JP6414854B2 - 建物の解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、解体重機を建物の上部に移動し、この解体重機で建物を解体しながら降下させて建物全体を解体する建物の解体方法に関し、とくに、建物の周囲に解体重機を吊り上げるクレーンを配置できない建物の解体に最適な解体方法に関する。
現在、建物は以下の方法で解体している。最も一般的な解体方法は、建物の外側に接近して、建物の屋上まで届く大型アームを装備する解体重機を配置して、この解体重機で建物を外側から解体する方法である。この方法は大型の解体重機を建物に接近して配置するので、建物の周囲に広い道路や敷地を必要とする。このため、周囲に広い道路や空き地のない建物はこの方法で解体できない。また、周囲に電線や電柱のある建物はこれ等が邪魔になって建物を解体できない。
周囲に広い道路や空き地のない建物は、解体重機を建物の上部に吊り上げて、解体重機で建物を解体しながら降下して建物全体を解体している。この方法も、解体重機をクレーンで吊り上げると、建物の周囲に解体重機を吊り下げるクレーンを配置するスペースを必要とする。このため、周囲に道路や空き地のない建物は解体重機を建物の上部に吊り上げできない。
この方法の欠点を解消するために、建物の屋上に解体重機を吊り上げるクレーンを固定し、このクレーンで解体重機を建物の上部に吊り上げる解体方法が開発されている。(特許文献1参照)
特開2014−47479号公報
従来の方法は、建物の屋上に架台を設け、この架台に吊上ウインチを設置し、この吊上ウインチで解体重機を建物の上部に吊り上げ、上部に移動された解体重機で建物を解体しながら降下して建物全体を解体する。この方法は、建物の屋上に設けた架台に設置された吊上ウインチで解体重機を吊り上げるために、建物の複数階にわたって解体重機を通過させるための通過穴を開口しており、各階に開口された通過穴を垂直方向に直線状に配置している。このように、解体重機が通過できる大きな通過穴を建物の複数階にわたって形成するのは、極めて手間がかかる問題点がある。それは、コンクリートを破壊できる解体重機を使用できないからである。このため、作業員がコンクリートを破砕する電動ハンマ等を使用して開口する必要があり、この作業に時間と労力がかかってコストが高くなってしまう問題点がある。
また、複数階にわたって開口される通過穴は、吊り上げられる解体重機を通過させるために垂直方向に直線状に設けられるので、これらの通過穴により、建物内には上下に連続する吹き抜け部が形成される。このように高低差のある吹き抜け部は、その形成工程において作業員が落下したり、資材や廃材が高所から落下される危険性があり、極めて作業環境を悪くする。
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単かつ容易に、しかも安全に解体重機を建物の上部に吊り上げでき、さらに建物の解体コストを低減しながら解体重機を建物の上部に移動できる建物の解体方法とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の建物の解体方法は、建物20を破壊する解体具12をアーム2の先端に装備する解体重機1を建物20の上階に移動する重機移動工程と、建物20の上階に移動された解体重機1が建物20を上階から下階に解体しながら降下する解体工程とで建物20を解体する。重機移動工程は、解体重機1を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチ5を解体重機1に装備する重機準備工程と、解体重機1が配置される階の天井27である階上の床22よりも上階の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する穿孔工程と、貫通孔24の真下の位置において、解体重機1で天井27の一部を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する開口工程と、解体重機1に装備した吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、通過穴23と貫通孔24とに通過させて建物20の下階から上階に挿通するワイヤー挿通工程と、ワイヤー6の先端を建物20の上階に固定するワイヤー固定工程と、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する重機吊り上げ工程とを含んでいる。
以上の解体方法は、簡単かつ容易に、しかも速やかに解体重機を建物の上部に吊り上げできる特徴がある。それは、以上の解体方法が、従来のように建物の屋上に架台や吊上クレーンを設置することなく、吊上ウインチを装備する解体重機を使用して、吊上ウインチから繰り出されるワイヤーを建物の上階に連結し、ワイヤーを吊上ウインチで巻き取って解体重機を建物の上部に吊り上げるからである。とくに、以上の解体方法は、従来のように、各階の床にあらかじめ大きな通過穴を開口することなく、上階の床には、通過穴に比較して極めて小さな貫通孔を穿孔し、この貫通孔に挿通されたワイヤーを介して解体重機を建物の上階に吊り上げる。また、解体重機を吊り上げる際には、解体重機が配置された階の天井の一部を解体重機で破壊して通過穴を開口するので、簡単かつ容易に解体重機を通過させる通過穴を上階の床のコンクリートに開口することができる。以上の解体方法は、上階の床コンクリートに通過穴を開口する経費を削減できるので、建物を解体するためのトータルコストを相当に低減できる特徴も実現する。また、従来のように、建物の上部から下階まで連通された吹き抜け状の開口部を形成することなく、建物に開口された貫通孔に挿通されたワイヤーを介して解体重機を吊り上げるので、危険な作業を必要とせず、安全に解体重機を建物の上部に移動して建物を解体できる特徴も実現する。
本発明の建物の解体方法は、穿孔工程において、複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を穿孔すると共に、各階に穿孔される貫通孔24を垂直方向に直線状に配置し、さらに、重機吊り上げ工程の後工程として、解体重機1を吊り上げて通過させた通過穴23に支持部材25を橋渡しして、支持部材25上に解体重機1を載せて支持する重機支持工程と、支持部材25で支持された解体重機1で、天井27の一部であって貫通孔24の周囲を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する第2開口工程とを備え、重機吊り上げ工程と重機支持工程と第2開口工程とを繰り返して、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させることができる。
以上の解体方法は、複数階にわたって上階の床に貫通孔を穿孔し、通過穴を通過して吊り上げた解体重機を通過穴に橋渡しした支持部材で支持しながら、解体重機で天井の一部を破壊して上階の床に通過穴を設けるので、複数階にわたって開口された貫通孔に挿通されたワイヤーで解体重機を吊り上げながら、上階の床の一部を解体重機で破壊して簡単かつ容易に通過穴を開口することができる。
