JP6405975B2 - 一方向クラッチ用ばね及び一方向クラッチ - Google Patents

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本発明は、例えば自動車用のオルタネータ等の補機を回転駆動する為のプーリ装置、或いはエンジンのアイドルストップ時の補機駆動装置等に組み込んで使用する、一方向クラッチ及びこの一方向クラッチを構成する一方向クラッチ用ばねの改良に関する。
オルタネータやスタータモータ等の自動車用補機を駆動する為のプーリ装置に組み込む一方向クラッチとして、ローラクラッチが従来から知られている。例えば特許文献1〜5には、ローラクラッチを組み込んだローラクラッチ内蔵型プーリ装置が記載されている。図10〜12は、これら各特許文献に記載される等により従来から知られている、ローラクラッチ内蔵型プーリ装置の1例を示している。このローラクラッチ内蔵型のプーリ装置1は、オルタネータの回転軸に外嵌固定可能なスリーブ2を有する。又、このスリーブ2の周囲に従動プーリ3を、このスリーブ2と同心に配置している。そして、これらスリーブ2の外周面と従動プーリ3の内周面との間に、1対のサポート軸受4、4とローラクラッチ5とを設けている。
前記スリーブ2は、全体を円筒状に形成しており、前記オルタネータの回転軸の端部に外嵌固定して、この回転軸と共に回転する。又、このスリーブ2の外周面の中央部には、同じく両端部よりも外径寸法の大きな大径部6を設けている。一方、前記従動プーリ3の外周面は、幅方向に関する断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し可能としている。そして、前記スリーブ2の外周面と前記従動プーリ3の内周面との間に存在する空間の軸方向中間部に前記ローラクラッチ5を、同じくこの空間の軸方向両端部でこのローラクラッチ5を軸方向両側から挟む位置に前記各サポート軸受4、4を、それぞれ配置している。このうちのサポート軸受4、4は、前記従動プーリ3に加わるラジアル荷重を支承しつつ、この従動プーリ3と前記スリーブ2との相対回転を可能とする。図示の例では、前記各サポート軸受4、4として、それぞれ深溝型の玉軸受を使用している。
又、前記ローラクラッチ5は、前記従動プーリ3が前記スリーブ2に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら従動プーリ3とスリーブ2との間での回転力の伝達を可能とする。この様なローラクラッチ5は、特許請求の範囲に記載した内輪相当部材に相当するクラッチ用内輪7と、同じく外輪相当部材に相当するクラッチ用外輪8と、同じくロック部材に相当する複数本のローラ9、9と、保持器10と、複数のばね11、11とから成る。
このうちのクラッチ用内輪7及びクラッチ用外輪8は、それぞれ軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼の板材により全体を円筒状に形成している。そして、前記クラッチ用内輪7を前記スリーブ2の大径部6の外周面に、前記クラッチ用外輪8を前記従動プーリ3の中間部内周面に、それぞれ締り嵌めにより嵌合固定している。又、前記クラッチ用外輪8の内周面のうち、少なくとも前記各ローラ9、9と当接する軸方向中間部を、円筒面12としている。これと共に、前記クラッチ用内輪7の外周面をカム面13としている。即ち、このクラッチ用内輪7の外周面に、それぞれがランプ部と呼ばれる複数の凹部14、14を、円周方向に関し等間隔に形成して、このクラッチ用内輪7の外周面を前記カム面13としている。
そして、このカム面13と前記円筒面12との間の円筒状空間に、前記保持器10と、前記複数ずつのローラ9、9及びばね11、11とを設けている。このうちの保持器10は、例えばポリアミド46等の合成樹脂により籠型円筒状に一体形成したもので、それぞれが円環状である1対のリム部15、15と、これら両リム部15、15の内側面内周縁寄り部分同士を連結する柱部16、16とを備える。この様な保持器10は、前記両リム部15、15の内周面に形成した各突片17、17を、前記カム面13を構成する各凹部14、14に係合させる事により、前記クラッチ用内輪7に対する相対回転を不能にしている。
又、前記両リム部15、15の内側面で、前記各柱部16、16の円周方向中間部に整合する部分には、それぞれ後方支持板部18、18を、これら各柱部16、16の外周面から径方向外方に突出する状態で形成している。又、これら各柱部16、16の外周面で、前記各後方支持板部18、18よりも少しだけ円周方向前方(図11、12の左方)に寄った部分の中央部に前方支持板部19を、同じく両端寄り部分に1対の突出部20、20を、それぞれ前記各柱部16、16の外周面から径方向外方に突出する状態で形成している。そして、前記両リム部15、15と円周方向に隣り合う2組の柱部16、16とにより、四方を囲まれる部分をそれぞれポケット21、21とし、これら各ポケット21、21内に前記各ローラ9、9を、転動並びに円周方向に関する若干の変位を可能に設けている。
