JP6408373B2 - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に用いられる電極(正極および負極)は、典型的には、集電体上に活物質を含む活物質層を備えている。活物質層は、一般に、活物質を液状媒体に分散させたスラリー状組成物を集電体の表面に塗布して乾燥させた後、プレスすることで製造されている。また、液状媒体を使用することなく、粉体成型によって電極を製造する方法も知られている。例えば、特許文献1には、活物質粒子とバインダを造粒した造粒粒子の粉体を集電体の上に堆積し、プレスすることで、電極を製造することが記載されている。
特開2009−253168号公報
ところで、かかる電極の製造方法において、造粒粒子の粉体を堆積させて成型する場合に、目付量を均一にする目的でロール状またはブレード状のスキージで粉体を均すことがある。かかる均し工程では、典型的には、集電体の上に供給された造粒粒子の粉体が、集電体とスキージとの隙間に向けて案内され、スキージで平坦化される。このスキージによる均しの際に、堆積した粉体が集電体の上で滑ることで、集電体とスキージとの隙間に適切に入っていかず、供給量(ひいては目付量)にバラツキが生じる事態が起こり得る。特に、生産性を向上する目的で成型速度を上げた場合には、粉体が集電体の上で滑りやすく、目付量にバラツキが生じやすい。本発明は上記課題を解決するものである。
ここで提案されるリチウムイオン二次電池の製造方法は、正極を形成する正極形成工程と、負極を形成する負極形成工程と、前記正極と前記負極を用いてリチウムイオン二次電池を構築する電池構築工程とを含む。
前記正極形成工程は、以下の工程:
アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる正極集電体を用意すること;
正極活物質粒子とバインダとを少なくとも含む正極造粒粒子を用意すること;
前記正極集電体の表面に前記正極造粒粒子を供給すること;
前記正極集電体の表面に供給された前記正極造粒粒子にスキージ部材を当てて均す(すなわち平坦化する)こと;を含む。
ここで、前記正極集電体の表面の十点平均粗さ(Rz)は、0.6μm≦Rz≦2.8μmであるとよい。また、前記正極造粒粒子の平均粒径(D50)は、50μm≦D50≦100μmであるとよい。これによって、正極造粒粒子と正極集電体間に適度な摩擦力が働くため、正極造粒粒子が正極集電体とスキージ部材の隙間に適切に入りやすい。そのため、正極造粒粒子の粉体を均一に均すことが可能になり、目付ムラが低く抑えられやすい。
また、前記負極形成工程は、以下の工程:
銅または銅合金からなる負極集電体を用意すること;
負極活物質粒子とバインダとを少なくとも含む負極造粒粒子を用意すること;
前記負極集電体の表面に前記負極造粒粒子を供給すること;
前記負極集電体の表面に供給された前記負極造粒粒子にスキージ部材を当てて均すこと;を含む。
ここで、前記負極集電体の表面の十点平均粗さ(Rz)は、1.02μm≦Rz≦3.15μmであるとよい。また、前記負極造粒粒子の平均粒径(D50)は、50μm≦D50≦100μmであるとよい。これによって、負極造粒粒子と負極集電体間に適度な摩擦力が働くため、負極造粒粒子が負極集電体とスキージ部材の隙間に適切に入りやすい。そのため、負極造粒粒子の粉体を均一に均すことが可能になり、目付ムラが低く抑えられやすい。
ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、前記正極集電体の表面に供給された前記正極造粒粒子の目付量(すなわち単位面積当たりの正極造粒粒子の質量)が、少なくとも18.9mg/cmとなるように設定されている。一般に正極造粒粒子の目付量が多ければ多いほど、正極造粒粒子の粉体を均一に均すことは困難になりがちであるが、本態様の発明によれば、特定の十点平均粗さを有する正極集電体上に特定の平均粒径を有する正極造粒粒子を供給することで、18.9mg/cm以上のような高目付であっても、正極造粒粒子の粉体を均一に均すことができる。
ここで開示される製造方法の好ましい一態様では、前記負極集電体の表面に供給された前記負極造粒粒子の目付量(すなわち単位面積当たりの負極造粒粒子の質量)が、少なくとも9.3mg/cmとなるように設定されている。一般に負極造粒粒子の目付量が多ければ多いほど、負極造粒粒子の粉体を均一に均すことは困難になりがちであるが、本態様の発明によれば、特定の十点平均粗さを有する負極集電体上に特定の平均粒径を有する負極造粒粒子を供給することで、9.3mg/cm以上のような高目付であっても、負極造粒粒子の粉体を均一に均すことができる。
図1は、ここで提案されるリチウムイオン二次電池の製造方法を具現化する電極の成型装置を示す模式図である。 図2は、造粒粒子を模式的に示す図である。 図3は、従来例において造粒粒子がスキージ部材で均される状態を模式的に示す図である。 図4は、本実施形態において造粒粒子がスキージ部材で均される状態を模式的に示す図である。 図5は、一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す図である。 図6は、一実施形態に係る捲回電極体を説明するための図である。
以下、ここで提案されるリチウムイオン二次電池の製造方法についての一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、各図は模式的に描かれており、例えば、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいう。「リチウムイオン二次電池」は、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
