JP6410117B2 - 水晶振動片の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水晶振動片の製造方法に関する。
ウェットエッチングにより形成される水晶振動片として、たとえば、特許文献1にあげるようなメサ型や逆メサ型の水晶振動片が知られている。
特開2011−66905号公報
このようなメサ型や逆メサ型の水晶振動片においては、その段差はウェットエッチングにより形成され、その側壁は自然結晶面となる。自然結晶面は、水晶特有のエッチング異方性により、配置場所や角度が決まっているため、形成される場所によって側壁の傾斜角度が異なり、水晶振動片の等方性がくずれてしまう場合がある。これにより、励振電極を起点とした振動の等方性がくずれ、振動特性を低下させてしまう問題があった。
本発明はかかる事情に考慮してなされたものであり、その目的は、形成されている面の傾斜角度が略等しく、等方性を有することにより、優れた振動特性を有する水晶振動片の製造方法を得ることである。
本発明の水晶振動片の製造方法の一つの態様は、ATカットにより形成される水晶振動板を備える水晶振動片の製造方法であって、ATカットされたウエハを準備する工程と、前記ウエハの表面をドライエッチング加工するドライエッチング工程と、前記ドライエッチング工程の後に、前記ウエハの表面にエッチング保護膜とフォトレジスト膜とを成膜する成膜工程と、前記フォトレジスト膜をパターニングするパターニング工程と、パターニングされた前記フォトレジスト膜を用いて前記エッチング保護膜をエッチングするエッチング工程と、エッチングされた前記エッチング保護膜をマスクとしてウェットエッチングによって前記ウエハをエッチングし、前記ウエハに対して斜面を形成する斜面エッチング工程と、前記ウエハを個片化して前記水晶振動板を形成する個片化工程と、を有し、前記水晶振動板は、基面と、前記基面に設けられた凸部および凹部のうち一方と、を有し、前記斜面は、前記凸部および前記凹部のうち一方の側面であり、前記凸部および前記凹部のうち一方は、前記斜面を介して前記基面と接続される主面を有する。
本発明の水晶振動片の製造方法の一つの態様は、ATカットにより形成される水晶振動片の製造方法であって、ATカットされたウエハを準備する工程と、前記ウエハの表面をドライエッチング加工するドライエッチング工程と、前記ドライエッチング工程の後に、前記ウエハの表面にエッチング保護膜とフォトレジスト膜とを成膜する成膜工程と、前記フォトレジスト膜をパターニングするパターニング工程と、パターニングされた前記フォトレジスト膜を用いて前記エッチング保護膜をエッチングするエッチング工程と、エッチングされた前記エッチング保護膜をマスクとしてウェットエッチングによって前記ウエハをエッチングし、前記ウエハに対して斜面を形成する斜面エッチング工程と、前記ウエハを個片化して水晶振動片を形成する個片化工程と、を有する。
前記ウエハの主面に対する前記斜面の傾斜角度は、自然結晶面と前記主面とが成す角度よりも小さい製造方法としてもよい。
前記斜面エッチング工程では、前記ウエハにおいて前記マスクから露出している領域と、前記マスクの下側の領域の一部がエッチングされることで、前記マスクの下側を含む領域に前記斜面が形成される製造方法としてもよい。
前記水晶振動片は平面視が矩形状に形成されており、水晶結晶の結晶軸におけるZ’軸方向が長辺方向となるように形成されている製造方法としてもよい。
本発明の水晶振動片は、ATカットにより形成される水晶振動片において、中央に励振電極が形成されている主面と、前記主面に接続され、前記主面における所定方向の中心に対して対称に設けられた、少なくとも一組の斜面と、を備え、前記一組の斜面は、前記主面に対する傾斜角度が略等しいことを特徴とする。
この構成によれば、励振電極が設けられた主面の中心に対して、対称に設けられている少なくとも一組の斜面が、それぞれ略等しい角度で傾斜している。そのため、励振電極を起点とした、振動の等方性が得られ、振動特性に優れた水晶振動片が得られる。
また、振動の等方性が得られることにより、厚みすべり主振動と、厚み副振動との周波数差を大きくでき、厚み副振動の振動強度も下げることができる。したがって、安定した振動が得られる。
前記傾斜角度は、自然結晶面と前記主面とが成す角度よりも小さくてもよい。
この構成によれば、主面と斜面との境界部において振動が発振することを抑制でき、かつ端部に伝わる振動を減衰できる。したがって、振動エネルギーの閉じ込め精度に優れた水晶振動片が得られる。