一方、前記保持器10と前記各ローラ9、9との間には、これら各ローラ9、9を前記各凹部14、14の浅い側に向け、円周方向に関して同方向(図11の左方向)に押圧する為の、前記各ばね11、11を設けている。これら各ばね11、11は、SUS304等のステンレス鋼製の板材(弾性金属板)に折り曲げ加工を施す事により形成している。前記各ばね11、11は、図12に示す様に、全体形状が略ム字形であり、平板状の基部22と、この基部22の長さ方向両側部分をこの基部22の厚さ方向片側(図12の左側)に鋭角(θ1 )に折り曲げて成る1対の弾性押圧部23、23と、これら両弾性押圧部23、23と前記基部22と連続部に設けられた1対の屈曲部24、24とを備えている。このうちの基部22は、前記保持器10に対し前記各ばね11、11を係止する為の部分である。又、前記両弾性押圧部23、23は、それぞれの先端部により前記各ローラ9、9を弾性的に押圧する部分である。又、前記各屈曲部24、24は、前記各弾性押圧部23、23が前記基部22に対して弾性的に撓む事を許容する部分である。
この様に構成する前記各ばね11、11は、前記各基部22の片側面(図11、12の左側面)を、前記前方支持板部19の片側面(図11、12の右側面)に、この基部22の他側面(図11、12の右側面)の両端部を前記各後方支持板部18、18の片側面(図11、12の左側面)に、それぞれ弾性的に当接させる事により、前記保持器10の円周方向複数個所に係止している。又、この状態で、前記各ばね11、11を構成する基部22と弾性押圧部23、23との間に存在する1対の屈曲部24、24の内側に、それぞれ前記各突出部20、20を配置している。
上述の様に、前記各ばね11、11を前記保持器10に係止した状態では、前記各弾性押圧部23、23の先端部が、それぞれ前記各ローラ9、9の転動面(外周面)に弾性的に当接する。そして、前記各弾性押圧部23、23により、これら各ローラ9、9を、前記円筒面12とカム面13との間の円筒状空間の径方向に関する幅の狭い部分に向け、円周方向に関して同方向に弾性的に押圧可能となる。この結果、次述する運転時に、前記ローラクラッチ5のロック状態とオーバラン状態との切り換えを迅速に行える。
上述の様に構成するローラクラッチ内蔵型のプーリ装置1の作用は、次の通りである。先ず、前記クラッチ用内輪7を嵌合固定した前記スリーブ2に対して、前記クラッチ用外輪8を嵌合固定した前記従動プーリ3が、前記各ばね11、11による前記各ローラ9、9の押圧方向と同方向に回転する場合には、前記円筒面12及びカム面13からこれら各ローラ9、9に、前記押圧方向と同方向の力が作用する。この結果、これら各ローラ9、9が前記円筒状空間の径方向に関する幅の狭い部分に向け変位し、当該部分にくさび状に食い込む。この結果、前記従動プーリ3と前記スリーブ2との間で回転力の伝達が可能(ロック状態)となり、これら両部材2、3が同期して回転する。
これに対し、前記スリーブ2に対して前記従動プーリ3が前記押圧方向と反対方向に回転する場合には、前記円筒面12から前記各ローラ9、9に、前記押圧方向と反対方向の力が作用する。この結果、これら各ローラ9、9が前記円筒状空間の径方向に関する幅の広い部分に向け変位する傾向となる。又、この際に前記各ローラ9、9は、前記各ばね11、11を構成する弾性押圧部23、23を撓ませる。そして、上述の様に幅の広い部分に向け変位した前記各ローラ9、9は、当該部分で転動並びに若干の変位が可能となる。この結果、前記従動プーリ3と前記スリーブ2との間で回転力の伝達が不能(オーバラン状態)となり、これら両部材2、3が相対回転する。
上述の様な構成を有するローラクラッチ内蔵型のプーリ装置1は、前記スリーブ2をオルタネータ等の補機を構成する回転軸の端部に外嵌固定すると共に、前記従動プーリ3の外周面に無端ベルトを掛け渡す。この無端ベルトは、エンジンのクランクシャフト等の端部に固定された駆動プーリに掛け渡され、この駆動プーリの回転により駆動する。この様な状態で組み付けられるローラクラッチ内蔵型のプーリ装置1は、前記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、前記ローラクラッチ5が繋がり(ロック状態となり)、前記従動プーリ3から前記回転軸への回転力の伝達を可能とする。反対に、前記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、前記ローラクラッチ5の接続が断たれ(オーバラン状態となり)、これら従動プーリ3と回転軸との相対回転を可能とする。この結果、前記クランクシャフトの回転角速度が変動した場合でも、前記無端ベルトと前記従動プーリ3とが擦れ合う事を防止して、鳴きと呼ばれる異音の発生や摩耗による無端ベルトの寿命低下を防止すると共に、オルタネータの発電効率が低下する事を防止できる。
