JP6406781B1 - 自然対流式空調のための床下空間構造およびこれを備えた建屋 - Google Patents

自然対流式空調のための床下空間構造およびこれを備えた建屋 Download PDF

Info

Publication number
JP6406781B1
JP6406781B1 JP2018066433A JP2018066433A JP6406781B1 JP 6406781 B1 JP6406781 B1 JP 6406781B1 JP 2018066433 A JP2018066433 A JP 2018066433A JP 2018066433 A JP2018066433 A JP 2018066433A JP 6406781 B1 JP6406781 B1 JP 6406781B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
space
wall portion
floor
outside air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018066433A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019007332A (ja
Inventor
一男 天谷
一男 天谷
侑介 米本
侑介 米本
晋太朗 米本
晋太朗 米本
Original Assignee
株式会社カイトー商会
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社カイトー商会 filed Critical 株式会社カイトー商会
Application granted granted Critical
Publication of JP6406781B1 publication Critical patent/JP6406781B1/ja
Publication of JP2019007332A publication Critical patent/JP2019007332A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 屋内において、温度差のある回帰暖気と冷涼な外気とを確保しつつ、前記回帰暖気と冷涼な外気とがお互いに引き合う作用を利用してしっかりと混合させて熱交換させることができることから、屋内において、動力に頼ることなく、自然に、かつ穏やかで温もりのある空気の対流を発生かつ持続させることができる、自然対流式空調を実現するための床下空間構造を提供する。
【解決手段】 1階または複数階の居住域空間8を有する建屋9において、屋内において自然な空気の対流運動を発生させて居住域空間8を空調する床下空間構造1であって、基礎断熱した1階床面FS1の床下または基礎断熱した1階床面FS1の床下および1階の居住域空間8と2階の居住域空間8とを接続する階段81下の区域において区画されていて、空気混合空間2と、空気加温空間3と、空間連通手段4とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自然対流式空調のための床下空間構造およびこれを備えた建屋に関し、詳細には、1階または複数階の居住域空間を有する建屋において、屋外から屋内へ取り入れられた外気と、前記外気が温められて屋内を巡って回帰する回帰暖気との温度差を利用して、前記屋内において自然な空気の対流運動を発生させて前記居住域空間を空調する、基礎断熱した1階床面の床下の区域、または基礎断熱した1階床面の床下の区域ならびに1階の居住域空間および2階の居住域空間を接続する階段下の区域において区画された自然対流式空調のための床下空間構造およびこれを備えた建屋に関し、より詳細には、前記外気と前記回帰暖気とを取り入れ、混合して熱交換させて混合空気を生じさせる空気混合空間と、前記混合空気を加温して暖気を生じさせる空気加温空間と、前記空気混合空間と前記空気加温空間とを連通して前記混合空気を流通させる空間連通手段とを備え、前記空気混合空間は四方が壁部で囲まれており、前記空気混合空間の天井には、前記回帰暖気を前記空気混合空間内へ取り入れる回帰暖気取り入れ手段が形成されており、前記空気混合空間の内部には、断熱施工が施された外気取り入れ手段の、外気排出口が配置されており、前記外気取り入れ手段は、前記建屋の外壁に形成された外気吸入口から延伸して、前記空気混合空間の四方を囲む壁部を構成する、後方壁部、前方壁部、左方壁部および右方壁部のうちの、前記空間連通手段が形成されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に貫設されており、前記空気加温空間の内部には、熱源が配設されており、前記空間連通手段は、前記後方壁部、前記前方壁部、前記左方壁部および前記右方壁部のうちの、前記外気取り入れ手段が貫設されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に形成されており、かつ、前記外気排出口は、前記1階床面より低い位置に配置されるとともに、前記空間連通手段と、前記回帰暖気取り入れ手段と、前記外気排出口とが、互いに近傍に位置することを特徴とする前記床下空間構造、およびこれを備えた、自然な空気の対流運動を利用して前記居住域空間を空調する建屋に関する。
近年、建屋に外気を取り入れつつ建屋の床下空間に熱源を設けることにより、自然な空気の対流運動を発生させて居室全体の暖房・換気を行う、断熱・気密化された建屋が建築されている。
そのような建屋として、例えば、高気密、高断熱建物において基礎断熱された床下の土間コンクリ−トの上に敷設した木炭粒と床下空間に設置した放熱器と床面に設けた排気用通気口と吸気用通気口とからなり、床下に設けた放熱器により暖められた空気を、温度差を利用して排気用通気口から室内に送り込み、またその室内空気を吸気用通気口から床下空間へ送り込んで循環させると同時に、床下に敷設した水蒸気を含んだ木炭粒を介して加湿させる、調湿機能付き床下暖房システムを備えた建屋(特許文献1)の他、床下空間の中の少なくとも一部に第一外気快適化手段や第二外気快適化手段を設けた床下暖房建屋(特許文献2)、高気密に構成した建屋本体と、建屋本体の床下に設置し、外気を建屋本体内に強制導入する換気装置と、建屋本体に設けられ、室内の空気を屋外に排出するための排気口と、建屋本体に設けられ、換気装置により供給される外気を室内に吹き出す通気口とから構成してなる高気密型建屋において、流動する外気と接触する状態で通気口に空気改質物質を収納する空気改質用トレーを着脱可能に設けた建屋(特許文献3)、床下空間に配置された、床下空間に供給される外気と居住空間を巡回して床下空間へと回帰してきた循環空気とを暖める蓄熱暖房装置と、床下空間に外気を供給する給気手段とを配置し、さらに回帰開口部から床下へ回帰する空気の量を増減制御することにより吹出開口部から吹き出す暖気吹出量を調整する回帰空気量制御手段とを有する、自然対流式床下暖房換気システムおよびこれを備えた建屋(特許文献4)、床下空間と外気取入れ口および外気取入れ口より高所に位置する排気口を設けた建屋本体と、建屋本体に設けられ、吸気ファンにより外気取入れ口から外気を取り込む定圧室と、床下空間内に設けられ、定圧室から外気が供給されるとともに、一階床部に設けた回帰口に連通する定温室と、床下空間から二階空間に連通して設けた上昇風道と、二階空間を一階空間に連通する下降風道と、一階空間および二階空間の仕切壁に設けた通気口と、前記床下空間に配置した熱源とから構成される換気温調式建屋(特許文献5)などが挙げられる。
特開2005−241228号公報 特開2009−062801号公報 実用新案登録第3121941号公報 特開2009−150643号公報 特開2017−057673号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている調湿機能付き床下暖房システムを備えた建屋では、吸気口が居住域空間の上方に形成されているため、居住域空間に冬季の冷涼な外気が入ってきてしまい、特に寒冷地では実用化されにくい。また、特許文献2に開示されている床下暖房建屋では、居住域ごとの気密性と断熱性を相当高めなければならず、その結果、建屋の構造が一定構造に限られてしまい、居住者が利用しづらい構造になる虞がある。さらに、特許文献3に開示されている建屋では、構造、屋内における空気の対流が起きにくく、その結果、外気の吸気をどうしても機械(動力)による吸気に頼らざるを得ない。
一方、特許文献4に開示されている自然対流式床下暖房換気システムおよびこれを備えた建屋では、あえて熱量の大きい蓄熱暖房を用いることによって、断続的に暖気を発生させて上昇気流を形成させ、これにより、室内において強制的に空気の対流を生じさせているのであって、室内を循環して回帰する暖気と冷涼な外気をお互いに引き合わせて、混合・熱交換させることにより空気の対流を発生させている、換言すれば、室内の温暖な空気と冷涼な外気との温度差を利用して「自然対流」を発生させているのとは異なっている。また、あえて熱量の大きい蓄熱暖房を用いて断続的に暖気を発生させて上昇気流を形成させ、室内において強制的に対流を生じさせているが故に、室内を循環して回帰する暖気と冷涼な外気をお互いに引き合わせて、混合・熱交換させるための空間(空気混合空間)を備える必要がないばかりか、そのままでは室内温度が上昇しすぎてしまうために、回帰空気量制御手段を配設して、定時的に室内の対流をシャットアウトして室内温度を下げる必要があることから、穏やかで、かつ温もりのある空気の対流を実現することは困難である。
他方、特許文献5に開示されている換気温調式建屋では、室内を循環して回帰する暖気と冷涼な外気をお互いに引き合わせて、混合・熱交換させるための空間(空気混合空間)に、一見該当しそうな、定温室が備えられているものの、室内に取り入れられた冷涼な外気を外気吸引ファンという機械的制御によって定温室に送り込むことにより、室内において強制的に空気の対流を生じさせているのであり、やはり、室内を循環して回帰する暖気と冷涼な外気をお互いに引き合わせて、混合・熱交換させることにより空気の対流を発生させている、換言すれば、室内の温暖な空気と冷涼な外気との温度差を利用して「自然対流」を発生させているのとは異なっている。
