JP6410629B2 - シール構造および歯車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シール構造および歯車装置に関する。
特許文献1に、ケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、を備えた回転装置が開示されている。ケーシングとキャリヤとの間には、第1のオイルシールが配置されている。
この回転装置では、さらに、相手部材(他の装置の部材)がケーシングの径方向外側に延在されている。該相手部材とケーシングとの間には、第2のオイルシールが配置されている。第2のオイルシールにより、回転装置の外部から回転装置内にクーラントが浸入するのを遮断すると共に、第1のオイルシールの損傷を低減している。
特開2001−254787号公報(図4)
上記特許文献1において開示されている構造は、オイルシールを2個必要とする構造であったため、高コストであるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題を解消するためになされたものであって、低コストでクーラント等が装置内に浸入するのを抑制することのできるシール構造および歯車装置を提供することをその課題としている。
本発明は、ケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、前記ケーシングと前記キャリヤとの間に配置されるオイルシールと、を備えたシール構造において、前記オイルシールの外側の空間を覆う傘部材と、前記オイルシールよりも外側において、前記キャリヤの外周に配置されたOリングと、を備えた構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
また、本発明は、ケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、前記ケーシングと前記キャリヤとの間に配置されるオイルシールと、を備えたシール構造において、
前記オイルシールの外側の空間を覆う傘部材と、前記オイルシールよりも外側において、前記キャリヤの外周に形成されたリング状の溝と、を備えた構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明は、また、外歯歯車と、該外歯歯車と噛み合う内歯歯車と、該内歯歯車が設けられたケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、前記ケーシングと前記キャリヤとの間に配置されるオイルシールと、を備えた歯車装置において、前記オイルシールの反外歯歯車側の空間を覆う傘部材と、前記オイルシールよりも反外歯歯車側において、前記キャリヤの外周に配置されたOリングと、を備えた構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
また、本発明は、外歯歯車と、該外歯歯車と噛み合う内歯歯車と、該内歯歯車が設けられたケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、前記ケーシングと前記キャリヤとの間に配置されるオイルシールと、を備えた歯車装置において、前記オイルシールの反外歯歯車側の空間を覆う傘部材と、前記オイルシールよりも反外歯歯車側において、前記キャリヤの外周に形成されたリング状の溝と、を備えた構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明においては、オイルシールに降り掛かる大半のクーラント等を、先ず、傘部材によって除けるようにしている。そして、傘部材から滴り落ちたクーラント等(あるいは傘部材をすり抜けてきたクーラント等)を、キャリヤの外周に配置したOリングまたは溝によってキャリヤの下側に誘導する。これにより、装置内にクーラント等が浸入するのを抑制することができる。
本発明に係るシール構造および歯車装置によれば、低コストでクーラント等が装置内に浸入するのを抑制することができる。
本発明の実施形態の一例に係るシール構造が適用された偏心揺動型の減速装置の構成を示す全体断面図 図1の要部拡大図 本発明の他の実施形態の一例を示す図2相当の要部拡大図 本発明のさらに他の実施形態の一例を示す図2相当の要部拡大図 本発明のさらに他の実施形態の一例を示す図2相当の要部拡大図 本発明のさらに他の実施形態の一例を示す図2相当の要部拡大図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例に係るシール構造を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係るシール構造が適用された偏心揺動型の減速装置の構成を示す全体断面図、図2は、図1の要部拡大図である。
