JP6412278B2 - 平滑筋肉腫の標的治療 - Google Patents

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Description

平滑筋肉腫(LMS)は、典型的に子宮、胃腸または軟組織起源の平滑筋細胞に由来する侵襲性軟組織肉腫である。LMS腫瘍は、しばしば治療することが難しい。生存率が全ての軟組織肉腫の中でも最低な状態で、予後は不良である。
治療レジメンは、一般的に、広範な切除縁を伴う外科的な切除または摘出を含む。放射線療法及びドキソルビシン、イホスファミド、ゲムシタビンならびにドセタキセル、ダカルバジン、エクテイナシジン、及びパゾパニブなどの化学療法(もしくは標的治療)が、広範な外科的切除縁を得ようとして術前に、または全身性疾患の緩徐な進行を得るために術後に使用されてもよい。
ノッチ(Notch)シグナル伝達は、哺乳動物の発生及び組織の恒常性において重要な役割を果たす進化的に保存された経路である。ノッチ受容体及びリガンドは、1回膜貫通ドメインを含有し、細胞表面上で発現されるので、そのような理由で、ノッチシグナル伝達は、これらの受容体及びリガンドを発現する隣接する細胞間の連通を仲介する上で特に重要である。齧歯類及びヒトで判明した4つの既知のノッチ受容体があり、ノッチ1〜ノッチ4と呼ばれる。ノッチ受容体は、最初に単一のポリペプチドとして合成される細胞外及び細胞内ドメインから構成されるヘテロ二量体タンパク質である。受容体−リガンド相互作用は、γ−セクレターゼ活性がその中で関与するノッチ受容体ポリペプチドの一連のタンパク質分解切断を引き起こす。γ−セクレターゼ活性は、ノッチ細胞内ドメインを細胞表面から切断し、これが核に転位して、転写因子複合体を形成する。ノッチ細胞内ドメイン(NICD)は、タンパク質の活性型である。様々なノッチシグナル伝達機能としては、増殖、分化、アポトーシス、血管新生、遊走、及び自己再生が含まれる。正常組織の発生及び維持中のノッチシグナル伝達のこれらの多様な役割は、色々な種類の癌において異常に活性化される。ノッチシグナル伝達の発癌性機能としては、アポトーシスの阻害及び細胞増殖の促進が含まれる。
最近、様々な腫瘍型に対して活性を有する特異的なノッチ経路シグナル伝達阻害化合物が、WO2013/016081に開示された。
LMSの治療において活性(効力)を示す治療剤の必要性がある。LMSを治療するために現在使用されているものに対する代替治療剤の必要性もある。ノッチ阻害剤1}4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物は、代替的な治療剤であり、LMSに対する驚くべきかつ予期せぬ臨床治療活性を立証する。
実施例2の化合物についての代表的なX線粉末回折パターンである。
本発明の一態様は、治療を必要とするLMS患者に、有効量の4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含む、LMSを患う患者を治療する方法を提供する。
本発明の別の態様は、治療を必要とするLMS患者に、2.5〜100mg/投薬の、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含む、LMSを患う患者を治療する方法を提供する。
本発明の他の態様は、治療を必要とするLMS患者に、10〜75mg/投薬の、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含む、LMSを患う患者を治療する方法を提供する。
本発明の別の態様は、治療を必要とするLMS患者に、25〜75mg/投薬の、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含む、LMSを患う患者を治療する方法を提供する。
本発明の他の態様は、治療を必要とするLMS患者に、有効量の4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を、T.I.W.で投与することを含む、LMSを患う患者を治療する方法を提供する。
本発明の別の態様は、平滑筋肉腫の治療において使用するための化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、この化合物は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドである。
本発明の他の態様は、平滑筋肉腫の治療において使用するための化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、この化合物は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドであり、投与量は、2.5〜100mgである。
本発明の別の態様は、平滑筋肉腫の治療において使用するための化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、この化合物は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドであり、投与量は、10〜75mgである。
本発明の他の態様は、平滑筋肉腫の治療において使用するための化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、この化合物は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドであり、投与量は、25〜75mgである。
本発明の別の態様は、平滑筋肉腫の治療において使用するための化合物またはその薬学的に許容される塩を提供し、この化合物は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドであり、用量の投与は、T.I.W.である。
本発明の他の態様は、LMSの治療用の医薬を調製するための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用を提供する。
本発明の別の態様は、LMSの治療のための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と共に、薬学的に許容される担体及び任意に他の治療用成分を提供する。
WO2013/016081において、化合物4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドは、ノッチ阻害剤であると教示されている。名称は、以下の構造を有する化合物を特定する。
「治療的有効量」または「有効量」は、LMS患者においてノッチシグナル伝達を阻害するのに必要な、及び標的癌細胞を破壊するかまたは患者における癌の進行を緩徐もしくは阻止するかのいずれかに必要な、化合物1、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物、あるいはこの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を含有する薬学的組成物の投薬量を意味する。成人における化合物1またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の予想される投薬量は、2.5〜100mg/投薬である。好ましい投薬量は、10〜75mg/投薬の範囲であると予想される。最も好ましい投薬量は、25〜75mg/投薬の範囲であると予想される。小児患者においては、投薬量はこれよりも低くてもよく、表面積に基づくと予想される。患者を治療するために必要な正確な投薬量及び治療時間の長さは、個々の患者の年齢、疾患の病期及び重症度、ならびに特定のニーズ及び応答性の観点から医師によって決定される。上記範囲における一日単位で定められた投与も想定されるが、投与レジメンは、より最適な治療効果を患者に提供するように、また観察された副作用、例えば粘液性胃腸症(胃腸管における粘液の過剰分泌及び蓄積)または腫瘍壊死に関連する症状を管理かつ改善するように調整されてもよい。連日投与に加えて、隔日投与(Q2D)、隔日で5日間にわたる投与とその後2日間投与なし(T.I.W.)、または3日毎の投与(Q3D)が適切な場合もある。T.I.W.の投与レジメンは、好ましくは28日間のサイクルの間であり、それと共に、必要に応じて、粘液性胃腸症を管理または改善するために、ステロイド、好ましくはコルチコステロイド、最も好ましくはデキサメタゾンの投与が(化合物1の投与前に、それと同時に、またはその投与後に)行われる。投薬量及び投与スケジュールのいずれかまたは両方、もしくはサイクルは、腫瘍壊死または他の要因に起因して、医師の裁量で修正されてもよい。
用語「治療」、「治療する」、及び「治療すること」は、症状のうちの1つ以上を緩徐化するまたは好転させるように改善するための、また癌が実際に排除されない場合でも癌の進行を遅延させるための活性化合物の投与などの、患者が患っている癌に対するあらゆる可能性のある介入を含むよう意味する。治療されるべき患者は、哺乳動物、特にヒトである。
本発明の化合物は、好ましくは、薬学的に許容される担体を用いて薬学的組成物として製剤化され、様々な経路によって投与される。好ましくは、このような組成物は、経口投与のためのものである。このような薬学的組成物及びそれらを調製するプロセスは、当該技術分野において周知である。例えば、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY(A.Gennaro,et al.,eds.,19th ed.,Mack Publishing Co.,1995)を参照されたい。特定の実施形態において、薬学的組成物は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と、薬学的に許容される担体とを含む。本発明はまた、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物と共に、薬学的に許容される担体及び1つ以上の他の治療剤を含む薬学的組成物を提供する。
本発明の化合物は、多くの無機及び有機酸と反応して、薬学的に許容される添加塩を形成することができる。このような薬学的に許容される塩及びこれらを調製するための共通方法は、当該技術分野において周知である。例えば、P.Stahl,et al.,HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL SALTS:PROPERTIES,SELECTION AND USE、(VCHA/Wiley−VCH,2002);S.M.Berge,et al.,“Pharmaceutical Salts,“Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.66,No.1,January 1977を参照されたい。
本明細書で使用される場合、用語「患者」は、「哺乳動物」を意味し、「哺乳動物」は、哺乳綱の高度脊椎動物を意味し、用語「哺乳動物」としては、ヒトが挙げられるが、これに限定されない。
化合物1、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物は、当該技術分野において既知の様々な手順、ならびに以下に記載されるものによって調製することができる。特定の合成ステップは、化合物1、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を調製するために、様々な方法で組み合わされてもよい。
化合物1は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドという名称であり、N−[(1S)−2−[[(7S)−6,7−ジヒドロ−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−5H−ピリド[3,2−a][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソエチル]−4,4,4−トリフルオロブタンアミドという名称であり、化合物1を曖昧なく特定するために他の名称が使用されてもよい。
化合物1が単一の立体異性体として描写されていることが理解されるであろう。4つの立体異性体を生じさせる2つのキラル中心がある。本明細書で使用される場合、化合物1への言及は、化合物1を含んでいるラセミ混合物を含むことも意図される。本明細書では、(R)−及び(S)−のカーン・インゴルド・プレローグ表記が、特定の異性体を指すために用いられる。特定の立体異性体は、エナンチオマーとして純粋なまたは富化された出発物質を用いる立体特異的合成によって調製することができる。化合物1を含んでいる出発物質、中間体、またはラセミ混合物のいずれかの特定の立体異性体は、キラル固定相でのクロマトグラフィー、酵素分割、またはジアステレオマー塩などのこの目的のために形成されたジアステレオマーの分別結晶もしくはクロマトグラフィーが含まれる、Stereochemistry of Organic Compounds,E.I.Eliel and S.H.Wilen(Wiley 1994)及びEnantiomers,Racemates,and Resolutions,J.,Jacques,A.Collet,and S.H.Wilen(Wiley 1991)で見出されるものなどの当該技術分野において周知の技術によって解明することができる。本発明の化合物を含有する全ての混合物が、本発明の範囲内で想定されるが、好ましい実施形態は化合物1である。
化合物1は、アトロープ異性体、または特定の配座異性体として存在することが判明している。水性溶液中では、周囲温度で24時間後に、アトロープ異性体1(メジャーアトロープ異性体)と平衡状態で、8〜9%のアトロープ異性体2(マイナーアトロープ異性体)が、1 NMR及びLC−MSによって検出される。有機溶媒中では、周囲温度で24時間後に、アトロープ異性体1と平衡状態で、1〜2%のアトロープ異性体2が、1 NMR及びLC−MSによって検出される。1 NMR及びLC−MS分析によって検出可能であるが、アトロープ異性体2は、分離不能である。
本発明の化合物の合成において初期出発物質として使用される化合物は周知であり、市販されていない限りにおいて、当業者によって一般的に使用される標準手順によって特定の基準を用いて容易に合成されるか、または一般参照テキストで見出される。
既知の手順及び方法の例としては、Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers Inc,1989;Compendium of Organic Synthetic Methods,Volumes 1−10,1974−2002,Wiley Interscience;Advanced Organic Chemistry,Reactions Mechanisms,and Structure,5th Edition,Michael B.Smith and Jerry March,Wiley Interscience,2001;Advanced Organic Chemistry,4th Edition,Part B,Reactions and Synthesis,Francis A.Carey and Richard J.Sundberg,Kluwer Academic/Plenum Publishers,2000等、及びそれらに引用された参考文献などの一般参照テキストで記載されているものが含まれる。
中間体及び化合物1は、構造からSymaxDrawバージョン3.2作図プログラムを用いて、一貫して適用されるIUPAC名として命名される。
調製物1
ベンジル(2S)−2−(4,4,4−トリフルオロブタノイルアミノ)プロパノエート

