JP6409403B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置に関する。
液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)を使用する画像形成装置においては、画像品質を維持するために画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出動作(予備吐出などとも称される)を行うようにしている。
従来の画像形成装置として、液滴を吐出するときよりも小さい圧力が発生するように圧力発生手段を駆動して液室内の液体を揺動する揺動工程を実行した後に、空吐出を行う空吐出工程を実行するようにしたもの(特許文献1)が知られている。また、1駆動周期内で、液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスと、液滴を吐出させる1又は複数の空吐出パルスとを含む空吐出駆動波形を与えるようにしたもの(特許文献2)が知られている。
特開2014−058103号公報 特開2012−096516号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示の空吐出に先立つ揺動工程を行うパルス、特許文献2に開示の空吐出に先立つ微駆動を行う微駆動パルスは、個別液室を膨張させる膨張波形要素の立ち下げ時定数と個別液室を収縮させる収縮波形要素の立ち上げ時定数Trとを同じにしたものである。
そのため、揺動工程や微駆動工程において、膨張波形要素で膨張した個別液室を収縮波形要素で収縮させるときに気泡を引き込むおそれがあるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、空吐出に先立って個別液室内の液体を揺動させるときにおける気泡引き込みを低減することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドから画像形成に寄与しない空吐出滴を吐出させる空吐出動作を制御する空吐出制御手段と、を備え、
前記空吐出制御手段は、前記空吐出動作を行うときには前記液体吐出ヘッドの圧力発生手段に対し、時系列で、前記液滴を吐出させないで前記個別液室内の液体を揺れ動かす揺動パルスと、前記液滴を吐出させる空吐出パルスとを与え、
前記揺動パルスは、少なくとも、前記個別液室の容積を膨張させる膨張波形要素と、前記個別液室の容積を膨張状態から収縮させる収縮波形要素と、を有し、
前記膨張波形要素の立ち下げ時間Tfと、前記収縮波形要素の立ち上げ時間Trとが、Tf>Tr、の関係にあり、
前記揺動パルスは、ヘルムホルツ共振周期をTcとするとき、前記膨張波形要素の開始から前記収縮波形要素の開始までの時間Taが、(5Tc/4)+nTc≦Ta≦(7Tc/4)+nTc(nは0を含む自然数)である
構成とした。
本発明によれば、空吐出に先立って個別液室内の液体を揺動させるときにおける気泡引き込みを低減することができるようになる。
本発明に係る画像形成装置の一例の要部平面説明図である。 液体吐出ヘッドの一例のノズル配列方向と直交する方向に沿う要部断面説明図である。 同じくノズル配列方向に沿う要部断面説明図である。 図2の要部平面説明図である。 同画像形成装置の制御部の概要のブロック説明図である。 同制御部の印刷制御部及びヘッドドライバの一例のブロック説明図である。 本発明の第1実施形態における空吐出動作の空吐出駆動波形の説明図である。 揺動パルスの説明図である。 空吐出パルスの数と滴速度Vjを一定とする駆動電圧及び滴体積Mjの関係の一例の説明図である。 本発明の第2実施形態における揺動パルス及びメニスカス変位の説明図である。 本発明の第3実施形態の説明に供する揺動パルスの説明図である。 本発明の第4実施形態の説明に供する揺動パルスの説明図である。 本発明の第5実施形態における空吐出動作の説明に供するフロー図である。 本発明の第6実施形態における空吐出動作の説明に供するフロー図である。 本発明の第7実施形態における空吐出動作の説明に供するフロー図である。 薄膜ヘッドの電界‐変位特性の一例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明に係る画像形成装置の一例について図1を参照して説明する。図1は同画像形成装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、図示しない左右の側板に横架した主ガイド部材1及び図示しない従ガイド部材でキャリッジ3を移動可能に保持している。そして、主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7間に架け渡したタイミングベルト8を介して主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。
このキャリッジ3には、液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド4を搭載している。記録ヘッド4は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する4列のノズル列4nを有している。また、記録ヘッド4は、複数のノズルからなるノズル列4nを主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
