JP5891406B2 - フォトマスク、それを用いたパターン形成方法及び露光装置 - Google Patents

フォトマスク、それを用いたパターン形成方法及び露光装置 Download PDF

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Description

本発明は、特に、プロキシミティ(近接)露光に用いるフォトマスク、それを用いたパターン形成方法及び露光装置に関する。
半導体集積回路の微細加工を始め、MEMS加工及び液晶等のフラットパネルの表面加工においては、加工する基板上に形成された感光性樹脂層にパターン露光を行い、露光された感光性樹脂層を現像することによって、目的とするパターンを形成するリソグラフィ法が用いられている。リソグラフィにおいては、パターンを描いたフォトマスクを介して光を照射するのが一般的である。この際、フォトマスクが被露光体に密着することによって生じる傷を防ぐため、フォトマスクと被露光体との間に間隙を設けて露光する、すなわちプロキシミティ(近接)露光を行うことが多い。
しかしながら、このような間隙を設けた場合に、露光波長の数倍程度の細かいパターンを形成するために波長の数倍程度のパターンをマスク上に設けても、フレネル回折現象等によって、目的とする寸法を持つパターンを基板上に形成することができないという問題がある。
例えば、図23に示すような、透明基板201の上に遮光膜202が形成された露光用フォトマスク203を用いて露光を行った場合に、フォトマスク203を透過した露光光204が回折して、パターンがぼやけてしまう。これは、たとえフォトマスク203と加工する基板205との間にレンズを設ける投影方式の露光を用いたとしても、等倍の投影露光であれば、フォトマスク203の波長の数倍程度の寸法を持つ開口部203aには、十分な光が透過しないため、微細パターンを形成することは困難である。
近年、フォトマスク203と基板205との間に設ける投影レンズとして縮小レンズを配置することにより、加工寸法の4〜5倍のマスクを用いてマスク上のパターン寸法を大きくして、微細寸法を形成できる縮小投影露光法がある。しかし、縮小投影露光法は、露光面積の全体を縮小してしまうため、大面積の基板加工が困難になる。その上、縮小するための複数の高精度レンズが必要となり、露光用装置に多大なコストを要する。
そこで、近接露光法又は投影露光法による等倍の投影露光において、波長の数倍程度の微小な開口部を透過する光の強度を強くすることにより、所望の寸法を持つパターンを形成できる方法が提案されている。
以下、図24(a)及び図24(b)を参照しながら、フォトマスク203を用いてリソグラフィにより露光できる限界値よりも小さいパターンを形成する方法について説明する(例えば、特許文献1を参照。)。
まず、図24(a)に示すように、ガラス基板207と、該ガラス基板207の上に微細パターン部である開口部208aが形成された遮光膜208とから構成されたフォトマスク203には、ガラス基板207における開口部208aから露出する領域及びその近傍に、ガラス基板207よりも高い屈折率を有する高屈折率領域209が形成されている。ここで、ガラス基板207に、例えば、酸化シリコンを用いる場合は、その屈折率は1.5である。また、高屈折率領域209領域に、例えば、チタン(Ti)を添加すると、その屈折率1.8となる。遮光膜208には、例えばクロム(Cr)からなる蒸着膜が用いられる。
図24(b)から明らかなように、フォトマスク203を露光光が透過する際の光路となる開口部208aにおいては、高屈折率領域209が凸状レンズとなる。このため、開口部208aの周辺の領域を透過する光が集光されて、微細パターン部208aを通過する光の強度が通常のマスク部を通過する光の強度よりも増大するので、微細パターンを形成することができる。
なお、高屈折率領域209を形成するには、イオン注入法等を用いて、分極性が高いイオンをガラス基板207における遮光膜208の開口部208aとその周辺部に含有させるという方法が記載されている。
特開昭57−054939号公報
しかしながら、露光光をフォトマスクによって十分に集光させるには、フォトマスクの開口部の全領域における屈折率が単純に高くなるだけでなく、屈折率分布レンズとなるように、開口部及びその周辺領域の屈折率が連続的に変化する状態とする必要がある。
前記従来のフォトマスクにおいては、開口部及びその周辺領域にガラス基板の屈折率を高くするための分極性が高いイオンを含有した領域を形成し、さらに、屈折率分布レンズの働きを得られるように、1つの開口部内の周辺領域における屈折率の値を連続的に変化させることは極めて困難である。従って、従来の技術においては、所望の焦点に十分な光を集光することができない。
本発明は、前記の問題に鑑み、開口部を透過する光を十分に集光させて、微細パターンを形成することができるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、フォトマスクを、開口部から露出する領域に、所望の位置に焦点を結ぶ複数の掘り込み部を形成する構成とする。
具体的に、本発明に係る第1のフォトマスクは、透光性を有する基板と、基板の上に形成され、遮光部と透光領域となる開口部とを有する遮光膜とを備え、基板における開口部からの露出領域には、複数の掘り込み部が形成され、複数の掘り込み部は、該複数の掘り込み部を透過した光が所定の位置に焦点を結ぶように、それぞれの幅が焦点から離れるに従って大きく形成されている。
第1のフォトマスクによると、複数の掘り込み部は、該複数の掘り込み部を透過した光が所定の位置に焦点を結ぶように、それぞれの幅が焦点から離れるに従って大きく形成されているため、遮光膜に設けられた開口部において、複数の掘り込み部を透過した光が掘り込み部の内側に隣接する非掘り込み部側に屈折する。従って、開口部の中心に向かって光を効率良く集光することができる。
第1のフォトマスクにおいて、複数の掘り込み部は、開口部の互いに対向する2辺に沿って線状にパターニングされており、互いに隣接する2つの掘り込み部のうち、遮光部と開口部との境界部に近い側の第1の掘り込み部の線幅は、境界部から遠い側の第2の掘り込み部の線幅よりも大きいことが好ましい。
このようにすると、開口部の周縁部の近傍を透過した光を、開口部の内側を透過した光よりも大きく屈折させることができるので、開口部の中心に向かって光を確実に集光することができる。
この場合に、第2の掘り込み部の線幅は、第1の掘り込み部の線幅の0.9倍以下であってもよい。このようにすると、光の屈折方向をより確実に変えることができる。
また、この場合に、第1の掘り込み部の線幅は、露光波長の2倍以下であってもよい。このようにすると、光の屈折角の調整が可能となる。
また、この場合に、第2の掘り込み部の線幅は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、光の屈折角のより正確な調整が可能となる。
また、この場合に、第1の掘り込み部の線幅及び第2の掘り込み部の線幅は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、光の屈折角を調整するパターンの設計が容易となる。
また、この場合に、第1の掘り込み部と第2の掘り込み部との間隔は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、所望の焦点に正確に集光することが可能となる。
また、この場合に、第1の掘り込み部と第2の掘り込み部との間隔と第2の掘り込み部の線幅との和は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、所望の焦点に正確に集光するパターンの設計が容易となる。
また、この場合に、第1の掘り込み部と境界部との距離は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、開口部を透過する光を有効に集光することができる。
また、この場合に、第1の掘り込み部は、境界部と接していてもよい。このようにすると、開口部を透過する光をほぼ全て集光することができる。
第1のフォトマスクにおいて、複数の掘り込み部のうちの第1の掘り込み部は、開口部の互いに対向する2辺に沿って線状にパターニングされており、複数の掘り込み部のうちの第2の掘り込み部は、各パターンの面積がλ×λ(但し、λは露光波長である。)以下で描かれたパターンの集合体からなり、第1の掘り込み部は、遮光部と開口部との境界部に近い側に位置し、第2の掘り込み部は、第1の掘り込み部を介在させて、境界部から遠い側に位置していてもよい。
