JP6413230B2 - 抵抗器及び抵抗器の製造方法 - Google Patents

抵抗器及び抵抗器の製造方法 Download PDF

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この発明は、セラミックス基板と、セラミックス基板の一方の面に形成された抵抗体及び金属電極と、前記金属電極に接合された金属端子とを備えた抵抗器、及びこの抵抗器の製造方法に関するものである。
一般に、電子回路部品の一つとして、セラミックス基板の一方の面に形成された抵抗体と、この抵抗体に接合された金属端子と、を備えた抵抗器が広く使用されている。この抵抗器においては、電流が流されることによって発熱することから、発生した熱を効率的に放散するために放熱板(ヒートシンク)を備えたものが提案されている。
例えば、特許文献1には、セラミックス基板に活性金属法によって金属端子が接合され、この金属端子の接合部に抵抗体を形成した構造の抵抗器が提案されている。
また、特許文献2には、セラミックス基板の上に抵抗体と金属電極とを形成し、金属電極と金属端子とをはんだ接合した構造の抵抗器が提案されている。
さらに、例えば特許文献3には、絶縁層を備えたシリコン基板と放熱板(ヒートシンク)とをはんだ接合した抵抗器が提案されている。
特開平02−238601号公報 特開2005−101178号公報 特開平08−306861号公報
ところで、特許文献1に記載されたように、セラミックス基板と金属端子とをAg−Cu−Ti等のろう材を用いた活性金属法で接合する場合には、接合温度が例えば850℃と比較的高温であることから、接合時に抵抗体が熱劣化してしまう問題があった。また、セラミックス基板と金属端子とを接合した後に、金属端子の接合部に抵抗体を形成する場合でも、ろう材の接合温度が高いためセラミックス基板と金属端子との接合部において大きな残留応力が発生する問題があった。
また、最近では、上述した抵抗器は、大電流が流される用途に用いられ、抵抗体が発熱して150℃以上の高温になることがある。特許文献2に記載されたように、セラミックス基板の上に抵抗体と金属電極とを形成し、金属電極と金属端子とをはんだ接合した場合や、特許文献3に記載されたように、シリコン基板とヒートシンクとをはんだ接合した場合に、上述したように抵抗体が高温になると、はんだ材が劣化して十分な接合強度を確保できず、金属電極と金属端子との接合やシリコン基板とヒートシンクとの接合を維持できなくなるおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、耐熱性に優れるとともに、製造時における抵抗体や接合部の劣化を抑制することができる抵抗器及びこの抵抗器の製造方法を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明の抵抗器は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に形成された抵抗体及び金属電極と、前記金属電極に接合された金属端子と、を備え、前記金属電極と前記金属端子とが、厚さが5μm以上100μm以下の範囲の接合材を介して固相拡散接合され、前記金属電極と前記接合材、および、前記接合材と前記金属端子がそれぞれ固相拡散接合されており、前記金属電極及び前記金属端子がAlからなり、Cuからなる接合材を介して前記金属電極と前記金属端子とが固相拡散接合されており、前記セラミックス基板の他方の面側に接合されたヒートシンクを備えるとともに、前記セラミックス基板と前記ヒートシンクとの間に形成された緩衝層を備え、前記緩衝層は、Al又はAl合金で構成されていることを特徴としている。
また、本発明の抵抗器は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に形成された抵抗体及び金属電極と、前記金属電極に接合された金属端子と、を備え、前記金属電極と前記金属端子とが、厚さが5μm以上100μm以下の範囲の接合材を介して固相拡散接合され、前記金属電極と前記接合材、および、前記接合材と前記金属端子がそれぞれ固相拡散接合されており、前記金属電極及び前記金属端子がCuからなり、Alからなる接合材を介して前記金属電極と前記金属端子とが固相拡散接合されており、前記セラミックス基板の他方の面側に接合されたヒートシンクを備えるとともに、前記セラミックス基板と前記ヒートシンクとの間に形成された緩衝層を備え、前記緩衝層は、Al又はAl合金で構成されていることを特徴としている。
本発明の抵抗器によれば、金属電極と金属端子とが、AlとCuとの固相拡散接合により接合されているので、金属電極と金属端子とを良好に接合し、接合信頼性を向上できる。また、はんだ材を用いることなく、固相拡散接合により金属電極と金属端子とが接合されているので、抵抗体が発熱して高温となっても、接合強度を十分に維持することができ、耐熱性に優れる。さらに、固相拡散接合は、Ag−Cu−Ti系のろう材の接合温度と比較して低温で行うことができるので、製造時における抵抗体や接合部の劣化を抑制することができる。
セラミックス基板の他方の面側にヒートシンクが接合されているので、抵抗体から発生する熱を効率的にヒートシンクから外部へ放散することができ、抵抗器の信頼性を向上させることが可能である。
セラミックス基板とヒートシンクとの間に緩衝層が形成されているので、抵抗体に冷熱サイクルが負荷された際に、セラミックス基板とヒートシンクとの間に生じる熱応力を緩衝層によって緩和し、セラミックス基板に割れが発生することを抑制できる。
またAlからなる金属電極及び金属端子が、Cuからなる接合材を介して固相拡散接合されている場合には、金属電極と金属端子を良好に接合することができる。