なお、特許文献4に開示されている自然対流式床下暖房換気システムおよびこれを備えた建屋において、特許文献5に開示されている換気温調式建屋における定温室を配設するとの考えが一見できそうではあるが、上述の通り、特許文献4に開示されている自然対流式床下暖房換気システムおよびこれを備えた建屋では、あえて熱量の大きい蓄熱暖房を用いているが故に、そのままでは室内温度が上昇しすぎてしまうため、回帰空気量制御手段を配設して、定時的に室内の対流をシャットアウトして室内温度を下げる必要があるのであり、これにさらに、外気吸引ファンという機械的制御により室内において強制的に空気の対流を生じさせている特許文献5に記載の定温室を配設して、室内を循環して回帰する暖気と冷涼な外気をお互いに引き合わせて、混合・熱交換させることにより空気の対流を発生させる必要はまったくないことから、特許文献4に開示されている自然対流式床下暖房換気システムおよびこれを備えた建屋と、特許文献5に開示されている換気温調式建屋とでは、目的を異にしているといえ、このような考えには阻害要因が存在するといえる。
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、屋内において、温度差のある回帰暖気と冷涼な外気とを確保しつつ、前記回帰暖気と冷涼な外気とがお互いに引き合う作用を利用してしっかりと混合させて熱交換させることができることから、屋内において、動力に頼ることなく、自然に、かつ穏やかで温もりのある空気の対流を発生かつ持続させることができる、自然対流式空調を実現するための床下空間構造を提供すること、さらには、居住域空間における空調や加湿、室温調整が容易であり、常時しっかりと換気をしつつ居住域空間の隅々までムラなく暖めることができる建屋を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、基礎断熱した1階床面の床下の区域、または基礎断熱した1階床面の床下の区域ならびに1階の居住域空間および2階の居住域空間を接続する階段下の区域において区画された自然対流式空調のための床下空間構造について、外気と回帰暖気とを取り入れて混合して熱交換させる空気混合空間と、混合空気を加温して暖気を生じさせる空気加温空間と、空気混合空間と空気加温空間とを連通して混合空気を流通させる空間連通手段とを備え、空気混合空間の四方を壁部で囲み、空気混合空間の天井には、回帰暖気を空気混合空間内へ取り入れる回帰暖気取り入れ手段を形成し、空気混合空間の内部には、断熱施工を施した外気取り入れ手段の、外気排出口を配置し、外気取り入れ手段は建屋の外壁に形成した外気吸入口から延伸させて、空気混合空間の四方を囲む壁部を構成する、後方壁部、前方壁部、左方壁部および右方壁部のうちの、空間連通手段が形成されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に貫設し、空気加温空間の内部に熱源を配設し、空間連通手段を、後方壁部、前方壁部、左方壁部および右方壁部のうちの、外気取り入れ手段が貫設されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に形成し、かつ、外気排出口を、1階床面より低い位置に配置するとともに、空間連通手段と、回帰暖気取り入れ手段と、外気排出口とを、互いに近傍に位置させる(配置する)ことによって、温度差のある回帰暖気と外気とを確保しつつ、前記回帰暖気と冷涼な外気とがお互いに引き合う作用を利用してしっかりと混合させて熱交換させることができ、これにより、屋内において、動力に頼ることなく、自然に、かつ穏やかで温もりのある空気の対流を発生かつ持続させることができる、自然対流式空調を実現することができることを見出し、下記の各発明を完成した。
(1)1階または複数階の居住域空間を有する建屋において、屋外から屋内へ取り入れられた外気と、前記外気が温められて屋内を巡って回帰する回帰暖気との温度差を利用して、前記屋内において自然な空気の対流運動を発生させて前記居住域空間を空調する、基礎断熱した1階床面の床下の区域、または基礎断熱した1階床面の床下の区域ならびに1階の居住域空間および2階の居住域空間とを接続する階段下の区域において区画された自然対流式空調のための床下空間構造であって、前記外気と前記回帰暖気とを取り入れ、混合して熱交換させて混合空気を生じさせる空気混合空間と、前記混合空気を加温して暖気を生じさせる空気加温空間と、前記空気混合空間と前記空気加温空間とを連通して前記混合空気を流通させる空間連通手段とを備え、前記空気混合空間は四方が壁部で囲まれており、前記空気混合空間の天井には、前記回帰暖気を前記空気混合空間内へ取り入れる回帰暖気取り入れ手段が形成されており、前記空気混合空間の内部には、断熱施工が施された外気取り入れ手段の、外気排出口が配置されており、前記外気取り入れ手段は、前記建屋の外壁に形成された外気吸入口から延伸して、前記空気混合空間の四方を囲む壁部を構成する、後方壁部、前方壁部、左方壁部および右方壁部のうちの、前記空間連通手段が形成されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に貫設されており、前記空気加温空間の内部には、熱源が配設されており、前記空間連通手段は、前記後方壁部、前記前方壁部、前記左方壁部および前記右方壁部のうちの、前記外気取り入れ手段が貫設されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に形成されており、かつ、前記外気排出口は、前記1階床面より低い位置に配置されるとともに、前記空間連通手段と、前記回帰暖気取り入れ手段と、前記外気排出口とが、互いに近傍に位置することを特徴とする前記床下空間構造。
(2)前記空気混合空間の天井が、前記1階床面のうちの所定の部分、前記仕切板または階段であることを特徴とする、(1)に記載の自然対流式空調のための床下空間構造。
(3)建屋容積が150m以上1000m以下の場合において、前記後方壁部および前記前方壁部と直交する平面で前記空気混合空間を縦方向へ切った縦断面の縦断面積Sと前記外気排出口の開口の実開口面積Sとの面積比S/Sの値が、2.4≦S/S≦70であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の自然対流式空調のための床下空間構造。
(4)建屋容積が150m以上1000m以下の場合において、前記後方壁部および前記前方壁部と直交する平面で前記空気混合空間を横方向へ切った横断面の横断面積Sと前記外気排出口の開口の実開口面積Sとの面積比S/Sの値が、2.1≦S/S≦97であることを特徴とする、(1)から(3)の少なくともいずれか一項に記載の自然対流式空調のための床下空間構造。
(5)(1)から(4)の少なくともいずれかに記載の自然対流式空調のための床下空間構造と、前記空気加温空間において生じた前記暖気を、前記居住域空間、および前記居住域空間の天井またはその近傍へ誘導する暖気誘導部と、前記建屋の前記居住域空間のうち最も上階に位置する居住域空間の天井またはその近傍に形成されて前記暖気の一部を屋外へ排出する一部暖気排出手段と、前記外気取り入れ手段とを備えることを特徴とする、自然な空気の対流運動を利用して前記居住域空間を空調する建屋。
本発明に係る自然対流式空調のための床下空間構造およびこれを備えた建屋によれば、屋内において、温度差のある回帰暖気と冷涼な外気とを確保しつつ、前記回帰暖気と冷涼な外気とがお互いに引き合う作用を利用してしっかりと混合させて熱交換させることができ、それにより屋内において、動力に頼ることなく、自然に、かつ穏やかで温もりのある空気の対流を発生かつ持続させることができ、さらには、居住域空間における空調や加湿、室温調整を容易に行うことができ、居住域空間において常時しっかりと換気をしつつ屋内の隅々までムラなく暖めることができ、自然な温もりのある極めて快適な居住域空間を提供することができる。
第一実施形態の自然対流式空調のための床下空間構造(自然対流式空調床下空間構造)1およびこれを備える建屋9の概略構成の一例を示す、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で建屋9を縦方向へ切った場合の縦断面図である。 第一実施形態の自然対流式空調床下空間構造1の概略構成の一例を示す、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で建屋9を横方向へ切った場合の横断面図である。 第一実施形態の空気混合空間2における、外気取り入れ手段7と、空間連通手段4との構成の複数例を示す、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で建屋9を横方向へ切った場合の横断面拡大図である。 第一実施形態の回帰暖気取り入れ手段26または空間連通手段4の構成の一例を示す平面図である。 第一実施形態の自然対流式空調床下空間構造1を例示する、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で建屋9を縦方向へ切った場合の縦断面拡大図である。図中、(a)は面積比S/Sの値が最小値となる場合を例示する前記縦断面拡大図であり、(b)は面積比S/Sの値が最大値となる場合を例示する前記縦断面拡大図である。 第一実施形態の自然対流式空調床下空間構造1を例示する、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で建屋9を横方向へ切った場合の横断面拡大図である。図中、(a)は面積比S/Sの値が最小値となる場合を例示する前記横断面拡大図であり、(b)は面積比S/Sの値が最大値となる場合を例示する前記横断面拡大図である。 第二実施形態の自然対流式空調床下空間構造1およびこれを備える建屋9の概略構成の一例を示す、後方壁部および前方壁部と直交する平面で建屋9を縦方向へ切った場合の縦断面図である。 第二実施形態における回帰暖気取り入れ手段26の異なる構成を示す、後方壁部および前方壁部と直交する平面で建屋9を縦方向へ切った場合の縦断面拡大図である。 第二実施形態の自然対流式空調床下空間構造1を例示する、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で建屋9を縦方向へ切った場合の縦断面拡大図である。図中、(a)は面積比S/Sの値が最小値となる場合を例示する前記縦断面拡大図であり、(b)は面積比S/Sの値が最大値となる場合を例示する前記縦断面拡大図である。 第二実施形態の自然対流式空調床下空間構造1を例示する、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で建屋9を横方向へ切った場合の横断面拡大図である。図中、(a)は面積比S/Sの値が最小値となる場合を例示する前記横断拡大面図であり、(b)は面積比S/Sの値が最大値となる場合を例示する前記横断面拡大図である。