このようにすると、開口部の周縁部の近傍を透過した光を、開口部の内側を透過した光よりも大きく屈折させることができるので、開口部の中心向かって光を確実に集光することができる。
この場合に、互いに隣接する第2の掘り込み部同士の間隔は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、光の屈折角を正確に調整できる掘り込み部を容易に作製することができる。
また、この場合に、互いに隣接する第1の掘り込み部と第2の掘り込み部との間隔は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、光の屈折角を調整するパターンの設計が容易となる。
また、この場合に、第1の掘り込み部と境界部との距離は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、開口部を透過する光を有効に集光することができる。
第1のフォトマスクにおいて、複数の掘り込み部は、各パターンの面積がλ×λ(但し、λは露光波長である。)以下で描かれたパターンの集合体からなり、複数の掘り込み部のうちの第1の掘り込み部の総面積は、複数の掘り込み部のうちの第2の掘り込み部の総面積よりも大きく、第1の掘り込み部は、遮光部と開口部との境界部に近い側に位置し、第2の掘り込み部は、第1の掘り込み部を介在させて、境界部から遠い側に位置していてもよい。
このようにすると、開口部の周縁部の近傍を透過した光を、開口部の内側を透過した光よりも大きく屈折させることができるので、開口部の中心に向かって光を確実に集光することができる。
この場合に、互いに隣接する第1の掘り込み部と第2の掘り込み部との間隔は、露光波長以下であってもよい。このようにすると、光の屈折角を正確に調整できる掘り込み部を容易に作製することができる。
本発明に係る第2のフォトマスクは、透光性を有する基板と、基板の上に形成され、遮光部と透光領域となる開口部とを有する遮光膜とを備え、基板における開口部からの露出領域には、複数の掘り込み部が形成され、複数の掘り込み部のうちの第1の掘り込み部は、該第1の掘り込み部を透過した光が所定の位置に第1の焦点を結ぶように、第1の掘り込み部のそれぞれの幅が第1の焦点から離れるに従って大きく形成されており、複数の掘り込み部のうちの第2の掘り込み部は、該第2の掘り込み部を透過した光が所定の位置に第1の焦点とは異なる第2の焦点を結ぶように、第2の掘り込み部のそれぞれの幅が第2の焦点から離れるに従って大きく形成されている。
第2のフォトマスクによると、複数の掘り込み部のうちの第1の掘り込み部は、該第1の掘り込み部を透過した光が所定の位置に第1の焦点を結ぶように、第1の掘り込み部のそれぞれの幅が第1の焦点から離れるに従って大きく形成されており、複数の掘り込み部のうちの第2の掘り込み部は、該第2の掘り込み部を透過した光が所定の位置に第1の焦点とは異なる第2の焦点を結ぶように、第2の掘り込み部のそれぞれの幅が第2の焦点から離れるに従って大きく形成されている。このため、遮光膜に設けられた開口部において、第1の掘り込み部を透過した光が第1の掘り込み部の内側に隣接する非掘り込み部側に屈折する。また、第2の掘り込み部を透過した光が第2の掘り込み部の内側に隣接する非掘り込み部側に屈折する。従って、第1の焦点及び第2の焦点に向かって光を効率良く集光することができる。
第2のフォトマスクにおいて、複数の掘り込み部は、開口部の互いに対向する2辺に沿って線状にパターニングされており、互いに隣接する2つの第1の掘り込み部のうち、遮光部と開口部との境界部に近い側の掘り込み部の線幅は、境界部から遠い側の掘り込み部の線幅よりも大きく、互いに隣接する2つの第2の掘り込み部のうち、境界部に近い側の掘り込み部の線幅は、境界部から遠い側の掘り込み部の線幅よりも大きいことが好ましい。
このようにすると、開口部の周縁部の近傍を透過した光を、開口部の内側を透過した光よりも大きく屈折させることができるので、2つの焦点に向かって光を確実に集光することができる。
第2のフォトマスクにおいて、複数の掘り込み部は、各パターンの面積がλ×λ(但し、λは露光波長である。)以下で描かれたパターンの集合体からなり、互いに隣接する2つの第1の掘り込み部のうち、遮光部と開口部との境界部に近い側の掘り込み部の総面積は、境界部から遠い側の掘り込み部の総面積よりも大きく、互いに隣接する2つの第2の掘り込み部のうち、境界部に近い側の掘り込み部の総面積は、境界部から遠い側の掘り込み部の総面積よりも大きいことが好ましい。
このようにすると、所望のパターンから離れた位置を透過した光を、より大きく屈折させることができるので、開口部の中心に向かって光を画一に集光することができる。
第1又は第2のフォトマスクにおいて、掘り込み部の深さは、露光波長の2分の1よりも大きくてもよい。このようにすると、掘り込み部を透過する光を確実に屈折させることができる。
第1又は第2のフォトマスクを用いた、本発明に係るパターン形成方法は、被露光基板の上にレジスト膜を形成する工程と、レジスト膜に、フォトマスクを介して露光光を照射する工程と、露光光を照射されたレジスト膜を現像することにより、レジストパターンを形成する工程とを備えている。
本発明のパターン形成方法によると、露光工程に本発明のフォトマスクを用いることから、該フォトマスクを透過する光を集光することができるので、微細パターンの形成が可能となる。
第1又は第2のフォトマスクを用いた、本発明に係る露光装置は、フォトマスクが内部に露光光源が配置された空洞を有する円筒状のマスク基板として構成され、フォトマスクを回転させる回転機構と、被露光基板を、フォトマスクに対して相対的に移動させる移動機構とを備え、回転機構によりフォトマスクを回転させると共に、移動機構により被露光基板を移動させながら、被露光基板に対して露光を行う。
本発明の露光装置によると、円筒状のフォトマスクから所定の距離だけ離れた位置に光を集光させることが可能となるので、大面積にわたって微細パターンの形成が可能となる。
本発明に係るフォトマスク、それを用いたパターン形成方法及び露光装置によると、フォトマスクの開口部を透過する光を十分に集光させて、微細パターンを形成することができる。
図1(a)及び図1(b)は第1の実施形態に係るフォトマスクの一例を示し、図1(a)は底面図であり、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線に示す断面図である。 図2は第1の実施形態の第1変形例に係るフォトマスクの一例を示す断面図である。 図3(a)は第1の実施形態に係るフォトマスクを用いた場合の露光光の集光の様子を示す断面図である。図3(b)は第1の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成されるパターンを示す平面図である。 図4は屈折率分布を有する透明体を光が透過するときの光路を示す模式的な断面図である。 図5(a)は屈折率分布レンズを示す模式的な平面図である。図5(b)は屈折率分布レンズにおける光の屈折を示す模式的な断面図である。 図6(a)〜図6(c)は空気層を挟むガラスの実質屈折率を説明する図である。 図7(a)及び図7(b)はガラスと該ガラスに形成した空気層の間隙を利用して構成される屈折率分布レンズを示し、図7(a)は平面図であり、図7(b)は断面図である。 図8はガラスの表面に空気層の間隙を形成して屈折率分布レンズを構成する方法を示す模式的な断面図である。 図9は一実施例に係るフォトマスクの一例を示す底面図である。 図10は一実施例に係るフォトマスクに設ける掘り込み部のデータの一例を示す表である。 図11(a)は一実施例に係るフォトマスクを透過した光の強度分布を示すシミュレーション結果を示す図である。図11(b)は比較例に係るフォトマスクを透過した光の強度分布を示すシミュレーション結果を示す図である。 図12は一実施例に係るフォトマスクによる光強度プロファイルを比較例と共に示すグラフである。 図13は第1の実施形態の第2変形例に係るフォトマスクの一例を示す底面図である。 図14はパターンの集合体で構成される掘り込みパターンとライン状の掘り込みパターンとの関係を説明するための平面図である。 図15は第1の実施形態の第3変形例に係るフォトマスクの一例を示す底面図である。 図16(a)は第1の実施形態の第4変形例に係るフォトマスクの一例を示す底面図である。図16(b)は第1の実施形態の第4変形例に係るフォトマスクを用いて形成されるパターンを示す平面図である。 図17(a)は第1の実施形態の第5変形例に係るフォトマスクの一例を示す底面図である。