JP6413944B2 - 二酸化バナジウム微粒子の製造方法 - Google Patents

二酸化バナジウム微粒子の製造方法 Download PDF

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本発明は、サーモクロミックなど調光材料として有用な二酸化バナジウム微粒子の製造方法に関し、さらに詳しくは、調光材料用途に適した粒径範囲の二酸化バナジウムを製造する方法に関するものである。
温度変化によって透過率や反射率などの光学的特性が可逆的に変化するサーモクロミック現象を示す材料として、二酸化バナジウムが知られている。二酸化バナジウムの結晶は、相転移温度である68℃以下では半導体相(M相)となり熱線を透過させるが、相転移温度を越えると金属相(R相)に転移して熱線を反射して透過率を下げる性質がある。
この相転移は68℃で可逆的に起こり、赤外線透過率が大幅に変化して、相転移温度以下では、可視光線および赤外線ともに透過するが、相転移温度を越えると、可視光透過率は変化しないが、赤外線の透過率のみが減少する。
この透過率が変化する波長はおよそ800nm以上であり、それ以下の波長での透過率はほとんど変化しない。つまり、相転移温度の上下で可視光透過率はほとんど変化しない特徴がある。
また、二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部を他の金属原子(タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタルおよびレニウムなど)で置換することにより、相転移温度を変えることができることが知られている。
このようなサーモクロミック特性を利用して、例えば、一定温度以上になると可視光線を透過するが、熱線を反射する赤外線遮断剤として、二酸化バナジウムを用いることが提案されている。
サーモクロミック材料に用いるバナジウムを得る方法として、酸化バナジウムと酸化タングステンとを溶融法により合成した材料をビーズミルで粉砕して酸化バナジウムの微粒子を得る方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法では、酸化バナジウム材料を機械的粉砕によって微粒子化しているため、サブマイクロメートルないしナノメートルサイズの粒子を得るためには、過酷な粉砕条件が必要となること、また、均一な粒度分布の粒子を得るのは困難である。
さらに、過酷な加工処理を必要とせず簡便な製造工程で、ナノメートルサイズにまで微細化することができ、かつ経時での安定性に優れたルチル型二酸化バナジウム結晶からなる微粒子を工業的規模で製造する方法が提供されている(特許文献2)。
この方法は、バナジウム化合物を過酸化水素水に含有させたバナジウム含有液を調製して、バナジウム酸化物を多孔質体として析出させ、該多孔質体を比較的マイルドな条件で粉砕、粉砕されたバナジウム酸化物に還元処理および加熱処理を行う方法である。
しかしながら、上記の方法でも、微粒子の粒径を目的とするサイズに調整することは難しく、均一な粒度分布の粒子を得るのが困難である。
特開2000−233929号公報 特開2011−136873号公報
本発明が解決しようとする課題は、工業的に適用可能な簡易な方法で、サーモクロミック特性を効率的に発現する二酸化バナジウム微粒子の粒子径を一定の範囲内に揃えることを目的とする二酸化バナジウム微粒子の製造方法である。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意検討した結果、二酸化バナジウムを含む固体を原料として、湿式粉砕による微細化および焼成により目的とする粒子径に揃えることを組み合わせることで、二酸化バナジウムの粒子径を調光材料用途に適したサイズ(10〜150nm)に揃えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1発明は、
二酸化バナジウムを含む固体を原料にして、少なくとも次の工程Aおよび工程Bを含む、粒子径が10〜150nmの粒子の割合が90質量%以上である二酸化バナジウム微粒子の製造方法である。
工程A;二酸化バナジウムを含む固体を湿式粉砕により、平均一次粒子径を1〜100nmにする工程。
工程B;前記工程Aで得られた微粒子を、不活性ガス雰囲気下で350〜550℃の温度範囲で焼成することにより、二酸化バナジウム微粒子の平均一次粒子径を10〜150nmに調整する工程。
本発明の第2発明は、
工程Aにおける湿式粉砕が、不活性ガスを添加しながら行なうことを特徴とする第1発明に記載の二酸化バナジウム微粒子の製造方法である。
本発明の第3発明は、
二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部がタングステンおよび/またはモリブデンに置換された二酸化バナジウムを含んだ原料である、第1発明または第2発明のいずれかに記載の二酸化バナジウム微粒子の製造方法である。