L−アラニンベンジルエステル塩酸塩(7.00g、32.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(28.30mL、162.3mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(7.46g、48.7mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(9.33g、48.7mmol)を、ジクロロメタン(162mL)中4,4,4−トリフルオロ酪酸(7.131g、48.7mmol)の溶液に、窒素下で周囲温度にて連続して添加し、20時間攪拌する。クエン酸の20%水溶液(150mL、162mmol)を添加し、混合物を5分間攪拌し、層に分離させる。ジクロロメタン(100mL)で水層から抽出する。合わせた有機層を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮する。残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(4:1〜2:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を白色固形物(9.22g、30.4mmol、94%)として得る。MS(m/z):304(M+1);[α]Na 25=−44.6°(c=5.0、メタノール)。
調製物2
(2S)−2−(4,4,4−トリフルオロブタノイルアミノ)プロパン酸

パラジウム/炭素(5%、1.76g、0.8mmol)を、メタノール(88mL)中のベンジル(2S)−2−(4,4,4−トリフルオロブタノイルアミノ)プロパノエート(8.80g、29mmol)の溶液に1回で添加する。混合物を脱気し(真空/窒素)、水素(1気圧)で満たし、水素(29mmol)で5時間攪拌する。セライト(登録商標)を通して濾過し、フィルターケークをメタノールで濯ぎ、濾液を濃縮し、標題化合物を白色固形物(6.11g、28.7mmol、99%)として得た。MS(m/z):214(M+1);[α]Na 25=−24.7°(c=5.0、メタノール)。
調製物3
メチル2−(2−ブロモフェニル)アセテート

ジメチルホルムアミド(2.1mL、27.3mmol)続いて塩化チオニル(52.3mL、717.8mmol)を、ジクロロメタン(1.50L)中の2−ブロモフェニル酢酸(150.0g、683.6mmol)の溶液に7分にわたって添加し、周囲温度の水浴で冷却する。混合物を5時間攪拌し、メタノール(41.5mL、1.0mol)に5分間にわたって添加する。溶液に窒素の気泡を終夜注入する。濃縮し、標題化合物を無色油状物(166.0g、724,7mmol)として定量的収率で得る。1H NMR(300MHz,CDCl):7.57(d,J=7.9Hz,1H),7.30−7.26(m,2H),7.19−7.12(m,1H),3.80(s,2H),3.72(s,3H)。
調製物4
メチル2−[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]アセテート

