以下に添付図面を参照して、液体吐出ユニットおよび液体吐出装置の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
ここで、図1は第1の実施の形態にかかる液体吐出装置400の構成を概略的に示す平面図、図2は液体吐出装置400の構成を概略的に示す側面図である。
液体吐出装置400は、シリアル型画像記録装置であり、キャリッジ403を主走査方向に往復移動する主走査移動機構493を備える。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。タイミングベルト408は、駆動プーリ406と従動プーリ407との間に架け渡されている。そして、キャリッジ403は、主走査モータ405によって回転するタイミングベルト408によって主走査方向に往復移動される。
キャリッジ403は、液体吐出ヘッド404を搭載した液体吐出ユニット440を搭載する。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズル4(図7参照)からなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
液体吐出装置400は、液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給・循環機構494を備える。供給・循環機構494は、液体を液体吐出ヘッド404内に供給・循環される。
ここで、供給・循環機構494について詳述する。
ここで、図3は供給・循環機構494の一例を示すブロック図である。図3に示すように、供給・循環機構494は、メインタンク501、液体吐出ヘッド404、供給タンク502、循環タンク503、コンプレッサ504、真空ポンプ505、第一送液ポンプ506、第ニ送液ポンプ507、レギュレータ(R)508,509、供給側圧力センサ510、循環側圧力センサ511などで構成されている。供給側圧力センサ510は、供給タンク502と液体吐出ヘッド404との間であって、液体吐出ヘッド404の供給ポート71(図4参照)に繋がった供給流路側に接続されている。循環側圧力センサ511は、液体吐出ヘッド404と循環タンク503との間であって、液体吐出ヘッド404の循環ポート81(図4参照)に繋がった循環流路側に接続されている。
循環タンク503の一方は第一送液ポンプ506を介して供給タンク502と接続されており、循環タンク503の他方は第二送液ポンプ507を介してメインタンク501と接続されている。これにより、供給タンク502から供給ポート71を通って液体吐出ヘッド404内に液体が流入し、循環ポート81から排出されて循環タンク503へ排出され、更に第一送液ポンプ506によって循環タンク503から供給タンク502へ液体が送られることによって液体が循環する。
また、供給タンク502にはコンプレッサ504がつなげられていて、供給側圧力センサ510で所定の正圧が検知されるように制御される。一方、循環タンク503には真空ポンプ505がつなげられていて、循環側圧力センサ511で所定の負圧が検知されるよう制御される。これにより、液体吐出ヘッド404内を通って液体を循環させつつ、メニスカスの負圧を一定に保つことができる。
また、液体吐出ヘッド404のノズル4から液滴を吐出すると、供給タンク502及び循環タンク503内の液体量が減少していくため、適宜メインタンク501から第二送液ポンプ507を用いて、メインタンク501から循環タンク503に液体を補充することが望ましい。メインタンク501から循環タンク503への液体補充のタイミングは、循環タンク503内のインクの液面高さが所定高さよりも下がったら液体補充を行うなど、循環タンク503内に設けた液面センサなどの検知結果によって制御することができる。
図1および図2に戻り、液体吐出装置400は、記録媒体である用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は、用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は、静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、液体吐出装置400は、キャリッジ403の主走査方向の一方側に、搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420を配置している。
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズル4が形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給・循環機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成した液体吐出装置400においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、液体吐出装置400は、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
次に、液体吐出ヘッド404について詳述する。