一方、用紙10を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。
そして、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。この搬送ベルト12は、周回移動しながら図示しない帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。なお、搬送ベルトに使用しないローラ搬送方式とすることもできる。
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4の維持回復を行う維持回復機構20が配置されている。
維持回復機構20は、例えば記録ヘッド4のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ21、ノズル面を払拭するワイパ22などで構成されている。
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール23を張装し、キャリッジ3にはエンコーダスケール23のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ24を設けている。これらのエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24によってキャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ13の軸にはコードホイール25を取り付け、このコードホイール25に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ26を設けている。これらのコードホイール25とエンコーダセンサ26によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
このように構成したこの画像形成装置においては、図示しない給紙トレイから用紙10が帯電された搬送ベルト12上に給紙されて吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって用紙10が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙10を図示しない排紙トレイに排紙する。
次に、記録ヘッドを構成する液体吐出ヘッドの一例について図2ないし図4を参照して説明する。図2は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向に沿う要部断面説明図、図3は同じくノズル配列方向に沿う要部断面説明図、図4は図2の要部平面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、ノズル板101と、流路板102と、振動板103と、圧力発生手段である圧電素子111と、保護基板150と、共通液室部材を兼ねる図示しないフレーム部材とを備えている。なお、本実施形態では、流路板102、振動板103及び圧電素子111で構成される部分を「アクチュエータ基板120」とする。ただし、アクチュエータ基板120として独立の部材が形成された後にノズル板101や保持基板150、フレーム部材と接合されることまで意味するものではない。
ノズル板101には、液滴を吐出する複数のノズル104が形成されている。ここでは、ノズル104を配列したノズル列4nを4列配置した構成としている。
流路板102は、ノズル板101及び振動板103とともに、ノズル104が通じる個別液室106、個別液室106に通じる流体抵抗部107、流体抵抗部107が通じる液導入部(通路)108を形成している。これらの個別液室106、流体抵抗部107及び液導入部108を併せて個別流路105とする。なお、個別液室は圧力室、液室、圧力発生室などとも称される。
この液導入部108は振動板103に形成されたフィルタ部109を通じて保護基板150及び図示しないフレーム部材で形成される共通液室110に通じている。
振動板103は、個別液室106の壁面の一部をなす変形可能な振動領域130を形成している。そして、この振動板103の振動領域130の個別液室106と反対側の面には、振動領域130と一体的に圧電素子111が設けられ、振動領域130と圧電素子111によって圧電アクチュエータ構成している。
圧電素子111は、振動板103側から下部電極113、圧電層(圧電膜)112及び上部電極114を順次積層形成して構成している。この圧電素子111上には層間絶縁膜121が形成されている。
圧電素子111の下部電極113は共通配線115を介して引き出されてバイパス配線117に接続されている。上部電極114は個別配線116を介して引き出されて接続パッド118に接続され、後述するヘッドドライバ(ドライバIC)509に接続される。
そして、アクチュエータ基板120上には、パッシベーション層122を介して圧電素子111を収容する凹部(振動室)151及び配線用空間152を形成する保護基板150を設けている。
