JP2020100987A - 柱状部材の把持装置及び当該装置を備えた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】 障害物があったり、狭隘な場所で作業を行う場合においても、簡単かつ安全に電柱等の柱状部材を建植することができると共に、柱状部材を破損等させることがなく、作業能率及び作業の安全性を改善することができる柱状部材の把持装置を提供する。【解決手段】 本発明に係る柱状部材の把持装置100は、電柱1の外周を把持可能に対面配置される一対の把持爪110A,110Bと、把持爪110A,110Bによる電柱1の把持力を制御する制御装置320と、を含んで構成され、制御装置320が、把持爪110A,110Bにより電柱1を把持している状態から、把持爪110A,110Bの把持力を弱めて電柱1の自重によりその長手方向に所定量降下させた後、再び把持爪110A,110Bの把持力を回復させて電柱1を把持する動作を繰り返させることにより、電柱1を自重により徐々に降下させる。【選択図】図1

Description

本発明は、電柱その他の柱状部材を建植(立設)したり、既設の柱状部材を抜柱(除去)する作業などに用いる柱状部材の把持装置及び当該装置を備えた車両に関する。
これまでの一般的な電柱の建植・抜柱作業は、そのほとんどが穴掘り建柱車両を利用して行われている(例えば、特許文献1参照)。
穴掘り建柱車両10は、例えば、図8に示すように、電柱1を建植するための建柱穴2を掘削することができる穴掘り装置(例えばスクリューオーガ式)11と、電柱を建植するクレーン12(ブーム13)、ウィンチ(巻き上げ機)14等を備えた車両である。
穴掘り建植車両10による電柱1の建植作業の手順としては、通常、以下の1〜4の工程により行なっている(図8参照)。
1.穴掘り建柱車両10のスクリューオーガ11により所定位置に電柱1を建植するための建柱穴2を掘削する。
2.電柱を運搬する運搬車両の荷台や地面などに寝かせて置かれている電柱1に玉掛け(吊り上げのための吊具15の電柱への取り付け)を行う。
3.ブーム13の先端に取り付けられているウィンチ(巻き揚げ機)14により吊具15を巻き上げて、電柱1を略垂直に吊り上げる。
4.誘導作業員4からの指示により、クレーン操縦者3はクレーン操作(ブーム13の旋回・起伏・伸縮など)を行い、電柱1を先に掘削しておいた建柱穴2の位置まで移動させる。
5.ウィンチ14を巻き揚げて、建柱穴2に電柱1を建植する。
なお、抜柱作業(電柱を引く抜く作業)は上記と逆の順序により実施される。
実開平3−62086号公報 特開平02−81892号公報
しかし、上述したような電柱の建植作業においては、電柱1を吊り上げ建柱穴2の位置まで移動させる際(上記3、4の行程)、吊り上げた電柱1が揺れるため介添作業員5を配置し、介添作業員5は吊り上げた電柱1の下端側を介添ロープ6を用いて揺れ止めしつつ、電柱1の下端側を建柱穴2の位置まで誘導(案内)する必要があった。
このため、従来の電柱の建植作業には、少なくとも、現場監督1名、クレーン操縦者1名、誘導作業員1名、介添作業員1名の計4名の作業員が必要で、作業能率があまり良いものではなかった。
また、穴掘り建柱車両10を用いて建植・抜柱を行う現場において、施工現場上空に電線7が輻輳する状況や狭隘箇所における施工では、クレーン操縦者3が誘導作業員4の指示に従い、当該車両10のブーム13を操作し、電線7や付近の構造物との接触を避けながら建柱作業を行う必要があり、このような現場でのクレーン操作及び誘導には熟練した技術が必要とされるといった実情がある。
また、電柱の建植・抜柱作業における電柱の振れ止め・建柱穴位置までの誘導を行う介添作業員5は、怪我等のリスクが伴うため危険であるといった実情がある。
さらに、昨今の作業員人口の減少や高齢化により、作業員の確保が難しくなっており、また、電柱の建植・抜柱作業は多くの労力及び高い技術が必要となるため、電柱の建植・抜柱作業には、必要な作業員の数を減らし、労力を省力化させ、熟練技術を必要としないスキルレスな工法への転換が求められている。
電柱の建植・抜柱の別の方法として、特許文献2に記載されているような電柱把持装置(以下、グラップルと記す)を用いた工法も知られている。
グラップル24は、図9に示すように、電柱1の外周を両側から挟んで把持する把持爪25を含んで構成されている。
かかるグラップル24を利用した建柱車両20の場合の電柱の建植・抜柱の手順としては、以下のような流れになっている(図9参照)。
A.ブーム21(図9では、一例として基端側ブーム22と先端側ブーム23を含んで構成されている)の先端に取り付けられているグラップル24の把持爪25により電柱1の長手方向における重心位置(或いはその付近)の外周を把持する。
B.ブーム23の操作及びグラップル24のブーム23に対する関節26廻りの相対角度位置などを操作しながら電柱1を持ち上げて、電柱1を略垂直に持ち来たす。
C.把持している電柱1の下端側を所定の建柱穴2の位置まで移動させる。
D.ブーム23の操作及びグラップル24のブーム23に対する関節26廻りの相対角度位置(チルト角)などを操作しながら電柱1を建柱穴2に略垂直に挿入して建植する。
なお、抜柱作業(電柱を引く抜く作業)は上記と逆の順序により実施される。
このような作業手順に従うグラップル24を備えた建柱車両20の電柱の建植方法によれば、前述した穴掘り建柱車10を利用した場合(ブーム及びウィンチを使った場合)とは異なり、電柱自体をグラップルで直接把持するため、煩雑で時間を要する玉掛け作業を行う必要がなく、効率的である。
また、グラップル24を備えた建柱車両20は、前述した穴掘り建柱車10を利用した場合(ブーム及びウィンチを使った場合)に比べて、吊具で電柱を吊った不安定な状態で電柱を建柱穴位置まで移動させることがないため、電柱が揺れる危険性がなく安全であると共に、介添作業員を省略することが可能である。
さらに、グラップル24のブーム23に対する関節26廻りの相対角度位置(チルト角)の変更機能(チルト機能)により、電柱1を地表面に対して略水平に移動させることも可能であるため、上空に電線7等が輻輳する状況においても、電線等に電柱を接触させることなく、電柱を建柱穴位置まで移動させることが可能であり、作業効率を格段に向上させることができ、以って電柱の建植・抜柱作業時間の短縮(工期の短縮)に貢献可能である。
しかしながら、グラップル24を建柱作業で実際に利用しようとする場合、現在の日本国内で電柱として多用される一般的なコンクリート製の電柱(コンクリート電柱)は重量が大きいため、適合するグラップル並びに装備可能車両が大型化し、日本のような住宅が密集した場所や、路地等の狭隘な場所での施工(電柱の建植作業や抜柱作業など)には不向きであるといった実情がある。
また、グラップル24を備えた建柱車両20は、穴掘り建柱車10のように、クレーンのブームを持ち上げた状態(水平面に対する所定の傾斜角度)に維持しながらワイヤーを巻き下げることで電柱を垂直に降ろして建柱することができないため、グラップルを備えた建柱車両20による建植の際には、ブームの前記傾斜角度やグラップルのブームに対する相対角度位置(チルト角)などを操作することによって、電柱を垂直に維持しながら建植する必要があり、クレーン操作が難しく熟練を要するといった実情がある。
更に、塀などの比較的背の高い障害物越しに電柱を建植するような場合、電柱の長手方向における重心位置(或いはその付近)を把持したままでは、電柱を垂直に維持するにはブームが障害物と干渉してしまい建柱を行うことが不可能となる場合が多いといった実情がある。
このような場合に、障害物を避けるために、グラップルが電柱を把持する位置を重心位置から離れた位置(長手方向の一端に寄った位置)とすると、電柱を把持爪25が把持している把持部に作用する曲げモーメントが大きくなるため、コンクリート電柱では機械的強度が不足して、電柱が折損等して破損するおそれなども想定され、作業能率を著しく低下させると共に、危険であるといった実情もある。
