JP6402546B2 - 結晶観察システムおよび結晶観察方法 - Google Patents

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本発明は、結晶観察システムおよび結晶観察方法に関し、特に、試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成と、試料の結晶粒の結晶方位の測定とを行うために用いて好適なものである。
従来から、鋼材料等の金属材料について、結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成と結晶方位の測定とを行う装置として、イオン銃と電子銃とを用いる装置がある(非特許文献1、2を参照)。
非特許文献1、2に記載されているように、この種の装置では、イオン銃の軸と電子銃の軸とのなす角度が52°〜54°になるようにしている。
一般にこの種の装置では、イオン銃から集束イオンビーム(FIB)を照射して試料を加工し、電子銃から電子ビーム(EB)を照射することにより加工後の試料の表面形態を観察し、その結果から、試料内部の結晶粒形態や組成構造を得ることが多い。また、透過電子顕微鏡用の観察試料に供するために、集束イオンビーム(FIB)を用いて試料から摘出された試料片を、その加工途中において電子ビーム(EB)で観察しながら薄膜化することが多い。したがって、加工後の断面を観察しやすくするために、イオン銃の軸と電子銃の軸とのなす角度は45°程度であることが望ましい。しかしながら、イオン銃と電子銃との先端形状の制約によって、前述した52°〜54°の角度に制約されている。このように、イオン銃と電子銃の配置は、前述した用途に適した配置となるように設定される。また、この種の装置では、試料の加工を目的とせずに、イオン銃から集束イオンビーム(FIB)を照射することにより試料から発生する二次電子を測定して試料の結晶粒及び結晶粒界の形態(SIM像)を生成することもできる。
以上のような装置で電子線後方散乱回折パターンを測定するためには、試料の観察面と電子銃の軸とのなす角度が10°〜30°になるようにする必要がある。非特許文献1に記載されているように、市販されている殆どの装置では、電子銃は、その軸が鉛直方向になるように配置されている。したがって、電子線後方散乱回折パターンを測定するためには、試料自体を水平面から60°〜80°傾斜する必要がある。
そして、この状態で、イオン銃から集束イオンビームを照射することにより試料から発生する二次電子を測定して試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を得る場合であって、試料の観察面と電子銃の軸とのなす角度が20°である場合、イオン銃の軸と試料の観察面の法線とのなす角度は、16°〜18°になる。前述したように、イオン銃の軸と電子銃の軸とのなす角度が52°〜54°であるからである。
また、以上のような測定を行うための試料ステージとして、試料を変形、加熱を行うことが可能な試料ステージが開示されている(特許文献1、2を参照)。
特許第5001741号公報 特開2001−76662号公報
J.Konrad et al,Acta Materialia,54,(2006),p.1369-p.1380 FEIカンパニーホームページ、Quanta 3D 200iデータシート、[online]、[平成26年4月28日検索]、インターネット<URL:http://www.fei.co.jp/jp/products/dualbeams/quanta-db.aspx>
しかしながら、従来の技術では、イオン銃の軸と試料の観察面の法線とのなす角度が16°〜18°である。
したがって、試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像には、試料の表面の凹凸や酸化被膜が反映されやすくなる。また、この試料の表面の凹凸により、試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像において、結晶粒と結晶粒との間の領域を捉えることができなくなる虞がある。
そこで、このような試料の凹凸による影響を低減するために、試料を傾斜させることが考えられる。しかしながら、このようにすると、試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成と、電子線後方散乱回折パターンの測定とのそれぞれで異なる角度で試料を傾斜させなければならない。このため、測定時間が長くなる虞がある。よって、例えば、金属材料の結晶粒の成長の挙動の観察や結晶粒の結晶方位の観察を数秒間隔で行うことができなくなる虞がある。
また、従来の技術では、イオン銃の軸と試料の観察面の法線とのなす角度が16°〜18°であるので、変形または加熱を行いながら試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像を生成する場合には、イオン銃における焦点距離が変化する。したがって、試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を示す像が不鮮明になる(ボケる)虞がある。
以上のように従来の技術では、試料の同一観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成と結晶方位の測定を短時間に正確に行うことが容易でないという課題があった。
ところで、革新構造材料の性能発現機構の解明や製造工程(熱処理・加工)の最適化を行うために、加工熱処理工程の温度域である500℃〜1200℃の中高温域での金属材料の組織の挙動を把握できる解析基盤の構築が求められている。例えば、鋼材の製造工程を模擬するためには、例えば、毎秒50℃以上、望ましくは毎秒100℃程度の昇温速度で試料を加熱する必要がある。
