JP6401975B2 - フォトマスクおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、近接露光に用いるフォトマスクおよびその製造方法に関する。
従来の投影露光法は、ナノレベルの露光が可能であるものの、装置が高価であり、焦点深度が浅いといった課題がある。
これに対し、従来の近接露光法は、装置コストが安く、大面積の露光が可能であるという特徴を有しているが、焦点深度が浅く、解像度が低い問題があった。
特許文献1には、透光性基板の開口部からの露出領域に複数の掘り込み部を形成した近接露光法に用いるフォトマスクが提案されている。このフォトマスクは、レンズとして機能する開口部の中心部で実質屈折率が高く、その周辺部で実質屈折率が低くなるように、各掘り込み部の幅が焦点から離れるにしたがって大きく設定されている。このフォトマスクによれば、遮光膜に設けられた開口部において、複数の掘り込み部を透過した光が所定位置に焦点を結ぶように屈折するため、開口部の中心に向かって光を効率よく集光できるとされている。
また、特許文献1には、透光性基板の開口部からの露出領域に、透光性基板を透過した光は第1の焦点を結ぶように集光する第1の掘り込み部と第2の焦点を結ぶように集光する第2の掘り込み部が形成されたフォトマスクも提案されている。このフォトマスクによれば、第1の焦点を結ぶ光束は第1の掘り込み部から放出され、第2の焦点を結ぶ光束は第2の掘り込み部から放出されており、各光束は放出される領域が異なっている。
一方、非特許文献1および2において、本発明者らは、数ミクロンからサブミクロンの領域のフォトリソグラフィにはコストと解像性を両立できる適切な露光系として、複素透過率を有するマスクによって結像系の光伝播面の複素振幅を再現するビルトインレンズマスクを用いたフォトリソグラフィを提案した。
国際公開WO2013/145044号
大阪府立大 院工,上田直樹,笹子勝,菊田久雄,川田博昭,平田義彦:ビルトインレンズマスク・リソグラフィI−基本概念− 第61回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集 [18p-F2-7] 2014年3月3日発行 大阪府立大 院工,上田直樹,笹子勝,菊田久雄,川田博昭,平田義彦:ビルトインレンズマスク・リソグラフィII−基本機能の実験検証 第61回応用物理学会春季学術講演会 講演予稿集 [18p-F2-8] 2014年3月3日発行
しかしながら、特許文献1、非特許文献1および2のフォトマスクも焦点深度が浅いため、焦点深度が深いパターン形成は解像度が低くなる課題が残されている。
このような課題に鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、従来の安価な近接露光系を用いつつ、マスク部分に多焦点レンズ効果を含ませることで、近接露光プロセスによって三次元露光を行って焦点深度と解像度を向上させることができるフォトマスクおよびその製造方法を発明するに至った。
かくして、本発明によれば、位相調整部を有する透光性基板と、前記透光性基板に積層された遮光膜とを備え、
前記位相調整部は、前記透光性基板の出射面に形成された複数の溝を有してなり、前記透光性基板の入射面に入射した光の位相を調整すると共に、結像位置が異なる複数の光束を前記位相調整部の同一の前記出射面から外部へ放出するように構成されており、
前記位相調整部の複数の溝は、前記出射面から所定距離離れた面上で前記複数の光束によって得られるべき光強度分布を複素フーリエ変換して得られた複数の位相分布を重ね合わせかつ前記複数の位相分布を任意の量でシフトした位相分布に基づいて形成されており、
前記遮光膜の一部に光を通過させるように前記複数の溝の位置で開口する開口および前記複数の溝を有さない位置で任意に開口する開口を有する透過率調整部が形成されており、
複数の光束を同一の光軸上に異なる焦点距離で集光させるように前記位相調整部の複数の溝および前記透過率調整部の前記遮光膜の複数の開口が形成されているフォトマスクが提供される。
また、本発明の別の観点によれば、前記フォトマスクを製造する方法であって、
前記出射面から所定距離離れた面上で前記複数の光束によって得られるべき光強度分布を複素フーリエ変換して得られた複数の位相分布を重ね合わせかつ前記複数の位相分布を任意の量でシフトした位相分布に基づいて前記透光性基板の出射面に複数の溝を形成して前記位相調整部を形成する工程と、
前記透光性基板の一面または他面に遮光膜を積層する工程と、
前記遮光膜の一部に光を通過させるように前記複数の溝の位置で開口する開口および前記複数の溝を有さない位置で任意に開口する開口を有する透過率調整部を形成する工程とを含み、
前記位相調整部を形成する工程および前記透過率調整部を形成する工程において、複数の光束を同一の光軸上に異なる焦点距離で集光させるように前記位相調整部の複数の溝および前記透過率調整部の前記遮光膜の複数の開口を形成するフォトマスクの製造方法が提供される。
本発明のフォトマスクによれば、結像位置が異なる複数の光束を位相調整部の同一の出射面から外部へ放出するように構成されている。すなわち、位相調整部の同一領域から複数の光束を外部へ放出することができ、この際、各光束の光軸を異ならせることによって結像位置を異ならせることができる。具体的には次のようにできる。