また、AlとCuとの固相拡散接合の温度は、Ag−Cu−Ti系のろう材の接合温度と比較して低いので、接合時における抵抗体の熱劣化を抑制可能となる。また、このように比較的低温で接合することにより、金属電極と金属端子との接合部に生じる残留応力を低減することもできる。
またCuからなる金属電極及び金属端子が、Alからなる接合材を介して固相拡散接合されている場合には、金属電極と金属端子を良好に接合することができる。
また、CuとAlとの固相拡散接合の温度は、Ag−Cu−Ti系のろう材の接合温度と比較して低いので、接合時における抵抗体の熱劣化を抑制可能となる。また、このように比較的低温で接合することにより、金属電極と金属端子との接合部に生じる残留応力を低減することもできる。
本発明の抵抗器の製造方法は、前記金属電極及び前記金属端子がAlからなり、Cuからなる接合材を介して前記金属電極と前記金属端子とが固相拡散接合されている抵抗器を製造する抵抗器の製造方法であって、前記接合材が、Cu箔又はCu粉末からなり、前記金属電極と前記金属端子とを前記接合材を介して積層し、前記金属電極、前記接合材、及び前記金属端子の積層方向に加圧力を負荷した状態で加熱処理を行うことによって固相拡散接合することを特徴としている。
この場合、Alからなる金属電極と金属端子との間に、接合材としてCu箔又はCu粉末を介在させて、積層方向に加圧して加熱処理を行い固相拡散接合するので、Alからなる金属電極と金属端子とが、Cu箔又はCu粉末からなる接合材とそれぞれ固相拡散接合され、金属電極と金属端子とを確実に接合することができる。
また、本発明の抵抗器の製造方法は、前記金属電極及び前記金属端子がCuからなり、Alからなる接合材を介して前記金属電極と前記金属端子とが固相拡散接合されている抵抗器を製造する抵抗器の製造方法であって、前記接合材が、Al箔又はAl粉末からなり、前記金属電極と前記金属端子とを前記接合材を介して積層し、前記金属電極、前記接合材、及び前記金属端子の積層方向に加圧力を負荷した状態で加熱処理を行うことによって固相拡散接合する構成とされても良い。
この場合、Cuからなる金属電極と金属端子との間に、接合材としてAl箔又はAl粉末を介在させて、積層方向に加圧して加熱処理を行い固相拡散接合するので、Cuからなる金属電極と金属端子とが、Al箔又はAl粉末からなる接合材とそれぞれ固相拡散接合され、金属電極と金属端子とを確実に接合することができる。
本発明によれば、耐熱性に優れるとともに、製造時における抵抗体や接合部の劣化を抑制することができる抵抗器及びこの抵抗器の製造方法を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る抵抗器の概略説明図である。 図1における接合層の拡大説明図である。 第一実施形態に係る抵抗器の製造方法のフロー図である。 第一実施形態に係る抵抗器の製造方法の概略説明図である。 本発明の第二実施形態に係る抵抗器の概略説明図である。 図5における金属電極と金属端子との接合部の拡大説明図である。 第二実施形態に係る抵抗器の製造方法のフロー図である。 第二実施形態に係る抵抗器の製造方法の概略説明図である。 本発明の他の実施形態に係る抵抗器の概略説明図である。 本発明の他の実施形態に係る抵抗器の製造方法の概略説明図である。 CuとAlの2元状態図である。
(第一実施形態)
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。まず、本発明の第一実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係る抵抗器1は、図1に示すように、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面に形成された抵抗体12及び金属電極13と、金属電極13に接合された金属端子14とを備えている。本実施形態において、抵抗器1は、セラミックス基板11の他方の面に接合された放熱板31(ヒートシンク)を備えており、この放熱板31が、耐熱グリース42を介して冷却器41にネジ43で締結されている。
セラミックス基板11は、抵抗体12及び金属電極13と、放熱板31との電気的接続を防止するものであり、第一実施形態においては、絶縁性の高いAlN(窒化アルミ)で構成されている。また、AlNからなるセラミックス基板11の厚さは、0.3mm以上1.0mm未満の範囲内に設定されており、第一実施形態では、0.635mmに設定されている。
抵抗体12は、抵抗器1に電流が流れた際に抵抗として機能させるためのものであり、例えばTa−Si系薄膜抵抗体やRuO厚膜抵抗体等によって構成される。抵抗体12は、第一実施形態においては、Ta−Si系薄膜抵抗体によって構成され、厚さが0.5μmとされている。
金属電極13は、抵抗体12に設けられた電極であり、第一実施形態においては、Alによって構成されている。また、金属電極13の厚さは、1μm以上3μm以下とされており、第一実施形態においては、1.6μmとされている。なお、本実施形態において、Alは、純AlやAl合金を含むものとする。
金属端子14は、金属電極13に電気的に接続された端子であり、第一実施形態においては、金属電極13と同様にAlによって構成されている。また、金属端子14の厚さは、0.05mm以上0.6mm以下とされており、第一実施形態においては、0.25mmとされている。
そして、これらの金属電極13と金属端子14とが、接合層15を介して接合されている。
接合層15は、Cuからなる接合材25を介して金属電極13と金属端子14とを固相拡散接合する際に、金属電極13と金属端子14との接合界面に形成される層である。接合層15の厚さは、2μm以上200μm以下であることが望ましい。