ここで、図4は液体吐出ヘッド404の外観斜視図、図5は液体吐出ヘッド404のノズル配列方向と直交する方向の断面図、図6は液体吐出ヘッド404のノズル配列方向と平行な方向の断面図、図7は液体吐出ヘッド404のノズル板1を示す平面図、図8は液体吐出ヘッド404の流路部材40を構成する各部材を示す平面図、図9は液体吐出ヘッド404の共通液室部材20を構成する各部材を示す平面図である。
液体吐出ヘッド404は、ノズル板1と、流路板2と、壁面部材としての振動板部材3とを積層接合している。液体吐出ヘッド404は、振動板部材3を変位させる圧電アクチュエータ11と、共通液室部材20と、カバー29とを備えている。
ノズル板1は、液体を吐出する複数のノズル4を有している。
流路板2は、ノズル4に通じる個別液室6、個別液室6に通じる流体抵抗部7、流体抵抗部7に通じる液導入部8を形成している。また、流路板2は、ノズル板1側から複数枚の板状部材41~45を積層接合して形成され、これらの板状部材41~45と振動板部材3を積層接合して流路部材40が構成されている。
振動板部材3は、液導入部8と共通液室部材20で形成される共通液室10とを通じる開口としてのフィルタ部9を有している。
振動板部材3は、流路板2の個別液室6の壁面を形成する壁面部材である。振動板部材3は、例えば2層構造である。振動板部材3は、流路板2側から薄肉部を形成する第1層と、厚肉部を形成する第2層とで形成される。振動板部材3は、第1層で個別液室6に対応する部分に変形可能な振動領域30を形成している。
ノズル板1には、図7にも示すように、複数のノズル4が千鳥状に配置されている。
流路板2を構成する板状部材41には、図8(a)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部(溝形状の貫通穴の意味)6aと、流体抵抗部51、循環流路52を構成する貫通溝部51a、52aが形成されている。
板状部材42には、図8(b)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6bと、循環流路52を構成する貫通溝部52bとが形成されている。
板状部材43には、図8(c)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6cと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53aとが形成されている。
板状部材44には、図8(d)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6dと、流体抵抗部7を構成する貫通溝部7aと、液導入部8を構成する貫通溝部8aと、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53bとが形成されている。
板状部材45には、図8(e)に示すように、個別液室6を構成する貫通溝部6eと、液導入部8を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部8b(フィルタ下流側液室となる)と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53cとが形成されている。
振動板部材3には、図8(f)に示すように、振動領域30と、フィルタ部9と、循環流路53を構成するノズル配列方向を長手方向とする貫通溝部53dとが形成されている。
このように、流路部材40を複数の板状部材(板状部材41~45、振動板部材3)を積層接合して構成することで、簡単な構成で複雑な流路を形成することができる。
以上の構成により、流路板2及び振動板部材3からなる流路部材40には、各個別液室6に通じる流路板2の面方向に沿う流体抵抗部51、循環流路52及び循環流路52に通じる流路部材40の厚み方向の循環流路53が形成される。なお、循環流路53は後述する循環共通液室50に通じている。
一方、共通液室部材20には、供給・循環機構494から液体が供給される共通液室10と循環共通液室50が形成されている。
共通液室部材20を構成する第1共通液室部材21には、図9(a)に示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25aと、下流側共通液室10Aとなる貫通溝部10aと、循環共通液室50となる底の有る溝部50aとが形成されている。
第2共通液室部材22には、図9(b)に示すように、圧電アクチュエータ用貫通穴25bと、上流側共通液室10Bとなる溝部10bとが形成されている。
また、図4も参照して、第2共通液室部材22には、共通液室10のノズル配列方向の一端部と供給ポート71を通じる供給口部となる貫通穴71aとが形成されている。
同様に、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22には、循環共通液室50のノズル配列方向の他端部(貫通穴71aと反対側の端部)と循環ポート81を通じる貫通穴81a、81bが形成されている。
なお、図9において、底の有る溝部については面塗りを施して示している(以下の図でも同じである)。
このように、共通液室部材20は、第1共通液室部材21及び第2共通液室部材22によって構成され、第1共通液室部材21を流路部材40の振動板部材3側に接合し、第1共通液室部材21に第2共通液室部材22を積層して接合している。