尚、前述の様なローラクラッチ5を構成する場合、前記各ローラ9、9と当接する前記円筒面12及びカム面13を、それぞれ前記従動プーリ3の内周面及び前記スリーブ2の外周面に直接形成する場合もある。又、図13に示す様に、前記円筒面12と前記カム面13との径方向に関する配置を、上述した構造と逆にする場合もある。即ち、スタータモータ等の駆動軸の端部に組み付ける場合等、オーバラン状態で運転される事が多く、ロック状態で運転される時間が全体の運転時間に比べれば遥かに短い場合には、クラッチ用外輪8aの内周面にカム面13を、クラッチ用内輪7aの外周面に円筒面12をそれぞれ形成する事が好ましい。この様に円筒面12とカム面13との径方向に関する配置を逆にした場合には、オーバラン時に回転に伴う遠心力により、各ローラ9をカム面13の凹部14、14に退避させ、これら各ローラ9の転動面と前記円筒面12との擦れ合いを防止し易くできる。
但し、上述した様な従来構造の第1例のローラクラッチ5の場合、ローラ9がスキューする事を抑制すると共に、ばね11に発生する応力を低く抑える面からは、未だ改良の余地がある。以下、この理由に就いて、図14を加えて説明する。
前記ローラクラッチ5の場合、前記ばね11を構成する1対の弾性押圧部23、23を、全長に亙って先端部に向かう程互いに近づく方向に延出する状態で設けている。この為、これら両弾性押圧部23、23同士の間隔は、ローラ9に当接する先端部同士の間隔である力点間距離X1 が最も短くなり、この結果、前記両弾性押圧部23、23の先端部は、前記ローラ9の転動面のうちで軸方向中央部に比較的近い部分にそれぞれ当接する。従って、このローラ9が、前記両弾性押圧部23、23による押圧力に基づいてスキューし易くなる。又、これら両弾性押圧部23、23の全長を長く確保しにくい為、前記ローラ9から力が作用するこれら両弾性押圧部23、23の先端部である力点A1 から、これら両弾性押圧部23、23に作用する力を支承する部分である支点B1 (後方支持板部18、18の端部片側面と基部22の端部他側面との当接部)までの距離(ローラ9による力の作用線の方向に対して直交する方向の距離)Y1 が短くなる。この為、前記両弾性押圧部23、23の撓み量(撓み角度)が大きくなり、前記両屈曲部24、24に発生する応力が高くなり易くなる。
これに対し、特許文献6には、上述した2種類の距離のうち、力点間距離を大きくできる構造が記載されている。図15は、特許文献6に記載された、従来構造の第2例のローラクラッチ5aを示している。図示の構造の場合、このローラクラッチ5aを構成するばね11aを、ステンレス鋼製の板材を円弧形に折り曲げる事により構成している。そして、このばね11aのうちの長さ方向中央部を基部22aとし、この基部22a(中央部)を除く残部を1対の弾性押圧部23a、23aとしている。又、このうちの基部22aを、保持器10aを構成する柱部16aの円周方向側面に当接させると共に、前記両弾性押圧部23a、23aの先端部をローラ9の転動面に弾性的に当接させている。
この様な構成を有する従来構造の第2例の場合、図16に示す様に、前記両弾性押圧部23a、23aは、基端部(基部22a)から先端部に向かう程互いに離れる方向に延出している。この為、前記両弾性押圧部23a、23aの先端部同士の間隔である力点間距離X2 を、前記従来構造の第1例の場合に比べて大きくできる(X2 >X1 )。従って、前記両弾性押圧部23a、23aの先端部により、前記各ローラ9の転動面の軸方向両端寄り部分を押圧する事が可能になり、これら各ローラ9にスキューが発生する事を抑制できる。但し、この様な従来構造の第2例の場合にも、前記両弾性押圧部23a、23aの先端部である力点A2 から、これら両弾性押圧部23a、23aに作用する力を支承する部分である支点B2 (基部22a)までの距離Y2 は、十分に長いとは言えない。この為、前記両弾性押圧部23a、23aの撓み量が大きくなり、これら両弾性押圧部23a、23aの基端部に発生する応力が高くなり易い。
更に、ローラクラッチを構成する外輪相当部材として、例えば内周面に円筒面又はカム面が直接形成された従動プーリ等を使用する場合、この外輪相当部材を組み付ける以前の状態で、組立工場へ搬送し、この組立工場にて、外輪相当部材の組み付け作業を行う場合がある。但し、この様な場合、ローラは、ばねの弾力によって保持器等に押し付けられる事でその脱落が防止されており、外輪相当部材を組み付ける以前の状態では、ばねの撓み量が少なく、ばねからローラに付与される弾力が小さい為、搬送作業時や組立作業時に、ローラが保持器から径方向外方に脱落するといった問題を生じる可能性がある。特に搬送作業時には、ローラクラッチに振動が加わる為、ローラはより脱落し易くなる。