(I)複数の光束を同一の光軸上に異なる焦点距離で集光させることができる。
例えば、同一の光軸上における30μm、50μmおよび70μmの結像距離で集光させる場合、所定の幅または径を高精度に保ちながら深い凹部(溝あるいは孔)または高い凸部(突条または円柱)をレジスト膜に形成することができる。あるいは、深さが連続的に異なる断面、例えば、お椀形の凹部または凸部をレジスト膜に形成することができる(図13参照)。あるいは、棒を捻って回転させたような形状、ネジ形状、瓢箪のように途中で断面が変化する形状等の凹部または凸部を形成することができる。
(II)複数の光束を異なる光軸上に集光させることができる。
例えば、異なる光軸上における30μm、50μmおよび70μmの結像距離で集光させる場合、屈曲した形状(図14参照)、スパイラル形状、アリの巣形状等の3次元的な孔をレジスト膜中に形成することができる。
(III)複数の光束を異なる光軸上に同じ結像距離で集光させることができる。
例えば、異なる光軸上における30μmの結像距離で集光させる場合、同じ30μmの深さの凹部または同じ30μmの高さの凸部をレジスト膜の複数箇所に形成することができる。
(IV)透光性基板における位相調整部の周囲から光を放出させないよう遮光膜にて覆い、開口の領域に位相調整部を設けることができる。これにより、設計結像位置以外の部分に結像する不要な光を取り除くことができる。なお、透光性基板に遮光膜を設けない場合は、例えば、位相調整部に対応するサイズのフォトマスクの外周部をホルダーにて保持することにより、位相調整部の周囲部に光源からの光が入射しないようにすればよい。
(V)前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた透過率分布を考慮した、より解像度の高いフォトマスクを得ることが可能となる。
このような凹部または凸部をレジスト膜に形成できる本発明のフォトマスクにおいて、前記位相調整部の複数の溝は、前記複数の光束の強度位置分布を複素フーリエ変換して得られた複数の位相分布を重ね合わせかつ前記複数の位相分布の位相を任意のシフト量で変調した位相分布に基づいて形成されている。すなわち、複素フーリエ変換して得られた位相分布(マスク関数)の単純な重ね合わせによる転写時の光強度がよい場合は複数の位相分布の位相を変調する必要はなく、マスク関数の単純な重ね合わせによる転写時の光強度がよくない場合は複数の位相分布の位相を任意の量でシフトすることにより、露光光がマスクを透過する際の回折成分を焦点面で強め合うようにすることができる。この結果、異なる結像位置で集光する各光束の解像度を向上させることができる。
本発明の実施形態1のフォトマスクを用いた近接露光の状態を説明する図である。 実施形態1のフォトマスクの製造方法を説明する第1の概念図である。 実施形態1のフォトマスクの製造方法を説明する第2の概念図である。 実施形態1のフォトマスクの製造方法を説明する第3の概念図である。 実施形態2のフォトマスクの内部構造を示す概略断面図である。 一焦点および多焦点のフォトマスクの概念図である。 設計結像距離30μmの一焦点フォトマスク(比較例1)の内部構造を示す概略断面図である。 設計結像距離70μmの一焦点フォトマスク(比較例2)の内部構造を示す概略断面図である。 設計結像距離30および70μmの多焦点フォトマスク(比較例3)の内部構造を示す概略断面図である。 設計結像距離30およびπシフトさせた70μmの多焦点フォトマスク(実施例1)の内部構造を示す概略断面図である。 比較例1〜3および実施例1のフォトマスクを用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果を示す図である。 比較例4〜6および実施例2のフォトマスクを用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果を示す図である。 実施例3のフォトマスクを用いた露光を示す説明図である。 実施例4のフォトマスクを用いた露光を示す説明図である。 実施例4のアナログマスクを用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果を示す図である。 実施例4の二値化マスクを用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果を示す図である。
本発明のフォトマスクは、位相調整部を有する透光性基板と、前記透光性基板に積層された遮光膜とを備え、
前記位相調整部は、前記透光性基板の出射面に形成された複数の溝を有してなり、前記透光性基板の入射面に入射した光の位相を調整すると共に、結像位置が異なる複数の光束を前記位相調整部の同一の前記出射面から外部へ放出するように構成されており、
前記位相調整部の複数の溝は、前記出射面から所定距離離れた面上で前記複数の光束によって得られるべき光強度分布を複素フーリエ変換して得られた複数の位相分布を重ね合わせかつ前記複数の位相分布を任意の量でシフトした位相分布に基づいて形成されており、
前記遮光膜の一部に光を通過させるように前記複数の溝の位置で開口する開口および前記複数の溝を有さない位置で任意に開口する開口を有する透過率調整部が形成されており、