本発明は、かかる上述した各種の実情に鑑みなされたもので、障害物があったり、狭隘な場所で作業を行う場合においても、簡単かつ安全に電柱等の柱状部材を建植することができると共に、柱状部材を破損等させることがなく、作業能率及び作業の安全性を改善することができる柱状部材の把持装置(グラップル)及び当該把持装置を備えた車両を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る柱状部材の把持装置は、
柱状部材の長手方向と略直交する方向から柱状部材の外周を把持する柱状部材の把持装置であって、
前記柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の把持部材と、
前記把持部材による前記柱状部材の把持力を制御する制御装置と、
を含んで構成され、
前記制御装置が、前記把持部材により前記柱状部材を把持している状態から、前記把持部材の把持力を弱めて前記柱状部材を自重によりその長手方向に所定量降下させた後、再び前記把持部材の把持力を回復させて前記柱状部材を把持する動作を繰り返させることにより、前記柱状部材を自重により徐々に降下させることを特徴とする。
また、本発明において、前記制御装置による前記柱状部材の自重による降下の際に、当該柱状部材に当接してその降下速度を制限する減速機構を備えたことを特徴とすることができる。
また、本発明に係る柱状部材の把持装置の別の態様は、
柱状部材の長手方向と略直交する方向から柱状部材の外周を把持する柱状部材の把持装置であって、
前記柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の把持部材と、
前記把持部材による前記柱状部材の把持力を制御する制御装置と、
を含んで構成され、
前記制御装置が、前記把持部材により前記柱状部材を把持している状態から、前記把持部材の把持力を弱めて前記柱状部材を自重によりその長手方向に降下させると共に
当該柱状部材の自重による降下の際に、前記柱状部材に当接してその降下速度を制限する減速機構を備えたことを特徴とする。
本発明において、前記減速機構が、前記柱状部材の外周に当接してブレーキを掛ける押圧ローラであることを特徴とすることができる。
本発明において、前記減速機構が、前記柱状部材の外周に当接してブレーキを掛ける押圧部材であることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る柱状部材の把持装置の別の態様は、
柱状部材の長手方向と略直交する方向から柱状部材の外周を把持する柱状部材の把持装置であって、
前記柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の第1の把持部材と、
前記第1の把持部材とは前記柱状部材の長手方向において異なる位置に配設されると共に前記第1の把持部材との相対距離を伸縮可能に構成され、当該柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の第2の把持部材と、
前記第1の把持部材及び第2の把持部材による前記柱状部材の把持力を制御すると共に、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材の相対距離を変更制御する制御装置と、
を含んで構成され、
前記制御装置が、前記第1の把持部材及び前記第2の把持部材により前記柱状部材を把持している状態から、前記第1の把持部材の把持力を弱めて前記第2の把持部材との相対距離が大きく或いは小さくなるように前記第1の把持部材を前記柱状部材の長手方向に沿って移動させた後、前記第1の把持部材の把持力を回復させ、その後に、前記第2の把持部材の把持力を弱めると共に前記第2の把持部材との相対距離が小さく或いは大きくなるように前記第1の把持部材を前記柱状部材の長手方向に沿って移動させる動作を繰り返すことで、当該柱状部材の把持装置における前記柱状部材の相対的な把持位置を変化させることを特徴とする。
また、本発明に係る車両は、上述した本発明に係る柱状部材の把持装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、障害物があったり、狭隘な場所で作業を行う場合においても、簡単かつ安全に電柱等の柱状部材を建植することができると共に、柱状部材を破損等させることがなく、作業能率及び作業の安全性を改善することができる柱状部材の把持装置(グラップル)及び当該把持装置を備えた車両を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る柱状部材の建柱車両の全体構成を示す側面図(車両側方から見た図)である。 (A)は同上実施の形態の実施例1に係る建柱車両が備える把持装置(グラップル)及び把持している電柱を抜き出して示す斜視図であり、(B)は同上把持装置(グラップル)及び電柱をベースフレーム側から見た図であり、(C)は(B)の右側面図であり、(D)は(C)の平面図(上面図)であり、(E)は(C)の右側面図である。 (A)は同上把持装置(グラップル)の詳細を示す平面図(上面図:電柱の長手方向上方から見た図)であり、(B)は(A)の一部(上下一対ある把持爪、押圧パッド、押圧ローラのうちの上側のみ)を抜き出して示した側面図である。 同上把持装置(グラップル)の把持爪の開閉動作(駆動)を制御する油圧回路及び制御装置の一例を示す図(システム構成図)である。 同上把持装置(グラップル)の把持爪を短いサイクルで開閉動作(微動)させることで把持している電柱を自重で降下させる動作を説明する図である。 同上把持装置(グラップル)が備える押圧ローラにブレーキを掛けるための遠心ブレーキの構成の一例を示す図である。 (A)は実施例2に係る把持装置(グラップル)の詳細を示す平面図(上面図:電柱の長手方向上方から見た図)であり、(B)は(A)の正面図であり、(C)は(B)の右側面図であり、(D)は(B)の状態から上下の把持爪間の距離を伸張(拡大)させた状態を示す右側面図である。 従来の穴掘り建柱車両(クレーン及びウィンチ方式)の一例を示す側面図である。 従来のグラップルを備えた建柱車両の一例を示す側面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
本発明に係る柱状部材の把持装置(グラップル)100及び当該把持装置100を備えた建柱車両200は、図1に示すように、車両200の車体(フレーム)201の後部に、クレーン210を備えて構成されている。
クレーン210は、
車体201に対して第1関節210A廻りに略水平面内を旋回自在にその下端側が支持されている旋回台(旋回ベース)211と、
この旋回台211の上端側に第2関節210B廻りに略垂直面内を揺動自在にその基端が支持されている基端側ブーム212Aと、
この基端側ブーム212Aの先端側に第3関節210C廻りに略垂直面内を揺動自在にその基端側が支持されている先端側ブーム212Bと、
この先端側ブーム212Bの先端側に第4関節210Dを介して先端側ブーム212Bの長手方向中心軸X廻りに回動自在に、かつ、略垂直面内を揺動自在に、その基端部が支持されているグラップル(把持装置)100と、
を含んで構成されている。
なお、旋回台211は、例えば、油圧モータ(或いは電動モータ)213や減速機等により、車体201に対して、第1関節210A廻りに略水平面内を旋回駆動されるように構成されている。
また、基端側ブーム212Aは、例えば、伸縮可能な油圧アクチュエータ214により、旋回台211の上端側に対して、第2関節210B廻りに略垂直面内を揺動駆動されるように構成されている。
また、先端側ブーム212Bは、例えば、伸縮可能な油圧アクチュエータ215により、基端側ブーム212Aの先端側に対して、第3関節210C廻りに略垂直面内を揺動駆動されるように構成されている。
なお、先端側ブーム212Bは、伸縮可能な油圧アクチュエータ(図示せず)により、その長手方向に関して伸縮自在に構成されることができる。
また、グラップル100は、例えば、油圧モータ(或いは電動モータ)216や減速機等により、先端側ブーム212Bの先端側に対して、第4関節210Dを介して、先端側ブーム212Bの長手方向中心軸X廻りに回動駆動されるように構成されている。
