JP2006311015A - 圧電振動片及び圧電振動子 - Google Patents
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Abstract
【課題】
逆メサ型圧電振動片の段差部に形成する電極の断線を防ぐことができる圧電振動片を提供する。
【解決手段】
振動部14における圧電部材12の厚さを周縁部16における圧電部材12の厚さより薄く形成し、振動部14に形成した励振電極18と前記周縁部16に形成した接続電極20とを引き出し電極22(22a〜22c)によって接続する逆メサ型の圧電振動片10であって、前記引き出し電極22は、前記振動部14と前記周縁部16との間の段差部分に配された引き出し電極22aの幅を平面部分に配された引き出し電極22b,22cの幅よりも広くしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
逆メサ型圧電振動片の段差部に形成する電極の断線を防ぐことができる圧電振動片を提供する。
【解決手段】
振動部14における圧電部材12の厚さを周縁部16における圧電部材12の厚さより薄く形成し、振動部14に形成した励振電極18と前記周縁部16に形成した接続電極20とを引き出し電極22(22a〜22c)によって接続する逆メサ型の圧電振動片10であって、前記引き出し電極22は、前記振動部14と前記周縁部16との間の段差部分に配された引き出し電極22aの幅を平面部分に配された引き出し電極22b,22cの幅よりも広くしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は圧電振動片及び圧電振動子に係り、特に振動部における圧電部材の厚さを周縁部の圧電部材の厚さよりも薄く形成した逆メサ型の圧電振動片及び当該圧電振動片を搭載した圧電振動子に関する。
近年、圧電振動子には高い共振周波数を有することが要求されてきている。一般には、圧電振動子に搭載する圧電振動片の厚さを薄くすることにより共振周波数を向上させる技術が知られている。そして、圧電振動片の強度(剛性)と共振周波数の向上とを考慮して、図6に示すような逆メサ型の圧電振動片が開発されている。逆メサ型の圧電振動片1とは、振動部2における圧電部材の厚さを周縁部3における圧電部材の厚さよりも薄く形成した圧電振動片のことをいう。例えば特許文献1に開示されている圧電振動片がそれである。圧電振動片をこのように形成することで、高い共振周波数を得つつ、必要な強度も得ることができる扱い易い圧電振動片とすることができるのである。
上記特性を有する逆メサ型圧電振動片は、振動部2に励振電極5を形成し、周縁部3に接続電極(不図示)を形成している。このため、励振電極5と接続電極とを電気的に接続する引き出し電極4は、振動部と周縁部との段差を跨いで形成されることとなる。こうした場合、段差部分、特にエッジを形成する山折りを成す角部において断線が生じる虞がある。これは、圧電振動片の電極形状の形成がケミカルエッチングによって成されることに起因する。上述したエッジ部分には、ケミカルエッチングの保護膜として用いられるレジストパターンを形成することが困難なのである。したがって、エッジ部分に形成されるレジストパターンは間欠的であったり、スジ状に抜けてしまったりすることがある。このような状態でケミカルエッチングを施された圧電振動片の引き出し電極は、レジストパターンが抜けている部分がエッチングされてしまうこととなり、場合によっては断線に到る。
このような事態を打開するために、段差部に形成する電極の断線を防止する技術について調査したところ、特許文献2に開示されている技術を検出することができた。特許文献2に開示されている技術は、振動部における圧電部材の厚さを周縁部の圧電部材の厚さよりも厚くするというメサ型の圧電振動片に関するものである。特許文献2には、引き出し電極を形成する部位の圧電部材の厚さを、振動部における圧電部材の厚さと等しくすることで、引き出し電極を形成する部位の段差を無くすことが提案されている。
特開2002−248873号公報
特開2004−200777号公報
特許文献2に開示された技術によれば、引き出し電極を形成する部位に段差が無くなるため、周縁部と振動部とに段差のある圧電振動片であっても引き出し電極が断線するということは無くなる。
しかし、特許文献2に開示された技術をそのまま逆メサ型圧電振動片に適用することはできない。なぜならば、特許文献2に開示された技術を適用するためには、励振電極を形成する振動部における圧電部材の厚さと接続電極を形成する周縁部における圧電部材の厚さとを等しくしなければならないからである。こうした場合、上述した逆メサ型圧電振動片の特性を発揮することはできなくなってしまうからである。
