、前述の核種は、H、14C、125I、35S及び82Brから成る群から選ばれる。いくつかの実施形態において、当該化合物は、1、2、または3の重水素原子が組み込まれる。
本発明はさらに、発明の化合物に放射性同位元素を組み込むための合成方法を包含する。有機化合物に放射性同位元素を組み込むための合成法は、当技術分野で公知であり、当分野での通常の技術において、本発明の化合物に適用可能な方法は容易に認識される。
本発明の標識化合物は、化合物を特定/評価するための識別分析に使用することができる。例えば、標識されている、新規に合成または特定された化合物(すなわち、試験化合物)は、当該JAKに接触した場合に、その標識の追跡を通してその濃度変化をモニターすることで、そのJAKとの結合力を評価できる。例えば、(標識された)試験化合物は、JAKに結合することが知られている他の化合物(すなわち、標準化合物)の結合を低下させる能力を評価できる。従って、JAKとの直接的な結合に対して、ある試験化合物が、他の標準化合物と競合する能力は、その結合親和力に相関する。逆に、いくつかの他の識別分析においては、前述の標準化合物が標識され、及び試験化合物は標識されない。それに基づいて、標準化合物と試験化合物間の競合を評価するために、標識された標準化合物の濃度がモニターされ、及び試験化合物の相対結合親和力が判明する。
キット
本発明はまた、有用な医薬品キットを包含する。例えば、癌などのJAK関連疾患または障害の治療または予防において、本発明の化合物の治療に効果的な量から成る薬剤組成物を含む1つまたは複数の容器を包含する。そのようなキットはさらに、必要であれば、1つまたは複数の様々な旧来の医薬品キット構成品、例えば、1つまたは複数の薬学的に許容される担体を持つ容器、追加容器など、当業者においては容易に明らかなものであるキットを包含する。使用法、折り込みまたは表示ラベル、投与される化合物の量の指示、投与のカイドライン、及び/または化合物の混合に対するガイドラインを、当該キットに包含することができる。
本発明は、具体例によってより詳細に記載される。以下の実施例は、例証目的のために提示され、及びいかなる方法においても、本発明を限定するものではない。実質的に同じ結果を生じるための変更または修正が可能な多数の重要性の低いパラメーターを、当業者は容易に認めるであろう。当実施例の組成物は、本明細書に記載される少なくとも1つの分析評価において、JAK阻害剤として見出されたものである。
本発明の化合物の実験手順が、以下に提供される。調合したいくつかの化合物のオープンアクセスprep−LC−MSによる精製を、ウォーターズ社の質量直接分画システム上で行った。これらシステム操作のための基本的な機器のセットアップ、プロトコル及び制御ソフトウェアが文献に詳しく記載されている。以下を参照のこと、例えば、「Two−Pump At Column Dilution Configuration for Preparative LC−MS」,K.Blom,J.Combi.Chem.,4,295(2002);「Optimizing Preparative LC−MS Configurations and Methods for Parallel Synthesis Purification」,K.Blom,R.Sparks,J.Doughty,G.Everlof,T.Haque,A.Combs,J.Combi.Chem.,5,670(2003);及び「Preparative LC−MS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Combi.Chem.,6,874−883(2004)。分離された化合物は通常、分析用の液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)に移され、以下の条件で純度の分析を行った。装置;Agilent 1100 series,LC/MSD,カラム:Waters Sunfire TM185 μm、2.1x5.0 mm、バッファー:移動相A:0.025%TFA・水溶液、及び移動相B:0.025%TFA・アセトニトリル溶液;Bのグラジエント 2%から80%、流速1.5 mL/分で3分。
調合した化合物のあるものはまた、実施例に示されるMS検出器またはフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)付の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって、分取スケールで単離した。典型的な分取逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)のカラム条件は以下の通りである。
pH=2精製:Waters SunfireTM18 5um、19x100mm カラム、移動相Aによる溶離:0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)水溶液、及び移動相Bによる溶離:アセトニトリル;流速30 mL/分、分離グラジエントは、以下の文献に記載される化合物特定化法における最適化プロトコル(the Compound Specofoc Method Optimization protocol)を使用して、化合物ごとに最適化した[参照「Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Comb.Chem.,6,874−883(2004)]。典型的に30x100mmカラムで採用した流速は、60mL/分であった。
pH=10精製:Waters XBridgeC18 5um、19x100mm カラム、移動相Aによる溶離:0.15%NHOH水溶液、及び移動相Bによる溶離:アセトニトリル;流速30 mL/分、分離グラジエントは、以下の文献に記載される化合物特定化法における最適化プロトコル(the Compound Specific Method Optimization protocol)を使用して、化合物ごとに最適化した[参照「Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」,K.Blom,B.Glass,R.Sparks,A.Combs,J.Comb.Chem.,6,874−883(2004)]。典型的に30x100mmカラムで採用した流速は、60mL/分であった。
調合したいくつかの化合物を、示差走査熱量計(DSC)にて分析した。典型的なDSCの装置条件は次の通りである。
TA示差走査熱量計、Model Q200自動サンプラー付。一般条件:10℃/分の速度で30−350℃;Tzero製アルミニウムサンプルパン及びリッド;窒素ガス流量 50mL/分。
調合したいくつかの化合物を、熱重量分析 (TGA)にて分析した。典型的なTGAの装置条件は次の通りである。
TA熱重量分析装置、Model Q500。一般的測定条件:20℃/分で20℃から600℃までの傾斜加熱;窒素ガスパージ、ガス流量 パージ流量のバランスに従い40mL/分、サンプルパージ流量 60mL/分;プラチナサンプルパン。
調合したいくつかの化合物を、粉末X線回析(XRPD)にて分析した。典型的なXRPDの装置条件は次のようである。
リガクMiniFlex粉末X線回析装置(XRPD)。一般的な実験手順:銅からのX線照射 Kβフィルター付き1.054056Å;X線強度は30KV,15mA;サンプル粉末は、ゼロバックグラウンドのサンプルホルダーに分散される。一般的測定条件:スタート角度−3°;停止角度−45°;サンプリング−0.02°;スキャン速度−2°/分。
実施例1.5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
ステップ1:tert−ブチル3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−カルボン酸塩
0℃の1.0Mのカリウムtert−ブトキサイド(30.7mL、30.7mmol)のテトラヒドロフラン溶液に、ジエチルシアノメチルホスホン酸塩(5.20mL、32.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(39mL)を滴下添加した。その反応を、室温まで加温しそして再び0℃に冷却した。その反応混合物に、tert−ブチル3−オキサゼチジン−1−カルボン酸塩(5.0g、0.029mol、Aldrich製)のテトラヒドロフラン溶液(8mL)を添加した。その反応を、室温まで加温し及び一晩攪拌した。水で急冷後、その混合物をエチルアセテート(EtOAc)で抽出した。複合有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、及び減圧蒸留した。粗混合物を、フラッシュ クロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、エチルアセテートのヘキサン溶液(0−70%)で溶離しながら精製し、目的物質(5.40g、95%)を得た。C1014Na(M+Na)に対するLCMS計算値:m/z=217.1;実測値:217.1。
ステップ2:tert−ブチル3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5、5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボン酸塩
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.990g、5.10mmol)、tert−ブチル3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−カルボン酸塩(1.00g、5.15mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(0.38mL、2.6mmol)の混合物のアセトニトリル溶液(20mL)を、60℃で2時間過熱した。冷却後、溶剤を減圧除去した。その残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(0−60%)で溶離しながら精製し、目的の物質を得た(1.68g、84.8%)。C1522BN(M−55)に対するLCMS計算値:m/z=333.2;実測値:333.1。
ステップ3:{3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル塩酸塩
4.0NのHClの1,4−ジオキサン溶液(2.0mL)を、tert−ブチル3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5、5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボン酸塩(1.68g、4.33mmol)の塩化メチレン溶液(10mL)に添加した。その反応混合物を、室温で一晩攪拌し、及び減圧濃縮し、次のステップで追加精製無しの反応で直接使用する塩酸塩としての目的物質を得た。C1422BN(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=289.2;実測値:289.1。
ステップ4:5−クロロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.3mL、7.5mmol)を、5−クロロピラジン−2−カルボン酸(0.40g、2.5mmol)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(1.0g、2.8mmol)及び(2S)−1,1,1,−トリフルオロプロパン−2−アミン(0.28g、2.5mmol)の混合物のメチレンクロライド溶液(10mL)に添加した。その反応混合物を室温で一晩攪拌した。その反応混合物は、次第に水溶性NaHCO塩を形成し、それを酢酸エチルで抽出した。その複合有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮した。その残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(0−15%)で精製し、目的の物質を得た(0.47g、73%)。CClFO(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=254.0;実測値:253.9。
ステップ5:5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド
5−クロロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(254mg、1.00mmol)、{3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル塩酸塩(325mg、1.00mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(401μL、2.30mmol)の混合物の1,4−ジオキサン溶液(5.0mL)を100℃で2時間過熱した。冷却後、その混合物を減圧濃縮した。その残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(グラジエント:20−80%)で溶離しながら精製し、目的の物質を得た(0.49g、97%)。C2228BF(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=506.2;実測値:506.1。
ステップ6:tert−ブチル4−ブロモ−3−メチル−1H−ピラゾール−1−カルボン酸塩
4−ブロモ−3−メチル−1H−ピラゾール(0.2g、1mmol)、ジ−tert−ブチルジ炭酸塩(0.30g、1.4mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.02g、0.1mmol)及びトリエチルアミン(0.26mL、1.9mmol)の混合物のアセトニトリル溶液(2mL)を、室温で一晩攪拌した。その反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(0−15%)で溶離しながら精製し、目的の物質を得た(0.32g)。CBrN(M−55)に対するLCMS計算値:m/z=205.0;実測値:204.9。