保護基板150は、上述したように共通液室の一部も形成している。この保護基板150は、接着剤によってアクチュエータ基板120の振動板103側に接合されている。
このように構成したこの液体吐出ヘッドにおいては、圧電素子111の上部電極114と下部電極113の間に電圧を与えることで、圧電層112が電極積層方向、すなわち電界方向に伸張し、振動領域130と平行な方向に収縮する。
このとき、下部電極113側は振動領域130で拘束されているため、振動領域130の下部電極113側に引っ張り応力が発生し、振動領域130が個別液室106側に撓み、内部の液体を加圧することで、ノズル104から液滴が吐出される。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。図5は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、装置全体の制御を司るCPU501、CPU501が実行するプログラムを含む各種プログラムなどの固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503を備えている。
また、制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
また、制御部500は、記録ヘッド4を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、記録ヘッド4を駆動するための記録ヘッド4に搭載されているヘッドドライバ(ドライバIC)509を備えている。
また、制御部500は、キャリッジ3を移動走査する主走査モータ5、搬送ベルト21を周回移動させる副走査モータ16、維持回復機構20のキャップ21やワイパ部材22の移動、図示しない吸引手段の駆動などを行なう維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510を備えている。
また、制御部500は、帯電ローラ26にACバイアスを供給するACバイアス供給部511と、送液ポンプ241を駆動する供給系駆動部512などを備えている。
また、制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、画像読み取り装置、撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像を出力するためドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行なうことも、制御部500で行なうこともできる。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。
また、印刷制御部508は、ROM502に格納されている駆動波形のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含む。そして、印刷制御部508は、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド4の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択して記録ヘッド4の圧力発生手段としての圧電素子111に対して与える。これにより、記録ヘッド4を駆動する。
このとき、駆動波形を構成する1又は2以上の駆動パルスの全部又は一部(駆動パルスを形成する波形用要素の一部)を選択する。これにより、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、様々のセンサ情報を処理することができ、装置に装着されている各種のセンサ群515及び環境温度を検出する温度センサ(温度検出手段)516からの情報を取得する。そして、画像形成装置の制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、ACバイアス供給部511の制御などに使用する。
センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがある。
また、制御部500は、本発明における画像形成に寄与しない空液滴を吐出させる空吐出動作を制御する空吐出制御手段を構成し、ROM502に格納されたプログラムに従ってCPU501が空吐出動作を制御する処理を行う。
次に、ヘッド駆動制御手段を構成している印刷制御部508及びヘッドドライバ509の一例について図6のブロック説明図を参照して説明する。
印刷制御部508は、駆動波形生成部701と、データ転送部702と、空吐出駆動波形生成部703とを備えている。
駆動波形生成部701は、画像形成時に1印刷周期(1駆動周期)内に複数の駆動パルスで構成される共通駆動波形(共通駆動信号)Vcomを生成して出力する。
データ転送部702は、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号である選択信号0〜3を出力する。
なお、選択信号0〜3は、ヘッドドライバ509のスイッチ手段であるアナログスイッチ715の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号である。そして、選択信号1〜4は、後述する最終吐出パルスと残留振動抑制波形との間で切り替わり、選択時にはLレベル(「0」)に状態遷移し、非選択時にはHレベル(「1」)に状態遷移する。