前記主面と、前記斜面と、を備える中央部と、前記中央部の厚みと異なる厚みで形成される周辺部と、を備え、前記斜面は、前記周辺部の表面と前記主面とを接続してもよい。
この構成によれば、メサ型または逆メサ型の振動特性に優れた水晶振動片が得られる。
前記傾斜角度は、20°以下であってもよい。
この構成によれば、振動エネルギーの閉じ込め精度に優れた水晶振動片が得られる。
本発明の水晶振動子は、本発明の水晶振動片を備える。
この構成によれば、前述した水晶振動片を備えるため、同様に振動特性の優れた水晶振動子が得られる。
本発明によれば、形成されている面の傾斜角度が略等しく、等方性を有することにより、優れた振動特性を有する水晶振動片の製造方法が得られる。
水晶振動子の実施形態を示す分解斜視図である。 水晶板の切断角度および水晶結晶の座標軸を説明するためのランバード原石の斜視図である。 第1実施形態を示す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 第1実施形態の水晶振動片の製造工程の一部を示すフローチャートである。 第1実施形態の水晶振動片の製造工程の手順を示す断面図および平面図である。 第2実施形態を示す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 第3実施形態を示す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。 第4実施形態を示す図であって、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る水晶振動片、水晶振動片の製造方法および水晶振動子について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の水晶振動子を示す、分解斜視図である。
本実施形態の水晶振動子1は、図1に示すように、ベース基板2とリッド基板3とで2層に積層された箱状に形成されており、内部のキャビティC内に水晶振動片4がマウントされている。
水晶振動片4は、水晶振動板10と、水晶振動板10上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
水晶振動板10は、図2に示すように、X軸、Y軸、Z軸で水晶結晶の座標軸が定義された水晶のランバード原石6をATカット(表裏主面がX軸回りにZ軸から半時計方向に約35度15分の角度となるようにカット)されることで得られた水晶板7を、その後、ウェットエッチング加工によって平面視矩形状に形成されたものである。
なお、図2は、水晶板7の切断角度及び水晶結晶の座標軸を説明するためのランバード原石6の斜視図である。また、本実施形態においてZ’軸とは、図1に示すように、水晶振動板10の表裏主面上においてX軸と直交する方向の結晶軸であり、Y’軸とはX軸およびZ’軸に対して直交する結晶軸をいう。
図3は、水晶振動片4を示す図であって、図3(a)は正面図、図3(b)は平面図、図3(c)は側面図である。
水晶振動板10は、図3に示すように、中央部30と、周辺部31と、を備えている。
周辺部31は、直方体であり、中央部30の長辺方向(X軸方向)両端に設けられている。
中央部30は、基部30aと、凸部30bと、を備えている。
基部30aは、直方体である。
凸部30bは、側面視台形の四角柱形状である。凸部30bは、台形の短辺側が上側(+Y’方向側)となるようにして、基部30a上に設けられている。凸部30bは、表主面10aと、表主面10aにおける水晶振動板10の長辺方向(X軸方向)の両端に、水晶振動板10の短辺方向(Z’軸方向)に沿って、斜面11a,11bが形成されている。斜面11aは、表主面10aの+X方向側の短辺の全長に亘って、表主面10aに対して角度θ1で傾斜している。斜面11bは、表主面10aの−X方向側の短辺の全長に亘って、表主面10aに対して角度θ2で傾斜している。
水晶振動片4の斜面11a,11bの角度θ1,θ2は、略等しい角度となっており、自然結晶面と水晶振動片の主面とが形成する角度の値よりも小さい。角度θ1,θ2としては、たとえば、20°以下である。
一対の電極膜20は、図1および図3に示すように、それぞれ励振電極21と、引出電極22と、マウント電極23と、を備えている。
励振電極21は、水晶振動板10の表裏主面10a,10bの略中央部分にそれぞれ形成され、水晶振動板10を挟んで向かい合うように形成されている。一方側(−X方向側)の周辺部31における、水晶振動板10の短辺方向(Z’軸方向)の両端部には、マウント電極23がそれぞれ設けられている。マウント電極23は、周辺部31における表主面10a側の表面12aから、側面を介して、裏主面10b側の表面に亘って形成されている。