しかしながら、従来の技術では、試料の加熱には、特許文献1に記載のようにセラミックヒータが用いられており、試料の昇温速度は毎秒1℃〜10℃程度である。したがって、従来の技術では、試料の同一観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成や結晶方位の測定を行う際の試料の昇温速度が小さいという課題があった。このため、例えば、鋼材の製造工程で行われる熱処理時の昇温速度を再現することが容易ではなく、鋼材で生じる結晶粒の成長を再現することが容易ではない。そこで、加熱装置の熱容量を大きくすることが考えられるが、加熱装置の大きさが大きくなる。このため、耐荷重および容積が限られた(真空チャンバー内の)試料ステージ上に配置できる加熱装置にすることが容易ではない。また、通電加熱を行って試料の昇温速度を大きくすることも考えられる。しかしながら、通電加熱では、試料に電流を流すため、この電流が、集束イオンビームや集束電子ビームと相互作用し、結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成や結晶方位の測定を正確に行うことが容易ではない。
そこで、本発明は、試料の同一観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成と結晶方位の測定とを短時間に正確に行うことができるようにすることを第1の目的とする。
また、試料の同一観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の測定と結晶方位の測定を同じタイミングで正確に行うことを、大きな昇温速度で試料を昇温させながら実現できるようにすることを第2の目的とする。
本発明の結晶観察システムは、試料の観察面に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、前記試料の観察面に前記集束イオンビームが照射されることにより前記試料から発生する二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方を検出する第1の検出器と、前記試料の観察面に電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、前記試料の観察面に前記電子ビームが照射されることにより発生する後方散乱電子を検出する第2の検出器と、を有する結晶観察システムであって、前記集束イオンビームと前記電子ビームは、前記試料の観察面の同一観察領域内に照射され、前記集束イオンビーム照射器の軸の方向は、前記試料の観察面の法線方向であり、前記集束イオンビーム照射器の軸と前記電子ビーム照射器の軸とのなす角度は60°以上80°以下であり、前記集束イオンビーム照射器、前記電子ビーム照射器、前記第1の検出器、前記第2の検出器、および前記試料を固定した状態で、前記集束イオンビームおよび前記電子ビームを同じタイミングまたは異なるタイミングで照射することにより、前記第1の検出器による二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方の検出と、前記第2の検出器による後方散乱電子の検出とを行い、前記二次電子または前記二次イオンの検出の結果から前記試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像を生成すると共に、前記後方散乱電子の検出の結果から前記試料の結晶粒の結晶方位を測定することを特徴とする。
本発明の結晶観察方法は、試料の観察面に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、前記試料の観察面に前記集束イオンビームが照射されることにより前記試料から発生する二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方を検出する第1の検出器と、前記試料の観察面に電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、前記試料の観察面に前記電子ビームが照射されることにより発生する後方散乱電子を検出する第2の検出器と、を有する結晶観察システムを用いて、前記試料の結晶粒の状態を表す像の測定と前記試料の結晶粒の結晶方位の測定とを行う結晶観察方法であって、前記集束イオンビームと前記電子ビームは、前記試料の観察面の同一観察領域内に照射され、前記集束イオンビーム照射器の軸の方向は、前記試料の観察面の法線方向であり、前記集束イオンビーム照射器の軸と前記電子ビーム照射器の軸とのなす角度は60°以上80°以下であり、前記集束イオンビーム照射器、前記電子ビーム照射器、前記第1の検出器、前記第2の検出器、および前記試料を固定した状態で、前記集束イオンビームおよび前記電子ビームを同じタイミングまたは異なるタイミングで照射することにより、前記第1の検出器による二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方の検出と、前記第2の検出器による後方散乱電子の検出とを行い、前記二次電子または前記二次イオンの検出の結果から前記試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像を生成すると共に、前記後方散乱電子の検出の結果から前記試料の結晶粒の結晶方位を測定することを特徴とする。
