JP4375566B2 - 高耐力アンカー - Google Patents

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Description

本発明は主としてロープの交差部を地盤に固定するための高耐力アンカーに関する。
落石防止、雪崩防止などの施設においては、ロープを地表付近に沿って張りめぐらせ、交差部や端部を地盤に固定することが必要とされる。
かかるロープ交差部や端部の固定手段として土中アンカーと称される杭体が汎用され、頂部にロープを取り付け、落石などにより発生するロープに対する引っ張り力を杭の抵抗でアンカーしている。
前記土中アンカーとして、従来、図17のように先端部を細くしたいわゆるパイプアンカーが一般に用いられていた。しかし、アンカーは性質上、上方または下方、さらには右あるいは左方向などから荷重を受ける。この条件に対してパイプアンカーは、図17(b)のように回転中心位置Aが下端にあるので転倒モーメントが大きく、したがって、耐力及び変位量が土質により大きく変動し、設計耐力が出ない場合が生ずる。また、アンカー前面の土の抵抗力が限界になると変位量が増大し、通常、抵抗力は17〜24kNで変位量15〜40cmにも達するので、耐力が小さく、変位量が大きい問題があった。
そこで、この対策として、平面一文字状や、図18のように平面十字状の羽根からなる土圧抵抗板を併用し、パイプアンカーの頭部に差し込む形で使用していた。
しかしながら、一文字状または十字状の羽根式土圧抵抗板を組み合わせたものは、設置時の羽根の向きによって土圧に対する抵抗力が大きく異なるので、土質および土量によって変位量に大きなばらつきが発生し、耐力の大幅な向上と変位量の低減は望めない問題があった。 また、前記抵抗板は中心にパイプを有し、これをアンカーパイプに差込んで地中に打ち込むことから打撃力がロスし、打ち込めない場合が生ずる問題もあった。
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その基本的な目的は、簡単な構造で耐力増強および変位量の大幅な抑制が可能であり、しかも施工性がよい実用的な高耐力アンカーを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、一段と傾き抑止高耐力が得られる高耐力アンカーを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の高耐力アンカーは、ロープの交差部を地盤に固定するためのアンカーにおいて、頭部につば部1aを有するアンカー本体1と、該アンカー本体1の頭部下に位置して地中に押し込まれる筒状抵抗体2とを具備し、前記筒状抵抗体2が、アンカー本体1の径に対して2〜10倍の径を有し、有効高さH0が、水平荷重:T/(円筒部径:D×土の側面圧縮耐力:σ)の±20%である筒部2aを備え、筒部は上端にアンカー本体1の遊挿を許すとともにアンカー本体1のつば部1aに当接して打撃力が伝達される天板部2bを有し、かつ、前記筒部内には、筒部全高Hの1/2の位置よりも下の位置の筒壁から求心状に張り出す複数のリブ23を有し、該リブの先端にアンカー本体1の外径よりも大きい内径のリング24を有していることを特徴としている。(請求項1)
請求項1にかかる発明によれば、抵抗体が天板部を有する筒状抵抗体からなり、これをアンカー本体の頭部に設けたつば部を限度として挿通し、アンカー本体を打ち込むことによりつば部から筒状抵抗体に打ち込み力を伝達させて地中に押し込むためアンカーの打ち込みと抵抗体の打ち込みを1度に行なうことができ、施工性がよい。打ち込んだ状態では、アンカーの転倒挙動の中心位置をアンカー下端部から地上部(地際)に置き換えることができ、アンカーに作用する転倒モーメントを極小化できる。