また、マウント電極23のうち、一方のマウント電極23は引出電極22を介して表主面10a上に形成された一方の励振電極21に電気的に接続され、他方のマウント電極23は引出電極22を介して裏側の裏主面10b上に形成された他方の励振電極21に電気的に接続されている。
なお、上述した励振電極21、引出電極22およびマウント電極23からなる電極膜20は、金等の単層膜や、クロム等の金属を下地層とした上に金等の金属層を積層した積層膜で形成されている。
このように構成された水晶振動片4は、バンプや導電性接着剤等の実装部材を利用して、図1に示すようにベース基板2の上面2aにマウントされる。より具体的には、ベース基板2の上面2aに形成されたインナー電極300に対して、水晶振動板10の裏主面10bに形成された一対のマウント電極23が実装部材を介してそれぞれ接触した状態でマウントされる。
これにより、水晶振動片4は、ベース基板2の上面2aに機械的に保持されると共に、インナー電極300とマウント電極23とがそれぞれ導通された状態となっている。
次に、図4および図5を参照して、水晶振動片4の斜面の製造方法について説明する。
図4は、水晶振動片4の製造工程における、斜面11a,11bの形成工程を示したフローチャートである。
図5は、水晶振動片4の製造工程における、斜面11a,11bの形成手順について示した断面図および平面図である。
本実施形態の水晶振動片の製造方法における、斜面11a,11bの形成工程は、図4に示すように、ウエハ準備工程S1と、凹部形成工程S2と、を有する。
まず、図4に示すように、水晶のランバート原石をATカットして一定の厚みとしたウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行なって所定の厚みのウエハS(図5(a)参照)を準備する(S1)。
凹部形成工程S2は、ウエハSの表面に後述する凹部42を形成する工程である。
まず、図5(a)に示すように、ウエハSの表面をドライエッチング加工する(S2a)。
ドライエッチングとしては、ウエハSの表面を、後述するウエハSを斜面エッチング加工する工程S2fにおいて、斜面11aが形成できる範囲内において、特に限定されない。たとえば、リアクティブイオンエッチング(RIE)や、逆スパッタ等を選択できる。
この工程により、ウエハSの表面が平坦化される。
次に、図5(b)に示すように、ウエハSの両面にエッチング保護膜40とフォトレジスト膜41とをそれぞれ成膜する(S2b)。
エッチング保護膜40は、たとえば、クロム(Cr)を数10nm成膜したエッチング保護膜と、金(Au)を数10nm成膜したエッチング保護膜とが、順次積層された積層膜である。
この工程S2bにおいては、まず、ウエハSの表裏主面に、順次、エッチング保護膜40を、それぞれスパッタリング法や蒸着法などにより成膜する。
次いで、エッチング保護膜40上に、スピンコート法などによりレジスト材料を塗布して、フォトレジスト膜41を形成する。
なお、本実施形態で用いるレジスト材料としては、環化ゴム(たとえば、環化イソプレン)を主体にしたゴム系ネガレジストが好適に用いられている。ゴム系ネガレジストは、環化ゴムを有機溶剤に溶解し、さらにビスアジド感光剤を加えて、ろ過し、不純物を除去することで精製されたものである。
次に、エッチング保護膜40およびフォトレジスト膜41が成膜されたウエハSの一方側(+Y’方向側)の面を、外形パターンが形成されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これにより、図5(c)に示すように、フォトレジスト膜41の一方側に外形パターン41aを形成する(S2c)。
外形パターン41aは、水晶振動板10の外形に沿った形状である。
次に、外形パターン41aが形成されたフォトレジスト膜41をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40を選択的に除去する(S2d)。
次に、エッチング加工後にフォトレジスト膜41を剥離する(S2e)。
これらにより、図5(d)に示すように、エッチング保護膜40の一方側に外形パターン40aを形成する。
なお、エッチング加工には、エッチング保護膜40とフォトレジスト膜41が形成されたウエハSを、薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。