ステップ7:5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[(1S)2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(27.0g、0.0533mmol)、tert−ブチル4−ブロモ−3−メチル−1H−ピラゾール−1−カルボン酸塩(15mg、0.059mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(3.1mg、0.0027mmol)及び炭酸ナトリウム(17.0mg、0.160mmol)の混合物の1,4−ジオキサン溶液(1.6mL)及び水溶液(0.8mL)を、窒素雰囲気下の100℃で一晩攪拌した。その反応混合物をろ過し、及びRP−HPLC(pH=2条件)で精製し、目的物質のTFA塩を得た。H NMR(300MHz、CDOD)δ8.73(d、J=1.4Hz、1H)、8.18(d、J=0.6Hz、1H)、7.98(d、J=1.4Hz、1H)、7.91−7.79(m、2H)、4.84(m、1H)、4.81(d、J=10.2Hz、2H)、4.60(d、J=10.2Hz、2H)、3.59(s、2H)、2.44(s、3H)、1.43(d、J=7.1Hz、3H)ppm。C2021O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=460.2;実測値:460.0。
実施例2.5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
ステップ1:5−クロロ−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.6mL、15mmol)を、5−クロロピラジン−2−カルボン酸(0.80g、5.0mmol)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(2.46g、5.56mmol)及び2−プロパンアミン(0.47mL、5.6mmol)の混合物のメチレンクロライド溶液(20mL)に添加した。その反応混合物を室温で一晩攪拌した。その反応混合物は、次第に水溶性NaHCO塩を形成し、それを酢酸エチルで抽出した。その複合有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮した。その残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(0−15%)で溶離しながら精製し、目的の物質を得た。C11ClNO(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=200.1;実測値:200.1。
ステップ2:5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド
5−クロロ−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド(200mg、1.00mmol)、{3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル塩酸塩(325mg、1.00mmol、実施例1、ステップ3から)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(401μL、2.30mmol)の混合物の1,4−ジオキサン溶液(5.0mL)を100℃で2時間過熱した。冷却後、その混合物を減圧濃縮した。その残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(グラジエント:20−80%)で溶離しながら精製し、目的の物質を得た(0.26g、58%)。C2231BN(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=452.3;実測値:452.2。
ステップ3:5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
tert−ブチル4−ブロモ−3−メチル−1H−ピラゾール−1−カルボン酸塩(15.7mg、0.0600mmol)、5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド(25.8mg、0.0571mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体のジクロロメタン混合物(1:1)(2.3mg、0.0028mmol)及びリン酸カリウム(0.036g、0.17mmol)の混合物のジオキサン溶液(0.5mL)及び水溶液(0.2mL)を、反応瓶中で脱気し、シールした。その混合物を、110℃で3時間過熱した。冷却後、前記混合物をメタノールで希釈し、ろ過し及びRP−HPLC(pH=2条件)で精製し、TFA塩としての目的物質を得た。C2024O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=406.2;実測値:406.1。
実施例3.エチル4−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
ステップ1:4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)安息香酸塩
エチル4−フルオル安息香酸塩(0.841g、5.00mmol、Aldrich製)、アゼチジン−3−オール塩酸塩(0.438g、4.00mmol、Aldrich製)及び炭酸カリウム(1.38g、9.98mmol)の混合物のジメチルスルホキシド溶液(4mL)を、180℃で2時間過熱した。冷却後、その混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水及び塩水で洗浄した。得られた有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮した。その残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(0−50%)で精製し、目的の物質を得た(0.643、72.6%)。C1216NO(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=222.1;実測値:222.1。
ステップ2:4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)安息香酸
1−[4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)フェニル]−2−メトキシエタノン(1.33g、6.00mmol)及び水酸化リチウム一水和物(504mg、12.0mmol)の混合物の水(4mL)、メタノール(3mL)及びTHF(6mL)の混合溶液を40℃で一晩攪拌した。その混合物を、3Nの塩酸水溶液(〜4mL)でpHが約7にまるまで中和し、ろ過し及び減圧濃縮し、追加精製無しで次のステップの反応で直接使用する粗生成物を得た(1.10g、94.9%)。C1012NO(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=194.1;実測値:194.1。
ステップ3:4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−N−イソプロピルベンズアミド
ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(4.46g、10.5mmol、Aldrich製)を、4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)安息香酸(1.93g、10.0mmol)、2−プロパンアミン(4.26mL、50.0mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.88g、30.0mmol)の混合物のジクロロメチレン溶液(10mL)に添加した。その混合物を室温で2時間攪拌し、及びジクロロメタンで希釈した。前記混合物をNaHCO水溶液及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(グラジエント:0−50%)で溶離しながら精製し、目的の物質を得た(2.21g、94.3%)。C1319(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=235.1;実測値:235.1。
ステップ4:N−イロプロピル−4−(3−オキソアゼチジン−1−イル)ベンズアミド
塩化オキサリル(1.05mL、12.4mmol)のジクロロメタン冷却溶液(−78℃、20mL)に、ジメチルスルホキシド(1.71mL、24.1mmol)を滴下で添加した。その混合物を、−78℃で10分間攪拌した。そして4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−N−イソプロピルベンズアミド(1.72g、7.34mmol)のジクロロメタン懸濁液を添加した。その混合物を、−78℃で1時間攪拌し、そしてトリメチルアミン(7.04mL、50.5mmol)を添加した。その混合物を、−78℃でさらに1.5時間攪拌した。その混合物をNaHCO水溶液及び塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮した。得られた沈殿物を、エーテルで洗浄し及びろ過で収集し、追加精製無しで次のステップの反応で直接使用する目的の物質を得た(1.32g、77%)。C1317(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=233.1;実測値:233.1。
ステップ5:4−[3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルベンズアミド
1.0M カリウム tert−ブトキシドのテトラヒドロフラン冷却(−6℃から0℃)溶液(7.10mL、7.10mmol)に、ジエチルシアノメチルホスホン酸塩(1.20mL、7.43mmol、Aldrich製)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を滴下で添加した。その反応を加温し及び室温で1時間攪拌した。その混合物を再び−6℃で冷却した。そしてその反応混合物に、N−イロプロピル−4−(3−オキソアゼチジン−1−イル)ベンズアミド(1.30g、5.60mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10mL)を、10分以上かけて添加した。この間の反応混合物の温度は、−5℃から0℃であった。その反応を室温まで加温し、3時間攪拌した。その反応混合物をシリカゲルのパッドに通してろ過し、及び酢酸エチルで洗浄した。そのろ過物を濃縮し、その残渣をエーテルで処理した。形成した沈殿物をろ過で収集し、0.60gの目的物質を得た。その母液を減圧濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、酢酸エチルのヘキサン溶液(グラジエント:30−80%)で溶離しながら精製し、目的の物質を得た(0.21g)。トータルの目的生成物は、0.81g(57%)であった。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ7.91(d、J=7.8Hz、1H)、7.74(d、J=8.7Hz、2H)、6.53(d、J=8.7Hz、2H)、5.88(d、J=2.3Hz、1H)、4.77−4.67(m、2H)、4.62(dt、J=5.1、2.6Hz、2H)、4.06(m、1H)、1.12(d、J=6.6Hz、6H)ppm。C1518O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=256.1;実測値:256.1。
ステップ6:4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルベンズアミド
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(2.98g、15.3mmol)、4−[3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルベンズアミド(4.00g、15.7mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(1.17g、7.68mmol)の混合物のイソプロピルアルコール溶液(10mL)を、70℃で1時間加熱した。前記混合物を35℃まで冷却した。その懸濁液に、30mlのメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)を加え、そして室温で1時間攪拌した。形成した沈殿物をろ過で収集し、MTBEで洗浄し、及び減圧乾燥して、目的物質を得た(6.2g、89.8%)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.35(s、1H)、7.90(d、J=7.8Hz、1H)、7.75(s、1H)、7.73(d、J=8.7Hz、2H)、6.52(d、J=8.7Hz、2H)、4.40(d、J=8.6Hz、2H)、4.20(d、J=8.6Hz、2H)、4.05(m、1H)、3.65(s、2H)、1.24(s、12H)、1.12(d、J=6.6Hz、6H)ppm。C2433BN(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=450.3;実測値:450.3。
ステップ7:4−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
tert−ブチル4−ブロモ3−メチル−1H−ピラゾール−1−カルボン酸塩(15.7mg、0.0600mmol)、4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルベンズアミド(25.7mg、0.0571mmol)、リン酸カルシウム(36.4mg、0.171mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体のジクロロメタン混合物(1:1)(2.33mg、0.00286mmol)の混合物のジオキサン溶液(0.5mL)及び水溶液(0.2mL)を、反応瓶中で脱気し、シールした。その混合物を、110℃で3時間過熱した。冷却後、その混合物をメタノールで希釈し、ろ過し及びRP−HPLC(pH=2条件)で精製し、TFA塩としての目的物質を得た。C2226O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=404.2;実測値:404.1。
実施例4.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
ステップ1:2,4,5−トリフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