更に、グラップル100は、例えば、伸縮可能な油圧アクチュエータ(図示せず)により、先端側ブーム212Bの先端側に対して、第4関節210Dを介して、略垂直面内を揺動駆動されるように構成されている。
すなわち、グラップル100は、先端側ブーム212Bの先端側の長手方向中心軸X廻りに回動可能、かつ、長手方向中心軸Xに対して傾斜可能(チルト可能)に構成されている。
ここで、本実施の形態に係るグラップル(把持装置)100について、図2(A)〜(E)や図3(A)、図3(B)に基づいて説明する。
グラップル(把持装置)100は、図1に示したように、先端側ブーム212Bの先端側に支持され柱状部材(細長い形状を有する棒状部材)の一例である電柱1を把持する装置であるが、図2に示すように、電柱1の外周を挟んで両側に対面して配置される一対の把持爪(把持部材)110A、110Bを含んで構成されている。なお、一対の把持爪110A、110Bとは、電柱1の長手方向において異なる位置に、同様の構成の一対の把持爪120A、120Bが設けられている。
本実施の形態に係る把持爪の構成についての説明は、一対の把持爪110A、110Bを代表として説明する。なお、図2、図3においては、グラップル(把持装置)100が支持されている第4関節210Dや先端側ブーム212Bの図示は省略している。
把持爪110A、110Bは、先端側ブーム212Bの先端側に回動可能及びチルト可能に取り付けられるグラップル(把持装置)100のベースフレーム101に対して、それぞれ、枢軸111A、111B廻りに揺動可能に支持されている。
そして、油圧シリンダ等の駆動アクチュエータ330(図4参照)の駆動力を把持爪110A、110Bの基端側110A1、110B1(先端側110A2、110B2の枢軸111A、111Bを挟んで反対側)に作用させることで、把持爪110A、110Bの先端側110A2、110B2を相互に離間する方向に枢軸111A、111B廻りに揺動(回動)させたときに(開状態)、電柱1を把持爪110A、110Bの外部から受け入れ可能とし、電柱1の中心が所定の把持中心位置Yに合致するように把持爪110A、110Bの内側に収容することができるように構成されている(図3(A)、図3(B)の状態)。
また、所定の把持位置Yにて既に電柱1を把持していた場合には、把持爪110A、110Bの先端側110A2、110B2を相互に離間する方向に枢軸111A、111B廻りに揺動(回動)させることで(解放状態)、当該電柱1を把持爪110A、110Bから解放し、電柱1を把持爪110A、110Bの外部へ解放することができるように構成されている。
そして、上述のようにして所定の把持位置Yに電柱1を収容した後には、把持爪110A、110Bの先端側先端側110A2、110B2を相互に接近する方向に枢軸111A、111B廻りに揺動(回動)させることで(閉状態、把持状態)、電柱1を所定の把持中心位置Yにて把持することができるように構成されている。
本実施の形態では、把持爪110A、110Bが電柱1を把持したときに(図3(A)の状態)、把持爪110A、110Bの電柱1と接する部分には、すべり止めや電柱の破損を防止するなどのために、ゴム等の樹脂製の把持用パッド130を備えることができる。
また、本実施の形態では、図3(A)、図3(B)等に示すように、電柱1の長手方向において、把持爪110A、110Bの付近に、把持爪110A、110Bが電柱1を把持したときに、その電柱1を電柱1の長手方向にスリップ等させることなく所定の把持中心位置Yにて把持することができるように、把持爪110A、110Bの把持力を受けて電柱1を把持爪110A、110Bの先端側110A2、110B2側へ向けて押圧する押圧パッド(本発明に係る押圧部材)140が備えられている。
この押圧パッド140は、その基部141はベースフレーム101に一体的に支持され、基部141に接続される押圧パッド部142は、図3(A)に示すように、把持した電柱1の長手方向から見たときに略ハの字(或いはヘの字)の形状を有し、把持爪110A、110Bが電柱1を所定の把持位置Yに把持したときに、略ハの字(或いはヘの字)の形状の下側(内側:角度の小さい側)が、電柱1の外周と当接するように配置されている。
このため、把持爪110A、110Bが電柱1を所定の把持位置に把持したときには、把持爪110A、110B(把持用パッド130)と、押圧パッド140と、が主に協働して、電柱1を把持することになる。
基部141に対する押圧パッド部142の取り付け位置(基部141からの突出量Z:図3(B)参照)は、電柱1の外径等に合わせて調整可能に構成されている。例えば、図3(B)に示すように、基部141の支持部(外側)の穴と、基部141に挿入される押圧パッド部142側の筒状部に複数開口された穴143の一つと、を重畳させてピンなどを挿入することで、基部141に対する押圧パッド部142の位置決め(突出量Zの調整)を行いつつ係合させることができるように構成することができる。
または、例えば、基部141の支持部(外側)に対して押圧パッド部142を螺合させる構成とし、その螺合位置(締め込み具合)を調整することで、基部141に対する押圧パッド部142の位置決め(突出量Zの調整)を可能とした構成などとすることもできる。
または、基部141の支持部(外側)と、押圧パッド部142と、の間に油圧機構や弾性付勢機構(弾性スプリング機構)を設け、把持爪110A、110Bが把持している電柱1を所定の圧力で把持爪110A、110B側に押圧するような構成とすることもできる。
なお、押圧パッド部142の電柱1と接する部分には、すべり止めや電柱の破損を防止するなどのために、ゴム等の樹脂製の押圧用パッド144を備えることができる。
更に、本実施の形態では、図3(A)、図3(B)等に示すように、電柱1の長手方向において、把持爪110A、110Bの付近に、把持爪110A、110Bが把持している電柱1を、ベースフレーム101から離間する方向へ(把持爪110A、110Bの基端側から把持爪110A、110Bの先端側へ)押圧する押圧ローラ150を備えることができる。
なお、押圧ローラ150は、押圧パッド140に代えて、或いは押圧パッド140と共に、備えることができる。
押圧ローラ150は、図3(A)、図3(B)に示すように、その基部151はベースフレーム101に一体的に支持され、基部151に弾性付勢機構152を介して押圧ロー ラ部153が支持されている。
押圧ローラ部153は、弾性付勢機構152を介して基部151に、図3(A)、図3(B)において上下動可能に支持され、その先端には回転可能な回転ローラ154が備えられている。弾性付勢機構152は、基部151と、押圧ローラ部153と、の間に弾性スプリング152Aを備え、基部151に対して押圧ローラ部153が接近する際に、弾性スプリング152Aの弾性付勢力に対抗するように構成されている。
従って、把持爪110A、110Bが電柱1を所定の把持位置Yに把持したときに、押圧ローラ部152(回転ローラ154の外周)が、所定の押圧力で、電柱1の外周と当接するようになっている。なお、弾性付勢機構152は、油圧機構とすることも可能である。
ここで、本実施の形態に係る押圧ローラ150においては、押圧ローラ部152は回転ローラ154を回転可能に支持しているが、所定の回転抵抗が生じるように、押圧ローラ部152は、遠心ブレーキ155を介して回転ローラ154を回転可能に支持している。遠心ブレーキ155は、例えば、入手容易な市販されている遠心ブレーキ(例えば、三陽商事株式会社が扱う「suntes(サンテス)」のNS型遠心ブレーキなど)を採用することができる。なお、NS型遠心ブレーキは、固定されたドラムの内側にセットされた、回転軸に一体的に連結されているユニットAssyが回されると遠心力により、全てのシューが起き上がり、この時、ドラム内面にライニングが押し付けられ(加圧され)、回転軸にブレーキ効果を発生させるといった構造のものである(図6参照:型式「NS9−3S」)。