図17(b)は第1の実施形態の第5変形例に係るフォトマスクを用いて形成されるパターンを示す平面図である。 図18(a)及び図18(b)は第2の実施形態に係るフォトマスクの一例を示し、図18(a)は底面図であり、図18(b)は図18(a)のXVIIIb−XVIIIb線に示す断面図である。 図19(a)は第2の実施形態に係るフォトマスクを用いた場合の露光光の集光の様子を示す断面図である。図19(b)は第2の実施形態に係るフォトマスクを用いて形成されるパターンを示す平面図である。 図20(a)は第2の実施形態の一変形例に係るフォトマスクの一例を示す底面図である。図20(b)は第2の実施形態の一変形例に係るフォトマスクを用いて形成されるパターンを示す平面図である。 図21(a)〜図21(d)は第3の実施形態に係るパターン形成方法を示す工程順の断面図である。 図22(a)は第4の実施形態に係るローラー型のフォトマスクを用いる露光装置を示す模式的な斜視図である。図22(b)は第4の実施形態に係るローラー型のフォトマスクを用いる露光装置を示す模式的な側面図である。 図23は従来の近接露光法又は等倍の投影露光法における問題点を説明する模式的な断面図である。 図24(a)は従来のガラス基板の一部に高屈折率領域を形成したフォトマスクの断面図である。図24(b)は従来のガラス基板の一部に高屈折率領域を形成したフォトマスクを用いた場合の近接露光法又は等倍の投影露光法を説明する断面図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るフォトマスクについて図面を参照しながら説明する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、第1の実施形態に係るフォトマスク101は、例えばガラスからなる透光性基板104と、該透光性基板104の下面に形成され、遮光部102aと透光領域となる開口部102bとを有する遮光膜102とから構成されている。遮光膜102には、例えば、クロム(Cr)からなる蒸着膜を用いることができる。
第1の実施形態に係るフォトマスク101の特徴として、ガラス104における開口部102bから露出する領域には、線幅が異なる複数のライン状(線状)の掘り込み部104aが設けられている。これらの掘り込み部104aは、開口部102bにおける遮光部102aと開口部102bとの境界部である外枠部107と並行して設けられている。さらに、各掘り込み部104aの線幅は、外枠部107から開口部102bの中心に向かって順次小さくなるように構成されている。
以下、特に断らない限り、透光性基板104をガラス104と称して説明する。但し、透光性基板104はガラスに限られない。
(第1の実施形態の第1変形例)
図2に第1の実施形態の第1変形例に係るフォトマスク101の断面構成を示す。図2に示すように、ガラス104と遮光膜102との間に、高屈折材料からなる高屈折率膜105を設けている。図2に示すように、第1変形例に係るフォトマスク101は、複数の掘り込み部105aが、高屈折率膜105に設けられる。このように、ガラス104と遮光膜102との間に高屈折率膜105を設けた構造であっても、本発明は有効である。
なお、本変形例においては、ガラス104と高屈折率膜105とを併せて透光性基板104と呼ぶことができる。
図3(a)及び図3(b)は、フォトマスク101の上面(裏面)から光を照射した場合の、光が屈折する様子を表している。以下、特に断らない限り、光として、波長が365nmの高圧水銀灯におけるi線と呼ばれる、リソグラフィで最もよく使われる露光光を想定して説明する。但し、以下に説明する光の屈折に関する諸原理は、i線に限られず、例えば、波長が436nmの高圧水銀灯におけるg線、波長が256nmのKrFエキシマレーザ光又は波長が193nmのArFエキシマレーザ光でも成り立ち、さらに、それ以下の波長の光でも同様に成り立つ。
図3(a)に示すように、フォトマスク101の裏面から表面に向かって照射された平行な光は、平行な状態を保ったまま、ガラス104の内部を透過する。しかしながら、フォトマスク101においては、光が、複数の掘り込み部104aを透過する際に、堀り込み部104aの線幅が広い方から狭い方に向かって屈折して、その進行方向が変えられる。
その結果、開口部102aを透過した光は、フォトマスク101の裏面から所定の距離だけ離れた位置において、ライン状の開口部102bの中心付近に集光するという振る舞いを示す。これにより、フォトマスク101を透して露光したときに、該フォトマスク101の表面から数10μm離れた位置においても、図3(b)に示すように、フォトマスク101の開口部102aの中心付近の下方の領域に、幅が1μm以下のライン状のパターン108が明瞭に形成される。
上記のような現象が発生する理由について、以下に説明する。具体的なフォトマスク101を透過する光の振る舞いを説明する前に、一般的な光の振る舞いについて説明する。
図4は屈折率が位置によって異なる、すなわち屈折率分布を有する透明体109を光が透過するときの振る舞いを示している。図4に示す透明体109は、光が入射する向きに対して垂直な方向に屈折率が分布する。具体的には、透明体109は、右端部P2から左端部P1に向けて屈折率が徐々に高くなる材料からなる。この透明体109に、第1の光路110で示される光が入射すると、透明体109の内部では、光は第2の光路111で示されるように、屈折率が低い方から高い方、すなわちP2側からP1側に向かって進行方向を曲げる。この現象は良く知られている。透明体109を透過した光は第3の光路112で示されるように、新たな進行方向に向かって直進する。
図5(a)及び図5(b)は、上記のように、光が物質内の屈折率が低い領域からより高い領域に向かってその光路を曲げるという振る舞いを利用した屈折率分布レンズを示している。図5(a)は光の入射方向から見た屈折率分布レンズ106の平面構成を示している。図5(a)に示すように、平面円形状の屈折率分布レンズ106は、中心部113に向かって屈折率が漸次高くなるように構成されている。従って、周縁部114において屈折率が最も低くなるように構成されている。図5(b)はその断面構成を示している。図5(b)に示すように、光の進行方向に対しては平坦な板状である。レンズの周縁部114を透過した光は、中心に向かって屈折することより、レンズとしての光を集光する作用を有する。このとき、平面方向からみた円板状のレンズに対して、円の中心における屈折率をNCとし、円の半径rの位置115における屈折率をn(r)とし、光の進行方向におけるレンズの厚みをdとし、下記の式(1)に示す関係式が成り立つように、半径r方向に屈折率を変化させると、レンズを透過した光は、レンズから距離fの位置に焦点116を有するようになる。
n(r)=NC−r×r/2/f/d …(1)
本実施形態に係るフォトマスク101は、屈折率分布レンズ106の原理を利用して、フォトマスク101の開口部102bを透過する光を集光させる構成を採る。屈折率分布レンズ106は、例えば、ガラス104を溶融して内部のイオン分布を調整することにより、ガラス104の内部における屈折率分布を形成する。
これに対し、本発明者らは、ガラス104に露光波長程度の寸法を持つ掘り込み部104aを形成することによって、ガラス104の内部に実質的な屈折率分布を与える方法を見出した。
まず、図6(a)〜図6(c)を参照しながら、ガラスに掘り込み部を形成する加工によって、ガラスの実質的な屈折率を変化させる原理を説明する。
図6(a)に示す第1の透明体117は、厚さがTTで、屈折率がn1のガラス104である。第1の透明体117に入射した光が屈折する振る舞いを第1の光路118として表している。
図6(b)に示す第2の透明体119は、第1の透明体117と同一の組成を持つガラス104を薄い層状にし、それぞれの層状のガラス104の間に該ガラス104と同一の厚さである空気層120を挟むように間隙を構成している。ガラス104と空気層120とを合わせた厚さは、第1の透明体117と同一のTTである。第2の透明体119に入射した光が屈折する振る舞いを第2の光路121として表している。
図6(c)に示す第3の透明体122は、厚さがTTで、屈折率na=(n1+n0)/2を持つ透明材料である。ここで、n0は空気層120の屈折率である。第3の透明体122に入射した光が屈折する振る舞いを第3の光路123として表している。
このような条件下では、第2の透明体119と第3の透明体122とは、それぞれの外界から見た場合、透明体に入射した光に対して透過した後の光路は互いに同一となる。すなわち、第2の透明体119と第3の透明体122とは、外界から見た場合は、光に対して同一の屈折率を持つ物質のように振舞う。また、実際に、入射した光は突然に曲がるわけではなく、その波長の長さ相当の距離を進行する間に進行方向が変わる。
