次に、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としての部品実装システム1の構成の概略を示す構成図であり、図2は部品実装機10の構成の概略を示す構成図であり、図3は部品実装機10の制御装置70と管理装置80との電気的な接続関係を示すブロック図である。なお、本実施例において、図2の左右方向がX軸方向であり、前後方向がY軸方向であり、上下方向がZ軸方向である。
部品実装システム1は、図1に示すように、スキージによりスクリーン上のはんだをローリングさせながらスクリーンに形成されたパターン孔に押し込むことでそのパターン孔を介して下方の回路基板S(以下、単に「基板」と呼ぶ)に配線パターンを印刷する複数台のスクリーン印刷機2と、フィーダー20により供給される図示しない電子部品P(以下、単に「部品」と呼ぶ)をピックアップして配線パターンが形成された基板Sに実装する複数台の部品実装機10と、部品実装システム全体を管理する管理装置80とを備える。
部品実装機10は、図2に示すように、部品Pを供給する部品供給装置としてのフィーダー20と、基板Sを搬送する基板搬送装置15と、基板搬送装置15により搬送された基板Sをバックアップするバックアップ装置(図示せず)と、フィーダー20により供給された部品Pをバックアップ装置によりバックアップされた基板Sに装着する部品装着装置40と、部品実装機全体の制御を司る制御装置70(図3参照)とを備え、基板搬送装置15とバックアップ装置と部品装着装置40とが台座11上に設けられた本体枠12内に収容されている。また、本体枠12の前面部には、フィーダー20を着脱可能なフィーダー台14が設けられている。
基板搬送装置15は、図2に示すように、2つの基板搬送路が設けられたデュアルレーン方式の搬送装置として構成されており、本体枠12の中段部に設けられた支持台13上に配置されている。各基板搬送路には、ベルトコンベア装置15aを備えており、ベルトコンベア装置15aの駆動により基板Sを図2の左から右(基板搬送方向)へと搬送する。
フィーダー20は、部品Pが所定ピッチで収容されたキャリアテープCTを部品装着装置40がピックアップ可能な部品供給位置まで送り出すテープフィーダである。キャリアテープCTは、図示しないが、長手方向に所定ピッチでキャビティー(凹部)が形成されたボトムテープと、各キャビティーに部品Pが収容された状態でボトムテープを覆うトップフィルムとにより構成されている。図4は、フィーダー20の構成の概略を示す構成図である。フィーダー20は、図示するように、キャリアテープCTが巻回されたリール22と、リール22からキャリアテープCTを引き出して部品供給位置まで送り出すテープ送り機構24と、部品供給位置の手前でボトムテープからトップフィルムを剥がして部品Pが露出された状態とするフィルム剥離部26と、フィーダー全体の制御を司る制御部28とを備える。テープ送り機構24は、キャリアテープCTに所定間隔で形成された係合穴に係合する係合爪が外周に設けられたテープ送り用のスプロケット24aと、スプロケットを間欠回転させる駆動モータ24b(図3参照)とを備え、駆動モータ24bを間欠回転させることで、キャリアテープCTをピッチ送りする。
また、フィーダー20は、後面(テープ送り方向の反対側の面)に、帯状のインジケータにより表示を行なう表示装置30が設けられている。図5は、表示装置30の構成の概略を示す構成図である。表示装置30は、図示するように、表示窓31(開口部)を介して外部から視認可能な立方体状のインジケータ部材32と、回転に伴ってインジケータ部材32を軸方向に移動させる送りねじ34と、送りねじ34を回転駆動する駆動モータ36とを備え、駆動モータ36を駆動してインジケータ部材32の位置を変化させることで、ゼロ表示から満タン表示まで表示を変化させる。表示装置30は、本実施形態では、駆動モータ36の回転回数(モータ回転回数N)を値0とすることでゼロ表示を行ない、モータ回転回数Nを最大回転回数Nmaxとすることで満タン表示を行なう。
フィーダー20の制御部28は、フィーダー20がフィーダー台14に装着されると、コネクタ29を介して部品実装機10の制御装置70と接続され、フィーダー20の識別情報であるフィーダーIDを制御装置70に送信する。また、制御部28は、制御装置70から制御信号を受信し、受信した制御信号にしたがってテープ送り機構24(駆動モータ24b)や表示装置30(駆動モータ36)の制御を行なう。コネクタ29は、部品実装機10から給電を受けて、テープ送り機構24(駆動モータ)や表示装置30(駆動モータ36)、制御部28などの各部へ電力を供給する給電コネクタとして構成されている。
部品装着装置40は、図2に示すように、本体枠12の上段部にY軸方向に沿って設けられたガイドレール43と、ガイドレール43に沿って移動が可能なY軸スライダ44と、Y軸スライダ44の下面にX軸方向に沿って設けられたガイドレール41と、ガイドレール41に沿って移動が可能なX軸スライダ42と、X軸スライダ42に着脱可能に取り付けられたヘッド50と、Z軸方向の移動とZ軸周りの回転とが可能にヘッド50に装着され部品Pを吸着可能な吸着ノズル51と、X軸スライダ42に取り付けられ基板Sに設けられた基板位置決め基準マークを撮影するためのマークカメラ45と、支持台13上に設けられ吸着ノズル51に吸着された吸着部品を撮影するためのパーツカメラ46と、ヘッド50に装着可能な複数種類の吸着ノズルをストックするノズルストッカ47とを備える。なお、X軸スライダ42およびY軸スライダ44は、ヘッド50をXY方向に移動させるXYロボットを構成する。