ここで提案されるリチウムイオン二次電池の製造方法は、正極を形成する正極形成工程と、負極を形成する負極形成工程と、正極と負極を用いてリチウムイオン二次電池を構築する電池構築工程とを含んでいる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電極(正極および負極)の形成工程を具現化する成型装置10を示す模式図である。かかる成型装置10は、正極形成工程および負極形成工程の双方に利用され得る。ここで、成型装置10は、図1に示すように、搬送装置22と、供給装置24と、スキージ部材25と、プレスローラ26,27とを備えている。図中の矢印Fは、適宜、搬送方向を示している。ここで、搬送装置22は集電体12を搬送する装置である。供給装置24は、造粒粒子32(図2参照)を供給する装置である。成型装置10を構成するこれらの装置については、後述する。図2は、造粒粒子32を模式的に示す図である。
ここで提案される正極形成工程および負極形成工程は、以下の工程(a)〜(e)を含んでいる。なお、下記(a)と(b)の工程は順不同に行うことができる。
(a)集電体の用意工程
(b)造粒粒子の用意工程
(c)造粒粒子の供給工程
(d)均し工程
(e)プレス工程
<a.集電体12の用意工程>
工程aでは、集電体12が用意される。ここで用意される集電体12は、電極(正極および負極)において電気が取り出される部材である。図1に示す例では、集電体12として、帯状の金属箔が用意されている。ここでは、集電箔としての帯状の金属箔は、図示は省略するが、巻芯に巻かれた状態で用意されているとよい。
〈正極集電体〉
リチウムイオン二次電池の正極を形成する場合、正極集電体としてアルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられる。例えば、正極集電体として、帯状の圧延アルミニウム箔が好適に使用され得る。必要に応じて、アルミニウム箔に対して、表面の圧延油を除去する処理(すなわち濡れ性を向上させる処理)、例えば熱処理やコロナ放電処理やプラズマ処理などを施してもよい。正極集電体の厚みは特に限定されないが、高強度および低抵抗の観点から、概ね5μm〜30μmが適当であり、好ましくは10μm〜20μm(例えば15μm)である。また、ここで用意される正極集電体としては、表面の十点平均粗さ(Rz)が0.6μm以上である。例えば、表面の十点平均粗さが0.6μm以上2.8μm以下の正極集電体が好ましく、0.8μm以上2.6μm以下のものがより好ましく、1μm以上2.4μm以下のものがさらに好ましく、1.1μm以上2.2μm以下のものが特に好ましい。正極集電体の表面の十点平均粗さを上記範囲とすることで、後述する造粒粒子の均し工程において、より高い目付精度が実現され得る。
<負極集電体>
リチウムイオン二次電池の負極を形成する場合、負極集電体として銅または銅合金が用いられる。例えば、負極集電体として、帯状の電解銅箔が好適に使用され得る。必要に応じて、銅箔の表面に無機防錆処理、有機防錆処理、その他の防錆処理を施してもよい。負極集電体の厚みとしては、特に限定されないが、高強度および低抵抗の観点から、概ね6μm〜20μmが適当であり、好ましくは8μm〜15μm(例えば10μm)である。また、ここで用意される負極集電体としては、表面の十点平均粗さ(Rz)が1.02μm以上である。例えば、表面の十点平均粗さが1.02μm以上3.15μm以下の負極集電体が好ましく、1.1μm以上3.1μm以下のものがより好ましく、1.2μm以上3μm以下のものがさらに好ましく、1.4μm以上2.9μm以下のものが特に好ましい。負極集電体の表面の十点平均粗さを上記範囲とすることで、上述する造粒粒子の均し工程において、より高い目付精度が実現され得る。
なお、この明細書中において、十点平均粗さ(Rz)とは、JIS−B−0601(1994)で定義される十点平均粗さをいう。すなわち、十点平均粗さは、断面曲線から基準長さだけ抜き取り、この抜き取った部分の平均線に平行かつ断面曲線を横切らない直線から、平均線に垂直な方向に測定した最も高い山頂から5番目までの山頂の標高の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高の平均値との差の値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。集電体の表面の十点平均粗さ(Rz)は、例えば、表面粗さ測定装置(例えば、「ロータリーキャリパー計RC1」、明産株式会社製、測定長100mm、「サーフコーダSE300」、株式会社小坂研究所製)を用いて測定するとよい。
図1に示された成型装置10は、上述した帯状の集電体12を長さ方向に沿って搬送する工程を備えている。ここでは、帯状の集電体としての集電体12が、搬送装置22によって、予め定められた搬送経路に沿って搬送されている。なお、本明細書において「用意する」とは、例えば、適宜、所要の材料を材料メーカーから入手することでもよい。
<b.造粒粒子の用意工程>