ヘッドドライバ509は、データ転送部702からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/1チャンネル(1ノズル)を入力するシフトレジスタ711を備えている。また、ヘッドドライバ509は、シフトレジスタ711の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路712と、階調データと滴制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ713とを備えている。
また、ヘッドドライバ509は、デコーダ713のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ715が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ714と、レベルシフタ714を介して与えられるデコーダ713の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ715を備えている。
このアナログスイッチ715は、各圧電部材112の選択電極(個別電極)に接続され、駆動波形生成部701からの共通駆動信号Vcomが入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と選択信号1〜4をデコーダ713でデコードした結果に応じてアナログスイッチ715がオンにする。これにより、共通駆動信号Vcomを構成する所要の駆動パルス(あるいは波形要素)が通過して(選択されて)圧電部材112に与えられる。
空吐出駆動波形生成部703は、画像形成に寄与しない空液滴を吐出させる空吐出動作を行うときに、空吐出駆動波形を生成してアナログスイッチ715に出力する。なお、駆動波形生成部701からの共通駆動波形と空吐出駆動波形生成部703からの空吐出駆動波形とは、選択的に生成され、あるいは、選択的にアナログスイッチ715に入力される。
なお、駆動パルスとは共通駆動波形(共通駆動信号)を構成する要素としてのパルスを示す用語として、吐出パルスとは圧力発生手段に印加されることで液滴を吐出させる駆動パルスを示す用語として使用する。また、非吐出パルス(微駆動パルス、揺動パルス)とは圧力発生手段に印加されるが、滴を吐出させないで、ノズルメニスカスを揺れ動かす程度の駆動を行うパルスを示す用語として使用する。また、以下で説明するパルスは一例であって、これに限るものではない。
次に、本発明の第1実施形態について図7を参照して説明する。図7は同実施形態における空吐出動作の空吐出駆動波形の説明図である。
本実施形態では、空吐出動作を行うときには、空吐出駆動波形生成部703から生成出力される空吐出駆動波形を液体吐出ヘッドの各ノズル104に対応する圧力発生手段である圧電素子111に与える。
空吐出駆動波形には、液滴を吐出させないで個別液室106内の液体を揺れ動かす(ノズル104のメニスカスを振動ないし流動させる)揺動パルスPaと、複数(ここでは3個)の空吐出パルスPbで構成される空吐出パルス群PBと、が含まれる。
1回の空吐出動作では、複数の揺動パルスPaを生成出力する揺動工程と、複数の空吐出パルス群PBを生成出力する空吐出工程とを、時系列で行う。すなわち、空吐出パルスPbの印加を行う前に揺動パルスPaを与えてメニスカスを揺れ動かすことで、ノズル内での液体が増粘しているときでも以後の空吐出を確実に行えるようにする。
なお、1回の空吐出動作において、空吐出パルスPbに先立って与える揺動パルスPaの数(繰り返し回数)、空吐出パルス群PBの数(繰り返し回数)、空吐出パルス群PBを構成する空吐出パルスPbの数が限定されるものではない。
また、ここでは、3個の空吐出パルスPbを1組の空吐出パルス群PBとしているが、ここの空吐出パルスPbを1以上連続して複数与えるように構成することもできる。
次に、揺動パルスPaについて図8を参照して説明する。図8は1つの揺動パルスPaの説明図である。
揺動パルスPaは、個別液室106の容積を膨張させる膨張波形要素aと、膨張波形要素aで膨張された状態を保持する保持波形要素bと、保持波形要素bで保持された膨張状態から個別液室106の容積を収縮させる収縮波形要素cと、を有している。
ここでは、膨張波形要素aは基準電位Voから電位Vbまで立ち下がる波形要素であり、保持波形要素bは電位Vbを保持する波形要素であり、収縮波形要素cは電位Vbから電位Voまで立ち上がる波形要素としている。
そして、膨張波形要素aの立ち下げ時間Tfと、収縮波形要素cの立ち上げ時間Trとは、Tf>Tr、の関係に設定されている。
例えば、膨張波形要素aの立ち下げ時間Tf=5μs、保持波形要素bの保持時間(パルス幅Pw)=2μs、収縮波形要素cの立ち上げ時間Tr=1μsとする。
膨張波形要素aの立ち下げ時間Tfを収縮波形要素cの立ち上げ時間Trより長く設定することで、メニスカスの引き込み速度を収縮時よりも相対的に遅くしている。なお、液滴を吐出させる吐出パルスでは立ち下げ時間Tfを1μsに設定する。
