JP6411896B2 - 電磁弁 - Google Patents

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本発明は、電磁弁に関し、詳しくは電磁弁から排出される作動油の流量変化を緩やかにする技術に関する。
従来、ソレノイド部への通電により軸芯に沿って移動する筒状のスプールと、スプールを収容する筒状のスリーブとを備えた電磁弁が知られている(例えば、特許文献1−2参照)。
特許文献1に記載の電磁弁は、スプールが、互いに軸芯方向の位置をずらした第一ドレン孔と第二ドレン孔とを有し、これらドレン孔をスリーブの内表面に形成した環状溝と連通可能に構成している。スプールが移動すると、まず、第一ドレン孔が前記環状溝と連通し、次いで第一ドレン孔および第二ドレン孔が前記環状溝と連通する。これによって、電磁弁からドレンされる作動油の流量変化を緩やかにするものである。また、スプールの移動に伴って、前記環状溝に連通するドレン孔が大きくなるように、これらドレン孔を軸芯に垂直な方向視において三角形状にする実施例が開示されている。
特許文献2に記載の電磁弁は、外表面に溝部を有するスプールと、この溝部と連通可能な貫通孔部を有するスリーブとを備えている。また、貫通孔部を周方向に2箇所設け、一方の貫通孔部の軸芯方向の長さを、他方の貫通孔部の軸芯方向の長さより大きく形成している。スプールが移動すると、まず一方の貫通孔部が前記溝部と連通し、次いで両方の貫通孔部が前記溝部と連通する。これによって、電磁弁から排出される作動油の流量変化を緩やかにするものである。
特開2000−205435号公報 特開2007−92714号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電磁弁にあっては、複数のドレン孔を軸芯方向にずらしているので、軸長が大きくなってしまう。また、スリーブの内表面に環状溝を形成するには、加工に手間を要する。さらに、ドレン孔を三角形状に構成した場合、尖った先端部分のみが環状溝と連通した状態では、電磁弁から作動油がほとんど排出されない不感帯領域が形成されてしまう。
特許文献2に記載の電磁弁にあっては、スリーブに形成される一方の貫通孔部の軸芯方向の長さを大きくしているため、軸長が大きくなってしまう。しかも、スプールのストローク量が大きくなってしまうので、ソレノイド部の必要電磁力を確保する上で、ソレノイド部の大型化や製造コストの増大を招いてしまう。また、スプールの溝部とスリーブの貫通孔部とを連通させるために、両部材の周方向の位置ズレを防止するガイド部材を別途設ける必要があり、部品点数が増加する。
そこで、本発明は、流量変化を緩やかにできる制御性の高い電磁弁を合理的に構成することを目的とする。
本発明に係る電磁弁の特徴構成は、外表面に作動油が供給される環状溝を有し、ソレノイド部への通電により軸芯に沿って移動する筒状のスプールと、前記環状溝と連通可能な貫通孔部を有し、前記スプールを収容する筒状のスリーブと、前記ソレノイド部への通電量を制御する制御部と、を備え、前記貫通孔部は、前記軸芯に垂直な方向視において、矩形状に形成される基部と、前記基部から前記軸芯方向に沿って延出し、先端に行くに連れて縮径する先細部とで構成され、前記スプールの移動に伴い、前記環状溝が前記先細部と連通し、前記ソレノイド部に通電しないとき、前記環状溝と前記貫通孔部とが非連通であると共に、前記基部の前記先細部とは反対側の後端から作動油がドレンされるドレン状態になり、前記ソレノイド部に通電したとき、前記環状溝と前記先細部の前記先端との連通が開始されて前記環状溝から前記先細部へ作動油が供給される供給状態になり、前記ドレン状態と前記供給状態とは、前記スリーブの前記貫通孔部の後端と前端との間で切換えられて、前記ドレン状態では前記先細部を介することなく作動油がドレンされ、前記供給状態では前記先細部に作動油が供給される点にある。