これにより、図6(b)に示す第2の透明体119を構成するガラス104及び空気層120の間隙を波長程度に、すなわち、大きくても波長の2倍以下にまで小さくすれば、物質内での振舞いも、図6(c)に示す第3の透明体122と同等になると考えられる。
従って、互いの屈折率が異なる2つ以上の物質が混在した透明体は、光に対しては、混在する物質の屈折率の中間の値の屈折率を有する均一な物質として扱うことができる。このとき、上記の中間の値の屈折率を、実質屈折率と呼ぶことにする。ここでは、第2の透明体119の構成は、ガラス104の厚さと空気層120の厚さとを同一としたが、これに限られない。
例えば、ガラス104の厚さをGDとし、空気層120の厚さをADとすれば、第2の透明体119の実質屈折率naは、下記の式(2)で近似することができる。
na=(n1×GD+n0×AD)/(GA+AD) …(2)
実質屈折率は、屈折率が異なる2種類の物質で構成されると、その構成比の値が高い物質の屈折率の値に近くなる。通常のガラス104の屈折率は1.5程度であり、空気層120の屈折率は1であることから、空気層の間隙を大きくする程、その実質的屈折率の値は小さくなる。ガラス104及び空気層120の間隙のそれぞれの厚さGD及びADの和、すなわち(GD+AD)が波長の2倍以下程度であればこの近似が十分に成り立つ。さらに、GDとADとが共に波長以下であれば、さらにその近似精度が良くなる。従って、GD及びADが共に波長寸法以下であることが、さらに望ましい。
また、(GD+AD)が波長以下であれば、その実質的屈折率は、物質内で均一にna=(n1×GD+n0×AD)/(GA+AD)となる。従って、光に対しては屈折率の値がnaの均一な物質と変わらなくなる。
図7(a)及び図7(b)は、上記の原理を利用したガラス104と空気層120とから構成された屈折率分布レンズ106Aを表している。図7(a)は光の入射方向から見た屈折率分布レンズ106Aの平面構成を示している。図7(b)はその断面構成を示している。
図7(a)及び図7(b)に示すように、屈折率分布レンズ106Aは、内側からガラス部104A、104B、104C及び104Dが順次配置され、それぞれの間に空気層120A、120B及び120Cが同心円状に設けられている。また、ガラス部104A、104B、104C及び104Dも同心円状に配置されて、屈折率分布レンズ106Aは、円筒状に構成されている。ガラス部104B、104C及び104Dの各円筒の側壁の厚さは、この順に薄くなり、逆に、各円筒状のガラス部104A、104B、104C及び104Dの側壁の間の空気層の厚さは、120A、120B及び120Cの順に厚くなっている。
このとき、各ガラス部104A等の厚さ及び空気層120A等の厚さが光の波長程度以下となると、円形状のレンズの中心部で実質屈折率が高く、その周辺部で実質屈折率が低くなる。このため、入射光に対して、図5に示した屈折率分布レンズ106と同等の働きをすることができる。
従って、ガラス部104A等と空気層120A等との厚さを調整して、実質屈折率が、前述の式(1)となるように構成すれば、屈折率分布レンズ106と同様に、透過光に対して焦点116を結ぶことができる。
図8は、ガラスを加工して屈折率分布レンズ106Aを作製した作製例を示している。まず、ガラス104の一方の主面から、図7(a)の空気層120A、120B及び120Cに相当する部分をエッチング等により掘り込む。このとき、実質屈折率(na)と掘り込み部の深さdを式(1)が成り立つように設定する。
このように、複数の掘り込み部120A等が形成された屈折率分布レンズ106Aの裏面から垂直に光を照射すると、ガラス104の掘り込み部104aが形成されていない領域においては、光が直進する。一方、ガラス104の掘り込み部104aが形成されている領域においては、該掘り込み部104aと隣接するガラス部104A等を光が透過する間に屈折が起こり、所定の焦点116に光が集光することになる。すなわち、図8に示すように、見かけ上は、ガラス104と屈折率分布レンズ106とを直列に接続した構成となる。
以上の基本原理を踏まえた上で、図1に示す本実施形態に係るフォトマスクについて、その構成の要点を説明する。
図1に示すフォトマスク101は、基板であるガラス104における遮光膜102の開口部102bから露出する領域に、複数の掘り込み部104aが形成されている。ここで、開口部102bの外枠部107から開口部102bの中心に向かって、実質屈折率が高くなるように、各掘り込み部104aのパターンが描かれている。
すなわち、図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態に係るフォトマスク101には、開口部102bの外枠部107に沿って形成されたライン状のパターンを持つ、少なくとも2本の掘り込み部104aが描かれている。さらに、1本のガラス部を介在させて並行に形成された2本の掘り込み部104aのうち、外枠部107から遠い位置、すなわち開口部102aの中央側の掘り込み部104aは、外枠部107に近い位置の掘り込み部104aよりも、その線幅が小さく形成されている。逆に言えば、外枠部107に近い側の掘り込み部104aの幅寸法は、中央側の掘り込み部104aの幅寸法よりも大きい。
この構成により、第1の実施形態に係るフォトマスク101は、開口部102bの外枠部107に近い位置の実質屈折率をガラス104の屈折率よりも小さく、すなわち、より空気に近い値にすることができ、且つ、外枠部107から開口部102bの内側に向かってその実質的屈折率を徐々に高くすることにより、ガラス104の屈折率に徐々に近い値に設定することができる。
このため、本実施形態に係るフォトマスク101を用いて露光した際には、開口部102bの外枠部107の近傍を透過した光は、該開口部102bの内部を透過した光と比べて開口部102bの内側に大きく屈折するため、効果的に光を集光させることができる。
なお、ここでは、フォトマスク101を構成する透光性基板104として、単一のガラス104から構成され、該透光性基板104に深さdの複数の掘り込み部104aを形成する構成を例として説明した。しかし、フォトマスク101を構成する透光性基板104としては、図2に断面構成を示したように、ガラス104の主面に該ガラス104よりも高い屈折率を持つ高屈折率膜105を厚さdだけ積層し、積層した高屈折率膜105に複数の掘り込み部105aを形成する構成としてもよい。
本変形例によると、光の屈折率分布させる層において、実質屈折率の範囲を高屈折率膜105が持つ屈折率の値にまで変化させることが可能となる。その結果、所望の焦点位置に光をより正確に集光することが可能となる。
また、前述したように、本実施形態又は以下の実施形態においては、ガラス104に設ける掘り込み部104aを説明する際には、高屈折率膜105を積層し、積層した高屈折率膜105に掘り込み部105aを形成する場合をも含む。
(一実施例)
図9〜図12は、一実施例として、第1の実施形態に係るフォトマスク101を露光波長λ=365nmに合わせて作製し、シミュレーションを行った結果である。
図9は、フォトマスク101の底面図である。ここで、掘り込み部104aは、開口部102bの長手方向の中心線であるIXa−IXa線のそれぞれ片側に9本ずつ設けられている。但し、図9においては、掘り込み部104aの本数を省略している。各掘り込み部104aは、開口部102bの中心位置、すなわち集光したいラインパターンの中心線であるIXa−IXa線に対して線対称となるパターンとして描かれている。この構成により、IXa−IXa線と対向する位置に光を集光することが可能となる。
図10に、9本の掘り込み部104aをIXa−IXa線に近い側、すなわち内側から外側に向かって番号を付し、番号順に、IXa−IXa線から各掘り込み部104aの中心線までの距離と該掘り込み部104aの幅とを表にまとめている。ここで、各掘り込み部104aのパターンはIXa−IXa線に対して線対称であるため、表の値はIXa−IXa線のいずれか一方の側についてのみ記載している。また、各掘り込み部104aの深さは、全て同一としているが、各パターンで変えることも可能である。
なお、掘り込み部104aの深さ(掘り込み寸法)は、光を有効に屈折させるには、波長の2分の1よりも大きいことが望ましい。さらに、波長よりも大きい寸法であれば、より確実に光を屈折させることが可能となる。また、屈折率分布レンズの原理により、掘り込み寸法が大きいほど、フォトマスク101と焦点116との距離も近くなる。ここで、各寸法は、露光波長λ(=365nm)で規格化した値で示している。異なる露光波長で露光する場合には、この露光波長λで換算すればよい。
