JP6407500B1 - リード線 - Google Patents

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Abstract

本発明は、カーボン繊維を導体としながらも剥離工程などにおいて導体が引き抜かれてしまい難いリード線を提供することを目的としている。本発明では、複数のカーボン繊維で構成されている帯状導体を断面形状が円形のリード線に備えさせる。

Description

関連出願の相互参照
本願は、日本国特願2017−065172号の優先権を主張し、引用によって本願明細書の記載に組み込まれる。
本発明は、リード線に関し、より詳しくは、導体と、該導体を覆う筒状の被覆材とを備えた断面形状が円形のリード線に関する。
従来、電気エネルギーを伝達するための手段として電線が広く用いられている。なかでも、リード線と称される小サイズのワイヤーは、微弱な電力や電気信号を伝達するための手段として電気・電子機器などに多く用いられている。一般的なリード線は、断面形状が円形で単一の軟銅線からなる導体や複数の軟銅線が束ねられてなる導体が中心部に配されている。そして、この種の電線では、電気絶縁性に優れたポリマーで出来た円筒状の被覆材によって前記導体が覆われている。
ところで、医療用途などにおいては、カーボン繊維を導体としたリード線を利用することが検討されている(下記特許文献1、2参照)。
日本国実開昭63−167612号公報 日本国特開平9−131328号公報
リード線は、一般的にボビンなどに巻き取られて市販されており、ボビンから繰り出して所定長さに切断して用いられる。また、リード線の使用時には、端部において被覆材を電工ナイフやワイヤーストリッパーで取り除いて導体を露出させる工程(以下「剥離工程」ともいう)が一般に実施されている。
一般的な剥離工程では、例えば、導体を20mm露出させる場合、まず、リード線の端から20mmの位置で被覆材に切込を入れる。この時、導体に傷が付かないようにリード線の外周面から導体に到達しない深さで被覆材に切り込みを入れる。そのため、切り込みが入れられた箇所は、被覆材の薄皮が導体上に残った状態となる。次いで、切込からリード線の端までの除去すべき被覆材を掴んでリード線の長さ方向に引っぱり、前記薄皮を切断して端部の導体上から被覆材が除去する。この時、除去すべき被覆材とともに導体がリード線から引き抜かれてしまうことがある。
本発明者は、カーボン繊維を導体に用いたリード線では、軟銅線を導体に用いたリード線に比べて剥離工程において導体が抜け落ちる問題が起こり易いことを見出した。しかしながら、これまでこのような問題に着目された事例がなく、このような問題に対する具体的な対策は講じられていない。そこで、本発明は、このような問題の解決を図ることを課題としている。即ち、本発明は、カーボン繊維を導体に用いながらも剥離工程などにおいて導体が引き抜かれ難いリード線を提供することを課題としている。
本発明者は、上記目的に鑑み、鋭意検討した結果、導体を帯状とすることで導体の引き抜き抵抗が増大することを見出して本発明を完成させるに至った。
上記課題を解決すべく、本発明は、複数のカーボン繊維で構成されている帯状導体と、該帯状導体を覆う筒状の被覆材とを備えた断面形状が円形のリード線を提供する。
X線撮影装置の構成を示した概略図。 剥離工程前のリード線の様子を示した概略斜視図。 剥離工程後のリード線の様子を示した概略斜視図。 リード線の帯状導体を示した概略斜視図。
本発明のリード線に係る実施の形態について説明する。本発明のリード線は、特にその用途が限定されるわけではないが、以下においてはX線撮影装置のX線照射部と、X線受光部との間において用いられるリード線を例に説明する。
まず、図を参照しつつX線撮影装置と本実施形態のリード線の使用方法とについて説明する。