本構成のようにスプールに環状溝を形成すれば、スプールとスリーブとが周方向で位置ズレしたとしても、該環状溝とスリーブの貫通孔部とが連通するので、別途ガイド部材を設ける必要がない。また、スリーブの貫通孔部やスプールの外表面に形成される環状溝は、ダイカスト成形や切削加工によって容易に形成することができる。
さらに、本構成では、スリーブの貫通孔部を、矩形状の基部と基部から延出する先細部とで構成され、スプールの移動に伴い、環状溝が先細部と連通する。このため、スプールの環状溝を介して作動油が供給される電磁弁の場合、スプールの移動に伴って、先細部の最も縮径した先端から該環状溝に連通し始めるときは、次第に連通面積が拡大されるので、スリーブの貫通孔部を介して排出される作動油の流量変化を緩やかにすることができる。一方、スプールの移動に伴って、先細部と該環状溝との連通が終了するときは、次第に連通面積が縮小されるので、同様に作動油の流量変化を緩やかにすることができる。よって、電磁弁から排出される流量をきめ細かく調節することが可能となり、制御性を高めることができる。
また、従来のように、複数の貫通孔部の一方を長くしたり、双方の軸芯方向の位置をずらしたりする構成ではないため、スプールのストローク量や電磁弁の軸長を無駄に大きくすることがない。しかも、基部を矩形状に形成することで、貫通孔部全体を三角形状にする場合に比べ、周方向の占有面積が減少する。その結果、電磁弁の径寸法を無駄に大きくすることがない。
また、本構成によると、ソレノイド部に通電したとき、先細部の最も縮径した先端から環状溝に連通し始め、次第に連通面積が拡大されるので、単位電流値あたりの流量変化量が小さくなって電磁弁が流量調節できる分解能を高めることができる。しかも、スプールの環状溝を介して作動油が供給される電磁弁の場合、ドレン状態と供給状態とをスリーブの貫通孔部の後端と前端とで切換えることができるので、スプールのストローク量を小さくして、消費電力を節約することができる。
このように、本構成を採用することで、排出される作動油の流量変化を緩やかにできる電磁弁を合理的に構成できた。
他の特徴構成は、前記先細部が台形状に構成される点にある。
本構成のように、貫通孔部の先細部を台形状に構成することで、先端部分を尖らす場合のように、作動油の流通感度が低下するといった不都合を解消することができる。
他の特徴構成は、前記先細部の前記先端が円弧状に形成される点にある。
本構成のように、貫通孔部の先細部を円弧状に形成すれば、例えばダイカスト成形における溶湯の流動性が高まる。よって、加工精度が向上し、電磁弁による流量制御が確実なものとなる。
他の特徴構成は、前記貫通孔部は、前記軸芯方向に沿う側面どうしが前記スプールに近付くほど接近する傾斜面を有している点にある。
本構成の貫通孔部の側面に形成される傾斜面は、例えばダイカスト成形時における型抜き勾配として活用される。その結果、金型を円滑に移動させることが可能となるので、型寿命を延ばすことができる。
他の特徴構成は、前記貫通孔部の最大内径寸法Lが、前記スリーブの内径Dに対して、L/D=0.7〜0.96を満たす範囲に設定される点にある。
本実施形態に係る電磁弁の縦断面図である。 スリーブの貫通孔部の拡大平面図である。 スリーブの斜視図である。 電磁弁をオイルポンプに使用した場合の説明図である。 電磁弁の通電量を最大にした状態における縦断面図である。 電磁弁の通電量を最大にした状態における貫通孔部の拡大平面図である。 電磁弁に対する通電量と流量との関係を示す比較図である。 別実施形態1に係る貫通孔部の開口形状を示す平面図である。 別実施形態2に係る貫通孔部の開口形状を示す平面図である。 別実施形態3に係る貫通孔部の縦断面図である。
以下に、本発明に係る電磁弁の実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
[基本構成]
図1に示すように、電磁弁Vは、取付対象物T(例えば、エンジンブロック)の外側に露出した状態で取り付けられる筒状のソレノイド部Aと、取付対象物Tの内部に挿入した状態で取り付けられる流路切替部Bとを備えている。