2,4,5−トリフルオロ安息香酸(5.00g、28.4mmol)のアセトニトリル溶液(50mL)に、N,N−ジメチルホルムアミド(40μL、)に次いで塩化オキサリル(3.60mL、42.6mmol)を添加した。90分後に、減圧下で揮発分を除去した。その残渣を、アセトニトリル(50mL)と同時に蒸留した。そしてメチレンクロライド(50mL)に溶解した。この溶液に、(2S)−1,1,1−トリフルオロプロパン−2−アミン塩酸塩(5.52g、36.9mmol)(Synquest製、98%ee)のトルエン(100mL)及び0.5M水酸化ナトリウム水溶液(142mL、71.0mmol)の冷却(氷浴)混合物を滴下で添加した。添加後、氷浴槽を取り除いて、その反応を室温まで加温した。前記反応を一晩攪拌した。その有機層を分離した。水層を、メチレンクロライド(50mL)で抽出した。複合有機層を20%塩水(75mL)及び水(2x75mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮し、追加精製無しで次のステップの反応で直接使用する目的物質(6.49g、84%)を得た。H NMR(300MHz、DMSO−d)δ9.01(d、J=7.6Hz、1H)、7.92−7.50(m、2H)、4.76(m、1H)、1.31(d、J=7.0Hz、3H)ppm。C10NO(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=272.0;実測値:272.0。
ステップ2:2,5−ジフルオロ−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
2,4,5−トリフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(6.39g、23.6mmol)、アゼチジン−3−オール塩酸塩(3.19g、28.3mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(8.81mL、58.9mmol)の混合物のアセトニトリル溶液(25mL)を、80℃で2時間攪拌した。その反応混合物をEtOAc(75mL)で希釈し、そして1NのHCl(50mL)、1NのNaHCO(60mL)、20%塩水(50mL)及び水(75mL)で洗浄した。その水層を、EtOAc(100mL)で抽出した。その有機層を組み合わせて、MgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮し、そして目的物質を得た(7.59g、91.8%)。H NMR(300MHz、DMSO−d)δ8.38(dd、J=8.9、1.9Hz、1H)、7.27(dd、J=12.8、6.5Hz、1H)、6.38(dd、J=12.3、7.5Hz、1H)、5.71(d、J=6.4Hz、1H)、4.74(dp、J=15.3、7.6Hz、1H)、4.62−4.46(m、1H)、4.30−4.15(m、2H)、3.71(m、2H)、1.29(d、J=7.1Hz、3H)ppm。C1314(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=325.1;実測値:325.1。
ステップ3:2,5−ジフルオロ−4−(3−オキソアゼチジン−1−イル)−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
2,5−ジフルオロ−4−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(7.57g、23.3mmol)のメチレンクロライド溶液(93mL)に、ヨードベンゼンジアセテート(9.40g、29.2mmol)及び2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニロキシ−フリーラジカル(1.82g、11.7mmol)(TEMPO)を室温で添加した。その反応混合物を室温で一晩攪拌した。その混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、0.5NのNaHCO(2x80mL)、20%塩水(100mL)及び水(100mL)で洗浄した。その水層を、エチルアセテート(75mL)で抽出した。その抽出物を組み合わせて、MgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、0%から5%のエチルアセテートのメチレンクロライド溶液で溶離しながら精製して、MTBE(50mL)及びヘプタン(100mL)から再結晶した粗生成物を得て、無色で固体の目的物質を得た(5.44g、72%)。H NMR(300MHz、DMSO−d)δ8.52(d、J=8.0Hz、1H)、7.36(dd、J=12.5、6.5Hz、1H)、6.63(dd、J=12.1、7.6Hz、1H)、4.90(d、J=2.1Hz、4H)、4.86−4.68(m、1H)、1.31(d、J=7.1Hz、3H)ppm。C1312(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=323.1;実測値:323.0。
ステップ4:4−[3−(シアノメチル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
ジエチルシアノメチルホスホン酸塩(1.95mL、11.8mmol)を、1.0Mのカリウムtert−ブトキシドのテトラヒドロフラン(12mL)で希釈したTHFの冷却溶液(氷浴)(11.8mL、11.8mmol)に滴下で添加した。氷浴を取り除き及びその反応を室温まで加温し、そして90分間攪拌した。その反応液を再び氷浴した。上述の液体を、2,5−ジフルオロ−4−(3−オキソアゼチジン−1−イル)−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(4.00g、12.4mmol)のテトラヒドロフラン冷却(氷浴)溶液(50mL)に、12分以上かけて添加した。その反応混合物を30分攪拌した。氷浴槽を取り除き、そしてその反応を室温で一晩攪拌し、20%塩水(75mL)及びエチルアセテート(75mL)の添加で急冷却した。その有機層を分離した。その水層をエチルアセテート(50mL)で抽出した。その複合有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、エチルアセテートのヘキサン溶液(0%から30%)で溶離しながら精製し、目的物質を得た(2.6g)。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ8.59−8.37(m、1H)、7.33(dd、J=12.5、6.4Hz、1H)、6.59(dd、J=12.0、7.4Hz、1H)、5.88(m、1H)、4.94−4.75(m、4H)、4.76(m、1H)、1.31(d、J=7.1Hz、3H)ppm。C1513O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=346.1;実測値:346.1。
ステップ5:4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トルフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(1.00g、5.15mmol)、4−[3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(1.78g、5.15mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(0.31mL、2.1mmol)の混合物のアセトニトリル溶液(20.2mL)を、50℃で一晩過熱した。冷却後、溶剤を減圧除去した。その残渣を、追加精製無しで次のステップで使用した。C2428BF(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=540.2;実測値:540.1。
ステップ6:4−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トルフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(28.8mg、0.0533mmol)、tert−ブチル4−ブロモ−5−メチル−1H−ピラゾール−1−カルボン酸塩(15mg、0.059mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(3.1mg、0.0027mmol)及び炭酸ナトリウム(17.0mg、0.160mmol)の混合物の1,4−ジオキサン溶液(1.6mL)及び水溶液(0.8mL)を、窒素雰囲気下の100℃で一晩攪拌した。その反応混合物をエチルアセテートで抽出した。その複合有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮した。その残渣を、RP−HPLC(pH=2条件)により精製し、TFA塩としての目的物質を得た。C2221O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=494.2;実測値:494.0。
実施例5.4−[3−(1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)−3−(シアノメチル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
この化合物は、4−ブロモ−1H−ピラゾール及び4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トルフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドから開始する実施例4、ステップ6の合成で記載される手順に類似した方法を使用して調合した。C2119O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=480.2;実測値:480.0。
実施例6.5−[3−(シアノメチル)−3−(3,3’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
ステップ1:tert−ブチル3−(シアノメチル)−3−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボン酸塩
3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(1.06g、5.10mmol)、tert−ブチル3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−カルボン酸塩(1.00g、5.15mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(0.38mL、2.6mmol)の混合物のアセトニトリル溶液(20mL)を60℃で2時間過熱した。冷却後、溶剤を減圧除去した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、エチルアセテートのヘキサン溶液(0%−60%)で溶離しながら精製して、目的物質を得た。C1624BN(M−55)に対するLCMS計算値:m/z=347.2;実測値:347.1。
ステップ2:{3−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル塩酸塩
4.0NのHClのジオキサン溶液(3mL)を、tert−ブチル3−(シアノメチル)−3−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボン酸塩のメチレンクロライド溶液(10mL)に添加した。その反応混合物を、室温で一晩攪拌した。その混合物を減圧濃縮し、HCl塩としての目的物質を得た。C1524BN(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=303.2;実測値:303.1。
ステップ3:5−{3−(シアノメチル)−3−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド
{3−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル}アセトニトリル塩酸塩(0.43g、1.3mmol)、5−クロロ−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド(0.24g、1.2mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.63mL、3.6mmol)の混合物のtert−ブチルアルコール溶液(12mL、120mmol)を100℃で4時間過熱した。冷却後、その溶剤を減圧除去した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム上で、エチルアセテートのヘキサン溶液(0%−60%)で溶離しながら精製して、目的物質を得た。C2333BN(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=466.3;実測値:466.2。
ステップ4:5−[3−(シアノメチル)−3−(3,3’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
この化合物は、4−ブロモ−3−メチル−1H−ピラゾール及び5−{3−(シアノメチル)−3−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミドから開始する実施例4、ステップ6の合成で記載される手順に類似した方法を使用して調合された。C2126O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=420.2;実測値:420.1。
実施例7.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トルフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(329mg、0.610mmol、実施例4、ステップ5から)、4−ブロモ−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール(206mg、1.18mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(110mg、0.098mmol)及び炭酸ナトリウム(320mg、3.0mmol)の混合物の1,4−ジオキサン(10mL)/水(5mL)溶液を、窒素でパージし、110℃で1時間攪拌した。その反応混合物をEtOAcで希釈し、水と塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣を、最初にシリカゲル(0−100%のEtOAc/ヘキサン溶液に次いで10%のメタノール/ジクロロメタン溶液で溶離)上で、次いでprep−LCMS(XBridge C18カラム、流速60mL/分で、0.1%の水酸化アンモニウム含有のアセトニトリル/水溶液のグラジエントで溶離)で精製し、目的物質を得た(30mg、9.7%)。H NMR(500MHz、DMSO−d)δ12.17(1H、s)、8.45(1H、d、J=8.0Hz)、8.10(1H、s)、7.70(1H、s)、7.34(1H、m)、6.61(1H、s)、4.77(1H、m)、4.62(2H、d、J=9.0Hz)、4.39(1H、d、J=9.0Hz)、3.64(2H、s)、2.22(6H、s)、1.31(6H、d、J=7.0Hz)ppm。C2323O(M+H)に対するLCMS計算値:m/z=508.2;実測値:508.0。