本発明によれば、集束イオンビーム照射器の軸の方向を、試料の観察面の法線方向にすると共に、集束イオンビーム照射器の軸と電子ビーム照射器の軸とのなす角度を60°以上80°以下にする。そして、集束イオンビーム照射器、電子ビーム照射器、第1の検出器、第2の検出器、および試料を固定した状態で、集束イオンビーム照射器から集束イオンビームを、電子ビーム照射器から電子ビームを、それぞれ試料の観察面の同一観察領域内に照射する。これにより、第1の検出器による二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方の検出と、第2の検出器による後方散乱電子の検出とを行う。そして、二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方の検出の結果から試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像を生成すると共に、後方散乱電子の検出の結果から前記試料の結晶方位を測定する。したがって、試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像が、試料の表面の凹凸や酸化被膜の影響を受けることを抑制することができる。また、試料が加熱または冷却されることに伴い、膨張または収縮することにより集束イオンビーム照射器における焦点距離が変わることを抑制することができる。さらに、測定器や試料を動かす必要がなくなる。よって、試料の同一観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成と結晶方位の測定を短時間に正確に行うことができる。
また、本発明によれば、さらに、試料に光を導光し、導光した光を試料に照射することにより試料を加熱するようにした。したがって、試料の昇温速度を向上させることができる。よって、試料の同一観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成と結晶方位の測定を短時間に行うことを、大きな昇温速度で試料を昇温させながら実現することができる。
結晶観察システムの構成の一例を示す図である。 加熱装置の構成の一例を示す図である。 加熱装置510を、その上方から見た図である。 図2のI−I´断面図である。 図2のII−II´断面図である。 図2のIII−III´断面図である。 試料の観察像の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。尚、各図では、説明および表記の都合上、構成要素を簡略化して示し、また、構成要素の一部を省略する。また、説明および表記の都合上、各図において、寸法の比率が、実際のものと異なる構成要素がある。さらに、各図に示すX、Y、Z座標は、各図の向きの関係を示すものであり、各図におけるX、Y、Z座標の原点の位置は、各図に示す位置に限定されるものではない。
図1は、結晶観察システムの構成の一例を示す図である。
図1において、結晶観察システムは、試料Sの同一観察領域内における結晶粒の状態を表す像の生成と結晶方位の測定を、試料Sを昇温しながら行うものである。本実施形態では、試料Sは、鋼材料等の金属材料である。
本実施形態の結晶観察システムは、集束イオンビーム照射器100と、電子ビーム照射器200と、電子検出器300と、CCDカメラ400と、加熱装置510と、レーザ発振器520と、真空フィードスルー530と、温度計600と、結晶解析装置700と、を有する。
集束イオンビーム照射器100、電子ビーム照射器200、電子検出器300、およびCCDカメラ400の先端の領域と、加熱装置510と、温度計600は、真空チャンバー800内に配置される。
真空チャンバー800内には、試料ステージ900があり、試料ステージ900の上面の方向は、水平方向(重力に対し直角の方向。図1のX軸方向)であるものとする。
この試料ステージ900の上に加熱装置510が取り付けられる。そして、試料Sは、その観察面の方向が水平方向になるように加熱装置510に取り付けられる(図2を参照)。このように、本実施形態では、試料Sおよび加熱装置510を試料ステージ900上で傾斜させずに固定する。
集束イオンビーム照射器100は、試料Sの観察面に対して、集束イオンビームを走査しながら照射する。集束イオンビーム照射器100は、その軸110の方向(集束イオンビームの照射方向)が鉛直方向(重力の方向。図1のZ軸方向)になるように、試料Sと間隔を有して配置される。
集束イオンビーム照射器100としては、一般的に入手可能なものを利用できる。例えば液体金属であるガリウムイオン源からイオンビームを取り出し、試料Sの表面において数10nmのレベルまでイオンビームを集束させることができる装置を集束イオンビーム照射器100として用いることができる。近年は、ガリウムイオン源の他にも、HeやXe等の集束イオン源も開発されており、これらの集束イオン源を使用することも可能である。
電子ビーム照射器200は、試料Sの観察面に対して、集束電子ビームを走査しながら照射する。ここで、電子ビーム照射器200による集束電子ビームの照射位置と、集束イオンビーム照射器100による集束イオンビームの照射位置とが同一の観察領域内になるようにする。ただし、同一の観察領域内であれば、電子ビーム照射器200による集束電子ビームの照射位置と、集束イオンビーム照射器100による集束イオンビームの照射位置とが、同じタイミングで同じ位置になっても、異なる位置になってもよい。また、電子ビーム照射器200による集束電子ビームの照射タイミングと、集束イオンビーム照射器100による集束イオンビームの照射タイミングは、同じであっても異なっていてもよい。