ソレノイド部Aは、ボビン21aに巻回され、通電によって磁束を発生させるコイル21と、発生した磁束によって軸芯Xに沿って移動する円柱状のプランジャ22と、発生した磁束を流してプランジャ22を引き付けるフロントヨーク23と、プランジャ22に磁束を受け渡すリアヨーク24と、これらを収容するケース25とを備えている。また、ソレノイド部Aと連接する筒状のコネクタ部26を備え、制御部7によって制御された通電量(電流値)に応じて、コネクタ部26からコイル21に電力を供給する。
また、ソレノイド部Aは、プランジャ22の外表面に沿って配置されるガイド部材27を備えている。このガイド部材27は非磁性体で構成されており、プランジャ22がリアヨーク24に引き寄せられるのを防止する。なお、プランジャ22、フロントヨーク23、リアヨーク24、およびケース25は、磁束を流すことのできる各種磁性体材料で構成される。
通電によりコイル21で発生した磁束は、フロントヨーク23、ケース25、リアヨーク24、プランジャ22の順番で流れ、プランジャ22はフロントヨーク23に引き付けられることで移動する。その際、プランジャ22がフロントヨーク23に吸着するのを防止するため、プランジャ22の前方にはスペーサ29を配設している。
流路切替部Bは、ソレノイド部Aへの通電により軸芯Xに沿って移動するスプール3と、スプール3を収容するスリーブ4とを備え、スプール3の一方の端部とスリーブ4との間にはバネ6を備えている。ソレノイド部Aに通電すると、スプール3の他方の端部がプランジャ22によって押し操作されつつ、一方の端部がバネ6によってプランジャ22の側に付勢され、ソレノイド部Aの電磁力とバネ6の付勢力とが均衡した位置でスプール3が停止する。
また、取付対象物Tとスリーブ4との間をシールするOリングS1を設けてあり、スリーブ4と取付対象物Tとの隙間から漏れ出た流体が、ソレノイド部Aの側に漏洩するのを防止している。さらに、スリーブ4とフロントヨーク23との間にもOリングS2を設けており、ソレノイド部Aに外部から水が侵入することを防止している。
スプール3の外表面には、第一環状溝31(環状溝の一例)と、第二環状溝32とが形成されると共に、スプール3の内部空間を形成する中空部35と連通するように貫通形成された孔部33が形成されている。詳細は後述するが、第一環状溝31は、スプール3の移動に伴って、スリーブ4の給排口5との連通、非連通を切替えることが可能である。また、第二環状溝32は、スプール3とスリーブ4との間隙から漏れ出た流体を、孔部33を介して外部に排出するために形成されている。
スリーブ4には、供給元から流体を受け取る供給口41と、スリーブ4の移動量に応じた流量を所定の流体供給先に対して給排する給排口5(貫通孔部の一例)と、給排口5に戻された流体をドレンするためのドレン口34とが、径方向に貫通形成されている。本実施形態における供給口41および給排口5は、スリーブ4の周方向に二箇所設け、夫々に段部41a、5aが形成されている。この段部41a、5aには、フィルタ部材Fが載置され、流体に混入した異物が取り除かれる。なお、フィルタ部材Fを設けずに、段部41a、5aを省略しても良い。
図2に示すように、本実施形態におけるスリーブ4の給排口5は、軸芯Xに垂直な方向視において、矩形状に形成される基部51と、基部51から軸芯X方向に沿って延出し、先端52aに行くに連れて縮径する先細部52とで構成され、五角形状を呈している。
本実施形態では、図2に示す給排口5の最大内径寸法Lを、図1に示すスリーブ4の内径Dに対して、L/D=0.7〜0.96の範囲で設定している。この下限値は、電磁弁Vに求められる必要流量に基づいて設定している。また、スプール3とスリーブ4とのクリアランスに起因して、スプール3が給排口5に脱落することがあるので、この上限値は、スプール3の移動が阻害されない限界値として設定している。なお、流量確保とスプール3の円滑な移動性の観点から、好ましくは、L/D=0.75〜0.9であり、より好ましくは、L/D=0.8〜0.85である。