ここで、第1共通液室部材21は、液導入部8に通じる共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと、循環流路53に通じる循環共通液室50とを形成している。また、第2共通液室部材22は、共通液室10の残部である上流側共通液室10Bを形成している。
共通液室10の一部である下流側共通液室10Aと循環共通液室50とは、ノズル配列方向と直交する方向に並べて配置されるとともに、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置される。
これにより、循環共通液室50の寸法が流路部材40で形成される個別液室6、流体抵抗部7及び液導入部8を含む流路に必要な寸法による制約を受けることがなくなる。
そして、循環共通液室50と共通液室10の一部が並んで配置され、循環共通液室50は共通液室10内に投影される位置に配置されることで、ノズル配列方向と直交する方向の液体吐出ヘッド404の幅を抑制することができ、液体吐出ヘッド404の大型化を抑制できる。共通液室部材20は、供給タンク502から液体が供給される共通液室10と循環共通液室50を形成する。
加えて、液体吐出ヘッド404は、振動板部材3の個別液室6とは反対側に、振動板部材3の振動領域30を変形させる駆動手段としての電気機械変換素子を含む圧電アクチュエータ11を配置している。
この圧電アクチュエータ11は、図6に示すように、ベース部材13上に接合した圧力発生手段である圧電部材12を有し、圧電部材12にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材12に対して所要数の柱状の圧電素子12A、12Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
ここでは、圧電部材12の圧電素子12Aは駆動波形を与えて駆動させる圧電素子とし、圧電素子12Bは駆動波形を与えないで単なる支柱として使用している。しかしながら、すべての圧電素子12A、12Bを駆動させる圧電素子として使用することもできる。
そして、圧電素子12Aは、振動板部材3の振動領域30に形成した島状の厚肉部である凸部30aに接合されている。また、圧電素子12Bは、振動板部材3の厚肉部である凸部30bに接合されている。
この圧電部材12は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものである。圧電部材12は、内部電極をそれぞれ端面に引き出して外部電極を設けている。外部電極は、フレキシブル配線部材15を接続している。
このように構成した液体吐出ヘッド404においては、例えば圧電素子12Aに与える電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12Aが収縮し、振動板部材3の振動領域30が下降して個別液室6の容積が膨張することで、個別液室6内に液体が流入する。
その後、圧電素子12Aに印加する電圧を上げて圧電素子12Aを積層方向に伸長させ、振動板部材3の振動領域30をノズル4に向かう方向に変形させて個別液室6の容積を収縮させることにより、個別液室6内の液体が加圧され、ノズル4から液体が吐出される。
そして、圧電素子12Aに与える電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材3の振動領域30が初期位置に復元し、個別液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室10から個別液室6内に液体が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き-押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与え方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。また、上述した実施形態では、個別液室6に圧力変動を与える圧力発生手段として積層型圧電素子を用いて説明したが、これに限定されず、薄膜状の圧電素子を用いることも可能である。更に、個別液室6内に発熱抵抗体を配し、発熱抵抗体の発熱によって気泡を生成して圧力変動を与えるものや、静電気力を用いて圧力変動を生じさせるものを使用することができる。
次に、液体吐出ヘッド404内における液体の循環について説明する。
図4に示すように、共通液室部材20の端部に、共通液室に連通する供給ポート71と、循環共通液室50に連通する循環ポート81とが形成されている。供給ポート71及び循環ポート81は夫々チューブ456(図1参照)を介して液体を貯蔵する供給タンク502・循環タンク503(図3参照)につなげられている。そして、供給タンク502に貯留されている液体は、供給ポート71、共通液室10、液導入部8、流体抵抗部7を経て、個別液室6へ供給される。
更に、個別液室6内の液体が圧電素子12の駆動によりノズル4から吐出される一方で、吐出されずに個別液室6内に留まった液体の一部もしくは全ては流体抵抗部51、循環流路52、53、循環共通液室50、循環ポート81を経て、循環タンク503へと循環される。