電子ビーム照射器200の軸210と集束イオンビーム照射器100の軸110とのなす角度が60°以上80°以下の角度になるように、電子ビーム照射器200は、試料Sと間隔を有して配置される。すなわち、電子ビーム照射器200の軸210と試料Sの観察面とのなす角度が10°以上30°以下の角度になるようにする。このような角度にしないと、電子線後方散乱回折パターンを適切に得ることができないからである。
電子ビーム照射器200としては、一般的に入手可能なものを利用できる。
電子検出器300は、第1の検出器の一例であり、集束イオンビーム照射器100から試料Sの観察面に集束イオンビームを照射することにより試料Sから発生する二次電子を検出する。
電子検出器300としては、一般的に入手可能なものを利用できる。
尚、図1では、電子検出器300を、集束イオンビーム照射器100と電子ビーム照射器200との間の位置であって、試料Sと間隔を有する位置に配置する場合を例に挙げて示す。しかしながら、前述した二次電子を適切に検出することができる位置であれば、電子検出器300を必ずしも集束イオンビーム照射器100と電子ビーム照射器200との間の位置に配置する必要はない。
CCDカメラ400は、第2の検出器の一例であり、電子ビーム照射器200から試料Sの観察面に集束電子ビームを照射することにより発生する後方散乱電子(反射電子)を検出し、試料Sの電子線後方散乱回折パターンを生成する。具体的にCCDカメラ400は、後方散乱電子のパターンを検出する。CCDカメラ400の前方には、りん蛍光体が塗布されたスクリーンが配置される。CCDカメラ400は、このスクリーンに表されたパターンを撮像することにより、試料Sの電子線後方散乱回折パターンを生成する。
CCDカメラ400としては、後方散乱電子を検出する検出器として一般的に入手可能なものを利用できる。
尚、CCDカメラ400は、前述した後方散乱電子を適切に検出することができる位置であれば、どのような位置に配置されていてもよい。例えば、CCDカメラ400の光軸と電子ビーム照射器200の軸210とのなす角度が90°になるように、CCDカメラ400は、試料Sと間隔を有して配置される。
本実施形態では、以上の動作が行われている間、試料Sと、集束イオンビーム照射器100と、電子ビーム照射器200と、電子検出器300と、CCDカメラ400の位置は固定される(すなわち、これらを動かさないようにする)。
加熱装置510は、試料Sを加熱するためのものである。本実施形態では、加熱装置510は、毎秒50℃以上の昇温速度で、試料Sを500℃以上、好ましくは1000℃以上に加熱することができる。加熱装置510は、例えば、毎秒100℃までの任意の昇温速度で、500℃以上1200℃以下、好ましくは、1000℃以上1200℃以下の範囲の任意の温度まで試料Sを加熱することができる。
図2は、加熱装置510の構成の一例を示す図である。図2では、加熱装置510の軸を通り、且つ、当該軸に沿う方向に加熱装置510を切った場合の加熱装置510の断面を示す。
また、図3Aは、加熱装置510を、その上方から(図2の白抜き矢印の方向に沿って)見た図であり、図3B、図3C、図3Dは、それぞれ、図2のI−I´、II−II´、III−III´断面図である。尚、図3Aでは、試料Sの輪郭を破線で透視して示す。
図2および図3Aに示すように、試料Sは、薄板状である。試料Sの大きさは、例えば、縦10mm、横10mm、厚み0.5mmの大きさを有する。
図2において、レーザ発振器520は、加熱装置510にレーザ光を出力するものである。本実施形態では、レーザ発振器520は、可視光帯から遠赤外線帯の波長のレーザ光を出力する。ここで、レーザ発振器520は、0.5μm以上、1.5μm以下の範囲の波長を有するレーザ光を出力するのが好ましい。試料Sが鋼材料である場合、0.5μm以上、1.5μm以下の範囲の波長の光でないと、試料Sにおける光の吸収率が減少し、試料Sの加熱効率が減少するからである。尚、レーザ光の出力は、試料Sが所望の昇温速度で所望の温度まで上昇するように適宜決定される。
真空フィードスルー530は、レーザ発振器520から発生したレーザ光を真空チャンバー800内の真空度を保持したまま、真空チャンバー800内の加熱装置510に出力するためのものである。
図2に示すように、加熱装置510は、真空チャンバー800内の試料ステージ900上に配置される。
加熱装置510は、光ファイバ511と、保護管512と、台座513と、支持部材514a〜514eと、試料載置管515と、反射部材516a、516bと、試料押さえ板517と、冷却管518と、を有する。
光ファイバ511は、レーザ発振器520から出力されたレーザ光を導光し、試料Sの観察面の反対側の面(裏面)にレーザ光を導く。このように本実施形態では、光ファイバ511から出たレーザ光が、試料Sの観察面の反対側の面に照射される。
図2に示すように、光ファイバ511の一端は、試料Sの観察面の反対側の面(裏面)に近接した位置であって、当該面と間隔を有して対向する位置に配置される。一方、光ファイバ511の他端は、真空フィードスルー530に接続される。
尚、図2では、光ファイバ511の数が1つである場合を例に挙げて示す。しかしながら、試料Sの観察面の反対側の面にレーザ光を導光することができれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、光ファイバ511が配置される領域に、複数の光ファイバを束ねたものを配置してもよい。