金属端子14、金属電極13、及び接合層15は導電性が良好であり、電流が金属端子14から抵抗体12に流れるようになっている。
図2に、接合層15の拡大説明図を示す。接合層15は、接合材25からなるCu層16と、このCu層16と金属電極13との間に形成された第一拡散層17と、Cu層16と金属端子14との間に形成された第二拡散層18とを備えている。
第一拡散層17は、接合材25(Cu層16)のCuと、金属電極13のAlとが相互拡散することによって形成されるものである。この第一拡散層17においては、金属電極13からCu層16に向かうに従い、漸次Alの濃度が低くなり、かつCuの濃度が高くなる濃度勾配を有している。
また、第二拡散層18は、接合材25(Cu層16)のCuと、金属端子14のAlとが相互拡散することによって形成されるものである。この第二拡散層18においては、金属端子14からCu層16に向かうに従い、漸次Alの濃度が低くなり、かつCuの濃度が高くなる濃度勾配を有している。
第一拡散層17は、AlとCuからなる金属間化合物で構成されており、本実施形態では、複数の金属間化合物が接合界面に沿って積層した構造とされている。ここで、この第一拡散層17の厚さは、1μm以上80μm以下の範囲内、好ましくは、5μm以上80μm以下の範囲内に設定されている。
本実施形態において、第一拡散層17は、図2に示すように、AlとCuからなる金属間化合物が積層された構造とされており、金属電極13側からCu層16側に向けて順に、金属電極13とCu層16との接合界面に沿って、θ相17A、η2相17Bが積層し、さらにζ2相17C、δ相17D及びγ2相17Eのうち少なくとも一つの相が積層して構成されている(図11参照)。
また、第一拡散層17とCu層16との接合界面には、酸化物17Fが、接合界面に沿って層状に分散している。なお、本実施形態においては、この酸化物17Fは、アルミナ(Al)等のアルミニウム酸化物とされている。なお、酸化物17Fは、第一拡散層17とCu層16との界面に分断された状態で分散しており、第一拡散層17とCu層16とが直接接触している領域も存在している。また、この酸化物17Fは銅層16と第一拡散層17との界面に沿って、ζ2相17C、δ相17D及びγ2相17Eのうち少なくとも一つの相で構成された層の内部に層状に分散していてもよい。
第二拡散層18は、AlとCuからなる金属間化合物で構成されており、本実施形態では、複数の金属間化合物が接合界面に沿って積層した構造とされている。ここで、この第二拡散層18の厚さは、1μm以上80μm以下の範囲内、好ましくは、5μm以上80μm以下の範囲内に設定されている。
本実施形態において、第二拡散層18は、図2に示すように、3種の金属間化合物が積層された構造とされており、金属端子14側からCu層16側に向けて順に、金属端子14とCu層16との接合界面に沿って、θ相18A、η2相18Bが積層し、さらにζ2相18C、δ相18D及びγ2相18Eのうち少なくとも一つの相が積層して構成されているとされている。
また、第二拡散層18とCu層16との接合界面には、酸化物18Fが、接合界面に沿って層状に分散している。なお、本実施形態においては、酸化物18Fは、第二拡散層18とCu層16との界面に分断された状態で分散しており、第二拡散層18とCu層16とが直接接触している領域も存在している。また、この酸化物18Fは銅層16と第二拡散層18との界面に沿って、ζ2相18C、δ相18D及びγ2相18Eのうち少なくとも一つの相で構成された層の内部に層状に分散していてもよい。
さらに、本実施形態では、Cu層の平均結晶粒径が50μm以上200μm以下の範囲内とされ、金属電極13及び金属端子14の平均結晶粒径が500μm以上とされている。
放熱板31(ヒートシンク)は、抵抗体12から発生する熱を逃がすためのものであり、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063合金(Al合金)で構成されている。放熱板31の厚さは2mm以上10mm以下とすることが好ましい。
冷却器41は、放熱板31に取付けられ、放熱板31を冷却するためのものである。
耐熱グリース42は、これらの放熱板31と冷却器41との間に介在されており、放熱板31と冷却器41との隙間を埋めて放熱板31からの熱が冷却器41側へ効率的に伝達されるようになっている。
次に、本実施形態に係る抵抗器1の製造方法について図3及び図4を参照して説明する。
まず、図4に示すように、セラミックス基板11の一方の面に、例えばスパッタリング法を用いてTa−Si系薄膜からなる抵抗体12を形成する(抵抗体形成工程S01)。
次いで、セラミックス基板11の一方の面における所定の位置に、例えばスパッタリング法を用いてAlからなる金属電極13を形成する(金属電極形成工程S02)。
次に、セラミックス基板11の他方の面にAl−Si系のろう材箔26を介して、A6063からなる放熱板31を積層する(放熱板積層工程S03)。
ろう材箔26としては厚さ10μm〜35μmのAl−Si系ろう材箔、Al−Ge系ろう材箔等が用いることができる。本実施形態では、ろう材箔26として厚さ20μmのAl−Si系ろう材箔を用いた。
そして、積層方向に加圧力を負荷して真空加熱炉内に配置し、640℃以上650℃以下に設定し、10分以上60分以下保持する。こうして、セラミックス基板11の他方の面に放熱板31が接合される(放熱板接合工程S04)。
次に、金属電極13上に、Cu箔からなる接合材25を積層し、さらに接合材25上にAlからなる金属端子14を積層する(接合材及び金属端子積層工程S05)。すなわち、金属電極13上に、接合材25を介して金属端子14を積層する。ここで、接合材25の厚さは、5μm以上100μm以下とされている。なお、本実施形態において、接合材25(Cu箔)を構成するCuは、純CuやCu合金を含むものとする。