遠心ブレーキ155の容量やブレーキ力(回転抵抗)は、電柱1の重量等に適合するように選択すること、或いは可変に設定することができる構造のものを採用することができる。
ここで、本実施の形態においては、グラップル100の把持爪110A、110B(120A、120B)は油圧により開閉動作されて、この開閉動作により電柱1を把持したり(閉状態)、電柱1を解放すること(開状態)ができるように構成されているが、特に、グラップル100の把持爪110A、110B(120A、120B)に供給されている油圧を解放し、把持爪110A、110B及び120A、120Bの把持力を弱めた後、再び(直ちに)、電磁弁311への通電を停止して閉弁させてグラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bに供給される油圧を回復させて、把持爪110A、110B及び120A、120Bが再び電柱1を把持することができるように構成されている。
これは、本実施の形態では、電柱1を略垂直に把持している状態で、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bの把持力を弱めることで、電柱1を自重により所定量(数ミリ〜数十センチ程度)(当該所定量は繰り返し周期等に応じて適宜に変更可能である)だけ降下させたら、再び(直ちに)、把持爪110A、110B及び120A、120Bの把持力を回復させて電柱1を把持し、その後、再び把持力を弱めることで電柱1を自重により所定量(数ミリ〜数十センチ程度)だけ降下させるといった動作を、比較的短いサイクル(周期)で繰り返すことで(言い換えると、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bによる電柱1の把持力の保持・解放(或いは把持爪の開閉)或いは把持力の強弱(電柱1の把持・解放)を比較的短いサイクルで繰り返すことで)、グラップル100の高さ位置を維持したまま、把持している電柱1だけを安全に降下させて建柱穴に電柱1を挿入して建柱する(図1、図5参照)、といった独特の思想を実現するものである。
このため、本実施の形態では、図4に示すように、把持爪110A、110B及び120A、120Bを開閉動作させるための油圧回路300にパイロットチェック弁バイパス回路310を備えて構成している。
すなわち、把持している電柱1の自重で、把持爪110A、110B及び120A、120Bが開いてしまわないように、油圧回路300には、通常、安全のためにパイロットチェック弁301(逆止弁或いは一方向弁)が設けられている。
なお、符号301Aは駆動アクチュエータ330の爪開き側シリンダ330Aに連通する通路に介装されている爪開き側のパイロットチェック弁301Aであり、符号301Bは駆動アクチュエータ330の爪閉じ側シリンダ330Bに連通する通路に介装されている爪閉じ側のパイロットチェック弁301Bである。
また、符号340は、油圧回路を保護するために所定油圧で開弁して圧力を解放するための安全リリーフ弁である。
このため、このようなパイロットチェック弁を有する通常の油圧回路では、本実施の形態において要求されるような動作、すなわち、電柱1を建柱穴に降下させるために、油圧の低下(把持力の緩め)状態(すなわち、把持爪110A、110B及び120A、120Bの素早い開き方向への動き)と、油圧上昇状態(すなわち、把持爪110A、110B及び120A、120Bの電柱1の把持状態)への復帰との間での素早い切り換え(比較的短いサイクルでの切り換え)動作を行うことが難しい。
このようなグラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bによる電柱1の把持力の強弱(電柱1の把持状態(把持爪に対する電柱の相対移動禁止状態)と解放状態(把持爪に対する電柱の相対移動許可状態))の素早い切り換え動作(比較的短いサイクルでの切り換え動作)を円滑に行えるように、本実施の形態では、図4に示したように、油圧回路300に、パイロットチェック弁バイパス回路310と、当該パイロットチェック弁バイパス回路310に介装される電磁弁311と、を備えて構成した。
そして、本実施の形態では、クレーン操縦者(操作員、作業員)の指示に従い、後述する制御装置320が、以下のようにして各部を制御するようになっている。
(1)電柱1を把持する場合
電磁弁311は閉じ(閉弁)状態として、通常備わる電磁比例方向切替弁Bを把持爪閉じ方向に切り替えて、把持爪110A、110B等(以下、単に爪とも称する)の駆動アクチュエータ330を閉方向(把持方向)に動かす。より詳しくは、駆動アクチュエータ330の爪開き側シリンダ330Aの圧力を解放しながら、爪閉じ側シリンダ330B側の圧力を上昇させる。
(2)所定の把持力で電柱1を把持したら、電磁比例方向切替弁Bを中立位置に切り替えて、電柱1を掴んだ状態を維持する。これにより、所定圧力での電柱1の把持状態が維持される。
(3)上記の状態を維持したまま、クレーン等を操作して建植する電柱1を建柱穴2まで移動させる。
(4)電磁弁311を閉弁状態から開弁状態に切り替え、パイロットチェック弁301Bをバイパスさせる。
これにより、電柱1を降下させるための準備状態へと移行する。
パイロットチェック弁301Bをバイパスさせる理由としては、爪(把持爪110A、110B等)の把持力を弱める(緩める)動作を実現させるためである。つまり、パイロットチェック弁301Bは一方向弁であり、爪開き側シリンダ330Aの圧力が爪閉じ側シリンダ330Bより高くないと爪は開かないため、爪閉じ側シリンダ330Bと連通している油通路に介装されている当該パイロットチェック弁301Bをバイパスさせて油圧を簡単な操作により迅速に抜く必要があるからである。
なお、パイロット圧供給通路301bから所定のパイロット圧を付与してパイロットチェック弁301Bを開かせることで爪開き側シリンダ330Aの圧力を上昇させてオンオフ的な態様にて爪を開くことはできるが、この方法では、短いサイクルで把持爪110A、110B等の把持力を所定に(電柱の降下を許容する程度まで)弱めたら(緩めたら)すぐに回復させるという動作を実現することが難しいため、本実施の形態では、パイロットチェック弁301Bをバイパスさせる構成を採用したものである。
(5)続いて、(4)の状態を維持しつつ、電柱の降下させるための動作を行う。
当該動作の一例としては、
(5−1)電磁比例方向切替弁Bを爪閉じ方向(爪閉じ側シリンダ330Bへ油圧を供給する側)に切り替えておき、油圧(通過する油量)を比例制御可能な電磁比例リリーフ弁Aで爪の把持力を(油圧回路の圧力、爪閉じ側シリンダ330Bの圧力)を調整し(強弱を繰り返し)電柱を徐々に降下させる。
他の一例としては、
(5−2)電磁比例方向切替弁Bで回路の切り替え(「油圧供給方向の切り替え」、言い換えれば「爪閉じ方向と爪開き方向の切り替え」)を繰り返すことで、爪の開き閉じを行い電柱を徐々に降下させる(爪開き方向と爪閉じ方向の切り替えは短時間で行うため、爪の動きとしては開閉というより、把持力の強弱変化の繰り返しのような動きとなる)。この場合には、電磁比例リリーフ弁Aは省略可能である。
このように、本実施の形態では、電柱を降下させる際には、電磁弁311を開弁して爪閉じ側のパイロットチェック弁301Bをバイパスさせた状態として、短いサイクルで、電磁比例リリーフ弁Aを開閉させる或いは比例方向切替弁Bで油圧通路を切り替えることで、爪閉じ側シリンダ330Bの油圧の低下(把持力の緩め)状態(すなわち把持爪110A、110B及び120A、120Bの素早い開き方向への動き)と、油圧上昇状態(すなわち把持爪110A、110B及び120A、120Bの電柱1の把持状態)への復帰との間で、素早い切り換え(比較的短いサイクルでの切り換え)を行うことができるようにしている。
なお、電磁弁311は、パイロットチェック弁301をバイパスするための電磁弁であり、通常、電力供給オフ状態で閉弁しているが、電柱を降下させるときに通電して開弁させることで、パイロットチェック弁301を無効とすることができる(バイパスさせて油圧を瞬時に解放することができる)ように構成されている。但し、電力供給オン状態で閉弁する構成の電磁弁311を採用することも可能である。