本発明の建物の解体方法は、重機吊り上げ工程で建物20の上階に移動された解体重機1を、上階の床面上に乗り入れる乗り入れ工程と、解体重機1を乗り入れた階の天井27である階上の床22よりも上階の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する第2穿孔工程と、貫通孔24の真下の位置において、解体重機1で天井27の一部を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する第3開口工程と、解体重機1に装備してなる吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、通過穴23と貫通孔24とに通過させて建物20の下階から上階に挿通する第2ワイヤー挿通工程と、ワイヤー6の先端を建物20の上階に固定する第2ワイヤー固定工程と、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する第2重機吊り上げ工程とより、解体重機1を建物20の上階に移動させることができる。
以上の解体方法は、通過穴を開口して解体重機を吊り上げる場所を変更しながら解体重機を建物の上階に移動させるので、建物に開口される通過穴により形成される上下に伸びる吹き抜け部分の高低差を低減しながら解体重機を建物の最上階まで移動できる。とくに、解体重機を上階に乗り入れた状態で、天井の一部を解体重機で破壊して階上の床に通過穴を開口するので、解体重機を床面で安定して支持しながら安全に通過穴を開口することができる。また、建物の構造によって、最下階から最上階まで直線状に解体重機を吊り上げできない特異な構造の建物であっても、解体重機を吊り上げる場所を変更しながら解体重機を吊り上げるので、確実に解体重機を上階まで移動させることができる。
本発明の建物の解体方法は、第2穿孔工程において、複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を穿孔すると共に、各階に穿孔される貫通孔24を垂直方向に直線状に配置し、さらに、第2重機吊り上げ工程の後工程として、解体重機1を吊り上げて通過させた通過穴23に支持部材26を橋渡しして、支持部材26上に解体重機1を載せて支持する第2重機支持工程と、支持部材26で支持された解体重機1で、天井27の一部であって貫通孔24の周囲を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する第4開口工程とを備え、第2重機吊り上げ工程と第2重機支持工程と第4開口工程とを繰り返して、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させることができる。
以上の解体方法は、解体重機を吊り上げる位置を変更しながら、解体重機を吊り上げる吊り上げ位置においては、複数階にわたって開口された貫通孔に挿通されたワイヤーで解体重機を吊り上げながら、上階の床の一部を解体重機で破壊して簡単かつ容易に通過穴を開口することができる。
本発明の建物の解体方法は、ワイヤー挿通工程または第2ワイヤー挿通工程において、上階の床22から、貫通孔24と通過穴23とを通過してガイド用線材28を降下させると共に、ガイド用線材28の下端に、解体重機1に装備した吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6の先端を連結し、ガイド用線材28を巻き上げてワイヤー6を建物20の下階から上階に挿通することができる。
以上の解体方法は、下階に配置された解体重機の吊上ウインチから繰り出されるワイヤーをガイド用線材を介して巻き上げるので、簡単かつ容易に通過穴と貫通孔に通過させて上階に引き上げ、建物の下階から上階に挿通することができる。また、第穿孔工程において、複数階にわたって上階の床に貫通孔を穿孔する際には、階上の床に開口された貫通孔からガイド用線材を階下の床面まで降下させて位置決めすることで、簡単かつ用意に、各階に穿孔される貫通孔を垂直方向に直線状に配置することができる。
本発明の建物の解体方法は、建物20を破壊する解体具12をアーム2の先端に装備する解体重機1を建物20の上階に移動する重機移動工程と、建物20の上階に移動された解体重機1が建物20を上階から下階に解体しながら降下する解体工程とで建物20を解体する。重機移動工程は、解体重機1が配置される階の天井27である階上の床22よりも上階の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する穿孔工程と、貫通孔24が開口された上階の床面に、解体重機1を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチ5を設置するウインチ設置工程と、貫通孔24の真下の位置において、解体重機1で天井27の一部を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床33に開口する開口工程と、吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、貫通孔24と通過穴23とに通過させて建物20の上階から下階に挿通するワイヤー挿通工程と、ワイヤー6の先端を解体重機1に固定するワイヤー固定工程と、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する重機吊り上げ工程とで、解体重機1を建物の上記に移動する。
以上の解体方法は、建物の上階に設置される吊上ウインチを簡単かつ確実に固定しながら、重量の大きな解体重機を安定して吊り上げ解体重機を建物の上階に移動させることができる。それは、吊上ウインチを床面に設置することで、解体重機の大きな加重でワイヤーが下方に強く引かれる状態においても、吊上ウインチを床面で確実に支持できるからである。このため、従来のように吊上ウインチを固定するための強固な架台等を必要とせず、コストを低減しながら吊上ウインチを確実に床面に固定することができる。また、この解体方法は、建物の上階に穿孔された貫通孔の上に吊上ウインチを配置することで、貫通孔に挿通されるワイヤーを無理なく安定して巻き取りできる特徴も実現できる。
本発明の建物の解体方法は、穿孔工程において、複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を穿孔すると共に、各階に穿孔される貫通孔24を垂直方向に直線状に配置し、さらに、重機吊り上げ工程の後工程として、解体重機1を吊り上げて通過させた通過穴23に支持部材26を橋渡しして、支持部材26上に解体重機1を載せて支持する重機支持工程と、支持部材26で支持された解体重機1で、天井27の一部であって貫通孔24の周囲を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する第2開口工程とを備え、重機吊り上げ工程と重機支持工程と第2開口工程とを繰り返して、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させることができる。
以上の解体方法は、建物の上階に設置された吊上ウインチで解体重機を吊り上げる構造としながら、解体重機の吊り上げ位置においては、複数階にわたって開口された貫通孔に挿通されたワイヤーで解体重機を吊り上げながら、上階の床の一部を解体重機で破壊して簡単かつ容易に通過穴を開口することができる。