保護管512は、外部から力が加わることにより光ファイバ511の位置がずれたり、光ファイバ511が損傷したりすることを抑制するためのものである。図3Bに示すように、保護管512は、中空円筒形の管である。図2に示すように、光ファイバ511は保護管512の中空部分に通される。その際、図2に示す例では、保護管512の一端の鉛直方向(Z軸方向)の位置が、光ファイバ511の一端の鉛直方向(Z軸方向)の位置と同じ位置になるようにする。また、保護管512の他端が、支持部材514c上に載置されるようにする。
保護管512は、例えば、光ファイバ511を保護するのに十分な強度を有し、且つ、熱伝導率が小さい材料(例えば、酸化アルミニウム(アルミナ))により形成される。
図3Cに示すように、台座513は、中空円筒形を有し、試料ステージ900の上面に配置される。図2および図3Cに示すように、台座513の中空部分に光ファイバ511が通される。台座513は、加熱装置510の各構成要素の自重や熱による影響を受けない材料(例えば、ステンレス鋼)により形成される。
支持部材514a〜514eは、中空円筒形の板または管である。支持部材514a〜514eは、加熱装置510の各構成要素の自重や熱による影響を受けない材料(例えば、ステンレス鋼)により形成される。
図2に示す例では、支持部材514aの中空部分と台座513の中空部分とは同じ大きさを有する。支持部材514aは、それら中空部分が相互に合わさった状態になるように、台座513の上面で固定される。に光ファイバ511が通される。
また、図2、図3Bおよび図3Dに示す例では、支持部材514bは、支持部材514bの外周面と支持部材514aの外周面とが一致する状態になるように、支持部材514aの上面で固定される。
また、図2に示す例では、支持部材514cは、支持部材514aの上方の領域において、支持部材514cの外周面と支持部材514bの内周面とが相互に対向した状態になるように、支持部材514bの内周面で固定される。
また、図2に示す例では、支持部材514dは、支持部材514dの外周面と支持部材514bの外周面とが一致する状態になるように、支持部材514bの上端面で固定される。
また、図2に示す例では、支持部材514eは、支持部材514eの外周面と支持部材514dの外周面とが一致する状態になるように、支持部材514dの上面で固定される。
試料載置管515は、試料Sが置かれる部分である。すなわち、試料載置管515の上端面に試料Sが置かれる。図2および図3Bに示す例では、試料載置管515は、中空円筒形の管である。試料載置管515は、加熱装置510の各構成要素の自重や熱による影響を受けない材料であり、且つ、熱伝導率が小さい材料(例えば、酸化アルミニウム)により形成される。
反射部材516a、516bは、試料Sの加熱を促進させるためのものである。すなわち、反射部材516a、516bは、レーザ光が試料Sに照射され、試料Sが加熱されることにより発生する輻射熱を試料S側に反射させることにより、当該輻射熱が加熱装置510の外側に漏れることを抑制する。
図2および図3Bに示す例では、反射部材516a、516bは、中空円筒形の管である。反射部材516a、516bは、加熱装置510の各構成要素の自重や熱による影響を受けない材料であり、且つ、反射率の大きい材料(例えば、金)により形成される。具体的に本実施形態では、反射部材516a、516bを金ミラー(光学研磨した基板に金を蒸着した全反射ミラー)で構成する。
ここで、図2および図3Bに示す例では、試料載置管515は、試料載置管515の内周面が、保護管512の外周面と間隔を有して対向し、且つ、試料載置管515の外周面が、反射部材516aの内周面と間隔を有して対向する状態になるように、支持部材514の上面で固定される。また、反射部材516a、516bは、反射部材516bの内周面が、反射部材516aの外周面と間隔を有して対向し、且つ、反射部材516bの外周面は、支持部材514b支持部材514bの内周面と間隔を有して対向する状態になるように、支持部材514の上面で固定される。
試料押さえ板517は、試料Sを、その上方から押さえるためのものである。図2および図3Aに示す例では、試料押さえ板517は、試料押さえ板517の外周面が、支持部材514eの内周面と対向する状態になるように、支持部材514dの上面の内周側の領域、反射部材516aの上端面、および試料Sの観察面(上面)の外周側の領域の上に配置される。試料押さえ板517は、試験の実施中に試料Sが動かない程度の重さを有する。また、試料押さえ板517は、熱による影響を受けない材料であり、且つ熱伝導率が小さい材料(例えば、タングステン)により形成される。
以上の構成において、図2および図3Bに示す例では、光ファイバ511、保護管512、台座513、支持部材514a〜514e、試料載置管515、反射部材516a、516b、および試料押さえ板517の軸が略一致するように、これらの構成要素が配置される。また、試料Sの中心が、これらの軸と略一致するように、試料Sは、試料載置管515の上端面に置かれる。
試料Sの加熱により加熱装置510も加熱され、その熱が台座513を通じて試料ステージ900に伝わる。冷却管518は、このような熱により試料ステージ900が過熱されて破損することを抑制するためのものである。図2に示す例では、冷却管518は、支持部材514a、514cの間の領域に配置される。本実施形態では、図3Dに示すように、蛇行する1本の冷却管518に冷却媒体(例えば冷却水)を供給して、冷却管518の内部に冷却媒体を流すことにより、試料ステージ900の過加熱を抑制する。尚、冷却管518の形状、数、位置は、図2および図3Dに示すものに限定されない。
図1の説明に戻り、温度計600は、試料Sの温度を測定する。温度計600は、例えば熱電対やパイロメータを用いることにより実現できる。尚、図1では、表記の都合上、温度計600を試料Sから離れた位置に示すが、温度計600として熱電対を用いた場合には、温度計600を試料Sに接触させた状態で試料Sの温度を測定する。