本発明では、逆メサ型圧電振動片の段差部に形成する電極の断線を防ぐことができる圧電振動片、及び当該圧電振動片を搭載した圧電振動子を提供することを目的とする。
本発明では、逆メサ型圧電振動片の段差部に形成する電極の断線を防ぐことができる圧電振動片、及び当該圧電振動片を搭載した圧電振動子を提供することを目的とする。
段差を有する部分に配される電極の断線を防ぐには、配線箇所の段差を無くすか、電気的な接続が成される箇所を増やすようにすれば良いと考えられる。このうち、上述したように、配線箇所の段差を無くすことは、逆メサ型圧電振動片の特性を維持することに支障をきたすこととなる。したがって、上記目的を達成するための本発明に係る圧電振動片は、振動部における圧電部材の厚さを周縁部における圧電部材の厚さより薄く形成し、振動部に形成した励振電極と前記周縁部に形成した接続電極とを引き出し電極によって接続する逆メサ型圧電振動片であって、前記引き出し電極は、前記振動部と前記周縁部との間の段差部分に配された引き出し電極の幅を平面部分に配された引き出し電極の幅よりも広くしたことを特徴とする。
このような構成とすることにより、周縁部と振動部との電気的接続箇所が増え、段差部に配される引き出し電極に欠陥部があった場合でも、断線を避けることができる確率が高くなる。このため、製品としての信頼性が向上すると共に、歩留りが向上する。
また、上記目的を達成するための本発明に係る圧電振動片は、振動部における圧電部材の厚さを周縁部における圧電部材の厚さより薄く形成し、前記振動部と前記周縁部との間に貫通溝を設け、前記振動部を支持部によって支持する構成とし、振動部に形成した励振電極と前記周縁部に形成した接続電極とを引き出し電極によって接続する逆メサ型圧電振動片であって、前記引き出し電極は、前記振動部と前記周縁部との間の段差部分に配された引き出し電極の幅を平面部分に配された引き出し電極の幅よりも広くしたことを特徴とするものであっても良い。
上記のように形成された圧電基板によって構成される圧電振動片であっても、上記特徴を有することにより、周縁部と振動部との電気的接続箇所が増え、段差部に配される引き出し電極に欠陥部があった場合でも、断線を避けることができる確率が高くなる。また、製品としての信頼性が向上すると共に、歩留りが向上する。
また、上記構成の圧電振動片では、前記振動部から前記周縁部へ配される引き出し電極の幅を、前記段差部分の幅と等しくすることが望ましい。
このような構成とすることにより、段差部における引き出し電極の幅を最大とすることができる。このため、断線を防止する確率が向上する。また、電極の形状を形成する際に、段差部をケミカルエッチングする必要がなくなる。すなわち、作業性の悪い段差部(傾斜面)に対する露光・現像という工程を省くことが可能となる。
このような構成とすることにより、段差部における引き出し電極の幅を最大とすることができる。このため、断線を防止する確率が向上する。また、電極の形状を形成する際に、段差部をケミカルエッチングする必要がなくなる。すなわち、作業性の悪い段差部(傾斜面)に対する露光・現像という工程を省くことが可能となる。
また、上記構成の圧電振動片では、前記引き出し電極の幅広部分は、段差部において山折りとなる角部に配される部分であると良い。
この部分におけるレジストパターンの欠損が、引き出し電極の断線に連結する。このため、該当する箇所に配される引き出し電極を幅広とすることで、断線を防止することができる。
また、本発明の弾性表面波素子は、上記圧電振動片を蓋体で挟み込んだことを特徴とする。
この部分におけるレジストパターンの欠損が、引き出し電極の断線に連結する。このため、該当する箇所に配される引き出し電極を幅広とすることで、断線を防止することができる。
また、本発明の弾性表面波素子は、上記圧電振動片を蓋体で挟み込んだことを特徴とする。
以下、本発明の圧電振動片、及び圧電振動子に係る実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の圧電振動片に係る第1の実施形態の平面形態を示す図である。また、図2は図1におけるA−A断面を示す図である。
図1は本発明の圧電振動片に係る第1の実施形態の平面形態を示す図である。また、図2は図1におけるA−A断面を示す図である。
本実施形態の圧電振動片10は、振動部14と周縁部16とから成り、振動部14を構成する圧電部材12の厚さを周縁部16を構成する圧電部材12の厚さよりも薄く形成した逆メサ型の圧電振動片である。また、本実施形態の圧電振動片10を構成する圧電部材12には、ATカット水晶板を採用している。