工程bでは、造粒粒子32が用意される。ここで用意される造粒粒子32は、図2に示すように、活物質粒子34と、バインダ36とを少なくとも含んでいる。かかる造粒粒子32は、個々の活物質粒子34の表面にバインダ36が付着し、さらにその活物質粒子34がバインダ36によって互いに結合された態様であり得る。好適な一態様では、バインダ36が活物質粒子34の内部および外表面に局所的に偏在することなく略均一に分散されて配置されている。造粒粒子32は、活物質粒子34およびバインダ36以外の材料が含まれていてもよく、例えば、導電材や増粘材が含まれていてもよい。
〈正極造粒粒子〉
リチウムイオン二次電池の正極を形成する場合、正極造粒粒子の性状としては、例えば、平均粒径が凡そ50μm以上であるとよい。均質な正極活物質層を形成する観点から、正極造粒粒子の平均粒径は、好ましくは60μm以上、より好ましくは70μm以上、さらに好ましくは75μm以上である。また、正極造粒粒子の平均粒径は、概ね100μm以下、例えば90μm以下である。ここで開示される技術は、例えば、正極造粒粒子の平均粒径が50μm以上100μm以下である態様で好ましく実施され得る。
〈負極造粒粒子〉
リチウムイオン二次電池の負極を形成する場合、負極造粒粒子の性状としては、例えば、平均粒径が凡そ50μm以上であるとよい。均質な活物質層を形成する観点から、負極造粒粒子の平均粒径は、好ましくは60μm以上、より好ましくは70μm以上、さらに好ましくは75μm以上である。また、負極造粒粒子の平均粒径は、概ね100μm以下、例えば90μm以下である。ここで開示される技術は、例えば、負極造粒粒子の平均粒径が50μm以上100μm以下である態様で好ましく実施され得る。
なお、本明細書中において「平均粒径」とは、特記しない限り、レーザ散乱・回折法に基づく粒度分布測定装置に基づいて測定した粒度分布における積算値50%での粒径、すなわち50%体積平均粒子径を意味するものとする。ここで、積算値50%での粒径、すなわち50%体積平均粒子径を適宜に「D50」と称する。より具体的には、レーザ回析・散乱式粒度分布測定装置(例えば、「マイクロトラックMT−3200II」、日機装株式会社製)を用い、圧縮空気による粒子の分散は行わず、乾式測定した50%体積平均粒子径である。
かかる造粒粒子32は、例えば、活物質粒子34とバインダ36とを所定の割合で混合して、造粒、分級等を行うことで用意することができる。造粒の手法としては特に制限はなく、例えば、転動造粒法、流動層造粒法、撹拌造粒法、圧縮造粒法、押出造粒法、破砕造粒法、スプレードライ法(噴霧造粒法)等を採用することができる。噴霧される液滴には、活物質粒子34とバインダ36とが少なくとも含まれているとよい。また噴霧される液滴には、例えば、導電材や増粘材が含まれていてもよい。
リチウムイオン二次電池の正極を形成する場合、正極活物質粒子としては、従来からリチウムイオン二次電池の正極活物質として用いられている各種の材料を特に限定なく使用することができる。好適例として、リチウムニッケル酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト酸化物(例えばLiCoO)、リチウムマンガン酸化物(例えばLiMn)等のリチウムと遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物(リチウム遷移金属酸化物)や、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウムと遷移金属元素とを構成金属元素として含むリン酸塩などが、挙げられる。正極活物質粒子の平均粒径(D50)は特に限定されないが、概ね1μm〜10μm程度が適当であり、好ましくは4μm〜6μmである。
リチウムイオン二次電池の負極を形成する場合、負極活物質粒子としては、従来からリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いられている各種の材料を特に限定なく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、チタン酸リチウム等のリチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物、シリコン化合物などが挙げられる。負極活物質粒子の平均粒径(D50)は特に限定されないが、概ね10μm〜30μm程度が適当であり、好ましくは15μm〜25μmである。また、負極活物質粒子として炭素系材料を用いる場合、負極活物質粒子の比表面積は概ね1m/g〜10m/gとすることが適当であり、好ましくは1.5m/g〜5m/gであり、特に好ましくは2m/g〜3m/gである。
造粒粒子32に含ませるバインダ36としては、活物質の結合を実現し得る各種の材料のなかから採用する造粒方法に適した材料を選択・使用するとよい。一例として、湿式の造粒方法(例えば前記スプレードライ法)を採用する場合には、溶媒に溶解または分散可能なポリマーが用いられる。水性溶媒に溶解または分散可能なポリマーとしては、例えば、アクリレート重合体、ゴム類(スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)など)、酢酸ビニル共重合体、などが挙げられる。また、非水溶媒に溶解または分散可能なポリマーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が挙げられる。また、造粒粒子32に含ませるバインダ36として、セルロース系ポリマー、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE))などを用いてもよい。