図6は、ヘッド50の構成の概略を示す構成図である。ヘッド50は、図示するように、吸着ノズル51を保持するノズルホルダ52と、ノズルホルダ52をZ軸方向に移動させるZ軸アクチュエータ54と、ノズルホルダ52をZ軸周りに回転させるθ軸アクチュエータ56と、ヘッド全体の制御を司る制御部58とを備える。ノズルホルダ52は、吸着ノズル52の吸引口と連通する内部通路52aを有する。内部通路52aは、電磁弁62を介して真空ポンプ64およびエア配管66のいずれか一方に選択的に連通するようになっている。したがって、ノズルホルダ52の内部通路52aと真空ポンプ64とが連通するよう電磁弁62を駆動すると、吸着ノズル51の吸引口に負圧が作用し、部品Pを吸着することができ、ノズルホルダ52の内部通路52aとエア配管66とが連通するよう電磁弁62を駆動すると、吸着ノズル52の吸引口に正圧が作用し、部品Pの吸着を解除することができる。
ヘッド50の制御部58は、ヘッド50がX軸スライダ42に装着されると、コネクタ59を介して部品実装機10の制御装置70と接続され、ヘッド50の識別情報であるヘッドIDを制御装置70に送信する。また、制御部58は、制御装置70から制御信号を受信し、受信した制御信号にしたがってZ軸アクチュエータ54(駆動モータ)やθ軸アクチュエータ56(駆動モータ)の制御を行なう。コネクタ59は、部品実装機10から給電を受けて、Z軸アクチュエータ54(駆動モータ)やθ軸アクチュエータ56(駆動モータ)、制御部58などの各部へ電力を供給する給電コネクタとして構成されている。
また、ヘッド50は、正面(吸着ノズル51の上下方向(Z軸方向)および基板搬送方向(X軸方向)に平行な面)に、帯状のインジケータによりインジケータ表示を行なう表示装置60が設けられている。なお、表示装置60は、前述した表示装置30と同様の構成としている。このため、表示装置60の各構成については、表示装置30の構成と同一の符号を用いるものとし、その説明を省略する。
部品実装機10の制御装置70は、CPU71を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU71の他に、処理プログラムを記憶するROM72と、各種データを記憶するHDD73と、作業領域として用いられるRAM74と、入出力インターフェース75とを備え、これらはバス76を介して電気的に接続されている。この制御装置70には、X軸スライダ42の位置を検知するX軸位置センサ42aからの位置信号やY軸スライダ44の位置を検知するY軸位置センサ44aからの位置信号、マークカメラ45からの画像信号、パーツカメラ46からの画像信号などが入出力インターフェース75を介して入力されている。一方、制御装置70からは、基板搬送装置15への制御信号、X軸スライダ42を移動させるX軸アクチュエータ42bへの駆動信号、Y軸スライダ44を移動させるY軸アクチュエータ44bへの駆動信号、フィーダー20(制御部28)への制御信号、ヘッド50(制御部58)への制御信号、電磁弁62への駆動信号などが入出力インターフェース75を介して出力されている。また、制御装置70は、管理装置80と通信ネットワーク90を介して双方向通信可能に接続されており、互いにデータや制御信号のやり取りを行っている。
管理装置80は、例えば、汎用のコンピュータである。管理装置80は、図3に示すように、CPU81を中心とするマイクロプロセッサであって、処理プログラムを記憶するROM82、基板Sの生産計画などを記憶するHDD83、作業領域として用いられるRAM84、入出力インターフェース85などを備え、これらはバス86を介して電気的に接続されている。この管理装置80には、マウスやキーボード等の入力デバイス87から入力信号が入出力インターフェース85を介して入力され、管理装置80からは、ディスプレイ88への画像信号が入出力インターフェース85を介して出力されている。ここで、基板Sの生産計画とは、各部品実装機11においてどの部品Pをどの順番で基板Sへ実装するか、また、そのように部品Pを実装した基板Sを何枚作製するかなどを定めた計画をいう。例えば、生産計画として入力される情報としては、生産日時や基板Sの作製数、基板Sに実装する部品Pに関する部品情報、使用するフィーダー20に関するフィーダー情報、使用するヘッド50に関するヘッド情報、ヘッド50に装着される吸着ノズル51に関するノズル情報などがある。こうした生産計画は、作業者が入力デバイス87を操作することにより管理装置80に入力される。管理装置80は、入力された生産計画を取得し、取得した生産計画にしたがって基板Sへの部品Pの実装が行われるようスクリーン印刷機2や部品実装機10へ指令信号を出力する。
