JP6404740B2 - アンカー装置およびアンカー装置の施工方法 - Google Patents

アンカー装置およびアンカー装置の施工方法 Download PDF

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本発明はアンカー装置およびアンカー装置の施工方法、特に、地盤に設置されるアンカー装置およびアンカー装置の施工方法に関する。
従来、アンカー装置は、傾斜した地盤における岩石の浮き上がりや岩石の脱落(落石)を防止するために設けられるネットを固定するものであって、かかるネットは傾斜した地盤を覆っているから、アンカー装置も傾斜した地盤に設置され、地盤から突出した部分に、ネットに固定されたワイヤーが取り付けられる。
したがって、落石が発生した場合、落石を受け止めた際にネットにかかる力は、ワイヤーを経由してアンカー装置に作用する。そのため、落石に伴う外力によって、ワイヤーの位置(ネットの位置に同じ)がずれないようにするため、地盤に打ち込まれるアンカー本体と、アンカー本体をその側方から指示するためのアンカー鞘管とを具備するアンカー装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4839256号公報(第5−7頁、図1)
特許文献1に開示された発明は、地盤に打ち込まれる方形状の断面の外管と、この外管の上端側の開口を塞ぎ、アンカー本体が挿通可能な貫通孔が形成された天板と、管の内側に配されてアンカー本体を支持する内管と、内管および外管とを連結する連結材とを備え、外管が地盤内に打ち込まれる際、内管および連結材は地盤に食い込むものである。
すなわち、外管が方形状の断面を有しているので、外管が円形状断面を有する従来のアンカー鞘管に比べて、搬送スペースを大きくすることなく、このアンカー鞘管の外管と土砂等との接触面積を増やし、この外管に作用する土砂等の抵抗力を大きくすることができるという作用効果が得られる。
しかしながら、かかる発明は、アンカー鞘管を地盤内に打ち込んだ後、アンカー本体を地盤内に打ち込むものであるため、以下の問題がある。
すなわち、地盤内に岩石等が混ざっている場合に、かかる岩石等が抵抗になって、打ち込まれたアンカー鞘管の姿勢が予定した姿勢からずれたり、内管や連結材が変形あるいは破損したりすることがある。そうすると、天板に形成された貫通孔と内管とに案内されて打ち込まれたアンカー本体の姿勢も予定した姿勢からずれるという問題があった。
また、予定した姿勢にアンカー本体を打ち込むと、アンカー本体が内管や連結材に衝突して、これを破損し、アンカー本体にかかる力が内管および連結材を介して外管に伝達されないという問題があった。
本発明は、前記問題を解決するものであって、地盤内に岩石等が混ざっている場合であっても、部材を変形や破損することなく、アンカー本体とアンカー鞘管とを予定した姿勢に正確に設置することができるアンカー装置およびアンカー装置の施工方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るアンカー装置は、地盤に形成された凹部に載置されるアンカー鞘管と、該アンカー鞘管に包囲されて、地盤に打ち込まれるアンカー本体と、を有し、
前記アンカー鞘管は、上側縁、下側縁、左端縁および右端縁を具備する矩形状の一対の側板と、前記一対の側板の両端部において、それぞれの前記上側縁同士を連結する一対の上連結材と、前記一対の側板の両端部において、それぞれの前記下側縁同士を連結する一対の下連結材と、前記一対の側板の長手方向の中央部において、それぞれの前記上側縁に設置された一対の上ゲート縦材と、前記一対の上ゲート縦材同士を連結する一対の上ゲート横材と、前記一対の側板の長手方向の中央部において、それぞれの前記下側縁に設置された一対の下ゲート縦材と、前記一対の下ゲート縦材同士を連結する一対の下ゲート横材と、前記一対の側板のそれぞれの下側縁の前記一対の下連結材のうちの一方の下連結材寄りに設置された一方の底板と、前記一対の側板のそれぞれの下側縁の前記一対の下連結材のうちの他方の下連結材寄りに設置された他方の底板と、を具備し、