また、導電材を含む構成においては、導電材として、例えば、カーボン粉末、カーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。このような導電材から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラファイトなどの粉末を用いることができる。かかる導電材は、活物質粒子34と集電体12との導電パスを形成するうえで、導電性が乏しい活物質粒子34を用いる場合に好適に添加される。
また、増粘剤を含む構成においては、増粘剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCのナトリウム塩(CMC−Na)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの材料が例示される。このような増粘剤から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。
<c.造粒粒子の供給工程>
工程cでは、前記集電体12の表面(すなわち特定の十点平均粗さを有する集電体の表面)に造粒粒子32を供給する。図1に示す例では、搬送装置22によって集電体12が搬送され、供給装置24により、造粒粒子32を供給している。
供給装置24は、搬送装置22によって搬送される集電体12の表面に造粒粒子32を供給する。ここでは、供給装置24は、造粒粒子32を貯留するホッパ24aを備えている。ホッパ24aは、図示は省略するが、造粒粒子32を供給する量を調整する調整装置を備えているとよい。この場合、ホッパ24aは、例えば、集電体12の搬送速度などに応じて造粒粒子32の供給量を調整し、適当な量の造粒粒子32を集電体12の表面に供給するとよい。ここでは、造粒粒子32は、複数の造粒粒子32が集まった集合体(粉体30)として供給される。
<d.造粒粒子の均し工程>
工程dでは、集電体12の表面に供給された造粒粒子32にスキージ部材25を当てて均す。かかる工程では、例えば、集電体12に供給された造粒粒子32の厚さ(つまり、造粒粒子32の粉体30の厚さ)が均一に整えられる(すなわち平坦化される)。この実施形態では、供給装置24の下流側(集電体の搬送経路における下流側)にスキージ部材25が設けられている。スキージ部材25は、集電体12の上に供給された造粒粒子32の厚さを調整する。例えば、スキージ部材25と搬送される集電体12との間には間隙があり、かかる間隙に応じて通過する造粒粒子32の厚さが調整される。この実施形態では、スキージ部材25は、集電体12の上に供給された造粒粒子32を、厚さ方向に挟むように配置されたローラスキージ25aと、バックロール25bとで構成されている。なお、ここでは、スキージ部材25は、ロール状の部材であるが、ブレード状の部材でもよい。スキージ部材25と搬送される集電体12との間隙は、造粒粒子32の粒径および目付量(設計目付量)にもよるが、例えば、凡そ100μm〜300μm程度(好適例としては、凡そ150μm〜250μm程度)に調整するとよい。
このような造粒粒子32の均し工程では、集電体12の表面に供給された造粒粒子32の粉体30は、集電体12とローラスキージ25aとの隙間に向けて案内され、このローラスキージ25aで平坦化される。この際、図3に示すように、従来の態様では、造粒粒子32の粉体30が、集電体12の表面で滑ることで、集電体12とローラスキージ25aとの隙間に適切に入っていかず、供給量にバラツキが生じることが起こり得た。特に、生産性を向上する目的で集電体12の搬送速度を上げた場合(例えば搬送速度が10m/分以上、典型的には30m/分以上の場合)、造粒粒子32の供給量(ひいては目付量)にバラツキが生じやすい。
これに対し、図4に示すように、ここで開示される製造方法においては、リチウムイオン二次電池の正極を形成する場合、正極集電体の表面の十点平均粗さ(Rz)が0.6μm以上2.8μm以下に設定されている。また、正極造粒粒子の平均粒径(D50)が50μm以上100μm以下に設定されている。このように、特定の十点平均粗さを有する正極集電体上に特定の平均粒径を有する正極造粒粒子を供給することで、正極造粒粒子と正極集電体間に適度な摩擦力が働くため、正極造粒粒子が正極集電体の動きに追従して正極集電体とローラスキージ25aとの隙間に適切に入りやすい。そのため、正極集電体の表面で正極造粒粒子の供給をより一層均質化することができる。また、過剰に供給された正極造粒粒子を、供給の少ない部位へと均すことができ、正極集電体上に均質な目付量(単位面積当たりの正極造粒粒子の質量)の正極活物質層を形成することができる。
また、ここで開示される製造方法においては、リチウムイオン二次電池の負極を形成する場合、負極集電体の表面の十点平均粗さ(Rz)が1.02μm以上3.15μm以下に設定されている。また、負極造粒粒子の平均粒径(D50)が50μm以上100μm以下に設定されている。このように、特定の十点平均粗さを有する負極集電体上に特定の平均粒径を有する負極造粒粒子を供給することで、負極造粒粒子と負極集電体間に適度な摩擦力が働くため、負極造粒粒子が負極集電体の動きに追従して負極集電体とローラスキージ25aとの隙間に適切に入りやすい。そのため、負極集電体の表面で負極造粒粒子の供給をより一層均質化することができる。また、過剰に供給された負極造粒粒子を、供給の少ない部位へと均すことができ、負極集電体上に均質な目付量(単位面積当たりの負極造粒粒子の質量)の負極活物質層を形成することができる。