始めに、減速装置の概略から説明する。
この減速装置10は、振り分けタイプと称される偏心揺動型の減速装置である。減速装置10は、クーラントによる冷却が行われる工作機械に組み込まれて使用される。この実施形態では、減速装置10は、工作機械に軸方向を水平方向に向けて組み付けられる。
減速装置10は、外歯歯車12と、該外歯歯車12を揺動させるクランク軸14を備える。外歯歯車12は、揺動しながら内歯歯車16に内接噛合している。減速装置10は、外歯歯車12と内歯歯車16の相対回転を出力として取り出している。
減速装置10は、クランク軸14を駆動するためのクランク軸歯車18を複数(この例では3個:図1では1個のみ図示)備えている。各クランク軸歯車18は、入力軸11に設けられた入力歯車13と同時に噛合している。各クランク軸歯車18は、内周にクランク軸14と連結するための内スプライン18Aを備える。
クランク軸14は、軸体14Aの端部外周に、クランク軸歯車18の内スプライン18Aと連結される外スプライン14Bを備える。クランク軸14は、内歯歯車16の軸心C16からオフセットした位置に、複数配置されている。クランク軸14は、この例では3本(図1では一本のみ図示)備えられ、同一の円周上で、円周方向に120°の間隔で配置されている。
各クランク軸14は、外歯歯車12を揺動回転させるための2個の偏心体14Cを備える。各偏心体14Cは、それぞれクランク軸14の軸心C14に対して偏心量eだけ偏心した軸心C14Cを有する円柱で構成されている。2個の偏心体14Cの偏心位相差は、この例では180°である(互いに離反する方向に偏心している)。3本のクランク軸14は、それぞれ同様の構成とされ、各クランク軸14の軸方向同一位置にある偏心体14C同士の偏心位相は同一である。
外歯歯車12と偏心体14Cとの間には偏心体軸受20が配置されている。外歯歯車12は、内歯歯車16に内接噛合している。内歯歯車16は、内歯歯車本体16Aと内歯ピン16Cを有している。内歯歯車本体16Aは、減速装置10のケーシング17と一体化され、周方向に複数のピン溝16Bを有している。内歯ピン16Cは、円筒状の部材で構成されている。内歯ピン16Cは、内歯歯車本体16Aのピン溝16Bに回転自在に組み込まれ、該内歯歯車16の内歯を構成している。内歯歯車16の歯数(内歯ピン16Cの本数)は、外歯歯車12の歯数よりも僅かだけ(この例では1だけ)多い。
外歯歯車12の軸方向両側には、第1キャリヤ体31および第2キャリヤ体32が配置されている。第1キャリヤ体31からは、キャリヤピン33が一体的に突出されている。第1キャリヤ体31と第2キャリヤ体32は、キャリヤピン33を介して連結ボルト34により連結されている。一体化された第1キャリヤ体31、キャリヤピン33、および第2キャリヤ体32により、キャリヤCaが構成されている。
外歯歯車12は、該外歯歯車12の軸心C12からオフセットした位置にキャリヤピン孔12Aを有する。キャリヤピン33は、キャリヤピン孔12Aを非接触で(隙間を有して)貫通している。なお、外歯歯車12は、径方向中央に貫通孔12Cを有している。
前記クランク軸14は、円錐ころ軸受36を介して第1キャリヤ体31および第2キャリヤ体32に支持されている。キャリヤCa(の第1、第2キャリヤ体31、32)は、一対のアンギュラころ軸受35を介してケーシング17に支持されている。
本実施形態では、ケーシング17には、ケーシングボルト19を介して工作機械の第1部材(全体は図示略)38が連結されている。第1キャリヤ体31には、連結ボルト40を介して工作機械の第2部材(全体は図示略)42が連結される。
この減速装置10では、入力軸11の入力歯車13が回転すると、該入力歯車13と同時に噛合している3個のクランク軸歯車18が同一の方向に同一の回転速度で回転する。クランク軸歯車18が回転すると、各クランク軸歯車18とスプライン連結されている3本のクランク軸14が同一の方向に同一の回転速度で回転する。
これにより、各クランク軸14に形成された偏心体14C、および偏心体14Cの外周に組み込まれた偏心体軸受20を介して外歯歯車12が偏心回転する。そして、クランク軸14が1回回転する毎に、外歯歯車12と内歯歯車16は歯数差(この例では1)に相当する分だけ相対回転する(一方の歯車から見たときに他方の歯車が自転する)。この自転は、各クランク軸14の内歯歯車16の軸心C16周りの公転としてキャリヤCaの第1、第2キャリヤ体31、32に伝達される。このため、ケーシング17に連結された工作機械の第1部材38に対して、第1キャリヤ体31に連結された工作機械の第2部材42を相対的に回転させることができる。