なお、液体の循環は液体吐出ヘッド404の動作時のみならず、動作休止時においても実施することができる。動作休止時に循環することによって、個別液室6内の液体は常にリフレッシュされると共に、液体に含まれる成分の凝集や沈降を抑制できるので好ましい。
このように、液体吐出装置400では、液体吐出ヘッド404を備えることにより、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、液体吐出装置400のハードウェア構成について説明する。
図10は、液体吐出装置400のハードウェア構成例を示すブロック図である。液体吐出装置400は、メイン制御基板100と、ヘッド中継基板200と、画像処理基板300とを備える。ヘッド中継基板200は、圧電素子12Aを駆動する記録ヘッドドライバ210を実装する。
メイン制御基板100には、CPU(Central Processing Unit)101、FPGA(Field-Programmable Gate Array)102、RAM(Random Access Memory)103、ROM(Read Only Memory)104、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)105、モータドライバ106、駆動波形生成回路107などが実装されている。
CPU101は、液体吐出装置400の全体の制御を司る。例えば、CPU101は、RAM103を作業領域として利用して、ROM104に格納された各種の制御プログラムを実行し、液体吐出装置400における各種動作を制御するための制御指令を出力する。この際CPU101は、FPGA102と通信しながら、FPGA102と協働して液体吐出装置400における各種の動作制御を行う。
FPGA102には、CPU制御部111、メモリ制御部112、I2C制御部113、センサ処理部114、モータ制御部115、および記録ヘッド制御部116が設けられている。
CPU制御部111は、CPU101と通信を行う機能を持つ。メモリ制御部112は、RAM103やROM104にアクセスする機能を持つ。I2C制御部113は、NVRAM105と通信を行う機能を持つ。
センサ処理部114は、各種センサ130のセンサ信号の処理を行う。各種センサ130は、液体吐出装置400における各種の状態を検知するセンサの総称である。各種センサ130には、エンコーダセンサのほか、用紙410の通過を検知する用紙センサ、カバー29の開放を検知するカバーセンサ、環境温度や湿度を検知する温湿度センサ、用紙410を固定するレバーの動作状態を検知する用紙固定レバー用センサ、供給タンク502のインク残量を検知する残量検知センサなどが含まれる。なお、温湿度センサなどから出力されるアナログのセンサ信号は、例えばメイン制御基板100などに実装されるADコンバータによりデジタル信号に変換されてFPGA102に入力される。
モータ制御部115は、各種モータ140の制御を行う。各種モータ140は、液体吐出装置400が備えるモータの総称である。各種モータ140には、キャリッジ403を動作させるための主走査モータ405、用紙410を副走査方向に搬送するための副走査モータ416、用紙410を給紙するための給紙モータ、維持回復機構420を動作させるための維持モータなどが含まれる。
ここで、主走査モータ405の動作制御を例に挙げて、CPU101とFPGA102のモータ制御部115との連携による制御の具体例を説明する。まず、CPU101がモータ制御部115に対して、主走査モータ405の動作開始指示とともに、キャリッジ403の移動速度および移動距離を通知する。この指示を受けたモータ制御部115は、CPU101から通知された移動速度および移動指示の情報をもとに駆動プロファイルを生成し、センサ処理部114から供給されるエンコーダ値(エンコーダセンサのセンサ信号を処理して得られた値)との比較を行いながら、PWM指令値を算出してモータドライバ106に出力する。モータ制御部115は、所定の動作を終了するとCPU101に対して動作終了を通知する。なお、ここではモータ制御部115が駆動プロファイルを生成する例を説明したが、CPU101が駆動プロファイルを生成してモータ制御部115に指示する構成であってもよい。CPU101は、印字枚数のカウントや主走査モータ405のスキャン数のカウントなども行っている。
記録ヘッド制御部116は、波形データ記憶部であるROM104に格納された駆動波形データ、吐出同期信号LINE、吐出タイミング信号CHANGEを駆動波形生成回路107に渡して、駆動波形生成回路107に共通駆動波形信号Vcomを生成させる。より詳細には、波形データ記憶部であるROM104には、後述する印刷領域で使用する共通駆動波形Vcom1や非印刷領域で使用する共通駆動波形Vcom2を生成するための複数の駆動波形データが格納されている。駆動波形生成回路107が生成した共通駆動波形信号Vcomは、ヘッド中継基板200に実装された記録ヘッドドライバ210に入力される。
画像処理基板300は、画像処理部310を備えている。画像処理部310は、受付けた画像データについて、階調処理、画像変換処理などを行い、記録ヘッド制御部116で処理可能な形式の画像データに変換する。そして、画像処理部310は、変換後の画像データを、記録ヘッド制御部116へ出力する。