リチウムイオン二次電池の正極を形成する場合、正極集電体の表面に供給された正極造粒粒子の目付量(片面当たり)が、少なくとも5mg/cm(好ましくは18.9mg/cm以上)となるように設定されているとよい。また、正極造粒粒子の目付量は、例えば35mg/cm以下である。ここで開示される技術は、例えば、正極造粒粒子の目付量が9mg/cm以上35mg/cm以下(好ましくは12mg/cm以上35mg/cm以下である態様で好ましく実施され得る。このような正極造粒粒子の目付量の範囲内であると、正極の高容量化を図りつつ、より高い目付精度が実現され得る。
リチウムイオン二次電池の負極を形成する場合、負極集電体の表面に供給された負極造粒粒子の目付量(片面当たり)が、少なくとも4.5mg/cm(好ましくは9.3mg/cm以上)となるように設定されているとよい。負極造粒粒子の目付量は、好ましくは6mg/cm以上である。また、負極造粒粒子の目付量は、例えば20mg/cm以下である。ここで開示される技術は、例えば、負極造粒粒子の目付量が4.5mg/cm以上20mg/cm以下である態様で好ましく実施され得る。このような負極造粒粒子の目付量の範囲内であると、負極の高容量化を図りつつ、より高い目付精度が実現され得る。
<e.プレス工程>
工程eでは、集電体12の表面に供給された造粒粒子32をプレス(圧延)することで、集電体12上に活物質層14を形成する。この実施形態では、プレスローラ26,27は、帯状の集電体12が搬送される搬送経路において、造粒粒子32と集電体12とを挟む部材である。この場合、集電体12に堆積させる造粒粒子32の厚さを考慮して、プレスローラ26,27の間隙を調整するとよい。これによって、適当な強さで造粒粒子32が集電体12に押し付けられ、集電体12上に固着される。同時に、造粒粒子32中でバインダ36の接触箇所が増え、造粒粒子32同士が相互に密着される。これにより、集電体12の表面に活物質粒子34を含む造粒粒子32の層(活物質層14)が略一定の厚みで成形される。
プレスローラ26,27の間隔は、例えば形成する活物質層14が所望の性状(例えば厚みや空隙率)となるよう調整するとよい。 また、プレスの際には適宜加熱等の成形促進手段を併用することもできる。加熱状態でプレスを行うことにより、造粒粒子32に含まれるバインダ36を軟化あるいは溶融させることができ、造粒粒子32同士をより強固に結着させる効果が期待できる。
リチウムイオン二次電池の正極を形成する場合、プレス後の正極活物質層の密度としては、少なくとも1.5g/cm(好ましくは2.2g/cm以上)であるとよい。このように正極活物質層を高密度にプレスすることによって、正極活物質層が正極集電体に強固に接着した正極が安定して得られうる。また、正極活物質層の密度は、例えば3.5g/cm以下である。ここで開示される技術は、例えば、正極活物質層の密度1.5g/cm以上3.5g/cm以下である態様で好ましく実施され得る。
リチウムイオン二次電池の負極を形成する場合、プレス後の負極活物質層の密度としては、少なくとも0.8g/cm(好ましくは1.0g/cm以上)であるとよい。負極活物質層を高密度にプレスすることによって、負極活物質層が負極集電体に強固に接着した負極が安定して得られうる。また、負極活物質層の密度は、例えば2.3g/cm以下である。
<リチウムイオン二次電池>
以下、上述した成型装置10を用いて形成された負極(負極シート)および正極(正極シート)を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の一実施形態につき、図5および図6に示す模式図を参照しつつ説明する。図5は本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の断面図である。図6は、当該リチウムイオン二次電池100に内装される電極体40を示す図である。このリチウムイオン二次電池100は、正極(正極シート)50として、上述した成型装置10を用いて形成された正極(正極シート)50が用いられている。また、負極(負極シート)60として、上述した成型装置10を用いて形成された負極(負極シート)60が用いられている。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、図5に示すような扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)80に構成されている。リチウムイオン二次電池100は、図5および図6に示すように、扁平形状の捲回電極体40が、液状電解質(電解液)85とともに、電池ケース80に収容されている。
電池ケース80は、一端(電池100の通常の使用状態における上端部に相当する。)に開口部を有する箱形(すなわち有底直方体状)のケース本体81と、その開口部に取り付けられて該開口部を塞ぐ矩形状プレート部材からなる蓋体(封口板)82とから構成される。電池ケース80の材質は、従来のリチウムイオン二次電池で使用されるものと同じであればよく、特に制限はない。軽量で熱伝導性の良い金属材料を主体に構成された電池ケース80が好ましく、このような金属製材料としてアルミニウム等が例示される。
図5に示すように、蓋体82には外部接続用の正極端子83および負極端子84が形成されている。蓋体82の両端子83、84の間には、電池ケース80の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように構成された薄肉の安全弁90と、注液口92が形成されている。なお、図5では、当該注液口92が注液後に封止材93によって封止されている。