このように、揺動パルスPaの膨張波形要素aの立ち下げ時間Tfを収縮波形要素cの立ち上げ時間Trより長く設定することで、メニスカスへの圧力伝播が急峻ではなくなり、メニスカス振幅が小さくなる。
そこで、ここでは、メニスカスの揺動を確実にするため、空吐出パルスPbよりも電圧差(立ち下げ量)を高くして、メニスカスを大きく揺らすようにしている。
そして、メニスカスを引き込んだ後、膨張波形要素aの立ち下げ時間Tfよりも収縮波形要素cの立ち上げ時間Trが短い(例えば、吐出パルスと同じ)ことで、メニスカスを押し出す圧力が強くなる。
しかしながら、押し出した直後から、メニスカスの減衰自由振動が始まるため、次に膨張波形要素aによってメニスカスを引き込むときにはある程度減衰している。そのため、膨張波形要素aによる引き込みを強くするよりは、メニスカスが気泡を巻き込む可能性が低くなる。
すなわち、揺動パルスPaによる個別液室106内の液体を撹拌する効果を向上させるためには、メニスカスを大きく揺らすことが必要となる。
ここで、メニスカスを吐出しない限界まで大きく揺らすと、非吐出駆動(揺動)では吐出することによる運動エネルギーの発散がないため、メニスカスのエネルギーは高い状態にある。この状態では、膨張波形要素aによってメニスカスを引き込んだときに、メニスカスの表面張力を打ち破り、気泡を巻き込んでしまうおそれが高くなる。
そこで、膨張波形要素aの立ち下げ時間Tfを収縮波形要素cの立ち上げ時間Trより長く設定することによって、膨張波形要素aの立ち下げ開始から収縮波形要素cの立ち上げ開始までの時間を設定することで、気泡を巻き込まずに、撹拌の効果を向上させることができるようになる。
次に、図7に戻って、空吐出パルスPb及び空吐出パルス群PBについて説明する。
本実施形態では、3個の空吐出パルスPbを、パルス間隔(吐出から吐出の間隔)を個別液室106のヘルムホルツ共振周期(固有振動周期、以下単に「共振周期」という。)Tcにして配置したものを1群の空吐出パルス群PBとしている。
ここで、1℃環境下で、空吐出パルス群PBを構成する共振周期Tcで配置した空吐出パルスPbの数と、滴速度Vjが同じ速度(ここではVj=7.0m/s)となる駆動電圧、及び、滴体積Mjの関係の一例を図9に示している。
この図9から分かるように、空吐出パルスPbの数を増やすと、残留圧力を吐出圧力に重畳させることができるので、滴速度Vjに関係する駆動電圧を下げることができるが、一方で滴体積Mjは増加する。
この場合、低温で高粘度となる液体の吐出滴の滴体積Mjが大きいと、供給不足による過負圧で、メニスカスを壊し、気泡を巻き込みやすくなる。したがって、共振させる(共振駆動する)空吐出パルスPbの数を増やすことにも限界がある。
そこで、本実施形態では、空吐出パルス群PBを構成する共振周期Tcで配置する空吐出パルスPbを3個としている。
なお、前述したように、空吐出パルスPbを複数回連続して与えるようにすることもでき、あるいは、共振周期Tc以外で複数の空吐出パルスPbを配置したものを空吐出パルス群PBとすることもできる。
また、本実施形態のように、空吐出パルス群PBの前に揺動パルスPaを印加することで、ノズル内の増粘液体の攪拌や個別液室内の液体の攪拌を行う(流動させる)ことで、低温で高粘度となる液体であっても、空吐出パルスPbによって確実に安定した空吐出を行うことができる。
すなわち、低温で高粘度となる液体の場合には、低温時に空吐出パルス群PBを印加するだけでは、個別液室106内やノズル104内の液体の流動性が低下しているために、当初から圧力共振に入ることが難しく、空吐出が安定しない。
そこで、揺動パルスPaによって個別液室106内やノズル104内の液体の流動性を高めた後空吐出パルスPbを与えることで、圧力共振による確実な安定した空吐出を行うことができるようになる。
次に、具体例について説明する。
1℃環境で24時間キャッピングした状態で放置した後に、メンテナンス動作として、デキャップ状態にした後に空吐出動作を行った。このとき、立ち下げ時間Tf=3μs、立ち上げ時間Tr=1μsの揺動パルスPaを印加した場合と、立ち下げ時間Tf=1μs、立ち上げ時間Tr=1μsの揺動パルスPaを印加した場合とを比較した。なお、空吐出パルス群PB、吐出周波数、吐出回数は同じにした。
この場合、立ち下げ時間Tf=1μsの揺動パルスPaを印加した場合には、ノズル抜けを生じることが多く確認された。
これに対し、立ち下げ時間Tf=3μsの揺動パルスPaを印加した場合には、ノズル抜けはほぼ無く、ノズル面の汚れも大幅に改善されていたので、空吐出動作が安定していることが確認された。
また、本実施形態のように、揺動パルスPaの膨張波形要素aの立ち下げ時間Tfを収縮波形要素cの立ち上げ時間trよりも長くすることで、空吐出動作の環境範囲及び経過時間を広げることができる。
これによりメンテナンスで消費するインク量を少なく抑えることができる。
さらに、揺動パルスPaと空吐出パルスPbを含む空吐出動作は、複数回繰り返すことで効率よく増粘液体を排出することができる。
これは、揺動パルスPaの数を多くするほど、増粘液体の撹拌に効果をもたらすが、空吐出動作をデキャップ状態で実行する場合、揺動回数の増加に伴ってメニスカスが大気にさらされる時間が長くなり、逆に増粘してしまうことがある。
