JP6541163B2 - 水晶振動片、および水晶振動子 - Google Patents
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Description
本発明の水晶振動片は、ATカットにより形成される水晶振動片において、対抗して設けられる一対の基面と、前記基面に対して交差する側面と、前記基面の中央部に設けられた四角錐台状の凸部と、を有し、前記凸部は、主面と、前記主面に対する角度が自然結晶面よりも緩やかに形成された斜面と、を有する。
前記凸部は、前記一対の基面にそれぞれ設けられていてもよい。
本発明の水晶振動片は、ATカットにより形成される水晶振動片において、対向して設けられる一対の主面と、前記主面に対して交差し、自然結晶面として形成される側面と、前記主面と前記側面とを接続し、前記主面に対して前記自然結晶面より小さな傾斜角で形成される斜面と、を有する。
この構成によれば、中央部から斜面が備えられた両端部に伝わる振動を減衰でき、振動エネルギーの閉じ込め精度を向上できる。
この構成によれば、屈曲振動の抑制効果が高い水晶振動片が得られる。
この構成によれば、輪郭振動の抑制効果が高い水晶振動片が得られる。
この構成によれば、振動エネルギーの閉じ込め精度に優れた水晶振動片が得られる。
この構成によれば、振動エネルギーの閉じ込め精度に優れた水晶振動片が得られる。
この構成によれば、振動エネルギーの閉じ込め精度に優れた水晶振動片が得られる。
この構成によれば、面粗度が低いため、水晶振動片のインピーダンスを低くできる。
この構成によれば、前述した水晶振動片を備えるため、同様に性能の優れた水晶振動子が得られる。
この方法によれば、自然結晶面と、自然結晶面よりも緩やかな斜面と、を備えた水晶振動片が得られる。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
図1は、本実施形態の水晶振動子を示す、分解斜視図である。
本実施形態の水晶振動子1は、図1に示すように、ベース基板2とリッド基板3とで2層に積層された箱状に形成されており、内部のキャビティC内に水晶振動片4がマウントされている。
水晶振動片4は、水晶振動板10と、水晶振動板10の表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
なお、図2は、水晶板7の切断角度及び水晶結晶の座標軸を説明するためのランバード原石6の斜視図である。また、本実施形態においてZ’軸とは、図1に示すように、水晶振動板10の表裏主面上においてX軸と直交する方向の結晶軸であり、Y’軸とはX軸およびZ’軸に対して直交する結晶軸をいう。
水晶振動板10は、図3に示すように、略直方体である。水晶振動板10における表主面10aの短辺方向(Z’軸方向)両端には、表主面10aと、自然結晶面である側面11bと、を接続するようにして斜面11aがそれぞれ形成されている。側面11bは、表裏主面10a,10bと略垂直であり、斜面11aは、表主面10aの長辺の全長に亘って表主面10aに対して角度θ1で傾斜している。
励振電極21は、水晶振動板10の表裏主面10a,10bの略中央部分にそれぞれ形成され、水晶振動板10を挟んで向かい合うように形成されている。また、水晶振動板10の長辺方向における一方側の端部(−X方向側)における、短辺方向(Z’軸方向)の両端部にはマウント電極23がそれぞれ設けられている。マウント電極23は、表主面10aから、斜面11aおよび側面11bを介して、裏主面10bに亘って形成されている。
なお、上述した励振電極21、引出電極22およびマウント電極23からなる電極膜20は、金等の単層膜や、クロム等の金属を下地層とした上に金等の金属層を積層した積層膜で形成されている。
これにより、水晶振動片4は、ベース基板2の上面2aに機械的に保持されると共に、インナー電極300とマウント電極23とがそれぞれ導通された状態となっている。
図4は、水晶振動片4の製造工程を示すフローチャートである。
図5は、水晶振動片4の製造工程の手順を示す図であって、後述する凹部形成工程S2の手順を示す断面図および平面図である。
図6は、水晶振動片4の製造工程の手順を示す図であって、後述する個片化工程S3の手順を示す断面図および平面図である。
まず、図4に示すように、水晶のランバート原石をATカットして一定の厚みとしたウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行なって所定の厚みのウエハS(図5(a)参照)を準備する(S1)。
ドライエッチングとしては、ウエハSの表面を、後述するウエハSを斜面エッチング加工する工程S2fにおいて、斜面11aが形成できる範囲内において、特に限定されない。たとえば、リアクティブイオンエッチング(RIE)や、逆スパッタ等を選択できる。
この工程により、ウエハSの表面が平坦化される。