ここで、図11は画像処理部310の構成例を示す機能ブロック図である。
詳細には、画像処理部310は、インターフェイス311と、階調処理部312と、画像変換部313と、画像処理部RAM314と、を有する。
インターフェイス311は、画像データの入力部であり、CPU101、およびFPGA102との通信インターフェイスである。階調処理部312は、受付けた多値の画像データに階調処理を行い、小値の画像データへ変換する。小値の画像データは液体吐出ヘッド404が吐出する液滴の種類(大滴、中滴、小滴)に等しい階調数の画像データである。そして、階調処理部312は、変換した画像データを、画像処理部RAM314上に1バンド分以上保持する。
1バンド分の画像データとは、液体吐出ヘッド404が1度の主走査方向Xの走査で記録可能な最大の副走査方向の幅に相当する画像データを指す。
画像変換部313は、画像処理部RAM314上の1バンド分の画像データについて、主走査方向Xへの1度の走査(1スキャン)で出力する画像単位で、画像データを変換する。この変換は、インターフェイス311を介してCPU101から受付けた、印字順序、および印字幅(=1スキャンあたりの画像記録の副走査幅)の情報に従い、液体吐出ヘッド404の構成に合わせて変換する。
印字順序、印字幅は記録媒体に対して1回の主走査で画像を形成する1パス印字でも良く、記録媒体の同一領域に対して同一のノズル群あるいは異なるノズル群によって複数回の主走査で画像を形成するマルチパス印字を用いても良い。また、主走査方向にヘッドを並べて、同一領域を異なるノズルで打ち分けても良い。これらの記録方法は適宜組み合わせて用いることができる。
印字幅とは、液体吐出ヘッド404の1度の主走査方向Xへの走査(1スキャン)で記録する画像の、副走査方向Yの幅を示す。本実施の形態では、印字幅は、CPU101が設定する。
画像変換部313は、変換した画像データSD’を、インターフェイス311を介して画像記録部へ出力する。
画像処理部310の機能は、FPGAやASIC等のハードウェア機能として実行されても良いし、画像処理部310内部の記憶装置に記憶された画像処理プログラムによって実施されるものであっても良い。
また、画像処理部310の機能は液体吐出装置400の内部ではなく、コンピュータにインストールされたソフトウェアで行っても良い。
次に、記録ヘッド制御部116、駆動波形生成回路107、記録ヘッドドライバ210について説明する。
図12は、記録ヘッド制御部116、駆動波形生成回路107、記録ヘッドドライバ210の構成例を示すブロック図である。
図12に示すように、記録ヘッド制御部116は、吐出のタイミングのトリガーとなるトリガー信号Trigを受信すると、駆動波形の生成のトリガーとなる吐出同期信号LINEを駆動波形生成回路107へ出力する。さらに、吐出同期信号LINEからの遅延量に当たる吐出タイミング信号CHANGEを駆動波形生成回路107へ出力する。
駆動波形生成部である駆動波形生成回路107は、吐出同期信号LINEと、吐出タイミング信号CHANGEに基づいたタイミングで共通駆動波形信号Vcomを生成する。より詳細には、駆動波形生成回路107は、印刷領域で使用する共通駆動波形Vcom1と、非印刷領域で使用する共通駆動波形Vcom2とを生成する。
さらに、記録ヘッド制御部116は、画像処理基板300に設けられた画像処理部310から画像処理後の画像データSD’を受け取る。記録ヘッド制御部116は、画像データSD’をもとに、液体吐出ヘッド404の各ノズル4から吐出させる液滴の大きさに応じて共通駆動波形信号Vcomの所定波形を選択するためのマスク制御信号MNを生成する。マスク制御信号MNは、吐出タイミング信号CHANGEに同期したタイミングの信号である。そして、記録ヘッド制御部116は、画像データSD’と、同期クロック信号SCKと、画像データのラッチを命令するラッチ信号LTと、生成したマスク制御信号MNとを、記録ヘッドドライバ210に転送する。
記録ヘッドドライバ210は、図12に示すように、シフトレジスタ211、ラッチ回路212、階調デコーダ213、レベルシフタ214、およびアナログスイッチ215を備える。
シフトレジスタ211は、記録ヘッド制御部116から転送される画像データSD’および同期クロック信号SCKを入力する。ラッチ回路212は、シフトレジスタ211の各レジスト値を、記録ヘッド制御部116から転送されるラッチ信号LTによってラッチする。
階調デコーダ213は、ラッチ回路212でラッチした値(画像データSD’)とマスク制御信号MNとをデコードして結果を出力する。レベルシフタ214は、階調デコーダ213のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ215が動作可能なレベルへとレベル変換する。
アナログスイッチ215は、レベルシフタ214を介して与えられる階調デコーダ213の出力でオン/オフするスイッチである。アナログスイッチ215は、液体吐出ヘッド404が備えるノズル4ごとに設けられ、各ノズル4に対応する圧電素子12Aの個別電極83に接続されている。