複数の光束を同一の光軸上に異なる焦点距離で集光させるように前記位相調整部の複数の溝および前記透過率調整部の前記遮光膜の複数の開口が形成されている。
本発明のフォトマスクは、次のように構成されてもよく、これらが適宜組み合わされてもよい。
(1)前記位相調整部の複数の溝は、前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた位相分布を離散化して得られた離散化位相分布に対応する幅と深さを有してもよい。
すなわち、位相調整部の複数の溝は、位相分布が表現される連続位相波形を離散化して、例えば二値化位相分布を作成し、その二値化位相分布の幅と深さに対応する幅と深さで透光性基板に形成されたものとすることができる。そのため、位相調整部を構成する複数の溝は、透光性基板への加工が容易なものとなる。
(2)前記深さは、前記離散化位相分布の位相シフト量に対応してもよい。
例えば、溝の深さは、溝を通る光の位相と溝間を通る光の位相との位相差がπシフトする深さに設定されてもよい。このとき、閾値は、連続位相波形が二値化位相分布に最も反映される深さに設定することが好ましく、それによって各光束の結像位置を設計結像位置に近づけることができる。なお、位相シフト量は任意の値であり、πに限定されない。
)前記透過率調整部の複数の開口は、前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた透過率分布を離散化して得られた離散化透過率分布の変動に対応する幅を有してもよい。
このようにすれば、フォトマスクの解像度をより高めることができる。
本発明のフォトマスクの製造方法は、前記出射面から所定距離離れた面上で前記複数の光束によって得られるべき光強度分布を複素フーリエ変換して得られた複数の位相分布を重ね合わせかつ前記複数の位相分布を任意の量でシフトした位相分布に基づいて前記透光性基板の出射面に複数の溝を形成して前記位相調整部を形成する工程と、
前記透光性基板の一面または他面に遮光膜を積層する工程と、
前記遮光膜の一部に光を通過させるように前記複数の溝の位置で開口する開口および前記複数の溝を有さない位置で任意に開口する開口を有する透過率調整部を形成する工程とを含み、
前記位相調整部を形成する工程および前記透過率調整部を形成する工程において、複数の光束を同一の光軸上に異なる焦点距離で集光させるように前記位相調整部の複数の溝および前記透過率調整部の前記遮光膜の複数の開口を形成する
本発明のフォトマスクの製造方法は、次のように構成されてもよく、これらが適宜組み合わされてもよい。
(A)前記位相調整部を形成する工程において、前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた位相分布を離散化して得られた離散化位相分布に対応する幅と深さを有する前記複数の溝を形成してもよい。
この方法によれば、前記(1)のフォトマスクを製造することができる。
(B)前記位相調整部を形成する工程において、前記複数の溝の深さを、前記離散化位相分布の位相シフト量に対応させてもよい。
この方法によれば、前記(2)のフォトマスクを製造することができる。
)前記透過率調整部を形成する工程において、前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた透過率分布を離散化して得られた離散化透過率分布の変動幅に基づいて複数の開口を形成してもよい。
この方法によれば、前記(3)のフォトマスクを製造することができる。
以下、図面を参照しながら本発明のフォトマスクおよびその製造方法の実施形態を詳説する。
(実施形態1)
<フォトマスクについて>
図1は本発明の実施形態1のフォトマスクを用いた近接露光の状態を説明する図である。
図1に示すように、本発明の実施形態1のフォトマスクM1は、位相調整部11Aを有する透光性基板11と、透光性基板11の一面11aに積層された遮光膜12と、遮光膜12の一部に形成されて光Lを通過させる少なくとも1つの開口を有する透過率調整部12Aとを備える。
透光性基板11としては、空気と屈折率が異なり、かつ光を透過させるものであれば特に限定されず、例えば、青板ガラスおよび白板ガラスを含むソーダライムガラス、低膨張ガラス、合成石英ガラス等のガラス基板、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂等の高分子フィルムを用いることができる。
遮光膜12の材料としては、遮光できるものであれば特に限定されず、代表的なものとしてはクロムが挙げられ、その他にも酸化鉄、ニッケル、シリコン・ゲルマニウム酸化物、アルミニウム等を用いることができる。なお、クロムを用いる場合、念のため、クロム膜の表面に反射防止膜としての酸化クロム膜を積層してレジスト膜からの反射光を酸化クロム膜にて多重反射するのを防止してもよい。
光源としては、使用するレジスト膜を感光させることができれば特に限定されず、例えば、超高圧水銀アークランプ、キセノン・水銀アークランプ、KrFレーザやXeClレーザといったエキシマー・レーザ、X線などの放射光等を用いることができる。なお、フォトマスクM1へ入射する光は平行光でなければならないため、光源が平行光を照射しない場合はレンズ、プリズム、ミラー等の光学系を用いて平行光に変換すればよい。