N−メチルピロリドン(940mL)中のメチル2−(2−ブロモフェニル)アセテート(156.6g、684mmol)、ビス(ピナコレラト)ジボロン(194.9g、752mmol)、及び酢酸カリウム(135.6g、1.4mol)の懸濁液を、真空/窒素の3サイクルで脱気する。(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)塩化物(11.4g、13.7mmol)を添加し、80℃で加熱する。15時間後に、(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)塩化物(11.4g、13.7mmol)を添加し、90℃で24時間攪拌する。周囲温度まで冷却し、氷と水の混合物(3L)上に注ぎ、メチルターシャリーブチルエーテル(1L)を添加する。混合物を攪拌し、セライト(登録商標)のパッドを通して濾過し、層に分離させる。水層をメチルターシャリーブチルエーテル(2×500mL)で抽出する。合わせた有機層を水(2×500mL)、塩水(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥して濃縮する。残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(9:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物を白色固形物(160.6g、581.6mmol、85%)として得る。MS(m/z):277(M+1)。
調製物5
5,7−ジヒドロピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

炭酸カリウム(235.7g、1.71mol)を1,4−ジオキサン(550mL)中の2−アミノ−3−ブロモピリジン(88.5g、511.7mmol)の溶液に添加する。混合物を真空/窒素の3サイクルで脱気し、酢酸パラジウム(II)(6.4g、28.4mmol)及びトリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(16.5g、56.9mmol)を添加し、88℃で窒素下にて攪拌する。1,4−ジオキサン(550mL)中の2−[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−いる)フェニル]アセテート(157.0g、568.5mmol)の溶液を3分間にわたって滴加し、混合物を88℃で20分間攪拌する。混合物を50℃まで冷却し、水(100mL)を添加し、層に分離させる。酢酸エチル(2×100mL)で水層から抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮する。濃縮物質をN−メチルピロリドン(314mL)中に溶解し、氷浴中で冷却し、硫酸(314mL、5.9mol)を滴加し、およそ45℃の温度を維持する。混合物を140℃で90分間攪拌する。周囲温度まで冷却し、氷(4kg)を添加し、溶液がpH7〜8になるまで、50%のNaOH水溶液を少しずつ添加することによって塩基性化する。懸濁液を10〜15℃に冷却し、固形物を濾別し、水(2L)、ヘキサン(1L)及びメチルターシャリーブチルエーテル(1L)で洗浄する。40℃で真空下で乾燥させる。物質を、10%メタノール/ジクロロメタン溶液の還流混合物で処理し、熱濾過する(×4)。合わせた濾液を濃縮して、標題化合物を淡褐色固形物(85g、404.3mmol、71%)として得る。MS(m/z):211(M+1)。
調製物6
5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

炭酸セシウム(186.6g、572.7mmol)、(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(88.0mL、409.1mmol)、及びヨウ化ナトリウム(6.1g、40.9mmol)を、ジメチルホルムアミド(860mL)中の[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(86.0g、409.1mmol)の懸濁液に添加し、70℃で20時間攪拌する。混合物を周囲温度に冷却し、氷及び水(100mL)の上に注ぎ、酢酸エチル(200mL)を添加する。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、次いで酢酸エチル(100mL)で洗浄する。濾液を層に分離させ、酢酸エチル(2×50mL)で水層から抽出する。合わせた有機層を水(2×100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮する。物質をテトラヒドロフラン(1.28L)中に溶解し、Silia(登録商標)結合パラジウム捕捉剤(16.7g)を添加し、周囲温度で20時間攪拌する。シリカのパッドを通して濾過し、テトラヒドロフラン(200mL)で洗浄し、濃縮して、標題化合物(155g、420.6mmol)を結晶化する淡褐色油状物として定量的収率で得る。MS(m/z):369(M+1)。
方法2:
5,7−ジヒドロピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(22.5g、106.9mmol)及びジメチルホルムアミド(500mL)の混合物を100℃に5分間加熱する。40℃に冷却し、炭酸セシウム(104.3g、320.1mmol)及び(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(29.9mL、138.9mmol)を添加し、周囲温度で終夜攪拌する。60℃におよそ2時間加熱し、次いで周囲温度まで冷却する。残渣を酢酸エチル(1L)及び水(3L)との間で分割させ、水層を酢酸エチル(2×500mL)で逆抽出し、合わせた有機層を塩水(2×500mL)で洗浄する。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮する。残渣を、酢酸エチル:ヘキサン(0:100〜100:0)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を油状物(39.4g、106.9mmol、89%)として得る。MS(m/z):369(M+1)。
調製物7
5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7−ヒドロキシイミノ−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−
6−オン

カリウム2−メチルプロパン−2−オレート(66.1g、588.8mmol)を、テトラヒドロフラン(1.6L)中の5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(155.0g、420.6mmol)の溶液に−5℃で添加し、10分間攪拌する。亜硝酸イソアミル(61.9mL、462.6mmol)を−5℃で滴加し、混合物を10分間攪拌する。氷/水(2L)上に注ぎ、酢酸エチル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機層を塩水(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。トルエン(1L)を添加し、濃縮し(×3)、標題化合物を濃褐色油状物(160.0g、402.5mmol、96%)として得る。MS(m/z):398(M+1)。
調製物8
(7S)−7−アミノ−5−(2−ヒドロキシエチル)−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

トリフルオロ酢酸(124.0mL、1.64mol)を、ジクロロメタン(620mL)及びメタノール(310mL)の混合物中の5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7−ヒドロキシイミノ−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(155.0g、389.9mmol)の溶液に、周囲温度の水浴中で数回に分けて添加する。亜鉛(76.5g、1.2mol)を、内部温度を33〜38℃で維持するように数回に分けて添加する。周囲温度で15時間攪拌する。混合物をセライト(登録商標)を通して濾過し、次いで10%のメタノール/ジクロロメタン(100mL)で洗浄し、濾液を濃縮する。ジクロロメタン(0.5L)及び氷(500g)を添加し、攪拌し、50%のNaOH水溶液で塩基性化する。固形物を濾別し、分離し、層を濾過する。ジクロロメタン(2×100mL)で水層から抽出し、合わせた有機層を濃縮する。固形物をヘキサン中でスラリー状にして、次いで濾過し、高真空下で乾燥させて、標題化合物のラセミ体を淡黄色固形物として得る(74.0g、274.8mmol、71%)。この物質を、エタノール(0.2%のジメチルアミン):アセトニトリル(0:100〜100:0)で溶出するChiralpak(登録商標)ADカラム上で精製し、標題化合物(35.0g、130mmol、33.3%)を白色固形物として得る。MS(m/z):270(M+1);[α]Na 25=+187.83°(c=6.9、メタノール)。
調製物9
7−アジド−5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