抵抗体は放射状の板でなく筒形状であるから方向性がなく、360度いずれの方向からの外力を受けても良好な抵抗作用を発揮することができる。したがって、土質や土量の影響を受けることが少なく、耐力が大幅に増加するとともに、変位量を非常に小さく抑止することが可能となる。打ち込み後においては、アンカー本体の頭部のつば部が筒状抵抗体の天板部上面と当接するため、筒状抵抗体とアンカー本体とが連結されていないにもかかわらず、水平方向からの荷重がかかったときに筒状抵抗体の傾き発生を抑えることができる。
筒部全高Hの1/2の位置よりも下の位置の筒壁から求心状に張り出す複数のリブ23を有し、該リブの先端にアンカー本体1の外径よりも大きい内径のリング24を有しているので、アンカー本体と筒状抵抗体との接点位置が下方に移行され、これにより前面土圧抵抗中心位置と荷重作用(接点)位置が合致ないし近接することになり、全体が傾かずに水平移動しやすくなるので、耐力の安定性を向上することができる。
また、アンカー本体を筒状抵抗体に挿通して地中にアンカー本体を打ち込む際にリングがガイドとして機能するので、アンカー本体と筒状抵抗体を正確に同心状に埋設することができる。
好適には、筒状抵抗体が筒部内にアンカー本体の心合わせガイドを有している。これによれば、筒状抵抗体とアンカー本体を同心状にすることができるので、360度いずれの方向からの外力を受けても良好な抵抗作用を発揮させることができる。
また、打ち込みのための現場でのセットも容易で、打ち込み時に的確なセンタリングを行なえるので、施工を容易に行なえる。
好適には、アンカー本体頭部内にロープの交差部と緊締具の収容室が形成され、頭部壁に90度間隔でロープ導出溝を有している。
アンカー本体の頭部内にロープの交差部と緊締具の収容室が形成されており、この収容室にロープの交差部と緊締具が収められるので体裁がよくなるばかりか、交差部より先のロープが頭部壁に形成した90度間隔のロープ導出溝から導出されることでロープの左右のずれが阻止され、頭部にキャップが取り付けられることで収容室が閉じられて交差部や緊締具の上方への脱出が阻止されるので、ロープの交差部をしっかりと固定しつつロープを地表に極めて接近させて這わせることができ、これにより、水平方向からの荷重に対する筒状抵抗体の転倒モーメントを極小化することができ、また、落石防止ネットなどに適用した場合に、浮き石を抑える効果が良好になる。
前記筒状抵抗体はアンカー本体の径の1.5倍以上の直径を有し、有効高さH0が、H0=水平荷重:T/(円筒部径:D×土の側面圧縮耐力:σ)の±20%である。
これによれば、アンカーの回転中心点を地表レベルに近くしつつ筒状抵抗体の大きさを打ち込みやすい適正なものにすることができる。
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は本発明を土中アンカーに適用した一実施例を単体の状態で示しており、図2ないし図4は使用状態を示している。図2ないし図4において、1はアンカー本体、2はアンカー本体1の頭部付近から地中に埋め込まれた筒状抵抗体、3はアンカー本体1の頭部に冠着されたキャップ、R1とR2は交差状のロープである。
図5と図6は前記アンカー本体1を単体の状態で示しており、下端部を縮径したパイプ材からなり、上端付近の頭部1Aに押え用のつば部1aを設けている。該つば部1aはパイプ材に溶接などで固着されている。
頭部壁内にはロープ交差部収容室11が画成され、前記つば部1aから上方の頭部壁には、周方向で90度の間隔ごとしたがって4つのロープ導出用の縦溝10が形成されている。そして、縦溝10の存しない壁部位にはキャップ3の固定用部12が設けられている。この例では、複数の台形状凸部から構成され、等間隔で設けられている。
筒状抵抗体2は前記アンカー本体1と独立しており、図7に単体の状態を示している。筒状抵抗体2は、筒部2aとこれの上端に設けられた蓋としての天板部2bとを有している。前記筒部2aはこの例では断面円形状をなし、アンカー本体1の外径よりも十分に大きな寸法(径)となっており、そして土中への打ち込み時に土を切り裂き、埋没を容易にするために、下端部領域には全体として鋸歯状をなすように複数の先鋭部20を設けている。