なお、フォトレジストとしては、光源に応じたポジ型およびネガ型フォトレジストを用いればよい。
図1において、透光性基板11内における点線で囲まれた領域が位相調整部11Aである。位相調整部11Aは、透光性基板11に形成された複数の溝11A1を有してなる。位相調整部11Aは、これらの溝11A1を有することにより、透光性基板11Aに入射した光Lの位相を調整すると共に、結像位置が異なる複数の光束Lf1、Lf2、Lf3を位相調整部11Aの同一領域から外部へ放出するように構成されている。位相調整部11Aの複数の溝11A1は、複数の光束Lf1、Lf2、Lf3の強度位置分布を複素フーリエ変換して得られた位相分布を重ね合わせかつ前記複数の位相分布の位相を任意のシフト量で変調した位相分布に基づいて形成されている。これについて詳しくは後述する。
位相調整部11Aの平面領域は、レジスト膜Rに形成すべきパターンの形状に応じた形状に形成されている。例えば形成すべきパターンがライン形状であれば位相調整部11Aの平面領域はライン形状であり、形成すべきパターンがドット形状であれば位相調整部11Aの平面領域はドット形状である。なお、位相調整部11Aの幅Wは、形成すべきパターンの幅が1〜5μmであれば位相調整部11Aの幅Wは10〜50μmが適当である。
位相調整部11Aの複数の溝11A1は、位相調整部11Aの同一領域において複数の光束Lf1、Lf2、Lf3を生じさせ、かつ所定の結像位置にそれぞれ集光させる機能を有している。実施形態1では、設計結像位置が30μmの光束Lf1、結像位置が50μmの光束Lf2および設計結像位置が70μmの光束Lf3が同一の光軸La上に配置され、かつ位相調整部11Aから透過率調整部12Aを介して外部に放出するように構成されたフォトマスクM1を例示している。
なお、結像位置が50μmの光束Lf2は、結像位置を30μmと70μmに設計して製造したこのフォトマスクM1を用いて露光することによって結果的に生じる。つまり、実施形態1の場合、二焦点フォトマスクを設計し製造することによって三焦点フォトマスクを得ることができる。
さらに詳しく説明すると、次の通りである。
屈折率nの透光性基板11中を通過する光の波長はλ/nである。そして、光が透光性基板11中を深さΔL進むと、位相が(2πn/λ)ΔL変化する。
一方、空気の屈折率をn=1とすると、空気中では光が深さΔL進むと、位相が(2π/λ)ΔL変化する。
したがって、屈折率nの透光性基板11中と空気中を通過する光の位相は、光が深さΔL進んだとき、(2πn/λ)ΔL−(2π/λ)ΔL=(2π/λ)ΔL(n−1)シフトする。ここで、シフト量をπとすると、π=(2π/λ)ΔL(n−1)であり、π、λおよびnは既知であるため、溝11A1の深さΔLを求めることができる。なお、シフト量は任意の値であり、πに限定されず、1/2π、1/4π等もあり得る。
位相調整部11Aによって外部へ放出する光Lの一部を所定のシフト量でシフトさせる理由は、光の干渉により、設計結像位置に集光する光成分が強め合い、それ以外の光成分が相殺し、それによって複数の光束Lf1、Lf2、Lf3を設計結像位置で高精度にそれぞれ集光させるためである。これは、本発明のような多焦点フォトマスクM1のみならず、一焦点フォトマスクでも同様である。
透過率調整部12Aは、遮光膜12に形成された複数の開口12A1を有する。実施形態1の場合、光軸La上と、各溝11A1に対応する位置と、2つの溝11A1の間位置とに開口が設けられている。
また、複数の開口12A1は、複数の光束Lf1、Lf2、Lf3の強度位置分布を複素フーリエ変換して得られた透過率分布の離散化図に対応する幅を有している。これについて詳しくは後述する。なお、開口12A1に対応する位置の溝11A1の幅は、開口12A1と同じ幅とされている。
位相調整部11Aの領域に透過率調整部12Aを設ける理由は、位相調整部11Aを透過した光のうちの集光を阻害する光成分を遮光し、それによって複数の光束Lf1、Lf2、Lf3を設計結像位置でより高精度にそれぞれ集光させるためである。つまり、透過率調整部12Aを設けることによってフォトマスクM1の解像度を高めるようにしている。
<フォトマスクの製造方法について>
図2〜図4は実施形態1のフォトマスクの製造方法を説明する第1〜第4の概念図である。図1〜図4を参照しながら、本発明のフォトマスクの製造方法について説明する。
前記構成を有するフォトマスクM1の製造方法は、複数の光束Lf1、Lf3の強度位置分布un(x,y)を複素フーリエ変換して得られた位相分布∠(g(X,Y))に基づいて透光性基板11の一面11aに複数の溝11A1を形成して位相調整部11Aを形成する工程と、透光性基板11の一面11aに遮光膜12を積層する工程と、遮光膜12の一部に光を通過させる複数の開口12A1を形成して透過率調整部12Aを形成する工程とを含む。
詳しく説明すると、先ず、レジスト面上で要求されるパターンの光強度分布un(x,y)を定める。すなわち、所望の結像位置Z1、Z2・・・Znと各位置でのパターン形状u1、u2・・・unを決定する。
前記式(1)を満たすためのマスク関数gn(X,Y)を次の式(2)によって算出する。