図7は、部品実装システム1とヘッドメンテナンスユニット92とフィーダーメンテナンスユニット94との接続関係を示す説明図である。ヘッドメンテナンスユニット92は、図示しないが、ヘッド50が装着されたときにノズルホルダ52の内部通路52aに接続される供給路を有し、溶剤(洗浄剤)にグリスが溶解されているメンテナンス液を供給路から内部通路52aへ供給することにより、内部通路52aを清掃するユニットである。このヘッドメンテナンスユニット92は、清掃前と清掃後とに供給路からノズルホルダ52の内部通路52aにエアを供給し、その流量(清掃前流量,清掃後流量)をそれぞれ計測することで、清掃前および清掃後の内部通路52aの状態を検査する。ヘッドメンテナンスユニット92は、図7に示すように、通信ネットワーク90を介して部品実装機10の制御装置70と接続されており、ヘッド50のメンテナンスを実行すると、メンテナンスに伴って行なった検査の結果(清掃前流量,清掃後流量)をメンテナンス情報として制御装置70に送信する。また、フィーダーメンテナンスユニット94は、図示しないが、フィーダー20が装着されたときにテープ送り機構24のスプロケット24aに噛み合う駆動ギアと、この駆動ギアを回転駆動する駆動モータとを有し、駆動モータによりスプロケット24aを回転させながらエアを吹き付けてスプロケット24aに付着している埃や塵を吹き飛ばし、その後、スプロケット24aを回転させながら溶剤(洗浄剤)にグリスが溶解されているメンテナンス液をスプロケット24aに供給することにより、フィーダー20を清掃するユニットである。このフィーダーメンテナンスユニット94は、清掃前と清掃後とにスプロケット24aを所定速度で回転させるために必要な回転トルク(清掃前トルク,清掃後トルク)をそれぞれ計測することで、清掃前および清掃後のスプロケット24aの状態を検査する。フィーダーメンテナンスユニット94は、図7に示すように、通信ネットワーク90を介して部品実装機10の制御装置70と接続されており、フィーダー20のメンテナンスを実行すると、メンテナンスに伴って行なった検査の結果(清掃前トルク,清掃後トルク)をメンテナンス情報として制御装置70に送信する。
こうして構成された本実施形態の部品実装機10において、部品Pを基板S上に実装する部品実装工程について説明する。部品実装機10の制御装置70は、まず、制御部28に制御信号を送信することによりフィーダー20に部品Pの供給を指示し、フィーダー20により供給される部品Pの真上に吸着ノズル51が来るようにX軸スライダ42(X軸アクチュエータ42b)およびY軸スライダ44(Y軸アクチュエータ44b)を制御する。続いて、制御装置70は、ヘッド50の制御部58に制御信号を送信することにより吸着ノズル51の先端が部品Pに当接するまでノズルホルダ52が下降するようZ軸アクチュエータ54を制御し、吸着ノズル51に負圧が作用するよう電磁弁62を制御して、吸着ノズル51に部品Pを吸着させる。次に、制御装置70は、ヘッド50の制御部58に制御信号を送信することにより吸着ノズル51が上昇するようZ軸アクチュエータ54を制御し、吸着ノズル64に吸着させた部品Pが基板Sの実装位置の真上に来るよう各スライダ42,44を制御する。そして、制御装置70は、ヘッド50の制御部58に制御信号を送信することにより吸着ノズル51に吸着された部品Pの実装角度を調整するようθ軸アクチュエータ56を制御し、部品Pが基板Sの実装位置に押し当てられるまで吸着ノズル51(ノズルホルダ52)が下降するようZ軸アクチュエータ54を制御し、吸着ノズル51に正圧が作用するよう電磁弁62を制御することにより、部品Pを基板S上に実装する。
次に、部品実装機10の構成ユニットであるフィーダー20の表示装置30の動作やヘッド50の表示装置60の動作について説明する。以下、まず、ヘッド50の表示装置60の動作について説明し、その後、フィーダー20の表示装置30の動作について説明する。図8は、制御装置70のCPU71により実行されるヘッド装着時処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この処理は、ヘッド50が部品装着装置40のX軸スライダ42に装着されたときに実行される。
ヘッド装着時処理ルーチンが実行されると、制御装置70のCPU71は、まず、ヘッド50の制御部28から送信されたヘッドIDを取得し(ステップS100)、取得したヘッドIDに基づいて管理装置80のHDD83に記憶されているヘッド使用履歴データから対応するヘッド50の累積使用量Sと基準使用量SLとモータ回転回数Nとメンテナンス係数kを取得する(ステップS110)。図9は、管理装置80のHDD83に記憶されているヘッド使用履歴データの一例を示す。ヘッド使用履歴データは、図示するように、ヘッド50を識別するための識別情報であるヘッドIDと、部品実装回数(ショット回数)の累積値である累積使用量Sと、ヘッド50のメンテナンスが必要となる累積使用量の基準値として予め規定された基準使用量SLと、表示装置60の駆動モータ36の回転回数であるモータ回転回数Nと、後述するメンテナンス係数kとが互いに対応付けられた状態で記憶されている。制御装置70のCPU71は、こうして各種データを取得すると、取得したモータ回転回数Nが値0であるか否かを判定し(ステップS120)、モータ回転回数Nが値0でないと判定すると、ヘッド装着時処理ルーチンを終了し、モータ回転回数Nが値0であると判定すると、現在のモータ回転回数がモータ回転回数N(値0)に一致するよう駆動モータ36を駆動制御することで表示装置60のインジケータ表示をゼロ表示(初期状態)として(ステップS130)、ヘッド装着時処理ルーチンを終了する。なお、ステップS130の処理は、具体的には、制御装置70がヘッド50の制御部58へ駆動モータ36の駆動を指示する制御信号を送信することにより行なう。モータ回転回数Nは、ヘッドメンテナンスユニット92にてヘッド50のメンテナンスが実行されると、後述するヘッド累積使用量リセット処理ルーチンにより値0にリセットされるようになっている。よって、ステップS130の処理は、メンテナンスが行なわれたヘッド50が部品装着装置40のX軸スライダ42に装着されたときに、表示装置60のインジケータ表示を初期状態とする処理となる。