具体的には、たとえば、エッチング保護膜40が、金(Au)からなる場合には、薬液としてヨウ素を用いてエッチングすることができる。
なお、このパターニングは、複数の水晶振動板10の数だけ、一括して行なう。
次に、エッチング保護膜40の外形パターン40aをマスクとして、マスクされていないウエハSを選択的に斜面エッチング加工する(S2f)。
これにより、図5(e)に示すように、マスクされていないウエハSの露出面から、マスクの下側の部分もエッチングされ、ウエハSの主面に対して緩やかな角度で交差する斜面11a,11bを側面として有する凹部42が形成される。
ここで、通常、水晶のエッチングでは、水晶特有のエッチング異方性によって、特定の角度を有する自然結晶面が現れる。またマスクされていない露出面から、マスクの下側(内側)にエッチングが進行することはほとんどみられない。
これに対して、本実施形態では、斜面エッチングを行う前に、ウエハSの表面をドライエッチング加工(S1)しているため、エッチングがマスクの下側にまで進行し、自然結晶面の角度に依存しない緩やかな角度を有する斜面を形成できる。
次に、図5(f)に示すように、エッチング保護膜40を除去するエッチング加工を行なう(S2g)。
以上の工程により、凹部形成工程S2が終了し、凹部42が形成されたウエハSが得られる。
以上のS1およびS2の工程により、斜面11a,11bが形成される。この後、斜面11a、11bが形成されたウエハSを、個片化することにより、水晶振動板10が得られる。
本実施形態の水晶振動片によれば、斜面11aの表主面10aに対する傾斜角度θ1と、斜面11bの表主面10aに対する傾斜角度θ2と、の角度が略等しく、水晶振動板10は、励振電極21が形成されている表裏主面10a,10bの中心を通るX軸、Y’軸、Z’軸に対してそれぞれ線対称に構成されている。そのため、励振電極21を起点とした、振動の等方性が得られ、振動特性に優れた水晶振動片が得られる。
また、振動の等方性が得られることにより、厚みすべり主振動と、厚み副振動との周波数差を大きくでき、厚み副振動の振動強度も下げることができる。したがって、安定した振動が得られる。
また、水晶振動片においては、厚み滑り振動の他、屈曲振動、輪郭すべり振動等の振動モードがあることが知られている。これらの厚み滑り振動以外の振動(以下、不要振動という)の影響が大きいと、アクティビティディップが発生し、水晶振動片の振動特性が不安定になる。
厚み滑り振動が水晶振動片の厚さに依存するのに対して、不要振動の多くは水晶振動片の長さに依存するため、不要振動は水晶振動片の端部において発生しやすい。そのため、水晶振動片の中央部から端部に向けて水晶振動片の厚さを薄くし、端部での振動を減衰させることで、不要振動を抑制できる。水晶振動片の中央部から端部に向けて水晶振動片の厚さを薄くする方法としては、水晶振動片の端部に斜面を設ける方法があるが、従来の水晶振動片では、端部に設けられる斜面が水晶片の自然結晶面であったため、主面に対する角度が大きく、水晶振動片の端部ではなく、斜面と主面とが交差する位置において不要振動が発生してしまうという問題があった。
これに対して、本実施形態の水晶振動片4によれば、斜面11a,11bの角度θ1,θ2が十分に緩やかに形成されているため(たとえば、20°以下)、斜面11a,11bと表主面10aとが交差する位置において振動伝達が阻害されず、斜面と主面とが交差する位置における不要振動の発生を抑制できる。また、端部においては、振動は十分に減衰されているため、不要振動による影響を抑制できる。その結果、水晶振動片の振動特性を安定させることができる。
また、本実施形態のようなメサ型の水晶振動片では、励振電極が凸部上の主面に形成され、マウント電極が周辺部の表面に形成される。そのため、励振電極とマウント電極を接続する引き出し電極は、主面と周辺部の表面とを接続する斜面に形成されることになる。これらの電極はスパッタ法等によって成膜されるが、主面に対する斜面の傾斜角度が大きいと(たとえば、90°)、主面と周辺部の表面とに対向する側からスパッタ粒子を付着させた場合に、斜面に付着するスパッタ粒子が少なく、十分な厚みの電極膜を形成することが困難となる。これにより、引き出し電極の抵抗値が高くなり、水晶振動片の抵抗値が高くなってしまうおそれがあった。