本発明の一実施形態にかかる建物の解体方法の重機移動工程を示す概略工程図である。 本発明の一実施形態にかかる建物の解体方法に使用する解体重機の一例を示す側面図である。 本発明の一実施形態にかかる建物の解体方法に使用する解体重機の他の一例を示す側面図である。 図1に示す重機移動工程の穿孔工程とワイヤー挿通工程を示す概略工程図である。 本発明の他の実施形態にかかる建物の解体方法の重機移動工程を示す概略工程図である。 本発明の他の実施形態にかかる建物の解体方法の重機移動工程を示す概略工程図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための建物の解体方法を例示するものであって、本発明は建物の解体方法を以下の方法には特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の建物の解体方法は、建物を破壊する解体具をアームの先端に装備する解体重機を建物の上階に移動する重機移動工程と、建物の上階に移動された解体重機が建物を上階から下階に解体しながら降下する解体工程とで建物を解体する。本発明の建物の解体方法は、重機移動工程で解体重機を建物の上階に移動させるが、従来のように、建物の各階に解体重機を通過させる大きな通過穴をあらかじめ開口することなく、上階に穿孔された貫通孔に挿通されたワイヤーを介して吊り上げられる解体重機を使用して、各階の天井(階上の床)に解体重機の通過穴を開口して解体重機を上階へと移動させることを特徴とする。すなわち、本発明は、解体重機を建物の上階に移動させる重機移動工程を特徴とするものである。以下、重機移動工程について詳述する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1にかかる建物の解体方法における重機移動工程の工程図を示している。図1に示す重機移動工程は、図2に示す吊上ウインチ5を装備する解体重機1を使用して、解体重機1を建物の上階に移動させる例を示している。なお、図1では、解体される建物20を5階建てとし、解体重機1を1階から5階まで移動する工程を示している。ただ、本発明の解体方法は、解体される建物の階数を限定せず、2階以上の全ての建物に採用することができる。
[重機移動工程]
図1に示す重機移動工程は、解体重機1を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチ5を解体重機1に装備する重機準備工程と、解体重機1が配置される階の天井27である階上の床22よりも上階の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する穿孔工程と、貫通孔24の真下の位置において、解体重機1で天井27の一部を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する開口工程と、解体重機1に装備した吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、通過穴23と貫通孔24とに通過させて建物20の下階から上階に挿通するワイヤー挿通工程と、貫通孔24に挿通されたワイヤー6の先端を建物20の上階に固定するワイヤー固定工程と、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する重機吊り上げ工程とで解体重機1を建物20の上階に移動させる。
さらに、図1に示す重機移動工程は、穿孔工程において、複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を穿孔して、各階に穿孔される貫通孔24を垂直方向に直線状に配置すると共に、重機吊り上げ工程の後工程として、解体重機1を吊り上げて通過させた通過穴23に支持部材26を橋渡しして、支持部材26上に解体重機1を載せて支持する重機支持工程と、支持部材26で支持された解体重機1で、天井27の一部であって貫通孔24の周囲を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する第2開口工程とを備え、重機吊り上げ工程と重機支持工程と第2開口工程とを繰り返して、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させる。
[重機準備工程]
重機準備工程では、解体重機1を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチ5を解体重機1に装備する。解体重機1に装備される吊上ウインチ5は、重機本体を吊り上げ可能な吊り上げ力を有しており、図2または図3に示すように、重機本体4を吊り上げ可能な位置に配置される。吊上ウインチ5を装備する解体重機1の構造については詳細には後述する。
[穿孔工程]
穿孔工程では、図1の(1)に示すように、解体重機1が配置される階である1階の天井27、すなわち階上である2階の床22よりも上階の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する。図1の(1)では、3階以上の床22であって、屋上21の床22まで、複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を穿孔している。複数階にわたって設けられる貫通孔24は、各階の床22を上下に貫通すると共に、各階の貫通孔24が垂直方向に直線状に位置するように穿孔される。
穿孔工程で開口される貫通孔24は、解体重機1を吊り上げるワイヤー6を挿通可能な大きさであって、たとえば、内径を1〜20cm、好ましくは2〜15cmの大きさに穿孔される。貫通孔24は、床22のコンクリートに穿孔機で穿孔される。穿孔機には、電動ドリルやホールソー、あるいは、コンクリートを破砕する電動ハンマ等が使用される。このように、穿孔工程において、電動工具を使用することで、簡単かつ容易に、しかも短時間で低コストに、床22のコンクリートに小さな径の貫通孔24を開口できる。
穿孔工程において、複数階にわたって床22に貫通孔24を開口する際には、各階に穿孔される貫通孔24を垂直方向に直線状に設けるために、図4の(1)〜(4)に示すように、ガイド用線材28を使用する。ガイド用線材28は、ロープやテグス等の細くて長い線材で、先端に錘29をつけて階上から階下へと降下させることで、垂直方向の位置決めをしながら各階の床22に穿孔される貫通孔24を直線状に設けることができる。
この穿孔工程では、以下のようにして複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を設ける。
(1)図4の(A)に示すように、最上階である屋上21の床22に貫通孔24を穿孔する。
(2)図4の(B)に示すように、この貫通孔24から、先端に錘29を付けたガイド用線材28を降下させる。図4の(B)では、屋上21の床22から階下の5階の床22までガイド用線材28を降下させる状態を示している。
(3)降下されるガイド用線材28により、階下の床22に貫通孔24を穿孔する位置を特定し、この位置に、図4の(C)に示すように、貫通孔24を穿孔する。
(4)同様にして、図4の(D)に示すように、さらに階下の床22に貫通孔24を穿孔する位置をガイド用線材28で特定しながら、複数階にわたって上階の床22を上下に貫通する貫通孔24を垂直方向に直線状に設ける。
[開口工程]