本発明の第4発明は、
第1発明〜第3発明のいずれかに記載の方法で製造した二酸化バナジウム微粒子をフィラーとして添加することを特徴とするサーモクロミックフィルムの製造方法である。
本発明の二酸化バナジウム微粒子の製造方法は、出発原料の粒子径の大きさに影響されにくい、また、出発原料の二酸化バナジウムの結晶相に影響されない製造方法であり、簡易な方法で、調光材料用途に適したサイズの粒子径に揃った二酸化バナジウム微粒子を得ることができる、サーモクロミックフィルムなどの調光材料に使用することが可能な二酸化バナジウム微粒子の優れた製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製造方法における原料となる二酸化バナジウムを含む固体としては、
二酸化バナジウムを含んでいれば特に限定されないが、原料全体における二酸化バナジウムの割合が90質量%以上であることが好ましい。なお、不純物としては元来の二酸化バナジウムに由来する、あるいは処理条件により生成する5価や3価のバナジウム酸化物などが挙げられるが、これらの不純物は最終段階で取り除く必要があるため、本発明の製造方法における原料としては不純物が出来るだけ含まれないものが望ましい。
二酸化バナジウムを含む固体は、粉末状、粒子状であってもよく、棒状、板状、ペレット状であってもよい。その後の取扱いの観点から、粉末状および粒子状のものが好ましい。また、原料である二酸化バナジウムの粒径および結晶相についても特に限定されない。
また、原料として二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部がタングステン、モリブデン、ニオブ、タンタルおよびレニウムなどの元素で置換されているものを含んでいても良い。この様な元素を含有させることにより、二酸化バナジウム微粒子の相転移特性である調光温度を制御することが可能となる。
本発明で最終的に得られる二酸化バナジウム微粒子におけるバナジウム原子に対して、上記元素の割合は、0.1〜5.0原子%であることが好ましい。
二酸化バナジウムは、半導体相(M相)と金属相(R相)が相転移温度で可逆的に相転移することで、上記の様な特徴を発現する。二酸化バナジウムの結晶相としては、M相およびR相以外も存在することが知られているが、本発明において、原料に含まれる二酸化バナジウムの結晶相に限定なく使用することができる。なお、本発明の工程Bにおける焼成により、原料の二酸化バナジウムの大部分は金属相(R相)になる。
工程Aについて
工程Aは二酸化バナジウムを含む固体を液体に分散させた後、液体中の二酸化バナジウム粒子を1〜100nmサイズまで粉砕する工程である。一般的にはビーズミルと呼ばれる湿式微粉砕機・分散機を使用するのが好ましい。
例えば、粉砕室と呼ばれる容器の中に、ビーズ(粉砕メディア)を80体積%程度充填しておき、粉砕室中央の回転軸を周速10m/秒程度で回転させることにより、ビーズに運動を与え、ここに二酸化バナジウムを液体に分散させたスラリーをポンプで送り込み、ビーズを衝突させることにより二酸化バナジウムを微粉砕・分散することができる。
上記ビーズミルによる粉砕・分散では、使用するビーズの径と材質の選定が重要である。特にビーズ径は原料物質の粒子径と目的とする粒子径を考慮して選定するが、場合によりビーズサイズを何段か変えながら、目的とする粒子径の粒子を得る必要がある。
本発明における二酸化バナジウムの粉砕については、効率よく、すなわち早くかつ均一な平均一次粒子径1〜100nmの二酸化バナジウムの粒子を得るためには、ビーズ径が0.1〜0.5mmのビーズを用いるのが好ましい。0.1mmより小さなビーズを用いると粉砕効率が悪くなり、0.5mmより大きいビーズを用いると得られる粒子が大きくなる。
ビーズの材質としては、特に限定されないが、本発明の二酸化バナジウムの粉砕には、市販されているジルコニアビーズおよびガラスビーズなどを用いることが好ましい。
二酸化バナジウム粒子を分散させる液体としては、水、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、2-プロピルアルコール、ブチルアルコールおよびメチルエチルケトンなどが好ましく、これらの中でも、取扱いの容易さから水または2−プロピルアルコールを用いることが特に好ましい。
粒子を液体に分散させる割合は、分散液中の粒子の割合が0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%にすることが特に好ましい。粒子の割合が50質量%を超えるとスラリー粘度が高くなるなど取扱いが容易にならない恐れがある。
本発明の工程Aにおいては、不活性ガスを添加しながら湿式粉砕を行なうことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガスなどが挙げられ、これらの中でも窒素ガスが好ましい。