これに対して、本実施形態の水晶振動片4によれば、斜面11bは、自然結晶面に比べて、表主面10aに対する傾斜角度が緩やかである。そのため、表主面10aと、周辺部31の表主面10a側の表面と、に対向するようにしてスパッタ粒子を付着させた場合でも、斜面11b上に引出電極22を十分な厚みで形成することが容易である。したがって、スパッタ法による電極膜の成膜法を採用できる。これにより、抵抗値が低く抑えられた水晶振動片が得られる。
また、上述の製造方法で作製された水晶振動片4における斜面は、従来の機械加工で作製されるような曲面状に形成されず、平坦度の高い平坦面として形成される。また、従来の機械加工では斜面と主面との接続部が曲面状に連続的に形成されてしまうが、上述の製造方法で作製された水晶振動片4においては、斜面と主面との接続部が明確に分離されるようになる。これは、平坦度の高い斜面と同じく平坦度の高い主面とが接続されることで、斯かる接続部がその断面から見て角をもつ形状として形成されることによる。よって、主面の全面の平坦度が確保され、主面の表裏面の平行度が増すため、水晶振動子としての所望のQ値を確保できるようになる。
[第2実施形態]
次に、基部30aの厚さ方向(Y軸方向)両側に凸部30bが設けられた水晶振動片である、第2実施形態について説明する。
図6は、本実施形態の水晶振動片5を示す図であって、図6(a)は正面図、図6(b)は平面図、図6(c)は側面図である。
水晶振動片5は、図6に示すように、水晶振動板10Aと、水晶振動板10A上に形成された一対の電極膜20と、を備えている。
水晶振動板10Aは、中央部30Aと、周辺部31と、を備える。
中央部30Aは、基部30aと、2つの凸部30bと、を備える。+Y方向側に設けられた凸部30bの面は表主面10aであり、−Y軸方向側に設けられた凸部30bの面は裏主面10bである。表裏主面10a,10bの水晶振動板10Aの+X方向側には、それぞれ表裏主面10a,10bに対して角度θ1で傾斜する斜面11aが設けられており、−X方向側には、それぞれ表裏主面10a,10bに対して角度θ2で傾斜する斜面11bが設けられている。角度θ1と角度θ2とは、略等しく、自然結晶面と表裏主面10a,10bとの成す角度よりも緩やかな角度である。
本実施形態のように、両面側に凸部が設けられているようなメサ型の水晶振動片では、両面に設けられている斜面の傾斜角度が異なり、そのうちに傾斜角度が大きい(たとえば、90°)斜面が含まれる場合、このような斜面には、前述したように、引き出し電極の形成が困難であるため、マウント電極の形成位置が制限されてしまう場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、両面に設けられている斜面11a,11bの角度θ1,θ2は、すべて緩やかな傾斜であるため、マウント電極の形成位置が制限されることを抑制できる。
[第3実施形態]
次に、凸部が両面側に設けられ、凸部の周囲4辺に斜面が設けられている、第3実施形態について説明する。
図7は、第3実施形態の水晶振動片120を示した図であって、図7(a)は正面図、図7(b)は平面図、図7(c)は側面図である。
水晶振動片120は、図7に示すように、水晶振動板121と、水晶振動板121の表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
水晶振動板121は、直方体200aと、直方体200aの基面124a,124bの中央にそれぞれ設けられている四角錐台状の凸部200bと、で構成されている。
直方体200aの側面122b,123bは、基面124a,124bに対して略垂直に設けられている。
凸部200bは、面積の大きい側の面が、直方体200aの基面124a,124bとそれぞれ当接するようにして設けられており、反対側の面は、それぞれ水晶振動片120の表裏主面121a,121bとなっている。表裏主面121a,121b上には励振電極21が設けられており、表裏主面121a,121bは、直方体200aの基面124a,124bと平行である。
凸部200bにおける、短辺方向(Z’軸方向)に沿った斜面122aおよび長辺方向(X軸方向)に沿った斜面123aは、それぞれ表裏主面121a,121bに対する角度が、自然結晶面よりも緩やかで、かつ略等しい角度で形成されている。
なお、本実施形態において、中央部32は、凸部200bと、直方体200aにおける、凸部200bで挟まれた部分と、で構成され、周辺部33は、中央部における直方体200aの部分を除いた、直方体200aの残りの部分で構成されている。
[第4実施形態]
次に、逆メサ型の水晶振動片である、第4実施形態について説明する。