開口工程では、図1の(2)に示すように、解体重機1が配置される階の天井27の一部を解体重機1で破壊して、解体重機1を通過できる大きさの通過穴23を階上の床22に開口する。図1の(2)は、1階に配置された解体重機1が解体具12を使用して2階の床22に通過穴23を開口する状態を示している。通過穴23は、さらに階上の床22(図1においては3階)に開口された貫通孔24の真下の位置に開口される。ここで、通過穴23を開口する位置を特定するために、図4の(E)で示すように、前述の穿孔工程で上階から降下されたガイド用線材28を使用することができる。通過穴23は、上階に設けた貫通孔24に挿通されるワイヤー6で吊り上げられる解体重機1が通過できるように、貫通孔24の下方に位置して、解体重機1を通過できる大きさに開口される。
[ワイヤー挿通工程]
ワイヤー挿通工程では、図1の(3)に示すように、解体重機1に装備した吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、通過穴23と貫通孔24とに通過させて建物20の下階から上階に挿通する。この工程において、下階に配置された解体重機1の吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を貫通孔24に通過させながら上階まで引き上げるために、図4の(F)〜(H)に示すように、前述の穿孔工程で上階から降下されたガイド用線材28を使用する。図4の(F)に示すように、上階の貫通孔24と通過穴23とを通過して降下されたガイド用線材28の下端に、吊上ウインチ5のワイヤー6の先端を連結する。図4の(G)に示すように、建物20の上階において、ガイド用線材28を巻き上げて、ワイヤー6を引き上げる。図4の(H)に示すように、吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、通過穴23と貫通孔24とに通過させながら、上階(図においては屋上21)まで引き上げる。
[ワイヤー固定工程]
ワイヤー固定工程では、貫通孔24に挿通されたワイヤー6の先端を建物20の上階に固定する。図1の(4)は、ワイヤー6の先端を屋上21の床22に固定する状態を示している。貫通孔24に挿通されたワイヤー6は、床22の上面であって貫通孔24の上に配置される金属製の固定部材25にその先端が連結される。上階の床22に穿孔された貫通孔24に挿通されるワイヤー6は、先端が固定部材25に連結されることで、上階の床22に固定される。床22の上面に配置される固定部材25は、ワイヤー6が下方向に引っ張られる状態においても、確実に支持できる。それは、固定部材25を貫通孔24よりも大きくすることで、階下に落下するのを阻止できるからである。したがって、固定部材25には、好ましくは、ワイヤー6で吊り上げられる解体重機1の加重で変形しない強度の金属部材が使用される。このような固定部材として、たとえば、金属製の鋼材が使用できる。ただ、固定部材25には、金属製のパイプ、ロッド、ブロック等も使用できる。さらに、ワイヤー6の先端は、建物の躯体の一部、たとえば柱や梁に連結して固定することもできる
[重機吊り上げ工程]
重機吊り上げ工程では、図1の(5)に示すように、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する。図1の(5)は、解体重機1を建物20の1階から2階に吊り上げる状態を示している。解体重機1は、図2と図3に示すように、吊上ウインチ5を無線のリモコン操作部11でコントロールできるようにしている。この解体重機1は、無線のリモコン操作部11で吊上ウインチ5の巻取ドラム13をコントロールし、巻取ドラム13にワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて上階に移動する。無線のリモコン操作部11によらず、オペレータキャビン8の操作レバーで巻取ドラム13をコントロールする解体重機1は、オペレーターがオペレータキャビン8のシートに座って操作レバーで巻取ドラム13の回転を制御して、ワイヤー6を巻取ドラム13に巻き取って解体重機1を吊り下げる。
[重機支持工程]
重機支持工程では、図1の(6)に示すように、解体重機1を吊り上げて通過させた通過穴23に支持部材26を橋渡しして、支持部材26上に解体重機1を載せて支持する。支持部材26は、通過穴23を橋渡しして解体重機1を載せることができる長さと幅を有する歩み板が使用できる。さらに、支持部材26は、通過穴23を橋渡しした状態で解体重機1を支持できる強度も備えている。さらにまた、支持部材25は、歩み板に加えて、あるいは歩み板に代わって、鋼材や鉄板を使用して解体重機1を支持することもできる。支持部材26は、重機吊り上げ工程において解体重機1を通過穴23が開口された床よりも高く吊り上げた状態で、解体重機1の下方において通過穴23に橋渡しされる。その後、巻取ドラム13を逆転してワイヤー6を繰り出して解体重機1が支持部材1の上に配置される。
[第2開口工程]
第2開口工程では、図1の(6)に示すように、支持部材26で支持された解体重機1を使用して、天井27に通過穴23を開口する。解体重機1は、天井27の一部であって、貫通孔24の周囲を解体具12で破壊して、解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する。図1の(6)は、2階に配置された解体重機1を使用して3階の床22に通過穴23を開口する状態を示している。通過穴23は、さらに上階に設けた貫通孔24の下方に位置して、解体重機1を通過できる大きさに開口される。
さらに、重機移動工程は、以上の重機吊り上げ工程と重機支持工程と第2開口工程とを繰り返して、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させる。すなわち、重機移動工程は、重機吊り上げ工程で上階に吊り上げられた解体重機1を、重機支持工程において通過穴23に橋渡しした支持部材26で支持し、第2開口工程において解体重機1を使用して階上の床22に通過穴23を開口し、重機吊り上げ工程において解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて上階に移動する。これらの工程を繰り返すことで、図1の(8)に示すように、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させる。図1の(8)では、解体重機1を建物20の最上階である5階の床22まで吊り上げる状態を示している。最上階まで吊り上げられた解体重機1は、最上階の通過穴23に歩み板を橋渡しし、解体重機1をこの歩み板の上に下ろした後、歩み板から床面に乗り入れて移動させる。あるいは、解体重機1を最上階の床面よりも高く吊り上げた状態で、解体重機1を水平方向に引っ張って通過穴23の横に移動し、巻取ドラム13を逆転してワイヤー6を繰り出して解体重機1を床上に移動させる。
[解体工程]
以上のように、重機移動工程で建物20の上階に移動された解体重機1を使用して、建物を解体しながら降下する。解体工程では、建物20の最上階に移動された解体重機1のオペレータキャビン8にオペレーターが入り、シートに座って操作レバーを操作して、建物20を上階から下階に解体しながら降下して建物全体を解体する。最上階に移動された解体重機1は、天井である屋上部分と壁を解体し、さらに床22の一部を解体して、下の階に移動する。各階においても、解体重機1は、天井と壁を解体し、さらに床22の一部を解体しながら、下の階に移動する。解体重機1が下の階に移動する方法は、従来から行われているように、歩み板を敷設してその上を移動して降下し、あるいは解体したがれきで下の階に移動する通路を設けて降下する。