図11(a)は、本実施形態に係るフォトマスク101を用いて行った光学シミュレーション結果であり、フォトマスク101の裏面から光を照射したときの該フォトマスク101における、図9に示したIXb−IXb線を透過した後の光強度分布を示している。光はフォトマスク101の開口部102bを透過する際に屈折し、フォトマスク101の表面から離れた位置において、IXa−IXa線と対向する位置に集光していることが分かる。
図11(b)に、比較例として、ガラス104に掘り込み部104aを設けない場合の光学シミュレーション結果を示す。図11(b)からは、IXa−IXa線と対向する位置に、光が集光していないことが分かる。
図12に、本実施形態に係るフォトマスク101を透過した光の、該フォトマスク101から27μmだけ離れた位置で、且つ図9のIXb−IXb線と対向する位置における光強度分布のプロファイルを示す。図12において、プロファイルAは、本実施形態に係るフォトマスク101における光強度プロファイルを表し、プロファイルBは、比較例であって、通常のフォトマスクにおける光強度プロファイルを表す。
以上のように、本実施例に係るシミュレーション結果から、本実施形態に係る構成により、遮光膜102の開口部102bを透過した光を、例えば1μ程度の非常に狭い領域に集光して、急峻なピークを有する光強度分布を持つプロファイルAを形成できることが分かる。これにより、本実施形態に係るフォトマスク101を用いた近接露光リソグラフィにより、1μ程度の微細パターンの形成が可能となる。
なお、本シミュレーションにおいては、光を集光するために、1つの外枠部107に沿って9本の掘り込み部104aを設けているが、掘り込み部104aの本数は、光を集光する上で十分な本数である。
また、外枠部107に隣接する掘り込み部104aの幅に対するその内側に隣接する掘り込み部104aの幅の比率は0.83である。この例のように、光を十分に集光する複数の掘り込み部104aを配置する場合には、外枠部107側の掘り込み部104aに対して、その内側に形成される掘り込み部104aの寸法は少なくとも0.9倍以下の寸法とすることが望ましいことが分かる。
以下に、本発明に係るフォトマスクの効果を発揮させるための要件について整理する。
本発明に係るフォトマスクは、ガラス104を露光波長程度の幅寸法で加工することにより、ガラス104に実質的な屈折率分布を形成する方法である。これから分かるように、本実施形態において、互いに隣接する2つの掘り込み部104aの少なくとも一方の幅寸法は、露光波長の2倍以下であることが望ましい。
さらに、互いに隣接する2本の掘り込み部104aの少なくとも一方の掘り込み部104aの幅寸法と、掘り込み部104aに挟まれたガラス104の幅寸法との和は、露光波長の2倍以下であることが望ましい。このようにすると、実質屈折率が掘り込み部104aの幅とガラス104の幅とを用いた簡易式で近似できるので、光を効果的に焦点116に集光するパターンを容易に設計することができる。このとき、掘り込み部104aの幅寸法及び掘り込み部104aに挟まれたガラス104の幅寸法が共に露光波長以下であることがさらに望ましい。
また、掘り込み部104aの幅寸法と掘り込み部104aに挟まれたガラス104の幅寸法との和を露光波長以下に設定すれば、実質屈折率を精度良く調整することができる。その結果、光を焦点116に正確に集光できる掘り込みパターンを描けるようになる。すなわち、各掘り込み部104aのパターン寸法(幅寸法)をTとし、その両側のガラス104の平均の幅寸法をGとすると、掘り込み部104aの中心位置における実質屈折率は、下記の式(3)で正確に表される。ここで、n0は掘り込み部104aである空気層の屈折率であり、n1はガラス104の屈折率である。
na=(n1×G+n0×T)/(G+T) …(3)
これは、掘り込み部104a同士の間の任意の位置における実質屈折率は、隣り合う掘り込み部104a同士の間の中心位置の実質屈折率の値から、ほぼ線形補完によって高精度に表されるので、正確な焦点設計が可能になるからである。
ここで、1つの具体例を示す。例えば、図9に示すフォトマスク101において、長手方向の中心線であるIXa−IXa線から各掘り込み部104aの中心線までの距離をTrとし、各堀込み部104aの深さをTdとし、堀り込み部104aの中心位置の実質屈折率が上記の式(3)であるとすると、屈折分布レンズの焦点116と屈折率分布の関係とを表す式(1)により、各堀り込み部のパターン寸法が下記の式(4)を満たすように作製すれば、焦点116を有する屈折率分布レンズと同値となる。すなわち、フォトマスク101から所望の距離Tfにおいて正確に焦点116を有するフォトマスク101を容易に作製することができる。ここで、n0は掘り込み部104aである空気層の屈折率であり、n1はガラス104の屈折率である。
(n1×G+n0×T)/(G+T)=n1−Tr×Tr/2/Tf/Td …(4)
また、フォトマスク101の開口部102bを透過した光を全て集光するには、外枠部107に最も近い堀込み部104aを、開口部102bの外枠部107に対して露光波長以下の位置に設けることが望ましい。これにより、開口部102bを透過した光が外枠部107から開口部102bの外側へ屈折することが抑制される。このため、開口部102bを透過する光を開口部102bの内側に効果的に集光させることができる。さらに、掘り込み部104aは、外枠部107に接していることがより望ましい。
(第1の実施形態の第2変形例)
次に、第1の実施形態の第2変形例に係るフォトマスクについて図13を参照しながら説明する。
図13に示すように、第2変形例に係るフォトマスク125は、外枠部107から開口部102bの内側に向けて2本目以降に配置されたライン状の掘り込み部104aを、複数の孤立パターンに分割されたパターンの集合体からなる掘り込みパターン124として形成されている。
以下、図13に示すフォトマスク125が、光の屈折現象に対して図1に示すフォトマスク101と同一の露光パターンを生成することについて説明する。
まず、図14を用いて、第2変形例に係るフォトマスク125に設ける掘り込みパターン124についてその機能を説明する。
まず、図14において、上述したように、遮光膜102に孤立パターンの集合体からなる第2のパターン141が配置され、孤立パターン同士の間隔が露光波長以下であれば、実質屈折率がその寸法比のみで近似することができる。従って、露光波長以下の寸法Lに対して、下記の2つの形状の掘り込みパターンは光の屈折に対して同値のパターンとして扱うことができる。
第1のパターン140:線幅がL0/2のライン状の掘り込み部である。但し、L0<Lである。
第2のパターン141:幅がL0で、長さがL1の方形パターンを間隔L1でライン状に並べた掘り込み部である。但し、L0、L1<Lである。
すなわち、掘り込み部の寸法及びその間隔が露光波長以下であれば、これらの掘り込み部の集合体は個々の掘り込み部のパターン形状に依存しない。従って、孤立パターンの集合体からなる掘り込みパターン124の開口面積の和のみによって、その光学的な特性が決定されることになる。このとき、これらのパターンの集合体が周期的に配置され、その配置の周期が露光波長以下であれば、図14に例示された、1つのライン状の第1のパターン140として描かれた掘り込み部と複数の方形パターンの集合体として描かれた掘り込みパターン124とは同値となる。
以上から、ガラス104の任意の位置における実質屈折率naの式は、さらに一般化して表すことができる。すなわち、任意の位置から波長程度の半径における領域を考え、その領域における掘り込み部104aの面積をTSとし、ガラス部分の面積をGSとすると、下記の式(5)のように近似することができる。
na=(n1×GS+n0×TS)/(GS+TS) …(5)
従って、図13に示すように、本変形例の構成により、開口部102bにおいて外枠部107と接して配置された掘り込み部104aの面積に対して、その内部側のパターンの集合体である掘り込みパターン124のパターン面積を小さくすることができる。これにより、ガラス104における外枠部107側の実質屈折率を、開口部102bの内部側に対して低くすることが可能となる。その結果、開口部102bの内側に光を集光するフォトマスク125を実現することができる。
さらに、第1の実施形態に係るフォトマスク101においては、開口部102bの外枠部107側に配置された掘り込み部104aと比べて、その開口部102bの内側に配置された掘り込み部104aの線幅を小さくしている。これに対し、本変形例においては、2本目の線幅を第1の実施形態の寸法にまで小さくする必要がなくなる。