そこで、揺動と空吐出とを複数回繰り返すことによって、デキャップ状態による増粘によるノズル抜けを予防しつつ、撹拌効果を蓄積しながら、増粘液体を排出することができる。
次に、本発明の第2実施形態について図10を参照して説明する。図10は同実施形態における揺動パルス及びメニスカス変位の説明図である。
本実施形態の揺動パルスPaは、ヘルムホルツ共振周期Tcとするとき、膨張波形要素aの開始から収縮波形要素cの開始までの時間Taを、(5Tc/4)+nTc≦Ta≦(7Tc/4)+nTc(nは0を含む自然数)、としたものである。
これにより、膨張波形要素aによって発生したメニスカスの残留振動と共振するタイミングで収縮波形要素cが与えられるので、メニスカスを大きく揺らすことができ、ノズル付近の増粘液体を効率的に流動させることができる。
この場合、より好ましくは、膨張波形要素aの開始から収縮波形要素cの開始までの時間Taを、(6Tc/4)+nTc(nは0を含む自然数)とする。
例えば、ヘルムホルツ共振周期Tcが4μsであるとき、膨張波形要素aの開始から収縮波形要素cの開始までの時間Taを6μsになるように、保持波形要素bの時間(パルス幅Pw)を1μsに設定した。この場合の膨張波形要素aの開始から収縮波形要素cの開始までの時間Taは、(3Tc)/2となる。
このように、膨張波形要素aの立ち下げ時間Tfを収縮波形要素cの立ち上げ時間Trより長く設定し、膨張波形要素aの立ち下げ開始から収縮波形要素cの立ち上げ開始までの時間を共振周期Tcに合わせて設定することで、確実に、気泡を巻き込まずに、撹拌の効果を向上させることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図11を参照して説明する。図11は同実施形態の説明に供する揺動パルスの説明図である。
本実施形態では、揺動パルスPaの膨張波形要素aの立ち下げ時間Tfを、温度センサ516による装置の環境温度の検出結果に応じて変化させるようにしている。
例えば1℃用の揺動パルスPaの膨張波形要素a1の立ち下げ時間Tf1、23℃用の揺動パルスPaの膨張波形要素a2の立ち下げ時間Tf2、35℃用の揺動パルスPaの膨張波形要素a3の立ち下げ時間Tf3を、Tf1<Tf2<Tf3の関係としている。
このような制御は、空吐出駆動波形生成部703に、予め検出温度に応じた揺動パルスPaの波形パターンのデータを格納保持しておき、温度センサ516の検出結果に応じて読み出す波形パターンのデータを変更すればよい。
すなわち、液体の粘度は温度が高くなるに従って低下するので、環境温度が1℃のときに適した揺動パルスPaの波形は、例えば環境温度が35℃になると過剰な変位を与えることになる。
この場合、立ち下げ電圧を小さくすることでエネルギーを抑えることができるが、収縮波形要素によるエネルギーも小さくなってしまうため、電圧を小さくすると、同時に撹拌効果が低減することになる。
そこで、温度が高くなるに従って膨張波形要素aによる立ち下げ時間Tfを長くすることで、個別液室106に与えるエネルギーを低減することで、収縮波形要素cによる収縮エネルギーを確保できるようにしている。
これにより、環境温度が変化(液体粘度が変化)した場合でも、滴吐出を伴うことなく、揺動パルスPaによる攪拌効果を確保することができる。
次に、本発明の第4実施形態について図12を参照して説明する。図12は同実施形態の説明に供する揺動パルスの説明図である。
本実施形態では、揺動パルスPaの膨張波形要素aの立ち下げ時間Tf及び収縮波形要素cの立ち上げ時間Trを、温度センサ516による装置の環境温度の検出結果に応じて変化させるようにしている。
そして、本実施形態では、環境温度が高くなる(液体粘度が低下する)に従って、膨張波形要素aの立ち下げ時間Tf及び収縮波形要素cの立ち上げ時間Trを、それぞれ長く(傾きを緩やかに)している。
例えば、前記第3実施形態と同様に、1℃用の揺動パルスPaの膨張波形要素a1の立ち下げ時間Tf1、23℃用の揺動パルスPaの膨張波形要素a2の立ち下げ時間Tf2、35℃用の揺動パルスPaの膨張波形要素a3の立ち下げ時間Tf3を、Tf1<Tf2<Tf3の関係としている。
同様に、1℃用の揺動パルスPaの収縮波形要素c1の立ち上げ時間Tr1、23℃用の揺動パルスPaの収縮波形要素b2の立ち上げ時間Tr2、35℃用の揺動パルスPaの収縮波形要素c3の立ち上げ時間Tr3を、Tr1<Tr2<Tr3の関係としている。
この場合、保持波形要素cの保持時間(パルス幅)Pwも環境温度に変化させることができる。
このように、環境温度に応じて、立ち下げ時間Tf及び立ち上げ時間Trを、或いはこれに加えて保持時間(パルス幅)Pwを変化させることで、撹拌効果を損ねずに、空吐出による効率的な回復を行うことができる。
また、揺動パルスPaの数、空吐出パルスPbの数ないし空吐出パルス群PBの回数なども環境温度の検出結果に応じて変化させることができる。
このような各種パラメータの温度による変更制御を行うには、例えば、前述したように環境温度を検出する温度検出手段を備える。そして、空吐出制御手段は、検出温度から、予め作成されたテーブルを元に、揺動パルスの膨張波形要素の立ち下げ時間Tfと、保持時間(パルス幅Pw)と、揺動パルスの収縮波形要素の立ち上げ時間Trrと、揺動回数と、空吐出回数、および、繰り返し回数を変更するようにすればよい。
