JP6400263B1 - 保護リレー - Google Patents

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Abstract

保護リレーにおいてデジタル処理部(80)は、電力系統の電流または電圧を表す時系列データに基づいてリレー演算を行う。デジタル処理部(80)は、時系列データのうち直流成分を除去して第1の窓長を有する第1フィルタ(81)と、時系列データのうち直流成分を除去して第1の窓長より短い第2の窓長を有する第2フィルタ(82)とを備える。デジタル処理部(80)は、さらに、第1フィルタ(81)の出力信号の振幅値と第2フィルタ(82)の出力信号の振幅値とをそれぞれ第1および第2係数(k1,k2)倍して合成する係数演算部(90)を備える。動作判定部(95)は、係数演算部(90)の出力に基づいて動作判定を行う。ここで、電力系統の故障が検出されたときに、第1係数(k1)は減少し、第2係数(k2)は増加し、その後、時間経過とともに第1係数(k1)および第2係数(k2)が変化する。

Description

この開示は、保護リレーに関し、たとえば、電力系統の保護に用いられるデジタル保護リレーに関するものである。
デジタル保護リレーは、電力系統の電圧または電流のサンプル値をA/D(Analog-to-Digital)変換するA/D変換器と、A/D変換後のサンプル値から基本波成分以外の直流成分などを取り除くデジタルフィルタとを備える。ここで、デジタルフィルタ処理に使用する複数のデータ点のうち、最も新しい現時点のデータ点から最も古いデータ点までの時間幅を窓長と称する。
リレー演算の精度を高めるためには、窓長の長いデジタルフィルタを用いて不要成分の減衰率を高めたほうが望ましい。しかしながら、そうすると、応答時間が長くなるという問題が生じる。
上記の問題を考慮して、窓長の異なる複数のデジタルフィルタを組み合わせて用いるという手法が公知となっている。たとえば、特開昭60−204219号公報(特許文献1)は、系統故障を検出してから第1時刻までは窓長の短い第1フィルタを用い、第1時刻から第2時刻までは窓長が中程度の第2フィルタを用い、第2時刻からは窓長が長い第3フィルタを用いることを開示する。
また、特開2011−250518号公報(特許文献2)に開示された過電流リレーは、第1過電流判定部と第2過電流判定部とを備える。第1過電流判定部は、第1期間の電流データを用いて計算した実効値と第1の判定閾値とを比較することにより動作判定を行う。第2過電流判定部は、第1期間よりも短い第2期間の電流データを用いて計算した実効値と、第1の判定閾値よりも高い第2の判定閾値と比較することにより動作判定を行う。過電流リレーは、第1過電流判定部および第2過電流判定部の各々の動作判定結果のうち早いほうのタイミングで出力された動作判定結果に基づいて動作出力を生成する。
特開昭60−204219号公報 特開2011−250518号公報 特開平01−227613号公報
電力系統の故障発生時のように電流の大きさが急激に変化する場合に窓長の短いデジタルフィルタを使用すると、振幅値計算結果にオーバーシュートが生じる。この結果、保護リレーの動作判定に誤りが生じる場合がある。
上記の特許文献1の保護リレーの場合にはフィルタを切り替える第1および第2時刻を調整することにより、上記の特許文献2の保護リレーの場合には第1および第2の判定閾値の設定を調整することにより、オーバーシュートの判定精度への影響を抑制することが可能である。しかしながら、フィルタの切替え時刻を調整したり、動作判定のための判定閾値を調整したりするだけでは限界があり、動作判定精度をさらに高めることは困難である。
この開示は、上記の問題点を考慮したものであり、その目的は、応答速度と動作判定精度とを両立することが可能な保護リレーを提供することである。
一実施形態による保護リレーは、電力系統の電流または電圧を表す信号を検出してA/D変換することにより、時系列データを生成するアナログ入力回路と、時系列データに基づいたデジタル処理を行う演算回路とを備える。演算回路は、第1フィルタと、第2フィルタと、係数演算部と、動作判定部と、係数設定部とを含む。第1フィルタは、時系列データのうち直流成分および電力系統の少なくとも一部の次数の高調波成分を減衰または除去して電力系統の基本波成分の少なくとも一部を通過させ、第1の窓長を有する。第2フィルタは、時系列データのうち直流成分および電力系統の少なくとも一部の次数の高調波成分を減衰または除去して電力系統の基本波成分の少なくとも一部を通過させ、第1の窓長より短い第2の窓長を有する。係数演算部は、第1フィルタの出力信号に基づく値に第1係数を乗算し、第2フィルタの出力信号に基づく値に第2係数を乗算し、乗算結果を合成する。動作判定部は、係数演算部による合成結果に基づいて動作判定を行う。係数設定部は、第1係数および第2係数を設定する。係数設定部は、電力系統の故障が検出されたときに、第1係数を減少させかつ第2係数を増加させ、その後、時間経過とともに第1係数および第2係数を変化させる。