具体的には、図14において、第1のパターン140及び第2のパターン141に例示したように、ライン状のパターンとしてL0/2の線幅で形成された第1のパターン140と同等の作用を有する第2のパターン141をL0の線幅で形成することができる。これにより、フォトマスク101に設ける掘り込み部104aを加工する際の線幅の最小寸法を緩和することができる。このため、本変形例に係るフォトマスク125の作製が容易となる。
以上により、本変形例に係るフォトマスク125によって、第1の実施形態に係るフォトマスク101と同等の効果を得ることができる。
第1の実施形態に係るフォトマスク101と同等の効果を得る上で、さらに望ましい要件を以下に整理する。
図13に示す、パターンの集合体により構成された掘り込みパターン124の寸法は、露光波長以下であることが望ましい。言い換えれば、パターンの集合体を構成する各パターンの面積は、露光波長をλで表した場合に、λ×λ以下であることが望ましい。また、パターンの集合体の間隔は、露光波長以下であることが望ましい。さらに、各パターンの集合体が周期的に配置され、その配置の周期が露光波長以下であれば、第1の実施形態に係るフォトマスク101と同等のフォトマスク125を実現することができる。
なお、図13においては、パターンの集合体を構成する孤立パターンは全て平面方形状として表しているが、上記の構成であれば、方形状に限られない。
また、パターンの集合体である掘り込みパターン124と、ライン状の掘り込み部104aとの間隔が露光波長以下であることが望ましい。これは、第1の実施形態と同様である。また、上記のライン状の掘り込み部104aの線幅が露光波長以下であることが望ましい。これも第1の実施形態と同様である。
(第1の実施形態の第3変形例)
上述した第2変形例においては、外枠部107に近い掘り込み部104a、すなわち最も外側の掘り込み部104aはライン状に形成されている。しかし、これに限られず、最も外側の掘り込み部104aにおいても、パターンの集合体で構成されていてもよい。
この場合の一例を第1の実施形態の第3変形例として図15に示す。
図15に示すように、開口部102bの外枠部107に沿って、それぞれパターンの集合体である2組の掘り込みパターン124が配置されている。各掘り込みパターン124における孤立パターンの面積は、露光波長λに対して、λ×λ以下の面積を持つパターンで構成され、その間隔も露光波長λ以下で配置されている。
また、2組の掘り込みパターン124のうち、外枠部107側に配置された孤立パターンの面積と比べて、その内側に配置された孤立パターンの面積は小さく形成されている。
上記の構成により、外枠部107側の実質屈折率を内側に対して低くすることができ、開口部102bの内側に光を集光するフォトマスク125を実現することができる。
また、上記の構成において、開口部102bの外枠部107側に配置された掘り込みパターン124の総面積と比べて、その内側に配置された掘り込みパターン124の総面積は小さくなるように形成されている。例えば、外側の掘り込みパターン124の総面積に対する内側の掘り込みパターン124の総面積の比の値は、0.9倍以下である。これにより、第1の実施形態と同様に、光を十分に集光することができる。
以上から、第3変形例に係るフォトマスク125を用いることにより、実質的に任意の形状を持つ開口部102bに対して光を集光することが可能となる。
(第1の実施形態の第4変形例)
以下、第1の実施形態の第4変形例として、ライン状に限らず、任意の形状を持つ開口部102bに対して光を集光することが可能なフォトマスク126の一例について図16(a)及び図16(b)を参照しながら説明する。
図16(a)及び図16(b)に示すように、第4変形例に係るフォトマスク126は、任意の形状を有する開口部102bを透過する光を、その外枠部107の形状を保持したまま光を集光する。
具体的には、図16(a)に示すように、第4変形例に係るフォトマスク126は、開口部102bの直線部分には、外枠部107に対してライン状の掘り込み部104aが設けられている。また、開口部102bの各角部には、その面積が波長寸法λに対してλ×λ以下となるパターンの集合体である掘り込みパターン124が設けられている。さらに、λ×λ以下の寸法を持つ掘り込みパターン124は、開口部102bの外枠部107から開口部102bの内側に向けて、その線幅又は面積が順次小さくなるように構成されている。すなわち、λ×λ以下の寸法を持つ掘り込みパターン124のうち、外枠部107の近傍に設けられたパターンに対して、開口部102bの内側に設けられたパターンの面積が小さくなるように構成されている。
この構成により、第4変形例に係るフォトマスク126においては、任意の形状の開口部102bに対し、開口部102bの外形形状を保持したまま光を集光することが可能となる。すなわち、図16(a)に示すフォトマスク126を用いて露光することにより、図16(b)に示す形状を持つパターン108Aを形成することが可能となる。
(第1の実施形態の第5変形例)
掘り込みパターン124は、開口部102bから露出するガラス104の全体にわたって設ける必要はなく、光を集光させたい箇所にのみ設けることも可能である。
例えば、図17(a)に示すように、第1の実施形態の第5変形例に係るフォトマスク127は、開口部102bから露出するガラス104のうちの一部にのみ掘り込み部104aを設けている。これにより、図17(b)に示すように、ガラス104に掘り込み部104aを設けた領域にのみ光が集光することにより、掘り込み部104aを設けた開口部102bのみを透過する光が集光した形状のパターン108Bを形成することが可能となる。一方、掘り込み部104aを設けない領域は、通常のガラス104であるため、光が集光することなく転写される。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係るフォトマスクについて図面を参照しながら説明する。
第2の実施形態に係るフォトマスクは、遮光膜の開口部を通過する光から複数の集光パターンを形成する。第2の実施形態においては、第1の実施形態同一の構成部材には同一の符号を付している。
図18(a)及び図18(b)に示すように、第2の実施形態に係るフォトマスク128は、例えばガラスからなる透光性基板104と、該透光性基板104の下面に形成され、遮光部102aと透光領域となる開口部102bとを有する遮光膜102とから構成されている。
第2の実施形態に係るフォトマスク128は、ガラス104における開口部102bから露出する領域に、線幅が異なる複数のライン状の掘り込み部104aが設けられている。具体的には、ガラス104の開口部102bからの露出面には、2つの所望の集光パターンと対応する位置に、それぞれライン状のガラス部104E、104Fが設けられている。さらに、各ガラス部104E、104Fに沿って、それぞれ幅が異なるライン状の複数の掘り込み部104aが設けられている。
掘り込み部104aの幅は、ガラス部104E、104Fの長手方向の中心線から離れるに従って順次大きくなるように構成されている。すなわち、2つの所望のパターンに沿って設けられた、少なくとも2本の掘り込み部104aによって、ガラス部104E、104Fのそれぞれ中心線に近い位置から離れるに従って実質屈折率が低くなるように構成されている。これにより、ガラス部104E、104Fの中心位置に近い領域に設けられた掘り込み部104aの近傍を透過した光は、ガラス部104E、104Fの中心線に向かって小さく屈折する。これに対し、ガラス部104E、104Fの中心位置から離れた領域の掘り込み部104aの近傍を透過した光は大きく屈折する。これら屈折した光は、ガラス部104E、104Fの中心線に向かってそれぞれ集光する。
図19(a)は、フォトマスク128の裏面から光を照射した際に、光が屈折して2つの焦点116を結ぶ様子を表している。図19(b)は、フォトマスク128を露光することによって得られる、2本のライン状のパターン108Cを表している。
以下、図18及び図19に示す第2の実施形態に係るフォトマスク128を参照しながら、第2の実施形態に係る構成の要点について説明する。
図18に示すフォトマスク128には、ガラス104における遮光膜102の開口部102bからの露出領域において、複数のパターン、ここでは2つのパターンを形成する掘り込み部104aが設けられている。各掘り込み部104aは、所望のパターンと対応するガラス部104E、104Fのそれぞれの両側に配置されている。ここでは、各ガラス部104E、104Fに沿って、それぞれ2本以上のライン状パターンである掘り込み部104aが並行に配置されている。