これにより、空吐出動作による、より効率的な回復を行うことができる。
次に、本発明の第5実施形態について図13を参照して説明する。図13は同実施形態における空吐出動作の説明に供するフロー図である。
空吐出動作を開始したときには、記録ヘッド4のノズル面をキャッピングしているキャップ21を離間させるデキャップ動作を行う。
その後、n=1,n、1(n≧2)として、1又は複数の揺動パルスPaを与える揺動工程を行い、次いで、1又は複数の空吐出パルス群PBを与える空吐出工程を行う。その後、所定回数の空吐出動作を行って、空吐出動作を終了する。なお、フロー図における、「n=1,n、1」は、「変数=初期値、終値、増分値」を意味し、「n」は繰り返し設定回数を意味する。
なお、デキャップ状態での空吐出はキャップ21内に対して行っているが、これに限るものではない。
次に、本発明の第6実施形態について図14を参照して説明する。図14は同実施形態における空吐出動作の説明に供するフロー図である。
空吐出動作を開始したときには、キャップ21で記録ヘッド4のノズル面をキャッピングしたままの状態で、1又は複数の揺動パルスPaを与える揺動工程を行う。
その後、記録ヘッド4のノズル面をキャッピングしているキャップ21を離間させるデキャップ動作を行う。
次いで、空吐出パルス群PBを与える空吐出工程を行う。
その後、n=2,n、1(n≧2)として、1又は複数の揺動パルスPaを与える揺動工程を行い、次いで、1又は複数の空吐出パルス群PBを与える空吐出工程を行う。その後、所定回数の空吐出動作を行って、空吐出動作を終了する。
すなわち、前記第5実施形態のように、空吐出動作を行うとき、デキャップした後に揺動工程を行うと、デキャップによってノズルメニスカスが外気に触れ、デキャップから空吐出作の開始(揺動パルスの印加)までの間にメニスカスの増粘化が促進される。
そこで、デキャップによるメニスカス増粘化を抑制するために、デキャップする前に揺動工程を実施して、デキャップした後に空吐出を行うことで、増粘液体を排出する。
れにより、メニスカス増粘化を防いだ状態での撹拌を行うことができ、揺動パルスPaによる揺れ動かしをより効果的に行うことができる。
次に、本発明の第7実施形態について図15を参照して説明する。図15は同実施形態における空吐出動作の説明に供するフロー図である。
空吐出動作を開始したときには、キャップ21で記録ヘッド4のノズル面をキャッピングしたままの状態で、揺動パルスPaを与える揺動工程を行い、次いで、空吐出パルス群PBを与える空吐出工程を行う。
その後、記録ヘッド4のノズル面をキャッピングしているキャップ21を離間させるデキャップ動作を行う。
そして、n=2,n、1(n≧2)として、揺動パルスPaを与える揺動工程を行い、次いで、空吐出パルス群PBを与える空吐出工程を行う。その後、所定回数の空吐出動作を行って、空吐出動作を終了する。
すなわち、空吐出動作をデキャップ状態で実施するのは、キャップ21内へ増粘液体を排出したときに、空吐出滴の跳ね返りやキャップ21内に溜まった廃液がノズル面に接触しないようするためである。
このような不都合が生じないような場合には、デキャップによる増粘化を防ぐために、デキャップする前に一旦揺動工程と所定回数の空吐出を行うことで、最も増粘化している液体のみ排出することが好ましい。
ここで、キャッピング状態における空吐出工程での空吐出滴の滴数は、吐出滴の跳ね返りなどによるノズルダウンを防ぐために、必要最少限に抑えることが好ましい。
そこで、キャッピング状態での空吐出工程の滴数は、デキャップ状態での空吐出工程の滴数よりも少なくしている。
上述したような揺動パルスを与えた後に空吐出パルスを与える空吐出動作は、圧力発生手段として特に薄膜ヘッドを使用する場合に有効である。なお、薄膜ヘッドとは、圧電膜などの電気機械変換膜を1又は2層とする圧電素子(薄膜圧電素子)などの電気機械変換素子を使用するヘッドを意味するものとする。
すなわち、薄膜ヘッドで使用する圧電素子は、図16に示すように、電界強度が大きくなると、変位が飽和する傾向があるので(電界強度が強い影響)、増粘液体を吐出させる場合には、電圧が大きくなりすぎるという問題がある。
特に、1℃などの低温環境でメンテナンス動作(空吐出動作)を行うためには駆動電圧が高くなり過ぎる。また、薄膜圧電素子の場合、圧電素子自体の剛性が積層圧電素子に比べて低いので、液体からの圧力の影響を受けやすいというのも高粘度液体を吐出し難い原因となっている。
そこで、駆動電圧を掛けることなく、低温環境下でも確実な空吐出を行うために、空吐出に先立って揺動パルスでノズル内や個別液室内の液体を流動化させることでより確実な空吐出を行うことができるようになる。
ただし、本発明で使用する液体吐出ヘッドの圧力発生手段は薄膜圧電素子に限定されるものではない。
なお、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
3 キャリッジ
4 記録ヘッド
10 用紙
12 搬送ベルト
21 キャップ
104 ノズル
106 個別液室
111 圧電素子
701 駆動波形生成部