上記の実施形態によれば、第1フィルタに乗算する第1係数および第2フィルタに乗算する第2の係数を、故障検出時からの時間経過とともに変化させることによって、応答速度と動作判定精度とを両立することが可能になる。
保護リレーを備えた電力系統の構成例を示す図である。 図1の保護リレーのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 図2の演算回路によって実現されるデジタル処理を説明する機能ブロック図である。 図3の変形例を示す機能ブロック図である。 図2の演算回路による処理手順を示すフローチャートである。 フル・サイクル・コサイン・フィルタのゲイン特性を示す図である。 60°差分フィルタのゲイン特性を示す図である。 実施の形態2における係数値k1,k2の設定例を示す図である。 シミュレーションにおけるフィルタ入力波形を示す図である。 図9の入力波形に対するフィルタ出力波形を示す図である。 図10のフィルタ出力波形に基づく振幅値の演算結果を示す図である。 係数値k1,k2の決定手順を示すフローチャートである。 180°加算フィルタのゲイン特性を示す図である。 180°加算フィルタの出力波形の一例を示す図である。 実施の形態3における係数値k1,k2の設定例を示す図である。 図15に示す係数値k1,k2の設定において、図9の入力信号波形に対するフィルタ出力信号波形の振幅値演算結果を示す図である。 実施の形態4における係数値k1,k2の設定例を示す図である。 図17に示す係数値k1,k2の設定において、図9の入力信号波形に対するフィルタ出力信号波形の振幅値演算結果を示す図である。 実施の形態5の保護リレーにおいて、図2の演算回路によって実現されるデジタル処理を説明する機能ブロック図である。 図19のデジタル処理部の処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態5の保護リレーにおいて、図9の入力信号波形に対するフィルタ出力波形を示す図である。 図21のフィルタ出力波形に基づく振幅値の演算結果を示す図である。
以下、各実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。以下の説明では、主として過電流リレーを例に挙げて説明するが、この開示は過電流リレーに限定して適用されるものではない。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰り返さない場合がある。
実施の形態1.
[電力系統の構成例]
図1は、保護リレーを備えた電力系統の構成例を示す図である。図1を参照して、送電線40の一端には電源42が設けられる。なお、送電線40は三相送電線であるが図1では図解を容易にするために1本の線で示している。
送電線40には電流変成器(CT:Current Transformer)CTが設けられる。さらに、送電線40上には、遮断器(CB:Circuit Breaker)43が設けられる。
保護リレー50は、送電線40を流れる三相交流電流を表す信号を電流変成器CTから取得する。保護リレー50は、取得した電流信号をサンプリングしてA/D(Analog to Digital)変換することによって電流データを生成する。電流データを電流時系列データ、または、単に時系列データと称する場合がある。保護リレー50は、生成した電流データに基づいて過電流リレー演算を行い、この結果、異常を検知した場合には遮断器43を開路するためのトリップ信号を出力する。以上は、過電流リレーの場合について説明したが、他のリレー要素の場合(たとえば、三相交流電圧に基づく電圧データを使用する場合)についても同様である。
[保護リレーのハードウェア構成の一例]
図2は、図1の保護リレーのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2の保護リレー50は、いわゆるデジタルリレー装置と同様の構成を有している。具体的に図2を参照して、保護リレー50は、アナログ入力回路51と、演算回路60と、I/O(Input and Output)回路70とを備える。
アナログ入力回路51は、入力トランス52と、アナログフィルタ(AF:Analog Filter)54_1,54_2,…,54_nと、サンプルホールド回路(S/H:Sample Hold Circuit)55_1,55_2,…,55_nと、マルチプレクサ(MPX:Multiplexer)56と、A/D変換器57と、DMA(Direct Memory Access)コントローラ58とを含む。