水素化カリウム(匙およそ2杯、鉱油中35重量%)をヘキサンで洗浄し、デカントして油分を除去し、テトラヒドロフラン(60mL)を添加し、−78℃に冷却する。テトラヒドロフラン(60mL)中の2,4,6−トリス(1−メチルエチル)−ベンゼンスルホニルアジド(37.6g、121.6mmol)の溶液を硫酸ナトリウム上で45分間乾燥させる。アジド溶液を水素化カリウム懸濁液中に15分間にわたってデカントする。冷浴を取り外し、これを45分間にわたって周囲温度まで温め、乾燥溶液のわきに置いた。ジイソプロピルアミン(17.0mL、121.0mmol)及びテトラヒドロフラン(50mL)の溶液を−78℃まで冷却し、n−ブチルリチウム(52.1mL、130.0mmol)を5分間にわたって滴加する。冷浴を取り外し、それを15分間にわたって温め、次いで−78℃に再び冷却する。テトラヒドロフラン(400mL)中の5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(34.3g、93.1mmol)の−78℃溶液に5〜10分間にわたってカニューレを挿入する。−78℃で1時間攪拌し、次いで冷浴を取り外し、それを15分間温める(およそ−45℃に)。−78℃に冷却し、乾燥させた2,4,6−トリス(1−メチルエチル)−ベンゼンスルホニルアジド溶液をカニューレを介して5〜10分間にわたって添加する。冷浴を取り外し、−5〜0℃まで1時間にわたって温める。氷/水浴中で冷却し、酢酸(26.7mL、465.3mmol)を13分間にわたって滴加する。65分間にわたって周囲温度まで温め、飽和重炭酸ナトリウム溶液(1L)で反応停止処理する。反応物を酢酸エチル(600mL)及び水(2L)で希釈し、層に分離させ、酢酸エチル(2×400mL)で水層から逆抽出する。合わせた有機層を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(500mL)及び塩水(500mL)で洗浄し硫酸ナトリウム上で乾燥させる。残渣を、酢酸エチル:ヘキサン(0:100〜100:0)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を油状物(39.8g、92.3mmol、99%)として得る。MS(m/z):410(M+1)。
調製物10
7−アミド−5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

パラジウム/炭素(2.2g、1.0mmol、炭素上5%)を、エタノール(923mL)中の7−アジド−5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(39.8g、92.3mmol)の窒素パージする溶液に添加する。水素で3回排気/充填し、周囲温度で水素下(1気圧)にて終夜攪拌する。セライト(登録商標)上で濾過し、エタノール及び酢酸エチルで濯ぎ、濃縮して、標題化合物を透明油状物(36.6g、89.9mmol、97%)として得る。MS(m/z):384(M+1)。
調製物11
tert−ブチル−N−[(1S)−2−[[5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]カルバメート

7−アミノ−5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(36.3g、89.9mmol)、ジクロロメタン(360mL)、トリエチルアミン(16.3mL、116.9mmol)、3−ヒドロキシトリアゾロ[4,5−b]ピリジン(15.9g、116.9mmol)、及び(2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸(22.5g、116.9mmol)の混合物を0℃まで冷却する。1−(3−ジメチルアミノピロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(22.4g、116.9mmol)を添加し、5分後に周囲温度まで温め、終夜維持する。水(500mL×2)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(2×300mL)、塩水(300mL)で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濃縮する。残渣を、イソプロピルアルコール:ヘキサン(5:95〜10:90)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を白色泡状物(43.14g、77.77mmol、86.50%)として得る。MS(m/z):555(M+1)。
調製物12
(2S)−2−アミノ−N−[5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]プロパンアミド

トリフルオロ酢酸(30mL、396.76mmol)を、tert−ブチル−N−[(1S)−2−[[5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]カルバメート(5.56g、10.0mmol)及びジクロロメタン(30mL)の0℃の溶液に5分間にわたって添加し、温めさせて、周囲温度にて5時間攪拌する。残渣を、メタノール、続いて酢酸エチル:メタノール(2Nノアンモニア)(1:1)で溶出するSCX(登録商標)カラム(IsoluteSCX−2 ×6)を介してのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を白色固形物(3.48g、10.2mmol)として、定量的収率で得る。MS(m/z):341(M+1)。
実施例1
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド

実質的に調製物2)で上述するように調製する(2S)−2−(4,4,4−トリフルオロブタノイルアミノ)プロパン酸(28.9g、135.7mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(29.7g、155.1mmol)を、ジクロロメタン(696mL)中の(7S)−7−アミノ−5−(2−ヒドロキシエチル)−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(34.8g、129.2mmol)の懸濁液に、0℃で連続して添加し、5分間攪拌する。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(24.7g、155.1mmol)を添加し、それを1時間攪拌し、次いで周囲温度に温める。(2S)−2−(4,4,4−トリフルオロブタノイルアミノ)プロパン酸(0.6g、2.6mmol)を添加し、周囲温度で15分間攪拌する。水(600ml)を添加し、白色固形物を濾別し、濾液の層に分離させる。有機層を水(3×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮して、淡褐色泡状物を得る。50%メチルターシャリーブチルエーテル/ヘキサン(500mL)中で物質をスラリー状にし、高真空下で乾燥させて、65gの固形物を得る。
水(195mL)及び重炭酸カリウム(14.0g、140.0mmol)を、メタノール(195mL)中の前に得られた固形物(65.0g、140.0mmol)の10℃の溶液に添加し、周囲温度で29時間攪拌する。濃縮し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出する。合わせた有機層を水(3×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮する。残渣を、メタノール:ジクロロメタン(98:2、アンモニア中7N)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。物質を50%メチルターシャリーブチルエーテル/ヘキサンから粉砕混和し、次いでメチルターシャリーブチルエーテル(500ml)から粉砕混和する。固形物をメチルターシャリーブチルエーテル(200mL)及びヘキサン(200mL)で洗浄し、固形物を高真空下で乾燥し、標題化合物を灰白色固形物(42.0g、90.4mmol、65%)として得る。MS(m/z):270(M+1);[α]Na 25=−153.40°(c=5.0、メタノール)。
方法2:
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.50g、13.0mmol)を、(2S)−2−アミノ−N−[5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]プロパンアミド(3.4g、10.0mmol)、ジクロロメタン(40mL)、3−ヒドロキシトリアゾロ[4,5−b]ピリジン(1.8g、13.0mmol)、4,4,4−トリフルオロ酪酸(1.9g、13.0mmol)、及びトリエチルアミン(1.8mL、13.0mmol)の0℃の混合物に添加する。攪拌し、周囲温度まで温め、終夜維持する。水(40mL)を添加し、ジクロロメタン(100mL)及び水(50mL)の間で分割させる。相に分離させ、水層からジクロロメタンで逆抽出し、合わせた有機層を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(2×100mL)で洗浄する。ジクロロメタン(25mL)で重炭酸塩層から逆抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮する。残渣を、メタノール(2Nアンモニア):ジクロロメタン(0:100〜5:95))で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ジアステレオマー混合物3.77gを得る。この物質を、エタノール(0.2%のジメチルアミン):アセトニトリル(0:100〜100:0)で溶出するChiralpak(登録商標)ADカラム上で精製し、標題化合物を白色固形物(1.7g、3.7mmol、37%)として得る。MS(m/z):465(M+1)。
調製物13
メチル2−(2−ブロモフェニル)アセテート