また、アナログスイッチ215には、駆動波形生成回路107からの共通駆動波形信号Vcomが入力されている。また、上述したようにマスク制御信号MNのタイミングが共通駆動波形信号Vcomのタイミングと同期している。したがって、レベルシフタ214を介して与えられる階調デコーダ213の出力に応じて適切なタイミングでアナログスイッチ215のオン/オフが切り替えられることにより、共通駆動波形信号Vcomを構成する駆動波形の中から各ノズル4に対応する圧電素子12Aに印加される波形が選択される。その結果、ノズル4から吐出されるインク滴の大きさが制御される。すなわち、記録ヘッドドライバ210は、個別液室6の容積を変化させる駆動波形を圧電素子12Aに印加する駆動制御部として機能する。
加えて、本実施の形態の液体吐出装置400においては、液滴が吐出しない程度に弱い振動をメニスカスに与えることにより、メニスカスの乾燥を防止する。この点について、以下に説明する。
ここで、図13は液体吐出装置400における液体吐出ヘッド404の走査領域の一例を示す図である。図13は、用紙410、および用紙410の搬送方向に対して垂直方向に走査する液体吐出ヘッド404(キャリッジ403)の走査領域(ヘッド可動領域)を表している。なお、前述したように、液体吐出ヘッド404は、インク循環のためのチューブ456が接続されており、ノズル4の近傍をインクが通過する個別液室循環型のヘッドである。
図13に示すように、液体吐出ヘッド404(キャリッジ403)の走査領域(ヘッド可動領域)には、用紙410に対しての印刷領域と、液体吐出ヘッド404の走査領域に対する印刷領域以外となる非印刷領域と、が存在する。ここで、非印刷領域は、画像データSD’が存在しない領域である。
ここで、図14-1は駆動波形の一例を示す図である。図14-1に示すように、本実施の形態においては、駆動波形生成回路107は、非印刷領域ではメニスカスを揺らすだけの弱い振動を与えてメニスカスを引き込む微駆動波形(制振パルス)Vcom2を生成する。また、印刷領域では共通駆動波形上に微駆動波形(制振パルス)がない、液滴を吐出して画像形成するための吐出駆動波形(吐出パルス)Vcom1とする駆動波形を生成する。
なお、吐出駆動波形(吐出パルス)の初期電圧と微駆動波形(制振パルス)の初期電圧を同一にすることで、印刷領域外での微駆動波形(制振パルス)から印刷領域での吐出駆動波形(吐出パルス)に波形を切り替える際の電圧変化のための時間を設ける必要がなくなり、より効率的な制御が可能となる。
図14-1に示すように、微駆動波形(制振パルス)は、メニスカスを引き込むための電圧変化時間Tf、電圧保持時間Pw、メニスカスを戻すための電圧変化時間Trからなる。メニスカスの固有振動周期をTcとしたときにインク滴(液滴)を飛ばす場合、TfおよびTrは、Tc/2よりも短く、Tf+Pw=Tc/2に近いほど、低い電圧で効率的にインク滴(液滴)を飛ばすことができる。
しかし、微駆動波形(制振パルス)として用いる場合、TfおよびTrは、Tc/2よりも長いほど効率が悪くなり、電圧が高くなる。特に、TfおよびTrは、Tcよりも長くなると、電圧変化による固有振動周期の励起を打ち消しあうため、より電圧を高め、メニスカスを大きく引き込み、メニスカスの攪拌効率を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、微駆動波形(制振パルス)Vcom2についてメニスカスを引き込む波形として説明したが、これに限るものではない。ここで、図14-2は駆動波形の変形例を示す図である。図14-2に示すように、微駆動波形(制振パルス)Vcom2は、メニスカスを押し出す波形であってもよい。
ここで、図15~図17はTf,Trを変化させたときのメニスカスの速度および変化量のシミュレーション結果を示す図である。図15~図17においては、電圧を2.7Vとしている。
図15に示す例は、TfとTrが、Tc/2よりも短い場合の例である。図15(a)に示すように、微駆動波形(制振パルス)によって液滴が飛ばないようにした場合におけるメニスカス速度は、3m/sである。ここでは、液滴が飛ばないようにするという目的から、正の最大値で見ている。また、図15(b)に示すように、液滴が飛ばないようにした場合におけるメニスカス変化量は-2plである。なお、メニスカスの引き込み量で見るという目的から、負の最大値で見ている。TfおよびTrがTc/2よりも短い図15に示す例においては、効率的に駆動しており、メニスカスが大きく振動している様子が伺える。
図16に示す例は、TfとTrが、Tc/2よりも長く、Tcよりも短い場合の例である。図16に示す例では、メニスカス速度は3m/sであるが、メニスカス変化量は約-3.4plまで増大している。TfおよびTrがTc/2よりも長く、Tcよりも短くした図16に示す例においては、メニスカスの振動が図15に比べて小さくなっていることがわかる。すなわち、図15と同等のメニスカスの速度にするためにはより電圧を高くすることが可能ということを表している。
このようにメニスカスの固有振動周期Tcに対し、メニスカスの引き込みの電圧変化時間をTc/2以上にすることで、固有振動の励起を抑制することができるため、インク滴を吐出させないための引き込み電圧を高くすることができ、メニスカスの増粘の攪拌を効果的に行なうことができる。