ここで、この減速装置10のシール構造について、詳細に説明する。
図2を合わせて参照して、ケーシング17とキャリヤCaの第1キャリヤ体31との間にはオイルシール50が配置されている。
なお、第1部材38側にも図示せぬオイルシールが配置されており、減速装置10内には、ケーシング17とキャリヤCaを含む部材によって封止される密閉空間が形成されている。
オイルシール50は、全体が弾性部材で構成され、内歯歯車16の軸心C16を通る断面がコ字形のリング状に形成されている。オイルシール50は、嵌合部51、リップ部52、および嵌合部51とリップ部52とを連結するシール壁部53を備える。
オイルシール50の嵌合部51は、シール壁部53の外側端部から軸と平行に延在され、ケーシング17の内周の嵌合面17Eに締まり嵌めにて固定されている。オイルシール50のリップ部52は、主リップ部52Aと副リップ部52Bから構成されている。主リップ部52Aは、シール壁部53の内側端部から減速装置内部側に延在されている。主リップ部52Aは、スプリング54の付勢力によってキャリヤCaの第1キャリヤ体31の外周31Aに形成されたシール面31A1に押圧されている。副リップ部52Bは、主リップ部52Aのシール壁部53側の端部から第1キャリヤ体31側に突出して形成されている。副リップ部52Bは、弾性によって前記シール面31A1に押圧されている。
オイルシール50は、コ字形の開放側が、減速装置10の内部側に向けられると共に、シール壁部53が減速装置10の外部側に位置する態様で組み込まれている。つまり、このオイルシール50の主リップ部52Aは、主に、減速装置10の内部の潤滑剤が、該減速装置10の外部に漏出しないように機能している。オイルシール50の副リップ部52Bは、主に、減速装置10の外部からクーラントや塵などがシール面31A1に浸入しないように機能している。
逆に言うならば、オイルシール50は、クーラントの減速装置内部への浸入に関しては、必ずしも十分な封止機能を有していない。また、オイルシール50は、クーラントがオイルシール50に激しく衝突すると耐久性が低下する傾向がある。そのため、本実施形態では、以下のようなシール構造を採用している。
このシール構造は、オイルシール50の外側の空間P1を覆う傘部材60と、オイルシール50よりも外側において、キャリヤCaの外周31Aに配置されたOリング70と、を備える。
ここで、オイルシール50の外側の空間P1とは、オイルシール50によって隔てられる2つの空間のうち、ケーシング17とキャリヤCaを含む部材によって封止される密閉空間(外歯歯車12および内歯歯車16を含む減速機構が収納された空間:潤滑剤が封入された空間)でない方の空間を指す。換言するならば、オイルシール50の外側の空間P1とは、オイルシール50の反外歯歯車側の空間を指す。オイルシール50の外側の空間P1は、当該オイルシール50が、主リップ部52Aによって主に封止しようとする空間の外の空間に相当する。オイルシール50の外側の空間P1は、オイルシール50のコ字のシール壁部53側(閉塞側)および開放側に着目してさらに別言するならば、シール壁部53側(閉塞側)に面している空間に相当する。
傘部材60は、オイルシール50の外側の空間P1(の一部)を覆い、オイルシール50にクーラントが直接当たるのを防止または低減している。この実施形態では、傘部材60は、キャリヤCaの第1キャリヤ体31と連結されている工作機械の第2部材42に一体的に設けられている。より具体的には、第2部材42は、ケーシング17の軸方向端面(以下、単にケーシング端面と称す。)17Aと対向するフランジ部42Fを有している。フランジ部42Fは、ケーシング17の(端部の)外周17Cよりr(42−17C)だけ径方向外側にまで延在している。傘部材60は、該フランジ部42Fの外側端部から、ケーシング17側に向けて軸方向に延在している。
傘部材60は、ケーシング17の径方向の外側にまで延在されている。傘部材60の軸方向長さはL60である。傘部材60は、径方向から見たときにケーシング17とL(60−17)だけ重なっている。また、この構成例では、傘部材60の軸方向長さL60は、オイルシール50の軸方向長さL50よりも長い。具体的には、傘部材60の軸方向長さL60は、オイルシール50の軸方向長さL50の約2倍である(L60≒2・L50)。
傘部材60は、(ケーシング17を間に挟んで)キャリヤCa(の第1キャリヤ体31)と対向する対向面60Aを有する。対向面60Aは、軸に対してα度だけ傾いており、軸方向端部60Bに向けて内径が大きくなっている。この構成例では、傘部材60の対向面60Aの内径は、軸方向端部60Bに向けてD60A1からD60A2へと大きくなっている(D60A1<D60A2)。