本実施形態におけるスリーブ4は、アルミ合金などの金属で構成され、金型およびダイカストマシンを用いてダイカスト成形される。図2〜図3に示すように、ダイカスト成形された給排口5には、軸芯Xに沿う側面どうしがスプール3に近付くほど近接する傾斜面53が形成されている。この傾斜面53は金型の抜き勾配として機能するので、金型の耐久性が高まる。また、スリーブ4をダイカスト成形すれば、例えば給排口5を切削加工によって成形する場合のように、給排口5の先端52aおよび後端51aと段部5aとの間に、切削誤差を考慮した間隔を設ける必要がない。つまり、図2に示すように、給排口5の先端52aおよび後端51aと段部5aとがオフセットされないので、電磁弁Vの軸長をコンパクトにすることができる。
[実施例]
ここで、エンジンオイル(以下、単に作動油と言う。)をエンジンEに循環させるオイルポンプ1(以下、単にポンプ1と言う。)の吐出圧を調整するための流路に、本実施形態の電磁弁Vを配置した一例を説明する。
図4に示すように、ポンプ1は、ハウジング11と、インナーロータ12と、アウターロータ13と、調整リング14と、スプリングSとを備えている。インナーロータ12は、エンジンEのクランクシャフトからの回転動力が伝達され、第一回転軸芯Y1で回転する。アウターロータ13は、第一回転軸芯Y1に対して偏心する第二回転軸芯Y2でインナーロータ12の回転に応じて回転する。
ハウジング11は、吸入ポート15と吐出ポート16とを備え、吐出ポート16から吐出された作動油が流通する内部流路19を有している。吐出ポート16から吐出された作動油は、送給流路17を経由してエンジンEの被供給部材に循環すると共に、送給流路17から分岐した分岐流路18上にある電磁弁Vを介して内部流路19に流通する。この電磁弁Vは、内部流路19に作動油を供給する供給状態と、内部流路19の作動油を排出するドレン状態とを切換え可能に構成されている。なお、電磁弁Vの取付対象物Tとポンプ1のハウジング11とが同一であっても良いし、別々であっても良く、特に限定されない。
調整リング14は、アウターロータ13を径方向外側から相対回転自在に支持し、第二回転軸芯Y2と同軸芯のリング状に形成され、径外方向に突出する操作部14aが接続されている。電磁弁Vが供給状態となり、調整リング14の操作部14aに内部流路19を流通する作動油の圧力が付与されると、操作部14aがハウジング11の内部で移動して、調整リング14が第二回転軸芯Y2周りで公転する。その結果、ガイドピン14bとガイド溝14cとが互いに所期の範囲に亘って摺動し、第一回転軸芯Y1と第二回転軸芯Y2とが接近することで、ポンプ1の吐出圧が減少する。つまり、調整リング14が公転することで、アウターロータ13のインナーロータ12に対する偏心量が調整され、ポンプ1の吐出圧が調整されるように構成されている。
(電磁弁の作動形態)
続いて、ポンプ1の吐出圧調整用に用いられる電磁弁Vの作動形態について説明する。
図1には、ソレノイド部Aへの通電がOFFのときのスプール3の位置が示される。ソレノイド部Aへの通電をOFFにしたときは、バネ6の付勢力によってスプール3およびプランジャ22は右端まで移動する。このとき、供給口41と給排口5との連通が遮断され、給排口5がドレン口34と連通するドレン状態である。つまり、内部流路19の作動油が電磁弁Vを介して外部に排出され、スプリングSの付勢力により操作部14aが上方に移動し、アウターロータ13のインナーロータ12に対する偏心量が最大となる。その結果、ポンプ1から吐出される作動油の圧力が最高圧設定にシフトする。
電磁弁Vがドレン状態にあるとき、図2に示すように、基部51の後端51aの周辺が開放され、基部51の一部と先細部52の全部とがスプール3の外面に閉塞される。その結果、図2の着色で示すように、基部51の後端51aの周辺に流通した作動油は、ドレン口34からドレンされる。