実施例8.5−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド
5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド(256mg、0.567mmol、実施例2、ステップ2から)、4−ブロモ−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール(119mg、0.681mmol)、ジシクロへキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン−(2’−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム(1:1)(67mg、0.085mmol)及び炭酸セシウム(550mg、1.7mmol)の混合物の1,4−ジオキサン(2mL)/水(1mL)溶液を窒素で3回パージした。その反応を、53℃まで2時間過熱した。その混合物をEtOAcで希釈し、塩水で洗浄し、濃縮した。得られた残渣を、最初にシリカゲル(0−100%のEtOAc/ヘキサン溶液に次いで10%のメタノール/ジクロロメタン溶液で溶離)上で、次いでprep−LCMS(XBridge C18カラム、流速60mL/分で、0.1%の水酸化アンモニウム含有のアセトニトリル/水溶液のグラジエントで溶離)で精製し、目的物質を得た(0.1g、40%)。H NMR(500MHz、DMSO−d)δ8.64(1H、d、J=1.5Hz)、8.12(1H、s)、8.06(1H、d、J=8.0Hz)、7.96(1H、d、J=1.0Hz)、7.71(1H、s)、4.72(2H、d、J=9.5Hz)、4.49(1H、d、J=9.5Hz)、4.08(1H、m)、3.68(2H、s)、2.22(6H、s)、1.16(6H、d、J=6.5Hz)ppm。C2126O(M+H)に対するLCMS計算値:m/z=420.2;実測値:420.0。
実施例9.5−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
ステップ1.[3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−3−イル]アセトニトリル塩酸塩
tert−ブチル3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5、5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボン酸塩(381mg、0.981mmol、実施例1、ステップ2から)、4−ブロモ−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール(206mg、1.18mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(110mg、0.098mmol)及び炭酸ナトリウム(310mg、2.9mmol)の混合物の1,4−ジオキサン(10mL)及び水(5mL)の溶液を、窒素でパージし、そして110℃で2時間攪拌した。その反応混合物をろ過し、EtOAcで希釈し、そして水で洗浄をした。その有機層を濃縮し、及びシリカゲル(0−100%のEtOAc/ヘキサン溶液に次いで0−10%のメタノール/ジクロロメタン溶液で溶離)上で精製し、tert−ブチル3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−カルボン酸塩を得た(90mg、26%)。C1825(M+H)に対するLCMS計算値:m/z=357.2;実測値:357.2。この中間体を、4.0Mの塩化水素のジオキサン溶液(1.2mL、4.9mmol)中とメチレンクロライド溶液(1mL)中で、室温で2時間処理した。この混合物を乾燥状態まで脱溶し、目的物質を得た。C1317(M+H)に対するLCMS計算値:m/z=257.1;実測値:257.1。
ステップ2.5−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
[3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−3−イル]アセトニトリル塩酸塩(13mg、0.039mmol)、5−クロロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(11mg、0.043mmol、実施例1、ステップ4から)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(28μL、0.16mmol)の混合物のtert−ブチルアルコール溶液(1mL)を、100℃で2時間過熱した。冷却後、その混合物を、MeOHで希釈し及びprep−LCMS(pH=2条件)で精製し、TFA塩としての目的物質を得た(4.1mg、22%)。C2123O(M+H)に対するLCMS計算値:m/z=474.2;実測値:474.0。
実施例10.5−[3−(シアノメチル)−3−(3−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
ステップ1.tert−ブチル4−ブロモ−1H−ピラゾール−1−カルボン酸塩
この化合物は、4−ブロモ−1H−ピラゾールから開始する実施例1、ステップ6の合成に対して記載される手順と類似の方法で調合した。CBrN(M−55)に対するLCMS計算値:m/z=191.0;実測値:190.9。
ステップ2:5−[3−(シアノメチル)−3−(3−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
この化合物は、tert−ブチル4−ブロモ−1H−ピラゾール−1−カルボン酸塩及び5−{3−(シアノメチル)−3−[3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミドから開始する実施例4、ステップ6の合成に対して記載される手順と類似の方法を使用してTFA塩として調合した。C2024O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=406.2;実測値:406.1。
実施例11.5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−エチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩
この化合物は、5−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(実施例1、ステップ5)及び4−ブロモ−3−エチル−1H−ピラゾールから開始する実施例4、ステップ6の合成に対して記載される手順と類似の方法を使用してTFA塩として調合した。C2123O(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=474.2;実測値:474.0。
実施例12.4−{3−(シアノメチル)−3−[3’−(ヒドロキシメチル)−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
ステップ1:(4−ブロモ−1H−ピラゾール−5−イル)メタノール
テトラヒドロホウ酸ナトリウム(0.13g、3.4mmol)を、4−ブロモ−1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド(0.30g、1.7mmol、Maybridge製)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)に添加した。その反応混合物を50℃で1時間攪拌した。その反応混合物をNaHCOの飽和水溶液で急冷却し、そしてエチルアセテート(3x20mL)で抽出した。その複合有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し及び減圧濃縮し、追加精製無しで次のステップで直接使用する粗生成物を得た。CBrNO(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=177.0;実測値:176.9。
ステップ2:4−{3−(シアノメチル)−3−[3’−(ヒドロキシメチル)−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドトリフルオロ酢酸塩
この化合物は、4−{3−(シアノメチル)−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トルフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド及び(4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−イル)メタノールから開始する実施例4、ステップ6の合成に対して記載される手順と類似の方法を使用してTFA塩として調合した。C2221(M+1)に対するLCMS計算値:m/z=510.2;実測値:510.0。
実施例13.4−{3−(シアノメチル)−3−[3−(ヒドロキシメチル)−3’−メチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
ステップ1.エチル4−ブロモ−1−{3−(シアノメチル)−1−[2,5−ジフルオロ−4−({[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]アミノ}カルボニル)フェニル]アゼチジン−3−イル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸塩
マイクロ波瓶に、イソプロピルアルコール(10mL)、エチル4−ブロモ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸塩(ChemBridge製)(788mg、3.60mmol)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(48.9μL、0.327mmol)及び4−[3−(シアノメチレン)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(実施例4、ステップ4から、1.13g、3.27mmol)を投入した。その反応混合物を80℃で2時間攪拌した。室温まで冷却後、溶媒を真空中で除去した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(0−35%のエチルアセテートのヘキサン溶液で溶離しながら)で精製し、白い泡としての目的物質を得た。H NMR(500MHz、DMSO)δ8.61(s、1H)、8.47(d、J=8.7Hz、1H)、7.34(dd、J=12.5及び6.3Hz、1H)、6.62(dd、J=11.9及び7.3Hz、1H)、4.76(dt、J=15.5及び7.8Hz、1H)、4.61(d、J=9.2Hz、2H)、4.39(d、J=8.0Hz、2H)、4.32(q、J=7.1Hz、2H)、3.68(s、2H)、1.13(m、6H)ppm。C2120BrF(M+H)に対するLCMS計算値:m/z=564.1;実測値:563.8。
ステップ2.エチル1−{3−(シアノメチル)−1−[2,5−ジフルオロ−4−({[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]アミノ}カルボニル)フェニル]アゼチジン−3−イル}−3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−3−カルボン酸塩
マイクロ波瓶に、tert−ブチルアルコール(1.2mL)、及び水(1.2mL)、フッ化セシウム(683mg、4.50mmol)、エチル4−ブロモ−1−{3−(シアノメチル)−1−[2,5−ジフルオロ−4−({[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]アミノ}カルボニル)フェニル]アゼチジン−3−イル}−1H−ピラゾール−3−カルボン酸塩(725mg、1.28mmol)そして3−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(401mg、1.93mmol)、次いでPd−127(49mg、0.064mmol)(Johnson Mathew製)を投入した。この反応混合物を85℃で48時間加熱した。その反応を室温まで冷却し、水とエチルアセテートで希釈した。その水層をエチルアセテートで抽出した。その有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮した。得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(30−100%のエチルアセテートのヘキサン溶液で溶離しながら)で精製し、オイルとしての目的物質を得た。C2525BrF(M+H)に対するLCMS計算値:m/z=566.2;実測値:566.0。
ステップ3.4−{3−(シアノメチル)−3−[3−(ヒドロキシメチル)−3’−メチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド
エチル1−{3−(シアノメチル)−1−[2,5−ジフルオロ−4−({[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]アミノ}カルボニル)フェニル]アゼチジン−3−イル}−3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−3−カルボン酸塩(35mg、0.062mmol)のTHF溶液(0.5mL)に、2.0Mのテトラヒドロホウ酸リチウムのTHF溶液(0.12mL、0.25mmol)を添加した。この反応混合物を室温で一晩攪拌した。この反応を水でゆっくり冷やした。その水層をエチルアセテートで抽出した。その有機層を濃縮した。得られた残渣を、prep−LCMS(XBridge C18カラム、流速60mL/分で、0.1%水酸化アンモニウムを含有するアセトニトリル/水溶液のグラジエントで溶離しながら)で精製し、目的物質を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ7.79−7.68(m、2H)、7.61(s、1H)、6.65(m、1H)、6.20(m、1H)、4.99−4.89(m、1H)、4.68(s、2H)、4.60(d、J=8.5Hz、2H)、4.45(dd、J=8.9及び2.0Hz、2H)、3.38(s、2H)、2.34(s、3H)、1.41(d、J=7.0Hz、3H)。C2323(M+H)に対するLCMS計算値:m/z=524.2;実測値:524.0。