次いで、セラミックス基板11、金属電極13、接合材25、及び金属端子14の積層方向に加圧して真空加熱炉の中に装入する。本実施形態においては、積層方向に1.0kgf/cm以上35kgf/cm以下の加圧力を負荷し、真空加熱炉の加熱温度を400℃以上548℃未満に設定し、10分以上90分以下保持する。このとき、金属電極13と金属端子14とが接合材25を介して固相拡散接合され、金属電極13と金属端子14が接合層15を介して接合される(金属端子接合工程S06)。
なお、本実施形態においては、金属電極13、接合材25、及び金属端子14の接合される面は平滑とされている。
次に、放熱板31の下面に耐熱グリース42を塗布して冷却器41を積層し、ネジ43によって締結して放熱板31と冷却器41とを接合する(冷却器接合工程S07)。
以上のようにして本実施形態に係る抵抗器1が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態に係る抵抗器1によれば、Alからなる金属電極13と金属端子14とがCuからなる接合材25を介して固相拡散接合されているので、金属電極13と金属端子14とを良好に接合し、接合信頼性を向上できる。また、はんだ材を用いることなく、固相拡散接合により金属電極13と金属端子14とが接合されているので、抵抗体12が発熱して高温となっても、接合強度を十分に維持することができ、耐熱性に優れる。
また、上述の固相拡散接合の接合温度は、Ag−Cu−Ti系のろう材の接合温度と比較して低温で接合することができるので、製造時における抵抗体12の熱劣化を抑制可能となる。さらに、比較的低温で接合することにより、金属電極13と金属端子14との接合部に生じる残留応力を低減することもできる。
また、AlNからなるセラミックス基板11の厚さは0.3mm以上1.0mm未満とされているので、抵抗体12の発熱回数が多くてもセラミックス基板11に割れが発生することを抑制できる。
さらに、Alからなる金属端子14の厚さが0.05mm以上とされているので、端子としての強度を十分に確保するとともに比較的大きな電流を流すことができる。また、金属端子14の厚さが0.6mm以下とされているので、抵抗体12の発熱回数が多くてもセラミックス基板11に割れが発生することを抑制できる。
また、Cuからなる接合材25を介してAlからなる金属電極13及び金属端子14を接合すると、液相が生じて接合界面にコブが生じたり、厚みが変動したりすることがあるが、本実施形態においては、Cuからなる接合材25を介してAlからなる金属電極13と金属端子14とを接合する際に積層方向に1.0kgf/cm以上35kgf/cm 以下で加圧して400℃以上548℃未満で加熱処理を行うことにより固相拡散接合しているので、接合材25を介して金属電極13と金属端子14とを良好に接合することができる。
固相拡散接合時の加圧力が1.0kgf/cm以上の場合、接合界面に隙間が生じることを抑制して、接合材25を介して金属電極13と金属端子14とを十分に接合することができる。また、固相拡散接合時の加圧力が35kgf/cm以下の場合、セラミックス基板11に割れが発生することを抑制できる。
固相拡散接合する際の温度が400℃以上の場合には、Cu原子とAl原子との拡散が促進され、短時間で十分に固相拡散させることができる。また、548℃未満の場合には、CuとAlとの間で液相が生じて接合界面にコブが生じたり、厚みが変動したりすることを抑制できる。そのため、本実施形態において固相拡散接合の温度は、400℃以上548℃未満の範囲に設定されている。
また、固相拡散接合する際に、接合される面に傷がある場合、固相拡散接合時に隙間が生じる場合があるが、金属電極13、接合材25、金属端子14の接合されるそれぞれの面は、平滑にされているので、接合界面に隙間が生じることを抑制して接合することが可能である。
さらに、金属電極13とCu層16との接合界面、及び金属端子14とCu層16との接合界面に、CuとAlからなる第一拡散層17及び第二拡散層18が形成されていることから、金属電極13及び金属端子14中のAlと、Cu層16中のCuとが十分に相互拡散しており、金属電極13とCu層16、及び金属端子14とCu層16が強固に接合されている。
また、第一拡散層17及び第二拡散層18は、複数の金属間化合物が接合界面に沿って積層した構造とされているので、脆い拡散層が大きく成長してしまうことを抑制できる。また、金属電極13中のAlとCu層16中のCuとが相互拡散することにより、金属電極13側からCu層16側に向けてそれぞれの組成に適した金属間化合物が層状に形成されることから、接合界面近傍の特性を安定させることができる。さらに、Cu層16中のCuと金属端子14中のAlとが相互拡散することにより、金属端子14側からCu層16側に向けてそれぞれの組成に適した金属間化合物が層状に形成されることから接合界面近傍の特性を安定させることができる。
具体的には、第一拡散層17及び第二拡散層18は、金属電極13及び金属端子14側からCu層16側に向けて順に、θ相(17A,18A)、η2相(17B,18B)が積層し、さらにζ2相(17C,18C)、δ相(17D,18D)及びγ2相(17E,18E)のうち少なくとも一つの相が積層しているので、第一拡散層17及び第二拡散層18の内部における体積変動が小さくなり、内部歪みが抑えられることになる。
また、これらの第一拡散層17とCu層16、第二拡散層18とCu層16の接合界面において、酸化物17F,18Fが接合界面に沿って層状に分散しているので、Alからなる金属電極13及び金属端子14の表面に形成された酸化膜が確実に破壊され、CuとAlの相互拡散が十分に進行していることになり、接合層15を介して金属電極13と金属端子14とが確実に接合される。