図10は、制御装置70のCPU71により実行されるヘッド累積使用量表示処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、部品実装工程の実行中に所定時間毎に実行される。
ヘッド累積使用量表示処理ルーチンが実行されると、制御装置70のCPU71は、まず、前回のルーチンが実行されてから今回のルーチンが実行されるまでの部品実装回数であるショット数Shやモータ回転回数N(現在のモータ回転回数)などのデータを取得する(ステップS200)。続いて、取得したショット数Shと図8のヘッド装着時処理ルーチンで取得したメンテナンス係数kと前回の累積使用量(前回S)とに基づいて次式(1)により今回の累積使用量Sを算出し(ステップS210)、算出した今回の累積使用量Sと前述したヘッド装着時処理ルーチンで取得した基準使用量SLとに基づいて次式(2)により今回のモータ回転回数Nを算出する(ステップS220)。ここで、メンテナンス係数kは、初期値として値1が定められており、後述する図12のヘッド累積使用量リセット処理ルーチンにて更新される。また、式(2)中の「Nmax」は、表示装置60のインジケータ表示が満タン表示となる駆動モータ36の最大回転回数である。
S=前回S+Sh・k …(1)
N=Nmax・S/SL …(2)
こうして今回のモータ回転回数Nを算出すると、制御装置70のCPU71は、ヘッド50の制御部58に制御信号を送信することで、現在のモータ回転回数が算出したモータ回転回数Nに一致するように駆動モータ36を駆動制御する(ステップS230)。これにより、駆動モータ36の回転に伴ってインジケータ部材32が移動するから、表示装置30は、インジケータ表示を満タン表示に向かって変化させることなる。モータ回転回数Nは式(2)に示すように基準使用量SLに対する累積使用量Sの割合に比例するから、インジケータ表示は、メンテナンスが必要な使用量に達するまでの余裕度を示すこととなる。なお、モータ回転回数Nは必ずしも整数値とはならないため、制御装置70は、小数点以下の回転回数を駆動モータ36の回転角に換算して駆動モータ36を制御するものとしてもよいし、小数点以下の回転回数を切り捨てて1回転単位で駆動モータ36を制御するものとしてもよい。図11は、表示装置60の表示態様を示す説明図である。表示装置60は、累積使用量Sが値0のときにはモータ回転回数Nが値0であるから、インジケータ表示がゼロ表示(初期状態)となり(図11(a)参照)、その後、累積使用量Sが多くなるにしたがってモータ回転回数Nが大きくなり、インジケータ表示が満タン表示に向かって変化する(図11(b),(c)参照)。そして、表示装置60は、累積使用量Sが基準使用量SLに一致すると、モータ回転回数Nが最大回転回数Nmaxとなるため、インジケータ表示が満タン表示となる。したがって、作業者は、インジケータの進み具合(満タン表示となるまでどのくらい余裕があるのか)を見ることで、ヘッド50のメンテナンス時期の目安を簡単に把握することができる。こうして駆動モータ36を駆動制御すると、制御装置70のCPU71は、累積使用量Sとモータ回転回数NとヘッドIDとを管理装置80へ送信することで、累積使用量Sとモータ回転回数NとをヘッドIDに対応付けて管理装置80のHDD83に記憶させて(ステップ240)、ヘッド累積使用量表示処理ルーチンを終了する。
次に、ヘッド50の累積使用量Sをリセットする処理について説明する。図12は、制御装置70のCPU71により実行されるヘッド累積使用量リセット処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
ヘッド累積使用量リセット処理ルーチンが実行されると、制御装置70のCPU71は、まず、ヘッドメンテナンスユニット92からメンテナンス情報を受信したか否かを判定する(ステップS300)。前述したように、ヘッドメンテナンスユニット92は、ヘッド50のメンテナンスを行なうと、当該ヘッド50のヘッドIDと共にメンテナンス情報(清掃前流量,清掃後流量)を通信ネットワーク90を介して制御装置70に送信するものとしている。メンテナンス情報を受信したと判定すると、受信したメンテナンス情報に含まれる清掃後流量が所定流量以上であるか否かによって検査結果が合格であるか否かを判定し(ステップS310)、検査結果が合格であると判定すると、累積使用量Sを値0にリセットすると共に(ステップS320)、モータ回転回数Nを値0にリセットする(ステップS330)。これにより、次に、同じヘッドIDのヘッド50が部品装着装置40のX軸スライダ42に装着されると、制御装置70のCPU71は、図8のヘッド装着時処理ルーチンのステップS120,S130にて、表示装置60のインジケータ表示をゼロ表示(初期状態)とすることとなる。