実施例14.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩(手順1)
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(24.8mg、0.0489mmol)に、エタノール(0.3mL)を添加し、及びその混合物が透明な溶液になるまで攪拌した。リン酸のイソプロパノール溶液(0.064mL、1M、0.064mmol、1.3eq.)を加え、及びその混合物を、スラリーを形成するまで2分間攪拌した。そして、このスラリーを継続して一晩攪拌した。この混合物をろ過し、及びろ過ケーキをメチルtert−ブチルエーテル溶液(MTBE)で洗浄した。このろ過ケーキを、空気乾燥し、表題の塩を得た(26.3mg、88.9%)。得られたリン酸塩の粉末X線回析(XRPD)パターンを決定し、図1に示した。2θピークの一覧を以下の表2に提示する。
実施例15.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩(手順2)
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(24.6mg、0.0485mmol)に、アセトニトリル(0.3mL)を加え、及びその混合物が透明な溶液になるまで攪拌した。リン酸のイソプロパノール溶液(0.063mL、1M、0.063mmol、1.3eq.)を加え及びその混合物を、スラリーを形成するまで2時間攪拌し、このスラリーを継続して一晩攪拌した。この混合物をろ過し、及びろ過ケーキをMTBEで洗浄した。このろ過ケーキを、空気乾燥し、表題の塩を得た(26.27mg、89.5%)。当該リン酸塩のXRPDパターンを決定し、図2に示した。2θピークの一覧を下記の表3に提示する。
実施例16.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩(手順3)
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(98.93mg、0.195mmol)に、イソプロパノール(1.23mL)を加え、及びその混合物が透明な溶液になるまで攪拌した。リン酸のイソプロパノール溶液(0.273mL、1M、0.273mmol、1.4eq.)を加え及びその混合物を、スラリーを形成するまで70℃で1時間攪拌した。このスラリーを室温まで冷却し、そして一晩攪拌した。この混合物をろ過し、及びそのろ過ケーキをMTBEで洗浄した。このろ過ケーキを、空気乾燥し、表題の塩を得た(109.1mg、92.4%)。当該リン酸塩のXRPDパターンを決定し、それを図3に示した。2θピークの一覧を下記の表4に提示する。
実施例17.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩(手順4)
ステップ1.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩(粗物質)
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(405.0g、798.1mmol)のメタノール(520.0mL)及びイソプロパノール(2550.0mL)混合の50℃の透明溶液に、85%リン酸(119.65g、1037.8mmol)のイロプロパノール溶液(120.0mL)を、スラリーを形成するまで18分間以上をかけて添加した。得られたスラリーを、50℃で1時間攪拌した。そして、スラリーの内部温度を46℃から53℃に維持しながら、n−ヘプタン(4050.0mL)を、40分以上をかけてそのスラリーに加えた。n−ヘプタンの添加後、このスラリーを、室温まで徐々に冷やし及び室温で19時間攪拌した。ろ過で固形分を収集し、イソプロパノールとn−ヘプタンの混合液(容積比3:10、2x700mL)、次いでn−ヘプタン(3x550mL)で洗浄し、室温で真空乾燥し、粗物質の4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩(434.6g、収率89.9%)を得た。
ステップ2:4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩(精製物質)
頭上に攪拌装置とテフロンコートした熱電対を取り付けた22Lの丸底フラスコの中に、ステップ1の4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩(958.3g、1583mmol)及びメタノール(MeOH、9583.0mL)を室温で仕込んだ。その結果得られたスラリーを50℃で加熱し、透明で、淡いオレンジ色の溶液を得た。その溶液を、ポリッシュフィルターでろ過し、前述の22Lのフラスコに移して、そしてメタノール(4793g、6090mL)を蒸留するために、70分以上にわたり加熱還流した。次いで、溶液温度を50℃から65℃に維持しながら、イソプロパノール(7700mL)を30分以上かけてそのフラスコに加えた。イソプロパノール添加を完了後に、混合溶媒(MeOH、IPA及びn−ヘプタン)の穏やかな蒸留を維持しながら、n−ヘプタン(14400mL)を2.5時間以上かけて滴下で添加した。全部で10818g(15000mL)の混合溶媒を蒸留した。得られたスラリーを、徐々に室温まで冷却し、及び室温で17時間攪拌した。ろ過で固形分を収集し、イソプロパノールとn−ヘプタンの混合液(容積比1:5、3000mL)、次いでn−ヘプタン(3x4000mL)で洗浄し、そして室温で真空乾燥し、オフホワイトの結晶粉末である表題の化合物を得た(925.7g、収率96.6%)。
前述のリン酸塩は、H NMRによって1:1の塩であることが示され、及びXRPDによって結晶性が確認された。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ9.35(br.s、4H)、8.50(d、J=8.9Hz、1H)、8.11(s、1H)、7.70(s、1H)、7.34(dd、J=12.5、6.4Hz、1H)、6.61(dd、J=12.0、7.4Hz、1H)、4.86−4.69(m、1H)、4.61(d、J=8.9Hz、2H)、4.38(d、J=8.9、2H)、3.64(s、2H)、2.21(s、6H)、1.30(d、J=7.1Hz、3H);13C NMR(100MHz、DMSO−d)δ162.8、156.7(d、JCF=246.5Hz)、146.9(d、JCF=236.1Hz)、141.6(dd、JCF=13.0、11.7Hz)、140.3、138.3、125.8(q、JCF=281.8Hz)、125.6、117.2、116.4(dd、JCF=22.3、4.6Hz)、115.1、111.3(dd、JCF=15.7、5.8Hz)、107.7、102.0(dd、JCF=29.5、4.5Hz)、62.3、57.7、57.7、45.8(q、JCF=30.5Hz)、27.0、13.3(d、JCF=1.7Hz)、11.7。C2322O(計算MW507.46);LCMS:(EI)m/e508.1(M+H)。図4Aに示すように、DSCは、約227.62℃(発熱反応開始点温度 224.45℃)でシャープな融点を示した。図4Bに示すように、表題の化合物は、200℃までに0.129%の重量減少を示した。当該リン酸塩のXRPDパターンを決定し、それを図4Cに示した。2θピークの一覧を下記の表5に提示する。
実施例18.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド塩酸塩(手順1)
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(97.64mg、0.192mmol)に、2−ブタノール(1.2mL)を添加し及びその混合物を2分攪拌して、透明溶液を得た。塩酸のイソプロパノール/イソプロピルアセテート溶液(0.29mL、3.7MのHClのIPAc溶液から1MのIPA/IPAc溶液、0.29mmol、1.5eq.)を加えて、透明溶液を得た。この溶液を6分間攪拌し、スラリーを形成した。そしてこのスラリーを室温で5時間攪拌した。そのスラリーをろ過し及びそのろ過ケーキをMTBEで洗浄した。そのろ過ケーキを、45−50℃の真空下で12時間乾燥し、表記の塩を得た(97.8mg、93.4%)。図5Aに示すように、DSCは、約213.07℃(発熱反応開始点温度 209.22℃)でシャープな融点を示した。図5Bに示すように、表題の化合物は、約210℃で最大4.635%の重量減少を示した。当該塩酸塩のXRPDパターンを決定し、それを図5Cに示した。2θピークの一覧を下記の表6に提示する。
実施例19.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド塩酸塩(手順2)
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(52.12mg、0.103mmol)に、イソプロパノール(0.5mL)を添加し及びその混合物を3分攪拌して、透明溶液を得た。そして塩酸のイロプロパノール/イソプロピルアセテート溶液(0.144mL、3.7MのHClのIPAc溶液から1MのIPA/IPAc溶液、0.144mmol、1.4eq.)を加えて、透明溶液を得た。その透明溶液を6−8分間攪拌し、スラリーを形成した。そのスラリーを室温で5時間攪拌した。そのスラリーをろ過し及びそのろ過ケーキをMTBEで洗浄した。そのろ過ケーキを、空気乾燥し、表題の塩を得た(51.2mg、91.6%)。当該塩酸塩のXRPDパターンを決定し、それを図6に示した。2θピークの一覧を下記の表7に提示する。
実施例20.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド臭化水素酸塩
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(54.74mg、0.108mmol)に、イソプロパノール(0.6mL)を添加し及びその混合物を3分攪拌して、透明溶液を得た。そして臭化水素酸のイロプロパノール/水溶液(0.151mL、48%HBrの水溶液から1MのIPA/水溶液、0.144mmol、1.4eq.)を加えた結果、透明溶液を得た。そしてこの溶液を8分間攪拌し、スラリーを形成した。そのスラリーを室温で5時間攪拌した。そしてそのスラリーをろ過し及びそのろ過ケーキをMTBEで洗浄した。そのろ過ケーキを、空気乾燥し、表題の塩を得た(53.12mg、83.7%)。図7Aに示すように、DSCは、約203.19℃(発熱反応開始点温度 199.26℃)でシャープな融点を示した。図7Bに示すように、表題の化合物は、約100℃までにほんのわずかな重量減少を示した。当該臭化水素酸塩のXRPDパターンを決定し、それを図7Cに示した。2θピークの一覧を下記の表8に提示する。
実施例21.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド硫酸塩(手順1)
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(47mg、0.103mmol)に、イソプロパノール(0.5mL)を添加し及びその混合物を3分攪拌して、透明溶液を得た。そして硫酸のイソプロパノール溶液(98%の硫酸から0.5MのIPA溶液、0.051mmol、0.55eq.)を加えた結果、透明溶液を得て、そしてこの溶液を6−8分間攪拌し、スラリーを形成した。このスラリーを室温で5時間攪拌した。そしてそのスラリーをろ過し及びそのろ過ケーキをMTBEで洗浄した。そのろ過ケーキを、空気乾燥し、表題の塩を得た(18.84mg、33.6%)。図8Aに示すように、DSCは、136.16℃と146.97℃の2点(発熱反応開始点温度 122.15℃)で吸熱反応を、及び259.16℃(発熱反応開始点温度 255.09℃)でシャープな吸熱反応を示した。当該硫酸塩のXRPDパターンを決定し、それを図8Bに示す。2θピークの一覧を下記の表9に提示する。
実施例22.4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド硫酸塩(手順2)
4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H、1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド(27.91mg、0.055mmol)に、イソプロパノール(0.5mL)を加え、透明溶液を得た。硫酸の水溶液(1.0M、0.06mmol、1.09eq.)を加え、その混合物を攪拌し、スラリーを形成した。そのスラリーを60℃に加熱し及び攪拌し、透明溶液を得た。その溶液を室温まで冷却し、そして継続して一晩攪拌した。その結果得られた混合物をろ過し及びそのろ過ケーキをMTBEで洗浄した。そしてそのろ過ケーキを乾燥し、表題の塩を得た。当該硫酸塩のXRPDパターンを決定し、それを図9に示す。2θピークの一覧を下記の表10に提示する。
実施例A:インビトロでのJAKキナーゼの分析評価
本明細書に記載の化合物を、Park etal.,Analytical Biochemistry 1999,269,94−104に記載の以下のインビトロ試験に従って標的JAKの阻害活性に対して評価した。N末端のHisタグを有するヒトJAK1(a.a.837−1142)、JAK2(a.a.828−1132)、及びJAK3(a.a.781−1124)の触媒ドメインを、昆虫細胞のバキュロウイルスを使って発現させ及び精製した。JAK1、JAK2またはJAK3の触媒活性を、ビオチン化ペプチドのリン酸化反応の測定によって評価した。このリン酸化ペプチドを、時間分解分光法(HTRF)によって検出した。100mMのNaCl、5mMのDTT及び0.1mg/mL(0.01%)のBSAを混合した50mMのトリス(pH7.8)緩衝剤中での、前述の酵素、ATP及び500nMのペプチドを含む40μLの反応における各キナーゼに対して、化合物のIC50を測定した。1mMのIC50測定に対して、この反応のATP濃度は、1mMであった。室温で1時間反応を進め、そして試験緩衝剤(Perkin Elmer、Boston、MA)中の20μLの45mMのEDTA、300nMのSA−APC、6nMのEu−Py20を添加して止めた。ユウロピウム標識された抗体の結合に40分間を使い及びHTRFシグナルを、フュージョンプレートリーダー(Perkin Elmer,Boston、MA)で測定した。実施例の化合物に関するデータは表11を参照のこと。