前記アンカー鞘管が前記凹部に載置された状態で、前記一対の上ゲート縦材および前記一対の上ゲート横材に包囲された範囲と、前記一対の下ゲート縦材および前記一対の下ゲート横材に包囲された範囲とを貫通し、かつ、前記一方の底板と前記他方の底板との間に形成された底開口部を通過して、前記アンカー本体が前記地盤に打ち込まれることを特徴とする。
(2)また、前記一対の側板はそれぞれ、一方のフランジ同士が当接した一対の断面コ字状のチャンネル材と、該一対の断面コ字状のチャンネル材の両端部にそれぞれ設置された断面L字状のチャンネル材とによって形成されていることを特徴とする。
(3)さらに、前記一対の側板の一方の側板の前記上側縁において、長手方向の中央部に、前記一対の側板の他方の側板から離れる方向に突出した上回転防止材が設置され、かつ、前記他方の側板の前記下側縁において、長手方向の中央部に、前記一方の側板から離れる方向に突出した下回転防止材が設置されていることを特徴とする。
(4)本発明に係るアンカー装置の施工方法は、地盤に形成された凹部に載置されるアンカー鞘管と、該アンカー鞘管に包囲されて、地盤に打ち込まれるアンカー本体とを有するアンカー装置の施工方法であって、
前記アンカー鞘管は、上側縁、下側縁、左端縁および右端縁を具備する矩形状の一対の側板と、前記一対の側板の両端部において、それぞれの前記上側縁同士を連結する一対の上連結材と、前記一対の側板の両端部において、それぞれの前記下側縁同士を連結する一対の下連結材と、前記一対の側板の長手方向の中央部において、それぞれの前記上側縁に設置された一対の上ゲート縦材と、前記一対の上ゲート縦材同士を連結する一対の上ゲート横材と、前記一対の側板の長手方向の中央部において、それぞれの前記下側縁に設置された一対の下ゲート縦材と、前記一対の下ゲート縦材同士を連結する一対の下ゲート横材と、前記一対の側板のそれぞれの下側縁の前記一対の下連結材のうちの一方の下連結材寄りに設置された一方の底板と、前記一対の側板のそれぞれの下側縁の前記一対の下連結材のうちの他方の下連結材寄りに設置された他方の底板と、を具備し、
地盤を掘削して凹部を形成する工程と、前記凹部に前記アンカー鞘管を載置する工程と、前記一対の上ゲート縦材および前記一対の上ゲート横材に包囲された範囲と、前記一対の下ゲート縦材および前記一対の下ゲート横材に包囲された範囲とを貫通し、かつ、前記一方の底板と前記他方の底板との間に形成された底開口部を通過して、前記アンカー本体を前記地盤に打ち込む工程と、前記凹部と前記アンカー鞘管の外側との間、および前記アンカー鞘管の内側と前記アンカー本体との間に、土砂を投入する工程と、を有することを特徴とする。
(i)本発明に係るアンカー装置およびアンカー装置の施工方法は、アンカー鞘管が地盤に形成された凹部に載置されるから、地盤内に岩石等が混ざっている場合であっても、部材を変形や破損することなく、アンカー鞘管を予定した姿勢に正確に設置することができる。
(ii)アンカー本体は、一対の上ゲート縦材および一対の上ゲート横材に包囲された範囲と、一対の下ゲート縦材および一対の下ゲート横材に包囲された範囲とを貫通して、アンカー本体を地盤に打ち込むから、アンカー本体を予定した姿勢に正確に設置することができる。
(iii)上ゲート横材および下ゲート横材を有するから、アンカー本体に作用する力によって、アンカー本体が上ゲート横材および下ゲート横材の一方または両方に当接した場合には、アンカー本体に作用する力が上ゲート縦材および下ゲート縦材の一方または両方を介してアンカー鞘管内に直接伝達される。したがって、アンカー本体に作用する力を確実に保持することができ、アンカー本体の倒れ量を小さくすることができる。