傘部材60(の対向面60A)は、ケーシング17の(端部の)外周17Cとの間に隙間を有して対向している。ケーシング17の(端部の)外周17Cは、軸と平行であり、傘部材60の対向面60Aの内径が、軸方向端部60Bに向けてD60A1からD60A2へと大きくなっている。そのため、傘部材60の対向面60Aとケーシング17の外周17Cとの間の隙間も、軸方向端部60Bに向けてδ1(60A−17C)からδ2(60A−17C)へと大きくなっている。
一方、キャリヤCa(の第1キャリヤ体31)の外周31Aには、オイルシール50よりも外側において、Oリング70が配置されている。Oリング70は、弾性部材で構成されている。そのため、例えば後述する図5の構成例のように、Oリング70は、自身の弾性反力のみで第1キャリヤ体31の外周31Aに留まることも可能である。しかし、この構成例では、該第1キャリヤ体31の外周31Aのオイルシール50よりも外側の位置に、リング状のOリング溝72を形成し、該Oリング溝72にOリング70を配置している。
Oリング溝72の軸方向幅W72は、Oリング70の直径d70より小さい。つまり、Oリング70は、Oリング溝72に一部が嵌まり込み、該Oリング溝72を塞いでいる。したがって、この構成例に係るOリング溝72は、後述する「キャリヤCaの外周31Aに形成された(クーラント誘導用の)リング状の溝」としては、実質的には機能していない。Oリング70は、キャリヤCa(の第1キャリヤ体31)の外周31AからH70の径方向高さを有している。
ケーシング17と、Oリング70は、径方向から見て重なっている。この構成例ではOリング70は、径方向から見たときに全体がケーシング17と重なっている。換言するならば、Oリング70の全体がケーシング端面17Aより軸方向オイルシール50側に位置している。具体的には、Oリング70の軸方向反オイルシール側の端部70Eは、ケーシング端面17AよりL(17A−70E)だけ軸方向オイルシール50側に位置している。Oリング70の軸方向中央70Cは、ケーシング端面17AよりL(17A−70C)だけオイルシール50側に位置している。すなわち、ケーシング端面17Aは、Oリング70の軸方向中央70Cよりも、軸方向外側にL(17A−70C)だけ突出している。
本構成例では、ケーシング17と(第1の)傘部材60の対向面60Aは、径方向から見たときにL(60−17)だけ重なっており、さらに、ケーシング端面17Aが、シール壁部53の壁部端面53Aよりも、軸方向にL(17A−53A)だけ突出している。これにより、クーラントがオイルシール50に到達する経路には、ラビリンスが形成されている。
なお、ケーシング17のケーシング端面17Aの内周側には、ケーシング面取り部17Dが形成されている。
次に、このシール構造の作用を説明する。
このシール構造においては、オイルシール50の外側の空間P1を覆う傘部材60を有している。そのため、この傘部材60の存在により、クーラントがオイルシール50を直撃することが低減される。
また、このシール構造においては、オイルシール50よりも外側において、キャリヤCa(の第1キャリヤ体31)の外周31Aに配置されたOリング70を備える。Oリング70は、キャリヤCaの第1キャリヤ体31の外周31Aに、径方向高さH70を有して配置されている。そのため、傘部材60から滴り落ちたクーラント(あるいは傘部材60をすり抜けてきたクーラント)を、Oリング70によって、オイルシール50側に流すことなく、第1キャリヤ体31の下側に誘導することができる。
これにより、減速装置10内にクーラントが浸入するのを、1個のオイルシール50で大幅に抑制すると共に、該オイルシール50がクーラントによって損傷するのを抑制することができる。
特に、この構成例においては、傘部材60は、キャリヤCa(の第1キャリヤ体31)と対向する対向面60Aを有し、対向面60Aは、軸方向端部60Bに向けて内径が、D60A1からD60A2へと大きくなっている(D60A1<D60A2)。前述したように、この実施形態では、減速装置10は、工作機械に軸方向を水平方向に向けて組み付けられている。そのため、対向面60Aは、傘部材60の上側では、軸に対してα度の角度でオイルシール50から離れるように降下している。これにより、傘部材60に降り掛かったクーラントを、オイルシール50から遠ざけるようにしてキャリヤCaの外周31Aの下側へと導くことができる。また、傘部材60の下側では、軸に対してα度の角度で軸から離れるように降下して外部に開放されている。これにより、キャリヤCaの外周31Aの下側に誘導されたクーラントを、該対向面60Aの傾斜により、良好にケーシング17の外部に排出することができる。結果として、クーラントは、オイルシール50に到達しにくくなっている。