図1に示すように本実施形態のX線撮影装置100は、被検体Aに対してX線を照射するX線照射部110と、該X線照射部110から照射されたX線を受光するX線受光部120とを有する。X線撮影装置100は、X線照射部110とX線受光部120との間に被検体Aを配し、X線照射部110から照射されたX線を被検体Aを通じてX線受光部120へと到達させて被検体Aの内部の状態を撮影し得るように構成されている。また、X線撮影装置100は、被検体Aに装着されるセンサー130と、該センサー130で得られる情報を伝達するための信号線140とを備えている。該信号線140は、その長さ方向における一端部が前記センサー130に接続され、他端部が前記センサー130から発せられる信号を受信する受信器(図示せず)に接続されている。即ち、前記信号線140は、被検体Aに装着されたセンサー130と受信器との間を電気的に接続すべく被検体AとともにX線照射を受ける環境下において用いられる。このとき信号線140は、X線画像の撮影範囲内に位置する場合があることからX線の透過をできるだけ阻害しない材質のものであることが好ましい。このようなことから、この信号線140は、銅線やアルミニウム線などの金属線ではなくカーボン繊維を導体の構成材として採用している。
なお、X線撮影の対象となる被検体Aは、本実施形態においては、例えば、人間やペットなどの動物、一般的な工業製品などが挙げられる。
本実施形態におけるリード線は、上記のような信号線140に用いられるのに好適なものとなっている。図2、3、4に示すように本実施形態におけるリード線1は、複数のカーボン繊維で構成されている帯状導体と、該帯状導体を覆う筒状の被覆材とを備えた断面形状が円形のリード線である。前記帯状導体を構成している前記複数のカーボン繊維は、前記帯状導体の長さ方向に引き揃えられている。即ち、前記複数のカーボン繊維は、前記帯状導体の長さ方向に延在し、且つ、互いに並行するように配されて前記導体を構成している。該リード線1の前記被覆材20は、円筒状であり、断面形状において外周縁を画定する円形と略同心円となり、且つ、外周縁よりも小さな円形の中空部を有している。本実施形態におけるリード線は、被覆材20の中空部の直径(D(mm))よりも幅の広い帯状導体10を備えている。従って、該帯状導体は、自然状態における形状が帯状であって、丸められた状態で被覆材20の中空部に配されている。
前記被覆材20の中空部の直径(D)は、中空部の面積(S1(mm2))を求め、該面積(S1)と同じ面積を有する円の直径を算出することにより求められる。また、中空部の面積(S1)は、リード線の長さ方向に無作為に選択した数箇所においてリード線を長さ方向DLに直交する平面で切断し、断面を顕微鏡などで拡大して画像撮影し、撮影した各画像について中空部の面積を求め、該面積を算術平均することにより求めることができる。中空部の面積(S1)は、例えば、CCDカメラ付きの顕微鏡で断面の画像を撮影し、該画像を2値化処理するなどして中空部の輪郭を強調して求めることができる。このとき中空部の面積(S1)は、原則的には画像解析ソフトでの面積の自動抽出により求められる。なお、面積の自動抽出が難しい場合は、中空部の輪郭形状から長径と短径とを抽出し、このような長径と短径とを有する楕円形の面積を計算で求めるようにしてもよい。前記帯状導体10の幅(W)は、該帯状導体10の長さ方向DLと直交する方向の寸法を無作為に選択した数箇所で測定して算術平均値を算出することで求めることができる。なお、前記帯状導体10に癖が付いて自然状態ではカールしてしまうような場合、該帯状導体10の幅(W)は、該帯状導体10を2枚のスライドガラスに挟むなどして測定することができる。即ち、前記帯状導体10の幅(W)は、該帯状導体10が平坦な状態になるように軽く荷重を加えて測定することができる。
本実施形態のリード線1は、図2、3に示すように端部において被覆材20が取り除かれて帯状導体10の露出した導体露出部1aが形成され(剥離工程)、該導体露出部1aを使って前記センサー130などと電気的に接続される。このときリード線1には、端部から所定長さ内側において当該リード線1を周回するような形で切込みXが設けられる。その後、前記切込みXからリード線1の端部までが被覆材の不要部分20aとして取り除かれて導体露出部1aが形成される。該不要部分20aの除去は、該不要部分20aを掴んでリード線1の長さ方向に引張る形で行われる。該不要部分20aの除去には、ワイヤーストリッパーなどが用いられる。