さらに、第一拡散層17及び第二拡散層18の平均厚みが1μm以上80μm以下の範囲内、好ましくは5μm以上80μm以下の範囲内とされているので、金属電極13中のAlとCu層16中のCu、及び金属端子14中のAlとCu層16中のCuとが十分に固相拡散していることになり、金属電極13とCu層16、及び金属端子14とCu層16とを強固に接合できるとともに、金属電極13、金属端子14、及びCu層16に比べて脆い第一拡散層17及び第二拡散層18が必要以上に成長することが抑制されており、接合界面の特性が安定する。
さらに、本実施形態においては、Cu層16の平均結晶粒径が50μm以上200μm以下の範囲内とされ、金属電極13及び金属端子14の平均結晶粒径が500μm以上とされており、金属電極13、金属端子14、及びCu層16の平均結晶粒径が比較的大きく設定されている。よって、金属電極13、金属端子14、及びCu層16には、過剰な歪が蓄積されておらず、疲労特性が良好となる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
本発明の第二実施形態に係る抵抗器101は、図5に示すように、セラミックス基板111と、このセラミックス基板111の一方の面に形成された抵抗体112及び金属電極113と、金属電極113に接合された金属端子114とを備えている。第二実施形態において、抵抗器101は、セラミックス基板111の他方の面に接合された放熱板131(ヒートシンク)を備えており、この放熱板131が、断熱材142を介して冷却器141にネジ143により締結され接合されている。
セラミックス基板111は、抵抗体112及び金属電極113と、放熱板131との電気的接続を防止するものであり、第二実施形態においては、アルミナで構成されている。また、アルミナからなるセラミックス基板111の厚さは、0.3mm以上1.0mm未満の範囲内に設定されており、第二実施形態では、0.38mmに設定されている。
抵抗体112は、抵抗器101に電流が流れた際に抵抗として機能させるためのものである。第二実施形態において、抵抗体112は、Ta−Siの薄膜抵抗体によって構成されている。また、抵抗体112の厚さが5μm以上10μm以下とされており、具体的には7μmとされている。
金属電極113は、抵抗体112に設けられた電極であり、第二実施形態においては、Alによって構成されている。また、金属電極113の厚さは、5μm以上10μm以下とされており、第二実施形態においては、7μmとされている。なお、本実施形態において、Alは、純AlやAl合金を含むものとする。
金属端子114は、金属電極113に電気的に接続された端子であり、第二実施形態においては、Cuによって構成されている。また、金属端子114の厚さは、0.02mm以上0.15mm以下とされており、第二実施形態においては、0.1mmとされている。なお、本実施形態において、Cuは、純CuやCu合金を含むものとする。
第一実施形態では、これらの金属電極13と金属端子14とが接合材25を介して固相拡散接合される場合について説明したが、第二実施形態では、金属電極113と金属端子114とが直接固相拡散接合されている。
図6に、金属電極113と金属端子114との接合部の拡大説明図を示す。図6に示すように、金属電極113と金属端子114との接合部には、第三拡散層117が形成されている。
第三拡散層117は、金属電極113のAlと金属端子114のCuとが相互拡散することによって形成されるものである。この第三拡散層117においては、金属電極113側から金属端子114側に向かうに従い、漸次Alの濃度が低くなり、かつCuの濃度が高くなる濃度勾配を有している。
第三拡散層117は、AlとCuからなる金属間化合物で構成されており、本実施形態では、複数の金属化化合物が接合界面に沿って積層した構造とされている。ここで、この第三拡散層117の厚さは、1μm以上80μm以下の範囲内、好ましくは、5μm以上80μm以下の範囲内に設定されている。
本実施形態において、第三拡散層117は、図6に示すように、3種の金属間化合物が積層された構造とされており、金属電極113側から金属端子114側に向けて順に、金属電極113と金属端子114との接合界面に沿って、θ相117A、η2相117Bが積層し、さらにζ2相117C、δ相117D及びγ2相117Eのうち少なくとも一相が積層して構成されている。
また、第三拡散層117と金属電極113との接合界面には、酸化物117Fが、接合界面に沿って層状に分散している。なお、本実施形態においては、この酸化物117Fは、アルミナ(Al)等のアルミニウム酸化物とされている。なお、酸化物117Fは、第三拡散層117と金属端子114との界面に分断された状態で分散しており、第三拡散層117と金属端子114とが直接接触している領域も存在している。また、この酸化物117Fは第三拡散層117と金属端子114との界面に沿って、ζ2相117C、δ相117D及びγ2相117Eのうち少なくとも一つの相で構成された層の内部に層状に分散していてもよい。
さらに、本実施形態では、金属端子114の平均結晶粒径が50μm以上200μm以下の範囲内とされ、金属電極113の平均結晶粒径が500μm以上とされている。
放熱板131は、抵抗体112から発生する熱を逃がすためのものであり、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063合金(Al合金)で構成されている。この放熱板131には、放熱板131の下面から下方に延在するフィン132が形成されている。
冷却器141は、放熱板131に取付けられ、放熱板131を冷却するためのものである。