入力トランス52は、入力チャンネルごとに補助変成器53_1,53_2,…,53_nを備える。入力トランス52は、図1の電流変成器CTからの電流信号が入力される。各補助変成器53は、電流変成器CTからの電流信号をアナログ入力回路51および演算回路60での信号処理に適した電圧レベルの信号に変換する。アナログフィルタ54およびサンプルホールド回路55は、入力信号のチャンネルごとに設けられる。
各アナログフィルタ54は、A/D変換の際の折返し誤差を除去するために設けられたローパスフィルタである。各サンプルホールド回路55は、対応のアナログフィルタ54を通過した信号を規定のサンプリング周波数でサンプリングして保持する。サンプリング周波数は、たとえば、4800Hzである。
マルチプレクサ56は、サンプルホールド回路55_1,55_2,…,55_nに保持された電圧信号を順次選択する。A/D変換器57は、マルチプレクサ56によって選択された信号をデジタル値に変換する。
DMAコントローラ58は、A/D変換器57から出力されたデジタルデータをRAM62に転送する。
演算回路60は、CPU(Central Processing Unit)61と、RAM(Random Access Memory)62と、ROM(Read Only Memory)63と、メモリ64と、これらを接続するバス65とを含む。CPU61は、プログラムに従って動作することにより、保護リレー50の全体の動作を制御する。RAM62およびROM63は、CPU61の主記憶として用いられる。メモリ64は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを用いることにより、プログラムおよび信号処理用の設定値などを収納することができる。
なお、演算回路60は、何らかの回路によって構成されていればよく、図2の例には限定されない。たとえば、演算回路60は、複数のCPUを備えていてもよい。また、演算回路60は、CPUなどのプロセッサに代えて、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成されていてもよいし、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)によって構成されていてもよい。もしくは、演算回路60は、プロセッサ、ASIC、およびFPGAのうちのいずれかの組み合わせによって構成されていてもよい。
I/O回路70は、デジタル入力(D/I:Digital Input)回路71と、デジタル出力(D/O:Digital Output)回路72とを含む。デジタル入力回路71およびデジタル出力回路72は、CPU61と外部装置との間で通信を行う際のインターフェース回路である。たとえば、デジタル出力回路72は、図1に示す自端側の遮断器43Aまたは43Bにトリップ信号を出力する。
[デジタル処理部の構成]
次に、演算回路60で実現されるデジタル処理の内容について詳しく説明する。以下の機能は、CPU61がプログラムに従って動作することによって実現されるものとして説明するが、前述のように、演算回路60は、ASICまたはFPGAなどによって実現されていてもよい。また、以下では、主として過電流リレーを例に挙げて説明するが、本開示は過電流リレーに限定されるものではない。
図3は、図2の演算回路によって実現されるデジタル処理部の構成を示す機能ブロック図である。図3を参照して、デジタル処理部80は、第1フィルタ81と、第2フィルタ82と、第3フィルタ83と、振幅値演算部84,85と、故障判定部86と、係数演算部90と、動作判定部95とを含む。デジタル処理部80には、RAM62に取り込まれた時系列データ79(すなわち、電力系統の電流データおよび/または電圧データ)が入力される。図3の例では、時系列データ79は、電力系統の電流データである。
第1フィルタ81および第2フィルタ82の各々は、有限インパルス応答(FIR:Finite Impulse Response)フィルタとして構成することが可能なデジタルフィルタである。第1フィルタ81および第2フィルタ82は、時系列データ79からリレー演算およびリレー特性に障害となる直流成分および少なくとも一部の次数の高調波成分を除去するように構成される。リレー演算に必要な電力系統の基本波成分については、第1フィルタ81および第2フィルタ82は、少なくともその一部を通過させる。特に、第1フィルタ81は、直流成分を阻止またはできるだけ減衰させ、電力系統の高調波成分をできるだけ減衰させ、電力系統の基本波成分をできるだけ通過させるように構成される。第2フィルタ82の周波数特性は、第1フィルタ81の周波数特性と異なっていてもよい。具体的に、第2フィルタ81は直流成分を阻止またはできるだけ減衰させるが、第2フィルタ82の高調波成分の減衰率は第1フィルタ81の高調波成分の減衰率よりも小さくてよい。