(iv)さらに、側板は断面コ字状のチャンネル材と断面L字状のチャンネル材とによって形成されているから、アンカー鞘管を施工現場において容易に組み立てることが可能になるため、施工資材の運搬や保管が容易になる。
(v)さらに、上回転防止材および下回転防止材が設置されているため、アンカー本体に作用する力がアンカー鞘管に伝達されても、アンカー鞘管の回転が防止されるから、アンカー本体に作用する力をさらに確実に保持することができ、アンカー本体の倒れ量を小さくすることができる。
本発明の実施の形態1に係るアンカー装置の設置された状態を説明するものであって、図1の(a)は平面図、図1の(b)は一部を透過して示す正面図。 本発明の実施の形態1に係るアンカー装置の設置された状態を説明するものであって、一部を透過して示す右側面図。 本発明の実施の形態1に係るアンカー装置を構成するアンカー鞘管を説明するものであって、図3の(a)は底面図、図3の(b)は背面図。 本発明の実施の形態1に係るアンカー装置を構成するアンカー鞘管を説明するものであって、図4の(a)は左側面図、図4の(b)は側面視の断面図。 本発明の実施の形態1に係るアンカー装置を構成するアンカー鞘管を説明するものであって、図5の(a)は一部を抜き出して示す平面図、図5の(b)は一部を抜き出して示す正面図、図5の(c)は一部を抜き出して示す右側面図。 本発明の実施の形態1に係るアンカー装置を構成するアンカー鞘管を説明するものであって、図6の(a)は一部を抜き出して示す底面図、図6の(b)は一部を抜き出して示す側面視の断面図。 本発明の実施の形態2に係るアンカー装置の施工方法を説明するフローチャート。
[実施の形態1]
図1および図2は、本発明の実施の形態1に係るアンカー装置の設置された状態を説明するものであって、図1の(a)は平面図、図1の(b)は一部を透過して示す正面図、図2は一部を透過して示す右側面図である。なお、各図は模式的に描かれたものであって、本発明は描かれた形態に限定するものではない。
図1および図2において、アンカー装置100は、地盤900を掘削して形成された凹部910に載置されるアンカー鞘管110と、アンカー鞘管110に包囲されて、地盤900に打ち込まれるアンカー本体120と、を有している。
なお、説明の便宜上、地盤900は傾斜した斜面であって、少なくとも凹部910が形成された範囲において、北側が高く、南側が低くなるように傾斜し、東西方向の高さは同じで、傾斜していないものとする。そして、各部材の名称に、それが配置される方位に対応して、「東西南北」を付し、その符号に東は「e」、西は「w」、南は「s」、北は「n」を付す。
(アンカー鞘管)
図3〜図6は、本発明の実施の形態1に係るアンカー装置を構成するアンカー鞘管を説明するものであって、図3の(a)は底面図、図3の(b)は背面図、図4の(a)は左側面図、図4の(b)は側面視の断面図、図5の(a)は一部を抜き出して示す平面図、図5の(b)は一部を抜き出して示す正面図、図5の(c)は一部を抜き出して示す右側面図、図6の(a)は一部を抜き出して示す底面図、図6の(b)は一部を抜き出して示す側面視の断面図である。なお、各図は模式的に描かれたものであって、本発明は描かれた形態に限定するものではない。
図1〜図6において、アンカー鞘管110は、互いに対向する北側板10nおよび南側板10sとを有している。北側板10nは、断面コ字状の北上チャンネル材10ntと断面コ字状の北下チャンネル材10nbとを有し、北上チャンネル材10ntと北下チャンネル材10nbとの互いに当接したフランジ同士は、ボルト/ナットによって接合されている。同様に、南側板10sは、断面コ字状の南上チャンネル材10stと断面コ字状の南下チャンネル材10sbとを有し、南上チャンネル材10stと南下チャンネル材10sbとの互いに当接したフランジ同士は、ボルト/ナットによって接合されている。
