JP6402060B2 - 基礎構造および基礎構造の施工方法 - Google Patents
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このような基礎構造は、平面視において一方向に配列された複数の杭体の上方に構築されており、平面視において長方形に近い形状に形成されている。
また、3つの杭体が平面視で環状に配列される場合には、3つの杭体の上方に平面視形状が略三角形状の基礎構造が構築されることがある。しかしながら、このような平面視形状が略三角形状の基礎構造は、一般的な在来工法で構築すると複数の専門業者を必要とするため、基礎構造の構築に係る工程管理や品質管理が煩雑であるという問題がある。
また、隣り合う鋼板は、それぞれ支柱に接合されていることにより、型枠の強度を高めることができる。
また、隣り合う鋼板は、それぞれ支柱に接合されていることにより、隣り合う鋼板を支柱を介して容易に接合させることができる。
そして、型枠の設置が容易で、型枠の設置に多数の専門業者を必要としないため、基礎構造の構築にかかる工程管理や品質管理などを容易に行うことができる。
なお、本発明における鋼板とは、1枚の板材で形成されているもの、複数の板材が接合されて形成されているもののいずれも含むものとする。
このような構成とすることにより、複数の杭体と鋼板との間に打設されるコンクリートの量が均等となる。このため、例えば平面視で長辺と短辺との長さに差がある長方形状の型枠を使用したときのように、複数の杭体のうちの一部の杭体と鋼板との間に必要以上の量のコンクリートが打設されるようなことがなく、経済的に基礎構造を構築することができる。
このような構成とすることにより、隣り合う鋼板が支柱を介して鋭角を成すように接合されることがないため、支柱が型枠の内側に深く入り込むことがなく、支柱および鋼板が型枠内の鉄筋と干渉することを防止できる。その結果、鉄筋の配筋や型枠の設置、型枠内へのコンクリートの打設を容易に行うことができる。
また、複数の杭体の配列の内側に支柱が入り込まないことにより、複数の杭体の配列の内側に確実に鉄筋を配筋することができ、基礎構造の品質を向上させることができる。
このような構成とすることにより、隣り合う支柱どうしが接合されるため、型枠の強度を高めることができ、基礎構造の強度を高めることができる。
このような構成とすることにより、横材および斜材によって隣り合う支柱が確実に接合されるため、型枠の強度をより高めることができ、基礎構造の強度をより高めることができる。
図1および図2に示すように、本実施形態による基礎構造1は、平面視において正三角形の頂点にそれぞれ配置されるように環状に配列された3つの杭体2,2,2の上方に構築されていて、上部には建築物(不図示)が構築される。3つの杭体2,2,2は、基礎構造1の上下方向に延びる中心軸1a回りに配列されている。
型枠3は、平面視で3つの杭体2,2,2を外側から覆う環状に配列された3つの鋼板5,5,5と、隣り合う鋼板5,5の間に配置され隣り合う鋼板5,5がそれぞれ接合される3つの支柱6,6,6(図1参照)と、隣り合う支柱6,6をそれぞれ接合する3つの緊張材7,7,7(図1参照)と、を有している。
鋼板5,5,5は、平面視における半円弧の中心軸が杭体2の中心軸と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
鋼板5,5,5は、それぞれ平面視における端部5a,5a(図1(a)参照)が支柱6に、例えばボルト接合などで接合されている。
鋼板5,5,5は、下端部5b(図1(b)参照)が地盤上に設けられた捨てコンクリート11の上面11aと当接している。
また、本実施形態では、3つの鋼板5,5,5それぞれと、それぞれの内側に配置された杭体2,2,2との距離L1,L2,L3(図1(a)参照)が等しくなるように設定されている。
本実施形態では、図3に示すように、一方の鋼板5の端部5aが支柱6の一方の板部61と板状の補強材53とに挟まれた状態で、固定具54(図3(b)参照)によって固定されて、他方の鋼板5の端部5aが支柱6の他方の板部62と板状の補強材53とに挟まれた状態で、固定具54(図3(b)参照)によって固定されている。