次に、本実施形態に係る抵抗器101の製造方法について図7及び図8を参照して説明する。
まず、図8に示すように、セラミックス基板111の一方の面に、スパッタリング法を用いてTa−Siからなる薄膜抵抗体112を形成する(抵抗体形成工程S11)。
次いで、セラミックス基板111の一方の面における所定の位置に、スパッタリング法を用いてAlからなる金属電極113を形成する(金属電極形成工程S12)。
次に、セラミックス基板111の他方の面にAl−Si系のろう材箔126を介して、A6063からなる放熱板131を積層する(放熱板積層工程S13)。
ろう材箔126としては厚さ10μm〜35μmのAl−Si系ろう材箔、Al−Ge系ろう材箔等が用いられる。
本実施形態ではろう材箔126として厚さ20μmのAl−Si系ろう材箔を用いた。
そして、積層方向に加圧力を負荷して真空加熱炉内に配置し、640℃以上650℃以下に設定し、10分以上60分以下保持する。こうして、セラミックス基板111の他方の面に放熱板131が接合される(放熱板接合工程S14)。
次に、金属電極113上に、Cuからなる金属端子114を積層する(金属端子積層工程S15)。
次いで、セラミックス基板111、金属電極113、金属端子114の積層方向に加圧して真空加熱炉の中に装入する。本実施形態においては、積層方向に1.0kgf/cm以上35kgf/cm以下の加圧力を負荷し、真空加熱炉の加熱温度を400℃以上548℃未満に設定し、10分以上90分以下保持する。このとき、金属電極113と金属端子114とが固相拡散接合される(金属端子接合工程S16)。
なお、本実施形態においては、金属電極113及び金属端子114の接合されるそれぞれの面は平滑とされている。
次に、断熱材142を介して放熱板131と冷却器141を積層してネジ143によって締結し、放熱板131と冷却器141とを接合する(冷却器接合工程S17)。
以上のようにして第二実施形態に係る抵抗器101が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態に係る抵抗器101によれば、Alからなる金属電極113とCuからなる金属端子114とが直接固相拡散接合されているので、耐熱性に優れるとともに、製造時における抵抗体や接合部の劣化を抑制することができる。
また、アルミナからなるセラミックス基板111の厚さは0.3mm以上1.0mm未満とされているので、抵抗体112の発熱回数が多くてもセラミックス基板111に割れが発生することを抑制できる。
さらに、Cuからなる金属端子114の厚さが0.02mm以上とされているので、端子としての強度を十分に確保するとともに比較的大きな電流を流すことができる。また、金属端子114の厚さが0.15mm以下とされているので、抵抗体112の発熱回数が多くてもセラミックス基板111に割れが発生することを抑制できる。
また、Alからなる金属電極とCuからなる金属端子とを接合すると、液相が生じて接合界面にコブが生じたり、厚みが変動したりすることがあるが、第二実施形態においては、Alからなる金属電極113とCuからなる金属端子114とを接合する際に積層方向に1.0kgf/cm以上35kgf/cm 以下で加圧して400℃以上548℃未満で加熱処理を行うことにより固相拡散接合しているので、金属電極113と金属端子114とを良好に接合することができる。
さらに、金属電極113と金属端子114との接合界面に、CuとAlからなる第三拡散層117が形成されていることから、金属電極113中のAlと金属端子114中のCuとが十分に相互拡散しており、金属電極113と金属端子114とが強固に接合されている。
また、第三拡散層117は、複数の金属間化合物が接合界面に沿って積層した構造とされているので、脆い拡散層が大きく成長してしまうことを抑制できる。また、金属電極113中のAlと金属端子114中のCuとが相互拡散することにより、金属電極113側から金属端子114側に向けてそれぞれの組成に適した金属間化合物が層状に形成されることから、接合界面近傍の特性を安定させることができる。
具体的には、第三拡散層117は、金属電極113側から金属端子114側に向けて順に、θ相(117A)、η2相(117B)が積層し、さらにζ2相(117C)、δ相(117D)及びγ2相(117E)のうち少なくとも一つの相が積層しているので、第三拡散層117の内部における体積変動が小さくなり、内部歪みが抑えられることになる。
また、第三拡散層117と金属端子114との接合界面において、酸化物117Fが接合界面に沿って層状に分散しているので、金属電極113の表面に形成された酸化膜が確実に破壊され、CuとAlの相互拡散が十分に進行していることになり、金属電極113と金属端子114とが確実に接合される。
さらに、第三拡散層117の平均厚みが1μm以上80μm以下の範囲内、好ましくは5μm以上80μm以下の範囲内とされているので、金属電極113中のAlと金属端子114中のCuとが十分に固相拡散していることになり、金属電極113と金属端子114とを強固に接合できるとともに、金属電極113及び金属端子114に比べて脆い第三拡散層117が必要以上に成長することが抑制されており、接合界面の特性が安定する。
さらに、本実施形態においては、金属端子114の平均結晶粒径が50μm以上200μm以下の範囲内とされ、金属電極113の平均結晶粒径が500μm以上とされており、金属電極113及び金属端子114の平均結晶粒径が比較的大きく設定されている。よって、金属電極113及び金属端子114には、過剰な歪が蓄積されておらず、疲労特性が良好となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、第一実施形態において、抵抗器は、セラミックス基板の他方の面に接合された放熱板(ヒートシンク)を備える場合について説明したが、図9に示すように、抵抗器201が、セラミックス基板11の他方の面に接合された緩衝層216と、この緩衝層216のうちセラミックス基板11が接合された面と反対側の面に接合された放熱板31とを備える構成とされても良い。すなわち、抵抗器201が、セラミックス基板11の他方の面側に接合された放熱板31と、セラミックス基板11と放熱板31との間に形成された緩衝層216とを備える構成とされても良い。