そして、北側板10nの東端縁には断面L字状の北東チャンネル材12nが、西端縁には断面L字状の北西チャンネル材13nがそれぞれ設置され、南側板10sの東端縁には断面L字状の南東チャンネル材12sが、西端縁には断面L字状の南西チャンネル材13sがそれぞれ設置されている。
そして、北東チャンネル材12nの上端と南東チャンネル材12sの上端とが東上連結材14eによって連結され、北東チャンネル材12nの下端と南東チャンネル材12sの下端とが東下連結材15eによって連結され、さらに、北東チャンネル材12nの上端と南東チャンネル材12sの下端とが東斜材16eによって連結されている。
同様に、北西チャンネル材13nの上端と南西チャンネル材13sの上端とが西上連結材14wによって連結され、北西チャンネル材13nの下端と南西チャンネル材13sの下端とが西下連結材15wによって連結され、さらに、北西チャンネル材13nの上端と南西チャンネル材13sの下端とが西斜材16wによって連結されている。
なお、北側板10nおよび南側板10sは、同じ形状(正確には、面対称)であって、東西方向(左右方向)が上下方向よりも長い矩形状である。また、北上チャンネル材10nt、北下チャンネル材10nb、南上チャンネル材10stおよび南下チャンネル材10sbは、何れも同じ形状であるが、本発明はこれに限定するものではなく、接続可能であって、同じ形状の北側板10nおよび南側板10sが形成できるものであれば、いずれの形状であってもよい。
以下、北上チャンネル材10ntの上側のフランジ、東上連結材14e、南上チャンネル材10stの上側のフランジおよび西上連結材14wによって形成される平面視で長方形の枠を「鞘管上端部19t」と称す場合があり、また、北下チャンネル材10nbの下側のフランジ、東下連結材15e、南下チャンネル材10sbの下側のフランジおよび西下連結材15wによって形成される底面視で長方形の枠を「鞘管下端部19b」と称す場合がある。
(底板)
鞘管下端部19bには、東寄りに東底板21e、22e、23e(以下、それぞれをまとめて「東底板20e」と称す場合がある)および西寄りに西底板21w、22w、23w(以下、それぞれをまとめて「西底板20w」と称す場合がある)が設置されている。
東底板20eは矩形状の板材(鋼板)であって、それぞれの短辺は、北下チャンネル材10nbの下側のフランジの東寄りの範囲と南下チャンネル材10sbの下側のフランジの東寄りの範囲とにボルト/ナットによって設置されている。同様に、西底板20wは矩形状の板材(鋼板)であって、それぞれの短辺は、北下チャンネル材10nbの下側のフランジの西寄りの範囲と南下チャンネル材10sbの下側のフランジの西寄りの範囲とにボルト/ナットによって設置されている。なお、東底板20eおよび西底板20wはそれぞれ、3枚の板材(鋼板)によって形成されているが、本発明はその枚数を限定するものではない。
そして、東底板20eと西底板20wとの間に底開口部20kが形成されている。なお、底開口部20kの大きさ(広さ)も限定するものではなく、後記する下ゲート範囲40よりも広ければよい。
(上ゲート枠)
鞘管上端部19tの東西方向(左右方向)の中央に、上ゲート枠130が設置されている。
上ゲート枠130は、互いに平行な上ゲート縦材31e、31wと、両端がそれぞれ上ゲート縦材31e、31wに固定された互いに平行な上ゲート横材32n、32sと、上ゲート縦材31e、31wの一方の端部に固定された上ゲート取付材33と、上ゲート縦材31e、31wの他方の端部に固定された上回転防止材50と、を具備している。
このとき、上ゲート縦材31e、31wおよび上ゲート縦材31e、31wによって矩形状の空間(以下「上ゲート範囲30」と称す)が形成されている。また、上ゲート縦材31e、31wおよび上ゲート横材32n、32sは、断面L字のチャンネル材であり、上ゲート取付材33および上回転防止材50は、設置用のボルトが貫通する貫通孔が形成された板材(鋼板)である。