ここで、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bによる電柱1の把持力の保持・解放(電柱1の把持・解放)の素早い切り換え動作(比較的短いサイクルでの切り換え動作)を行うための電磁弁311の開閉動作の周期、1回あたりの開弁時間などの制御については、制御装置320が実行するが、当該電磁弁311の開閉動作の周期、1回あたりの開弁時間などは、電柱1の仕様、要求される降下速度、安全性を鑑みて適宜に選択可能な構成とすることができる。なお、制御装置320は、独自の制御装置(CPU、ROM、RAM等の各種メモリ、各種入出力インターフェース等を含んで構成される)とすることができるが、把持爪110A、110B及び120A、120Bによる電柱1の把持力の通常の保持・解放を制御する制御装置の追加機能とすることもできる
そして、本実施の形態において、上述したようなグラップル(把持装置)100及び油圧回路300を備えた建柱車両200では、以下のような手順(ステップ)で、電柱の建植を行う。
<ステップ1>
ステップ1では、先端側ブーム212Bの先端に取り付けられているグラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bにより、電柱1の長手方向における重心位置(或いはその付近)の外周を把持する(図1、図2等参照)。
<ステップ2>
続くステップ2では、ブーム212の旋回・起伏・伸縮などの操作及びグラップル100の先端側ブーム212Bに対する第4関節210D廻りの相対角度位置(チルト角)や先端側ブーム212Bの長手方向中心軸X廻りの回転角度などを操作しながら電柱1を持ち上げて、電柱1を略垂直に持ち来たし、電柱を略垂直に維持した状態のまま、把持している電柱1を所定の建柱穴2の位置まで移動させる。或いは、電柱1を所定の建柱穴2の位置まで移動させてから、電柱1を略垂直に持ち来たし、電柱を略垂直に維持した状態とすることも可能である。
<ステップ3>
続いて、ステップ3では、制御装置320は、上述したような方法により、電柱1を略垂直に維持した状態のまま、油圧回路300の電磁弁311を開弁して爪閉じ側のパイロットチェック弁301Bをバイパスさせた状態として、短いサイクルで、電磁比例リリーフ弁Aを開閉させる或いは比例方向切替弁Bで油圧通路を切り替えることで、爪閉じ側シリンダ330Bの油圧の低下(把持力の緩め)状態(すなわち把持爪110A、110B及び120A、120Bの素早い開き方向への動き)と、油圧上昇状態(すなわち把持爪110A、110B及び120A、120Bの電柱1の把持状態)への復帰との間で、素早い切り換え(比較的短いサイクルでの切り換え)を行う。
すなわち、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bによる電柱1の把持力の強弱(電柱1の把持状態(把持爪に対する電柱の相対移動禁止状態)と解放状態(把持爪に対する電柱の相対移動許可状態))の素早い切り換えを短いサイクルで繰り返す(図5参照)。
このように、本実施の形態では、制御装置320は、電柱1を略垂直に把持している状態で、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bの把持力を弱めることで、電柱1を自重により所定量(数ミリ〜数十センチ程度)だけ降下させたら、再び(直ちに)、把持爪110A、110B及び120A、120Bの把持力を回復させて電柱1を把持し、その後、再び把持力を弱めることで電柱1を自重により所定量(数ミリ〜数十センチ程度)だけ降下させるといった動作を、比較的短いサイクルで繰り返すことで(グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bによる電柱1の把持力の保持・解放或いは強弱(電柱1の把持・解放)を繰り返すことで)、グラップル100の高さ位置を維持したまま、把持している電柱1だけを徐々に安全に降下させて建柱穴2に電柱1を略垂直に挿入して建植する(図1、図5参照)。
なお、本実施の形態において、徐々に降下させるとは、所定量ごとの電柱の下降(把持爪に対する電柱の相対移動)を比較的短いサイクルで断続的あるいは間欠的に行うことを意味する。
その後、建柱穴2と電柱1の隙間に土砂等を投入して押し固めて、グラップル(把持装置)100及び油圧回路300を備えた建柱車両200による電柱1の建植は終了する。
このような作業手順に従うグラップル100を備えた建柱車両200の電柱の建植方法によれば、電柱1を略垂直に把持している状態で、グラップル100を移動させることなく(グラップル100の高さ位置を変更することなく)、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bの電柱1の把持力の保持・解放(電柱1の把持・解放)を比較的短いサイクルで繰り返すことで、電柱1を自重により断続的に(ステップ的に)徐々に降下させることができるので(電柱1の自重により把持爪110A、110B及び120A、120Bと電柱1との間の相対位置を徐々に変化させることができるので)、電柱1を安全、迅速かつ円滑に建柱穴に建植することができる。
このため、本実施の形態によれば、障害物があったり、狭隘な場所で作業を行う場合においても、簡単かつ安全に電柱等の柱状部材を建植することができると共に、電柱等の柱状部材を破損等させることがなく、作業能率及び作業の安全性を改善することができる柱状部材の把持装置(グラップル)及び当該把持装置を備えた車両を提供することができる。
なお、本実施の形態に係るグラップル100を備えた建柱車両200の電柱の建植方法によれば、従来の穴掘り建柱車10を利用した場合(ブーム及びウィンチを使った場合)と異なり、電柱自体をグラップルで直接把持するため、煩雑で時間を要する玉掛け作業を行う必要がなく効率的である。
また、本実施の形態に係るグラップル100を備えた建柱車両200の電柱の建植方法によれば、従来の穴掘り建柱車10を利用した場合(ブーム及びウィンチを使った場合)に比べて、吊具で電柱を吊った不安定な状態で電柱を建柱穴位置まで移動させることがないため、電柱が揺れる危険性がなく安全であると共に、介添作業員を省略することが可能である。
さらに、本実施の形態に係るグラップル100を備えた建柱車両200の電柱の建植方法によれば、グラップル100のブーム212に対する第4関節210D廻りの相対角度位置(チルト角)の変更機能(チルト機能)により、電柱1を地表面に対して略水平に移動させることも可能であるため、上空に電線7等が輻輳する状況においても、電線等に電柱を接触させることなく、電柱を建柱穴位置まで移動させることが可能であり、作業効率を格段に向上させることができ、以って電柱の建植・抜柱作業時間の短縮(工期の短縮)に貢献可能である。
そして、本実施の形態に係るグラップル100を備えた建柱車両200の電柱の建植方法によれば、塀などの比較的背の高い障害物越しに電柱を建植するような場合であっても、グラップル100の位置はそのままで、電柱を略垂直に降下させることができるので、ブームが障害物と干渉してしまい建柱を行うことが不可能となるといった従来のおそれを回避することができる。
なお、本実施の形態においては、電柱1を略垂直に把持している状態で、グラップル100を移動させることなく(グラップル100の高さ位置を変更することなく)、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bの電柱1の把持力の保持・解放(電柱1の把持・解放)を比較的短いサイクルで繰り返すことで、電柱1を自重により断続的に(ステップ的に)徐々に降下させる(電柱1の自重により把持爪110A、110B及び120A、120Bと電柱1との間の相対位置を徐々に変化させる)が、この比較的短いサイクル(時間周期)は、電柱1の仕様(サイズ、重量、材質、形状)などに応じて良好に電柱1を降下させることができるように適宜変更可能である。