結晶解析装置700は、結晶観察システムを制御する装置である。結晶解析装置700は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDDおよび各種のインターフェースを備えた情報処理装置や、専用のハードウェアを用いることにより実現できる。
結晶解析装置700は、その機能として、照射指示部710と、結晶方位導出部720と、結晶粒形態導出部730と、表示部740とを有する。
照射指示部710は、オペレータによる指示入力に基づいて、集束イオンビーム照射器100、電子ビーム照射器200、電子検出器300、CCDカメラ400、およびレーザ発振器520の動作を制御する。
照射指示部710における処理の具体例を説明する。まず、照射指示部710は、集束イオンビーム照射器100、電子ビーム照射器200、電子検出器300、およびCCDカメラ400を所定の位置まで移動させる。その後、照射指示部710は、集束イオンビーム照射器100に対する集束イオンビームの照射指示と、電子ビーム照射器200に対する集束電子ビームの照射指示と、レーザ発振器520に対するレーザ光の出力指示とを行う。この際、照射指示部710は、オペレータによる入力操作に基づくスケジュールに従って、レーザ発振器520に対するレーザ光の出力指示と、集束イオンビーム照射器100に対する集束イオンビームの照射指示と、電子ビーム照射器200に対する集束電子ビームの照射指示とを行う。すなわち、照射指示部710は、レーザ発振器520に対するレーザ光の出力指示と、集束イオンビーム照射器100に対する集束イオンビームの照射指示と、電子ビーム照射器200に対する集束電子ビームの照射指示とを独立に行うことができる。
結晶方位導出部720は、CCDカメラ400により得られた電子線後方散乱回折パターンと、当該電子線後方散乱回折パターンが得られたときに温度計600により測定された試料Sの温度とに基づいて、試料Sの各温度における電子線後方散乱回折パターンの表示データを生成する。
結晶粒形態導出部730は、電子検出器300により検出された二次電信の信号から、試料Sの観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像(SIM像)を生成する。そして、結晶粒形態導出部730は、生成した結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像(SIM像)と、当該像が得られたときに温度計600により測定された試料Sの温度とに基づいて、試料Sの各温度における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の表示データを生成する。尚、SIM像を生成する方法は、公知の技術で実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
表示部740は、結晶方位導出部720および結晶粒形態導出部730により生成された表示データをコンピュータディスプレイに表示する。
(まとめ)
背景技術で説明したように、従来のイオン銃を備えた電子顕微鏡は、試料の断面の観察や、透過電子顕微鏡用の薄膜試料の作製を主な目的としており、それらを行いやすいように、電子銃とイオン銃が配置される。この場合、イオン銃の主たる用途は、試料の断面を形成する加工や、試料を薄片化する加工を施すことである。また、電子銃の主たる用途は、このような加工が施された試料の観察である。
一方、本実施形態では、試料の同一観察領域内における結晶粒及び結晶粒界の形態と結晶方位を観察する。電子銃(電子ビーム照射器200)は、試料Sの結晶粒の結晶方位の測定のために利用される。一方、イオン銃(集束イオンビーム照射器100)は、試料Sの表面の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成のために利用される。このように、本実施形態と背景技術で説明した技術とは、イオン銃と電子銃の用途が異なる。
本発明者らは、背景技術で説明した装置を用いて、試料を加熱しながら、試料の結晶粒及び結晶粒界の形態と結晶方位を観測すると、結晶粒及び結晶粒界の形態の観察が阻害されるという課題に遭遇した。そして、本発明者らは、背景技術で説明した装置では、集束イオンビームは、試料の観察面の法線方向から16°〜18°の角度で入射されるため、結晶粒及び結晶粒界の形態を示す像には、試料の凹凸や酸化被膜が反映されやすくなることを突き止めた。前述した課題は、500℃以上に試料を加熱しなければ顕在化せず、本実施形態の加熱装置510を用いることにより初めて認識される課題である。尚、500℃よりも高い温度(例えば、800℃以上)に加熱すると、前述した課題は、より一層顕著に表れる。
図4は、試料Sの観察像(SIM像)の一例を示す図である。具体的に図4(a)は、以上のように本実施形態で説明した条件(集束イオンビームが試料Sの観察面の法線方向に沿って試料Sの観察面に入射する等の条件)で得られた観察像である。また、図4(b)は、背景技術で説明した条件(集束イオンビームが試料Sの観察面の法線方向から10°以上傾いた角度で試料Sの観察面に入射する等の条件)で得られた観察像である。尚、図4(a)、図4(b)は、同一の試料Sの同一の観察領域における観察像である。さらに、当該観察像を得る際の、当該試料Sの状態(温度等)も同一である。
図4に示す結果から、集束イオンビームが試料Sの観察面の法線方向に沿って試料Sの観察面に入射する場合の方が(図4(a)を参照)、集束イオンビームが試料Sの観察面の法線方向から10°以上傾いた角度で試料Sの観察面に入射する場合よりも(図4(b)を参照)、結晶粒及び結晶粒界の形態を明瞭に識別することができることが分かる。