図3に示すように、接合プレート63,63は、角部63aを挟む2つの縁部63b,63cのうちの一方の縁部63bが支柱6の一方の板部61の内面に接合され、他方の縁部63cが支柱6の他方の板部62の内面に接合されている。
なお、接合プレート63,63は、緊張材7,7を固定可能な形状に形成されており、本実施形態では、基礎構造1の中心軸1a側(内側、図1参照)の端部が支柱6よりも基礎構造1の中心軸1a側に突出している。
また、本実施形態では、接合プレート63,63は、支柱6の製作段階で溶接などによって支柱6に接合されている。
2本の横材71,72は、延在方向に直交する断面形状が略L字状の鋼材で、それぞれの一方の端部71a,72aが隣り合う支柱6,6のうちの一方の支柱6の接合プレート63に例えばボルト接合などにより接合され、それぞれの他方の端部71b,72bが他方の支柱6の接合プレート63に例えばボルト接合などにより接合されている。
斜材73は、長尺の平板状の鋼板で、延在方向の一方の端部73aが上側に配置された横材71の一方の端部71a近傍に接合され、他方の端部73bが下側に配置された横材72の他方の端部72b近傍に接合されている。2つの横材71,72および斜材73は、同一鉛直面内に配置されている。
鉄筋4,4…は、設計された形態に適宜配筋されている。例えば、図2(b)に示すように水平方向に延びる鉄筋4と上下方向に延びる鉄筋4とが配筋されていてもよいし、型枠3の内部の上部側と下部側に水平方向に延びる鉄筋4のみが配筋され、上下方向に延びる鉄筋4が配筋されていなくてもよい。
なお、鉄筋4,4…と緊張材7とは干渉しないように適宜位置調整されている。
まず、図4(a)に示す3つの杭体2,2,2が埋設された地盤の上部に捨てコンクリート11(図1(b)、図2(b)参照)を施工する。なお、本実施形態では、杭体2,2,2の上端部は、捨てコンクリート11の上部よりも上方に突出している。
続いて、図4(b)に示すように、杭体2,2,2および捨てコンクリート11の上方に鉄筋4,4…を配筋する(配筋工程)。
図4(c)に示すように、3つの支柱6,6,6を配置し、3つの支柱6,6,6それぞれをアンカー材によって捨てコンクリート11に固定し、捨てコンクリート11上に立設させる。
続いて、隣り合う支柱6,6を緊張材7で接合する。
まず、図1(b)に示す2本の横材71,72を隣り合う支柱6,6の接合プレート63,63に上下方向に間隔をあけて接合する。そして、隣り合う支柱6,6に取り付けられた2本の横材71,72それぞれに斜材73を接合する。
このとき、緊張材7の横材71,72および斜材73と鉄筋4,4…とが緩衝しないようにそれぞれの位置調整を行う。
続いて、型枠3の内部にコンクリートを打設し、硬化させる(コンクリート打設工程)。
このようにして、基礎構造1が構築される。
また、複数の鋼板5,5,5は、それぞれ支柱6に接合されていることにより、隣り合う鋼板5,5が直接接合されている場合と比べて、型枠3の強度を高めることができる。
また、複数の鋼板5,5,5は、それぞれ支柱6に接合されていることにより、隣り合う鋼板5,5が直接接合されている場合と比べて、型枠3を容易に構築することができる。そして、型枠3の構築に多数の専門業者が必要とならず、工程管理や品質管理などを容易に行うことができる。
本実施形態では、これらの基礎構造1,10A,10Bは、隣り合う杭体2,2の中心軸の間隔L4を杭径rの2.5〜3.0倍、杭体2の中心軸から鋼板50A,50B,5までの間隔L5を杭径rの1.25倍以上と想定している。
なお、平面視で六角形状の基礎構造10Aは、在来工法による施工方法となり、多数の専門業者が必要で、工程管理や品質管理などが煩雑になる。このため、本実施形態による基礎構造1は、平面視で六角形状の基礎構造10Aと比べて平面積が若干大きくなるが、工程管理や品質管理などが容易になるという効果を奏している。
また、3つの杭体2,2,2の配列の内側に支柱6が入り込まないことにより、3つの杭体2,2,2の配列の内側に確実に鉄筋4,4…を配筋することができ、基礎構造1の品質を向上させることができる。