上記工程Aにより微粉砕・分散させた二酸化バナジウムは、凍結乾燥やエバポレーターにより微粉体として回収する。回収した二酸化バナジウム粉末は、必要に応じて洗浄などの処理を行なった後に、工程Bの焼成工程により粒子径を調整する。
工程Bについて
本発明における工程Bは、前記工程Aで得られた二酸化バナジウム微粒子を350〜550℃の温度範囲で焼成することにより、粒子径が10〜150nmの粒子の割合が90質量%以上である二酸化バナジウム微粒子に調整する工程である。
工程Bは焼成工程であり、工程Aで得られた粒子径が1〜100nmである二酸化バナジウム微粒子を調光材料に好適なサイズである10〜150nmの粒子径範囲に調整するものである。工程Aで得られた1〜100nmの粒子は300℃以上に加熱することにより隣合う原料粒子が徐々に接着し、粒子間の隙間が小さくなると同時に全体が収縮する現象が生じる。調光材料に好適なサイズである10〜150nmの粒子径範囲に調整するためには、工程Bにおける加熱温度は350〜550℃の範囲である。
加熱温度以外の焼成条件は特に限定されないが、平均一次粒子径を10〜150nmに調整するためには、不活性ガス雰囲気下で350〜550℃の温度範囲で5分〜24時間加熱することが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガスおよびアルゴンガスなどが挙げられ、これらの中でも使いやすさの点から、窒素ガスが好ましい。
前記工程Bで使用する焼成装置としては特に限定されず、一般的に市販されている加熱装置を利用することができる。例えば、加熱装置としては、マッフル炉、管状炉、ロータリーキルンなどが挙げられる。
工程Bの焼成において、350〜550℃の焼成温度の範囲は重要であり、加熱温度が350℃より低い場合は10nm未満の微粒子が多く残り、加熱温度が550℃を越える場合は、粒子径が100nmを越える粒子の割合が多くなる。
本発明の製造方法で得られた粒子径が10〜150nmの粒子の割合が90質量%以上である二酸化バナジウム微粒子は、調光材料として適用可能であり、例えば、サーモクロミック特性を有するフィルム、およびサーモクロミック特性を有するインクに適用できる。
サーモクロミック特性を有するフィルムは、一般的に市販されている樹脂フィルム等の透明フィルムとなる原料に、本発明の製造方法で得られた二酸化バナジウム微粒子をフィラーとして添加することで、サーモクロミック特性を有するフィルムとして調製することができる。
以下、実施例により本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
<実施例1>
容量が225mlのフタ付ガラス瓶に、200μm径のジルコニアビーズ(ニッカトー社製、商品名:YTZ−0.2)を138g、純水を50g、および二酸化バナジウム(高純度化学社製試薬、平均粒子径18μm)を1g入れて、窒素バブリングにより酸素を追い出した。次に、ペイントシェーカー(RED DEVIL社製、商品名:RED DEVIL Paint Mixer,型式:Model。5410 Type 5410)により8時間湿式粉砕を行ない、得られた二酸化バナジウム粉砕スラリーを凍結乾燥により水を除去し、平均粒子径が27nmの二酸化バナジウム粉末を得た。
次に、凍結乾燥後の二酸化バナジウム粉末を管状炉(アサヒ理化製作所製、商品名:セラミックス電気管状炉、型式:ARF−50K)にて窒素を流しながら、表1に示す温度で焼成を行なった。なお、各温度における焼成時間は6時間であった。
各温度条件による焼成で得られた二酸化バナジウム粉末の平均一次粒子径および粒子径が10〜150nmの二酸化バナジウム微粒子の割合を表1に示す。
<実施例2>
容量が40mlのフタ付ガラス瓶に、200μm径ジルコニアビーズ(実施例1と同じ)を22g、2−プロピルアルコールを7.5g、およびタングステンドープ(Wドープ)二酸化バナジウム(特許第5625172号公報の実施例1に基づいて合成、平均一次粒径250nm、相転移温度45℃)を0.075g入れて、窒素バブリング後、実施例1と同じペイントシェーカーにより4時間粉砕を行ない、得られたタングステンドープ二酸化バナジウム粉砕スラリーを凍結乾燥により水を除去し、平均一次粒子径が30nmのWドープ二酸化バナジウム粉末を得た。
次に実施例1と同様の管状炉により、表1に示す温度(500℃)で焼成を行なった。なお、焼成時間は13時間であった。
500℃による焼成で得られたタングステンドープ二酸化バナジウム微粉末の平均一次粒子径および粒子径が10〜150nmのタングステンドープ二酸化バナジウム微粒子の割合を表1に示す。
<実施例3>
焼成温度と焼成時間を表1に示すように変更した以外は、実施例2と同じ条件で試験を行なった。
各温度条件による焼成で得られたタングステンドープ二酸化バナジウム微粉末の平均一次粒子径および粒子径が10〜150nmのタングステンドープ二酸化バナジウム微粒子の割合を表1に示す。
<比較例1>