2−ブロモフェニル酢酸(500.0g、2.33mol)を、窒素雰囲気下でメタノール(5.0L)と結合させる。濃硫酸(185.8mL)を20〜35℃で滴加し、次いで、攪拌しながら60〜65℃に3〜4時間温める。反応混合物を45℃に冷却し、45℃より低く減圧下にておよそ750mLの体積まで濃縮する。反応混合物を10〜30℃まで冷却し、ジクロロメタン(2.5L)を添加する。水酸化ナトリウム(7%、380.0mL)で、pHを7〜8に調整し、層に分離させる。45℃より低く減圧下にて有機相を濃縮乾固し、標題化合物(516.5g、97.0%)を黄色油状物として得る。
調製物14
5,7−ジヒドロピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

メチル2−(2−ブロモフェニル)アセテート(1.0kg、4.36mol)、ジオキサン(11.0L)、及びN−メチル−2−ピロリドン(7.0L)を室温で攪拌しながら結合させる。ビス(ピナコラトジボロン(1.2kg、4.58mol)及び酢酸カリウム(855.9g、8.72mol)を混合物に添加し、次いで窒素ガスを溶液を2〜3時間通過させることによって溶液を脱気する。[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン付加物(71.2g、97.2mmol)を、窒素の雰囲気下で充填し、次いで、反応混合物を80〜90℃に18〜20時間加熱し、2−[2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]アセテートを溶液として得て、これを単離することなく使用する。反応混合物を15〜25℃に冷却し、2−アミノ−3−ブロモピリジン(675.0g、3.90mol)及び水(3.0L)中の第三リン酸カリウム(2.41kg、11.3mol)の溶液を添加する。窒素ガスを溶液を2〜3時間通過させることによって溶液を脱気し、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド・ジクロロメタン付加物(106.8g、130.8mmol)を添加し、次いで、反応混合物を80〜90℃に18〜40時間加熱する。反応混合物を50〜60℃に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム(13.0L)、飽和塩化ナトリウム(13.0L)、及び水(13.0L)からなる溶液をゆっくりと添加する。混合物を、50〜60℃で2〜3時間攪拌し、15〜25℃に冷却し、更に18〜20時間攪拌する。得られた固形物を濾過し、フィルターケークを水(2×2.0L)で洗浄する。固形物を透明な反応容器に移し、酢酸エチル(5.0L)を添加し、混合物を60〜70℃に2〜3時間加熱する。溶液を15〜25℃に冷却し、それを1〜2時間攪拌し、得られた固形物を濾過する。フィルターケークを酢酸エチル(2×750mL)で洗浄し、得られた固形物を真空下で乾燥させて、標題化合物(644.0g、68.1%)を灰白色固形物として得る。
調製物15
5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

5,7−ジヒドロピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(33.8g、0.16mol)をアセトニトリル(340.0mL)中に添加し、20〜30℃で0.5〜1時間攪拌する。炭酸セシウム(104.6g、0.32mol)及び(2−ブロモメトキシ)−tert−ブチルジメチルシラン(42.2g、0.18mol)を添加し、反応混合物を70〜80℃に18〜20時間加熱する。反応混合物を20〜25℃に冷却し、珪藻土(50.6g)を通して濾過する。フィルターケークをアセトニトリル(2×50.6mL)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮し、およそ67.5mLの総体積にする。トルエン(152mL)、活性炭(2.53g)を添加し、混合物を60〜70℃に1〜2時間加熱する。混合物を25〜35℃に冷却し、反応混合物を珪藻土(50.6g)上で濾過する。フィルターケークをトルエン(17.0mL)で濯ぎ、減圧下で濃縮し、標題化合物を淡褐色油状物として得て、これを放置して結晶化させた(56.8g、92.2%)。
調製物16
5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7ヒドロキシイミノ−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(30.0g、0.08mol)及びトルエン(300.0mL)を結合させ、反応混合物を−10〜0℃に冷却する。カリウムtert−太キシド(18.2g、0.16mol)、窒化イソアミル(13.34g、0.11mol)を添加し、次いで3〜5時間攪拌する。反応混合物を、酢酸エチル(210mL)と水(510mL)との冷(0〜5℃)二相溶液に移し、15〜30分間攪拌する。反応混合物を15〜25℃に温め、層に分離させる。追加の酢酸エチル(120mL)及びメチルtert−ブチルエーテル(120mL)で水層から抽出し、有機層を合わせる。減圧下で有機層を、およそ60〜90mLの体積の溶液まで濃縮し濃縮し、次いでトルエン(240mL)及び酢酸エチル(75mL)を添加する。溶液をシリカゲル(45.0g)を通して濾過し、シリカゲルを、トルエン(210mL)及び酢酸エチル(60mL)の混合物で濯ぎ、濾液減圧下で、およそ75mLの体積までを濃縮する。へプタン(120mL)を添加し、混合物をおよそ60mLの体積まで濃縮し、得られた固形物濾過する。フィルターケークをヘプタン(25mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、標題化合物(28.3g、72.5%)を黄色固形物として得る。
調製物17
7−アミノ−5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン

5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7ヒドロキシイミノ−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(206.0g、0.52mol)及びテトラヒドロフラン(2.3L)を結合させて、窒素の雰囲気下でオートクレーブに入れた。ラネーニッケル(232.0g、1.13重量/重量当量)を反応混合物に添加し、水素雰囲気(87psi)を導入する。反応混合物を60〜65℃で24時間攪拌する。混合物を珪藻土上で濾過し、テトラヒドロフラン(500mL)を用いてフィルターを洗浄する。濾液を濃縮し、標題化合物(196.0g、93.2%)を褐色油状物として得る。MS(m/z):384(M+1)。
調製物18
tert−ブチルN−[(1S)−2−[[5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]カルバメート