また、緊張材7は、隣り合う支柱6,6にそれぞれ接合された2本の横材71,72と、2本の横材71,72にそれぞれ接合された斜材73と、を有することにより、隣り合う支柱6,6が確実に接合されるため、型枠3の強度をより高めることができる。その結果、基礎構造1の強度をより高めることができる。
例えば、上記の実施形態では、基礎構造1は、平面視で環状に配列された3つの杭体2,2,2の上方に構築されているが、平面視で環状に配列された4つ以上の杭体2,2…の上方に構築されてもよい。また、上記の実施形態では、型枠3は、3つの鋼板5,5,5を有しているが、4つ以上の鋼板5,5…を有していてもよい。4つ以上の鋼板5,5…を有している場合においても、隣り合う鋼板5,5の間には支柱6が設けられて、鋼板5,5が支柱6に接合されている構成とする。
また、杭体2の数と鋼板5の数とは、一致していなくてもよい。また、複数の鋼板5は、全て同じ形状でなくてもよい。
また、上記の実施形態では、鋼板3,3,3は、平面視で中心角が180°の半円弧状であるが、鋼板3,3,3の中心角の値は適宜設定されてよい。なお、鋼板3,3,3は、平面視で中心角が180°以下の円弧状とすることが好ましい。
また、上記の実施形態では、緊張材7は、2本の横材71,72と、2本の横材71,72にそれぞれ接合された斜材73と、を有する形態であるが、これ以外の形態としてもよい。例えば、図6に示すように、1つの横材74と1つの斜材75とを有する緊張材7Aとしてもよい。このようにすることにより、上述した本実施形態による緊張材7よりも緊張材7Aの製造・設置にかかるコストを削減することができる。また、斜材73が設けられておらず1または複数の横材71,72のみの緊張材7としてもよいし、トラス構造の緊張材7としてもよい。
1a 中心軸
2 杭体
3 型枠
4 鉄筋
5 鋼板
6 支柱
7,7A 緊張材
11 捨てコンクリート
71,72,74 横材
73,75 斜材
Claims (6)
- 平面視で環状に配列された3つ以上の複数の杭体の上方に構築され、該複数の杭体を平面視で外側から覆う型枠と、該型枠の内部に打設されるコンクリートと、を有する基礎構造において、
前記型枠は、平面視で前記複数の杭体を外側から覆う環状に配列されそれぞれ平面視形状が外側に突出する円弧状に形成された3つ以上の複数の鋼板と、
隣り合う前記鋼板の間に配置され隣り合う前記鋼板がそれぞれ接合される複数の支柱と、を有し、
前記支柱は、延在方向に直交する断面形状がL字形となるように形成され、上下方向に延びて前記L字形の角部が環状に配列された前記複数の杭体の中心と離間する側に突出する向きに配置され、
前記L字形を構成するように前記角部を介して接合される2つの板部のうちの一方の板部に隣り合う前記鋼板のうちの一方の鋼板の端部が接合され、前記2つの板部のうちの他方の板部に隣り合う前記鋼板のうちの他方の鋼板の端部が接合されていることを特徴とする基礎構造。 - 前記複数の杭体それぞれと、該複数の杭体それぞれの外側に配置された鋼板との距離が等しいことを特徴とする請求項1に記載の基礎構造。
- 前記鋼板は、平面視で中心角が180°以下の円弧状であることを特徴とする請求項1または2に記載の基礎構造。
- 隣り合う前記支柱をそれぞれ接合する複数の緊張材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基礎構造。
- 前記緊張材は、水平方向に延在し隣り合う前記支柱それぞれに接合された横材と、
水平面に交差する方向に延在し隣り合う前記支柱それぞれに前記横材を介してまたは直接に接合された斜材と、を有することを特徴とする請求項4に記載の基礎構造。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基礎構造を構築するための基礎構造の施工方法であって、
前記複数の杭体の上方で前記型枠の内部に相当する範囲に鉄筋を配筋する配筋工程と、
前記複数の杭体の上方に前記型枠を設置する型枠設置工程と、
前記型枠の内部にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、を有することを特徴とする基礎構造の施工方法。
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