次に、制御装置70のCPU71は、ヘッドメンテナンスユニット92から受信したメンテナンス情報に含まれる清掃前流量L2を取得し(ステップS340)、計算流量L1を取得した清掃前流量L2で割ることによりメンテナンス係数k(=L1/L2)を更新する(ステップS350)。ここで、計算流量L1は、吸着ノズル51が部品Pを正常に吸着するために最低必要なノズルホルダ52(内部通路52a)内のエア流量として予め定められた設計値である。図13は、ヘッド50のショット数Shと内部通路52aの流量との関係を示す説明図である。図示するように、ノズルホルダ52の内部通路52aは、吸着ノズル51が部品Pの吸着と装着とを繰り返すにつれて、内部に埃や塵が付着するため、エアの流れが悪くなる。本実施形態では、内部通路52aのエア流量が計算流量L1以下となったときに、吸着ノズル51が部品Pを正常に吸着することが困難となり、ヘッド50のメンテナンス時期が到来したと判断している。したがって、清掃前流量L2が計算流量L1よりも多い場合には、ヘッド50のメンテナンス時期を遅らせることができるため、メンテナンス係数kを値1よりも小さな値(即ち、累積使用量Sが実際のショット数Shよりも少なくなるよう)に更新する。一方、清掃前流量L2が計算流量L1よりも少ない場合には、ヘッド50のメンテナンス時期を早める必要があるため、メンテナンス係数kを値1よりも大きな値(即ち、累積使用量Sが実際のショット数Shよりも多くなるよう)に更新する。こうしてメンテナンス係数kを更新すると、制御装置70のCPU71は、累積使用量Sとモータ回転回数Nとメンテナンス係数kとヘッドIDとを管理装置80へ送信することで、累積使用量Sとモータ回転回数Nとメンテナンス係数kとをヘッドIDに対応付けて管理装置80のHDD83に記憶させて(ステップS360)、ヘッド累積使用量リセット処理ルーチンを終了する。なお、制御装置70のCPU71は、S300でメンテナンス情報を受信していないと判定したり、S310で検査結果が合格でないと判定すると、S320〜S360の処理をスキップしてヘッド累積使用量リセット処理ルーチンを終了する。
次に、フィーダー20の表示装置30の動作について説明する。図14は、制御装置70のCPU71により実行されるフィーダー装着時処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この処理は、フィーダー20がフィーダー台14に装着されたときに実行される。
フィーダー装着時処理ルーチンが実行されると、制御装置70のCPU71は、まず、フィーダー20の制御部28から送信されたフィーダーIDを取得し(ステップS1100)、取得したフィーダーIDに基づいて管理装置80のHDD83に記憶されているフィーダー使用履歴データから対応するフィーダー20の累積送り量Sと基準送り量SLとモータ回転回数Nとメンテナンス係数kを取得する(ステップS1110)。図15は、管理装置80のHDD83に記憶されているフィーダー使用履歴データの一例を示す。フィーダー使用履歴データは、図示するように、フィーダー20を識別するための識別情報であるフィーダーIDと、部品Pの送り回数の累積値である累積送り量Sと、ヘッド50のメンテナンスが必要となる累積送り量Sの基準値である基準送り量SLと、表示装置30の駆動モータ36の回転回数であるモータ回転回数Nと、メンテナンス係数kとが互いに対応付けられた状態で記憶されている。制御装置70のCPU71は、こうして各種データを取得すると、取得したモータ回転回数Nが値0であるか否かを判定し(ステップS1120)、モータ回転回数Nが値0でないと判定すると、フィーダー装着時処理ルーチンを終了し、モータ回転回数Nが値0であると判定すると、現在のモータ回転回数がモータ回転回数N(値0)に一致するよう駆動モータ36を駆動制御することで表示装置30のインジケータ表示をゼロ表示(初期状態)として(ステップS1130)、フィーダー装着時処理ルーチンを終了する。なお、ステップS1130の処理は、具体的には、制御装置70がフィーダー20の制御部28へ駆動モータ36の駆動を指示する制御信号を送信することにより行なう。モータ回転回数Nは、フィーダーメンテナンスユニット94にてフィーダー20のメンテナンスが実行されると、後述するフィーダー累積送り量リセット処理ルーチンにより値0にリセットされるようになっている。よって、ステップS1130の処理は、メンテナンスが行なわれたフィーダー20がフィーダー台14に装着されたときに、表示装置30のインジケータ表示を初期状態とする処理となる。
図16は、制御装置70のCPU71により実行されるフィーダー累積送り量表示処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、部品実装工程の実行中に所定時間毎に実行される。