逆メサ型圧電振動片は通常、形状を形成する工程において、表裏面をケミカルエッチングすることにより振動部14の厚さ調整が成される。ここで、ATカット水晶板は、一辺がX軸(電気軸)に平行で、他辺がX軸周りにZ軸(光軸)に対して約35度の傾きをつけて切断されたものである。そして、このような条件でカットされた水晶板をケミカルエッチングした場合、エッチングは結晶方向によって異なるエッチングレートで進行することとなるのである。このため、ケミカルエッチングによって形成された逆メサ型圧電振動片には段差部分に傾斜部24a,24b,24cが形成されることとなる。
上記のような形状に形成された圧電振動片10の振動部14には励振電極18が形成され、周縁部16には接続電極20が形成される。そして、前記励振電極18と前記接続電極20とは、前記傾斜部24aを利用して配設される引き出し電極22(22a〜22c)によって接続される。
上記のような基本構成を有する本実施形態の圧電振動片10は、周縁部16から傾斜部24aに到る部位、すなわち山折りを成す角部に配設される引き出し電極22aの幅を平面部に配設される引き出し電極22b,22cの幅よりも広くしたことを特徴とする。また、具体的には、引き出し電極22における幅広となる部位、すなわち引き出し電極22aの幅を、前記傾斜部24aの幅と等しくすることが望ましい。
このような構成とすることにより、レジストパターンの形成が困難とされるエッジ部分の金属膜の一部が、ケミカルエッチングによりエッチングされてしまった場合であっても、引き出し電極22としての電気的接続を保つことができる確率が高くなる。
このような構成とすることにより、レジストパターンの形成が困難とされるエッジ部分の金属膜の一部が、ケミカルエッチングによりエッチングされてしまった場合であっても、引き出し電極22としての電気的接続を保つことができる確率が高くなる。
また、引き出し電極22を形成する傾斜部24aの裏面は、異方性エッチングの特性により垂直にエッチングされることとなる。このため、傾斜部24aの裏面に同様な電極が形成されることは無い。したがって、引き出し電極22aの幅を広げた場合であっても、これを原因として不要な発振が引き起こされることは無い。また、引き出し電極22aの幅を傾斜部24aの幅と等しくすることによれば、傾斜部24aに形成する引き出し電極22aを、形状形成のためにエッチングする必要性が無くなる。つまり、フォトリソの工程で、作業性が悪いとされている傾斜部への露光が必要なくなるのである。したがって、作業性の向上につながることとなる。
次に、図3、図4を参照して本発明の圧電振動片に係る第2の実施形態について説明する。なお、図4は図3におけるA−A断面を示す図である。
図3、図4に示す圧電振動片も、第1の実施形態で説明した逆メサ型の圧電振動片である。なお、第1の実施形態と同様な機能を有する箇所については、第1の実施形態と同一符号を附して説明を省略する。第1の実施形態に示した圧電振動片と異なるところは、振動部14と周縁部16との間に貫通溝28を形成し、前記振動部14と前記周縁部16とは支持部26によって支える構造を採ったことである。
図3、図4に示す圧電振動片も、第1の実施形態で説明した逆メサ型の圧電振動片である。なお、第1の実施形態と同様な機能を有する箇所については、第1の実施形態と同一符号を附して説明を省略する。第1の実施形態に示した圧電振動片と異なるところは、振動部14と周縁部16との間に貫通溝28を形成し、前記振動部14と前記周縁部16とは支持部26によって支える構造を採ったことである。
このような形状の圧電振動片10では、図3に示すように、励振電極18と接続電極20とを電気的に接続する引き出し電極22(22a,22b,22c)が、前記支持部26に沿って配設されている。そして、引き出し電極22における周縁部16から傾斜部24aにいたる部位、すなわち引き出し電極22aの幅を、前記支持部26に形成した引き出し電極22bの幅よりも広くしたことを特徴としているのである。
本実施形態のような形状の圧電振動片10であっても、上記のようにして引き出し電極22を形成することにより、引き出し電極22が断線する確率を低下させることができる。
本実施形態のような形状の圧電振動片10であっても、上記のようにして引き出し電極22を形成することにより、引き出し電極22が断線する確率を低下させることができる。