*300 nM 以下 (+); >300 nM 〜 1000 nM (++); >1000 nM (+++); >700 nM (++++)
実施例B:細胞試験
癌細胞株はサイトカインに依存するので、増殖に対するJAK/STATシグナル伝達を、RPMI 1640培地、10%FBS、及び適切なサイトカインの1nG/mLにおいて、ウェル(穴)あたり6000細胞(96穴プレート形式)で、培養できる。DMSO/培地(最終濃度0.2%DMSO)の細胞に化合物を加え及び37℃、5%COの条件で72時間培養する。細胞の生存に関わる化合物の効果を、CellTiter−Glo発光細胞生存率アッセイ(CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay)(Promega)、次いでTopCount(Perkin Elmer, Boston,MA)計量器を使用して試験する。化合物の潜在的な標的外への効果を、平行して同じ計測器で非−JAK発現の細胞系を使用して測定する。全ての試験は、典型的に二通りで実施される。
前述の細胞株は、JAKキナーゼまたは潜在的に下流位のSTATタンパク質、Akt、Shp2、またはErkなどの基質のリン酸化反応において、化合物の効果を試験するために使用可能である。これらの実験は、化合物の簡単な前培養(2時間未満)及び約1時間未満のサイトカイン刺激に次いで、以下の一晩のサイトカインの飢餓培養で実施できる。リン酸化タンパク質と全タンパク質の違いを区別できる抗体使用のウエスタンブロッティング(Western blotting)法やELISA法を含む当技術分野で馴染の技術で、タンパク質を細胞から抽出し及び分析できる。これらの実験では、正常細胞または癌細胞を利用して、腫瘍細胞の生存生理学におけるまたは炎症疾患の媒介物における化合物の活性を調査できる。例えば、後者に関しては、STATタンパク質のリン酸化反応において、及び、潜在的に、転写プロファイル(配列技術またはqPCR技術で評価される)または、IL−17のようなタンパク質の産生及び/または分泌において、JAK活性を刺激するために、IL−6、IL−12、IL−23またはIFNなどのサイトカインを使用できる。化合物の効果を介したこれらサイトカインを阻害する能力は、この分野に共通の技術を使用して測定可能である。
本明細に記載の化合物は、変異JAK、例えば、骨髄増殖性疾患に見られるJAK2V617F変異体に対する化合物の効力と活性を評価するように設計された細胞モデルで試験できる。これらの実験ではしばしば、野生型またはJAKキナーゼの変異体が、異所的に発現した場所にある血液系統のサイトカイン依存細胞(例えば、BAF/3)を利用する(James,C.,et al.Nature 434:1144−1148;Staerk,J.,et al.JBC 280:41893−41899)。評価項目には、細胞生存、増殖、及びリン酸化されたJAK,STAT,Akt,またはErkタンパク質における化合物の効果を含める。
本明細書に記載の特定の化合物については、T細胞の増殖を阻害するそれら化合物の能力を評価できる。そのような試験には、第二サイトカイン(すなわちJAK)刺激の増殖試験及び免疫抑制法または免疫活性の阻害の簡易な試験が考えられる。以下は、そのような実験が、どのように行われるのかの概要である。Ficoll Hypaque分離法を使用したヒト全血試料から、末梢血単核球(PBMC)を用意し、及び水簸分級により、PBMCからT細胞(フラクション2000)を得る。新鮮な状態で分離されたヒトT細胞を、培養培地(10%のウシ胎児血清を追加したRPMI1640、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン)で、2x10細胞/mlの密度で、37℃で最高2日間保持する。IL−2刺激の細胞増殖分析に対しては、T細胞に、最終濃度が10μg/mLのフィトヘマグルチニン(PHA)を加え、72時間、最初に処理する。PBSで一度洗浄した後、96穴プレートに6000細胞/穴を用意し、及び100U/mLのヒトIL−2(ProSpec−Tany TechnoGene;Rehovot,Israel)が存在する培養培地において、異なる濃度の化合物を加える。前述のプレートを37℃で72時間培養し、そしてその増殖計数を、製造者が提案するプロトコル(Promega、Madison、WI)に従って、CellTiter−Glo発光試薬を使用して評価する。
実施例C:インビボでの抗腫瘍効果
本明細書に記載の化合物は、免疫無防備状態のマウスにおけるヒト腫瘍異種移植モデルで評価することができる。例えば、INA−6形質細胞腫細胞株の幹の変異株を、SCIDマウスに皮下接種できる(Burger,R.,et al.Hematol J.2:42−53,2001)。腫瘍を持つ動物を、薬または賦形剤による治療群として無作為に抽出し、及び経口、腹腔、すなわち、埋め込み型のポンプを使った継続注入を含む多様な通常の経路よって、化合物の異なる量を投与できる。キャリパーを使用して、腫瘍の増殖を継時的に追跡する。さらにJAK活性及び下流のシグナル伝達経路における化合物の影響を評価するために上述の分析(実施例B)に対応して、腫瘍のサンプルを、治療の開始後いつでも採取できる。加えて、当該化合物の選択性を、K562腫瘍モデルなどの他の公知のキナーゼ(例えば、Bcr−Abl)で刺激される異種移植腫瘍モデルを使用して評価できる。
実施例D:マウスの皮膚接触による遅延型過敏反応試験
本明細書に記載の化合物の有効性(標的JAKの阻害性)を、T細胞刺激マウスの遅延型過敏反応試験モデルで評価できる。マウスの皮膚接触による遅延型過敏(DTH)反応は、臨床的接触皮膚炎の有効なモデルであり、及び乾癬などTリンパ球を介した皮膚の他の免疫疾患であると考えられる(Immunol Today.1998 Jan;19(1):37−44)。マウスDTHは、免疫浸潤、炎症性サイトカインのそれに伴う増加、及びケラチノサイト過剰増殖を包含する乾癬の複数の特徴を持つ。さらに加えて、臨床において乾癬の治療に有効である多数の薬剤クラスが、マウスのDTH反応の阻害に効果的である(Agents Actions.1993 Jan;38(1−2):116−21)。
初日及び1日目、Balb/cマウスの剃毛腹部へ、抗原2,4−ジニトロ−フルオロベンゼン(DNFB)を局所塗布で感作する。5日目、工業用のマイクロメーターを使って、耳の厚みを測定する。この測定値を記録し、基準値として使用する。この動物の両耳に、0.2%濃度でトータル20μLのDNFBを局所適用(内部耳介に10μL及び外部耳介に10μL)し、負荷を与える。負荷後24時間から72時間で、耳を再度測定する。当該試験化合物での治療を、感作及び負荷フェーズ(1日から7日)を通して、またはそれに先立って行い、さらにその負荷フェーズ(通常、4日目から7日目の午後)で行う。当該試験化合物での(異なる濃度での)治療は、全身にまたは局所的(耳への局所適用で)に行う。当該試験化合物の有効性が、治療無しの状態との比較において、腫れ耳の減少によって示される。20%またはそれ以上減少させる化合物に、治療効果があると考えた。いくつかの実施形態において、マウスは、負荷を負ったにもかかわらず感作しない(ネガティブ・コントロール)。
(JAK−STAT経路の活性化を阻害している)当該試験化合物の阻害効果は、免疫組織化学的解析により確認できる。JAK−STAT経路の活性化は、機能性転写因子の形成と転座をもたらす。さらに、免疫細胞の流入とケラチノサイトの増殖亢進が、調査及び計測の対象である耳の固有の発現プロファイルに変化をもたらすはずである。ホルマリン固定でパラフィンを埋め込んだ耳部位(前記DTHモデルの負荷フェーズ後採取された)は、リン酸化STAT3(58E12のクローン、Cell Signaling Technologies)に特異的に相互作用する抗体を使用した免疫組織化学分析に提供される。前述のマウスの耳は、比較のためのDTHモデルにおいて、試験化合物、賦形剤、またはデキサメタゾン(乾癬に対し臨床的に効果がある治療)で治療し、またはいかなる治療も行わない。試験化合物及び前述のデキサメタゾンは、定性的にも定量的にも類似した転写の変化を生み出すことができ、及び試験化合物とデキサメタゾンの両方が、湿潤細胞の数を減らすことができる。当該試験化合物の全身及び局所投与の両方において、阻害効果、すなわち、湿潤細胞数の減少及び転写変化の阻害を生み出すことができる。
実施例E:インビボでの抗炎症作用
本明細書に記載の化合物を、単一または複合の炎症反応を再現するため、げっ歯類または非げっ歯類モデルで評価できる。例えば、予防的または治療的に投与された化合物の治療可能性を評価するために、関節炎のげっ歯類モデルを使用できる。これらのモデルは、非限定的だが、マウスまたはラットのコラーゲン誘発関節炎、ラットのアジュバント誘発関節炎、及びコラーゲン抗体誘導関節炎を包含する。非限定的に、多発性硬化症、I型糖尿病、網膜症、甲状腺炎、重症筋無力症、免疫グロブリン腎障害、心筋炎、気道感作(喘息)、尋常性狼瘡、または大腸炎を包含する自己免疫疾患を、本明細書に記載の化合物の治療可能性を評価するために利用してよい。これらモデルは、当学会においてよく活用され及び当業者にはよく知られている(Current Protocols in Immunology,Vol3.,Coligan,J.E.et al,Wiley Press.;Methods in Molecular Biology:Vol.225,Inflammation Protocols.,Winyard,P.G.and Willoughby,D.A.,Humana Press,2003.)。
実施例F:ドライアイ、ぶどう膜炎、結膜炎の治療のための動物モデル
当業者に知られる1つまたは複数のドライアイの前臨床モデルで、薬剤を評価して良く、それらモデルは、非限定的に、ウサギのコンカナバリンA(ConA)涙腺モデル、スコポラミン・マウスモデル(皮下又は経皮的)、ボツリヌス・マウス涙腺モデル、または任意の数の自発的なげっ歯類の自動免疫モデルを包含し、眼腺機能不全を招くモデルである。(例えば、NOD−SCID、MRL/lpr、またはNZB/NZW)(Barabino et al.,Experimental Eye Research 2004,79,613−621及びSchrader et al.,Developmental Opthalmology,Karger 2008,41,298−312,いずれの参照も、その全体を援用することにより本明細書に組み込む)。これらモデルの評価項目は、眼線と眼球(角膜など)の病理組織学及びおそらく、涙の産生を測定する従来のシルマー試験またはその改訂版(Barabino et al.)を包含して良い。測定可能な疾患が出る前にまたは出た後で始まる、複数の経路による投与(例えば、全身または局所)により、薬剤作用が評価される。
当業者に知られる1つまたは複数のぶどう膜炎の前臨床モデルで、薬剤を評価して良い。それらには、非限定的だが、実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)及びエンドトキシン誘発ブドウ膜炎(EIU)のモデルを含む。EAUの実験は、ウサギ、ラットまたはマウスのモデルで実施して良く、及び受動または能動免疫法を伴ってよい。例えば、動物が同様の抗原で眼に負荷を負った後、関連免疫源にその動物を感作するために、多数のレチナール抗原のいずれかを使用して良い。前述のEIUモデルは、より急性で、致死未満量でのリポ多糖類の局所または全身投与を行う。このEIU及びEAU両モデルの評価項目は、眼底検査試験、病理組織などを包含して良い。これらモデルは、Smithらによってレビューされている(Immunology and Cell Biology 1998,76,497−512,その全体を援用することにより本明細書に組み込む)。測定可能な疾患が出る前にまたは出た後で始まる、複数の経路による投与(例えば、全身または局所)により、薬剤作用が評価される。上述のいくつかのモデルは、強膜炎/上強膜炎、脈絡膜炎、眼病、または虹彩炎に発展するかもしれず、それゆえにこれらの疾患の治療処置に対する化合物の潜在的作用の検討に有用である。
当業者に知られる1つまたは複数の結膜炎の前臨床モデルで、薬剤を評価して良い。それらには、非限定的だが、モルモット、ラット、またはマウスを利用したげっ歯類モデルを含む。前記げっ歯類モデルには、能動または受動免疫法及び/または卵白アルブミンやブタクサなど抗原を使用する免疫負荷プロトコルを利用するモデルを包含する(Groneberg,D.A.,et al.,Allergy 2003,58,1101−1113においてレビューされ、その全体を援用することにより本明細書に組み込む)。ラット及びマウスモデルは、一般設計が、モルモットのものと類似している(Gronebergによるレビュー)。測定可能な疾患が出る前にまたは出た後で始まる、複数の経路による投与(例えば、全身または局所)により、薬剤作用が評価される。そのような研究の評価項目には、例えば、結膜など眼球組織の組織学的、免疫学的、生化学的、または分子の解析を含めて良い。
実施例G:インビボでの骨の保護
当業者に知られる1つまたは複数の骨減少症、骨粗しょう症、または骨吸収症の前臨床モデルで、化合物が評価される。例えば、卵巣摘出のげっ歯類を使用して、骨の再形成及び/または密度の標識及びマーカーに影響を与える化合物の能力を評価して良い(W.S.S.Jee and W.Yao,J Musculoskel.Nueron.Interact.,2001,1(3),193−207,その全体を援用することにより本明細書に組み込む)。あるいは、骨減少症誘導療法(例えば、糖質コルチコイド)のモデルにおいてげっ歯類を処置した化合物またはそのコントロールで、骨の密度及び構造を評価して良い(Yao,et al.Arthritis and Rheumatism,2008,58(6)、3485−3497;and id.58(11),1674−1686,両参考の全体を援用することにより本明細書に組み込む)。加えて、骨の吸収及び密度における化合物の効果は、上記(実施例E)で取り上げた関節炎のげっ歯類モデルで評価して良い。これらすべてのモデルの評価項目は異なるが、しかし組織学的及び放射線学的評価と同様に、免疫組織学及び骨再形成の適切な生化学マーカーがしばしば含まれる。
実施例H:S100A9遺伝子組み換えマウスモデル
S100A9遺伝子組み換えマウスは、進行性多血球系血球減少症及びMDSに似た細胞異形成の発現に伴うMDSCの骨髄蓄積を表現する。さらに、全トランス−レチノイン酸処理または活性な免疫受容活性化チロシンモチーフ含有(ITAM−bearing)受容タンパク質(DAP12)のCD33シグナルの妨害のどちらかによるMDSCの早期の強制成熟が、血液学的形質を救い及び疾患を軽減する。このシステムは、前臨床モデルにおいてMDS様疾患でのJAK1阻害における影響を評価するのに有用である。J.Clin.Invest.,123(11):4595−4611(2013)。従って、JAK1選択性阻害剤は、経口投与によって与えられる。前記S100A9遺伝子組み換えマウスモデルで観察される血球減少症及び細胞異形成を軽減するための、当該化合物の能力がモニターされる。