また、本実施の形態では、電柱1を略垂直に降下させる場合に限らず、垂直方向に所定角度で交差する方向に降下させることも可能である。
なお、本実施の形態では、押圧ローラ150を備え、回転ローラ154及び遠心ブレーキ155により電柱1に対して所定のブレーキ力を作用させることができる構成であるので、この所定のブレーキ力により、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bの電柱1の把持力の保持・解放(電柱1の把持・解放)を比較的短いサイクルで繰り返すことで電柱1を降下させる際に、電柱1の降下にブレーキを掛けることができ、その降下速度を所望に制限(制御)することができる。
すなわち、本実施の形態に係る押圧ローラ150は、減速機構或いは緩降機構として利用することができる。
ところで、押圧ローラ150を備え、回転ローラ154及び遠心ブレーキ155により電柱1に対して所定のブレーキ力を作用させることができる構成であるので、条件によっては、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bの電柱1の把持力を所定に弱めることで、前記所定のブレーキ力でブレーキを掛けながら、電柱1を自重で降下させることができる。そして、所定のブレーキ力の大きさや把持爪110A、110B及び120A、120Bの電柱1の把持力の弱める程度を調整することで、電柱1の降下速度を所望に制限(制御)することができる。
ここで、本実施の形態に係る電柱1の自重による降下について、図3(A)を参照しつつ説明する。
本実施の形態において、グラップル100の把持爪110A、110Bの電柱1の把持力を所定に弱めると、把持爪110A、110Bの先端側110A1、110B1同士の間隔S(図3(A)参照)が少し拡がることになる。
このとき、電柱1は自重で降下しようとするが、押圧パッド140(或いは/及び押圧ローラ150)が、電柱1の外周に当接(作用)して電柱1をベースフレーム101(把持爪110A、110Bの基端側110A1、110B1)から把持爪110A、110Bの先端側(開放端)110A2、110B2へ向けて押圧しているので、電柱1は、押圧パッド140(或いは/及び押圧ローラ150)と、把持爪110A、110Bの先端側に備えられている滑り降下用パッド131と、に当接して押圧されるため、電柱1の降下にブレーキを掛けることができ、以って電柱1の降下速度が制限され、安全な速度で電柱1を降下させることができる。
この一方で、電柱1の降下を停止して電柱1をその位置で把持する場合には、グラップル100の把持爪110A、110B(或いは120A、120B)の電柱1の把持力を強めて、電柱1をしっかりと把持することで電柱1の降下を停止させるが、このときには、把持爪110A、110Bの先端側110A1、110B1同士の間隔Sが狭まることになる。
これにより、電柱1は、把持爪110A、110Bの略中央部部分に備えられている把持用パッド130と、押圧パッド140(或いは/及び押圧ローラ150)と、に当接して押圧されるため、電柱1の降下が安全かつ確実に停止され、電柱1はグラップル100に確実に把持されることになる。
なお、本実施の形態では、図3(A)に示すように、把持爪110A、110Bの略中央部部分に備えられている左右一対の把持用パッド130は、図3(A)平面において、電柱1の重心位置Yを通過する水平線を挟んで押圧パッド140(或いは/及び押圧ローラ150)の反対側に、その当接部(当接中心)が来るようにレイアウトされているため、電柱1を安定して確実に把持することが可能となっている。
すなわち、本実施の形態では、電柱1を把持するときには、グラップル100の把持爪110A、110B(或いは120A、120B)の電柱1の把持力を強めて、把持爪110A、110Bの略中央部部分に備えられている左右一対の把持用パッド130と、押圧パッド140(或いは/及び押圧ローラ150)と、により、電柱1の外周をしっかり把持することで、安全かつ確実に電柱1を把持する一方で、
電柱1を降下させる際には、グラップル100の把持爪110A、110B(或いは120A、120B)の電柱1の把持力を弱めることで、把持爪110A、110Bの先端側に備えられている左右一対の滑り降下用パッド131と、押圧パッド140(或いは/及び押圧ローラ150)と、により、電柱1の外周を電柱1が自重で降下可能な程度に弱目に把持することで、所定に減速しながら安全に電柱1を降下させることができるように構成されている。
ここにおいて、本実施の形態に係る押圧パッド140や押圧ローラ150は、把持爪110A、110Bにて電柱1を把持している状態から、把持爪110A、110Bの把持力を弱めて電柱1をその長手方向に降下させる場合に、電柱1に当接して電柱1の降下にブレーキを掛けることで、その降下速度を制限する減速機構、すなわち、本発明に係る減速機構の一例に相当する。
なお、本実施の形態では、把持爪110A、110B及び120A、120Bを備える場合を例示したが、これに限定されるものではなく、把持爪110A、110Bのみを、或いは把持爪120A、120Bのみを備えた構成とすることもできる。
ところで、本実施の形態のように、グラップル100の把持爪110A、110B及び120A、120Bにより電柱1を把持する場合には、壁や塀などを挟んで建柱車両200の反対側に電柱1を建植するような場合に、電柱1を略水平に寝かせた状態で壁や塀を越えさせた後に、電柱1を略垂直に立てることが可能であるから、本実施の形態によれば、従来の穴掘り建柱車10の場合(ブーム及びウィンチを利用した場合)のように電柱を略垂直に高く吊り上げて壁や塀を越えさせるようなことがないので、クレーンの揚程を小さくすることができ、クレーンの小型・軽量化延いては建柱車両の小型・軽量化に貢献可能である。
続いて、本実施の形態に係る別の実施例について説明する。
ここでは、グラップル(把持装置)以外の構成は、実施例1において述べた構成と同様であるので、それについての詳細な説明は省略する。
本実施例に係るグラップル(把持装置)400は、図7(A)〜(D)に示すように、実施例1のグラップル100と同様の把持爪110A、110B及び120A、120Bを備えているが、把持爪110A、110Bは分割フレーム401に支持されている一方で、把持爪120A、120Bは分割フレーム402に支持されている。なお、分割フレーム401或いは402の一方が、先端ブーム212Bの先端に第4関節210Dを介して支持されている。
分割フレーム401と分割フレーム402は、別体で構成され、分割フレーム401側のスライドガイド401Aと、分割フレーム402側のスライドガイド402Aと、がスライド可能に嵌挿保持されている。図7(B)〜(D)では、スライドガイド401Aの外周側が、スライドガイド402Aの内側に嵌挿され、相互に長手方向(電柱1の長手方向)に移動自在に構成されている。
また、分割フレーム401と分割フレーム402の間には、油圧シリンダ等の伸縮可能なアクチュエータ410が備えられていて、可動部であるピストン側が分割フレーム401に連結され、固定部であるシリンダ側が分割フレーム402に連結されている。
従って、アクチュエータ410に油圧を供給してアクチュエータ410の長さを伸張させると、分割フレーム401と分割フレーム402の間隔(相対距離)が大きく(長く)なるように制御され、アクチュエータ410への油圧供給を解放して原位置までアクチュエータ410の長さを縮小させると(原位置への復帰はスプリング等の弾性力を利用することもできる)、分割フレーム401と分割フレーム402の間隔(相対距離)が小さく(短く)なるように制御されるように構成されている。
なお、分割フレーム401には把持爪110A、110Bが支持され、分割フレーム402には把持爪120A、120Bが支持されているので、分割フレーム401と分割フレーム402の間隔(相対距離)が大きくなるように制御されると、把持爪110A、110Bと把持爪120A、120Bの間隔(相対距離)が大きく(長く)なるように制御され、分割フレーム401と分割フレーム402の間隔(相対距離)が小さく(短く)なるように制御されると、把持爪110A、110Bと把持爪120A、120Bの間隔(相対距離)が小さく(短く)なるように制御されることになる。