以下、本発明に係る自然対流式空調のための床下空間構造の第一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。本第一実施形態の自然対流式空調床下空間構造1は、1階または複数階の居住域空間8を有する建屋9において、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAと、外気OAが温められて屋内を巡って回帰する回帰暖気RAとの温度差を利用して、屋内において自然な空気の対流運動を発生させて居住域空間8を空調する床下空間構造1であって、図1、図2に示すように、「基礎断熱した1階床面FS1の床下の区域」ならびに「1階の居住域空間8および2階の居住域空間8を接続する階段81の下の区域」において区画されている。
すなわち、本第一実施形態の自然対流式空調床下空間構造1は、図1に示すように、建屋9の屋内を巡回して回帰した回帰暖気RAを確実に回収して、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAと回帰暖気RAとがお互いに引き合う作用を利用して、しっかりと混合させて熱交換させ、その混合し熱交換した混合空気MAを加温して暖め、生じた暖気HAを居住域空間8へと送り出す構造であり、図1に示すように、基礎断熱した1階床面FS1の床下の区域ならびに1階の居住域空間8および2階の居住域空間8を接続する階段81の下の区域において区画されていて、空気混合空間2と、空気加温空間3と、空間連通手段4とを備えている。なお、本第一実施形態において、自然対流式空調床下空間構造1の底部(地盤面GSの近傍)は、コンクリート盤12により構成されるとともに、基礎断熱を構成する底部断熱材11によって断熱されている。以下、各構成について詳細に説明する。
本第一実施形態における空気混合空間2は、外気OAと回帰暖気RAとを取り入れ、混合させて熱交換させ、混合空気MAを生じさせる空間、すなわち、建屋9の屋内を巡回して回帰した回帰暖気RAを確実に回収するとともに、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAを確実に確保しつつ、取り入れられた外気OAと回帰暖気RAとがお互いに引き合う作用を利用して外気OAと回帰暖気RAとをしっかりと混合させて熱交換させる空間であり、図2に示すように、四方が壁部21〜24で囲まれている。
壁部21〜24は、図2に示すように、外壁91側に位置する後方壁部21、後方壁部21の対面に位置する前方壁部22、後方壁部21の左側に位置する左方壁部23および後方壁部の右側に位置する右方壁部24から構成されており、その壁部21〜24によって四方が囲まれた空気混合空間2の内部には、断熱施工が施された外気取り入れ手段7の、外気排出口72が配置されている。また、空気混合空間2の天井25には、図1、図2に示すように、回帰暖気RAを空気混合空間2内へ取り入れる回帰暖気取り入れ手段26が形成されている。
外気取り入れ手段7は、建屋9の屋内と屋外における空気の温度差により生ずる空気の対流運動を利用して、屋外から外気OAを空気混合空間2へ取り入れるための手段であり、本第一実施形態おいては、図1、図2に示すように、断熱施工が施された1本の略S字状の導入管73からなっており、導入管73の上方の開口端部である外気吸気口71を建屋9の外壁91に貫設し、空間連通手段4が形成されている前方壁部22とは異なる後方壁部21に導入管73を貫通させ、導入管73の下方の開口端部である外気排出口72を空気混合空間2の内部に配置している。換言すれば、外気取り入れ手段7は、建屋9の外壁91に形成された1つの外気吸入口71から延伸して後方壁部21に貫設されているが、本発明においてはこれに限られず、図3(a)〜(i)に示すように、例えば、建屋9の外壁91に形成された1または2つ以上の外気吸入口71から延伸して、後方壁部21、前方壁部22、左方壁部23および右方壁部24のうちの、空間連通手段4が形成されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部、換言すれば、外気取り入れ手段7は、図3に示すように、1または複数本の導入管73から構成されて、後方壁部21、前方壁部22、左方壁部23および右方壁部24からなる群から選択される1つ、2つまたは3つの壁部であって、空間連通手段4が形成されている壁部とは異なる壁部に貫設することができる。なお、1または複数本の導入管73の口径、すなわち、後述する外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)は一定でなくてもよく、図3(a)〜(i)のそれぞれに示す態様はそれらの例の一部である。また、本第一実施形態おいて、外気排出口72は、図1に示すように、壁部21〜24と空気混合空間2の天井25とに囲まれた空間である空気混合空間2の底部(地盤面GSの近傍)に、1階床面FS1より低い位置に、換言すれば、1階床面FS1より下方に位置するように配置されている。
一方、回帰暖気取り入れ手段26は、建屋9内を巡回した暖気HAの一部を屋外へ排出する一部暖気排出手段6によっても建屋9の外に排出されないまま居住域空間8へ回帰した回帰暖気RAを、空気混合空間2へ取り込むための手段であり、図1、図2に示すように、空気混合空間2の天井25に形成されている。なお、本第一実施形態において、空気混合空間2の天井25は、図1に示すように、階段81のうちの所定の範囲の部分に当たり、回帰暖気取り入れ手段26は、当該部分である階段81の蹴上げ82に形成されている。また、回帰暖気取り入れ手段26の構造は、本発明の特徴を損なわない範囲において実開口を有していれば特に限定されないが、例えば、図4に示すように、複数のスリットが形成された板状の開口制御板などを用いて形成する他、ガラリを用いることができる。
本第一実施形態において、空気混合空間2は、建屋容積が170m以上1000m以下の場合においては、図5(a)および(b)に示すように、空気混合空間2を後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、9.5≦S/S≦70となるように形成することが好適である。面積比S/S=9.5となる場合とは、例えば、図5(a)および図6(a)に示すような、縦断面積Sが3350cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが353cmである場合の他、縦断面積Sが1675cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが176cmである場合や、縦断面積Sが5050cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが530cmである場合などを挙げることができる。これらの場合の面積比S/Sの値は、それぞれ、「3350cm/353cm」、「1675cm/176cm」および「5050cm/530cm」と計算される。なお、本第一実施形態において、面積比S/Sの値が9.5を下回る場合は、回帰暖気取り入れ手段26の実開口面積を充分に確保することができず、外気OAと回帰暖気RAとを混合させ熱交換させて得られた混合空気MAの流れの勢いが悪くなり、その結果、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。一方、面積比S/S=70となる場合とは、例えば、図5(b)および図6(b)に示すような、縦断面積Sが24750cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが353cmである場合の他、縦断面積Sが12300cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが176cmである場合や、縦断面積Sが37200cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが530cmである場合などを挙げることができる。これらの場合の面積比S/Sの値は、それぞれ、「24750cm/353cm」、「12300cm/176cm」および「37200cm/530cm」と計算される。なお、本第一実施形態において、面積比S/Sの値が70を上回る場合は、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAと回帰暖気RAとを確実に混合させて熱交換させることができず、その結果、空気混合空間2が低温にならなくなり、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。なお、本第一実施形態における「開口の実開口面積」とは、開口における正味の開口部分の面積をいい、例えば、開口において開口制御板などが設けられている場合は、その開口制御板などの部分が占める面積を除いた、実際に開口している部分の面積をいう。