図8は、第4実施形態の水晶振動片130を示した図であって、図8(a)は正面図、図8(b)は平面図、図8(c)は側面図である。
水晶振動片130は、図8に示すように、水晶振動板131と、水晶振動板131の表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
水晶振動板131は、直方体であり、基面134a,134bの中央部には、それぞれ凹部210が形成されている。水晶振動板131の側面132b,133bは、基面134a,134bに対して略垂直に設けられている。
凹部210は、側面が斜面となるように形成されている。凹部210の底面は、励振電極21が形成された表裏主面131a,131bであり、水晶振動板131の基面134a,134bと平行に形成されている。凹部210の長辺方向(X軸方向)に沿った側面である斜面133aおよび短辺方向(Z’軸方向)に沿った側面である斜面132aは、それぞれ表裏主面131a,131bに対する角度が、自然結晶面よりも緩やかで、かつ略等しい角度で形成されている。
なお、本実施形態において、中央部34は、凹部210が形成され、凹部210によって挟まれている、直方体200aの部分で構成され、周辺部35は、中央部における直方体200aの部分を除いた、直方体200aの残りの部分で構成されている。
なお、上記に説明した実施形態において、斜面の傾斜角度が略等しい、とは斜面同士の傾斜角度の差異が10°以内である場合までを含むものとする。
なお、上記に示した実施形態は、メサ型および逆メサ型の水晶振動片であるが、これに限られず、段差が設けられていない単純矩形の水晶振動片であってもよい。
なお、上記に示した実施形態においては、長辺方向をX軸方向、短辺方向をZ’軸方向としたが、長辺方向をZ’軸方向、短辺方向をX軸方向とすることもできる。また、X軸方向とZ’軸方向とを同じ長さの辺とする正方形とすることもできる。また、XZ’面内で回転させ、各辺の向きをX軸方向やZ’軸方向から所定角度ずらした向きとすることもできる。
1…水晶振動子、4,5,120,130…水晶振動片、10a,121a,131a…表主面、10b,121b,131b…裏主面、21…励振電極、11a,11b,122a,123a,132a,133a…斜面、30,32,34…中央部、31,33,35…周辺部

Claims (4)

  1. ATカットにより形成される水晶振動板を備える水晶振動片の製造方法であって、
    ATカットされたウエハを準備する工程と、
    前記ウエハの表面をドライエッチング加工するドライエッチング工程と、
    前記ドライエッチング工程の後に、前記ウエハの表面にエッチング保護膜とフォトレジスト膜とを成膜する成膜工程と、
    前記フォトレジスト膜をパターニングするパターニング工程と、
    パターニングされた前記フォトレジスト膜を用いて前記エッチング保護膜をエッチングするエッチング工程と、
    エッチングされた前記エッチング保護膜をマスクとしてウェットエッチングによって前記ウエハをエッチングし、前記ウエハに対して斜面を形成する斜面エッチング工程と、
    前記ウエハを個片化して前記水晶振動を形成する個片化工程と、
    を有し、
    前記水晶振動板は、基面と、前記基面に設けられた凸部および凹部のうち一方と、を有し、
    前記斜面は、前記凸部および前記凹部のうち一方の側面であり、
    前記凸部および前記凹部のうち一方は、前記斜面を介して前記基面と接続される主面を有する水晶振動片の製造方法。
  2. 前記水晶振動板上に電極膜を形成する工程をさらに有し、
    前記電極膜は、前記主面に形成された励振電極と、前記基面に形成されたマウント電極と、前記励振電極と前記マウント電極とを繋ぐ引出電極と、を有し、
    前記電極膜を形成する工程では、前記斜面上に前記引出電極が形成される請求項1に記載の水晶振動片の製造方法。
  3. 前記斜面エッチング工程では、前記ウエハにおいて前記マスクから露出している領域と、前記マスクの下側の領域の一部がエッチングされることで、前記マスクの下側を含む領域に前記斜面が形成される請求項1又は2に記載の水晶振動片の製造方法。
  4. 前記水晶振動片は平面視が矩形状に形成されており、水晶結晶の結晶軸におけるZ’軸方向が長辺方向となるように形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水晶振動片の製造方法。
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