以上の実施形態1にかかる重機移動工程では、複数階にわたって上階の床22に垂直方向に直線状に貫通孔24を開口し、これらの貫通孔24に挿通されたワイヤー6を介して最下階の解体重機1を最上階の床22まで吊り上げる例を示したが、本発明の解体方法では、以下に示すように、貫通孔と通過穴を設ける場所を変えながら、すなわち、解体重機を吊り上げる位置を変えながら解体重機を建物の上階へと移動させることもできる。
(実施形態2)
図5は、実施形態2にかかる建物の解体方法における重機移動工程の工程図を示している。図5に示す重機移動工程では、図3に示す吊上ウインチ5を装備する解体重機1を使用して、解体重機1を建物の上階に移動させる例を示している。なお、図5では、解体される建物20を3階建てとし、解体重機1を1階から3階まで移動する工程を示している。
[重機移動工程]
図5に示す重機移動工程では、まず、図5の(1)〜(4)に示すように、前述の重機準備工程、穿孔工程、開口工程、ワイヤー挿通工程、ワイヤー固定工程、及び重機吊り上げ工程により解体重機1を建物20の上階に移動させる。図5に示す穿孔工程では、図1のように複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を開口することなく、3階の床22にのみ貫通孔24を開口している。このため、ワイヤー挿通工程及びワイヤー固定工程では、3階の床22に設けた貫通孔24に挿通されたワイヤー6を3階の床22に固定し、重機吊り上げ工程では、解体重機1を1階から2階の床22まで吊り上げている。
さらに、重機移動工程は、図5の(5)〜(8)に示すように、重機吊り上げ工程で建物の上階に移動された解体重機1を、上階の床面上に乗り入れる乗り入れ工程と、解体重機1を乗り入れた階の天井27である階上の床22よりも上階の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する第2穿孔工程と、穿孔された貫通孔24の真下の位置において、解体重機1で天井27の一部を破壊して解体重機1を通過できる通過穴24を階上の床22に開口する第3開口工程と、解体重機1に装備してなる吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、通過穴23と貫通孔24とに通過させて建物20の下階から上階に挿通する第2ワイヤー挿通工程と、ワイヤー6の先端を建物20の上階に固定する第2ワイヤー固定工程と、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する第2重機吊り上げ工程とにより、解体重機を建物の上階に移動させる。
[乗り入れ工程]
乗り入れ工程では、重機吊り上げ工程で吊り上げられた解体重機1を上階の床22の上に乗り入れる。重機吊り上げ工程において、通過穴23を通過して吊り上げられた解体重機1は、通過穴23に歩み板を橋渡しし、解体重機1をこの歩み板の上に下ろした後、歩み板から床面に乗り入れて移動させる。あるいは、解体重機1を床面よりも高く吊り上げた状態で、解体重機1を水平方向に引っ張って通過穴23の横に移動し、巻取ドラム13を逆転してワイヤー6を繰り出して解体重機1を床面上に移動させる。
[第2穿孔工程]
第2穿孔工程では、図5の(5)に示すように、解体重機1を乗り入れた2階の天井27である3階の床22よりも上階の床22、すなわち図5においては屋上の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する。なお、この第2穿孔工程では、前述の穿孔工程と同様にして、床22のコンクリートに、所定の大きさの貫通孔24を穿孔する。
[第3開口工程]
第3開口工程では、図5の(6)に示すように、上階の床面上に配置された解体重機1を使用して、天井27に通過穴23を開口する。解体重機1は、天井27の一部を解体具12で破壊して、解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する。図5の(6)は、2階に配置された解体重機1を使用して3階の床22に通過穴23を開口する状態を示している。通過穴23は、屋上21に設けた貫通孔24の下方に位置して、解体重機1を通過できる大きさに開口される。
[第2ワイヤー挿通工程]
図5の(7)に示すように、解体重機1に装備した吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、3階に開口された通過穴23と屋上21に穿孔された貫通孔24とに通過させて建物20の下階から上階に挿通する。
[第2ワイヤー固定工程]
さらに、図5の(7)に示すように、貫通孔24に挿通されたワイヤー6の先端を建物20の上階に固定する。図5の(7)は、ワイヤー6の先端を屋上21の床22に固定する状態を示している。貫通孔24に挿通されたワイヤー6は、床22の上面であって貫通孔24の上に配置される金属製の固定部材25にその先端が連結されて、上階の床22に固定される。
[第2重機吊り上げ工程]
第2重機吊り上げ工程では、図5の(8)に示すように、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する。解体重機1は、前述と同様にして、無線のリモコン操作部11で吊上ウインチ5をコントロールして、あるいは、オペレーターがオペレータキャビン8の操作レバーを操作して、巻取ドラム13の回転を制御して、ワイヤー6を巻取ドラム13に巻き取って解体重機1を吊り下げる。
図5の(8)では、解体重機1を建物20の2階から最上階である3階の床22まで吊り上げる状態を示している。最上階まで吊り上げられた解体重機1は、最上階の通過穴23に歩み板を橋渡しし、解体重機1をこの歩み板の上に下ろした後、歩み板から床面に乗り入れて移動させる。あるいは、解体重機1を最上階の床面よりも高く吊り上げた状態で、解体重機1を水平方向に引っ張って通過穴23の横に移動し、巻取ドラム13を逆転してワイヤー6を繰り出して解体重機1を床上に配置する。
以上の重機移動工程では、前述の重機支持工程及び第2開口工程を経ることなく、解体重機1を複数階にわたって上階に移動することができる。この方法は、重機支持工程や第2開口工程を省略することで、強固な支持部材26を使用して解体重機1を支持することなく、また、この支持部材26で解体重機1を支持する状態で階上の床22に通過穴23を開口することなく、上階の床22に乗り入れた解体重機1を使用して、安全に、しかも安定して階上の床22に通過穴23を開口することができる。それは、上階の床面上に解体重機1を乗り入れることで、解体重機1を床22で安定して支持することができるからである。
また、図5に示す重機移動工程では、建物20を3階建てとして、解体重機を1階から2階まで吊り上げる場所と、2階から3階まで吊り上げる場所を異なる場所としたが、本発明の解体方法は、建物20を4階建て以上として、前述の乗り入れ工程から第2重機吊り上げ工程までを繰り返すことで、解体重機1を吊り上げる場所を各階で変更しながら、解体重機を上階まで移動させることもできる。