フィーダー累積送り量表示処理ルーチンが実行されると、制御装置70のCPU71は、まず、前回のルーチンが実行されてから今回のルーチンが実行されるまでの部品送り回数である送り回数Shやモータ回転回数Nなどのデータを取得する(ステップS1200)。続いて、取得したショット数Shと図14のフィーダー装着時処理ルーチンで取得したメンテナンス係数kと前回の累積送り量(前回S)とに基づいて前述した式(1)と同様の式により今回の累積送り量Sを算出し(ステップS1210)、算出した今回の累積送り量Sと前述したフィーダー装着時処理ルーチンで取得した基準送り量SLとに基づいて前述した式(2)と同様の式によりモータ回転回数Nを算出する(ステップS1220)。ここで、メンテナンス係数kは、ヘッド累積使用量表示処理ルーチンと同様に、初期値として値1が定められており、後述する図17のフィーダー累積送り量リセット処理ルーチンにて更新される。なお、モータ最大回転回数Nmaxについては前述した。
モータ回転回数Nを算出すると、制御装置70のCPU71は、フィーダー20の制御部28に制御信号を送信することで、現在のモータ回転回数が算出したモータ回転回数Nに一致するように駆動モータ36を駆動制御する(ステップS1230)。なお、表示装置30における駆動モータ36の制御は、同一構成の表示装置60における駆動モータ36の制御と同じである。これにより、表示装置30は、インジケータ表示を満タン表示に向かって変化させることなる。作業者は、インジケータの進み具合(満タン表示となるまでどのくらい余裕があるのか)を確認することで、フィーダー20のメンテナンス時期の目安を簡単に把握することができる。こうして駆動モータ36を駆動制御すると、制御装置70のCPU71は、累積送り量Sとモータ回転回数NとフィーダーIDとを管理装置80へ送信することで、累積送り量Sとモータ回転回数NとをフィーダーIDに対応付けて管理装置80のHDD83に記憶させて(ステップ1240)、フィーダー累積送り量表示処理ルーチンを終了する。
次に、フィーダー20の累積送り量Sをリセットする処理について説明する。図17は、制御装置70のCPU71により実行されるフィーダー累積送り量リセット処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行される。
フィーダー累積送り量リセット処理ルーチンが実行されると、制御装置70のCPU71は、まず、フィーダーメンテナンスユニット94からメンテナンス情報を受信したか否かを判定する(ステップS1300)。前述したように、フィーダーメンテナンスユニット94は、フィーダー20のメンテナンスを行なうと、当該フィーダー20のフィーダーIDと共にメンテナンス情報(清掃前トルク,清掃後トルク)とを通信ネットワーク90を介して制御装置70に送信するものとしている。メンテナンス情報を受信したと判定すると、受信したメンテナンス情報に含まれる清掃後トルクが所定トルク未満であるか否かによって検査結果が合格であるか否かを判定し(ステップS1310)、検査結果が合格であると判定すると、累積送り量Sを値0にリセットすると共に(ステップS1320)、モータ回転回数Nを値0にリセットする(ステップS1330)。これにより、次に、同じフィーダーIDのフィーダー20がフィーダー台14に装着されると、制御装置70のCPU71は、図14のフィーダー装着時処理ルーチンのステップS1120,S1130にて、表示装置30のインジケータ表示をゼロ表示(初期状態)とすることとなる。
次に、制御装置70のCPU71は、フィーダーメンテナンスユニット94から受信したメンテナンス情報に含まれる清掃前トルクT2を取得し(ステップS1340)、取得した清掃前トルクT2を計算トルクT1で割ることによりメンテナンス係数k(=T2/T1)を更新する(ステップS1350)。ここで、計算トルクL1(駆動トルク)は、テープ送り機構24の駆動モータ24aを励磁しない状態で外部モータ(フィーダーメンテナンスユニット94の駆動モータ)によりスプロケット24aを回転させるために最低必要なトルクとして予め定められた設計値である。図18は、フィーダー20の送り回数Shと駆動トルクとの関係を示す説明図である。図示するように、フィーダー20のスプロケット24aは、キャリアテープCTのピッチ送りを繰り返すにつれて、埃や塵が付着するため、スムーズな回転ができなくなる。本実施形態では、スプロケット24aを回転させるための必要な駆動トルクが計算トルクT1以上となったときに、キャリアテープCTを正確にピッチ送りすることが困難となり、フィーダー20のメンテナンス時期が到来したと判断している。したがって、清掃前トルクT2が計算トルクT1よりも小さい場合には、フィーダー20のメンテナンス時期を遅らせることができるため、メンテナンス係数kを値1よりも小さな値(即ち、累積送り量Sが実際の送り回数Shよりも少なくなるよう)に更新する。一方、清掃前トルクT2が計算トルクT1よりも大きい場合には、ヘッド50のメンテナンス時期を早める必要があるため、メンテナンス係数kを値1よりも大きな値(即ち、累積送り量Sが実際の送り回数Shよりも多くなるよう)に更新する。こうしてメンテナンス係数kを更新すると、制御装置70のCPU71は、累積送り量Sとモータ回転回数Nとメンテナンス係数kとフィーダーIDとを管理装置80へ送信することで、累積送り量Sとモータ回転回数Nとメンテナンス係数kとをフィーダーIDに対応付けて管理装置80のHDD83に記憶させて(ステップ1360)、フィーダー累積送り量リセット処理ルーチンを終了する。なお、制御装置70のCPU71は、S1300でメンテナンス情報を受信していないと判定したり、S1310で検査結果が合格でないと判定すると、S1320〜S1360の処理をスキップしてフィーダー累積送り量リセット処理ルーチンを終了する。