エッチング保護膜40は、たとえば、クロム(Cr)を数10nm成膜したエッチング保護膜と、金(Au)を数10nm成膜したエッチング保護膜とが、順次積層された積層膜である。
次いで、エッチング保護膜40上に、スピンコート法などによりレジスト材料を塗布して、フォトレジスト膜41を形成する。
なお、本実施形態で用いるレジスト材料としては、環化ゴム(たとえば、環化イソプレン)を主体にしたゴム系ネガレジストが好適に用いられている。ゴム系ネガレジストは、環化ゴムを有機溶剤に溶解し、さらにビスアジド感光剤を加えて、ろ過し、不純物を除去することで精製されたものである。
これにより、図5(c)に示すように、フォトレジスト膜41の一方側に外形パターン41aを形成する(S2c)。
外形パターン41aは、水晶振動板10の外形に沿った形状である。
次に、エッチング加工後にフォトレジスト膜41を剥離する(S2e)。
これらにより、図5(d)に示すように、エッチング保護膜40の一方側に外形パターン40aを形成する。
具体的には、たとえば、エッチング保護膜40が、金(Au)からなる場合には、薬液としてヨウ素を用いてエッチングすることができる。
なお、このパターニングは、複数の水晶振動板10の数だけ、一括して行なう。
これにより、図5(e)に示すように、マスクされていないウエハSの露出面から、マスクの下側の部分もエッチングされ、ウエハSの主面に対して緩やかな角度で交差する斜面11aを側面として有する凹部42が形成される。
これに対して、本実施形態では、斜面エッチングを行う前に、ウエハSの表面をドライエッチング加工(S1)しているため、エッチングがマスクの下側にまで進行し、自然結晶面の角度に依存しない緩やかな角度を有する斜面を形成できる。
以上の工程により、凹部形成工程S2が終了し、凹部42が形成されたウエハSが得られる。
これにより、図6(b)に示すように、フォトレジスト膜51の一方側に外形パターン51aを形成する(S3b)。
外形パターン51aは、水晶振動板10の外形に沿った形状である。
次に、エッチング加工後にフォトレジスト膜51を剥離する(S3d)。
これらにより、図6(c)に示すように、エッチング保護膜50の一方側に外形パターン50aを形成する。
これにより、図6(d)に示すように、自然結晶面である、水晶振動板10の側面11bが形成され、ウエハSは個片化される。
次に、図6(e)に示すように、エッチング保護膜50を除去するエッチング加工を行なう(S3f)。
以上の工程により、個片化工程S3が終了し、ウエハSが個片化された、水晶振動板10が製造される。
図7(a)に示すように、従来の水晶振動片5では、表主面5aに対する斜面5cの角度θ2が自然結晶面の角度に依存するため、大きい(たとえば、30°、40°、50°)。そのため、不要振動が、両端部間の距離(短辺寸法)w4ではなく、斜面5cと表主面5aとが交差する線と、斜面5cと裏主面5bとが交差する線と、の幅方向(Z’軸方向)距離w2の長さに応じて発生しやすい。したがって、振動する部位の基準長さが短くなり、発生する不要振動の基本振動数が大きくなる。その結果、水晶振動片の厚み滑り振動と共に低次の不要振動が発生しやすくなり、不要振動による影響が大きくなっていた。
そのため、不要振動のうちの、特に屈曲振動に対して抑制効果が高い。
前述したように、通常水晶結晶は、水晶特有のエッチング異方性によって、マスクされていない露出面に、特定の角度を有する自然結晶面が現れるという性質を有している。この自然結晶面における特定の角度は、水晶結晶のどの位置や面をエッチングするかによって決まる角度であり、たとえば、30°、40°、50°、90°等の値となる。
したがって、本実施形態によれば、自然結晶面に比べて主面に対する傾き角度が緩やかな斜面を有する水晶振動片を製造することが可能であり、振動エネルギーの閉じ込め精度を向上できる。
次に、水晶振動片の短辺方向をX軸、長辺方向をZ’軸とした第1実施形態の変形例について説明する。
図8は、第1実施形態の変形例の水晶振動片4Aを示した図であって、図8(a)は正面図、図8(b)は平面図、図8(c)は側面図である。
水晶振動片4Aは、図8に示すように、水晶振動板10Aと、水晶振動板10Aの表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
水晶振動板10Aは、長辺側の側面に凸部60を備えている。凸部60は、X軸と交差する面に現れる自然結晶面によって形成される。
次に、水晶振動片の短辺側に斜面が設けられた、第2実施形態ついて説明する。
図9は、第2実施形態の水晶振動片70を示した図であって、図9(a)は正面図、図9(b)は平面図、図9(c)は側面図である。
水晶振動片70は、図9に示すように、水晶振動板71と、水晶振動板71の表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
表主面71aの長辺方向(Z’軸方向)両端には、表主面71aの短辺の全長に亘って表主面71aに対して傾斜する斜面72aがそれぞれ形成されている。