天板部2bは剛性板からなり、この実施例では平面矩形状をなし、前記筒部2aの端面に配され、端面との接触部分が溶接されることで筒部と一体化されている。天板部2bは中央に前記アンカー本体1直径とほぼ同等の穴21を有しており、必要に応じてその周りには厚板などからなる補強部が重着される。
前記筒部2aの内部にはセンター合わせのために、アンカー本体1の外径とほぼ一致する心合わせガイド22を設けている。この例では周方向で間隔をおいて複数の求心状板を配し、基端側を筒部内面に溶接している。
キャップ3はアンカー本体1の頭部上端に当接可能な天部3aと、頭部1Aに嵌り得る筒部3bを有しており、筒部3bには前記キャップ3の固定用部12と係合する固定用部31が配されている。この例では台形状凸部として構成され、固定用部31が固定用部12間に位置するようにキャップ3を頭部1Aに嵌めあわせ、回動させることで固定用部12,31同士を密接させ、キャップ3を頭部1Aに冠着固定するようになっている。
図2ないし図4において、4は交差部緊締金具であり、アンカー本体1の頭部1Aの前記ロープ交差部収容室11に容入し得る大きさであればどのような構成のものでもかまわないが、この例では、それぞれの内面に十字状のロープ嵌め溝を設けた受け金具4aと押し金具4bと、2組の緊締用のねじ要素4c、4cからなるものを用いている。
受け金具4aと押し金具4bは、ロープ嵌め溝の左右側方に、ねじ要素4c、4cたとえばボルトを挿通させてナットと螺合させるための通孔、または、通孔とボルトを直接螺合させる雌ねじ孔の組み合わせが設けられており、受け金具4aのロープ嵌め溝にロープR1,R2の交差部分を嵌め、押し金具4bを被せてねじ要素4c、4cを回動することで交差部が緊締されるようになっている。
前記筒状抵抗体2は、図9(a)、(b)において、水平荷重をTとし、有効高さ(上端から先鋭部の付け根までの距離)をH0とし、筒状抵抗体の径をDとし、土の側面圧縮耐力をσとした場合、H0=T/(D×σ)±20%の関係を満たしていることが望ましい。
筒状抵抗体の径Dはアンカー本体1の直径dの2〜10倍程度であることが望ましい。D/dが2未満では、面積が小さいので転倒防止効果が乏しくなるため適切でなく、D/dが10以上では、土中への打ち込みが難しくなるためあまり適切でない。
仕様の例を挙げると、アンカー本体1の直径dが11.4cmである場合、筒状抵抗体の径Dは29cm程度とする。土の側面圧縮耐力σを2.5kg/cmとし、この条件で水平荷重Tを2500kgとすると、筒状抵抗体の必要有効高さHは34.5cmあればよく、Tが3400kgの場合にはH0は48.3cmであればよい。
また、土の側面圧縮耐力σを3.0kg/cm2とし、この条件で水平荷重Tを2500kgとすると、筒状抵抗体の必要有効高さH0は28.7cm、Tが3500kgの場合、H0は40.2cmであればよい。したがって、筒状抵抗体の全高Hとしては、40〜50cm程度あればよい。
筒状抵抗体2は、材料として鋼管を使用でき、直径が一定であれば使用長さを調整するだけで各種荷重に対応することができる。実施例では天板部が矩形であるから、角鋼板を加工し筒部素材に溶接すればよいので、製作コストも安価にすることができる。
なお、アンカー本体1の必要長は、図9(c)において、アンカー本体の直径をdとし、アンカー本体に作用する土壌の総抵抗力をWとし、アンカー本体下端に発生する土壌圧縮応力をqとし、アンカー本体の受支部から上端までの長さをaとし、受支部から下端までの長さをlとすると、W=(d・l・q)/2となり、T・a=W(2・l/3)からW=(3・T・a)/(2・l)となる。これらの式から、下記の式となる。
Figure 0004375566
いま、a=10cm、d=11.4cm、T=3500kg、q=1.0kg/cm2とすると、lは95.6cmとなり、土壌のばらつきなどを考慮に入れても130〜150cmあれば十分である。