そして、上ゲート取付材33は、北上チャンネル材10ntの上側のフランジにボルト/ナットによって設置され、上回転防止材50は南上チャンネル材10stの上側のフランジにボルト/ナットによって設置されている。このとき、上回転防止材50は南上チャンネル材10stから離れる方向に(鞘管上端部19tの外側に向かって)突出している。
なお、上ゲート範囲30が、上ゲート縦材31e、31wと上ゲート横材32n、32sとによって形成されているが、本発明はこれに限定するものではなく、上ゲート横材32nを撤去して、上ゲート縦材31e、31wおよび上ゲート横材32sの3本の部材によって包囲された範囲を上ゲート範囲30としてもよい。
(下ゲート枠)
上ゲート枠130と同様に、鞘管下端部19bの東西方向(左右方向)の中央に、下ゲート枠140が設置されている。
下ゲート枠140は、互いに平行な下ゲート縦材41e、41wと、両端がそれぞれ下ゲート縦材41e、41wに固定された互いに平行な下ゲート横材42n、42sと、下ゲート縦材41e、41wの一方の端部に固定された下ゲート取付材43と、下ゲート縦材41e、41wの他方の端部に固定された下回転防止材60と、を具備している。
このとき、下ゲート縦材41e、41wおよび下ゲート縦材41e、41wによって矩形状の空間(以下「下ゲート範囲40」と称す)が形成されている。また、下ゲート縦材41e、41wおよび下ゲート横材42n、42sは、断面L字のチャンネル材であり、下ゲート取付材43および下回転防止材60は、設置用のボルトが貫通する貫通孔が形成された板材(鋼板)である。
そして、下ゲート取付材43は、南下チャンネル材10sbの下側のフランジにボルト/ナットによって設置され、下回転防止材60は北下チャンネル材10nbの下側のフランジにボルト/ナットによって設置されている。
このとき、下回転防止材60は北下チャンネル材10nbから離れる方向に(鞘管下端部19bの外側に向かって)突出している。
なお、下ゲート範囲40が、下ゲート縦材41e、41wと下ゲート横材42n、42sとによって形成されているが、本発明はこれに限定するものではなく、下ゲート横材42nを撤去して、下ゲート縦材41e、41wおよび下ゲート横材42sの3本の部材によって包囲された範囲を下ゲート範囲40としてもよい。
(アンカー本体)
アンカー本体120は、断面円形の鋼管70であって、管下端71に向かってなめらかに縮径する縮径部72が形成され、管上端73は管上蓋74によって塞がれている。また、管上端73に近い位置に、図示しないワイヤーを係止するため、ナット75が螺合されたボルト76が取り付けられている(地盤900に打設された後、取り付けられる場合もある)。
なお、以上は、鋼管70の外周は平滑であるが、鋼管70の外周に、突起や管軸方向に平行な板からなる羽根(フィン)を設置してもよい。
以上のように、アンカー装置100は、地盤900に形成された凹部910に載置されるから、地盤900内に岩石等が混ざっている場合であっても、アンカー鞘管110を形成する部材は、変形や破損されることなく、アンカー鞘管110は予定した姿勢に正確に設置されている。
また、アンカー本体120は、上ゲート範囲30と下ゲート範囲40とを貫通した状態で、本体を地盤に打ち込まれるから、予定した姿勢に正確に設置されている。
さらに、上ゲート横材32n、32s、および下ゲート横材42n、42sを有するから、これにアンカー本体120が当接した場合、アンカー本体120に作用する力がこれに直接伝達される。したがって、アンカー本体120に作用する力は確実に保持され、アンカー本体120の倒れ量は小さくなる。