また、本第一実施形態において、空気混合空間2は、建屋容積が170m以上1000m以下の場合においては、図6(a)および(b)に示すように、空気混合空間2を後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、5.1≦S/S≦97となるように形成することが好適である。面積比S/S=5.1となる場合とは、例えば、図5(a)および図6(a)に示すような、横断面積Sが1800cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが353cmである場合の他、横断面積Sが900cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが176cmである場合や、横断面積Sが2700cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが530cmである場合などを挙げることができる。これらの場合の面積比S/Sの値は、それぞれ、「1800cm/353cm」、「900cm/176cm」および「2700cm/530cm」と計算される。なお、本第一実施形態において、面積比S/Sの値が5.1を下回る場合は、回帰暖気取り入れ手段26の実開口面積を充分に確保することができず、外気OAと回帰暖気RAとを混合させ熱交換させて得られた混合空気MAの流れの勢いが悪くなり、その結果、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。一方、面積比S/S=97となる場合とは、例えば、図5(b)および図6(b)に示すような、横断面積Sが34300cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが353cmである場合の他、横断面積Sが17100cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが176cmである場合や、横断面積Sが51500cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが530cmである場合などを挙げることができる。これらの場合の面積比S/Sの値は、それぞれ、「34300cm/353cm」、「17100cm/176cm」および「51500cm/530cm」と計算される。面積比S/Sが97を上回る場合、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAと回帰暖気RAとを確実に混合させて熱交換させることができず、その結果、空気混合空間2が低温にならなくなり、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。
なお、本第一実施形態において、建屋容積が170m未満の場合は、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が9.5≦S/S≦70となるように空気混合空間2を形成すること自体、あるいは後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が5.1≦S/S≦97となるように空気混合空間2を形成すること自体が困難となり、建屋容積が1000mより大の場合は、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm2)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が9.5≦S/S≦70となるように空気混合空間2を形成しても、あるいは後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が5.1≦S/S≦97となるように空気混合空間2を形成しても、空気混合空間2が低温にならず、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。
以上より、本第一実施形態において、空気混合空間2は、空気混合空間2の体積V(cm)と外気排出口72の開口面積S(cm)との比V/Sの値が、256≦V/S≦12971となるように形成することが好適であるということがいえる。
本第一実施形態における空気加温空間3は、混合空気MAを加温して暖気HAを生じさせる空間、すなわち、外気OAと回帰暖気RAとを混合させ、熱交換させて得られた混合空気MAを加温し、暖気HAを生じさせるための空間であり、図1、図2に示すように、熱源31を配設している。熱源31は空気加温空間3の底部上に限らず、空気加温空間3の任意の位置に配設してよいが、図1に示すように、室温調整の観点から、空間連通手段4の近傍に当たる空気加温空間3の底部上、暖気誘導部5のダクト51または暖気誘導部5の開口52のうち1階床面FS1に形成されている開口52のその近傍に当たる空気加温空間3の底部上に配設することが好適である。また、熱源31としては、灯油ストーブ、ガスストーブ、ヒートポンプ、蓄熱暖房具(あえて熱量の大きいものを選択する必要はない)、燃料電池などの暖房装置を1または複数個、単独でまたは組み合わせることにより用いることができる。さらに、空気加温空間3には、所望によって加湿手段32を配設してもよく、加湿手段32は空気加温空間3の底部上の他、図1に示すように、例えば、空気加温空間3の天井すなわち1階床面に配設することができる。
本第一実施形態における空間連通手段4は、空気混合空間2と空気加温空間3とを連通して混合空気MAを流通させる手段である。本第一実施形態おいて、空間連通手段4は、図1、図2に示すように、前方壁部22に形成されているが、本発明においてはこれに限定されず、図3に示すように、例えば、後方壁部21、前方壁部22、左方壁部23および右方壁部24のうちの、外気取り入れ手段7が貫設されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部、換言すれば、後方壁部21、前方壁部22、左方壁部23および右方壁部24からなる群から選択される1つ、2つまたは3つの壁部であって、外気取り入れ手段7が貫設されている壁部とは異なる壁部に形成することができる。なお、図3に示す態様はその例の一部である。また、本第一実施形態における空間連通手段4の構造は、本発明の特徴を損なわない範囲において実開口を有していれば特に限定されないが、壁部に開口を形成することにより形成されてもよく、図4に示すように、例えば、複数のスリットが形成された板状の開口制御板などを用いて形成することができる他、ガラリを用いることができる。
本第一実施形態において、自然対流式空調床下空間構造1は、空気混合空間2、空気加温空間3および空間連通手段4を、それぞれ1または複数備えてもよいということはいうまでもない。そのような構成としては、例えば、空気混合空間2を170m以上1000m以下の建屋容積単位ごとに備えてもよい。具体的には、例えば、建屋容積が1500mの場合は空気混合空間2を2〜9備えてもよく、建屋容積が2000mの場合は空気混合空間2を2〜12備えてもよく、建屋容積が3000mの場合は空気混合空間2を3〜18備えてもよい。また、本第一実施形態において、自然対流式空調床下空間構造1は、本発明の特徴を損なわない範囲において、空気混合空間2、空気加温空間3および空間連通手段4以外の構成を備えてもよいということはいうまでもない。
次に、本発明に係る自然対流式空調のための床下空間構造の第二実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本第二実施形態の自然対流式空調床下空間構造1は、1階または複数階の居住域空間8を有する建屋9において、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAと、外気OAが温められて屋内を巡って回帰する回帰暖気RAとの温度差を利用して、屋内において自然な空気の対流運動を発生させて居住域空間8を空調する床下空間構造1であって、図2および図7に示すように、「基礎断熱した1階床面FS1の床下の区域」において区画されている。
すなわち、本第二実施形態の自然対流式空調床下空間構造1は、図7に示すように、建屋9の屋内を巡回して回帰した回帰暖気RAを確実に回収して、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAと回帰暖気RAとがお互いに引き合う作用を利用して、しっかりと混合させて熱交換させ、その混合し熱交換した混合空気MAを加温して暖め、生じた暖気HAを居住域空間8へと送り出す構造であり、図7に示すように、基礎断熱した1階床面FS1の床下の区域において区画されていて、空気混合空間2と、空気加温空間3と、空間連通手段4とを備えている。以下、各構成について詳細に説明する。なお、本第二実施形態の自然対流式空調床下空間構造1のうち、上述した第一実施形態の自然対流式空調床下空間構造1の構成と同一または対応・相当する構成については同一の符号を付すとともに、本第二実施形態において説明のない構成については、第一実施形態と同様として再度の説明を省略する。
本第二実施形態において、回帰暖気取り入れ手段26は、建屋9内を巡回した暖気HAの一部を屋外へ排出する一部暖気排出手段6によっても建屋9の外に排出されないまま居住域空間8へ回帰した回帰暖気RAを、空気混合空間2へ取り込むための手段であり、図7に示すように、1階床面FS1のうちの所定の部分、換言すれば1階床面FS1のうちの所定の範囲を空気混合空間2の天井25として、空気混合空間2の天井25に形成されているが、本発明においてはこれに限定されず、図8に示すように、例えば、横断面積が矩形の煙突状の筒部27を空気混合空間2と連通するように1階床面FS1上に設け、筒部27を塞ぐ仕切板Dを空気混合空間2の天井25で塞ぐようにして空気混合空間2の天井25として、空気混合空間2の天井25に形成されてもよい。