この様な事情に鑑みて、図17に示した様に、外輪相当部材を組み付ける以前の状態のローラクラッチ5bの周囲に、紙製又は合成樹脂製の支持筒25を外嵌し、ローラ9、9の脱落を防止する事が考えられる。この様な構成を採用した場合には、搬送作業時に、前記各ローラ9、9の脱落を有効に防止できるが、使用済みの支持筒25の廃棄が生じたり、この支持筒25を取り外した際に、前記各ローラ9、9が脱落するといった問題を生じる可能性がある。これに対し、使用するばねの弾力を大きくする事で、外輪相当部材を組み付ける以前の状態でも、このばねからローラに対し十分に大きな弾力を付与する事も考えられる。但し、この様な構成を採用した場合には、ローラクラッチが、ロック状態からオーバラン状態に切り換わりにくくなり、ローラクラッチを組み込んだ装置のエネルギ損失を生じる可能性がある。
特公平7−72585号公報 特開平11−63170号公報 特開2002−130433号公報 特開2005−3059号公報 特開2007−198582号公報 特開平11−93984号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、ロック部材がスキューする事を抑制できると共に、弾性押圧部の撓みに基づき発生する応力を低く抑えられ、しかもロック部材の脱落防止を図れる、一方向クラッチ用ばねの構造を実現すると共に、この様な一方向クラッチ用ばねを備えた一方向クラッチを実現すべく発明したものである。
本発明の一方向クラッチ用ばね及び一方向クラッチのうち、請求項1に記載した一方向クラッチ用ばねは、前述した従来構造の第1例と同様に、弾性を有する金属板製で、基部と、1対の弾性押圧部と、1対の屈曲部とを備える。
このうちの基部は、一方向クラッチを構成する保持器に対して係止する為の部分であり、平板状の基板部を有する。
又、前記両弾性押圧部は、それぞれの先端部を、前記保持器により保持されたローラやスプラグ等のロック部材に弾性的に当接させて、このロック部材を押圧する為の部分であり、前記基板部の長さ方向両側部分を、この基板部の厚さ方向片側に、この基板部との為す角度が鋭角になる様に折り曲げる事で構成されている。
前記両屈曲部は、前記両弾性押圧部が前記基板部に対して弾性的に撓む事を許容する為の部分であり、これら両弾性押圧部と基板部との連続部に設けられている。
特に請求項1に記載した本発明の一方向クラッチ用ばねは、前記両弾性押圧部を、それぞれの長さ方向中間部(好ましくは自由状態で長さ方向中央部)で互いに交差させている。又、前記両弾性押圧部の先端部に、前記ロック部材が前記保持器から脱落する事を防止する為の部分である、前記基板部の厚さ方向片側(ロック部材側)に折れ曲がった抜け止め部を、例えば前記保持器への装着状態での径方向外側部分に設けている。
上述した請求項1に記載した発明を実施する場合には例えば、前記基部のうちで、前記基板部の厚さ方向他側部分に、この基板部の長さ方向一部に連続する状態で、前記保持器を構成する柱部を円周方向両側から弾性的に挟持する抱持部を設ける。
更に、この抱持部の一部に、前記基板部の厚さ方向他側に向けて延出する状態で、前記ロック部材が前記保持器から脱落する事を防止する為の、張出抜け止め片を設ける。
一方、請求項2に記載した本発明の一方向クラッチは、前述した従来構造と同様に、内輪相当部材と、この内輪相当部材の周囲にこの内輪相当部材と同心に配置された外輪相当部材と、これら内輪相当部材の外周面と外輪相当部材の内周面との間に設けられた複数個のロック部材(ローラやスプラグ、カムを含む係合子)と、これら各ロック部材を保持する保持器と、この保持器に係止された状態で、これら各ロック部材を前記両周面に対し係合する方向に押圧するばね(一方向クラッチ用ばね)とを備える。
そして、前記内輪相当部材と前記外輪相当部材とが所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記各ロック部材と前記各周面とを係合させて回転力の伝達を可能とする。
特に請求項2に記載した本発明の一方向クラッチは、前記ばねを、上述した請求項1に記載した一方向クラッチ用ばねとしている。
上述の様な構成を有する本発明の一方向クラッチ用ばねによれば、ロック部材がスキューする事を抑制できると共に、弾性押圧部の撓みに基づき発生する応力を低く抑えられる。しかも、前記ロック部材が保持器から脱落する事も有効に防止できる。
即ち、本発明の一方向クラッチ用ばねは、1対の弾性押圧部を、それぞれの長さ方向中間部で互いに交差させている為、これら両弾性押圧部の先端部同士の間隔(力点間距離)を確保し易くなると共に、これら両弾性押圧部の全長を長くできる。この為、一方向クラッチに組み込んだ状態(請求項2に記載した発明)で、前記両弾性押圧部の先端部を、前記ロック部材の転動面の軸方向両端寄り部分に当接させる事が可能になる。従って、このロック部材がスキューする事を有効に抑制できる。又、前記両弾性押圧部の先端部(力点)から、これら両弾性押圧部に作用する力を支承する部分(支点)までの距離を大きくできる。この為、これら両弾性押圧部の撓み量を小さく抑える事ができて、屈曲部に発生する応力を低く抑えられる。しかも、前記両弾性押圧部の先端部に、抜け止め部を設けている為、外輪相当部材を組み付ける以前の状態で、この抜け止め部を前記保持器から径方向外方に抜け出そうとする前記各ロック部材に係合させる事により、これら各ロック部材が前記保持器から径方向外方に脱落する事を有効に防止できる。従って、一方向クラッチの組立作業の作業効率の向上、及び、搬送作業の作業性の向上を図れる。