ここで、積分範囲の限定は、エバネッセント波がレジスト面まで伝わらないことを考慮して表記している。
また、sin(θn)は、レンズ効果を模擬する際の露光系の開口数(NA)を表し,Znはマスクと像面の距離、w/2はマスク中心の光軸からマスクパターン端部までの最大半径である(図1参照)。
次に、フォトマスクと画像平面との間の光が伝達する任意の面(伝達面)での複素振幅An(kx,ky,kz)を次の式(3)により求める。
また、kx,ky,kzは、k=(kx,ky,kz)の方向に進む波数ベクトルである。
また、λは光源の波長、znはマスク面とレジスト面の距離を表す。
そして、複素フーリエ変換によってマスクの複素振幅gn(X,Y)を次の式(4)により求める。
多焦点フォトマスクの設計時には、各転写パターンの焦点面(un)に対する複素フーリエ変換を求める。算出した透過率分布と位相分布を次の式(5)のように重ね合わせ、多焦点に対応した透過率分布と位相分布を求める(図3参照)。
さらに、マスク関数の単純な重ね合わせによる転写時の光強度がよくない場合は、露光光がマスクを透過する際に、回折成分が焦点面で強め合うように、各パターンの位相を次の式(6)のように変調する。すなわち、マスク上の複素関数g*に必要であれば位相シフトΔψを加える。
式(6)中、ψは位相シフト量を表す。なお、位相シフト量ψの設定方法については後述の実施例において説明する。
このように、異なる複数の結像位置で形成すべきパターンについての複素フーリエ変換像を求めることにより、図4の上段に示すように、透過率が0〜1.0の範囲で連続的に変化する透過率分布のアナログ波形図と、位相が0〜2πの範囲で連続的に変化する位相分布のアナログ波形図とを作成することができる。そして、透過率分布のアナログ波形図と位相分布のアナログ波形図に基づいて遮光膜12および透光性基板11を微細加工すればアナログマスクを得ることができる。なお、複素フーリエ変換像を求めるまでの工程は、例えば、市販のソフトウェアとしてMathWorks製のMatlabがインストールされたパーソナルコンピュータにより行うことができる。
また、透過率分布と位相分布の各アナログ波形図に基づく遮光膜12および透光性基板11への連続的な微細加工を行って掘り込み(溝)の形状が連続的に変化するマスク(アナログマスク)を得る替りに、透過率分布と位相分布を離散化することにより掘り込み(溝)の形状が離散的に半価するマスク(離散化マスク)を得ることもできる。この場合、連続的に変化する透過率分布と位相分布に適当な閾値を設定する。
図4の中段左の式(7)は複素フーリエ変換により算出されたパターンの連続的な透過率分布|g(X,Y)|を表し、図4の中段右の式(8)は複素フーリエ変換により算出されたパターンの連続的な位相分布∠(g(X,Y))を表している。
透過率分布に関して、式(7)のように所定の閾値Tcを設定し、透過率が閾値Tc以上の場合は、露光時に転写像を形成するのに必要な部分と判断し、光を透過させるパターン部分とする(透過率は1)。一方、閾値Tc未満の場合は、遮光膜12により遮光する(透過率は0)。
位相分布に関して、式(8)のように所定の閾値Δθを設定し、透過させたい位相(図4では0、π)からΔθずれた位相分布までを光が透過するとする(透過率は1)。これにより、透光性基板11と空気層の屈折率の違いを利用し、結像面で集光するような位相分布をマスク面に形成する。マスク面からの位相のずれた部分、ずなわち、図4におけるπずれた部分は溝11A1とすることにより位相のずれを形成する。なお、溝11A1の深さΔLについては後述する。
一方、結像に必要ないと判断した位相の部分は、遮光膜12により遮光する(透過率は0)。
二値化した透過率分布および位相分布の両パラメータにおいて、透過率1となった部分のみ透過となる。例えば、透過率分布および位相分布のアナログ波形図を用い、透過率0.3以上で透過、位相−60°〜60°で透過するとした場合、位相分布が20°の部分でも透過率が0.2しかなければ遮光する。
図4の下段は透過率分布の二値化図と位相分布の二値化図を示している。
このように、レジスト膜Rに形成すべきパターン(凹部または凸部)についての複素フーリエ変換した後、それによって得られたマスク面上での連続的な透過率と位相に閾値を設定して離散化し、転写像を形成する上で十分なパターンのみを利用することでレンズ効果を生成する。フォトマスク面で等位相面を生成し、光の干渉を利用することで焦点面での高解像度な結像を可能としている。
図1に示す離散化したフォトマスクM1に関して、不要な部分は遮光膜12により遮光する。透過する光のうち、位相をシフトさせる必要がある光に対しては、透光性基板11に複数の溝11A1を形成して部分的に板厚を変えることによって光学距離を変調し等位相面を形成する。遮光膜12への開口12A1の形成および透光性基板11への溝11A1の形成は、従来公知のエッチング技術により行うことができる。
透光性基板11への複数の溝11A1の形成に際して、
光路差=屈折率×長さ
位相差=光路差×2π/λ
で表されるため、波長がλ=365nmの場合、透光性基板11を石英基板としたときの屈折率をn=1.54とすると、次の式(9)で溝11A1の深さΔLを求めることができる。