捲回電極体40は、図6に示すように、長尺なシート状正極(正極シート50)と、該正極シート50と同様の長尺シート状負極(負極シート60)とを計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータ72、74)とを備えている。
正極シート50は、帯状の正極集電体52と正極活物質層53とを備えている。正極集電体52の幅方向片側の縁部に沿って正極活物質層非形成部51が設定されている。図示例では、正極活物質層53は、正極集電体52に設定された正極活物質層非形成部51を除いて、正極集電体52の両面に保持されている。なお、正極活物質層53を正極集電体52の両面に形成する場合、正極集電体52の一方の面に前述した製造方法にて正極活物質層53を形成した後、正極集電体52の他方の面に前述した製造方法にて正極活物質層53を形成するとよい。正極シート50の形成方法の詳細については、前述したとおりであるので、その説明は省略する。
負極シート60は、図6に示すように、帯状の負極集電体62と負極活物質層63とを備えている。負極集電体62の幅方向片側には、縁部に沿って負極活物質層非形成部61が設定されている。負極活物質層63は、負極集電体62に設定された負極活物質層非形成部61を除いて、負極集電体62の両面に保持されている。なお、負極活物質層63を負極集電体62の両面に形成する場合、負極集電体62の一方の面に前述した製造方法にて負極活物質層63を形成した後、負極集電体62の他方の面に前述した製造方法にて負極活物質層63を形成するとよい。負極シート60の形成方法の詳細については、前述したとおりであるので、その説明は省略する。
セパレータ72、74は、図6に示すように、正極シート50と負極シート60とを隔てる部材である。この例では、セパレータ72、74は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ72、74には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。また、かかる樹脂で構成されたシート材の表面に、絶縁性を有する粒子の層をさらに形成してもよい。ここで、絶縁性を有する粒子としては、絶縁性を有する無機フィラー(例えば、金属酸化物、金属水酸化物などのフィラー)、或いは、絶縁性を有する樹脂粒子(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの粒子)で構成してもよい。この例では、図6に示すように、負極活物質層63の幅b1は、正極活物質層53の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ72、74の幅c1、c2は、負極活物質層63の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
捲回電極体40を作製するに際しては、正極シート50と負極シート60とがセパレータ72、74を介して積層される。このとき、正極シート50の正極活物質層非形成部51と負極シート60の負極活物質層非形成部61とがセパレータ72、74の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように重ね合わせる。このように重ね合わせた積層体を捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平状の捲回電極体40が作製され得る。この実施形態では、捲回電極体40は、図6に示すように、捲回軸WLに直交する一の方向において扁平に押し曲げられている。図6に示す例では、正極シート50の正極活物質層非形成部51と負極シート60の負極活物質層非形成部61は、それぞれセパレータ72、74の両側においてらせん状に露出している。この実施形態では、図5に示すように、正極活物質層非形成部51の中間部分は、寄せ集められ、電池ケース80の内部に配置された電極端子(内部端子)の集電タブ87、86に溶接される。図5中の87a、86aは当該溶接個所を示している。
そして、ケース本体81の上端開口部から該本体81内に捲回電極体40が収容され、上記開口部を蓋体82との溶接等により封止する。また、電解液85が注液口92からケース本体81内に配置(注液)される。
電解液(非水電解液)85としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等からなる群から選択された一種または二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF,LiBF,LiAsF,LiCFSO,LiCSO,LiN(CFSO,LiC(CFSO等のリチウム塩を用いることができる。
その後、注液口92を封止材93によって封止し、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の組み立てが完成する。ケース80の封止プロセスや電解液の配置(注液)プロセスは、従来のリチウムイオン二次電池の製造で行われている手法と同様でよく、本発明を特徴付けるものではない。このようにして本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の構築が完成する(電池構築工程)。