7−アミノ−5−[2−(tert−ブチル(ジメチル)シリル)オキシエチル]−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−6−オン(166.0g、0.43mol)、ジクロロメタン(2.2L)、及びL−Boc−アラニン(106.4g、0.56mol)を窒素雰囲気化で結合させる。ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.46g、10.8mmol)及びトリエチルアミン(102.5mL、0.74mol)を内部温度を30℃より低く維持しながら添加する。1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(128.2g、0.67mol)を一度に添加し、20〜30℃で16〜18時間攪拌する。反応物を、ジクロロメタン(498mL×2)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(300gのシリカゲル}により精製する。ジクロロメタン溶液を合わせて、それを水(2×3.3L)で洗浄する。有機相を減圧下で、300mL〜400mLの体積まで濃縮し、酢酸エチル(664.0mL)を添加する。混合物を減圧下で300〜400mLの体積まで濃縮し、酢酸エチル(664mL)を添加する。混合物を減圧下で300〜400mLの体積まで濃縮し、酢酸エチル(1.3L)を添加する。テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド三水和物(149.4g、0.47mol)を添加し、20〜30℃で16〜18時間攪拌する。塩化ナトリウムの水溶液(20%、1.6L)を添加し、層に分離させ、有機相を再度、塩化ナトリウム水溶液(20%、1.6L)で洗浄する。有機相を、およそ800〜900mLの体積まで濃縮し、混合物を20〜30℃で12〜16時間攪拌する。得られた固形物を濾過し、フィルターケークを酢酸エチル(91.3mL)で洗浄する。濾液を、酢酸エチル(2×500mL)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(300gのシリカゲル)で精製し、標題化合物(82.6g、85.2%de、100%ee、51.2%の収率)を黄色油状物として提供する。MS(m/z):441(M+1)。
調製物19
(2S)−2−アミノ−N−[(7S)−5−(2ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]プロパンアミド

tert−ブチルN−[(1S)−2−[[5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]カルバメート(54.0g、0.12mol)及びアセトニトリル(212.7mL)を窒素雰囲気下で結合させる。塩酸(317.5mL,4N、1.27mol)を滴加し、内部温度を30℃より低く維持し、反応混合物を20〜30℃で16〜18時間攪拌する。水(324.0mL)及びジクロロメタン(430mL)を添加し、層に分離させる。有機層を廃棄し、水層に、ジクロロメタン(645mL)を添加し、水酸化ナトリウム水溶液(20%、252mL)を用いて、pHをおよそ10に調整する。層に分離させ、水層を追加のジクロロメタン(2×430mL)で抽出し、有機相を合わせる。有機相を45℃よりも低く減圧下で、およそ130〜150mLの体積まで濃縮し、テトラヒドロフラン(322mL)を添加する。45℃未満の減圧下で溶液を、およそ200〜220mLの体積まで濃縮し、追加のテトラヒドロフラン(213mL)を添加する。反応混合物を減圧下でおよそ250〜270mLまで濃縮し、60〜65℃に2〜3時間加熱する。反応混合物を5〜15℃にゆっくりと冷却し、5〜8時間攪拌する。得られた固形物を濾過し、フィルターケークを酢酸エチル(56mL)で洗浄する。固形物を透明は反応容器に移し、酢酸エチル(150mL)を添加し、60〜65℃に2〜3時間加熱し、その後、溶液を5〜15℃にゆっくりと冷却する。この温度で2〜3時間攪拌し、得られた固形物を濾過により回収する。フィルターケークを酢酸エチル(45mL)で洗浄し、固形物を60℃未満の減圧下でオーブン内で乾燥し標題化合物(21.0g、99.2%de、100%ee、51.0%の収率)を灰白色固形物として提供する。MS(m/z):341(M+1)。
実施例2
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物

(2S)−2−アミノ−N−[(7S)−5−(2ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]プロパンアミド(45.0g、132.2mmol)及びジメチルホルムアミド(452.9mL)を窒素雰囲気下で結合させる。0〜5℃に冷却し、N−エチルジイソプロピルアミン(77.4mL、444.0mmol)、4,4,4−トリフルオロ酪酸(19.9g、139.3mmol)、及びヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(22.3g、153.1mmol)を添加する。この溶液を5〜10分間攪拌し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(30.6g、159.6mmol)を1回で添加する。反応混合物を20〜25℃に温め、1〜2時間攪拌する。酢酸エチル(1.4L)及び水(1.8L)を添加し、0.5〜1時間攪拌する。相に分離させ、有機層を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(5%、1.0L)で洗浄し、この溶液を減圧下で濃縮し、200〜300mLの体積を得る。エタノール(522mL)を添加し、この溶液を減圧下で濃縮し、200〜300mLの体積を得る。これを3回繰り返す。エタノール(180mL)及び炭酸カリウムの5%溶液(34.6mL)を添加し、20〜25℃で0.5〜1時間攪拌する。水(667mL)及び4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の種結晶(0.4g、0.86mmol)(種結晶は、生成物の前のロットから得られた固形物から精製することができるか、または小分取分の再結晶などの当業者に一般的に知られかつ使用されている他の方法を用いる得ることができる)を添加し、20〜25℃で2〜3時間攪拌する。濾過し、フィルターケークをエタノール(63mL)及び水(42mL)の混合物で2回洗浄する。得られた固形物を40℃未満の減圧下でオーブン内にて乾燥し、標題化合物(41.9g、99.6%de、100%ee、65.3%の収率)を、灰白色固形物として提供する。MS(m/z):465(M−HO+1)。
実施例2のXRPD
結晶固形物のXRPDパターンは、CuKα源(ラムダ=1.54060Å)と35kV及び50mAで動作するVantec検出器とを装備したBruker D4 EndeavorX線粉末回折計で得られる。試料は、2θにおける0.0087°及び0.5秒/ステップの走査速度を用いて、また0.6mmの発散、5.28mmの固定型散乱防止装置、及び9.5mm検出器スロットで、検出器スロット2θにおける4〜40°で走査される。乾燥粉末を石英試料ホルダーに詰め、スライドガラスを用いて滑らかな表面を得る。所定の結晶型について、回折ピークの相対強度が、結晶形態及び晶癖などの要因からの結果として生じる好ましい配向に起因して変化し得ることが結晶学技術分野において周知である。好ましい配向の効果が存在する場合、ピーク強度は変更されるが、多形体の特徴的なピーク位置は変化しない。(例えば、米国薬局方33−National Formulary 28 Chapter<941> Characterization of Crystalline Solids by X−ray Powder Diffraction(XRPD)Official October 1,2010−February 1,2011を参照されたい)。更に、任意の所定の結晶型について、角ピーク位置はわずかに変化し得ることも結晶学分野において周知である。例えば、ピーク位置は、試料が分析される温度または湿度における変動、試料の変位、または内部標準の存在もしくは不在に起因してシフトし得る。この場合に、2θにおける±0.2のピーク位置の変動は、指示された結晶型の明確な特定を妨げることなくこれらの潜在的な変動を考慮に入れる。結晶型の確認は、特徴的なピーク(°2θの単位での)、通常はより際立ったピークの任意の独特の組み合わせに基づいてなされてもよい。結晶型回折パターンは、周囲温度(19〜25°C)及び相対湿度(20〜60%)で回収される。
したがって、実施例2の化合物の調製試料は、CuKα放射を使用するXRPDパターンによって、以下の表1に記載される回折ピーク(2−θ値)を有すると特徴付けられる。この型は結晶性であり、0.2度の回折角の公差で、11.96、18.81、20.78、及び21.07度2−θからなる群から選択されるピークのうちの1つ以上との組み合わせで22.97度でピークを含有する。