本発明の実施の形態の1例のローラクラッチを組み込んだプーリ装置を示す斜視図。 同じくローラクラッチを、1対のサポート軸受と共にスリーブに外嵌した状態で示す斜視図。 同じくローラクラッチを取り出し、1個のばねを残して残りのばねを取り外した状態で示す部分拡大斜視図。 同じく図3の上方から見た平面図。 同じく1個のばねを残して残りのばねを取り外した状態で示すローラクラッチの断面図。 同じく組立状態を示す、図5のA部に相当する拡大図。 同じく搬送状態を示す、図5のA部に相当する拡大図。 同じくばねを取り出して示す斜視図。 力点間距離X及び力点と支点との距離Yを説明する為に示す模式図。 従来構造の第1例のローラクラッチを組み込んだローラクラッチ内蔵型のプーリ装置を示す断面図。 図10のB−B断面図。 保持器とばねとを取り出して示す部分切断斜視図。 ローラクラッチの変形例を示す図11と同様の図。 従来構造の第1例のローラクラッチに関して、力点間距離X及び力点と支点との距離Yを説明する為に示す模式図。 従来構造の第2例のローラクラッチを示す部分切断斜視図。 同じく図14に相当する図。 ローラクラッチを搬送する状態の1例を示す断面図。
[実施の形態の1例]
図1〜9は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、ローラクラッチ5cを構成するばね11bに関して、1対の弾性押圧部23b1、23b2の構造を工夫する事により、ローラ9が、スキューしたり、保持器10bから脱落したりする事を防止すると共に、前記両弾性押圧部23b1、23b2の撓みに基づき発生する応力を低く抑える点にある。その他の構成及び作用効果に就いては、前述した従来構造の第1例の場合と同様である。従って、同等部分には同一符号を付し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例のローラクラッチ5cは、オルタネータやスタータモータ等の自動車用補機を駆動する為のプーリ装置1aに組み込んで使用するものであり、使用状態で、オルタネータ等の回転軸26に外嵌固定されるスリーブ2aの外周面と、従動プーリ3aの内周面との間に、それぞれが円筒ころ軸受である1対のサポート軸受4a、4aと共に配置される。そして、前記ローラクラッチ5cは、前記従動プーリ3aが、前記スリーブ2aに対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら従動プーリ3aとスリーブ2aとの間で回転力の伝達を可能とする。
前記ローラクラッチ5cは、特許請求の範囲に記載した内輪相当部材に相当するクラッチ用内輪7bと、特許請求の範囲に記載した外輪相当部材に相当する前記従動プーリ3aと、これらクラッチ用内輪7bの外周面と従動プーリ3aの内周面との間にそれぞれ配置された、複数本のローラ9、9と、保持器10bと、複数のばね11b、11bとから成る。
前記クラッチ用内輪7bは、軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼の板材により全体を円筒状に形成している。又、前記クラッチ用内輪7bの外周面には、それぞれがランプ部と呼ばれる複数の凹部14aを円周方向に関し等間隔に形成して、このクラッチ用内輪7bの外周面をカム面13aとしている。これに対し、前記従動プーリ3aの外周面は、幅方向に関する断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し可能としている。又、前記従動プーリ3aの内周面のうち、少なくとも前記各ローラ9、9と当接する軸方向中間部は、円筒面12aとしている。
前記保持器10bは、例えばポリアミド46等の合成樹脂により籠型円筒状に一体形成したもので、それぞれが円環状である1対のリム部15a、15aと、これら両リム部15a、15aの内側面同士を連結する柱部16b、16bとを備える。そして、これら各リム部15a、15aの内側面と各柱部16b、16bの円周方向側面とにより四方を囲まれた部分を、前記各ローラ9、9を転動並びに円周方向に亙る若干の変位を可能に保持する為の、複数のポケット21a、21aとしている。そして、前記両リム部15a、15aの内周面に形成した突片17a、17aを、前記クラッチ用内輪7bの外周面に形成した前記各凹部14aに係合させる事により、このクラッチ用内輪7bに対する相対回転を不能にしている。