焼成を320℃、600℃、650℃で6時間行った以外は、実施例1と同じ条件で行ない、二酸化バナジウム微粉末を得た。得られた二酸化バナジウム微粉末の平均一次粒子径および粒径が10〜150nmの二酸化バナジウム微粒子の割合を表1に示す。
320℃で焼成した場合は平均一次粒子径が小さく、粒子径が10nm未満の粒子の割合が多い。600℃、650℃で焼成した場合は平均一次粒子径が大きく、粒子径が150nm以上を越える粒子の割合が多い。
<比較例2>
焼成を280℃で13時間行った以外は、実施例1と同じ条件で行ない、二酸化バナジウム微粉末を得た。得られた二酸化バナジウム微粉末の平均一次粒子径および粒径が10〜150nmの二酸化バナジウム微粒子の割合を表1に示す。
平均一次粒子径が小さく、粒子径が10nm未満の粒子の割合が多い。
<比較例3>
焼成を575℃で16時間行った以外は、実施例2と同じ条件で行ない、タングステンドープ二酸化バナジウム微粉末を得た。得られたタングステンドープ二酸化バナジウム微粉末の平均一次粒子径および粒径が10〜150nmのタングステンドープ二酸化バナジウム微粒子の割合を表1に示す。
平均一次粒子径が大きく、粒子径が150nmを越える粒子の割合が多い。
<比較例4>
焼成を750℃で13時間行った以外は、実施例2と同じ条件で行ない、タングステンドープ二酸化バナジウム微粉末を得た。得られたタングステンドープ二酸化バナジウム微粉末の平均一次粒子径および粒径が10〜150nmのタングステンドープ二酸化バナジウム微粒子の割合を表1に示す。
平均一次粒子径が大きく、粒子径が150nmを越える粒子の割合が多い。
NIR調光性能評価方法および評価
得られた二酸化バナジウムおよびタングステンドープ二酸化バナジウム微粒子粉末を、無色透明のシリコンゲルシート(三水商工製、商品名:マイクロシリコンゲルシート、厚み100μm)に均一に付着させた後、ガラス基板に張り付けて評価サンプルとした。ブランクとしては上記と同じシリコンゲルシートをガラス基板に張り付けたものを使用した。NIR調光性能評価は相転移温度前後での透過率差で評価を行うが、ノンドープの二酸化バナジウムについては加熱測定ユニットを備えたフーリエ変換赤外分光光度計(サーモフィッシャ−サイエンティフィック社製、商品名:NICOLET i550)を使用し測定温度は25℃および90℃とした。タングステンドープ二酸化バナジウムについては加熱測定ユニットを備えた分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製、商品名:HITACHI U−3500)を使用し、測定温度は25℃および70℃とした。
NIR調光性能としては、相転移温度前後での透過率差が高い程調光性能が優れており、30%以上であれば実用可能な材料である。
結晶相転移熱量測定方法
得られた二酸化バナジウム微粒子粉末を、示差走査熱量計(エスアイアイナノテクノロジー社製、型式:DSC 6220)により測定した。
結晶相転移熱量はR相結晶量に比例しており、同等の粒子径で比較した場合、結晶相転移熱量が高いと、R相量が高く調光率も高くなる傾向にあり、25mJ/mg以上あれば実用可能な材料である。
平均一次粒子径および粒子径10〜150nmの割合
得られた二酸化バナジウム微粒子粉末を、セミインレンズ式走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、型式:S−4800)により撮影した写真にて各粒子の測長を行い、平均値の算出および粒子径10〜150nmの粒子の割合を計算した。
Figure 0006413944
本発明により得られる二酸化バナジウム微粒子は、粒子径が揃った二酸化バナジウムの微粒子であるため、サーモクロミックフィルムなどの調光材料に使用できる。

Claims (4)

  1. 二酸化バナジウムを含む固体を原料にして、少なくとも次の工程Aおよび工程Bを含む、粒子径が10〜150nmの粒子の割合が90質量%以上である二酸化バナジウム微粒子の製造方法。
    工程A;二酸化バナジウムを含む固体を湿式粉砕により、平均一次粒子径を1〜100nmにする工程。
    工程B;前記工程Aで得られた微粒子を、不活性ガス雰囲気下で350〜550℃の温度範囲で焼成することにより、二酸化バナジウム微粒子の平均一次粒子径を10〜150nmに調整する工程。
  2. 工程Aにおける湿式粉砕が、不活性ガスを添加しながら行うことを特徴とする請求項1に記載の二酸化バナジウム微粒子の製造方法。
  3. 二酸化バナジウムのバナジウム原子の一部がタングステンおよび/またはモリブデンに置換された二酸化バナジウムを含んだ原料である、請求項1または請求項2のいずれかに記載の二酸化バナジウム粒子の製造方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の方法で製造した二酸化バナジウム微粒子をフィラーとして添加することを特徴とするサーモクロミックフィルムの製造方法
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