ここで、緩衝層216は、Al又はAl合金で構成されている。また、緩衝層216は、純度99.9%以上のAl(3NAl)で構成されることが好ましく、純度99.99%以上のAl(4NAl)で構成されることがより好ましい。
抵抗器201は次のようにして製造される。まず、セラミックス基板11の一方の面に、上記の実施形態と同様にして、抵抗体12及び金属電極13を形成する。そして、例えば図10に示すように、セラミックス基板11と緩衝層216となるAl板226との間にAl−Si系のろう材箔227を介在させ、Al板226と放熱板31との間にもAl−Si系のろう材箔26を介在させ、積層方向に加圧しながら加熱することにより、セラミックス基板11の他方の面に、Al板226を接合して緩衝層216が形成され、この緩衝層216のうちセラミックス基板11が接合された面と反対側の面に放熱板31が接合される。ここで、ろう材箔26、227としては、Al−Siろう材、Al−Si−Mg系ろう材などを用いることができる。次いで、上記の実施形態と同様にして、金属端子14と冷却器41とを接合することにより、抵抗器201が製造される。
上述のような構成とされた抵抗器201によれば、セラミックス基板11と放熱板31との間に緩衝層216が形成されているので、抵抗器201に冷熱サイクルが負荷された際に、セラミックス基板11と放熱板31との間に生じる熱応力を緩衝層216によって緩和し、セラミックス基板11に割れが発生することを抑制できる。
また、第二実施形態においては、Alからなる金属電極とCuからなる金属端子とが固相拡散接合される場合について説明したが、Cuからなる金属電極とAlからなる金属端子とが固相拡散接合される構成とされても良い。
また、上記実施の形態では、接合材としてCu箔を用いる場合について説明したが、Cu箔に代えて、Cu粉末を用いても良い。この場合においても、上記実施形態で説明したように金属電極と金属端子とをCu粉末からなる接合材を介して積層し、固相拡散接合することができる。
また、Cuからなる金属電極及び金属端子を、Al箔又はAl粉末からなる接合材を介して積層し、固相拡散接合する構成としても良い。
また、上記実施の形態では、セラミックス基板の一方の面に抵抗体を形成した後に、金属電極を形成する場合について説明したが、金属電極を形成した後に抵抗体を形成する構成とされても良い。また、セラミックス基板の一方の面に抵抗体や金属電極を形成する前に、セラミックス基板の他方の面に放熱板を接合する構成とされても良い。
また、上記実施の形態では、セラミックス基板が、AlN又はアルミナで構成される場合について説明したが、セラミックス基板が強化アルミナやSiで構成されていても良い。セラミックス基板を強化アルミナ又はSiで構成した場合には、セラミックス基板の厚さが、0.2mm以上1.0mm未満の範囲に設定されることが好ましい。
上記実施の形態では、セラミックス基板の他方の面にヒートシンクとして、放熱板を接合する場合について説明したが、放熱板(ヒートシンク)は接合されていなくても良い。また、セラミックス基板の他方の面に、放熱板を接合せず冷却器のみをヒートシンクとして接合する構成としても良い。
また、上記実施の形態では、ヒートシンクがA6063(Al合金)からなる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、純Alや他のAl合金からなる構成とされても良い。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
(本発明例1)
AlNからなるセラミックス基板(15mm×10mm×0.635mmt)の一方の面に、スパッタリング法を用いてTa−Si系の抵抗体(10mm×10mm×0.8μm)を形成した。さらに、スパッタリング法を用いて、セラミックス基板の一方の面の所定の位置に、Alからなる金属電極(厚さ:2μm)を形成した。
次いで、セラミックス基板の他方の面に、Al−Si系ろう材箔を介して、A1050材からなる放熱板(20mm×13mm×3mmt)を積層した。そして、積層方向に加圧力を負荷して645℃で30分保持して、セラミックス基板の他方の面に放熱板を接合した。
次いで、金属電極上に無酸素銅からなるCu箔(厚さ:20μm)を積層し、さらにCu箔上にAlからなる金属端子(厚さ:0.25mm)を積層した。そして、積層方向に9kgf/cmに加圧力を負荷し、真空雰囲気において、530℃で30分保持して、Cu箔を介して金属電極と金属端子とを接合した。さらに、放熱板を冷却器にネジによって締結し、本発明例1の抵抗器を製造した。
(本発明例2)
アルミナからなるセラミックス基板(15mm×11mm×0.38mmt)の一方の面に、スパッタリング法を用いてTa−Si系からなる抵抗体(10mm×10mm×0.5μmt)を形成した。さらに、スパッタリング法を用いて、セラミックス基板の一方の面の所定の位置に、Alからなる金属電極(厚さ:2μm)を形成した。
次いで、セラミックス基板の他方の面に、Al−Si系ろう材箔を介して、A1050材からなる放熱板(20mm×13mm×3mmt)を積層した。そして、積層方向に加圧力を負荷して645℃で30分保持して、セラミックス基板の他方の面に放熱板を接合した。