前記各ばね11b、11bは、上述の様な構成を有する前記保持器10bの柱部16b、16bと、前記各ローラ9、9との間に設け、これら各ローラ9、9を、円周方向に関して同じ方向(図3、4、6、7の右方向、図9の上方向)に弾性的に押圧している。特に本例の場合には、前記各ばね11b、11bを、厚さが0.1〜0.5mm程度のSUS631、301、304等のステンレス鋼製の板材(ばね鋼板、弾性金属板)に折り曲げ加工を施す事により形成しており、基部22bと、1対の弾性押圧部23b1、23b2と、1対の屈曲部24a、24aとを有する。
このうちの基部22bは、前記保持器10bに対し前記各ばね11bを係止する為の部分であり、基板部27と、抱持部28と、張出抜け止め片29を有している。このうちの基板部27は、平板状であり、前記保持器10bへの装着状態で、その片側面(図3、4、6、7の左側面、図9の下側面)を前記各柱部16b、16bの円周方向片側面(図3、4、6、7の右側面、図9の上側面)に弾性的に当接させている。又、前記基板部27の長さ方向中間部に幅方向片側縁(保持器10bへの装着状態で径方向外側縁)に開口する状態で、略矩形状の切り欠き部30が形成されている。
前記抱持部28は、前記保持器10bへの装着状態で径方向内方(図3、6、7、8の下側)が開口したU字形に折り曲げられており、前記基板部27の長さ方向中間部に連続する状態で、この基板部27の厚さ方向他側部分(図3、4、6、7の左側部分、図9の下側部分)に設けられている。具体的には、前記抱持部28は、前記基板部27の厚さ方向に離隔した状態で、この基板部27と略平行に配置された、3つ挟持部31a、31bと、これら各挟持部31a、31bの一端縁(保持器10bへの装着状態で径方向外端縁)同士を連結する覆い部32とにより構成されている。そして、このうちの1つの挟持部31aの他端縁を、前記切り欠き部30の底部(奥端縁)に連続させている。又、この挟持部31aの一端縁は、前記覆い部32の幅方向片端縁(基板部27側の端縁)の長さ方向中央部に連続しており、前記両挟持部31b、31bの一端縁は、前記覆い部32の幅方向他端縁の長さ方向両端部にそれぞれ連続している。
この様な構成を有する前記抱持部28は、前記保持器10bに装着する際に、前記各挟持部31a、31b同士の間隔を弾性的に拡げた状態で、前記各柱部16b、16bに径方向外方から係合させる。これにより、前記覆い部32がこれら各柱部16b、16bの外周面を覆うと共に、前記各挟持部31a、31bがこれら各柱部16b、16を円周方向両側から弾性的に挟持する。又、この状態で、これら各柱部16b、16bの円周方向側面に形成した係止凹溝33に、前記1つの挟持部31aを係合させている。尚、残りの挟持部31b、31bに就いても、前記各柱部16b、16bに別途形成した係止凹溝に係合させても良い。又、前記1つの挟持部31aは、基板部27の一部により代替する事も可能である。
前記張出抜け止め片29は、略矩形板状で、前記抱持部28を構成する覆い部32の幅方向他端縁の長さ方向中央部から幅方向(保持器10bへの装着状態で円周方向)に延出する状態で設けられている。前記保持器10bへの装着状態で、前記張出抜け止め片29の先半部は、この張出抜け止め片29を備えたばね11bが押圧するローラ9ではなく、このローラ9に隣接して配置されたローラ9を収納したポケット21aの径方向外方に位置する。そして、このポケット21a内に保持されたローラ9と係合する事で、このローラ9が径方向外方に抜け出る事を防止する。
前記両弾性押圧部23b1、23b2は、全長に亙り直線状で、前記基板部27の長さ方向両側部分を、この基板部27の厚さ方向片側(図3、4、6、7の右側、図9の上側)に、この基板部27との為す角度が鋭角(θ0 )になる様に折り曲げる事で構成されている。特に本例の場合には、前記両弾性押圧部23b1、23b2を、それぞれの長さ方向中間部(自由状態では長さ方向中央部)で互いに交差させている。この為に、本例の場合には、前記両弾性押圧部23b1、23b2の全長を、前記基板部27の全長よりも少しだけ短い程度とし、前述した従来構造の第1例の場合の弾性押圧部23、23(図14参照)の全長よりも十分に長くする(3倍程度とする)と共に、前記基板部27に対する前記両弾性押圧部23b1、23b2の自由状態での傾斜角度(θ0 )を、前述した従来構造の第1例の場合よりも十分に小さくしている(θ0 <θ1 )。
又、交差を可能にすると共に、この様に交差させた場合にも前記両弾性押圧部23b1、23b2の撓み変形を許容する為、これら両弾性押圧部23b1、23b2の長さ方向中間部に、それぞれ挿通凹部34a、34bを形成している。具体的には、前記両弾性押圧部23b1、23b1のうちで、交差部にて、前記基板部27の幅方向に関して片側(保持器10bへの装着状態で径方向外側)に配置された一方の弾性押圧部23b1の長さ方向中間部に、他方の弾性押圧部23b2と対向する辺が凹んだ略矩形状の挿通凹部34aを形成している。これに対し、交差部にて、前記基板部27の幅方向に関して他側(保持器10bへの装着状態で径方向内側)に配置された他方の弾性押圧部23b2の長さ方向中間部に、一方の弾性押圧部23b1と対向する辺が凹んだ略矩形状の挿通凹部34bを形成している。そして、一方の弾性押圧部23b1に形成された挿通凹部34aの内側に、他方の弾性押圧部23b2の長さ方向中間部(挿通凹部34bが形成された部分の残部)を配置すると共に、他方の弾性押圧部23b2に形成された挿通凹部34bの内側に、一方の弾性押圧部23b1の長さ方向中間部(挿通凹部34aが形成された部分の残部)を配置している。本例の場合には、この様な構成により、前記両弾性押圧部23b1、23b2を、それぞれの長さ方向中間部で互いに交差させると共に、これら両弾性押圧部23b1、23b2が、前記各挿通凹部34b、34aの範囲で撓み変形できる様にしている。