(実施形態2)
図5は実施形態2のフォトマスクの内部構造を示す概略断面図である。なお、図5において、図1中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態2のフォトマスクM2は、遮光膜112の透過率調整部112Aが透光性基板11の位相調整部11Aの全領域に亘って設けられた1つの開口112A1からなること以外は、実施形態1のフォトマスクM1(図1参照)と同様である。
実施形態2の場合、位相調整部11Aの全領域に亘って光が外部に放出するよう透過率調整部112Aによって透過率を1.0に調整している。したがって、実施形態2のフォトマスクM2に関しては、図4で説明した透過率分布を考慮せず、位相分布のみを考慮して作製する。なお、実施形態2のマスク解像度は実施形態1のマスク解像度よりもやや劣るが、実用可能なレベルである。
(他の実施形態)
1.実施形態1および2では、透光性基板11の一面11a(光の放出面側)に遮光膜12、112を積層した場合を例示したが、透光性基板11の他面(光の入射側)に遮光膜12、112を積層してもよい。
2.実施形態1および2では、遮光膜12、112を有するフォトマスクM1、M2を例示したが、透光性基板11に遮光膜12、112を設けなくてもよい。この場合、透光性基板の位相調整部の全領域を露出させる1つの開口を有するホルダー内に透光性基板を収容し、位相調整部の周囲から光が放出しないようにする。
(比較例1〜3および実施例1)
図6は一焦点および多焦点のフォトマスクの概念図である。図6中、左から順に設計結像位置30μmの一焦点フォトマスク(比較例1)、設計結像位置70μmの一焦点フォトマスク(比較例2)、設計結像位置30μmと70μmの多焦点フォトマスク(比較例3)、設計結像位置30μmとπシフトさせた70μmの多焦点フォトマスク(実施例1)の概念が示されている。
図7は設計結像距離30μmの一焦点フォトマスクMc1(比較例1)の内部構造を示す概略断面図であり、図8は設計結像距離70μmの一焦点フォトマスクMc2(比較例2)の内部構造を示す概略断面図であり、図9は設計結像距離30および70μmの多焦点フォトマスクMc3(比較例3)の内部構造を示す概略断面図であり、図10は設計結像距離30およびπシフトさせた70μmの多焦点フォトマスクM1(実施例1)の内部構造を示す概略断面図である。なお、図7〜図10において、各フォトマスク上には透過率分布の二値化図が示されている。
実施例1のフォトマスクM1は、図1〜図4で説明した実施形態1のフォトマスクM1の製造方法により作製した。この際、位相調整部11Aの幅Wを40μmとした。また、二値化図を作成する際、透過率分布の閾値Tcは0.1に設定し、位相分布の閾値Δθはπ/6に設定した。溝11A1の深さΔLは118.5×k(nm)であった。なお、図10において、図1中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
比較例1のフォトマスクMc1については、設計結像位置を30μmとする一焦点フォトマスクの製造方法により作製した。すなわち、一転写パターンの設計結像距離30μmの焦点面に対する複素フーリエ変換像の透過率分布および位相分布の各アナログ波形図を作成し、それら各アナログ波形図を二値化した二値化図に基づいて遮光膜12C1に複数の開口12CA11を形成すると共に、透光性基板11C1に複数の溝11CA11を形成した。この際、位相調整部11CA1の幅W、透過率分布の閾値Tc、位相分布の閾値Δθ、溝11CA11の深さΔLは実施例1と同じにした。なお、図7において、符号12CA1は透過率調整部を表している。
比較例2のフォトマスクMc2については、設計結像位置を70μmとすること以外は、比較例1に準じて作製した。この際、位相調整部11CA2の幅W、透過率分布の閾値Tc、位相分布の閾値Δθ、溝11CA21の深さΔLは実施例1と同じにした。なお、図8において、符号11C2は透光性基板、12C2は遮光膜、12CA2は透過率調整部、12CA21は開口を表している。
比較例3のフォトマスクMc3については、設計結像位置70μmのマスクの位相をπシフトさせなかったこと以外は実施例1に準じて作製した。この際、位相調整部11CA3の幅W、透過率分布の閾値Tc、位相分布の閾値Δθ、溝11CA31の深さΔLは実施例1と同じにした。なお、図9において、符号11C3は透光性基板、12C3は遮光膜、12CA3は透過率調整部、12CA31は開口を表している。
図11は比較例1〜3および実施例1のフォトマスクを用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果を示す図である。なお、図11中の各グラフについて、横軸は横位置であり、縦軸は光強度(任意単位)である。
比較例1の場合、30μmの位置で結像する分布の特徴は崩れていなかったが、70μmの結像位置へ向かうにつれてパターンが崩れることがわかった。
比較例2の場合、70μmの位置で結像する分布の特徴は崩れていなかったが、30μmの結像位置へ向かうにつれてパターンが崩れることがわかった。