なお、管理装置80は、ヘッドID毎に累積使用量Sと基準使用量SLとを記憶すると共にフィーダーID毎に累積送り量Sと基準送り量SLとを記憶しているため、累積使用量Sが基準使用量SLに達したり、累積送り量Sが基準送り量SLに達すると、ディスプレイ88に作業者に対してメンテナンスの実行を促す所定の警告画面を表示するものとしてもよい。
以上説明した本実施形態の部品実装機10によれば、X軸スライダ42に対して着脱可能なヘッド50に表示装置60を設け、部品実装工程におけるヘッド50の累積使用量を表示装置60に表示する。同様に、フィーダー台14に対して着脱可能なフィーダー20に表示装置30を設け、部品実装工程におけるフィーダー20の累積送り量を表示装置30に表示する。これにより、作業者は、フィーダー20に設けた表示装置30やヘッド50に設けた表示装置60を目視することで、それらのメンテナンス時期の目安を容易に把握することができる。しかも、表示装置30,60は、駆動モータ36で送りねじ34を駆動してインジケータ部材32を移動させることによりインジケータ表示を行なうから、フィーダー20やヘッド50が取り外された状態(外部からの給電が停止している状態)であっても、表示を維持することができる。即ち、作業者は、メンテナンス時期を確認するために、フィーダー20をフィーダー台14に装着したり、ヘッド50をX軸スライダ42に装着したりする必要がない。さらに、表示装置30,60は、累積使用量を、メンテナンスが必要とされる基準使用量SLに対する現在の累積使用量Sの割合(余裕度)をもって表示するから、作業者に対してメンテナンス時期を把握し易くすることができる。
本実施形態では、表示装置30,60は、基準使用量SL(基準送り量SL)に対する現在の累積使用量S(累積送り量S)の割合に基づいて表示を行なうものとしたが、これに限定されるものではなく、累積使用量S(累積送り量S)を直接用いて表示を行なうものとしてもよい。
本実施形態では、制御装置70は、メンテナンス係数kを用いて累積使用量S(累積送り量S)を補正するものとしたが、これに限定されるものではなく、メンテナンス係数kを用いて基準使用量SL(基準送り量SL)を補正するものとしてもよい。また、メンテナンス係数kを用いることなく、累積使用量S(累積送り量S)や基準使用量SL(基準送り量SL)を算出するものとしてもよい。
本実施形態では、表示装置30,60は、帯状のインジケータによってゼロ表示から満タン表示まで表示を変化させるものとしたが、これに限定されるものではなく、円形のインジケータや扇状のインジケータなど如何なる形状のインジケータを用いて表示を行なうものとしてもよいし、メンテナンス時期までの余裕度を、例えば50%や75%などのように数字を用いて表示したり、例えば「メンテナンス時期まで未だ余裕があります」や「もうすぐメンテナンス時期です」などのように文字や記号を用いて表示するなど、如何なる表示態様で表示するものとしてもよい。
本実施形態では、表示装置30,60は、インジケータ部材32とこれを移動させる駆動モータ36とを備えることで、電源を切っても表示を維持可能な表示装置としたが、これに限定されるものではなく、例えば電子ペーパーなど電源を切っても表示を維持する他の表示装置としてもよいし、構成ユニット(フィーダー20,ヘッド50)に例えば液晶ディスプレイなどの表示の維持に電力を必要とする表示装置とバッテリとを設け、バッテリからの電力を表示装置に供給することで表示を維持可能な表示装置としてもよい。また、構成ユニットが取り外されると、表示を確認できなくなるが、電源を切ると表示を維持できないタイプの表示装置としてもよい。この場合でも、作業者は構成ユニットが部品実装機10(本体)に取り付けられた状態であれば何時でも構成ユニットに設けられた表示装置を視認することで、必要なメンテナンス時期の目安(メンテナンス時期まであとどのくらいの余裕があるのか)を把握することができる。
本実施形態では、表示装置30を、フィーダー20の後方(テープ送り方向の反対方向)から視認可能に、フィーダー20の後面(テープ送り方向の反対側の面)に設けるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、フィーダー20の上方から視認可能に、フィーダー20の上面に設ける等、他の位置に設けるものとしてもよい。この場合、複数のフィーダー20が部品実装機10(フィーダー台14)に隣接して取り付けられている状態で、当該複数のフィーダー20にそれぞれ設けられる表示装置が視認可能な位置であれば、フィーダー20が取り付けられている状態であってもその表示装置を作業者が視認することができるから、必要なメンテナンス時期の目安を容易に把握することができる。また、通常は外部から視認できない位置に格納されており、必要に応じて外部から視認できる位置まで移動可能な部材に、表示装置を設けるものとしても構わない。