本明細書に記載される事項に加えて、本発明の様々な修正は、当技術分野に精通する者にとっては、これまでの記載から明らかであろう。そのような修正は、本特許の請求範囲に該当することを意図する。本出願に引用される、全ての特許、特許出願、及び出版物を含む各参照は、その全体を援用することにより本明細書に組み込む。

Claims (60)

  1. 式I:
    [式中、
    Cyは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、またはピリダジニルであり、各々が、R、R、R、及びRから独立して選択される1、2、3、または4個の基により置換されていてもよく、
    Yは、NまたはCHであり、
    は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−7シクロアルキル、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル、4〜7員ヘテロシクロアルキル、4〜7員ヘテロシクロアルキル−C1−3アルキル、フェニル、フェニル−C1−3アルキル、5〜6員ヘテロアリールまたは5〜6員ヘテロアリール−C1−3アルキルであり、各々が、フルオロ、クロロ、C1−3アルキル、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−C(=O)N(C1−3アルキル)、−C(=O)NH(C1−3アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)O(C1−3アルキル)、−S(=O)(C1−3アルキル)、−S(=O)(C3−6シクロアルキル)、−C(=O)(C3−6シクロアルキル)、及び−C(=O)(C1−3アルキル)から独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    は、HまたはC1−3アルキルであり;ここで前述のC1−3アルキルは、フルオロ、クロロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−CF、−CHF、−CHF、NH、−NH(C1−3アルキル)、及び−N(C1−3アルキル)から独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、または、
    及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4、5、または6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、F、Cl、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−CHCN、及び−CHOHから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−O(C1−3アルキル)、または−O(C1−3フルオロアルキル)であり、
    は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−O(C1−3アルキル)、または−OC(C1−3フルオロアルキル)であり、
    は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−O(C1−3アルキル)、または−OC(C1−3フルオロアルキル)であり、
    は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、C1−3フルオロアルキル、−O(C1−3アルキル)、または−OC(C1−3フルオロアルキル)であり、
    は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、−NR1717a、−NHC(=O)R17b、−C(=O)NR17a17b、−NHS(=O)17b、または−S(=O)NR17a17bであり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、Cl、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−NH、−NH(CH)、−N(CH、OH、−OCH、−OCF、−OCHF、及び−OCHFから選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    は、H、F、Cl、C1−3アルキル、またはC1−3ハロアルキルであり、
    は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、シクロプロピル、−CN、−NH、−NH(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)であり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    10は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、シクロプロピル、−CN、−NH、−NH(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)であり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    17は、C1−6アルキル、フェニルまたは5〜6員ヘテロアリールであり、各々が、独立して選ばれる1、2、3、または4個の置換基R27により置換されていてもよく、
    17aは、HまたはC1−3アルキルであり、
    17bは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、−NH(CH)、−N(CH、OH、−OCH、−OCF、−OCHF、及び−OCHFから選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよいC1−3アルキルであり、
    各R27は、ハロ、−OH、NO、−CN、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、C2−3アルキニル、C1−3ハロアルキル、シアノ−C1−3アルキル、HO−C1−3アルキル、CF−C1−3ヒドロキシアルキル、C1−3アルコキシ−C1−3アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、HN−、(C1−3アルキル)NH−、(C1−3アルキル)N−、HS−、C1−3アルキル−S−、C1−3アルキル−S(=O)−、C1−3アルキル−S(=O)−、カルバミル、C1−3アルキルカルバミル、ジ(C1−3アルキル)カルバミル、カルボキシ、C1−3アルキル−C(=O)−、C1−4アルコキシ−C(=O)−、C1−3アルキル−C(=O)O−、C1−3アルキル−C(=O)NH−、C1−3アルキル−S(=O)NH−、HN−SO−、C1−3アルキル−NH−S(=O)−、(C1−3アルキル)N−S(=O)−、HN−S(=O)NH−、C1−3アルキル−NHS(=O)NH−、(C1−3アルキル)N−S(=O)NH−、HN−C(=O)NH−、C1−3アルキル−NHC(=O)NH−、及び(C1−3アルキル)N−C(=O)NH−から独立して選ばれる]
    で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  2. 式Ia:
    [式中、
    Xは、NまたはCR であり、
    Wは、NまたはCR である]
    で示される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  3. 式Ia:
    [式中、
    Xは、NまたはCRであり、
    Wは、NまたはCRであり、
    Yは、NまたはCHであり、
    は、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキル−C1−3アルキル、4〜6員ヘテロシクロアルキル、または4〜6員ヘテロシクロアルキル−C1−3アルキルであり、各々、フルオロ、クロロ、C1−3アルキル、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、−C(=O)N(C1−3アルキル)、−C(=O)NH(C1−3アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)O(C1−3アルキル)、−S(=O)(C1−3アルキル)、−S(=O)(C3−6シクロアルキル)、−C(=O)(C3−6シクロアルキル)、及び−C(=O)(C1−3アルキル)から独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    は、HまたはC1−3アルキルであり、ここで前述のC1−3アルキルは、フルオロ、クロロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、−CF、−CHF、−CHF、NH、−NH(C1−3アルキル)、及び−N(C1−3アルキル)から独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、または、
    及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4、5、または6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、フルオロ、−OH、−O(C1−3アルキル)、−CN、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、−NH、−NH(C1−3アルキル)、−N(C1−3アルキル)、及び−CHCNから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、−OCF、−CF、または−O(C1−3アルキル)であり、
    は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、または−O(C1−3アルキル)であり、
    は、H、F、Cl、−CN、C1−3アルキル、または−O(C1−3アルキル)であり、
    は、H、F、Cl、−CN、またはC1−3アルキルであり、
    は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、−NR1717a、−NHC(=O)R17b、−C(=O)NR17a17b、−NHS(=O)17b、または−S(=O)NR17a17bであり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、Cl、−CN、−CF、−CHF、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    は、H、F、Cl、C1−3アルキル、またはC1−3ハロアルキルであり、
    は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、シクロプロピル、−CN、−NH、−NH(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)であり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    10は、H、F、Cl、C1−3アルキル、C1−3ハロアルキル、シクロプロピル、−CN、−NH、−NH(C1−3アルキル)、または−N(C1−3アルキル)であり、ここで前述のC1−3アルキルは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    17は、C1−6アルキル、フェニルまたは5〜6員ヘテロアリールであり、各々、R27から独立して選ばれる1、2、3、または4個の置換基により置換されていてもよく、
    17aは、HまたはC1−3アルキルであり、
    17bは、F、クロロ、−CN、−CF、−CHF2、−CHF、−NH、及びOHから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよいC1−3アルキルであり、
    各R27は、ハロ、−OH、NO、−CN、C1−3アルキル、C2−3アルケニル、C2−3アルキニル、C1−3ハロアルキル、シアノ−C1−3アルキル、HO−C1−3アルキル、CF−C1−3ヒドロキシアルキル、C1−3アルコキシ−C1−3アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−3アルコキシ、C1−3ハロアルコキシ、HN−、(C1−3アルキル)NH−、(C1−3アルキル)N−、HS−、C1−3アルキル−S−、C1−3アルキル−S(=O)−、C1−3アルキル−S(=O)−、カルバミル、C1−3アルキルカルバミル、ジ(C1−3アルキル)カルバミル、カルボキシ、C1−3アルキル−C(=O)−、C1−4アルコキシ−C(=O)−、C1−3アルキル−C(=O)O−、C1−3アルキル−C(=O)NH−、C1−3アルキル−S(=O)NH−、HN−SO−、C1−3アルキル−NH−S(=O)−、(C1−3アルキル)N−S(=O)−、HN−S(=O)NH−、C1−3アルキル−NHS(=O)NH−、(C1−3アルキル)N−S(=O)NH−、HN−C(=O)NH−、C1−3アルキル−NHC(=O)NH−、及び(C1−3アルキル)N−C(=O)NH−から独立して選ばれる]
    で示される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  4. が、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく、
    が、Hまたはメチルであり、
    が、H、F、またはClであり、
    が、HまたはFであり、
    が、HまたはFであり、
    が、HまたはFであり、
    が、H、メチル、エチル、またはHO−CH−であり、
    が、Hまたはメチルであり、
    が、H、メチルまたはエチルであり、及び、
    10が、H、メチル、エチルまたはHO−CH−である、