さらに、図5に示す重機移動工程では、建物20を3階建てとして、穿孔工程及び第2穿孔工程では、複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を開口することなく、通過穴23が開口される床22よりもひとつ階上の床22にのみ貫通孔24を設けている。ただ、実施形態2にかかる重機移動工程は、建物を4階建て以上として、穿孔工程又は第2穿孔工程において、複数階にわたって上階に床に貫通孔を穿孔することもできる。穿孔工程において、複数階にわたって貫通孔を開口する場合には、前述の実施形態1と同様にして、すなわち、重機吊り上げ工程と重機支持工程と第2開口工程とを繰り返して、解体重機を複数階にわたって建物の上階に移動させることができる。
また、第2穿孔工程において複数階にわたって貫通孔を開口する場合には、第2重機吊り上げ工程の後工程として、解体重機を吊り上げて通過させた通過穴に支持部材を橋渡しして、支持部材上に解体重機を載せて支持する第2重機支持工程と、第2支持部材で支持された解体重機で、天井の一部であって貫通孔の周囲を破壊して解体重機を通過できる通過穴を階上の床に開口する第4開口工程とを備えて、第2重機吊り上げ工程と第2重機支持工程と第4開口工程とを繰り返して、解体重機1を複数階にわたって建物の上階に移動させることができる。
(解体重機1)
以下、実施形態1及び2にかかる重機移動工程に使用する解体重機1であって、吊上ウインチ5を装備する解体重機1について詳述する。図2と図3に示す解体重機1は、先端に建物を破壊する解体具12を装備するアーム2と自走用の無限軌道3とを備える。さらに、解体重機1は、アーム2及び無限軌道3とを備える重機本体4と、この重機本体4をワイヤー6を介して吊り上げる吊上ウインチ5とを備える。
重機本体4は、両側に一対の無限軌道3を装備す1る走行ベース7と、走行ベース7の上面に水平面内で回転できるように連結しているオペレータキャビン8及びアーム2を装備する回転ベース9とを備える。
重機本体4の回転ベース9は、オペレータキャビン8の後方にエンジンキャビン10を設けて、オペレータキャビン8の側部ないし前部にアーム2を連結している。オペレータキャビン8は、内部にオペレーターシート(図示せず)があって、このオペレーターシートに座るオペレーターが操作する複数の操作レバー(図示せず)を設けている。操作レバーは、無限軌道用と、回転ベース用と、アーム用とがある。無限軌道用の操作レバーは、これが操作されて一対の無限軌道3の前進と後退を制御して、重機本体4を前後にあるいは左右に曲がるように移動させる。回転ベース用の操作レバーは、回転ベース9を水平面内で回転させる。アーム2の操作レバーは、アーム2を制御して、アーム2先端に連結している建物を破壊する解体具12を立体的に移動させると共に、解体具12を操作して建物を解体する。
エンジンキャビン10は、オペレータキャビン8よりも低く、内部に解体重機1を駆動するための駆動機構であるエンジン(図示せず)を内蔵している。
吊上ウインチ5はワイヤー6を巻き取って重機本体4を吊り上げる巻取ドラム13を有する。巻取ドラム13は、エンジンで駆動される油圧ポンプから供給される加圧オイルで駆動される油圧モータ(図示せず)で回転される。吊上ウインチ5は、巻取ドラム13にワイヤー6を巻き取って解体重機1を建物の上階に吊り上げる。巻取ドラム13に巻き取られるワイヤー6は、建物の上階に連結される。
吊上ウインチ5は、重機本体4を吊り上げ可能な位置で重機本体4に連結される。好ましくは、吊上ウインチ5は、重機本体4をほぼ水平姿勢で吊り上げる位置で重機本体4に連結される。吊上ウインチ5は、無線のリモコン操作部11で巻取ドラム13の回転状態がコントロールされる。無線のリモコン操作部11で巻取ドラム13の回転を制御できる解体重機1は、オペレーターが解体重機1に載ることなく、外部から巻取ドラム13の回転を制御して、解体重機1を安全に吊り下げできる。ただし、オペレータキャビン8内に巻取ドラム13の回転を制御する操作レバーを設けて、この操作レバーで巻取ドラム13の回転を制御することもできる。
吊上ウインチ5は、図1と図5に示すようにワイヤー6の先端を建物20の上階に配置された固定部材25に連結して解体重機1を吊り上げる。図1と図5に示すように、ワイヤー6の先端を建物20の上階に連結して吊り上げる解体重機1は、ワイヤー6で重機本体4を吊り上げる位置を、解体重機1の重心より高い位置とすることで重機本体4をほぼ水平姿勢としながら安定に吊り上げることができる。
図2の解体重機1は、吊上ウインチ5を重機本体4のオペレータキャビン8の上面に固定している。この図の解体重機1は、吊上ウインチ5の固定位置を解体重機1の重心よりも高い位置にできるので、重機本体4を水平姿勢で安定に吊り上げできる。この吊上ウインチ5は、巻取ドラム13がワイヤー6を巻き取るトルクを解体重機1の重量よりも強くして、解体重機1を吊り上げることができる。
図3の解体重機1は、アーム2の中間部に、ワイヤー6を引っ掛ける滑車15を固定している。この解体重機1は、吊上ウインチ5をエンジンキャビン10の上面に固定しており、吊上ウインチ5から繰り出されたワイヤー6を、図5に示すように、アーム2に設けた滑車15を介して建物20の上階に連結している。この解体重機1は、吊上ウインチ5の固定位置をエンジンキャビン10の上面とすることで、吊上ウインチ5を安定して固定しながら、アーム2に設けた滑車15にワイヤー6を掛けて吊り上げるので、ワイヤー6で重機本体4を吊り下げる位置を、解体重機1の重心より高い位置にできる。とくに、この解体重機1は、図3の鎖線で示すように、アーム2を後方に傾動させることで、滑車15の前後位置を調整して、解体重機1の重心の真上に接近して配置することで、図5に示すように、重い重機本体4を水平姿勢に保持した状態で安定して吊り上げできる。この吊上ウインチ5は、巻取ドラム13がワイヤー6を巻き取るトルクを解体重機1の重量よりも強くして、解体重機1を吊り上げることができる。
図3に示す重機本体4のアーム2は、回転ベース9に連結される第1アーム2Aと、この第1アーム2Aの先端部に連結される第2アーム2Bとを備えており、第1アーム2Aの先端部であって、第2アーム2Bとの連結部の近傍に滑車15を固定している。このように、回転ベース9に連結される第1アーム2Aに滑車15を固定する構造は、滑車15を介して、重い重機本体4を安定して吊り下げできる。また、第1アーム2Aの先端部に滑車15を固定するので、第1アーム2Aを傾動させる状態での滑車15の移動範囲を大きくでき、滑車15の位置を理想的に移動できる。ただ、解体重機1は、必ずしも第1アーム2Aの先端部に滑車15を固定する必要はなく、図3の鎖線で示すように、第1アーム2Aの中間部や、図示しないが第1アームの根元部分に固定することもできる。さらに、解体重機1は、アーム2に複数の滑車15を固定することもできる。アーム2に固定される複数の滑車15は、ワイヤー6の引き出し方向に並べて配置される。この解体重機1は、複数の滑車15にワイヤー6を掛けることで、ワイヤー6の脱落を防止しながら安全にワイヤー6を巻き取りできる。
以上のように、図3の解体重機1は、重機本体4をワイヤー6で吊り上げる状態では、アーム2に設けた滑車15の位置が解体重機1の水平面内のほぼ中央部に位置するようにアーム2の位置を調整し、図2の解体重機1は、吊上ウインチ5の固定位置を解体重機1の水平面内のほぼ中央部に配置している。これらの解体重機1は、重心よりも高い1点を吊上ウインチ5で吊り下げて、解体重機1をほぼ水平姿勢で吊り上げする。1点を吊上ウインチ5で吊り上げる解体重機1は、吊り下げ位置を解体重機1の重心位置よりも高くし、さらに吊り下げ位置を解体重機1の水平面内における重心位置の近傍とする。吊り下げ位置が重心よりも高い位置にあっても、水平面内において重心位置からずれると、解体重機1を水平姿勢に保持できなくなるからである。解体重機1は、水平姿勢で吊り上げるのを理想とするが、多少傾斜して、たとえば水平面に対する傾斜角を45度以内として、安全に吊り上げることができる。したがって、本明細書において解体重機1をほぼ水平姿勢で吊り上げるとは、水平面に対する傾斜角を45度以内とする状態を意味するものとする。