次に、本発明の圧電振動子に係る実施形態について、図5を参照して説明する。本実施形態の圧電振動子100は、上記第2の実施形態として示した圧電振動片10を、平板状の蓋体110,120で挟み込んでCSP(Chip Size Package)の圧電振動子100としたものである。このような構成の圧電振動子100では、前記接続電極は適宜引き回されて蓋体120に設けられた実装電極130と電気的に接続される。
ところで、従来のCSP圧電振動子は蓋体に凹部を形成し、蓋体が振動部に接触することを回避していた。しかし、上記構成の圧電振動子100は、圧電振動片10の振動部14を周縁部16よりも薄型としているため、平板状の蓋体110,120を周縁部に直接接合した場合であっても振動部14の励振を阻害することが無い。したがって、蓋体110,120に凹部を形成する必要がなくなる分だけ蓋体自体を薄型化することができ、圧電振動子自体も薄型化されることとなる。
また、第2の実施形態に示したように、圧電振動片10の振動部14と周縁部16との間に貫通溝28を形成することにより、蓋体110,120と圧電振動片10との熱膨張係数の違い等によって生じる応力が振動部14へ伝播することを避けることができる。したがって、温度変化によってパッケージに生じる応力の影響を受けにくくなり、温度特性を良好に保つことが可能となる。
さらに、上記実施形態に示した圧電振動片10は引き出し電極22におけるエッジ部分の電気的接続が良好となるため、断線が生じる確率が低い。このため、実施形態に示した圧電振動片10を搭載した圧電振動子100は製品としての信頼性が高くなる。
上記圧電振動片の実施形態では、引き出し電極22は傾斜部24aを利用して段差部分を越える旨記載した。しかしながら、本発明の圧電振動片を形成する上では、段差部分を越える際、傾斜部24b又は傾斜部24cを利用しても良い。このような場合、第2の実施形態における圧電振動片では、支持部の形成部位が異なることとなる。
上記圧電振動片の実施形態では、引き出し電極22は傾斜部24aを利用して段差部分を越える旨記載した。しかしながら、本発明の圧電振動片を形成する上では、段差部分を越える際、傾斜部24b又は傾斜部24cを利用しても良い。このような場合、第2の実施形態における圧電振動片では、支持部の形成部位が異なることとなる。
また、上記圧電振動片の実施形態では、引き出し電極22aを形成する傾斜部として傾斜部24aのみを使用する旨記載した。しかしながら、圧電振動片10では、24b,24cにも傾斜部が形成される。したがって、引き出し電極22aを形成するにあたっては、傾斜部24b,24cも利用することができる。これにより、断線の危険性をさらに軽減することができる。
10………圧電振動片、12………圧電部材、14………振動部、16………周縁部、18………励振電極、20………接続電極、22(22a,22b,22c)………引き出し電極、24(24a,24b,24c)………傾斜部、26………支持部、28………貫通溝。
Claims (5)
- 振動部における圧電部材の厚さを周縁部における圧電部材の厚さより薄く形成し、振動部に形成した励振電極と前記周縁部に形成した接続電極とを引き出し電極によって接続する逆メサ型圧電振動片であって、
前記引き出し電極は、前記振動部と前記周縁部との間の段差部分に配された引き出し電極の幅を平面部分に配された引き出し電極の幅よりも広くしたことを特徴とする圧電振動片。 - 振動部における圧電部材の厚さを周縁部における圧電部材の厚さより薄く形成し、前記振動部と前記周縁部との間に貫通溝を設け、前記振動部を支持部によって支持する構成とし、振動部に形成した励振電極と前記周縁部に形成した接続電極とを引き出し電極によって接続する逆メサ型圧電振動片であって、
前記引き出し電極は、前記振動部と前記周縁部との間の段差部分に配された引き出し電極の幅を平面部分に配された引き出し電極の幅よりも広くしたことを特徴とする圧電振動片。 - 前記振動部から前記周縁部へ配される引き出し電極の幅を、前記段差部分の幅と等しくしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電振動片。
- 前記引き出し電極の幅広部分は、段差部において山折りとなる角部に配される部分であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電振動片。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧電振動片を蓋体で挟み込んだことを特徴とする圧電振動子。
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