実施例1の作用を説明すると、施工に当たっては、分割した状態で現場に搬入し、筒状抵抗体2の穴21にアンカー本体1を挿通する。こうすれば図1(b)のようになり、施工現場に安定して準備させることができる。
アンカー本体1を対象の法面と直角に臨ませ、たとえばエア式打ち込み機などの打撃手段で地中に打ち込めば、筒状抵抗体2は筒部内に心合わせガイド22を有しているので、これにガイドされてアンカー本体1は土中に推進され続け、つば部1aが筒状抵抗体2の天板部2bの上面に当接すると、筒状抵抗体2は打撃力が伝達され、アンカー本体1は土中に推進されるのと同時に筒状抵抗体2の筒部2aは先鋭部20によって抵抗が低減されつつ地中に推進され、図2のように天板部2bが地表GLに近接するまで埋め込まれる。
このときに、アンカー本体1が天板部2bの穴21を貫通しており、筒部2a内で求心状の心合わせガイド22がアンカー本体1をガイドするので、筒状抵抗体2は傾かず、アンカー本体1と同心状態に埋設される。
したがって打ち込み施工性がよく、多数本のアンカーを迅速、能率的に予定箇所に埋設することができる。
この状態では、アンカー本体1の頭部1Aの収容室11が開放されているので、近傍の部位で交差部緊締金具4の受け金具4aと押し金具4b間に縦ロープR1と横ロープR2の交差部を挟み、ねじ要素4c、4cで受け金具4aと押し金具4bを締め付ける。これにより、交差部が動かないように緊締されたアッセンンブリーが得られるので、これを前記収容室11に収め、縦ロープR1と横ロープR2の交差部より少し先の部分をそれぞれ頭部1Aの縦溝10、10に落し込み、この状態でキャップ3の筒部3bを頭部1Aに嵌め合わせつつ回動する。これにより固定用部12,31同士が密接し合い、キャップ3が頭部1Aに冠着固定され、図2のようにロープ交差部が地盤に固定される。
ロープ交差部と交差部緊締金具4はアンカー本体1の頭部内に格納され、キャップ3で覆われているので飛び出ることもなく、汚損したり傷つけられたりする懸念がなくなり、また、体裁もよいものとなる。また、交差部緊締金具4を接続ボルトなどでアンカー本体1やキャップ3に固定する必要がないので、作業が非常に簡単なものとなり、使用部材数が少ないので経済的でもある。
また、ロープ交差部と交差部緊締金具4はアンカー本体1の頭部内に格納されているので、図2と図4のように縦ロープR1と横ロープR2が地表GLに非常に接近した関係で敷設されることになる。このため落石防止施設に適用した場合に、浮石の遊離や移動を的確に防止することができる。
こうした状態で落石が発生した場合、荷重が縦ロープR1と横ロープR2を介してアンカーに引張り力として作用する。その方向は落石発生位置によって上方または下方、あるいは右または左などさまざまである。
この引張り荷重でアンカー本体1は引張り力が作用する方向に傾かされようとするが、本発明ではアンカー本体1の上端部付近の地中に筒状抵抗体2が存しており、しかも、抵抗壁がアンカー本体1の軸線を中心として360度の全範囲に存している。
このため、いずれの方向からの外力に対しても抵抗作用が発揮され、回転中心点がアンカー本体の下端でなく地表近くになり、アンカーに作用する転倒モーメントを極小にすることができる。
アンカー本体1に引張り力が作用したときに、筒状抵抗体2が傾きアンカー本体1の軸心と非同心になることは適切でない。本発明では、筒状抵抗体2の筒部2aが心合わせガイド22を有していて、これがアンカー本体1の外周と近接しているので、ずれが抑制される。また、アンカー本体1のつば部1aが筒状抵抗体2の天板部2bと重なって筒状抵抗体2の上方への傾きを防止し、天板部下面は表面土に接して傾きに対する抵抗として働く。
したがって、筒状抵抗体2が傾いて浮き上がろうとする動きが阻止され、それゆえ、アンカー本体1と土の摩擦力による引き抜き抵抗力が筒状抵抗体2に作用する上方向荷重よりも大きい限り、筒状抵抗体2はアンカー本体1の軸心と同軸すなわち法面に対して水平を保ち、傾くことがない。このため、アンカーとして耐力が高く、変位量が極小になり、従来の土中アンカーに対して、荷重1.5倍以上、変位量0.3倍以下の高耐力が得られる。