前記のように本実施形態のリード線1における前記帯状導体10は、丸められた状態で被覆材20の中空部に配されている。そのため、該帯状導体10は、丸められる前の状態に復帰しようとする復元力によって被覆材20の内壁面との間に摩擦力を作用させることができる。従って、本実施形態のリード線1においては、ワイヤーストリッパーなどで剥離工程が実施される際に前記帯状導体10に引き抜き抵抗が生じ、該帯状導体10が予期せぬ形で引き抜かれてしまうことが抑制される。
本実施形態のリード線1は、前記帯状導体10が丸められた状態で被覆材中に配されているため該帯状導体10を構成しているカーボン繊維どうしの密着性が良好なものとなり該帯状導体10の抵抗値を低減させる上においても有効である。このような帯状導体10の抵抗値の低減効果をより顕在化させる上においては、被覆材20の中空部により多くのカーボン繊維を存在させることが好ましい。より具体的には、本実施形態のリード線1は、被覆材20を長さ方向に直交する平面で切断した断面における中空部の面積をS1(mm2)、前記複数のカーボン繊維が前記中空部に占める面積をS2(mm2)とした際に、下記式(1)で表される充填率(%)が60%以上95%以下となることが好ましい。
該充填率(%)は、65%以上90%以下であることがより好ましい。

充填率(%)=( S2 / S1 )× 100% ・・・(1)
複数のカーボン繊維が前記中空部に占める面積(S2(mm2)は、カーボン繊維1本の断面積と帯状導体に用いられているカーボン繊維の本数とを求め、これ等を積算することで求められる。カーボン繊維の断面積は、カーボン繊維の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影し、撮影された画像から画像解析ソフトを使ってカーボン繊維の断面の面積を自動抽出する方法によって求めることができる。カーボン繊維の断面積は、前記帯状導体に用いられているカーボン繊維の中から無作為に選択した複数本のカーボン繊維についてそれぞれ断面積を求め、得られた複数の断面積のデータの算術平均値として求めることができる。
前記帯状導体10は、カーボン繊維どうしの密着性をより一層良好なものとする上において撚りが加えられた状態で被覆材中に配されていることが好ましい。
本実施形態におけるリード線1は、例えば、クロスヘッドを先端部に装着した押出機などを用いて作製することができる。クロスヘッドは、帯状導体が挿通されるニップルと、該ニップルを通過した後に前記帯状導体の上に被覆材を被覆するためのダイとを備える。前記帯状導体10を撚らずにニップルを通過させようとすると、該帯状導体10は長さ方向に沿って折り目が形成される形で2つ折り又は3つ折り以上に折り畳まれてニップルを通過することになる。そうすると、ニップルを通過した後に該帯状導体10に過度な復元力が発揮され、被覆材に対して内側から外向きに押圧する力が発生して作製されるリード線1が真円に近い断面形状を有するものではなくなって外表面に凹凸を有するものになってしまうおそれがある。そこで、仕上がり形状が良好なリード線1を製造容易にする上においても、前記帯状導体には、撚りが加えられていることが好ましい。
前記帯状導体10に加えられる“撚り”のピッチは、5mmを超え50mm未満であることが好ましい。該撚りピッチは、10mm以上40mm以下であることがより好ましい。この撚りピッチについては、例えば、リード線1からできるだけ被覆材中の状態を保ったまま帯状導体10を取り出して、当該帯状導体10の一定長さにおける撚り回数を測定することにより求められ得る。具体的には、1mの帯状導体10にX回の撚りが施されている場合、撚りピッチは、“1000/X”(mm)ということになる。
本実施形態のリード線1は、特に太さ等が限定されるわけではないが、X線撮影装置100などに用いられる場合には、X線の透過性の観点からは、直径2mm以下の太さで用いられることが好ましい。リード線1の太さは、1.5mm以下であることがより好ましく、1.2mm以下であることがさらに好ましく、1.0mm以下であることが特に好ましい。なお、過度に細径のリード線1は、製造が困難になるとともに単位長さ当たりの電気抵抗も大きくなってしまうおそれがある。そのため、リード線1の太さは、0.2mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることがさらに好ましく、0.5mm以上あることが特に好ましい。