本第二実施形態において、空気混合空間2は、建屋容積が150m以上950m以下の場合においては、図9(a)および(b)に示すように、空気混合空間2を後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、2.4≦S/S≦50となるように形成することが好適である。面積比S/S=2.4となる場合とは、例えば、図9(a)および図10(a)に示すような、縦断面積Sが850cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが353cmである場合の他、縦断面積Sが425cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが176cmである場合や、縦断面積Sが1250cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが530cmである場合などを挙げることができる。これらの場合の面積比S/Sの値は、それぞれ、「850cm/353cm」、「425cm/176cm」および「1250cm/530cm」と計算される。なお、本第二実施形態において、面積比S/Sの値が2.4を下回る場合は、回帰暖気取り入れ手段26の実開口面積を充分に確保することができず、外気OAと回帰暖気RAとを混合させ熱交換させて得られた混合空気MAの流れの勢いが悪くなり、その結果、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。一方、面積比S/S=50となる場合とは、例えば、図9(b)および図10(b)に示すような、縦断面積Sが17500cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが353cmである場合の他、縦断面積Sが8800cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが176cmである場合や、縦断面積Sが26500cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが530cmである場合などを挙げることができる。これらの場合の面積比S/Sの値は、それぞれ、「17500cm/353cm」、「8800cm/176cm」および「26500cm/530cm」と計算される。なお、本第二実施形態において、面積比S/Sの値が50を上回る場合は、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAと回帰暖気RAとを確実に混合させて熱交換させることができず、その結果、空気混合空間2が低温にならなくなり、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。
また、本第二実施形態において、空気混合空間2は、建屋容積が150m以上950m以下の場合においては、図10(a)および(b)に示すように、空気混合空間2を後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、2.1≦S/S≦97となるように形成することが好適である。面積比S/S=2.1となる場合とは、図10(a)に示すように、横断面積Sが740cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが353cmである場合の他、横断面積Sが375cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが176cmである場合や、横断面積Sが1100cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが530cmである場合などを挙げることができる。これらの場合の面積比S/Sの値は、それぞれ、「740cm/353cm」、「375cm/176cm」および「1100cm/530cm」と計算される。なお、本第二実施形態において、面積比S/Sの値が2.1を下回る場合は、回帰暖気取り入れ手段26の実開口面積を充分に確保することができず、外気OAと回帰暖気RAとを混合させ熱交換させて得られた混合空気MAの流れの勢いが悪くなり、その結果、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。一方、面積比S/S=97となる場合とは、図10(b)に示すように、横断面積Sが34250cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが353cmである場合の他、横断面積Sが17100cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが176cmである場合や、横断面積Sが51395cmであって、かつ外気排出口72の開口の実開口面積Sが530cmである場合などを挙げることができる。これらの場合の面積比S/Sの値は、それぞれ、「34250cm/353cm」、「17100cm/176cm」および「51395cm/530cm」と計算される。なお、本第二実施形態において、面積比S/Sが97を上回る場合は、屋外から屋内へ取り入れられた外気OAと回帰暖気RAとを確実に混合させて熱交換させることができず、その結果、空気混合空間2が低温にならなくなり、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。
なお、本第二実施形態において、建屋容積が150m未満の場合は、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、2.4≦S/S≦50となるように空気混合空間2を形成すること自体、あるいは後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、2.1≦S/S≦97となるように空気混合空間2を形成すること自体が困難となり、建屋容積が950mより大の場合は、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、2.4≦S/S≦50となるように空気混合空間2を形成しても、あるいは後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、2.1≦S/S≦97となるように空気混合空間2を形成しても、空気混合空間2が低温にならず、屋内における自然な空気の対流運動を発生させることが困難となる。
以上より、本第二実施形態において、空気混合空間2は、空気混合空間2の体積V(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との比V/Sの値が、67≦V/S≦9221となるように形成することが好適であるということがいえる。
本第二実施形態において、自然対流式空調床下空間構造1は、空気混合空間2、空気加温空間3および空間連通手段4を、それぞれ1または複数備えてもよいということはいうまでもない。そのような構成としては、例えば、空気混合空間2を150m以上950m以下の建屋容積単位ごとに備えてもよい。具体的には、例えば、建屋容積が1500mの場合は空気混合空間2を2〜10備えてもよく、建屋容積が2000mの場合は空気混合空間2を3〜14備えてもよく、建屋容積が3000mの場合は空気混合空間2を4〜20備えてもよい。また、本第二実施形態において、自然対流式空調床下空間構造1は、本発明の特徴を損なわない範囲において、空気混合空間2、空気加温空間3および空間連通手段4以外の構成を備えてもよいということはいうまでもない。
次に、本発明に係る自然な空気の対流運動を利用して居住域空間を空調する建屋の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施形態の自然な空気の対流運動を利用して居住域空間を空調する建屋9のうち、上述した第一実施形態および第二実施形態の自然対流式空調床下空間構造1の構成と同一もしくは対応・相当する構成については、同一の符号を付して再度の説明を省略する。本実施形態の建屋9は、図1および図7に示すように、自然対流式空調用床下空間構造1と、暖気誘導部5と、一部暖気排出手段6と、外気取り入れ手段7とを備えている。以下、各構成について詳細に説明する。
暖気誘導部5は、空気加温空間3において生じた暖気HAを、居住域空間8、および居住域空間8の天井83またはその近傍へ誘導するものである。本実施形態おいて、暖気誘導部5は、図1および図7に示すように、暖気誘導部5のダクト51と複数の開口52を備えている。また、本実施形態おいて、開口52は、図1および図7に示すように、居住域空間8と居住域空間8とを仕切る壁、1階床面FS1、2階床面FS2に形成されている。
一部暖気排出手段6は、建屋9の居住域空間8のうち最も上階に位置する居住域空間8の天井83またはその近傍に形成されており、回帰暖気RAの一部を屋外へ排出するための手段である。本実施形態おいて、一部暖気排出手段6は、図1に示すように、居住域空間8の天井83の近傍に形成された一部暖気排気口61から構成されている他、図7に示すように、一部暖気排気口61、一部暖気排気筒62および一部暖気排出口63を備えるように構成されている。
本実施形態において、自然な空気の対流運動を利用して居住域空間を空調する建屋9は、自然対流式空調用床下空間構造1、暖気誘導部5、一部暖気排出手段6および外気取り入れ手段7を、それぞれ1または複数備えてもよいということはいうまでもない。また、本実施形態において、自然な空気の対流運動を利用して居住域空間を空調する建屋9は、本発明の特徴を損なわない範囲において、自然対流式空調用床下空間構造1、暖気誘導部5、一部暖気排出手段6および外気取り入れ手段7以外の構成を備えてもよいということはいうまでもない。
次に、本実施形態に係る自然対流式空調のための床下空間構造1および自然な空気の対流運動を利用して居住域空間を空調する建屋9の作用について、図面を用いて詳細に説明する。
先ず、空気加温空間3の熱源31を稼働させるとともに、外気取り入れ手段7の外気吸気口71および外気排出口72を開口状態にする。熱源31によって熱せられて生じた暖気HAは、図1および図7に示すように、暖気誘導部5のダクト51と複数の開口52を通じて、居住域空間8に行き渡ろうとする。暖気HAの一部は、図1および図7に示すように、居住域空間8のうち最も上階に位置する居住域空間8の天井83またはその近傍に達し、達した暖気HAのさらに一部は、図1および図7に示すように、一部暖気排出手段6により建屋9の屋外へ排出される。