このようにして構築されたリチウムイオン二次電池100は、正極集電体52(負極集電体62)の表面に正極造粒粒子(負極造粒粒子)が均一に供給され、目付品質の高い正極活物質層53(負極活物質層63)を有する正極50(負極60)を備えていることから、優れた電池性能を示すものであり得る。例えば、かかるリチウムイオン二次電池100は、ハイレートサイクル特性に優れる、入出力特性に優れる、熱的安定性に優れる、のうちの少なくとも一つ(好ましくは全部)を満たすものであり得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
ここでは、上述した正極シートおよび負極シートについて、種々のサンプルを作製し、その目付精度を評価した。
<試験例1:正極シート>
正極シートは、以下のようにして作製した。正極活物質としてのリチウム遷移金属酸化物粉末と、導電材としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのアクリレート重合体と、増粘剤としてのCMC−Naとを含む正極造粒粒子の粉体を作製した。
次いで、該正極造粒粒子を正極集電体として厚みが15μmの圧延アルミニウム箔の上に、図1の示す装置を用いて正極集電体の表面(ここでは両面)に正極造粒粒子の粉体を片面当たりの目付量が18.9mg/cmとなるように供給した。そして、スキージ部材を当てて均した後、正極造粒粒子の粉体をプレスすることで、密度が2.5g/cm(片面当たり)の正極活物質層を形成した。このようにして、正極集電体の表面に正極活物質層が保持された正極シートを得た。
正極シートの各サンプルは、正極造粒粒子の平均粒径(D50)や、正極集電体(アルミニウム箔)の表面の十点平均粗さ(Rz)が異なる。ここでは、正極造粒粒子の平均粒径(D50)を50μm、75μm、100μmにそれぞれ異ならせて正極シートを作製した。また、正極集電体の表面の十点平均粗さを0.4μm〜3.32μmの間で異ならせて正極シートを作製した。
各サンプルの正極シートから直径30mmの切片を計60個ランダムに打ち抜き、正極活物質層の目付量を測定した。そして目付量の工程能力指数(Cpk)を算出した。ここで工程能力指数(Cpk)は、各切片の目付量の平均値をAve、標準偏差をσ、目付量の下限規格値をX(mg/cm)とした場合、Cpk=(X−Ave)/3σから算出される。ここでは下限規格値Xを設計値×0.97として算出した。一般に、リチウムイオン二次電池用正極における目付量のCpkは、1.33以上が求められる。正極造粒粒子のD50が50μmのときの結果を表1、正極造粒粒子のD50が75μmのときの結果を表2、正極造粒粒子のD50が100μmのときの結果を表3にそれぞれ示す。
Figure 0006408373
Figure 0006408373
Figure 0006408373
表1〜表3に示すように、正極造粒粒子の平均粒径(D50)が50μm、75μm、100μmの場合、正極集電体(アルミニウム箔)の表面の十点平均粗さRzが0.6μm〜2.8μmのときにCpkが1.33以上となり、目付精度が良好であった。この結果から、正極造粒粒子の平均粒径を50μm〜100μmとした場合、正極集電体(アルミニウム箔)の表面の十点平均粗さを0.6μm〜2.8μmとすることにより、目付品質の高い正極活物質層を形成し得ることが確認された。ここで供試した正極シートの場合、正極造粒粒子の平均粒径を50μmとし、かつ正極集電体の十点平均粗さRzを1.88μm〜2.15μmとした場合に、1.42以上という極めて高いCpkを達成できた。また、正極造粒粒子の平均粒径を75μmとし、かつ正極集電体の十点平均粗さRzを1.1μm〜2.15μmとした場合に、1.46以上という極めて高いCpkを達成できた。また、正極造粒粒子の平均粒径を100μmとし、かつ正極集電体の十点平均粗さRzを0.95μm〜2.15μmとした場合に、1.46以上という極めて高いCpkを達成できた。
<試験例2:負極シート>
負極シートは、以下のようにして作製した。負極活物質としてのLiを吸蔵放出可能な炭素粉末と、バインダとしてのアクリレート重合体と、増粘剤としてのCMC−Naとを含む負極造粒粒子の粉体を作製した。
次いで、該負極造粒粒子を負極集電体として厚みが10μmの電解銅箔を用意し、図1の示す装置を用いて負極集電体の表面(ここでは両面)に負極造粒粒子の粉体を片面当たりの目付量が9.3mg/cmとなるように供給した。そして、スキージ部材を当てて均した後、負極造粒粒子の粉体をプレスすることで、負極活物質層を形成した。このようにして、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極シートを得た。
負極シートの各サンプルは、負極造粒粒子の平均粒径(D50)や、負極集電体(銅箔)の表面の十点平均粗さ(Rz)が異なる。ここでは、負極造粒粒子の平均粒径(D50)を50μm、75μm、100μmにそれぞれ異ならせて負極シートを作製した。また、負極集電体の表面の十点平均粗さを0.8μm〜3.5μmの間で異ならせて負極シートを作製した。
各サンプルの負極シートから直径30mmの切片を計60個ランダムに打ち抜き、負極活物質層の目付量を測定した。そして目付量の工程能力指数(Cpk)を算出した。ここでは下限規格値を設計値×0.97として算出した。一般に、リチウムイオン二次電池用負極における目付量のCpkは、1.33以上が求められる。負極造粒粒子のD50が50μmのときの結果を表4、負極造粒粒子のD50が75μmのときの結果を表5、負極造粒粒子のD50が100μmのときの結果を表6にそれぞれ示す。
Figure 0006408373
Figure 0006408373