図17に示す例は、TfとTrがTcよりも長い場合の例である。図17に示す例では、メニスカス速度は3m/sであるが、メニスカス変化量は約-5.7plまで増大している。TfおよびTrをTcよりも長くした図17に示す例においては、図15や図16に示した例とは異なり、固有振動がほとんど見られなくなっている。このように、TfおよびTrをTcよりも長くすると、より電圧を高くすることができ、大きくメニスカスを揺らすことが可能となる。
これにより、電圧変化時間がTc以上だと固有振動の励起をより抑制できるため、さらに大きく引き込むことが可能となる。同様に、引き込まれたメニスカスを戻すための電圧変化時間をTc/2以上、もしくはTc以上にすることで、より大きくメニスカスを引き込むことが可能となる。
このように本実施の形態によれば、ノズル4の近傍をインク循環させることでノズル4内のインクの増粘を防止するとともに、印刷領域外でメニスカスを吐出しない程度に揺らすことで、メニスカス表面の増粘もリセットすることが可能となり、連続印刷においても吐出異常を防ぎつつ、印刷領域での駆動波形に微駆動波形(制振パルス)を設ける必要がなくなる。これにより、画像形成のための駆動波形の波形長を短くすることができ、画像形成のための吐出周波数を高め、メニスカスの増粘防止と印刷速度向上の両立が可能となる。
なお、液体吐出装置400は、メニスカスが乾燥しやすい低湿環境時もしくは高温環境時ほど、液滴吐出ヘッド404に対する液体(インク)の循環流量を大きくすることで、効果的にメニスカスの増粘防止をはかることができる。
なお、液体吐出装置400は、メニスカスが乾燥しやすい低湿環境時もしくは高温環境時ほど、微駆動波形(制振パルス)による微駆動の回数を多くすることで、効果的にメニスカスの増粘防止をはかることができる。
本願において、「液体吐出ヘッド」とは、ノズルから液体を吐出・噴射する機能部品である。
吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、三次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、供給・循環機構、キャリッジ、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
例えば、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドと供給・循環機構が一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドと供給・循環機構が一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットの供給・循環機構と液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、供給・循環機構若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。このチューブを介して、液体貯留源の液体が液体吐出ヘッドに供給される。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものとする。
本願において、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体吐出装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体吐出装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、三次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体吐出装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体吐出装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態の液体吐出装置がライン型画像記録装置である点が、シリアル型画像記録装置である第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図18は第2の実施の形態にかかる液体吐出装置における液体吐出ヘッド404の走査領域の一例を示す図である。図18は、ライン型画像記録装置での用紙410を表しており、(a)は印刷領域、(b)は非印刷領域を表している。
このようなライン型画像記録装置である液体吐出装置においても、図14-1等に示すように、駆動波形生成回路107は、非印刷領域(b)ではメニスカスを揺らすだけの弱い振動を与える微駆動波形(制振パルス)とし、印刷領域(a)では液滴を吐出して画像形成するための吐出駆動波形(吐出パルス)とする駆動波形を生成する。
このように本実施の形態によれば、画像形成のための吐出周波数を高め、メニスカスの増粘も防ぎ、高速で高品位な画像形成を行なうことが可能となる。
なお、上記実施形態においては、本発明に係る液体吐出装置をプリンタ構成の画像形成装置に適用した例で説明したが、これに限るものではなく、例えば、プリンタ/ファックス/コピア複合機などの画像形成装置にも適用することができる。