また、この構成例においては、傘部材60は、ケーシング17の(端部の)外周17Cとの間に隙間δ(60A−17C)を有して対向している。しかも、隙間δ(60A−17C)は、軸方向端部60Bに向けてδ1(60A−17C)からδ2(60A−17C)へと大きくなっている。したがって、この構成によってもオイルシール50にクーラントが到達しにくくなっている。また、傘部材60を有する部材(この例では第2部材42)を、減速装置10側のケーシング17と干渉することなく、容易に組み付けることができる。この構成は、本実施形態のように、傘部材60とケーシング17とが径方向から見て重なっているような構造を採用している場合に、特に大きなメリットとなる。
また、この構成例においては、ケーシング17とOリング70とが径方向から見て重なっている。これにより、ケーシング17の軸方向端部60Bから滴り落ちるクーラントの多くを、Oリング70よりも軸方向外側(反オイルシール50側)に落下させることができ、該落下したクーラントがオイルシール50と接触するのを抑制することができる。特にこの構成例では、Oリング70の全体が径方向から見てケーシング17と重なっている。つまり、Oリング70の軸方向中央70Cが、ケーシング端面17AよりもL(17A−70C)だけ軸方向内側(オイルシール50側)に位置している。そのため、ケーシング端面17Aから滴り落ちるクーラントの大半を、Oリング70の反オイルシール側に落下させることができる。
本発明は、上記構成例のほか、様々な変形例が考えられる。
図3に示す変形例は、図1、図2の構成例と、Oリング溝72にOリング70が配置されていない点が異なっている。Oリング70が配置されていないことで、図1、図2の構成例におけるOリング溝72を、(クーラント誘導用の)リング状の溝80として機能させることができる。
すなわち、この変形例は、オイルシール50の外側の空間P1を覆う傘部材60と、オイルシール50よりも外側において、キャリヤCaの外周31Aに形成されたリング状の溝80を備えたシール構造と捉えることができる。
このシール構造によっても、傘部材60から滴り落ちたクーラント、あるいは傘部材60をすり抜けてきたクーラントを、キャリヤCa(の第1キャリヤ体31)の外周31Aに配置したリング状の溝80によってキャリヤCaの下側に誘導して、外部に排出する、という作用効果が得られる。
この構成は、Oリング70を有さない分、さらに低コスト化が可能である。このように、「リング状の溝」は、Oリングと共に設けられていてもよく、Oリングに代えて設けられていてもよい。
その他の構成は図1、図2の構成例と同一である。したがって、同一または類似する部材に先の実施形態と同一の符号を付すに止め、重複説明を省略する。以降の実施形態も同様である。
図4に示す変形例は、一般的な減速装置に、追加加工的な設計変更を行うことによって本発明のシール構造を構成したものである。この構成例では、図1、図2の構成例と比較して、ケーシング81とOリング70とが径方向から見て重なっていない。具体的には、ケーシング端面81Aは、オイルシール50のシール壁部53の壁部端面53Aと面一であり、壁部端面53Aから突出していない。
また、第2部材43のフランジ部43Fには、傘部材は一体的に形成されていない。つまり傘部材の形成されていないフランジ部43Fに、第2部材43とは別部材の傘部材76を、ボルト78によって結合している。傘部材76は、単純なリング状の部材で構成され、ケーシング81の外周81Cとの間に一定の隙間δ(76−81C)を有して対向している。
傘部材76は軸方向に延在する延在部(この例では対向面76A)を有し、延在部の軸方向長さL76Aは、オイルシール50の軸方向長さL50よりも大きい(L76A>L50)。傘部材76は、キャリヤCaと対向する対向面76Aを有してはいるが、該対向面76Aは、軸と平行な面で構成されている。つまり、対向面76Aは、軸方向端部76Bに向けて内径が大きくなる傾斜構成は採用されていない。
これらの構成により、図4に示す変形例では、一般的な減速装置や第2部材に対する追加加工で本発明に係るシール構造を構成することができ、また、製造コストを低減することができる。
その他の構成は図1、図2の構成例と同様である。つまり、オイルシール50よりも外側において、キャリヤCaの第1キャリヤ体の31の外周31Aに(Oリング溝72付きの)Oリング70が配置されている。