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係るアンカー装置の施工方法を説明するフローチャートである。なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分にはこれと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7において、まず、施工現場または施工現場に近い場所に、アンカー鞘管110を形成する資材およびアンカー本体120等を搬入する(S1)。すなわち、上ゲート枠130および下ゲート枠140は形成された状態で搬入されるものの、これを除く北上チャンネル材10nt等は分解した状態の単体を搬入し、施工現場または施工現場に近い場所において、アンカー鞘管110を組み立てる(S2)。
なお、組み立てられた状態のアンカー鞘管110を、施工現場に搬入するようにしてもよい。
次に、または、前記搬入(S1)および組み建て(S2)と並行して、傾斜した地盤900の一部を掘削して、アンカー装置100を設置するための凹部910を形成する(S3)。
次に、凹部910にアンカー鞘管110を載置する(S4)。このとき、地盤900の高い側に北側板10nを、低い側に南側板10sを配置する。このとき、鞘管上端部19tおよび鞘管下端部19bは地盤900の地表面901に平行であるが、地盤900の地表面901に対して傾斜するようにしてもよい。
そして、アンカー本体120(鋼管70)が、上ゲート範囲30および下ゲート範囲40を貫通した状態で(このとき、底開口部20kも貫通している)、アンカー本体120の地盤900への打設を開始する(S5)。
そして、予定した深さまで打設したところで、アンカー本体120の地盤900への打設を停止する(S6)。
さらに、アンカー鞘管110の内側とアンカー本体120との間、およびアンカー鞘管110の外側と凹部910との間に、土砂を投入する(S7、図示しない)。このとき、投入する土砂は、地盤900を掘削した際に発生したものであっても、あるいは、他の場所から運搬したものであってもよい。
(アンカー装置の設置状態)
アンカー装置100は、前記施工方法によって施工されたものであるから、アンカー鞘管110は地盤900内に埋め込まれ、アンカー鞘管110と、アンカー鞘管110の内部および外部に投入された土砂とを介して地盤900に設置されている。
このとき、東底板20eおよび西底板20wの下面は、アンカー鞘管110の内部に投入された土砂の自重およびアンカー鞘管110の自重によって、凹部910の底面911に押し付けられている。
また、鞘管上端部19tおよび鞘管下端部19bは地盤900の地表面901に平行であって、アンカー本体120は地盤900の地表面901に対して垂直になっている。
すなわち、アンカー本体120のアンカー鞘管110から下方の範囲は、地盤900によって直接支持され、アンカー本体120のアンカー鞘管110に包囲された範囲は、アンカー鞘管110内部および外部に投入された土砂を介して地盤900によって間接的に支持されている。
したがって、図示しないワイヤー(アンカー本体120の管上端73に接続されている)に作用する外力は、管上端73が地盤900と平行で低い方向(S方向)に倒れるように、アンカー本体120を引っ張ることになる(なお、正確には、アンカー本体120を地盤900から引き抜こうとする力も発生する)。
このとき、図示しないワイヤーに作用する外力が大きくなり、アンカー本体120が所定の量(曲げ量を含む量)だけ倒れると、アンカー本体120は上ゲート横材31sおよび下ゲート横材41sの一方または両方に当接し、これを介して、アンカー本体120を倒そうとする力の一部はアンカー鞘管110に直接伝達されることになる。
そうすると、アンカー鞘管110と凹部910との間には土砂が投入され、かかる土砂によって、アンカー鞘管110は地盤900に保持されているから、アンカー本体120のそれ以上の倒れは抑えられることになる。
また、アンカー鞘管110は、上回転防止材50が地盤900に押し込まれる方向の力を受け、下回転防止材60が地盤900から浮き上がる方向の力を受けるから、これによっても、アンカー鞘管110の回転(アンカー本体120の倒れ)が抑えられることになる。