実施例2の固体状態NMR
13C交差分極/マジック角回転(CP/MAS)NMR(固体NMRまたはSSNMR)スペクトルは、100.622MHzの炭素周波数で動作し、Brukerの4mmの三重共振探査針(K299551)を装備したBruker Avance II 400MHz NMR分光計(Lilly tag K299547)を使用して得られる。TOSS側波帯抑圧を、SPINAL64でカップリング(70.8ワット)及びRAMP100波形H−核CPパルスを使用する交差分極と共に使用する。取得パラメータは以下の通りである:2.5μsの90°プロトンr.f.パルス幅、接触時間は3.5マイクロ秒であって、5秒のパルスパルス繰り返し時間、10kHzのMAS周波数、30kHzのスペクトル幅、取得時間は34マイクロ秒であり、走査の回数は10,587である。化学シフトは、別々の実験において、アダマンタン(σ=29.5ppm)を参照する。13C NMR(固体状態):δ(ppm)18.65、27.52、28.76、47.66、49.96、55.02、58.88、122.87、126.49、129.73、131.37、132.31、137.28、145.01、149.17、168.53、170.30、175.55。
実施例2のカールフィッシャー滴定
カールフィッシャー滴定は、Brinkmann Methrohm 756KF電量計を使用して得られる。対照標準は、水標準として、Hydranol(登録商標)を使用して二通りで決定される。試料は三通りで行い、水の平均パーセントを記録し、試料中の水の量を決定する。実施例2のカールフィッシャー滴定平均結果は、3.9%の水である。実施例2の水の1モル当量の理論的パーセントは、3.7%である。
癌は、その開始及び進行が、DNA複製、ゲノム安定性、細胞増殖、細胞死、接着、血管新生、浸潤、及び細胞ならびに組織微小環境における転移を調節する1つ以上の遺伝子の異常な機能によって誘起される疾患の異種集団としての認識が高まっている。「癌」遺伝子の変異体または異常な機能は、天然発生のDNA多型、ゲノムコピー数にける変化(増幅、欠失、染色体消失、または重複を通して)、遺伝子ならびに染色体構造における変化(染色体転位、逆位、または無秩序な遺伝子発現をもたらす他の再配置を通して)、及び点変異からの結果であり得る。癌性新生物は、1つの異常な遺伝子機能によって誘起され、同じ異常な遺伝子機能によって維持され得るか、または追加の異常な遺伝子機能によって維持及び進行が悪化され得る。
上述した遺伝的染色体異常の他に、癌のそれぞれは、DNAメチル化、ゲノム刷り込み、及びアセチル化、メチル化、もしくはリン酸化によるヒストン修飾が含まれる後成的修飾も含み得る。後成的修飾は、悪性の誘起及び/または維持において役割を果たし得る。
生検、免疫表現型検査及び他の検査による癌の悪性の診断が既知であり、日常的に使用されている。高解像度の染色体分染法及び高度染色体画像法技術に加えて、癌が疑われる場合の染色体異常は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)、核型決定、スペクトル核型決定(SKY)、マルチプレックスFISH(M−FISH)、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)、一塩基多型アレイ(SNPチップ)及び当業者に既知でありまた使用される他の診断ならびに分析試験などの細胞遺伝子学的分析を通して決定することができる。
陽電子放出型コンピュータ断層撮影(PET)及びX線コンピュータ断層撮影(CT)スキャナーとの組み合わせでのPET/CT画像法は、腫瘍学での診断及び進行度分類の標準的な構成要素になっている。放射性標識トレーサ2−デオキシ−2−[18F]フルオロ−D−グルコース(FDG)は、全てのPET/CT画像法の手順の大部分で使用される。PET/CT画像法の利点の1つは、治療中の非常に早い段階で、グルコース代謝における顕著な変化を検出するため、または更には腫瘍化学感受性評価のサロゲートとして新生細胞代謝の完全な遮断するその能力である。癌検出及び進行度分類に加えて、PET/CT画像法は、療法に対する個体応答の定量的鉗子及び新しい薬物療法に対する評価ツールとして益々重要になってきている。FDG蓄積における変化は、療法に対する応答を評価するために画像法マーカーとして有用であることを示している。腫瘍の療法に対する応答が、CT画像での腫瘍のサイズ/寸法における変化の測定によって伝統的に評価されるRECIST基準は、療法に対する初期応答を立証し得ない。療法の結果としての腫瘍のサイズにおける変化は、成長するまでに長時間を要し得る。最も広く使用されているパラメータは、標準化取込値(SUV)であり、これは、着目した領域における最大SUV値(SUVMAX)として定義され、SUVMAXの減少は、一般的には、代謝活性の停止の最も信頼できる指標と見なされている。
ノッチの発癌性の役割は、ノッチ1細胞内ドメインのT細胞受容体−βプロモータ領域への転位を伴い、その結果、ノッチ1細胞内ドメインの過剰発現をもたらすヒトT細胞白血病において最初に報告された(Grabher et al.Nature Review Cancer,2006(6):347−359;Weng et al.Science,2004(306):269−271)。マウスの造血前駆細胞中のノッチ1細胞内ドメインの過剰発現は、ヒトと同様に、マウスにT細胞急性リンパ芽球性白血病を生じさせる。T細胞急性リンパ芽球性白血病に加えて、ノッチシグナル伝達が、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、及び赤白血病が含まれる他の癌において複数の機構を通して発癌性であることの証拠が増えてきている。異常な構成的ノッチシグナル伝達はまた、乳癌、卵巣癌(Park et al.Cancer Research,2006(66):6312−6318)、メラノーマ(Gast et al.Genes,Chromosomes & Cancer,2010(49):733−745)、肺癌、非小細胞肺癌(Westhoff et al.PNAS,2009(106):22293−22298)、膵臓癌、神経膠芽腫、結直腸癌、頭頚部癌、子宮頸癌、前立腺癌、肝臓癌、扁平上皮癌(口腔)、皮膚癌及び髄芽腫(Ranganathan et al.,Nature Review Cancer,2011(11):338−351 and Supplementary Information S1(table))が含まれる多くの悪性固形腫瘍に関与する。異常なノッチシグナル伝達は、特に軟組織肉腫で活性化され得る(Guijarro et al.Am J Pathol,2013(182(6)):2015−2027)。平滑筋肉腫の患者が登録された第1相臨床試験で単独で評価された(Pant et al.J Clin Oncol,2012(30(15)):May 20 Supplement,Abstract 3008;Messersmith et al.Clin Cancer Res(21(1)):60−67)、及びビスモデジブ、ヘッジホッグ拮抗薬との併用で評価された(www.clinicaltrials.gov、識別子NCT01154452、2014年12月20日にダウンロード)のノッチ阻害剤の報告がある。PantらまたはMessersmithらにおいてLMS患者についての完全応答または部分的応答データは報告されておらず、併用臨床試験について報告されたデータは見出されていない。ノッチシグナル伝達の阻害は、構成的ノッチシグナル伝達経路の異常な活性によってその疾患が誘起され、維持され及び進行され、または悪化した癌患者に対する治療効果をもたらすために格好の標的を提示する。Shih et al.Cancer Research,2007(67)1879−1882。
臨床評価
進行癌または転移癌を有する患者における4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の試験
試験デザイン
この試験は、進行癌または転移癌を有する外来患者において経口投与された4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の多施設共同の、無作為化、非盲検、用量漸増、その後のコホート拡大による試験である。
試験目的
この試験の主な目的は、進行癌または転移癌を有する患者に安全に投与され得る、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の推奨される第2相用量を決定することである。
本試験の2番目の目的は、米国国立癌研究所(National Cancer Institute’s(NCI))の有害事象共通用語基準(Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE))v4.0によって評価されるような4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の安全性及び毒性プロファイルを特性化すること;4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の薬物動態(PK)パラメータを推定すること;及び4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物によって観察されるあらゆる抗腫瘍活性を文書化することである。