又、前記両弾性押圧部23b1、23b2の先端部には、前記挿通凹部34a、34bが形成された中間部に比べて、幅寸法が大きくなった幅広部35、35を設けている。又、前記両弾性押圧部23b1、23b2の先端部(幅広部35、35)のうちで、前記基板部27の幅方向に関して片側(保持器10bへの装着状態で径方向外側)の端部に、当該部分をこの基板部27の厚さ方向に関して片側に向けて折り曲げ形成した、略三角形状の抜け止め部36、36を設けている。本例の場合、前記各幅広部35、35のうちで、これら各抜け止め部36、36が形成された部分よりも、前記基板部27の幅方向に関して他側部分(保持器10bへの装着状態で径方向内側部分)が、前記各ローラ9の転動面と接触する。この為、前記両弾性押圧部23b1、23b2の先端部がこれら各ローラ9の転動面に接触した状態で、前記各抜け止め部36、36は、これら各ローラ9の転動面(接触部)の径方向外方に張り出した状態となる。
更に、前記両屈曲部24a、24aは、前記両弾性押圧部23b1、23b2が前記基板部27に対して弾性的に撓む事を許容する部分であり、部分(3/4)円筒状で、前記両弾性押圧部23b1、23b2の基端部と前記基板部27の長さ方向両端部との連続部に設けられている。
この様な構成を有する前記各ばね11b、11bは、前記基部22bを構成する抱持部28を、前記各柱部16b、16bの中間部に径方向外方から係合させる事により、前記保持器10bの円周方向複数個所に係止している。そして、この様に前記各ばね11b、11bをこの保持器10bに係止した状態で、前記各弾性押圧部23b1、23b2の先端部に設けた幅広部35、35の径方向内側部分が、それぞれ前記各ローラ9、9の転動面に弾性的に当接する。これにより、これら各弾性押圧部23b1、23b2によって、前記各ローラ9、9を、前記円筒面12aと前記カム面13aとの間の円筒状空間の径方向に関する幅の狭い部分に向け、円周方向に関して同方向に弾性的に押圧可能となる。この結果、運転時に、前記ローラクラッチ5bのロック状態とオーバラン状態との切り換えを迅速に行う事が可能になる。又、本例の場合にも、前記従動プーリ3aを組み付ける以前の状態で、前記両弾性押圧部23b1、23b2により前記各ローラ9を弾性的に押圧する事で、これら各ローラ9が前記保持器10bから脱落する事を防止している。即ち、本例の場合には、図7に示した様に、前記両弾性押圧部23b1、23b2の弾力により、これら両弾性押圧部23b1、23b2による押し付け方向前方側(図3、4、6、7の右側)に存在する、別のばね11bに設けられた前記張出抜け止め片29の径方向内側に、前記各ローラ9を押し込む事により、これら各ローラ9が前記保持器10bから径方向外方に脱落する事を防止している。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記各ローラ9、9がスキューする事を抑制できると共に、前記両弾性押圧部23b1、23b2の撓みに基づき前記各ばね11b、11b(屈曲部24a、24a)に発生する応力を低く抑えられる。しかも、前記従動プーリ3aを組み付ける以前の状態で、前記各ローラ9、9が前記保持器10bから径方向外方に脱落する事を防止できる。
即ち、本例の場合には、前記両弾性押圧部23b1、23b2を、それぞれの長さ方向中間部で互いに交差させている。この為、図9に示した様に、これら両弾性押圧部23b1、23b2の先端部同士の距離である力点間距離X0 を、前述した従来構造の第1例の場合に比べて十分に大きくできる(X0 >X1 )と共に、前記両弾性押圧部23b1、23b2の全長を長くできる。この為、前記各ばね11bを前記ローラクラッチ5bに組み込んだ状態で、前記両弾性押圧部23b1、23b2の先端部(先端縁部)を、前記各ローラ9の転動面の軸方向両端寄り部分に当接させる事ができる。従って、これら各ローラ9がスキューする事を有効に抑制できる。
又、本例の場合には、前記両弾性押圧部23b1、23b2の先端部である力点Aから、前記各ローラ9から作用する力を支承する部分である支点B0 (柱部16bの円周方向片側面と基板部25の長さ方向両端部との当接部)までの距離Y0 を、前述した従来構造の第1例及び第2例の場合に比べて十分に大きくできる(Y0 >Y2 >Y1 )。この為、前記両弾性押圧部23b1、23b2の撓み量を小さく抑える事ができて、前記両屈曲部24a、24aに発生する応力を低く抑えられる。