本実施形態では、表示装置60を、基板搬送方向に直交する方向(Y軸方向)から視認可能に、ヘッド50の正面(吸着ノズル51の上下方向(Z軸方向)および基板搬送方向(X軸方向)に平行な面)に設けるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、ヘッド60の側面(吸着ノズル51の上下方向(Z軸方向)に平行で且つ基板搬送方向(X軸方向)に直交する面)に設ける等、他の位置に設けるものとしてもよい。この場合、部品実装機10の外部から視認可能な位置であれば、ヘッド50が部品実装機10(X軸スライダ42)に取り付けられた状態であってもヘッド50に設けられる表示装置を作業者が視認することができるから、必要なメンテナンス時期の目安を容易に把握することができる。また、通常は外部から視認できない位置に格納されており、必要に応じて外部から視認できる位置まで移動可能な部材に、表示装置を設けるものとしても構わない。
本実施形態では、表示装置30を、フィーダー20毎に設けるものとしたが、これに限定されるものではなく、複数のフィーダーを搭載して一のフィーダーユニットを構成する場合、ユニット単位で表示装置を設けるものとしてもよい。この場合、表示装置は、ユニットに搭載される複数のフィーダーのうちメンテナンス時期が最も早く到来するフィーダー(複数のフィーダーのうち基準送り量SLが最も低いフィーダー)に対して累積送り量Sに基づく表示を行なうものとすればよい。
本実施形態では、表示装置60を、一の吸着ノズル51を搭載するタイプのヘッド50に設けるものとしたが、これに限定されるものではなく、複数の吸着ノズルを搭載可能なヘッドに設けるものとしてもよい。この場合、表示装置は、各吸着ノズルが取り付けられるノズルホルダのうちメンテナンス時期が最も早く到来するノズルホルダ(複数のノズルホルダのうち基準使用量SLが最も低いノズルホルダ)に対して累積使用量Sに基づく表示を行なうものとすればよい。
本実施形態では、ヘッドメンテナンスユニット92によりヘッド50のメンテナンスが行われると、制御装置70は、ヘッドメンテナンスユニット92からメンテナンス情報を受信し、受信したメンテナンス情報に基づいて表示装置60の表示を初期状態とするものとしたが、これに限定されるものではなく、この処理を、ヘッドメンテナンスユニット92が行なうものとしてもよい。同様に、本実施形態では、フィーダーメンテナンスユニット94によりフィーダー20のメンテナンスが行われると、制御装置70は、フィーダーメンテナンスユニット94からメンテナンス情報を受信し、受信したメンテナンス情報に基づいて表示装置30の表示を初期状態とするものとしたが、これに限定されるものではなく、この処理を、フィーダーメンテナンスユニット94が行なうものとしてもよい。
本実施形態では、部品実装機10の制御装置70が、ヘッド装着時処理ルーチンとヘッド累積使用量表示処理ルーチンとヘッド累積使用量リセット処理ルーチンとを実行するものとしたが、これに限定されるものではなく、これらの処理ルーチンの一部または全部を、ヘッド50の制御部58が実行するものとしてもよいし、管理装置80が実行するものとしてもよい。また、本実施形態では、部品実装機10の制御装置70が、フィーダー装着時処理ルーチンとフィーダー累積送り量表示処理ルーチンとフィーダー累積送り量リセット処理ルーチンとを実行するものとしたが、これに限定されるものではなく、これらの処理ルーチンの一部または全部を、フィーダー20の制御部28が実行するものとしてもよいし、管理装置80が実行するものとしてもよい。
本実施形態では、管理装置80(HDD83)が、フィーダー使用履歴データとヘッド使用履歴データとを管理するものとしたが、これに限定されるものではなく、フィーダー使用履歴データとヘッド使用履歴データとを部品実装機10の制御装置70で管理するものとしてもよいし、フィーダー使用履歴データとヘッド使用履歴データとをそれぞれフィーダー20の制御部28とヘッド50の制御部58とで管理するものとしてもよいし、フィーダー使用履歴データとヘッド使用履歴データとをそれぞれヘッドメンテナンスユニット92とフィーダーメンテナンスユニット94とで管理するものとしてもよい。
本実施形態では、本発明を、部品実装機10の構成ユニットであるフィーダー20やヘッド50に適用して説明したが、これに限定されるものではなく、スクリーン印刷機2の構成ユニットに適用するなど、対基板作業機の他の構成ユニットに適用するものとしてもよい。尚、本発明を、スクリーン印刷機に適用する場合、構成ユニットとしてスキージのメンテナンス(交換)時期を表示する表示部を当該スキージに設けるものとしてもよい。
ここで、本実施形態の主要な要素と発明の概要の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。即ち、部品実装機10が「対基板作業機」に相当し、本体枠12(フィーダー台14)とXYロボット(X軸スライダ42,Y軸スライダ44)とが「実装機本体」に相当し、フィーダー20とヘッド50とが「構成ユニット」に相当し、表示装置30,60が「表示手段」に相当する。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。