さらに、東底板20eおよび西底板20wの下面は、アンカー鞘管110の内部に投入された土砂の自重およびアンカー鞘管110の自重によって、凹部910の底面911に押し付けられているため、東底板20eおよび西底板20wの下面と凹部910の底面911との間の摩擦力によって、アンカー鞘管110の移動が拘束されるから、アンカー本体120のそれ以上の倒れは、さらに抑えられることになる。
(効果)
アンカー装置は前記施工方法によって施工され、前記設置状態であるから、以下のような施工上の効果と、設置状態における力学的な効果とを有する。
(a)アンカー鞘管110は、地盤900に形成された凹部910内に載置された後、土砂で埋め戻されるから、正確な姿勢に設置される。
(b)アンカー本体120は、上ゲート範囲30および下ゲート範囲40を貫通した状態で地盤900に打設されるから、アンカー本体120を予定した姿勢に正確に設置することができる。
(c)少なくとも上ゲート横材31sおよび下ゲート横材41nを有するから、アンカー本体120に作用する力の一部がアンカー鞘管内に直接伝達されるから、アンカー本体120に作用する力を確実に保持することができ、アンカー鞘管110の回転量(アンカー本体120の倒れ量)を小さくすることができる。
(d)さらに、北側板10nは断面コ字状の北上チャンネル材10ntおよび北下チャンネル材10nbと、断面L字状の北東チャンネル材12nおよび北東チャンネル材12nとによって形成され、南側板10sは断面コ字状の南上チャンネル材10stおよび南下チャンネル材10sbと、断面L字状の南東チャンネル材12sおよび南東チャンネル材12sとによって形成されているから、施工現場まで、それぞれ分解した状態で搬入することができ、施工現場において、それぞれを組み立てることができる。
このように、アンカー鞘管110を構成する部材は分解した状態で施工現場に搬入し、施工現場において、アンカー鞘管110を組み立てることができるから、施工資材の保管および運搬が容易になり、結果として施工コストの低減を図ることができる。
本発明は以上の構成であって、アンカー本体とアンカー鞘管とを予定した姿勢に正確に設置し、アンカー本体の倒れ量を小さくすることができるから、傾斜した地盤に限定されることなく、各種地盤に設置されるアンカー装置として広く利用することができる。
10n :北側板
10nb:北下チャンネル材
10nt:北上チャンネル材
10s :南側板
10sb:南下チャンネル材
10st:南上チャンネル材
12n :北東チャンネル材
12s :南東チャンネル材
13n :北西チャンネル材
13s :南西チャンネル材
14e :東上連結材
14w :西上連結材
15e :東下連結材
15w :西下連結材
16e :東斜材
16w :西斜材
19b :鞘管下端部
19t :鞘管上端部
20e :東底板
20k :底開口部
20w :西底板
21e :東底板
22e :東底板
23e :東底板
21w :西底板
22w :西底板
23w :西底板
30 :上ゲート範囲
31e :上ゲート縦材
31w :上ゲート縦材
32n :上ゲート横材
32s :上ゲート横材
33 :上ゲート取付材
40 :下ゲート範囲
41e :下ゲート縦材
41w :下ゲート縦材
42n :下ゲート横材
42s :下ゲート横材
43 :下ゲート材取付板
50 :上回転防止材
60 :下回転防止材
70 :鋼管
71 :管下端
72 :縮径部
73 :管上端
74 :管上蓋
75 :ナット
76 :ボルト
100 :アンカー装置
110 :アンカー鞘管
120 :アンカー本体
130 :上ゲート枠
140 :下ゲート枠
900 :地盤
901 :地表面
910 :凹部
911 :底面

Claims (4)

  1. 地盤に形成された凹部に載置されるアンカー鞘管と、
    該アンカー鞘管に包囲されて、地盤に打ち込まれるアンカー本体と、を有し、