一部暖気排出手段6により建屋9の屋外へ排出されなかった暖気HAは、図1および図7に示すように、居住域空間8の開口52を通じて建屋9の屋内を循環する一部の暖気HAを除き、回帰暖気RAとなる。回帰暖気RAは、外気取り入れ手段7により建屋9の屋内へ取り入れられる、冷涼な外気OAの影響を受けて、図1および図7に示すように、回帰暖気取り入れ手段26を通じて空気混合空間2に取り込まれる。
空気混合空間2に取り込まれた回帰暖気RAと、外気取り入れ手段7により建屋9の屋内へ取り入れられた冷涼な外気OAとは、図1および図7に示すように、回帰暖気取り入れ手段26と外気排出口72とが互いに近傍に位置しているとともに、外気排出口72が1階床面FSより低い位置に配置されているが故に、建屋9の屋外から屋内へ外気OAが確実に取り入れられつつ、お互いに引き合う作用によりしっかりと混合して互いに熱交換し、混合空気MAとなる。
生じた混合空気MAは、図1および図7に示すように、空間連通手段4と回帰暖気取り入れ手段26と外気排出口72とが互いに近傍に位置するが故に、空間連通手段4内を流通し、すなわち空間連通手段4を介して空気加温空間3に移動する。移動した混合空気MAは、図1および図7に示すように、熱源31によって熱せられて暖気HAとなり、生じた暖気HAは再び、暖気誘導部5のダクト51と複数の開口52を通じて、居住域空間8に行き渡ろうとする。こうして建屋9の屋内において自然な空気の対流運動が発生し、居住域空間8を空調することができる。
以上のような本実施形態に係る自然対流式空調のための床下空間構造1および自然な空気の対流運動を利用して居住域空間を空調する建屋9によれば、以下の効果を得ることができる。
1.建屋9の屋内において、温度差のある回帰暖気RAと外気OAとを確保しつつ、取り入れられた外気OAと回帰暖気RAとがお互いに引き合う作用を利用して外気OAと回帰暖気RAとをしっかりと混合させて熱交換させることができる。
2.建屋9の屋内において、動力に頼ることなく自然に、穏やかな温もりのある空気の対流を発生かつ持続させることができる。
3.居住域空間8における空調や加湿、室温調整を容易に行うことができる。
4.居住域空間8において常時しっかりと換気をしつつ建屋9の屋内の隅々までムラなく暖めることができる。
5.自然な温もりのある極めて快適な居住域空間8を提供することができる。
なお、本発明に係る自然対流式空調のための床下空間構造および自然な空気の対流運動を利用して居住域空間を空調する建屋は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を損なわない範囲において適宜変更することができる。
例えば、本発明の特徴を損なわない範囲で、外気取り入れ手段7の形状や構成を変更する、あるいは回帰暖気取り入れ手段26を開口して設けるなどしてもよい。
以下、本発明に係る自然対流式空調のための床下空間構造および自然な空気の対流運動を利用して居住域空間を空調する建屋について、実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。
<実施例1>
本発明に係る自然対流式空調のための床下空間構造1の第一実施形態の、建屋容積が500mの場合において、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を横方向へ切った横断面の横断面積S、または空気混合空間2の空間領域の体積Vと、外気取り入れ手段7の外気排出口72の開口の実開口面積Sとの割合について、回帰暖気RA、外気OA、混合空気MAの流れをシミュレーションし、評価することにより比較検討した。評価は、「流れが良くない」を「▲」、「流れが普通」を「△」、「流れが良い」を「○」、「流れが相当良い」を「◎」として行った。その結果を表1、表2、表3および表4に示す。
[表1]
Figure 0006406781
[表2]
Figure 0006406781
[表3]
Figure 0006406781
[表4]
Figure 0006406781
表1、表2、表3および表4に示すように、本第一実施形態における空気混合空間2は、空気混合空間2を後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、9.5≦S/S≦70となるように形成することが好適であること、空気混合空間2を後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、5.1≦S/S≦97となるように形成することが好適であること、および空気混合空間2の体積V(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との比V/Sの値が、256≦V/S≦12971となるように形成することが好適であることが明らかとなった。
<実施例2>
本発明に係る自然対流式空調のための床下空間構造1の第二実施形態の、建屋容積が500mの場合において、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を横方向へ切った横断面の横断面積S、または空気混合空間2の空間領域の体積Vと、外気取り入れ手段7の外気排出口72の開口の実開口面積Sとの割合について、回帰暖気RA、外気OA、混合空気MAの流れをシミュレーションし、評価することにより比較検討した。評価は、「流れが良くない」を「▲」、「流れが普通」を「△」、「流れが良い」を「○」、「流れが相当良い」を「◎」として行った。その結果を表5、表6、表7および表8に示す。
[表5]
Figure 0006406781
[表6]
Figure 0006406781
[表7]
Figure 0006406781
[表8]
Figure 0006406781
表5、表6、表7および表8に示すように、本第二実施形態における空気混合空間2は、空気混合空間2を後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、2.4≦S/S≦50となるように形成することが好適であること、空気混合空間2を後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、2.1≦S/S≦97となるように形成することが好適であること、および空気混合空間2の体積V(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との比V/Sの値が、67≦V/S≦9221となるように形成することが好適であることが明らかとなった。
<実施例3>
本発明に係る自然対流式空調のための床下空間構造1の第一実施形態および第二実施形態の空気混合空間2について、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が9.5≦S/S≦70(第一実施形態の場合)および2.4≦S/S≦50(第二実施形態の場合)となる場合、ならびに、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が5.1≦S/S≦97(第一実施形態の場合)および2.1≦S/S≦97(第二実施形態の場合)となる場合の建屋容積について、回帰暖気RA、外気OA、混合空気MAの流れをシミュレーションし、評価することにより比較検討した。評価は、「空気混合空間2を形成することができない」を「×」、「流れが良くない」を「▲」、「流れが良い」を○、「流れが相当良い」を◎として行った。その結果を表9、表10および表11に示す。
[表9]
Figure 0006406781
[表10]
Figure 0006406781
[表11]
Figure 0006406781
表9および表11に示すように、本第一実施形態において、建屋容積が160mの場合は空気混合空間2を形成することができず、建屋容積を170m以上1000m以下の場合は回帰暖気RA、外気OA、混合空気MAの流れが良く、建屋容積を1050mの場合は回帰暖気RA、外気OA、混合空気MAの流れが良くなかった。また、表10および表11に示すように、本第二実施形態において、建屋容積を140mの場合は空気混合空間2を形成することができず、建屋容積を150m以上950m以下の場合は回帰暖気RA、外気OA、混合空気MAの流れが良く、建屋容積を1000mの場合は回帰暖気RA、外気OA、混合空気MAの流れが良くなかった。これらのことから、本発明に係る空気混合空間2は、建屋容積が170以上950以下の場合において、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、9.5≦S/S50となるように形成することが好適であり、後方壁部21および前方壁部22と直交する平面で空気混合空間2を横方向へ切った横断面の横断面積S(cm)と外気排出口72の開口の実開口面積S(cm)との面積比S/Sの値が、5.1≦S/S≦97となるように形成することが好適であることが明らかとなった。
1 自然対流式空調のための床下空間構造(自然対流式空調床下空間構造)
2 空気混合空間
3 空気加温空間
4 空間連通手段
5 暖気誘導部
6 一部暖気排出手段
7 外気取り入れ手段
8 居住域空間
9 建屋
11 底部断熱材
12 コンクリート盤
21 後方壁部
22 前方壁部
23 左方壁部
24 右方壁部
25 空気混合空間(2)の天井
26 回帰暖気取り入れ手段
27 筒部
31 熱源
32 加湿手段
51 ダクト
52 (暖気誘導部5の)開口
61 一部暖気排気口
62 一部暖気排気筒
63 一部暖気排出口
71 外気吸気口
72 外気排出口
73 導入管
81 階段
82 (階段81の)蹴上げ
83 居住域空間(8)の天井
91 外壁
FS1 1階床面
FS2 2階床面
GS 地盤面
HA 暖気
MA 混合空気
OA 外気
RA 回帰暖気