Figure 0006408373
表4〜表6に示すように、負極造粒粒子の平均粒径(D50)が50μm、75μm、100μmの場合、負極集電体(銅箔)の表面の十点平均粗さRzが1.02μm〜3.15μmのときにCpkが1.33以上となり、目付精度が良好であった。この結果から、負極造粒粒子の平均粒径を50μm〜100μmとした場合、負極集電体(銅箔)の表面の十点平均粗さを1.02μm〜3.15μmとすることにより、目付品質の高い負極活物質層を形成し得ることが確認された。ここで供試した負極シートの場合、負極造粒粒子の平均粒径を50μmとし、かつ負極集電体の十点平均粗さRzを1.43μm〜2.89μmとした場合に、1.40以上という極めて高いCpkを達成できた。また、負極造粒粒子の平均粒径75μmとし、かつ負極集電体の十点平均粗さRzを1.24μm〜2.89μmとした場合に、1.45以上という極めて高いCpkを達成できた。また、負極造粒粒子の平均粒径を100μmとし、かつ負極集電体の十点平均粗さRzを1.24μm〜2.89μmとした場合に、1.46以上という極めて高いCpkを達成できた。
以上、ここで提案されるリチウムイオン二次電池(特にリチウムイオン二次電池用正極および負極)の製造方法を説明したが、特に言及されない限りにおいて、本発明に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は上述した実施形態に限定されない。
例えば、図1に示す形態では、帯状の集電体12を長さ方向に沿って搬送しつつ、集電体12の表面に造粒粒子32を供給し、均し、プレスして活物質層14を形成している。ここで提案される製造方法は、かかる形態に限定されない。例えば、必要に応じて、造粒粒子の供給工程に先立ち、集電体の表面に第2のバインダを含むバインダ溶液を付与して、上記集電体上にアンダーコート層を形成する工程を含んでもよい。アンダーコート層は薄層であるため、集電体表面の凹凸に対応した凹凸が表面に形成され得る。そのため、アンダーコート層を設けた場合でも、上述した効果が得られうる。アンダーコート層を設けることにより、集電体と活物質層との接着性を高めることができる。また、アンダーコート層を設けることで、造粒粒子がさらに滑りにくくなるため、目付精度の向上に寄与し得る。
ここで提案される製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池は、活物質層の目付精度が高く、安定した品質の正極および負極を備えている。このため、安定した性能が要求される用途で好ましく用いられる。かかる用途としては、例えば、車両に搭載されるモーター用の動力源(駆動用電源)が挙げられる。車両の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、電気トラック、原動機付自転車、電動アシスト自転車、電動車いす、電気鉄道等が挙げられる。なお、かかるリチウムイオン二次電池は、それらの複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態で使用されてもよい。
10 成型装置
12 集電体
14 活物質層
22 搬送装置
24 供給装置
25 スキージ部材
26、27 プレスローラ
30 粉体
32 造粒粒子
34 活物質粒子
36 バインダ
40 電極体
100 リチウムイオン二次電池

Claims (3)

  1. 正極を形成する正極形成工程と、
    負極を形成する負極形成工程と、
    前記正極と前記負極を用いてリチウムイオン二次電池を構築する電池構築工程と
    を含み、
    前記正極形成工程は、以下の工程:
    アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、表面の十点平均粗さ(Rz)が0.6μm≦Rz≦2.8μmである正極集電体を用意すること;
    正極活物質粒子とバインダとを少なくとも含む正極造粒粒子であって、平均粒径(D50)が50μm≦D50≦100μmである正極造粒粒子を用意すること;
    前記正極集電体の表面に前記正極造粒粒子を供給すること;および、
    前記正極集電体の表面に供給された前記正極造粒粒子にスキージ部材を当てて均すこと;
    を含み、
    前記負極形成工程は、以下の工程:
    銅または銅合金からなり、表面の十点平均粗さ(Rz)が1.02μm≦Rz≦3.15μmである負極集電体を用意すること;
    負極活物質粒子とバインダとを少なくとも含む負極造粒粒子であって、平均粒径(D50)が50μm≦D50≦100μmである負極造粒粒子を用意すること;
    前記負極集電体の表面に前記負極造粒粒子を供給すること;および、
    前記負極集電体の表面に供給された前記負極造粒粒子にスキージ部材を当てて均すこと;
    を含む、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 前記正極集電体の表面に供給された前記正極造粒粒子の目付量が、少なくとも18.9mg/cmとなるように設定されている、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 前記負極集電体の表面に供給された前記負極造粒粒子の目付量が、少なくとも9.3mg/cmとなるように設定されている、請求項1または2に記載の製造方法。
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