次に、水晶振動片の短辺および長辺の4辺に斜面が設けられた、第3実施形態について説明する。
図10は、第3実施形態の水晶振動片100を示した図であって、図10(a)は正面図、図10(b)は平面図、図10(c)は側面図である。
本実施形態の水晶振動片100は、図10に示すように、水晶振動板101と、水晶振動板101の表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
表主面101aの長辺方向(X軸方向)両端には、表主面101aの短辺の全長に亘って表主面101aに対して傾斜する斜面102aがそれぞれ形成されている。
斜面102a,103aの表裏主面101a,101bに対する傾斜角度は、自然結晶面よりも緩やかに形成されている。
次に、表裏主面両方の4辺にそれぞれ斜面が設けられた、第4実施形態について説明する。
図11は、第4実施形態の水晶振動片110を示した図であって、図11(a)は正面図、図11(b)は平面図、図11(c)は側面図である。
水晶振動片110は、図11に示すように、水晶振動板111と、水晶振動板111の表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
水晶振動片110の裏主面101bの4辺には、前述した第3実施形態と同様に、斜面102a,103aが形成されている。
次に、メサ型の水晶振動片である、第5実施形態について説明する。
図12は、第5実施形態の水晶振動片120を示した図であって、図12(a)は正面図、図12(b)は平面図、図12(c)は側面図である。
水晶振動片120は、図12に示すように、水晶振動板121と、水晶振動板121の表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
直方体200aの側面122b,123bは、基面124a,124bに対して略垂直に設けられている。
凸部200bは、面積の大きい側の面が、直方体200aの基面124a,124bとそれぞれ当接するようにして設けられており、反対側の面は、それぞれ水晶振動片120の表裏主面121a,121bとなっている。表裏主面121a,121b上には励振電極21が設けられており、表裏主面121a,121bは、直方体200aの基面124a,124bと平行である。
次に、逆メサ型の水晶振動片である、第6実施形態について説明する。
図13は、第6実施形態の水晶振動片130を示した図であって、図13(a)は正面図、図13(b)は平面図、図13(c)は側面図である。
水晶振動片130は、図13に示すように、水晶振動板131と、水晶振動板131の表裏主面上にそれぞれ形成された一対の電極膜20と、を備えている。
凹部210は、側面が斜面となるように形成されている。凹部210の底面は、励振電極21が形成された表裏主面131a,131bであり、水晶振動板131の基面134a,134bと平行に形成されている。凹部210の長辺方向(X軸方向)に沿った側面である斜面133aおよび短辺方向(Z’軸方向)に沿った側面である斜面132aは、それぞれ表裏主面131a,131bに対する角度が、自然結晶面よりも緩やかに形成されている。
0a,71a,101a,121a,131a…表主面(主面)、10b,71b,10
1b,121b,131b…裏主面(主面)、11a,72a,102a,103a,1
22a,123a,132a,133a…斜面、11b,72b,102b,103b,
122b,123b,132b,133b…側面、40a…マスク、S…ウエハ
Claims (7)
- ATカットにより形成された水晶振動板を備える水晶振動片において、
前記水晶振動板は、
対向して設けられる一対の基面と、
前記基面に対して交差する側面と、
前記基面の中央部に一体に設けられた四角錐台状の凸部と、
を有し、
前記凸部は、
主面と、
前記主面に対する角度が自然結晶面よりも緩やかに形成された斜面と、
を有する水晶振動片。 - 前記斜面は、X軸と交差する面を含む、請求項1に記載の水晶振動片。
- 前記斜面は、Z’軸と交差する面を含む、請求項1または2に記載の水晶振動片。
- 前記凸部は、前記一対の基面にそれぞれ設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の水晶振動片。
- 前記角度は、20°以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の水晶振動片。
- 前記斜面の中心線平均粗さが、0.2nm以上、10nm以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の水晶振動片。
- 請求項1に記載の水晶振動片を備える水晶振動子。
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