Claims (5)

  1. 1階または複数階の居住域空間を有する建屋において、屋外から屋内へ取り入れられた外気と、前記外気が温められて屋内を巡って回帰する回帰暖気との温度差を利用して、前記屋内において自然な空気の対流運動を発生させて前記居住域空間を空調する、基礎断熱した1階床面の床下の区域、または基礎断熱した1階床面の床下の区域ならびに1階の居住域空間および2階の居住域空間を接続する階段下の区域において区画された自然対流式空調のための床下空間構造であって、
    前記外気と前記回帰暖気とを取り入れ、混合して熱交換させて混合空気を生じさせる空気混合空間と、
    前記混合空気を加温して暖気を生じさせる空気加温空間と、
    前記空気混合空間と前記空気加温空間とを連通して前記混合空気を流通させる空間連通手段と
    を備え、
    前記空気混合空間は四方が壁部で囲まれており、
    前記空気混合空間の天井には、前記回帰暖気を前記空気混合空間内へ取り入れる回帰暖気取り入れ手段が形成されており、
    前記空気混合空間の内部には、断熱施工が施された外気取り入れ手段の、外気排出口が配置されており、
    前記外気取り入れ手段は、前記建屋の外壁に形成された外気吸入口から延伸して、前記空気混合空間の四方を囲む壁部を構成する、後方壁部、前方壁部、左方壁部および右方壁部のうちの、前記空間連通手段が形成されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に貫設されており、
    前記空気加温空間の内部には、熱源が配設されており、
    前記空間連通手段は、前記後方壁部、前記前方壁部、前記左方壁部および前記右方壁部のうちの、前記外気取り入れ手段が貫設されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に形成されており、
    前記外気排出口は、前記1階床面より低い位置に配置されるとともに、前記空間連通手段と、前記回帰暖気取り入れ手段と、前記外気排出口とが、互いに近傍に位置しており、
    かつ、
    建屋容積が170m 以上950m 以下の場合において、前記後方壁部および前記前方壁部と直交する平面で前記空気混合空間を縦方向へ切った縦断面の縦断面積S と前記外気排出口の開口の実開口面積S との面積比S /S の値が9.5≦S /S ≦50であることを特徴とする前記床下空間構造。
  2. 1階または複数階の居住域空間を有する建屋において、屋外から屋内へ取り入れられた外気と、前記外気が温められて屋内を巡って回帰する回帰暖気との温度差を利用して、前記屋内において自然な空気の対流運動を発生させて前記居住域空間を空調する、基礎断熱した1階床面の床下の区域、または基礎断熱した1階床面の床下の区域ならびに1階の居住域空間および2階の居住域空間を接続する階段下の区域において区画された自然対流式空調のための床下空間構造であって、
    前記外気と前記回帰暖気とを取り入れ、混合して熱交換させて混合空気を生じさせる空気混合空間と、
    前記混合空気を加温して暖気を生じさせる空気加温空間と、
    前記空気混合空間と前記空気加温空間とを連通して前記混合空気を流通させる空間連通手段と
    を備え、
    前記空気混合空間は四方が壁部で囲まれており、
    前記空気混合空間の天井には、前記回帰暖気を前記空気混合空間内へ取り入れる回帰暖気取り入れ手段が形成されており、
    前記空気混合空間の内部には、断熱施工が施された外気取り入れ手段の、外気排出口が配置されており、
    前記外気取り入れ手段は、前記建屋の外壁に形成された外気吸入口から延伸して、前記空気混合空間の四方を囲む壁部を構成する、後方壁部、前方壁部、左方壁部および右方壁部のうちの、前記空間連通手段が形成されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に貫設されており、
    前記空気加温空間の内部には、熱源が配設されており、
    前記空間連通手段は、前記後方壁部、前記前方壁部、前記左方壁部および前記右方壁部のうちの、前記外気取り入れ手段が貫設されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に形成されており、
    前記外気排出口は、前記1階床面より低い位置に配置されるとともに、前記空間連通手段と、前記回帰暖気取り入れ手段と、前記外気排出口とが、互いに近傍に位置しており、
    かつ、
    建屋容積が170m 以上950m 以下の場合において、前記後方壁部および前記前方壁部と直交する平面で前記空気混合空間を横方向へ切った横断面の横断面積S と前記外気排出口の開口の実開口面積S との面積比S /S の値が5.1≦S /S ≦97であることを特徴とする前記床下空間構造。
  3. 1階または複数階の居住域空間を有する建屋において、屋外から屋内へ取り入れられた外気と、前記外気が温められて屋内を巡って回帰する回帰暖気との温度差を利用して、前記屋内において自然な空気の対流運動を発生させて前記居住域空間を空調する、基礎断熱した1階床面の床下の区域、または基礎断熱した1階床面の床下の区域ならびに1階の居住域空間および2階の居住域空間を接続する階段下の区域において区画された自然対流式空調のための床下空間構造であって、
    前記外気と前記回帰暖気とを取り入れ、混合して熱交換させて混合空気を生じさせる空気混合空間と、
    前記混合空気を加温して暖気を生じさせる空気加温空間と、
    前記空気混合空間と前記空気加温空間とを連通して前記混合空気を流通させる空間連通手段と
    を備え、
    前記空気混合空間は四方が壁部で囲まれており、
    前記空気混合空間の天井には、前記回帰暖気を前記空気混合空間内へ取り入れる回帰暖気取り入れ手段が形成されており、
    前記空気混合空間の内部には、断熱施工が施された外気取り入れ手段の、外気排出口が配置されており、
    前記外気取り入れ手段は、前記建屋の外壁に形成された外気吸入口から延伸して、前記空気混合空間の四方を囲む壁部を構成する、後方壁部、前方壁部、左方壁部および右方壁部のうちの、前記空間連通手段が形成されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に貫設されており、
    前記空気加温空間の内部には、熱源が配設されており、
    前記空間連通手段は、前記後方壁部、前記前方壁部、前記左方壁部および前記右方壁部のうちの、前記外気取り入れ手段が貫設されている壁部とは異なる少なくともいずれかの壁部に形成されており、
    前記外気排出口は、前記1階床面より低い位置に配置されるとともに、前記空間連通手段と、前記回帰暖気取り入れ手段と、前記外気排出口とが、互いに近傍に位置しており、
    かつ、
    建屋容積が170以上950m 以下の場合において、前記後方壁部および前記前方壁部と直交する平面で前記空気混合空間を縦方向へ切った縦断面の縦断面積Sと前記外気排出口の開口の実開口面積Sとの面積比S/Sの値が9.5≦S/S50であって、
    前記後方壁部および前記前方壁部と直交する平面で前記空気混合空間を横方向へ切った横断面の横断面積S と前記外気排出口の開口の実開口面積S との面積比S /S の値が5.1≦S /S ≦97であることを特徴とする前記床下空間構造。
  4. 前記空気混合空間の天井が、前記1階床面のうちの所定の部分、仕切板または階段であることを特徴とする、請求項1から請求項3の少なくともいずれか一項に記載の自然対流式空調のための床下空間構造。
  5. 請求項1から請求項4の少なくともいずれか一項に記載の自然対流式空調のための床下空間構造と、
    前記空気加温空間において生じた前記暖気を、前記居住域空間、および前記居住域空間の天井またはその近傍へ誘導する暖気誘導部と、
    前記建屋の前記居住域空間のうち最も上階に位置する居住域空間の天井またはその近傍に形成されて前記暖気の一部を屋外へ排出する一部暖気排出手段と、
    前記外気取り入れ手段と
    を備えることを特徴とする、自然な空気の対流運動を利用して前記居住域空間を空調する建屋。
JP2018066433A 2017-06-20 2018-03-30 自然対流式空調のための床下空間構造およびこれを備えた建屋 Active JP6406781B1 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017120161 2017-06-20
JP2017120161 2017-06-20