702 データ転送部
703 空吐出駆動波形生成部

Claims (11)

  1. 液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドから画像形成に寄与しない空吐出滴を吐出させる空吐出動作を制御する空吐出制御手段と、を備え、
    前記空吐出制御手段は、前記空吐出動作を行うときには前記液体吐出ヘッドの圧力発生手段に対し、時系列で、前記液滴を吐出させないで前記個別液室内の液体を揺れ動かす揺動パルスと、前記液滴を吐出させる空吐出パルスとを与え、
    前記揺動パルスは、少なくとも、前記個別液室の容積を膨張させる膨張波形要素と、前記個別液室の容積を膨張状態から収縮させる収縮波形要素と、を有し、
    前記膨張波形要素の立ち下げ時間Tfと、前記収縮波形要素の立ち上げ時間Trとが、Tf>Tr、の関係にあり、
    前記揺動パルスは、ヘルムホルツ共振周期をTcとするとき、前記膨張波形要素の開始から前記収縮波形要素の開始までの時間Taが、(5Tc/4)+nTc≦Ta≦(7Tc/4)+nTc(nは0を含む自然数)である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドから画像形成に寄与しない空吐出滴を吐出させる空吐出動作を制御する空吐出制御手段と、を備え、
    前記空吐出制御手段は、前記空吐出動作を行うときには前記液体吐出ヘッドの圧力発生手段に対し、時系列で、前記液滴を吐出させないで前記個別液室内の液体を揺れ動かす揺動パルスと、前記液滴を吐出させる空吐出パルスとを与え、
    前記揺動パルスは、少なくとも、前記個別液室の容積を膨張させる膨張波形要素と、前記個別液室の容積を膨張状態から収縮させる収縮波形要素と、を有し、
    前記膨張波形要素の立ち下げ時間Tfと、前記収縮波形要素の立ち上げ時間Trとが、Tf>Tr、の関係にあり、
    前記揺動パルスは、ヘルムホルツ共振周期をTcとするとき、前記膨張波形要素の開始から前記収縮波形要素の開始までの時間Taが、(6Tc/4)+nTc(nは0を含む自然数)である
    ことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記空吐出制御手段は、一回の前記空吐出動作で、複数の前記揺動パルス及び複数の前記空吐出パルスを与える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記揺動パルスを複数回連続して与える
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 環境温度に応じて、前記揺動パルスの前記膨張波形要素の立ち下げ時間Tf及び前記収縮波形要素の立ち上げ時間Tr、前記揺動パルスの前記膨張波形要素で膨張された状態を保持する保持波形要素のパルス幅、前記揺動パルスを与える回数、空吐出パルスを与える回数、前記揺動パルス及び前記空吐出パルスを繰り返し与える回数の少なくともいずれかを変更する
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 環境温度が予め定めた所定温度以上になったときに、前記膨張波形要素の立ち下げ時間Tf及び前記収縮波形要素の立ち上げ時間Trを長く変化させる
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記液体吐出ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップを有し、
    前記空吐出動作を行うときには、前記キャップで前記ノズル面をキャッピングした状態で、前記揺動パルスを与えた後、前記キャップを前記ノズル面から離間させ、前記空吐出パルスを与える
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記液体吐出ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップを有し、
    前記空吐出動作を行うときには、前記キャップで前記ノズル面をキャッピングした状態で、前記揺動パルス及び前記空吐出パルスを与えた後、前記キャップを前記ノズル面から離間させる
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記キャップを前記ノズル面から離間させた状態で、1又は複数回の前記空吐出動作を行う
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記キャップで前記ノズル面をキャッピングした状態で与える前記空吐出パルスの数は、前記キャップを前記ノズル面から離間させた状態で与える前記空吐出パルスの数より少ない
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  11. 前記液体吐出ヘッドの前記圧力発生手段は、前記個別液室の壁面を形成する振動板側から下部電極、圧電膜及び上部電極が順次積層された圧電素子である
    ことを特徴とする請求項1ないし10に記載の画像形成装置。
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