前記帯状導体10の収容部となる前記被覆材20の中空部は、リード線1に占める割合が高い方がリード線1の小サイズ化に有利であるが、中空部を過度な割合で設けようとすると被覆材20の厚みが薄くなってしまい、場合によっては被覆材20に破れを生じさせてしまうおそれがある。このことからリード線1の断面積に占める中空部の面積(S1(mm2))の割合は、25%以上80%以下とされることが好ましい。
前記帯状導体10は、厚さ(T)に対する幅(W)の比率(扁平倍率)が高い方が引き抜き抵抗を高める点で有利となる。このようなことから、該帯状導体10の扁平倍率(W/T)は、5倍以上であることが好ましく、8倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることが特に好ましい。但し、該帯状導体10の扁平倍率を過度に高めようとすると、それだけ該帯状導体10の厚みが薄くなって変形に対する復元力が小さなものになる可能性がある。このようなことから、該帯状導体10の扁平倍率(W/T)は、30倍以下であることが好ましく、25倍以下であることがより好ましく、20倍以下であることが特に好ましい。
前記帯状導体10を構成するカーボン繊維としては、例えば、アクリル繊維を出発材料とするPAN系カーボン繊維やピッチを使ったピッチ系カーボン繊維を採用することができる。本実施形態の前記帯状導体10としては、サイジング剤などによってカーボン繊維が帯状に束ねられたものを採用することができる。
カーボン繊維は、太さが1μm以上20μm以下であることが好ましい。カーボン繊維の太さは、2μm以上15μm以下であることがより好ましく、3μm以上10μm以下であることが特に好ましい。カーボン繊維の太さや、前記帯状導体の厚み(T)は、例えば、マイクロメータなどによって求めることができる。カーボン繊維の太さや、前記帯状導体の厚み(T)は、通常、無作為に選択した複数箇所での測定値の算術平均値として求められる。カーボン繊維の太さは、原則的には、マイクロメータでの測定によって求められるが、例えば、カーボン繊維の太さがマイクロメータで測定するのには細過ぎる場合や、断面形状が円形からかけ離れていてマイクロメータでの測定が適していないと考えられる場合は、前記のようにカーボン繊維の断面積をSEM画像などによって求め、該断面積と同じ面積を有する円の直径をカーボン繊維の太さとしてみなしてもよい。また、前記帯状導体の厚み(T)も原則的には、マイクロメータでの測定によって求められるが、例えば、幅方向における1箇所、又は、複数箇所だけが極端に厚くなっているような場合(部分的な突出が見られる場合)など、マイクロメータでの測定が適さない場合は、カーボン繊維の太さと同様にして顕微鏡画像などから帯状導体の断面積を求め、当該断面積を帯状導体の幅で除してこれを該帯状導体の厚みとしてみなしてもよい。
前記帯状導体10の厚み(T)は、通常、50μm以上500μm以下とされ、60μm以上300μm以下であることが好ましく、70μm以上200μm以下であることが特に好ましい。上記のような厚みを有する帯状導体10の幅(W)は、通常、0.8mm以上3mm以下とされ、0.9mm以上2.5mm以下であることが好ましく、1mm以上2mm以下であることがより好ましい。
前記帯状導体10を構成するカーボン繊維の本数は、通常、1000本以上24000本以下とされる。なお、前記帯状導体10を構成するカーボン繊維のそれぞれは、太さや材質が共通している必要はない。したがって、該帯状導体10は、PAN系カーボン繊維とピッチ系カーボン繊維とが混在していてもよく、太さの異なるカーボン繊維が混在していてもよい。
該帯状導体10を覆う前記被覆材20は、特にその材質等が限定されるものではなく、一般的なリード線の被覆材の形成に用いられているものと同様のポリマー組成物によって形成され得る。本実施形態の被覆材20は、1×1012Ω・cm以上の体積抵抗率を有する電気絶縁性のポリマー組成物であることが好ましい。該ポリマー組成物の主成分としてポリマー組成物に含有されるポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、アクリル系ポリマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性ポリマーや、シリコーンゴムやウレタンゴムなどの熱硬化性ポリマーが挙げられる。