探索的目的は、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の血漿及び尿中の腎クリアランス及びPK代謝産物を探索すること;4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物に関連する予測バイオマーカーを探索すること;サイトカイン18またはルールに基づく医療(Rules Based Medicine)が含まれる、ノッチ活性を示すバイオマーカーに及ぼす4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の薬力学的(PD)効果を探索すること(免疫組織化学法または代替的な確認方法によるノッチ細胞内ドメイン);及び4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物による治療効果を評価するために、陽電子放出型コンピュータ断層撮影(PET)スキャンまたはPET/CT有用性を探索することである。
治験薬
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物、用量範囲2.5〜100mg、28日サイクルの間に週3回、カプセルとして経口投与する。
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物は、経口摂取のために瓶に入ったカプセルとして供給される。これらのカプセルは、ラベルに記載された温度範囲内で室温で保管されるべきである。
計画された治療期間
患者は、中止に関する基準のうちの1つ以上が満たされない限り、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の2サイクル(それぞれ28日のサイクル)を受ける。患者は、下記のような場合のみ、2サイクルを超える治療を受けてもよい:1)中止に関する基準のいずれも満たされない場合、及び2)患者が治療から臨床効果を経験していることを治験責任医師が決定した場合。
30日間の短期追跡調査期間(中止後)が計画される。
投薬
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物は、用量漸増相(パートA)及び用量確定相(パートB)の両方の間にTIWで経口投与される。
評価基準
安全性:NCI CTCAE、バージョン4.0、用量規定毒性(DLT)
生物分析(PK及びPDを含む)4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物の血漿濃度
有効性:組織学に応じて、固形腫瘍については固形腫瘍効果判定基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)v1.1を、悪性リンパ腫については改定基準(Revised Criteria)を、CLLについては全米癌研究所ワーキンググループ(Guidelines from the National Cancer Institute Working Group)を、または神経膠芽腫についてはResponse Assessment in Neuro−Oncology(RANO)基準を用いて評価される。各患者は、腫瘍測定のために以下の放射線学検査のうちの1つ以上によって評価される:X線コンピュータ断層撮影(CT)スキャン;磁気共鳴画像法(MRI)、胸部X線;PETスキャン、PET/CT画像法;標準化取込値(SUVMAX)。
統計手法
安全性:用量漸増は、3+3法を使用して安全性によって決定される。用量−毒性曲線についての事前の予想を組み込むモデルベースの分析は、各コホートの終了時にデータに適合されるであろうし、これは、治験責任医師及びLilly臨床開発医師によって次の用量レベル決定するために使用される。最大耐量は、サイクル1の間にDLTを引き起こす33%未満の確率を有する最も高い検査用量として定義される。
有効性:腫瘍応答データは、試験の一環として集計かつ要約される。
薬物動態4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物についてのPKパラメータは、分析の標準ノンコンパートメント法によって分析される。
薬物動力学:全てのPDデータが評価される。探索的PK/PD分析が、薬物曝露量−バイオマーカー反応関係を特定するために行われてもよい。
現在進行中の臨床試験のサイクル1において、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物を投与された平滑筋肉腫を有する3人の患者に関するデータを表2に提示する。患者1は、平滑筋肉腫の手術、放射線療法、及び全身治療または標的化療法の5種の前レジメンによる前治療歴があった。患者2は、平滑筋肉腫の手術、放射線療法、小線源治療、及び全身治療または標的化療法の3種の前レジメンによる前治療歴があった。患者3は、平滑筋肉腫の手術、及び全身治療または標的化療法の3種の前レジメンによる前治療歴があった。
患者1及び2の両方において、肝臓のCTスキャンを、治療の第1週で行い、腫瘍の中心部分が壊死を示唆する低密度になったことを示した。この示唆された壊死は、DCE−USによって確定された。平滑筋肉腫を有する患者に関する上記予備データは、両患者が、かれらの平滑筋肉腫の驚くべきかつ予期せぬ著しい壊死を立証したことを明らかにしている。患者3では、初期スキャンから観察された著しい変化はなかった。
1サイクル(28日間)後に、追加のCTスキャン画像法は、全ての3人の患者における壊死を確定した。
4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド水和物を投与された平滑筋肉腫を有する19人の追加の患者に関するデータを表3に提示する。Choiの応答基準を、限定数の患者について記録したが、表3は報告されていない(J Clin Oncol.2007;25:1753−1759)
平滑筋肉腫を有する患者に関する上記のデータ、特にPET/CT SUVMAXデータは、平滑筋肉種腫瘍患者において有効な臨床効果を示す。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 平滑筋肉腫を患う患者を治療する方法であって、治療を必要とする平滑筋肉腫患者に、有効量の4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を投与することを含む、方法。
[2] 2.5〜100mg/患者の、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が投与される、[1]に記載の方法。
[3] 4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が、T.I.W.で投与される、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 10〜75mg/患者/日の、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が投与される、[1]、[2]、または[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 25〜75mg/患者/日の、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドまたはその薬学的に許容される塩もしくは水和物が投与される、[1]、[2]、[3]、または[4]のいずれかに記載の方法。
[6] 平滑筋肉腫の治療において使用するための化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物であって、前記化合物が、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドである、化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
[7] 投与量が、2.5〜100mgである、[6]に記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
[8] 投与量が、10〜75mgである、[6]または[7]に記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
[9] 投与量が、25〜75mgである、[6]〜[8]のいずれかに記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
[10] 前記投与がT.I.W.である、[6]〜[9]のいずれかに記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物。
[11] 平滑筋肉腫の治療用の医薬を調製するための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミド、またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物の使用。

Claims (3)

  1. 平滑筋肉腫の治療において使用するための、4,4,4−トリフルオロ−N−[(1S)−2−[[(7S)−5−(2−ヒドロキシエチル)−6−オキソ−7H−ピリド[2,3−d][3]ベンズアゼピン−7−イル]アミノ]−1−メチル−2−オキソ−エチル]ブタンアミドである化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を含む薬剤
  2. 前記化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは水和物を2.5〜100mg含む、請求項に記載の薬剤
  3. 前記薬剤がT.I.W.で投与される、請求項1または2に記載の薬剤
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