以上の実施形態1及び実施形態2は、吊上ウインチ5が装備された解体重機1を使用するが、本発明の解体方法は、吊上ウインチ5が装備された解体重機1を使用することなく、吊上ウインチを建物の上階の床面に配置し、この吊上ウインチで解体重機を吊り上げて建物の上階に移動させることもできる。
(実施形態3)
図6は、実施形態3にかかる建物の解体方法における重機移動工程の工程図を示している。図6に示す重機移動工程は、建物の上階に吊上ウインチ5を配置し、この吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を各階の床22に開口した貫通孔24から下方に垂らし、ワイヤー6の先端を階下の解体重機1に固定して、吊上ウインチ5を使って解体重機1を吊り上げている。なお、図6では、解体される建物20を5階建てとし、解体重機1を1階から5階まで移動する工程を示している。
[重機移動工程]
図6に示す重機移動工程は、解体重機1が配置される階の天井27である階上の床22よりも上階の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する穿孔工程と、貫通孔24が開口された上階の床面に、解体重機1を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチ5を設置するウインチ設置工程と、貫通孔24の真下の位置において、解体重機1で天井27の一部を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する開口工程と、吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、貫通孔24と通過穴23とに通過させて建物20の上階から下階に挿通するワイヤー挿通工程と、ワイヤー6の先端を解体重機1に固定するワイヤー固定工程と、吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する重機吊り上げ工程とで解体重機1を上階に移動させる。
さらに、図6に示す重機移動工程は、穿孔工程において、複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を穿孔すると共に、各階に穿孔される貫通孔24を垂直方向に直線状に配置し、さらに、重機吊り上げ工程の後工程として、解体重機1を吊り上げて通過させた通過穴23に支持部材26を橋渡しして、支持部材26上に解体重機1を載せて支持する重機支持工程と、支持部材26で支持された解体重機1で、天井27の一部であって貫通孔24の周囲を破壊して解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する第2開口工程とを備え、重機吊り上げ工程と重機支持工程と第2開口工程とを繰り返して、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させる。
[穿孔工程]
穿孔工程では、図6の(1)と(2)に示すように、解体重機1が配置される階である1階の天井27、すなわち階上である2階の床22よりも上階の床22に、ワイヤー6を挿通可能な貫通孔24を上下に貫通して穿孔する。図6の(2)では、3階以上の床22であって、屋上21の床22まで、複数階にわたって上階の床22に貫通孔24を穿孔している。複数階にわたって設けられる貫通孔24は、各階の床22を上下に貫通すると共に、各階の貫通孔24が垂直方向に直線状に位置するように穿孔される。
[ウインチ設置工程]
ウインチ設置工程では、図6の(1)に示すように、貫通孔24が開口された屋上21の床22の上に吊上ウインチ5を設置する。吊上ウインチ5は、解体重機1を吊り上げることができる吊り上げ力を有している。吊上ウインチ5は、ワイヤー6を巻き取る巻取ドラム13を有しており、この巻取ドラム13を電動機(図示せず)で回転させて解体重機1を吊り上げるようにしている。吊上ウインチ5は、本体フレームが床面のコンクリートにボルト等を介して固定される。
さらに、穿孔工程において、複数階にわたって床22に貫通孔24を開口する際には、図6の(1)に示すように、巻取ドラム13を逆転させてワイヤー6を繰り出し、貫通孔24から降下されるワイヤー6を繰り出して階下の床面に穿孔される貫通孔24の位置を決めることができる。ワイヤー6は、先端に錘29を付けると共に、貫通孔24に挿通されて階上から階下へと降下させる。これにより、各階に穿孔される貫通孔24の垂直方向の位置決めをしながら各階の床22に穿孔される貫通孔24を直線状に設けることができる。
[開口工程]
開口工程では、図6の(2)に示すように、解体重機1が配置される階の天井27の一部を解体重機1の解体具12で破壊して、解体重機1を通過できる大きさの通過穴23を階上の床22に開口する。図6の(2)は、1階に配置された解体重機1が解体具12を使用して2階の床22に通過穴23を開口する状態を示している。この通過穴23は、さらに階上の床22(図1においては3階)に開口された貫通孔24の真下の位置に開口される。
[ワイヤー挿通工程]
吊上ウインチ5から繰り出されるワイヤー6を、貫通孔24と通過穴23とに通過させて建物20の上階から下階に挿通する。ワイヤー6は、先端に錘29を連結することで速やかに降下できる。
[ワイヤー固定工程]
1階まで降下されたワイヤー6の先端を解体重機1に固定する。この解体重機1には、吊上ウインチ5を装備していない一般的な解体重機が使用できる。
[重機吊り上げ工程]
重機吊り上げ工程では、図6の(4)と(5)に示すように、屋上21に設置された吊上ウインチ5でワイヤー6を巻き取って、解体重機1を吊り上げて通過穴23に通過させて建物20の上階に移動する。図6の(5)は、解体重機1を建物20の1階から2階に吊り上げる状態を示している。
[重機支持工程]
重機支持工程では、図6の(6)に示すように、解体重機1を吊り上げて通過させた通過穴23に支持部材26を橋渡しして、支持部材26上に解体重機1を載せて支持する。
[第2開口工程]
第2開口工程では、図6の(6)に示すように、支持部材26で支持された解体重機1を使用して、天井27に通過穴23を開口する。解体重機1は、天井27の一部であって、貫通孔24の周囲を解体具12で破壊して、解体重機1を通過できる通過穴23を階上の床22に開口する。図6の(6)は、2階に配置された解体重機1を使用して3階の床22に通過穴23を開口する状態を示している。通過穴23は、さらに上階に設けた貫通孔24の下方に位置して、解体重機1を通過できる大きさに開口される。
さらに、重機移動工程は、以上の重機吊り上げ工程と重機支持工程と第2開口工程とを繰り返して、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させる。これらの工程を繰り返すことで、図6の(8)に示すように、解体重機1を複数階にわたって建物20の上階に移動させる。図6の(8)では、解体重機1を建物20の最上階である5階の床22まで吊り上げる状態を示している。