更に、本例の場合には、図7に示した様に、前記両弾性押圧部23b1、23b2の先端部(幅広部35、35)のうちで、前記各ローラ9の転動面に弾性的に接触する部分よりも径方向外側部分に、これら各ローラ9側に折れ曲がった抜け止め部36、36を設けている。この為、前記従動プーリ3aを組み付ける以前の状態で、これら各抜け止め部36、36を、前記保持器10bから径方向外方に抜け出そうとする前記各ローラ9に係合させる事により、これら各ローラ9が径方向外方に抜け出る事を有効に防止できる。更に、本例の場合には、前記両弾性押圧部23b1、23b2の弾力により、前記各ローラ9を、これら両弾性押圧部23b1、23b2による押し付け方向前方側(図3、4、6、7の右側)に存在する、別のばね11bに設けられた前記張出抜け止め片29の径方向内側に押し込む。従って、本例の場合には、前記両抜け止め部36、36と前記張出抜け止め片29とにより、前記各ローラ9が径方向外方に抜け出る事を円周方向両側から防止できる。この為、前記図17に示した様な支持筒25や弾力の大きいばねを使用しなくても、前記各ローラ9の脱落防止を有効に図れる。この結果、本例の場合には、支持筒25の廃棄の問題やエネルギ損失の問題を生じる事なく、前記ローラクラッチ5cの組立作業の作業効率の向上、及び、搬送作業の作業性の向上を図れる。
又、本例の場合には、前記基部22bを構成する抱持部28(3つの挟持部31a、31b)により、前記各柱部16b、16bを弾性的に挟持できる為、前記各ばね11b、11bが前記保持器10bから脱落する事を有効に防止する事もできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した従来構造の第1例の場合と同様である。
本発明を実施する場合には、実施の形態の構造の様に、ロック部材としてローラを使用する構造に限らず、スプラグやカムを使用する事もできる。又、弾性押圧部の形状に関しても、実施の形態の構造に限定されず、全体を円弧状に湾曲させたりする事もできる。又、弾性押圧部の先端部に設ける抜け止め部の形状に就いても、実施の形態の構造に限定されず、ローラ等のロック部材の脱落を防止するといった機能を確保できる範囲で、各種形状を採用できる。又、本発明の一方向クラッチは、自動車のオルタネータ等の補機を回転駆動する為のプーリ装置の他、ファクシミリや複写機の紙送り機構等、各種機械装置の回転伝達部分に適用する事もできる。
1、1a ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
2、2a スリーブ
3、3a 従動プーリ
4、4a サポート軸受
5、5a、5b、5c ローラクラッチ
6 大径部
7、7a、7b クラッチ用内輪
8、8a クラッチ用外輪
9 ローラ
10、10a、10b 保持器
11、11a、11b ばね
12、12a 円筒面
13、13a カム面
14、14a 凹部
15、15a リム部
16、16a、16b 柱部
17、17a 突片
18 後方支持板部
19 前方支持板部
20 突出部
21、21a ポケット
22、22a、22b 基部
23、23a、23b1、23b2 弾性押圧部
24、24a 屈曲部
25 支持筒
26 回転軸
27 基板部
28 抱持部
29 張出抜け止め片
30 切り欠き部
31a、31b 挟持部
32 覆い部
33 係止凹溝
34a、34b 挿通凹部
35 幅広部
36 抜け止め部

Claims (2)

  1. 弾性を有する金属板製で、平板状の基板部を有する基部と、この基板部の長さ方向両側部分をこの基板部の厚さ方向片側に鋭角に折り曲げて成る1対の弾性押圧部と、これら両弾性押圧部とこの基板部との連続部に存在する1対の屈曲部とを備え、
    これら両弾性押圧部がそれぞれの長さ方向中間部で互いに交差しており、これら両弾性押圧部の先端部に、前記基板部の厚さ方向片側に折れ曲がった抜け止め部が設けられている事を特徴とする一方向クラッチ用ばね。
  2. 内輪相当部材と、この内輪相当部材の周囲にこの内輪相当部材と同心に配置された外輪相当部材と、これら内輪相当部材の外周面と外輪相当部材の内周面との間に設けられた複数個のロック部材と、これら各ロック部材を保持する保持器と、この保持器に支持された状態で、これら各ロック部材を前記両周面に対し係合する方向に押圧するばねとを備え、前記内輪相当部材と前記外輪相当部材とが所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記各ロック部材と前記両周面とを係合させて回転力の伝達を可能とする一方向クラッチに於いて、
    前記ばねが、請求項1に記載した一方向クラッチ用ばねである事を特徴とする一方向クラッチ。
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