前記被覆材20は、上記のようなポリマーを含むポリマー組成物を溶融混練し、溶融混練物を前記帯状導体に被覆する方法によって形成させることができ、一般的な押出法によって形成させ得る。ここで、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミドなどの結晶性ポリマーを含むポリマー組成物によって被覆材20を形成させると、被覆後の結晶化にともなう収縮によって充填率(%)を向上させ得る。その一方で結晶性ポリマーを主成分とするポリマー組成物で被覆材20を形成させると、当該リード線は、剥離工程時にポリマー組成物にネッキングが生じて被覆材20の切り口から導体露出部1aに向かって伸びる糸状物が形成され易い。ポリマー組成物に無機フィラーを含有させて引張破壊時呼びひずみを低下させ、剥離工程におけるネッキングを防止することも考え得るが、X線透過性を考慮すると被覆材20を形成させるためのポリマー組成物の無機フィラーの含有量はできるだけ低減されることが好ましい。このようなことから、本実施形態のポリマー組成物は、非晶性ポリマーを主成分とし、且つ、無機物の含有量を5質量%以下とすることが好ましい。非晶性ポリマーのなかで、ポリ塩化ビニルは、可塑剤の含有量によって機械的特性の調整が容易で、被覆材20に適度な引張破壊時呼びひずみを発揮させる上で好適である。
ポリ塩化ビニルを含むポリマー組成物に含有させる前記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、アゼライン酸エステル系可塑剤、セバシン酸エステル系可塑剤、マレイン酸エステル系可塑剤、フマル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸エステル系可塑剤、イタコン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等のエステル化合物が挙げられる。ポリマー組成物に含有させる可塑剤は、フタル酸エステル系可塑剤かトリメリット酸エステル系可塑剤であることが好ましい。
フタル酸エステル系可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート[又はビス(2−ヘチルヘキシル)フタレート]、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレート等が挙げられる。
トリメリット酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ(n−オクチル)トリメリテート、トリ(イソノニル)トリメリテート等がある。中でも、ジウンデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ(n−オクチル)トリメリテート、トリ(イソノニル)トリメリテート等が挙げられる。
前記ポリマー組成物には、さらに、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、耐候剤などといった機能性薬品や各種着色剤を含有させてもよい。
ポリ塩化ビニルを含有するポリマー組成物で被覆材20を形成させる際には、結晶性ポリマーを含むポリマー組成物で被覆材20を形成させる場合ほどには押出後の収縮が期待できない。そのため、中空部における帯状導体の充填率の向上を図る上においては、被覆材20の形成時に充実押出を実施することが好ましい。押出機を使って線材にポリマーを被覆する方法としてクロスヘッドを使った方法が一般的であり、その具体的な方法については、クロスヘッドにおけるダイとニップルとの位置関係から充実押出とチューブ押出とに大別される。この内、充実押出では、クロスヘッドにおいて、前記帯状導体10の挿通されたニップルの先端をダイの出口よりも上流側に位置させて被覆が実施される。そのため、充実押出では、ダイを通過する前の樹脂圧が高い状態において溶融混練されたポリマー組成物が前記帯状導体の上に被覆される。