本発明の効果を確かめる実験を、実物の1/10のスケールに作成したモデルで行った。アンカー本体は直径12mm、有効長さl:150mmとし、従来タイプとして、全高60mm、有効高さ40mm、板厚2.5mmの一文字羽根をアンカー本体の側面に溶接した物を作成した。本発明アンカーについては、全高60mm、有効高さ40mm、板厚2.5mm、直径29mmの筒状抵抗体を用いた。
実験は図10のように容器に土を入れ、アンカーを埋め込み、頭部にワイヤーを連結し、それをばね秤を介して牽引し、荷重と変位量を測定した。
その結果を図11に示す。この図から明らかなように本発明のアンカーは荷重18kgにおいて変位量がわずか2mmであり、荷重14kgにおいて、変位量が20mmの従来品と格段に相違している。
上記結果を踏まえて設計荷重24kN用のアンカーを作成し、法面に実際に施工し、耐力測定を行った。
アンカー本体は直径12cm、有効長さ150cmとし、筒状抵抗体は鋼製で、筒部は直径290mm、全高400mm、板厚2mmとし、天板部として280mm角で厚さ:3.2mmの鋼板を用い、これを筒部に溶接した。
かかる筒状抵抗体を、角度20度、土質:礫土の法面に打ち込み、筒状抵抗体から突出するアンカー本体頂部にワイヤロープをU状に掛け、該ワイヤロープをばね秤を介して牽引し、荷重・変位を測定した。
その結果を図12に示す。パイプアンカーの標準耐力は荷重1700kgであるとされているが、この図から明らかなように、本発明アンカーは変位量がわずか10mmであり、2400kg荷重においても23mmであった。そこで実験を続行した結果、3000kgの大荷重においても変位量が44mmであり、きわめて大きな耐力と小変位値が得られた。これは、筒状抵抗体の機能によることは明らかである。
図13ないし図16は本発明の第2実施例を示している。
この実施例においては、筒状抵抗体2の筒部2aの天板部2bの穴21がアンカー本体1の外径よりも著しく大きくされる一方、高さ方向の所要部位、通常、全高Hの1/2の位置よりも下の位置(H2≦H1)に筒壁から複数枚のリブ23を求心状に張り出させ、それらリブ23の先端にアンカー本体1の外径よりも適度に大きい内径のリング24を接合している。リング24の中心は筒状抵抗体2の筒部2aの中心と合致している。なお、「リング」とは、短めな筒の概念を包含する。
その他の構成は第1実施例と同様であるから説明は援用することとし、同じ部品や部分に同じ符号を付すにとどめる。
この第2実施例においても、アンカー本体1を対象の法面に臨ませて地中に打ち込めば、筒状抵抗体2は筒部内にリング24を有しているので、これにガイドされてアンカー本体1は土中に推進され続け、つば部1aが筒状抵抗体2の天板部2bの上面に当接すると、筒状抵抗体2と一体にアンカー本体1は土中に推進され、天板部2bが地表GLに近接するまで埋め込まれる。
アンカー本体1が天板部2bの穴21を遊挿しても、筒部2a内のリング24がアンカー本体1を正確にガイドするので、筒状抵抗体2は傾くことなくアンカー本体1と同心状態に埋設される。したがって打ち込み施工性がよい。
打ち込み後は、実施例1と同じようにアンカー本体の頭部にロープを連結しあるいはロープ交差部と交差部緊締金具4をアンカー本体1の頭部内に格納する。荷重がアンカーに引張り力として作用した場合、アンカー本体1は引張り力が作用する方向に傾かされようとするが、本発明では、筒状抵抗体2の筒部2aがリング24を有していて、これにアンカー本体1が挿通されているので、図16のように、接点位置が地表よりも下方の位置に移行され、前面土圧抵抗中心位置と荷重作用位置が合致ないしは近接する。このため、筒状抵抗体2が傾いて浮き上がろうとする動きが阻止され、筒状抵抗体2はアンカー本体1の軸心と同軸すなわち水平を保ち、傾くことがない。このため、アンカーとして耐力が高く、変位量が極小になる。