以上のことから、本実施形態では、観察面が水平方向となるように試料Sを配置すると共に、集束イオンビーム照射器100の軸の方向を鉛直方向にし、且つ、電子ビーム照射器200の軸210と集束イオンビーム照射器100の軸110とのなす角度が60°以上80°以下の角度になるように、集束イオンビーム照射器100と電子ビーム照射器200を配置する。そして、電子検出器300及び結晶粒形態導出部730により、試料Sの観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像(SIM像)を生成し、CCDカメラ400により、試料Sの電子線後方散乱回折パターンを生成する。
したがって、試料Sの同一観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像の生成と結晶方位の測定を行う際に、試料Sの観察領域における結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像(SIM像)に、試料Sの表面の凹凸や酸化被膜による影響が生じることを抑制することができる。また、試料Sの観察面の法線方向に沿って集束イオンビームを照射するので、試料Sの加熱や冷却に伴う膨張や収縮などの変形があっても、集束イオンビーム照射器100における焦点距離が変化することを抑制することができる。さらに、二次電子の検出と後方散乱電子の検出のために、試料Sの角度を変える必要がないので、短時間(例えば数秒単位)での観察が可能になる。
また、本実施形態では、観察面が水平方向となるように試料Sを配置し、加熱装置510を傾斜させないようにした。したがって、試料Sの位置や、加熱装置510の位置がずれることを抑制することができる。
また、本実施形態では、光ファイバ511により、試料Sの観察面の反対側の面の近傍までレーザ光を導光し、光ファイバ511から試料Sの観察面の反対側の面にレーザ光を照射するようにした。したがって、毎秒50℃以上の昇温速度で試料Sを1000℃以上に加熱することができる。また、通電加熱を行う場合のように試料Sに電流を流さないので、試料Sを加熱することが集束イオンビームや集束電子ビームに影響を与えることを抑制することができる。
また、本実施形態では、光ファイバ511の周囲に、試料Sからの輻射熱を試料Sの方向に反射する反射部材516a、516bを配置するようにした。したがって、試料Sの加熱をより一層促進させることができる。
また。本実施形態では、加熱装置510の下部(試料Sよりも試料ステージ900に近い位置)に冷却管518を配置し、冷却管518の中に冷却媒体を循環させるようにした。したがって、試料ステージ900が過熱されることを抑制することができる。
(変形例)
前述したように、観察面が水平方向となるように試料Sを配置すると共に、集束イオンビーム照射器100の軸の方向を鉛直方向にすることにより、試料Sおよび加熱装置510を傾斜させないようにするのが好ましい。しかしながら、試料Sの観察面の法線方向と集束イオンビーム照射器100の軸の方向とが一致するようにしていれば、必ずしもこのようにする必要はない。このようにする場合には、加熱装置510を傾斜させることになる。したがって、試料Sの位置や、加熱装置510の位置がずれないように、試料Sおよび加熱装置510を固定する必要がある。
また、前述したように、反射部材516a、516bを配置するのが好ましい。しかしながら、昇温速度で所望の温度まで試料Sを加熱することができれば、必ずしも反射部材516a、516bを配置する必要はない。
また、本実施形態では、試料Sの観察面の反対側の面にレーザ光を照射する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、レーザ光を照射する領域は、試料Sの観察面の反対側の面に限定されない。例えば、試料Sの観察面の反対側の面に加えてまたは代えて、試料Sの側面(厚み部分)にレーザ光を照射してもよい。
また、光ファイバ511から射出されるレーザ光を集光レンズで集光した上で試料Sに照射してもよい。
また、レーザ光の代わりにまたは加えて赤外光や遠赤外光を照射してもよい。
また、本実施形態では、集束イオンビーム照射器100により試料Sの観察面に集束イオンビームを照射することにより、試料Sから発生する二次電子を電子検出器300で検出し、その結果から、結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像(SIM像)を得る場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、集束イオンビーム照射器100により試料Sの観察面に集束イオンビームを照射することにより試料Sから発生する二次イオンを二次イオン検出器で検出し、その結果から、結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像を得るようにしてもよい。また、電子検出器300とイオン検出器の双方を配置し、それぞれの検出器から、結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像を得るようにしてもよい。
また、本実施形態では、試料Sを加熱する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、試料Sを加熱することに加えてまたは代えて、試料Sに引張力を付与してもよい。試料Sに引張力を付与する手法としては、例えば、特許文献1、2に記載の手法を採用することができる。