互いに隣接する2本の掘り込み部104aにおいて、ガラス部104Eから遠い側の掘り込み部104aの線幅は、ガラス部104Eに近い側の掘り込み部104aの線幅よりも大きい。同様に、ガラス部104Fから遠い側の掘り込み部104aの線幅は、ガラス部104Fに近い側の掘り込み部104aの線幅よりも大きい。
この構成により、所望のパターンと対応するガラス部104E、104Fにおける近い位置のそれぞれの実質屈折率をガラスと同程度にまで高くし、一方、遠い位置のそれぞれの実質屈折率をより小さくすることができる。
従って、本実施形態に係るフォトマスク128を用いて露光した際には、所望のパターンと対応するガラス部104E、104Fのそれぞれと対応する位置に、光を効果的に集光することができる。
なお、第2の実施形態において、所望のパターンと対応するガラス部104E、104Fにおける実質屈折率をガラスと同等程度にまで十分に高くすることが望ましい。すなわち、ガラス部104E、104Fの幅寸法は、少なくとも露光波長以上であることが望ましい。さらには、ガラス部104E、104Fの幅寸法は、露光波長の2倍以上の寸法であることが望ましい。
また、光を効果的に集光するために、所望のパターンと対応するガラス部104E、104Fに沿ってそれぞれに並行して設けられた、互いに隣接する2つの掘り込み部104aのいずれか一方の幅と、掘り込み部104a同士の間の間隔(ガラス部)との和が、露光波長の2倍以下であることが望ましい。これは、第1の実施形態と同様である。
また、2つの掘り込み部104aのいずれか一方の幅と、掘り込み部104a同士の間の間隔(ガラス部)との和を露光波長以下とすれば、各焦点116に光を集光する掘り込みパターンをより正確に描けるようになる。これも、第1の実施形態と同様である。
以上説明したように、第2の実施形態に係るフォトマスク128により、該フォトマスク128の開口領域の任意の箇所に、複数の集光パターンを形成することができる。
(第2の実施形態の一変形例)
第2の実施形態においては、各掘り込み部104aの平面形状がライン状であるパターンを例に説明したが、第1の実施形態に係る第2変形例及び第3変形例と同様に、所望のパターンと対応するガラス部104E、104Fのそれぞれの両側方に配置される掘り込み部104aを、各ガラス部104E、104Fから離れるに従ってその実質屈折率が順次低くなるように、孤立パターンである掘り込みパターン124を設けることにより、任意の形状を持つ集光パターンを形成することができる。
すなわち、図20に示すように、所望のパターンと対応するガラス部104E、104Fのそれぞれの両側方に設けられた、露光波長をλとして、面積がλ×λ以下の掘り込みパターン124において、各ガラス部104E、104Fのそれぞれの近傍に設けられたパターンの面積に対して、より遠くに設けられた掘り込みパターン124の面積が大きくなるようにパターンを構成すればよい。この構成により、図20(b)に示す2本のパターン108Dの形成が可能となる。
以上説明したように、第2の実施形態及びその変形例に係るフォトマスク128を用いることにより、該フォトマスク128の開口領域の任意の箇所に任意の形状を持つ集光パターンを形成することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明のフォトマスクを用いた、第3の実施形態に係るパターン形成方法について図21(a)〜図21(d)を参照しながら説明する。本実施形態に係るパターン形成方法には、第1の実施形態及びその変形例、並びに第2の実施形態及びその変形例のいずれかに係るフォトマスクを用いる。
まず、図21(a)に示すように、例えば、被露光基板であるウェハ129の上に、金属膜又は絶縁膜等の被加工膜130を形成する。
次に、図21(b)に示すように、被加工膜130の上に、例えばポジ型のレジスト膜131を塗布し、成膜する。
次に、図21(c)に示すように、例えば、図1(b)に示す第1の実施形態に係るフォトマスク101に対して露光光を照射し、該フォトマスク101を透過した透過光によってレジスト膜131を露光する。ここで、上述したように、フォトマスク101の開口部102bには、フォトマスク101を透過する光を集光する掘り込み部104aが設けられている。
図21(c)に示す露光工程においては、まず、露光光源により、レジスト膜131に対して露光を行なう。このとき、フォトマスク101を透過した露光光は、被露光基板129上で集光され、次工程の現像工程において、レジスト膜131が溶解するに足る露光エネルギーが照射される。
次に、図21(d)に示すように、露光されたレジスト膜131に対して現像を行なって、レジスト膜131における露光された潜像部131aを除去することにより、微細な開口パターン131bを有するレジストパターン131Aを形成する。
第3の実施形態に係るパターン形成方法によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。具体的には、レジスト膜131が塗布されたウェハ129に対して本発明のフォトマスク101を介して近接露光を行なう。このとき、フォトマスク101の開口部102bに設けた掘り込み部104aによって、フォトマスク101を透過する光が集光されて、微細な開口パターン131bを有するパターン形成が可能となる。
なお、本実施形態においては、ポジ型のレジストプロセスを用いたが、これに代えて、ネガ型のレジストプロセスを用いても、同様の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
これまでの各実施形態においては、平板マスクを用いる露光法を前提に説明したが、この方法に限定されない。例えば、ローラー型のフォトマスクを用いた露光法に適用しても、本発明は有効である。
以下、図22(a)及び図22(b)を参照しながら、ローラー型のフォトマスク133を用いた露光装置について説明する。
図22(a)は、ローラー型のフォトマスク133を表している。ローラー型のフォトマスク133は円筒状を有し、該円筒状の内部は空洞133aである。円筒状の側壁部分は、内側がガラス104等の透光性基板により構成され、その外側の表面には、遮光部102aと開口部102bとを有する遮光膜102が形成されている。ガラス104における開口部102bからの露出部分には、マスクパターンが形成されている。マスクパターンは、ガラス104と該ガラス104が選択的に彫り込まれた掘り込み部104aとから構成される。ここで、遮光膜102の開口部102b及び掘り込み部104aが形成されたガラス部104は、以上の実施形態で説明したフォトマスク101、125〜128のいずれかの構成を採る。
次に、図22(b)に、ローラー型のフォトマスク133を用いた露光装置とその動作を示す。ここで、図22(b)は、円筒状のフォトマスク133を一方の端面から見た側面の構成を示している。円筒状の内部である空洞133aには、光源137が設けられている。
ローラー型のフォトマスク133の下方には、被露光基板129が配置される。さらに、本実施形態に係るフォトマスク133は、光源137を中心として回転可能に設けられている。また、被露光基板129は、図面の左右方向(水平方向)に移動可能に配置されている。
このとき、円筒状のフォトマスク133の回転速度と被露光基板129の移動速度とを同期させて、円筒状の側壁に描かれたパターンを被露光基板129に露光する機構を有している。
本実施形態に係る露光装置によれば、ローラー型フォトマスク133における遮光膜102の露出部分に掘り込み部104aを形成することにより、フォトマスク133から所定の距離だけ離れた位置に、フォトマスク133を透過した光を集光することができる。このため、大面積にわたって微細パターンを形成することが可能となる。
以上説明したように、本発明によると、フォトマスクを透過した光を該フォトマスクから所定の距離だけ離れた位置に集光させることができ、近接露光のような簡易な露光においても、従来のフォトマスクで形成可能な限界寸法よりも小さなパターンを形成することができる。また、掘り込みパターンによるレンズ作用を利用することにより、所定の焦点位置に転写像を形成できるため、従来技術では光が十分な強度で透過しない小さな開口寸法に対する等倍の投影露光であっても集光像を形成することができ、微細パターンが形成可能になる。