また、実施例1ではガイド22が筒部内に張り出す求心状の板であるため、接点が線状であるため集中荷重が発生する可能性があるが、本発明は円筒状であるためアンカー本体1を傷めずに良好な接点を構成できる。
本発明者らにより実施例1と同じ実験を実施した結果、荷重1700kgにおいて変位量が7mm、2400kg荷重においても20mmの良好な結果が得られることが確認された。
図示するものは本発明の実施態様の数例であり、これらに限定されるものではない。
1)本発明において、筒状抵抗体の筒部2aは円形断面でなく角形断面であってもよい。
2)天板部2bは平面角形でなく、実施例2のように円形であってもよい。また、囲壁を有するカップ状に構成し、これを筒部に被せてリベットやねじなどで結合してもよい。それらの場合、板面に複数個の空気抜き穴を設けることが好ましい。さらには、天板部2bと筒部2aは、深絞り加工などにより一体成形されていてもよい。
3)アンカー本体1は、パイプでなく、棒鋼など中実構造でもよい。
4)キャップ3は外嵌め式でなく、内嵌め式であってもよい。
また、キャップ3は、ロープを挟んで緊締する2つ割りの押え金具の一部を連結するためのボルトを突設させた形態としてもよい。この場合には、頭部1Aの縦溝10、10は不要である。
(a)(b)は本発明のアンカーの第1実施例を示す斜視図である。 第1実施例の使用状態を示す縦断側面図である。 図2のキャップを省略した平面図である。 図2の部分拡大側面図である。 (a)はアンカー本体の上半部の正面図、(b)はその部分拡大図である。 アンカー本体の拡大平面図である。 (a)は筒状抵抗体の部分切欠正面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 (a)はキャップの部分切欠正面図、(b)は底面図である。 (a)、(b)は筒状抵抗体と荷重の関係を示す説明図、(c)はアンカー本体とこれに作用する力の関係を示す説明図である。 本発明アンカーの性能実験装置の説明図である。 図10の装置を用いた実験での測定結果(荷重・変位量)を示す線図である。 本発明アンカーの実施結果を示す荷重・変位線図である。 本発明の第2実施例を示す縦断側面図である。 図13のA−A線に沿う断面図である。 第2実施例の筒状抵抗体の斜視図である。 (a)は第2実施例の荷重説明図、(b)は荷重と抵抗力の相関を示す説明図である。 (a)は従来のパイプアンカーの使用状態図、(b)は耐力と変位量を示す説明図である。 (a)は従来の羽根式抵抗板を併用した土中アンカーの平面図、(b)は縦断面図である。
符号の説明
1 アンカー本体
1A 頭部
1a つば部
2 筒状抵抗体
2a 筒部
2b 天板部
3 キャップ
10 割溝
11 収容室
21 穴部
22 心合わせガイド
24 リング

Claims (2)

  1. ロープの交差部を地盤に固定するためのアンカーにおいて、頭部につば部1aを有するアンカー本体1と、該アンカー本体1の頭部下に位置して地中に押し込まれる筒状抵抗体2とを具備し、前記筒状抵抗体2が、アンカー本体1の径に対して2〜10倍の径を有し、有効高さH0が、水平荷重:T/(円筒部径:D×土の側面圧縮耐力:σ)の±20%である筒部2aを備え、筒部は上端にアンカー本体1の遊挿を許すとともにアンカー本体1のつば部1aに当接して打撃力が伝達される天板部2bを有し、かつ、前記筒部内には、筒部全高Hの1/2の位置よりも下の位置の筒壁から求心状に張り出す複数のリブ23を有し、該リブの先端にアンカー本体1の外径よりも大きい内径のリング24を有していることを特徴とする高耐力アンカー。
  2. アンカー本体頭部内にロープの交差部と緊締具の収容室が形成され、頭部壁に90度間隔でロープ導出溝を有していることを特徴とする請求項1に記載の高耐力アンカー。
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