かかる構成のグラップル400を備えた本実施の形態においては、電柱1の建植の際に、電柱1を降下させる場合に(上記ステップ3相当)、以下のようにグラップル400を操作する。ステップ1、ステップ2は、実施例2においても上記と同様である。
すなわち、電柱1を略垂直に把持した状態から電柱1を降下させる場合、実施例2では次のように動作する。当該動作の制御は、制御装置420が実行するが、制御装置420は独自の制御装置とすることができるが、把持爪110A、110B及び120A、120Bによる電柱1の把持力の通常の保持・解放を制御する制御装置の追加機能とすることもできる
まず、
ステップ10にて、グラップル400の把持爪110A、110B及び120A、120Bにて電柱1を略垂直に把持している状態で、二対あるうちの一方の一対の把持爪、すなわち、把持爪110A、110B(或いは120A、120B)の把持力を弱めると共に、アクチュエータ410を駆動して、図7(D)に示すように、把持爪110A、110Bと把持爪120A、120Bの間隔(相対距離)が大きく(長く)なるように把持爪110A、110Bを上昇させる(図7(D)参照)。
続いて、ステップ11では、この状態にて、把持爪110A、110Bの把持力を回復させて、把持爪110A、110Bにて電柱1を略垂直に把持した後(或いは同時に)、把持爪120A、120Bの把持力を弱めると共に、アクチュエータ410を駆動を解放して、電柱1の自重及びアクチュエータ410の収縮動作により把持爪110A、110B及び電柱1を降下させる。
次のステップ12では、電柱1が所定量降下したら、把持爪120A、120Bの把持力を回復させて、把持爪110A、110B及び把持爪120A、120Bにて電柱1を略垂直に把持する。
その後は、ステップ10と同様に、把持爪110A、110Bの把持力を弱めると共に、アクチュエータ410を駆動して、把持爪110A、110Bと把持爪120A、120Bの間隔(相対距離)が大きく(長く)なるように把持爪110A、110Bを上昇させる(図7(D)参照)。
このようなステップ10〜12の処理(動作)を繰り返すことで、実施例2においても、グラップル400の高さ位置を維持したまま、把持している電柱1だけを安全に降下させて建柱穴に電柱1を挿入して建柱することができる。
すなわち、グラップル400を備えた建柱車両200の電柱の建植方法によれば、電柱1を略垂直に把持している状態で、グラップル400を移動させることなく(グラップル400の高さ位置を変更することなく)、グラップル400の把持爪110A、110B及び把持爪120A、120Bを、尺取虫のような動作で電柱1の長手方向に移動させることで、電柱1を断続的に(ステップ的に)徐々に降下させることができるので、電柱1を安全、迅速かつ円滑に建柱穴に建植することができる。
つまり、ここでは、制御装置420が、前記第1の把持部材(把持爪110A、110Bの把持爪120A、120Bの一方が一例に相当)及び前記第2の把持部材(把持爪110A、110Bの把持爪120A、120Bの他方が一例に相当)により前記柱状部材(電柱1が一例に相当)を把持している状態から、前記第1の把持部材の把持力を弱めて前記第2の把持部材との相対距離が大きく或いは小さくなるように前記第1の把持部材を前記柱状部材の長手方向に沿って移動(当該移動はアクチュエータの駆動力を利用することができる)させた後、前記第1の把持部材の把持力を回復させ、その後に、前記第2の把持部材の把持力を弱めると共に前記第2の把持部材との相対距離が小さく或いは大きくなるように前記第1の把持部材を前記柱状部材の長手方向に沿って移動(当該移動は前記柱状部材の自重或いはアクチュエータの駆動力の少なくも一方を利用することができる)させる動作を繰り返すことで、当該柱状部材の把持装置における前記柱状部材の相対的な把持位置を変化させることにより、例えば、前記柱状部材を断続的に(ステップ的に)徐々に降下させることができるので、前記柱状部材を安全、迅速かつ円滑に建柱穴に建植することができる。
なお、実施例2においては、電柱1の自重を利用することなく、アクチュエータ410を駆動力のみで電柱1を、グラップル400の把持爪110A、110B及び把持爪120A、120Bに対する相対位置を変更することも可能であるから、電柱1を水平に維持しているような場合であっても、電柱1を水平に維持しながら、電柱1を、グラップル400の把持爪110A、110B及び把持爪120A、120Bに対して相対移動させることが可能である。
また、実施例2においては、電柱1の自重を利用することなく、アクチュエータ410を駆動力のみで電柱1を、グラップル400の把持爪110A、110B及び把持爪120A、120Bに対する相対位置を変更することも可能であるから、電柱1を建柱穴2から上方に引き抜く(持ち上げる)ような場合であっても、グラップル400の把持爪110A、110B及び把持爪120A、120Bを所定位置に保持したまま、電柱1を上方に安全かつ迅速に引き抜くこと(抜柱すること)ができる。
このため、本実施例によれば、障害物があったり、狭隘な場所で作業を行う場合においても、簡単かつ安全に電柱等の柱状部材を建植及び抜柱することができると共に、電柱等の柱状部材を破損等させることがなく、作業能率及び作業の安全性を改善することができる柱状部材の把持装置(グラップル)及び当該把持装置を備えた車両を提供することができる。
なお、本実施例に係るグラップル400を備えた建柱車両の電柱の建植方法によれば、実施例1と同様に、従来の穴掘り建柱車10を利用した場合(ブーム及びウィンチを使った場合)と異なり、電柱自体をグラップルで直接把持するため、煩雑で時間を要する玉掛け作業を行う必要がなく効率的である。
また、本実施例に係るグラップル400を備えた建柱車両の電柱の建植方法によれば、実施例1と同様に、従来の穴掘り建柱車10を利用した場合(ブーム及びウィンチを使った場合)に比べて、吊具で電柱を吊った不安定な状態で電柱を建柱穴位置まで移動させることがないため、電柱が揺れる危険性がなく安全であると共に、介添作業員を省略することが可能である。
さらに、本実施例に係るグラップル400を備えた建柱車両の電柱の建植方法によれば、実施例1と同様に、グラップル400のブーム212に対する第4関節210D廻りの相対角度位置(チルト角)の変更機能(チルト機能)により、電柱1を地表面に対して略水平に移動させることも可能であるため、上空に電線7等が輻輳する状況においても、電線等に電柱を接触させることなく、電柱を建柱穴位置まで移動させることが可能であり、作業効率を格段に向上させることができ、以って電柱の建植・抜柱作業時間の短縮(工期の短縮)に貢献可能である。
そして、本実施例に係るグラップル400を備えた建柱車両の電柱の建植方法によれば、実施例1と同様に、塀などの比較的背の高い障害物越しに電柱を建植するような場合であっても、グラップルの位置はそのままで、電柱を略垂直に降下させることができるので、ブームが障害物と干渉してしまい建柱を行うことが不可能となるといった従来のおそれを回避することができる。
なお、本実施例においては、グラップル400の把持爪110A、110B及び把持爪120A、120Bを、尺取虫のような動作で電柱1の長手方向に移動させるが、この動作スピードなどは、電柱1の仕様(サイズ、重量、材質、形状)などに応じて良好に電柱1を降下させることができるように適宜変更可能である。
なお、上述した実施の形態では、電柱を建植の対象(建柱の対象)として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、マスト、ポール、煙突等の他の柱状部材にも適用可能であり、柱状部材の材質も木製、コンクリート製、樹脂製、金属製などに限定されるものではない。また、柱状部材の断面形状(長手方向に直交する断面の断面形状)も、外周が円形状である場合に限定されるものではなく、三角形、四角形、それ以上の多角形形状などである場合にも本発明は適用可能である。また、柱状部材は中実である場合に限らず、内側に空隙がある中空の形状である場合にも本発明は適用可能である。