図5に示す変形例では、図1および図2の構成例に対し、オイルシール50よりもケーシング82が突出している部分であるケーシング突出部82Pをより大きく確保している。具体的には、ケーシング82の端面82Aは、オイルシール50の壁部端面53Aから軸方向外側にL(82A−53A)だけ大きく突出している。ケーシング突出部82Pが軸方向に延在する軸方向長さL(82A−53A)は、オイルシール50の軸方向長さL50の1/2以上存在しており、傘部材60とのラビリンス効果を一層高めることができる。
そしてこの大きく確保されたケーシング突出部82Pの径方向内側(オイルシール50よりも外側におけるキャリヤCaの第1キャリヤ体31の外周31A)に、Oリング70を配置している。Oリング70は、Oリング溝無しで配置されている。Oリング70は、オイルシール50のシール壁部53の壁部端面53Aに当接することによって位置決めされている。
Oリング70がOリング溝72に嵌め込まれていない分、キャリヤCaの外周31AからのOリング70の径方向高さH70hを、図1、図2でのOリング溝72に嵌め込まれたときのOリング高さH70より高く確保することができる(H70h>H70)。換言するならば、図1、図2に使用したOリング70と同一の大きさのOリング70を用いた場合であっても、より堰き止め効果を高めることができる。
また、図3の構成例と同様に、Oリング溝72がOリング70の反オイルシール50側に配置されているにも拘わらず、図5の構成例では、該Oリング溝72に敢えてOリング70を配置していない。これにより、Oリング溝72を、クーラント誘導用のリング状の溝80として機能させることができる。この構成例では、Oリング70およびクーラント誘導用のリング状の溝80(Oリング溝72)共、径方向から見たときに、ケーシング82と重なっている。また、リング状の溝80は、Oリング70よりも外側に配置されている。
その他の構成は、図1および図2で説明した構成例と同一である。
図6に示す変形例は、図1、図2の構成例に対し、傘部材90が工作機械側の第2部材43にではなく、減速装置10のケーシング92に設けられている。ケーシング92は、内周90Aに、オイルシール50から、該オイルシール50の嵌合面92Eと面一で軸と平行に延在している突出部90A1と、傘部材90の対向面90A2を備える。対向面90A2は、ケーシング92の軸方向端部92Bに向けて内径が大きくなっている。
突出部90A1と対向面90A2は、軸と直角に形成された連結部90A3、および面取り部90A4によって連結されている。対向面90A2は、キャリヤCaの第1キャリヤ体31の外周31Aと、連結部90A3の近傍で対向している。なお、対向面90A2は、第2部材43の外周43Bとも、軸方向端部92Bに近づくほど大きくなる隙間δ(90A2−43B)を有して対向している。
図6に示す変形例では、傘部材90の対向面90A2を伝ってきたクーラントは、連結部90A3にぶつかり、径方向内側の流れの方向が軸と直角に転換されるため、クーラントの大半をOリング70の反オイルシール50側に誘導することができる。
また、傘部材90の対向面90A2は、ケーシング92の軸方向端部92Bに向けて内径が大きくなっているため(隙間δ(90A2−43B)が大きくなっているため)、この対向面90A2の傾斜により、減速装置10の下側に誘導されたクーラントを円滑に外部に誘導・排出することができる。また、対向面90A2の傾斜により、径方向から見たときに減速装置10のケーシング92と工作機械の第2部材43とが重なっていても、減速装置10のケーシング92と第2部材43との連結を容易に行うことができる。
また、この構成例では、シール構造を構築するために、基本的に第2部材43を加工したりする必要がないため、構築の自由度が高い、というメリットが得られる。
その他の構成は、図1および図2で説明した構成例と同一である。
上述した変形例のほかにも、本発明には、さらにさまざまな変形例が考えられる。
例えば、オイルシールの外側を覆う傘部材の形状や大きさは、特に上記構成例に限定されない。これまで説明した傘部材は、いずれもキャリヤの外周と対向する対向面を有していたが、例えば、クーラントが流れてくる方向によっては、キャリヤとではなく、ケーシングや相手部材とのみ対向する対向面を有するような傘部材であってもよい。
Oリングやリング状の溝は、キャリヤの外周に複数配置または形成されていてもよい。Oリングのみが複数設けられていても、リング状の溝のみが複数設けられていても、混在された状態で複数設けられていてもよい。
リング状の溝の形状や大きさも特に限定されない。例えば、上記構成例では、軸心を通る断面の形状がV字型のリング状の溝を形成するようにしていたが、例えば、軸心を通る断面の形状が矩形状、円弧状、U字状、あるいはこれらを組み合わせた形状のリング状の溝を形成するようにしてもよい。