一方、ソレノイド部Aに通電されると、プランジャ22はフロントヨーク23に向かって軸芯Xに沿って吸引され、バネ6の付勢力に抗してスプール3を左方向に移動させる。
そして、バネ6の付勢力とプランジャ22の吸引力とが均衡する位置でスプール3が停止し、例えば、スプール3の最大移動位置を示す図5の状態となる。これは、供給口41と給排口5とが、スプール3の第一環状溝31を介して連通する供給状態である。これによって、図4に示す吐出ポート16から吐出された作動油が電磁弁Vを介して内部流路19に供給され、スプリングSの付勢力に抗して操作部14aが下方に移動し、アウターロータ13のインナーロータ12に対する偏心量が最小となる。その結果、ポンプ1から吐出される作動油の圧力が最低圧設定にシフトする。
電磁弁Vが供給状態にあるとき、図6に示すように、先細部52の先端52aの周辺が開放され、基部51の全部と先細部52の一部とがスプール3の外面に閉塞される。その結果、図6の着色で示すように、先細部52の先端52aの周辺に流通した作動油は、給排口5を介して排出され、分岐流路18を経由してポンプ1の内部流路19に供給される。
図7には、電磁弁Vへの通電量と排出される作動油の流量との関係が示される。図7では、例えば図2に示す供給口41のように、スリーブの給排口全体を矩形状にして周方向に1箇所設けた比較例と、上述した実施形態における給排口5を周方向に2箇所設けた本実施例とを比較している。
上述したように、電磁弁Vは、制御部7からの信号を受けて通電量が制御され、この通電量に応じてスプール3の位置が、図1の状態から図5の状態まで任意に変化する。このとき、本実施例における電磁弁Vは、給排口5に先細部52を設けているので、図7に示すように、スプール3の移動位置(通電量)に応じて、ポンプ1の内部流路19に供給される作動油の流量が緩やかな勾配で変化する。つまり、比較例に比べて、単位電流値あたりの流量変化量が小さくなる。その結果、電磁弁Vが流量調節できる分解能が高まり、ポンプ1の吐出圧をきめ細かく変化させることができる。
また、本実施例における電磁弁Vは、比較例のごとく急激に給排口5の開口面積が増大してスプール3の移動抵抗が減少されないので、スプール3の移動量当たりの必要電流値が大きくなる。このため、流量がゼロの状態から最大流量の状態に至る電流値の幅が拡大する。これによって、流量変化量の緩やかな状態が持続されるので、電磁弁Vが流量調節できる分解能を一層高めることができる。しかも、本実施形態のように給排口5を複数設ければ最大流量が大きくなるので、電磁弁Vにおける流量調節分解能をより一層高めることができる。
このように、流量変化を緩やかにして電磁弁Vの分解能を高めれば、エンジンEの回転数に応じてポンプ1の吐出圧を精度よく調整することができる。その結果、ポンプ1の無駄な仕事量が低減され、燃費が向上する。しかも、本実施形態における電磁弁Vは、先細部52を台形状に構成しているので、先端52aを尖らした場合のように、先端52aで作動油が流通し難いといった不都合が生じない。また、給排口5全体を三角形状にする場合に比べて、軸芯X方向や径方向の寸法の適正化が図られるため、電磁弁Vをコンパクトにすることができる。
以下、別実施形態について説明する。基本構成は、上述した実施形態と同様であるため、異なる構成についてのみ図面を用いて説明する。なお、図面の理解を容易にするため、上述した実施形態と同じ部材名称及び符号を用いて説明する。
[別実施形態1]
図8に示すように、給排口5の先細部52の先端52aを円弧状に形成しても良い。本実施形態のように、先細部52の先端52aを円弧状に形成すれば、ダイカスト成形における溶湯の流動性を高めることができる。この結果、先細部52の加工精度が向上し、電磁弁Vによる流量制御がより正確なものとなる。
[別実施形態2]
図9に示すように、給排口5の先細部52を、先端52aに行くほど辺勾配が大きくなるように変化点52bを設定した三角形状に形成しても良い。この場合、変化点52bを設けない三角形状に比べて、スプール3の移動量当たりの先端開口面積が大きくなるので、先端52aにおける作動油の流通感度を高めることができる。