リード線1は、充実押出で作製されることにより、前記帯状導体10のカーボン繊維どうしを密着させることができ、導体抵抗の低減が図られ得る。なお、充実押出では、ニップルの先端からダイの出口までの間において、該帯状導体10に樹脂圧が作用することによって帯状導体10の外表面の凹凸に対応した被覆材20の凹凸形状が内壁面に形成されることになる。単にカーボン繊維を丸く束ねただけの導体では、導体表面にはカーボン繊維の太さ以上の凹部が形成され難いが、本実施形態においては帯状導体10が用いられていることから、この帯状導体10の幅方向端部に沿って該帯状導体10の厚みに相当する深さを有する条溝10aが形成され得る。そして、本実施形態の帯状導体10には撚りがかけられているために、この条溝10aが該帯状導体10の外周に沿って螺旋状に形成され得る。本実施形態においては、この条溝10aへポリマー組成物が喰い込むことで該帯状導体10の引き抜き抵抗がより一層向上されることになる。
以上のように本実施形態のリード線は、剥離工程を行うことが容易なものであり、且つ、導体抵抗の低減効果も期待し得るものである。
なお、本実施形態においては、リード線をX線透過用途に利用される場合を例示しているが、本発明のリード線の用途は上記例示に限定されるものではない。また、上記の例示においては、帯状導体を1本のみ有するリード線を例示しているが、本発明のリード線は、2以上の帯状導体を備えたものであってもよい。即ち、本発明は上記例示に何等限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
太さ約7μmのカーボン繊維を約3000本使って作製された、厚み:約0.1mm、幅:約1.5mm(扁平倍率:約15倍)の帯状導体を用意した。これとは別に被覆材形成用のポリマー組成物としてポリ塩化ビニルを主成分とするものを用意した。
先端にクロスヘッドを装着した押出機にポリマー組成物を供給してポリマー組成物を押出機で溶融混練するとともにクロスヘッドのニップルに前記帯状導体を挿通させた。
押出機のスクリュー回転速度を一定にして溶融混練物をクロスヘッドに供給し、該クロスヘッドに装着したダイより吐出させた。また、このダイの出口よりも上流側で且つダイの中心部に先端が位置するように前記ニップルを固定し、該ニップルに挿通されている帯状導体を一定のスピードで引き取り、仕上がり外径が約1mmとなる断面形状が円形のリード線を作製した。なお、リード線は、リード線の断面における形状が直径約0.5mmの円形となる中空部を有し、該中空部にカーボン繊維が充填された状態となっていた。
クロスヘッドに供給する帯状導体として、撚りが加えられていないもの(撚りピッチ無限大)、30mm、50mm、75mmの4種類のものを用意し、これらを使ってリード線を作製し、作製したそれぞれのリード線に対して、カーボン繊維(CF)の充填率(中空部においてカーボン繊維が占めている面積割合)、リード線1m当たりの抵抗値(導体抵抗)をそれぞれ測定するとともに外観測定を行って被覆材の表面に凹凸が見られないかどうかを官能評価した。
結果を、下記の表に示す。
なお、各導体を用いたリード線の作製は、それぞれ10回ずつ実施し、カーボン繊維の充填率(%)及びリード線の抵抗値(Ω/m)については、作製されたリード線ごとに測定し、合計10回ずつの測定を実施した。
10回の測定結果の平均値を下記の表に示す。
Figure 0006407500
上記のリード線については、剥離工程時に帯状導体が引き抜かれ難いことが確認された。
また、上記の結果から、帯状導体には撚りを掛けている方がリード線に優れた外観を付与する上で有利であることがわかった。
1 リード線
10 帯状導体
20 被覆材

Claims (3)

  1. 複数のカーボン繊維で構成されている帯状導体と、該帯状導体を覆う筒状の被覆材とを備えた断面形状が円形のリード線。
  2. 前記被覆材を長さ方向に直交する平面で切断した断面における中空部の面積をS1(mm2)、前記複数のカーボン繊維が前記中空部に占める面積をS2(mm2)とした際に、下記式(1)で表される充填率(%)が60%以上95%以下である請求項1記載のリード線。

    充填率(%)=( S2 / S1 )× 100% ・・・(1)
  3. 前記帯状導体には撚りが加えられており、該撚りのピッチが5mmを超え50mm未満である請求項1又は2記載のリード線。
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