    請求項3に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  5. YがNである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  6. YがCHである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  7. XがNである、請求項2〜6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  8. XがCRである、請求項2〜6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  9. がHまたはFである、請求項8に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  10. WがNである、請求項2〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  11. WがCRである、請求項2〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  12. がH、F、またはClである、請求項11に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  13. がHまたはFである、請求項11に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  14. がHである、請求項11に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  15. がHまたはFである、請求項2〜14のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  16. がHまたはFである、請求項2〜15のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  17. がHまたはメチルである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  18. がHである、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  19. がC1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C3−6シクロアルキル、またはC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルであり、ここで、前述のC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、及びC3−6シクロアルキル−C1−3アルキルは、それぞれ、フルオロ、−CF、及びメチルから独立して選ばれる1、2、または3個の置換基により置換されていてもよい、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  20. がイソプロピル、エチル、1−メチルプロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル、1−シクロプロピルエチル、シクロプロピル、1−トリフルオロメチルシクロプロピル、1−シクロプロピル−2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、または2,2−ジフルオロエチルである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  21. がイソプロピル、エチル、1−メチルプロピル、または2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチルである、請求項1〜18のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  22. がH、メチル、エチル、またはHO−CH−である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  23. がHまたはメチルである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  24. がHである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  25. がH、メチル、またはエチルである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  26. がHである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  27. がメチルである、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  28. 10がH、メチル、エチル、またはHO−CH−である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  29. 10がHである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  30. 10がメチルである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  31. 10がエチルである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  32. 10がHO−CH−である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  33. 式II:
    で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜4、8〜9、及び11〜32のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  34. 式III:
    で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜4、8〜10、及び15〜32のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  35. 式IV:
    で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜4、7、10、及び15〜32のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  36. 式IIa:
    で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜4、8〜9、及び11〜32のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  37. 式IIIa:
    で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜4、8〜10、及び15〜32のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  38. 式IVa:
    で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項1−4、7、10、及び15〜32のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
  39. 以下から選択される請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩:
    5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド、
    5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド、
    4−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルベンズアミド、
    4−[3−(シアノメチル)−3−(3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、
    4−[3−(1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)−3−(シアノメチル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、
    5−[3−(シアノメチル)−3−(3,3’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド、
    4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、
    5−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド、
    5−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド、
    5−[3−(シアノメチル)−3−(3−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−イソプロピルピラジン−2−カルボキサミド、
    5−[3−(シアノメチル)−3−(3’−エチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ピラジン−2−カルボキサミド、
    4−{3−(シアノメチル)−3−[3’−(ヒドロキシメチル)−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド、
    4−{3−(シアノメチル)−3−[3−(ヒドロキシメチル)−3’−メチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル]アゼチジン−1−イル}−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド。
  40. 4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドである請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  41. 以下から選ばれる塩:
    4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩、
    4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド塩酸塩、
    4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド臭化水素酸塩、および
    4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミド硫酸塩。
  42. 請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物または塩、及び薬学的に許容される担体を含む、組成物。
  43. 請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物または塩を含む、JAK1の活性を阻害するための医薬。
  44. 前記化合物または塩が、JAK2よりもJAK1に対して選択的である、請求項43に記載の医薬。
  45. 自己免疫疾患、癌、骨髄増殖性疾患、炎症性疾患、骨吸収疾患、または臓器移植拒絶反応の治療用医薬であって、請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物または塩を含む、医薬。
  46. 前記自己免疫疾患が、皮膚疾患、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、I型糖尿病、狼瘡、炎症性腸疾患、クローン病、重症筋無力症、免疫グロブリン腎障害、心筋炎、または自己免疫性甲状腺疾患である、請求項45に記載の医薬。
  47. 前記自己免疫疾患が、関節リウマチである、請求項45に記載の医薬。
  48. 前記自己免疫疾患が、皮膚疾患である、請求項45に記載の医薬。
  49. 前記皮膚疾患が、アトピー性皮膚炎、乾癬、皮膚感作性、皮膚刺激性、皮膚発疹、接触性皮膚炎またはアレルギー性接触感作性である、請求項48に記載の医薬。
  50. 前記癌が、固形腫瘍である、請求項45に記載の医薬。
  51. 前記癌が、前立腺癌、腎癌、肝臓癌、乳癌、肺癌、甲状腺癌、カポジ肉腫、キャッスルマン病または膵臓癌である、請求項45に記載の医薬。
  52. 前記癌が、リンパ腫、白血病、または多発性骨髄腫である、請求項45に記載の医薬。
  53. 前記骨髄増殖性疾患が、真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、好酸球増加症候群(HES)、特発性骨髄線維症(IMF)、または全身性肥満細胞症(SMCD)である、請求項45に記載の医薬。
  54. 前記骨髄増殖性疾患が、骨髄線維症である、請求項45に記載の医薬。
  55. 前記骨髄増殖性疾患が、原発性骨髄線維症(PMF)である、請求項45に記載の医薬。
  56. 前記骨髄増殖性疾患が、真性多血症後骨髄線維症(Post−PV MF)である、請求項45に記載の医薬。
  57. 前記骨髄増殖性疾患が、本態性血小板血症後骨髄線維症(Post−ET MF)である、請求項45に記載の医薬。
  58. 骨髄異形成症候群(MDS)の治療用医薬であって、請求項1〜41のいずれか1項に記載の化合物または塩を含む、医薬。
  59. 前記骨髄異形成症候群が、単一血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCUD)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、芽球増加を伴う不応性貧血−1(RAEB−1)、芽球増加を伴う不応性貧血−2(RAEB−2)、骨髄異形成症候群、分類不能型(MDS−U)、及びdel(5q)単独の染色体異常を伴う骨髄異形成症候群から選択される、請求項58に記載の医薬。
  60. 4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩の調製方法であって、
    (a)4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩を、約40℃から約70℃でメタノールに溶解し、次いで、イソプロパノールを添加して、第一混合物を形成し、
    (b)前記第一混合物に、穏やかな蒸留を維持しながら、n−ヘプタンを添加して、第二混合物を形成し、及び、
    (c)前記第二混合物を冷却して、4−[3−(シアノメチル)−3−(3’,5’−ジメチル−1H,1’H−4,4’−ビピラゾール−1−イル)アゼチジン−1−イル]−2,5−ジフルオロ−N−[(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩を得る
    ことを含む、方法。
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