[別実施形態3]
図10に示すように、給排口5の段部5aと基部51および先細部52との間に、切削誤差を吸収できる調整段部5bを設けても良い。これによって、給排口5の切削加工が可能となるので、少量生産の場合など、金型を用いるダイカスト成形に比べて製造コストを節約することができる。また、調整段部5bを設けることで、切削工具を用いた施工性を高めることができる。しかも、ダイカスト成形のように、給排口5に金型の抜き勾配となる傾斜面53を要しないので、電磁弁Vの径方向の寸法をコンパクトなものにすることができる。
[その他の実施形態]
(1)上述した実施形態における給排口5の形状は一例にすぎず、基部51を台形の矩形状に形成したり、先細部52を先端52aに行くに連れて曲線状に縮径させたりするなど、要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
(2)上述した実施形態では、給排口5や供給口41を周方向に沿って2箇所設けたが、1箇所や3箇所以上設けても良い。
(3)上述した実施形態では、スプール3の移動に伴って、ドレン状態と供給状態との2パターンで切換えられる例を示したが、ドレン状態や供給状態を複数設定しても良い。このとき、電磁弁Vの流量変化を緩やかにすることが要求される使用機器においては、給排口5を上述した実施形態のような形状に設定するのが好ましい。
(4)上述した実施形態では、電磁弁Vを用いてポンプ1の吐出量を調整する例を示したが、弁開閉時期制御装置のOCV(オイルコントロールバルブ)に用いるなど、様々な使用形態が考えられる。
本発明は、車両のオイルポンプの吐出量を調整するために用いられる電磁弁など、様々な機器に使用される電磁弁に利用可能である。
3 スプール
31 第一環状溝(環状溝)
4 スリーブ
5 給排口(貫通孔部)
51 基部
51a 後端
52 先細部
52a 先端
53 傾斜面
7 制御部
A ソレノイド部
X 軸芯
V 電磁弁

Claims (5)

  1. 外表面に作動油が供給される環状溝を有し、ソレノイド部への通電により軸芯に沿って移動する筒状のスプールと、
    前記環状溝と連通可能な貫通孔部を有し、前記スプールを収容する筒状のスリーブと
    前記ソレノイド部への通電量を制御する制御部と、を備え、
    前記貫通孔部は、前記軸芯に垂直な方向視において、矩形状に形成される基部と、前記基部から前記軸芯方向に沿って延出し、先端に行くに連れて縮径する先細部とで構成され、前記スプールの移動に伴い、前記環状溝が前記先細部と連通し、
    前記ソレノイド部に通電しないとき、前記環状溝と前記貫通孔部とが非連通であると共に、前記基部の前記先細部とは反対側の後端から作動油がドレンされるドレン状態になり、
    前記ソレノイド部に通電したとき、前記環状溝と前記先細部の前記先端との連通が開始されて前記環状溝から前記先細部へ作動油が供給される供給状態になり、
    前記ドレン状態と前記供給状態とは、前記スリーブの前記貫通孔部の後端と前端との間で切換えられて、前記ドレン状態では前記先細部を介することなく作動油がドレンされ、前記供給状態では前記先細部に作動油が供給される電磁弁。
  2. 前記先細部が台形状に構成される請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記先細部の前記先端が円弧状に形成される請求項1に記載の電磁弁。
  4. 前記貫通孔部は、前記軸芯方向に沿う側面どうしが前記スプールに近付くほど接近する傾斜面を有している請求項1から3のいずれか一項に記載の電磁弁。
  5. 前記貫通孔部の最大内径寸法Lが、前記スリーブの内径Dに対して、L/D=0.7〜0.96を満たす範囲に設定される請求項1から4のいずれか一項に記載の電磁弁。
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