比較例3の場合、設計結像位置30μmのマスクの位相と設計結像位置70μmのマスクの位相とを単純に重ね合わせたところ、開口12CA31の数が増加し、それによって各開口12CA31から放出する各光が相互に干渉してしまい、その結果、何れの結像位置においてもパターンが大きく崩れた。
しかしながら、実施例1の場合、30μm、50μmおよび70μmの位置で結像する分布の特徴が崩れていなかった。これは、設計結像位置70μmのマスクの位相をπ(180°)シフトさせたことにより、各結像位置におけるパターン周辺のノイズ成分が除去されたことによると考えられる。
ところで、図11に示すように、比較例3のフォトマスクを用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果から、設計結像位置30μmのマスクの位相と設計結像位置70μmのマスクの位相を単純に重ね合わせると、相互の干渉により何れの結像位置においてもパターンが大きく崩れると判断できる。
そこで、本発明者らは、設計結像位置30μmのマスクの位相と設計結像位置70μmのマスクの位相のいずれか一方を任意のシフト量でずらすことによって相互干渉が緩和され、それにより何れの結像位置においてもパターンが崩れないことを見出した。このとき、位相シフト量は、多焦点フォトマスクの設計時に決定する複数の設計結像位置の組み合わせによって異なり、そのことは転写シミュレーションによって確認することができる。
実施例1の場合、設計結像位置70μmのマスクの位相をπシフトさせれば何れの結像位置においてもパターンが崩れなかったが、位相シフトは複数の設計結像位置の組み合わせによって任意に行われる。したがって、後述する実施例2の場合のように、複数の設計結像位置の組み合わせ(実施例2の場合は設計結像位置20μmと50μmの組み合わせ)によって位相シフトを行わない方が好ましい場合もある。また、複数の設計結像位置の組み合わせによっては、例えば、1/2π、1/4π等で位相シフトさせれば好ましい結果が得られることもあり得る。
(比較例4〜6および実施例2)
図12は比較例4〜5および実施例2のフォトマスク(図示省略)を用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果を示す図である。なお、図12中の各グラフについて、横軸は横位置であり、縦軸は光強度(任意単位)である。
比較例4は設計結像距離20μmの一焦点フォトマスクであり、比較例5は設計結像距離50μmの一焦点フォトマスクであり、比較例6は設計結像距離20およびπシフトさせた50μmの多焦点フォトマスクであり、実施例2は設計結像距離20および50μmの多焦点フォトマスクである。
実施例2のフォトマスクは、設計結像位置を20μmおよび50μmとし、設計結像位置50μmのマスクの位相をπシフトさせなかったこと以外は、実施例1に準じて作製した。
比較例4のフォトマスクについては、設計結像位置を20μmとすること以外は、比較例1に準じて作製した。
比較例5のフォトマスクについては、設計結像位置を50μmとすること以外は、比較例1に準じて作製した。
比較例6のフォトマスクについては、設計結像位置50μmのマスクの位相をπシフトさせたこと以外は実施例2に準じて作製した。
比較例4の場合、20μmおよび35μmの位置で結像する分布の特徴は崩れていなかったが、50μmの結像位置のパターンが崩れることがわかった。
比較例5の場合、50μmおよび35μmの位置で結像する分布の特徴は崩れていなかったが、20μmの結像位置のパターンが崩れることがわかった。
比較例6の場合、設計結像位置50μmのマスクの位相をπ(180°)シフトさせたことにより、相互の干渉により何れの結像位置においてもパターンが大きく崩れた。
しかしながら、実施例2の場合、設計結像位置20μmのマスクの位相と設計結像位置50μmのマスクの位相とを単純に重ね合わせたところ、20μm、35μmおよび50μmの位置で結像する分布の特徴は崩れていなかった。
(実施例3)
図13は実施例3のフォトマスクを用いた露光を示す説明図である。
実施例3の場合、設計結像位置50μm、60μmおよび69μmで作製したフォトマスクを用いて、複数の光束を同一の光軸上に異なる焦点距離50μm、60μmおよび69μmで集光させて、断面お椀形の孔を形成することができる。この際、設計結像位置50μmでは位相シフトなし、設計結像位置60μmでは位相180°シフト、設計結像位置69μmでは位相シフトなしとした。
実施例3によれば、焦点位置50μmでの半径が20μm、焦点位置60μmでの半径が17.3μm、焦点位置69μmでの半径が6.24μmの連続的な凹曲面を形成することができる。なお、実施例3は転写シミュレーションを行って得られた結果である。
(実施例4)
図14は実施例4のフォトマスクを用いた露光を示す説明図であり、図15は実施例4のアナログマスクを用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果を示す図であり、図16は実施例4の二値化マスクを用いて転写シミュレーションを行って得られた光強度の結果を示す図である。なお、図15および図16中の各グラフについて、横軸は横位置であり、縦軸は光強度(任意単位)である。