尚、以上説明した本発明の実施形態のうち、結晶解析装置700における処理は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100:集束イオンビーム照射器、200:電子ビーム照射器、300:電子検出器、400:CCDカメラ、510:加熱装置、520:レーザ発振器、530:真空フィードスルー、600:温度計、700:結晶解析装置

Claims (9)

  1. 試料の観察面に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、
    前記試料の観察面に前記集束イオンビームが照射されることにより前記試料から発生する二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方を検出する第1の検出器と、
    前記試料の観察面に電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、
    前記試料の観察面に前記電子ビームが照射されることにより発生する後方散乱電子を検出する第2の検出器と、を有する結晶観察システムであって、
    前記集束イオンビームと前記電子ビームは、前記試料の観察面の同一観察領域内に照射され、
    前記集束イオンビーム照射器の軸の方向は、前記試料の観察面の法線方向であり、
    前記集束イオンビーム照射器の軸と前記電子ビーム照射器の軸とのなす角度は60°以上80°以下であり、
    前記集束イオンビーム照射器、前記電子ビーム照射器、前記第1の検出器、前記第2の検出器、および前記試料を固定した状態で、前記集束イオンビームおよび前記電子ビームを同じタイミングまたは異なるタイミングで照射することにより、前記第1の検出器による二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方の検出と、前記第2の検出器による後方散乱電子の検出とを行い、前記二次電子または前記二次イオンの検出の結果から前記試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像を生成すると共に、前記後方散乱電子の検出の結果から前記試料の結晶粒の結晶方位を測定することを特徴とする結晶観察システム。
  2. 前記試料の観察面の方向は、水平方向であり、
    前記集束イオンビーム照射器の軸の方向は、鉛直方向であることを特徴とする請求項1に記載の結晶観察システム。
  3. 前記試料に光を導光する導光手段を備え、
    前記導光手段により導光された光を前記試料に照射することにより前記試料を加熱する加熱装置を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の結晶観察システム。
  4. 前記加熱装置は、前記試料から発生する光を前記試料の方向に反射させる反射部材を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の結晶観察システム。
  5. 前記加熱装置は、前記試料よりも、前記加熱装置が置かれる試料ステージに近い位置に配置された冷却管を更に備え、
    前記冷却管には、冷却媒体が供給されることを特徴とする請求項3または4に記載の結晶観察システム。
  6. 前記導光手段は、前記試料の観察面の反対側の面に光を導光することを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の結晶観察システム。
  7. 前記光の波長は、0.5μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の結晶観察システム。
  8. 前記加熱装置は前記試料の温度を1000〜1200℃に加熱可能であることを特徴とする請求項3〜7の何れか1項に記載の結晶観察システム。
  9. 試料の観察面に集束イオンビームを照射する集束イオンビーム照射器と、
    前記試料の観察面に前記集束イオンビームが照射されることにより前記試料から発生する二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方を検出する第1の検出器と、
    前記試料の観察面に電子ビームを照射する電子ビーム照射器と、
    前記試料の観察面に前記電子ビームが照射されることにより発生する後方散乱電子を検出する第2の検出器と、を有する結晶観察システムを用いて、前記試料の結晶粒の状態を表す像の測定と前記試料の結晶粒の結晶方位の測定とを行う結晶観察方法であって、
    前記集束イオンビームと前記電子ビームは、前記試料の観察面の同一観察領域内に照射され、
    前記集束イオンビーム照射器の軸の方向は、前記試料の観察面の法線方向であり、
    前記集束イオンビーム照射器の軸と前記電子ビーム照射器の軸とのなす角度は60°以上80°以下であり、
    前記集束イオンビーム照射器、前記電子ビーム照射器、前記第1の検出器、前記第2の検出器、および前記試料を固定した状態で、前記集束イオンビームおよび前記電子ビームを同じタイミングまたは異なるタイミングで照射することにより、前記第1の検出器による二次電子および二次イオンの少なくとも何れか一方の検出と、前記第2の検出器による後方散乱電子の検出とを行い、前記二次電子または前記二次イオンの検出の結果から前記試料の結晶粒及び結晶粒界の形態を表す像を生成すると共に、前記後方散乱電子の検出の結果から前記試料の結晶粒の結晶方位を測定することを特徴とする結晶観察方法。
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