また、上記構成例においては、装置の例として、偏心揺動型の減速装置が示されていたが、本発明に係るシール構造は、ケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤとの間にオイルシールを備えているならば、適用される装置は、偏心揺動型の減速装置に限定されない。例えば、単純遊星型の減速装置であってもよい。更には、減速装置である必要もなく、例えば、入出力が等速の回転装置であってもよい。
17…ケーシング
17A…ケーシング端面
31A…外周
50…オイルシール
60…傘部材
60A…対向面
70…Oリング
80…リング状の溝
Ca…キャリヤ
P1…空間

Claims (9)

  1. ケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、前記ケーシングと前記キャリヤとの間に配置されるオイルシールと、を備えたシール構造において、
    前記オイルシールの外側の空間を覆う傘部材と、
    前記オイルシールよりも外側において、前記キャリヤの外周に配置されたOリングと、を備え
    前記オイルシールは、潤滑剤が封入される空間と他の空間を隔て、
    前記外側の空間は、前記他の空間であるとともに、前記傘部材の径方向外側の空間に連通されている
    ことを特徴とするシール構造。
  2. ケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、前記ケーシングと前記キャリヤとの間に配置されるオイルシールと、を備えたシール構造において、
    前記オイルシールの外側の空間を覆う傘部材と、
    前記オイルシールよりも外側において、前記キャリヤの外周に形成されたリング状の溝と、を備え
    前記オイルシールは、潤滑剤が封入される空間と他の空間を隔て、
    前記外側の空間は、前記他の空間であるとともに、前記傘部材の径方向外側の空間に連通されている
    ことを特徴とするシール構造。
  3. 請求項1または2において、
    前記傘部材は、前記キャリヤと対向する対向面を有し、
    該対向面は、軸方向端部に向けて内径が大きくなっている
    ことを特徴とするシール構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記傘部材は、前記ケーシングと、該ケーシングの外周との間に隙間を有して対向している
    ことを特徴とするシール構造。
  5. 請求項1において、
    前記ケーシングと前記Oリングが、径方向から見て重なっている
    ことを特徴とするシール構造。
  6. 請求項2において、
    前記ケーシングと前記リング状の溝が、径方向から見て重なっている
    ことを特徴とするシール構造。
  7. 請求項1において、
    前記Oリングよりも外側において、前記キャリヤの外周にリング状の溝が形成されている
    ことを特徴とするシール構造。
  8. 外歯歯車と、該外歯歯車と噛み合う内歯歯車と、該内歯歯車が設けられたケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、前記ケーシングと前記キャリヤとの間に配置されるオイルシールと、を備えた歯車装置において、
    前記オイルシールの反外歯歯車側の空間を覆う傘部材と、
    前記オイルシールよりも反外歯歯車側において、前記キャリヤの外周に配置されたOリングと、を備え
    前記オイルシールは、潤滑剤が封入される空間と他の空間を隔て、
    前記反外歯歯車側の空間は、前記他の空間であるとともに、前記傘部材の径方向外側の空間に連通されている
    ことを特徴とする歯車装置。
  9. 外歯歯車と、該外歯歯車と噛み合う内歯歯車と、該内歯歯車が設けられたケーシングと、該ケーシングと相対回転するキャリヤと、前記ケーシングと前記キャリヤとの間に配置されるオイルシールと、を備えた歯車装置において、
    前記オイルシールの反外歯歯車側の空間を覆う傘部材と、
    前記オイルシールよりも反外歯歯車側において、前記キャリヤの外周に形成されたリング状の溝と、を備え
    前記オイルシールは、潤滑剤が封入される空間と他の空間を隔て、
    前記反外歯歯車側の空間は、前記他の空間であるとともに、前記傘部材の径方向外側の空間に連通されている
    ことを特徴とする歯車装置。
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