    前記アンカー鞘管は、
    上側縁、下側縁、左端縁および右端縁を具備する矩形状の一対の側板と、
    前記一対の側板の両端部において、それぞれの前記上側縁同士を連結する一対の上連結材と、
    前記一対の側板の両端部において、それぞれの前記下側縁同士を連結する一対の下連結材と、
    前記一対の側板の長手方向の中央部において、それぞれの前記上側縁に設置された一対の上ゲート縦材と、
    前記一対の上ゲート縦材同士を連結する一対の上ゲート横材と、
    前記一対の側板の長手方向の中央部において、それぞれの前記下側縁に設置された一対の下ゲート縦材と、
    前記一対の下ゲート縦材同士を連結する一対の下ゲート横材と、
    前記一対の側板のそれぞれの下側縁の前記一対の下連結材のうちの一方の下連結材寄りに設置された一方の底板と、
    前記一対の側板のそれぞれの下側縁の前記一対の下連結材のうちの他方の下連結材寄りに設置された他方の底板と、を具備し、
    前記アンカー鞘管が前記凹部に載置された状態で、前記一対の上ゲート縦材および前記一対の上ゲート横材に包囲された範囲と、前記一対の下ゲート縦材および前記一対の下ゲート横材に包囲された範囲とを貫通し、かつ、前記一方の底板と前記他方の底板との間に形成された底開口部を通過して、前記アンカー本体が前記地盤に打ち込まれることを特徴とするアンカー装置。
  2. 前記一対の側板はそれぞれ、一方のフランジ同士が当接した一対の断面コ字状のチャンネル材と、該一対の断面コ字状のチャンネル材の両端部にそれぞれ設置された断面L字状のチャンネル材とによって形成されていることを特徴とする請求項1記載のアンカー装置。
  3. 前記一対の側板の一方の側板の前記上側縁において、長手方向の中央部に、前記一対の側板の他方の側板から離れる方向に突出した上回転防止材が設置され、かつ、前記他方の側板の前記下側縁において、長手方向の中央部に、前記一方の側板から離れる方向に突出した下回転防止材が設置されていることを特徴とする請求項1または2記載のアンカー装置。
  4. 地盤に形成された凹部に載置されるアンカー鞘管と、該アンカー鞘管に包囲されて、地盤に打ち込まれるアンカー本体とを有するアンカー装置の施工方法であって、
    前記アンカー鞘管は、上側縁、下側縁、左端縁および右端縁を具備する矩形状の一対の側板と、前記一対の側板の両端部において、それぞれの前記上側縁同士を連結する一対の上連結材と、前記一対の側板の両端部において、それぞれの前記下側縁同士を連結する一対の下連結材と、前記一対の側板の長手方向の中央部において、それぞれの前記上側縁に設置された一対の上ゲート縦材と、前記一対の上ゲート縦材同士を連結する一対の上ゲート横材と、前記一対の側板の長手方向の中央部において、それぞれの前記下側縁に設置された一対の下ゲート縦材と、前記一対の下ゲート縦材同士を連結する一対の下ゲート横材と、前記一対の側板のそれぞれの下側縁の前記一対の下連結材のうちの一方の下連結材寄りに設置された一方の底板と、前記一対の側板のそれぞれの下側縁の前記一対の下連結材のうちの他方の下連結材寄りに設置された他方の底板と、を具備し、
    地盤を掘削して凹部を形成する工程と、
    前記凹部に前記アンカー鞘管を載置する工程と、
    前記一対の上ゲート縦材および前記一対の上ゲート横材に包囲された範囲と、前記一対の下ゲート縦材および前記一対の下ゲート横材に包囲された範囲とを貫通し、かつ、前記一方の底板と前記他方の底板との間に形成された底開口部を通過して、前記アンカー本体を前記地盤に打ち込む工程と、
    前記凹部と前記アンカー鞘管の外側との間、および前記アンカー鞘管の内側と前記アンカー本体との間に、土砂を投入する工程と、を有することを特徴とするアンカー装置の施工方法。
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