本発明は、建物の周囲に解体重機を吊り上げる大型クレーンなどを設置できない都会などで、大型クレーンを使用することなく解体重機を吊り上げて安全に建物を解体する用途に便利に使用できる。
1…解体重機
2…アーム
2A…第1アーム
2B…第2アーム
3…無限軌道
4…重機本体
5…吊上ウインチ
6…ワイヤー
7…走行ベース
8…オペレータキャビン
9…回転ベース
10…エンジンキャビン
11…リモコン操作部
12…解体具
13…巻取ドラム
15…滑車
20…建物
21…屋上
22…床
23…通過穴
24…貫通孔
25…固定部材
26…支持部材
27…天井
28…ガイド用線材
29…錘

Claims (7)

  1. 建物を破壊する解体具をアームの先端に装備する解体重機を建物の上階に移動する重機移動工程と、
    建物の上階に移動された前記解体重機が建物を上階から下階に解体しながら降下する解体工程とで建物を解体する建物の解体方法であって、
    前記重機移動工程が、
    解体重機を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチを前記解体重機に装備する重機準備工程と、
    前記解体重機が配置される階の天井である階上の床よりも上階の床に、ワイヤーを挿通可能な貫通孔を上下に貫通して穿孔する穿孔工程と、
    前記貫通孔の真下の位置において、前記解体重機で天井の一部を破壊して前記解体重機を通過できる通過穴を階上の床(F2)に開口する開口工程と、
    前記解体重機に装備した吊上ウインチから繰り出されるワイヤーを、前記通過穴と前記貫通孔とに通過させて建物の下階から上階に挿通するワイヤー挿通工程と、
    前記ワイヤーの先端を建物の上階に固定するワイヤー固定工程と、
    前記吊上ウインチで前記ワイヤーを巻き取って、前記解体重機を吊り上げて前記通過穴に通過させて建物の上階に移動する重機吊り上げ工程と
    を含むことを特徴とする建物の解体方法。
  2. 請求項1に記載される建物の解体方法であって、
    前記穿孔工程において、複数階にわたって上階の床に前記貫通孔を穿孔すると共に、各階に穿孔される該貫通孔を垂直方向に直線状に配置し、
    さらに、前記重機吊り上げ工程の後工程として、前記解体重機を吊り上げて通過させた前記通過穴に支持部材を橋渡しして、前記支持部材上に前記解体重機を載せて支持する重機支持工程と、
    前記支持部材で支持された前記解体重機で、天井の一部であって前記貫通孔の周囲を破壊して前記解体重機を通過できる通過穴を階上の床(F3)に開口する第2開口工程とを備え、
    前記重機吊り上げ工程と、前記重機支持工程と、前記第2開口工程とを繰り返して、前記解体重機を複数階にわたって建物の上階に移動させることを特徴とする建物の解体方法。
  3. 請求項1または2に記載される建物の解体方法であって、
    前記重機吊り上げ工程で建物の上階に移動された解体重機を、上階の床面上に乗り入れる乗り入れ工程と、
    前記解体重機を乗り入れた階の天井である階上の床よりも上階の床に、ワイヤーを挿通可能な貫通孔を上下に貫通して穿孔する第2穿孔工程と、
    前記貫通孔の真下の位置において、前記解体重機で天井の一部を破壊して前記解体重機を通過できる通過穴を階上の床に開口する第3開口工程と、
    前記解体重機に装備してなる吊上ウインチから繰り出されるワイヤーを、前記通過穴と前記貫通孔とに通過させて建物の下階から上階に挿通する第2ワイヤー挿通工程と、
    前記ワイヤーの先端を建物の上階に固定する第2ワイヤー固定工程と、
    前記吊上ウインチで前記ワイヤーを巻き取って、前記解体重機を吊り上げて前記通過穴に通過させて建物の上階に移動する第2重機吊り上げ工程と
    により、前記解体重機を建物の上階に移動させることを特徴とする建物の解体方法。
  4. 請求項3に記載される建物の解体方法であって、
    前記第2穿孔工程において、複数階にわたって上階の床に前記貫通孔を穿孔すると共に、各階に穿孔される該貫通孔を垂直方向に直線状に配置し、
    さらに、前記第2重機吊り上げ工程の後工程として、前記解体重機を吊り上げて通過させた前記通過穴に支持部材を橋渡しして、前記支持部材上に前記解体重機を載せて支持する第2重機支持工程と、
    前記支持部材で支持された前記解体重機で、天井の一部であって前記貫通孔の周囲を破壊して前記解体重機を通過できる通過穴を階上の床に開口する第4開口工程とを備え、
    前記第2重機吊り上げ工程と、前記第2重機支持工程と、前記第4開口工程とを繰り返して、前記解体重機を複数階にわたって建物の上階に移動させることを特徴とする建物の解体方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載される建物の解体方法であって、
    前記ワイヤー挿通工程または前記第2ワイヤー挿通工程において、上階の床から、前記貫通孔と前記通過穴とを通過してガイド用線材を降下させると共に、前記ガイド用線材の下端に、前記解体重機に装備した吊上ウインチから繰り出されるワイヤーの先端を連結し、該ガイド用線材を巻き上げて前記ワイヤーを建物の下階から上階に挿通することを特徴とする建物の解体方法。
  6. 建物を破壊する解体具をアームの先端に装備する解体重機を建物の上階に移動する重機移動工程と、
    建物の上階に移動された前記解体重機が建物を上階から下階に解体しながら降下する解体工程とで建物を解体する建物の解体方法であって、
    前記重機移動工程が、
    前記解体重機が配置される階の天井である階上の床よりも上階の床に、ワイヤーを挿通可能な貫通孔を上下に貫通して穿孔する穿孔工程と、
    前記貫通孔が開口された上階の床面に、前記解体重機を吊り上げることができる吊り上げ力の吊上ウインチを設置するウインチ設置工程と、
    前記貫通孔の真下の位置において、前記解体重機で天井の一部を破壊して前記解体重機を通過できる通過穴を階上の床に開口する開口工程と、
    前記吊上ウインチから繰り出されるワイヤーを、前記貫通孔と前記通過穴とに通過させて建物の上階から下階に挿通するワイヤー挿通工程と、
    前記ワイヤーの先端を前記解体重機に固定するワイヤー固定工程と、
    前記吊上ウインチで前記ワイヤーを巻き取って、前記解体重機を吊り上げて前記通過穴に通過させて建物の上階に移動する重機吊り上げ工程と
    を含むことを特徴とする建物の解体方法。
  7. 請求項6に記載される建物の解体方法であって、
    前記穿孔工程において、複数階にわたって上階の床に前記貫通孔を穿孔すると共に、各階に穿孔される該貫通孔を垂直方向に直線状に配置し、
    さらに、前記重機吊り上げ工程の後工程として、前記解体重機を吊り上げて通過させた前記通過穴に支持部材を橋渡しして、前記支持部材上に前記解体重機を載せて支持する重機支持工程と、
    前記支持部材で支持された前記解体重機で、天井の一部であって前記貫通孔の周囲を破壊して前記解体重機を通過できる通過穴を階上の床に開口する第2開口工程とを備え、
    前記重機吊り上げ工程と、前記重機支持工程と、前記第2開口工程とを繰り返して、前記解体重機を複数階にわたって建物の上階に移動させることを特徴とする建物の解体方法。
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