なお、把持用パッド130、押圧パッド140、押圧用パッド144として、更には回転ローラ154の外周には、ゴム等の樹脂製のパッドを適用することができるが、金属製パッドなどとすることもできる。
なお、上記実施の形態において、把持爪110A、110Bや把持爪120A、120Bを本発明に係る把持部材の一例として、または、把持爪110A、110B或いは把持爪120A、120Bの一方を第1の把持部材の一例とし、把持爪110A、110B或いは把持爪120A、120Bの他方が第2の把持部材の一例として説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、前記柱状部材を把持することができるものであれば、把持爪110A、110Bや把持爪120A、120Bの形状等が特に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、把持爪110A、110Bや把持爪120A、120Bを駆動するアクチュエータを油圧を用いた場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、空気等の他の流体の圧力を用いたアクチュエータや、電動モータとギヤ機構を組み合わせたものを利用することができる。
また、本実施の形態では、建柱車両200は、トラックのような自走可能な車両を例示して説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、牽引車両により牽引されて移動する被牽引車両などを含む車両に適用可能である。
また、本発明に係る車両は、柱状部材を建柱穴に建植する建柱車両に限定されるものではなく、本発明に係る把持装置を用いて柱状部材を扱う車両(作業用車両など)であっても本発明は適用可能である。
以上で説明した一実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
1 電柱等(柱状部材、棒状部材)
2 建柱穴
6 電線等(障害物)
100 グラップル(把持装置)(油圧制御方式)
101 ベースフレーム
110A、110B 把持爪(把持部材)
120A、120B 把持爪(把持部材)
130 把持用パッド
140 押圧パッド(押圧部材)
142 押圧パッド部
144 押圧用パッド
150 押圧ローラ
151 基部
152 弾性付勢機構(弾性スプリング機構)
152A 弾性スプリング
153 押圧ローラ部
154 回転ローラ
155 遠心ブレーキ
200 建柱車両
201 車体(フレーム)
210 クレーン
210D 第4関節
211 旋回台(旋回ベース)
212 ブーム
300 油圧回路
301 パイロットチェック弁
310 パイロットチェック弁バイパス回路
311 電磁弁
320 制御装置
330 駆動アクチュエータ(把持爪の開閉駆動)
400 グラップル(把持装置)(尺取虫方式)
401 分割フレーム
402 分割フレーム
401A スライドガイド
402A スライドガイド
410 アクチュエータ

また、本発明に係る柱状部材の把持装置の別の態様は、
柱状部材の長手方向と略直交する方向から柱状部材の外周を把持する柱状部材の把持装置であって、
前記柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の把持部材と、
前記把持部材による前記柱状部材の把持力を制御する制御装置と、
を含んで構成され、
前記制御装置が、前記把持部材により前記柱状部材を把持している状態から、前記把持部材の把持力を弱めて前記柱状部材を自重によりその長手方向に降下させる一方、
本柱状部材の把持装置が、当該柱状部材の自重による降下の際に、前記柱状部材に当接してその降下速度を制限する減速機構を備えたことを特徴とする。

Claims (7)

  1. 柱状部材の長手方向と略直交する方向から柱状部材の外周を把持する柱状部材の把持装置であって、
    前記柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の把持部材と、
    前記把持部材による前記柱状部材の把持力を制御する制御装置と、
    を含んで構成され、
    前記制御装置が、前記把持部材により前記柱状部材を把持している状態から、前記把持部材の把持力を弱めて前記柱状部材を自重によりその長手方向に所定量降下させた後、再び前記把持部材の把持力を回復させて前記柱状部材を把持する動作を繰り返させることにより、前記柱状部材を自重により徐々に降下させることを特徴とする柱状部材の把持装置。
  2. 前記制御装置による前記柱状部材の自重による降下の際に、当該柱状部材に当接してその降下速度を制限する減速機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の柱状部材の把持装置。
  3. 柱状部材の長手方向と略直交する方向から柱状部材の外周を把持する柱状部材の把持装置であって、
    前記柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の把持部材と、
    前記把持部材による前記柱状部材の把持力を制御する制御装置と、
    を含んで構成され、
    前記制御装置が、前記把持部材により前記柱状部材を把持している状態から、前記把持部材の把持力を弱めて前記柱状部材を自重によりその長手方向に降下させると共に
    当該柱状部材の自重による降下の際に、前記柱状部材に当接してその降下速度を制限する減速機構を備えたことを特徴とする柱状部材の把持装置。
  4. 前記減速機構が、前記柱状部材の外周に当接してブレーキを掛ける押圧ローラであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の柱状部材の把持装置。
  5. 前記減速機構が、前記柱状部材の外周に当接してブレーキを掛ける押圧部材であることを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1つに記載の柱状部材の把持装置。
  6. 柱状部材の長手方向と略直交する方向から柱状部材の外周を把持する柱状部材の把持装置であって、
    前記柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の第1の把持部材と、
    前記第1の把持部材とは前記柱状部材の長手方向において異なる位置に配設されると共に前記第1の把持部材との相対距離を伸縮可能に構成され、当該柱状部材の外周を把持可能に該柱状部材の長手方向中心軸を挟んで両側に対面配置される一対の第2の把持部材と、
    前記第1の把持部材及び第2の把持部材による前記柱状部材の把持力を制御すると共に、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材の相対距離を変更制御する制御装置と、
    を含んで構成され、
    前記制御装置が、前記第1の把持部材及び前記第2の把持部材により前記柱状部材を把持している状態から、前記第1の把持部材の把持力を弱めて前記第2の把持部材との相対距離が大きく或いは小さくなるように前記第1の把持部材を前記柱状部材の長手方向に沿って移動させた後、前記第1の把持部材の把持力を回復させ、その後に、前記第2の把持部材の把持力を弱めると共に前記第2の把持部材との相対距離が小さく或いは大きくなるように前記第1の把持部材を前記柱状部材の長手方向に沿って移動させる動作を繰り返すことで、当該柱状部材の把持装置における前記柱状部材の相対的な把持位置を変化させることを特徴とする柱状部材の把持装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の柱状部材の把持装置を備えたことを特徴とする車両。
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