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6406781B1 true JP6406781B1 (ja) 2018-10-17
JP2019007332A JP2019007332A (ja) 2019-01-17

Family

ID=63855248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018066433A Active JP6406781B1 (ja) 2017-06-20 2018-03-30 自然対流式空調のための床下空間構造およびこれを備えた建屋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6406781B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09112978A (ja) * 1995-10-20 1997-05-02 Air Cycle Sangyo Kk 躯体内空間用換気口
JP2002194827A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Misawa Homes Co Ltd 建物の換気構造
JP2009150643A (ja) * 2007-11-30 2009-07-09 Hokkaido Univ 自然対流式床下暖房換気システム
JP2011196671A (ja) * 2010-02-24 2011-10-06 Takenaka Komuten Co Ltd 高負荷空調システム
JP2017057673A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 株式会社から屋 外気導入による換気温調式建屋

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09112978A (ja) * 1995-10-20 1997-05-02 Air Cycle Sangyo Kk 躯体内空間用換気口
JP2002194827A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Misawa Homes Co Ltd 建物の換気構造
JP2009150643A (ja) * 2007-11-30 2009-07-09 Hokkaido Univ 自然対流式床下暖房換気システム
JP2011196671A (ja) * 2010-02-24 2011-10-06 Takenaka Komuten Co Ltd 高負荷空調システム
JP2017057673A (ja) * 2015-09-18 2017-03-23 株式会社から屋 外気導入による換気温調式建屋

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019007332A (ja) 2019-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3208689U (ja) 高断熱高気密住宅の換気及び空調構造
JP6530722B2 (ja) 換気空調ユニット
JP5235098B2 (ja) 建物の空調換気システム
JP5870345B2 (ja) 空調システム
KR20070054230A (ko) 환기 장치 및 건물
CN104913413A (zh) 利用高效空气循环技术综合化的节能建筑物供暖制冷系统
JP6208194B2 (ja) 空調換気システム
JP2016033448A (ja) 空調システム
JP6406781B1 (ja) 自然対流式空調のための床下空間構造およびこれを備えた建屋
JP6502696B2 (ja) 給気ボックス及び給気ボックスを用いた居室用の空調システム
JP2017211175A (ja) 建物
JP2018013327A (ja) 空調装置
JP5274218B2 (ja) 植物養生・育成管理装置
JP2007056649A (ja) 住宅の暖房・換気構造
JP2016205719A (ja) 空調装置付き机
JP6951518B1 (ja) 空気調和システム
JP2016061484A (ja) 全館冷暖房システム
JP2955263B2 (ja) 快適室内環境機能を備えた建物
JPH04106333A (ja) 一体型集中空調システム
JP6845592B1 (ja) 換気システム
JP3233818U (ja) 空調システム
JP2005163482A (ja) 建物の換気システム
JP2018066490A (ja) 空調システム
JP2004044858A (ja) 空気調和方法と空気調和装置
JP7209365B2 (ja) 全館空調システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180330

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180330

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180330

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180404

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180514

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180629

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6406781

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250