実施例4の場合、設計結像位置30μm、55μm、80μm、105μm、130μm、155μm、180μm、205μmおよび230μmで作製したフォトマスクを用いて、複数の光束を異なる光軸上に異なる複数の前記設計結像位置で集光させて、断面ブーメラン形に屈曲した3次元的な孔を形成することができる。この場合、マスク中心から平面方向に20μmずれた位置を設計結像位置130μmに設定し、マスク中心から平面方向に10μmずれた位置を設計結像位置105μmと155μmに設定し、マスク中心を設計結像位置80μmと180μmに設定し、マスク中心から平面方向に−10μmずれた位置を設計結像位置55μmと205μmに設定し、マスク中心から平面方向に−20μmずれた位置を設計結像位置30μmと230μmに設定している。なお、実施例4では各設計結像位置において位相シフト無しとした。
実施例4によれば、複数の異なる前記設計結像位置に2×2μmの正方形の孔が形成され、これらの孔が屈曲したトンネルのように1つに繋がった孔となる。なお、実施例4は転写シミュレーションを行って得られた結果であり、計算条件および二値化条件は次の通りである。
(計算条件)
波長λ=365nm
NA=1.0
(二値化条件)
透過率閾値Tc=1.0
位相閾値Δθ=π/6
図15および図16からは、各設計結像位置に光強度のピーク位置が対応していることがわかる。
なお、開示された実施形態および実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
11 透光性基板
11A 位相調整部
11A1
11a 一面
12 遮光膜
12A 透過率調整部
12A1 開口
ΔL 深さ
L 光
La 光軸
Lf1、Lf2、Lf3 光束
M1、M2 フォトマスク

Claims (8)

  1. 位相調整部を有する透光性基板と、前記透光性基板に積層された遮光膜とを備え、
    前記位相調整部は、前記透光性基板の出射面に形成された複数の溝を有してなり、前記透光性基板の入射面に入射した光の位相を調整すると共に、結像位置が異なる複数の光束を前記位相調整部の同一の前記出射面から外部へ放出するように構成されており、
    前記位相調整部の複数の溝は、前記出射面から所定距離離れた面上で前記複数の光束によって得られるべき光強度分布を複素フーリエ変換して得られた複数の位相分布を重ね合わせかつ前記複数の位相分布を任意の量でシフトした位相分布に基づいて形成されており、
    前記遮光膜の一部に光を通過させるように前記複数の溝の位置で開口する開口および前記複数の溝を有さない位置で任意に開口する開口を有する透過率調整部が形成されており、
    複数の光束を同一の光軸上に異なる焦点距離で集光させるように前記位相調整部の複数の溝および前記透過率調整部の前記遮光膜の複数の開口が形成されていることを特徴とするフォトマスク。
  2. 前記位相調整部の複数の溝は、前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた位相分布を離散化して得られた離散化位相分布に対応する幅と深さを有する請求項1に記載のフォトマスク。
  3. 前記深さは、前記離散化位相分布の位相シフト量に対応する請求項2に記載のフォトマスク。
  4. 前記透過率調整部の複数の開口は、前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた透過率分布を離散化して得られた離散化透過率分布の変動に対応する幅を有する請求項に記載のフォトマスク。
  5. 請求項1に記載のフォトマスクを製造する方法であって、
    前記出射面から所定距離離れた面上で前記複数の光束によって得られるべき光強度分布を複素フーリエ変換して得られた複数の位相分布を重ね合わせかつ前記複数の位相分布を任意の量でシフトした位相分布に基づいて前記透光性基板の出射面に複数の溝を形成して前記位相調整部を形成する工程と、
    前記透光性基板の一面または他面に遮光膜を積層する工程と、
    前記遮光膜の一部に光を通過させるように前記複数の溝の位置で開口する開口および前記複数の溝を有さない位置で任意に開口する開口を有する透過率調整部を形成する工程とを含み、
    前記位相調整部を形成する工程および前記透過率調整部を形成する工程において、複数の光束を同一の光軸上に異なる焦点距離で集光させるように前記位相調整部の複数の溝および前記透過率調整部の前記遮光膜の複数の開口を形成するフォトマスクの製造方法。
  6. 前記位相調整部を形成する工程において、前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた位相分布を離散化して得られた離散化位相分布に対応する幅と深さを有する前記複数の溝を形成する請求項に記載のフォトマスクの製造方法。
  7. 前記位相調整部を形成する工程において、前記複数の溝の深さを、前記離散化位相分布の位相シフト量に対応させる請求項に記載のフォトマスクの製造方法。
  8. 前記透過率調整部を形成する工程において、前記光強度分布を複素フーリエ変換して得られた透過率分布を離散化して得られた離散化透過率分布の変動幅に基づいて複数の開口を形成する請求項5〜7のいずれか1つに記載のフォトマスクの製造方法。
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