次に、金属電極上にCuからなる金属端子(厚さ:0.2mm)を積層した。そして、積層方向に9kgf/cmに加圧力を負荷し、真空雰囲気において、530℃で30分保持して、金属電極と金属端子とを接合するとともに、セラミックス基板と放熱板とを接合した。さらに、放熱板を冷却器にネジによって締結し、本発明例2の抵抗器を製造した。
(従来例1)
AlNからなるセラミックス基板(15mm×11mm×0.635mmt)の一方の面に、スパッタリング法を用いてTa−Si系の抵抗体(10mm×10mm×0.5μmt)を形成した。さらに、スパッタリング法を用いて、セラミックス基板の一方の面の所定の位置に、Alからなる金属電極(厚さ:2μm)を形成した。
次いで、金属電極上に、はんだ材を用いてAlからなる金属端子(厚さ:0.25μm)を220℃で接合した。また、セラミックス基板の他方の面にも、はんだ材(Sn−Agはんだ)を用いてA1050材からなる放熱板を220℃で接合した。なお、放熱板のはんだ接合は、放熱板にNiめっきを施した後に行った。さらに、放熱板を冷却器にネジによって締結し、従来例1の抵抗器を製造した。
以上のようにして製造された抵抗器に対して、以下に説明する耐熱試験を実施し、耐熱性の評価を行った。
(耐熱試験)
抵抗器の金属端子を電源に接続して300V〜500Vの電圧を印加し、抵抗体の表面温度を赤外線放射温度計で測定し、抵抗体の表面温度が所定の温度となったら、この温度で5分間保持した後、電源を切る。そして、抵抗体の表面温度が30℃まで低下したら、前述の電圧印加の操作を再度行う。この操作を繰り返して、抵抗体を5回発熱させる耐熱試験を実施した。なお、上述の所定の温度は、150℃、300℃、500℃に設定した。
(耐熱性の評価)
耐熱試験後の抵抗器において、金属電極と金属端子との接合部の接合強度、及びセラミックス基板と放熱板との接合部の接合強度の低下が確認されない場合を「◎」と評価した。また、接合強度の低下が、初期値より30%以内であった場合を「○」と評価した。また、金属端子及び放熱板が耐熱試験中に接合部から外れた場合を「×」と評価した。この評価の結果を表1に示す。
接合強度の測定は、耐熱試験後の抵抗器を保持して、金属端子を水平に引張ることで測定した。またセラミックス基板と放熱板の接合強度は、適当な形状に切断した後、放熱板部分を保持して、界面でのシェア強度を測定した。
Figure 0006413230
表1に示すように、本発明例1及び本発明例2の抵抗器においては、150℃、300℃、500℃の耐熱試験においても、接合強度の低下が確認されず、耐熱性が良好であることが確認された。
一方、従来例1の抵抗器においては、300℃の耐熱試験では、はんだ材の一部が溶融し、接合強度の低下が確認された。また、500℃の耐熱試験では、はんだ材が溶融し、金属端子及び放熱板が接合部から外れた。
1、101、201 抵抗器
11、111 セラミックス基板
12、112 抵抗体
13、113 金属電極
14、114 金属端子
25 接合材
31、131 放熱板(ヒートシンク)
216 緩衝層

Claims (4)

  1. セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に形成された抵抗体及び金属電極と、前記金属電極に接合された金属端子と、を備え、
    前記金属電極と前記金属端子とが、厚さが5μm以上100μm以下の範囲の接合材を介して固相拡散接合され、前記金属電極と前記接合材、および、前記接合材と前記金属端子がそれぞれ固相拡散接合されており、
    前記金属電極及び前記金属端子がAlからなり、Cuからなる接合材を介して前記金属電極と前記金属端子とが固相拡散接合されており、
    前記セラミックス基板の他方の面側に接合されたヒートシンクを備えるとともに、前記セラミックス基板と前記ヒートシンクとの間に形成された緩衝層を備え、
    前記緩衝層は、Al又はAl合金で構成されていることを特徴とする抵抗器。
  2. セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に形成された抵抗体及び金属電極と、前記金属電極に接合された金属端子と、を備え、
    前記金属電極と前記金属端子とが、厚さが5μm以上100μm以下の範囲の接合材を介して固相拡散接合され、前記金属電極と前記接合材、および、前記接合材と前記金属端子がそれぞれ固相拡散接合されており、
    前記金属電極及び前記金属端子がCuからなり、Alからなる接合材を介して前記金属電極と前記金属端子とが固相拡散接合されており、
    前記セラミックス基板の他方の面側に接合されたヒートシンクを備えるとともに、前記セラミックス基板と前記ヒートシンクとの間に形成された緩衝層を備え、
    前記緩衝層は、Al又はAl合金で構成されていることを特徴とする抵抗器。
  3. 請求項1に記載された抵抗器を製造する抵抗器の製造方法であって、
    前記接合材が、Cu箔又はCu粉末からなり、
    前記金属電極と前記金属端子とを前記接合材を介して積層し、前記金属電極、前記接合材、及び前記金属端子の積層方向に加圧力を負荷した状態で加熱処理を行うことによって固相拡散接合することを特徴とする抵抗器の製造方法。
  4. 請求項2に記載された抵抗器を製造する抵抗器の製造方法であって、
    前記接合材が、Al箔又はAl粉末からなり、
    前記金属電極と前記金属端子とを前記接合材を介して積層し、前記金属電極、前記接合材、及び前記金属端子の積層方向に加圧力を負荷した状態で加熱処理を行うことによって固相拡散接合することを特徴とする抵抗器の製造方法。
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