本発明に係るフォトマスク、それを用いたパターン形成方法及び露光装置は、近接露光のような簡易な露光法においても、従来のフォトマスクで形成可能な限界寸法よりも小さなパターンを形成できるため、低コストでの微細加工が可能となる。また、微細加工が可能となった近接露光及び等倍の投影露光を大面積加工に容易に適用できるため、半導体のみならず、映像パネルや太陽光発電等のエネルギー素子を始めとする大面積素子の低コストでの微細加工等に有用である。
101 フォトマスク
102 遮光膜
102a 遮光部
102b 開口部
104 透光性基板(ガラス)
104a 掘り込み部
104A、104B、104C、104D、104E、104F ガラス部
105 高屈折率膜
105a 掘り込み部
106、106A 屈折率分布レンズ
107 外枠部
108A、108B、108C、108D パターン
109 透明体
110 第1の光路
111 第2の光路
112 第3の光路
113 中心部
114 周縁部
115 半径rの位置
116 焦点
117 第1の透明体
118 第1の光路
119 第2の透明体
120、120A、120B、120C 空気層
121 第2の光路
122 第3の透明体
123 第2の光路
124 掘り込みパターン
125 フォトマスク
126 フォトマスク
127 フォトマスク
128 フォトマスク
129 被露光基板
130 被加工膜
131 レジスト膜
131A レジストパターン
131a 潜像部
131b 開口パターン
133 ローラー型フォトマスク
133a 空洞
137 光源
140 第1のパターン
141 第2のパターン

Claims (22)

  1. 透光性を有する基板と、
    前記基板の上に形成され、遮光部と透光領域となる開口部とを有する遮光膜とを備え、
    前記基板における前記開口部からの露出領域には、複数の掘り込み部が形成され、
    前記複数の掘り込み部は、該複数の掘り込み部を透過した光が所定の位置に焦点を結ぶように、それぞれの幅が前記焦点から離れるに従って大きく形成されているフォトマスク。
  2. 請求項1において、
    前記複数の掘り込み部は、前記開口部の互いに対向する2辺に沿って線状にパターニングされており、
    互いに隣接する2つの前記掘り込み部のうち、前記遮光部と前記開口部との境界部に近い側の第1の掘り込み部の線幅は、前記境界部から遠い側の第2の掘り込み部の線幅よりも大きいフォトマスク。
  3. 請求項2において、
    前記第2の掘り込み部の線幅は、前記第1の掘り込み部の線幅の0.9倍以下であるフォトマスク。
  4. 請求項2又は3において、
    前記第1の掘り込み部の線幅は、露光波長の2倍以下であるフォトマスク。
  5. 請求項2〜4のうちのいずれか1項において、
    前記第2の掘り込み部の線幅は、露光波長以下であるフォトマスク。
  6. 請求項2〜5のうちのいずれか1項において、
    前記第1の掘り込み部の線幅及び前記第2の掘り込み部の線幅は、露光波長以下であるフォトマスク。
  7. 請求項2〜6のうちのいずれか1項において、
    前記第1の掘り込み部と前記第2の掘り込み部との間隔は、露光波長以下であるフォトマスク。
  8. 請求項2〜7のうちのいずれか1項において、前記第1の掘り込み部と前記第2の掘り込み部との間隔と前記第2の掘り込み部の線幅との和は、露光波長以下であるフォトマスク。
  9. 請求項2〜8のうちのいずれか1項において、前記第1の掘り込み部と前記境界部との距離は、露光波長以下であるフォトマスク。
  10. 請求項2〜9のうちのいずれか1項において、前記第1の掘り込み部は、前記境界部と接しているフォトマスク。
  11. 請求項1において、
    前記複数の掘り込み部のうちの第1の掘り込み部は、前記開口部の互いに対向する2辺に沿って線状にパターニングされており、
    前記複数の掘り込み部のうちの第2の掘り込み部は、各パターンの面積がλ×λ(但し、λは露光波長である。)以下で描かれたパターンの集合体からなり、
    前記第1の掘り込み部は、前記遮光部と前記開口部との境界部に近い側に位置し、
    前記第2の掘り込み部は、前記第1の掘り込み部を介在させて、前記境界部から遠い側に位置するフォトマスク。
  12. 請求項11において、
    互いに隣接する前記第2の掘り込み部同士の間隔は、露光波長以下であるフォトマスク。
  13. 請求項11又は12において、
    互いに隣接する前記第1の掘り込み部と前記第2の掘り込み部との間隔は、露光波長以下であるフォトマスク。
  14. 請求項11〜13のうちのいずれか1項において、
    前記第1の掘り込み部と前記境界部との距離は、露光波長以下であるフォトマスク。
  15. 請求項1において、
    前記複数の掘り込み部は、各パターンの面積がλ×λ(但し、λは露光波長である。)以下で描かれたパターンの集合体からなり、
    前記複数の掘り込み部のうちの第1の掘り込み部の総面積は、前記複数の掘り込み部のうちの第2の掘り込み部の総面積よりも大きく、
    前記第1の掘り込み部は、前記遮光部と前記開口部との境界部に近い側に位置し、
    前記第2の掘り込み部は、前記第1の掘り込み部を介在させて、前記境界部から遠い側に位置するフォトマスク。
  16. 請求項15において、
    互いに隣接する前記第1の掘り込み部と前記第2の掘り込み部との間隔は、露光波長以下であるフォトマスク。
  17. 透光性を有する基板と、
    前記基板の上に形成され、遮光部と透光領域となる開口部とを有する遮光膜とを備え、
    前記基板における前記開口部からの露出領域には、複数の掘り込み部が形成され、
    前記複数の掘り込み部のうちの第1の掘り込み部は、該第1の掘り込み部を透過した光が所定の位置に第1の焦点を結ぶように、前記第1の掘り込み部のそれぞれの幅が前記第1の焦点から離れるに従って大きく形成されており、
    前記複数の掘り込み部のうちの第2の掘り込み部は、該第2の掘り込み部を透過した光が所定の位置に前記第1の焦点とは異なる第2の焦点を結ぶように、前記第2の掘り込み部のそれぞれの幅が第2の焦点から離れるに従って大きく形成されているフォトマスク。
  18. 請求項17において、
    前記複数の掘り込み部は、前記開口部の互いに対向する2辺に沿って線状にパターニングされており、
    互いに隣接する2つの前記第1の掘り込み部のうち、前記遮光部と前記開口部との境界部に近い側の掘り込み部の線幅は、前記境界部から遠い側の掘り込み部の線幅よりも大きく、
    互いに隣接する2つの前記第2の掘り込み部のうち、前記境界部に近い側の掘り込み部の線幅は、前記境界部から遠い側の掘り込み部の線幅よりも大きいフォトマスク。
  19. 請求項17において、
    前記複数の掘り込み部は、各パターンの面積がλ×λ(但し、λは露光波長である。)以下で描かれたパターンの集合体からなり、
    互いに隣接する2つの前記第1の掘り込み部のうち、前記遮光部と前記開口部との境界部に近い側の掘り込み部の総面積は、前記境界部から遠い側の掘り込み部の総面積よりも大きく、
    互いに隣接する2つの前記第2の掘り込み部のうち、前記境界部に近い側の掘り込み部の総面積は、前記境界部から遠い側の掘り込み部の総面積よりも大きいフォトマスク。
  20. 請求項1〜19のうちのいずれか1項において、
    前記掘り込み部の深さは、露光波長の2分の1よりも大きいフォトマスク。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のフォトマスクを用いたパターン形成方法であって、
    被露光基板の上にレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜に、前記フォトマスクを介して露光光を照射する工程と、
    前記露光光を照射された前記レジスト膜を現像することにより、レジストパターンを形成する工程とを備えているパターン形成方法。
  22. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のフォトマスクを用いた露光装置であって、
    前記フォトマスクは、内部に露光光源が配置された空洞を有する円筒状のマスク基板として構成され、
    前記フォトマスクを回転させる回転機構と、
    被露光基板を、前記フォトマスクに対して相対的に移動させる移動機構とを備え、
    前記回転機構により前記フォトマスクを回転させると共に、前記移動機構により前記被露光基板を移動させながら、前記被露光基板に対して露光を行う露光装置。
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