さらに、第1フィルタ81の窓長は、第2フィルタ82の窓長よりも長い点に特徴がある。
たとえば、リレー演算周期Tを電気角で30度とし、現時点の電流値i(t)と現時点よりも60°前の電流値i(t−2T)との差分によってフィルタ関数が表されるとする。この場合、窓長は、2T=60°である。なお、以下の説明では、i(t−2T)を簡単にi(t−2)と記載する場合がある。
上記のように、第1フィルタ81の窓長のほうが第2フィルタ82の窓長よりも長いので、第1フィルタ81のほうが第2フィルタ82に比べて、高調波成分をより減衰させることができ、基本波成分を精度良く取り出すことができる。逆に第2フィルタ82の出力には、高調波成分が第1フィルタ81の場合と比べて減衰されずに含まれている。したがって、故障発生で電流が急増したときの時系列データを用いて振幅値演算を行う場合には、過渡的に高調波成分が含まれるので、第1フィルタ81を通過したデータを用いたほうが、第2フィルタ82を用いるよりも精度良く演算を行うことができる。
一方、入力された時系列データ(電流データおよび/または電圧データ)が変化したときの応答性は、第1フィルタ81のほうが第2フィルタ82よりも遅い。第1フィルタ81は、電力系統の故障発生の直後は(具体的に、窓長に対応する時間の間)、故障発生前のデータと故障発生後のデータとの両方を用いてフィルタ演算を行うことになる。
第3フィルタ83は、FIRフィルタとして構成することが可能なデジタルフィルタである。第3フィルタ83は、第2フィルタ82の出力データから基本波成分を除去することで故障発生時の急変を検出する。第3フィルタ83は、基本成分以外の成分のうち少なくとも一部を出力する。ただし、第3フィルタ83の出力は、故障判定に用いられるので、故障発生時には一定時間以上異常出力が持続するよう構成される。
第1の振幅値演算部84は、第1フィルタ81から出力された時系列データを用いて振幅値演算を行う。第2の振幅値演算部85は、第2フィルタ82から出力された時系列データを用いて振幅値演算を行う。振幅値演算の方法は、とくに限定されないが、たとえば、特開平01−227613号公報(特許文献3)に記載された方法を用いることができる。
具体的に、現時点の電流値をi(t)とし、現時点よりも電気角で30°前、60°前、90°前の電流値をそれぞれi(t−1),i(t−2),i(t−3)とすれば、電流振幅Iは、
2=[i(t-1)・i(t-2)−i(t)・i(t-3)]/[sin30°・sin60°] …(1)
で求めることができる。より、一般的な表式は上記の特許文献3に開示されている。
故障判定部86は、第3フィルタ83の出力に基づいて、電力系統で故障が生じているか否かを判定する。たとえば、故障判定部86は、第3フィルタ83の出力の大きさが閾値を超えたときに電力系統で故障が生じていると判定する。第3フィルタ83は、基本波成分を除去するので、時系列データの振幅が変化しないときには、その出力の大きさはほぼ0となる。電力系統で故障が生じると電流の大きさおよび位相が大きく変化するために過渡的に高調波成分が生じたかのようになり、第3フィルタ83は閾値を超える大きさの信号を出力する。
係数演算部90は、乗算器91,乗算器92と、加算器94と、係数設定部93とを含む。
乗算器91は、振幅値演算部84から出力された第1フィルタ81の振幅値(すなわち、DF(t)long)に係数k1を乗算する。同様に、乗算器92は、振幅値演算部85から出力された第2フィルタ82の振幅値(すなわち、DF(t)short)に係数k2を乗算する。加算器94は、乗算器91の出力であるk1*DF(t)longと、乗算器92の出力であるk2*DF(t)shortとを加算し、加算結果を出力する。
係数設定部93は、係数k1,k2と故障検出後の経過時間との間の予め定められた対応関係に従って、係数k1,k2の値を設定する。この対応関係は、テーブルまたは数式の形でメモリに格納されている。
具体的に、係数設定部93は、故障判定部86から電力系統の故障が通知されていない場合には、たとえば、k1=1、k2=0に設定する。これによって、窓長のより長い第1フィルタ81の出力値を用いて演算された電流振幅に基づいて過電流の有無が判定される。したがって、たとえば、突発的なサージ電流などによって過電流リレーが誤動作しないようにすることができる。
一方、係数設定部93は、故障判定部86から電力系統の故障が通知されると、係数k1を急激に減らし、係数k2を急激に増やす。たとえば、k1=0、k2=1に設定される。これによって、保護リレー50の応答性を増すことができる。その後、係数設定部93は、時間の経過とともに徐々に係数k1,k2の値を変化させ、最終的に元の係数k1,k2の値もしくはそれに近い値(たとえば、k1=1,k2=0)まで変化させる。このように、係数k1,k2の値を徐々に変化させることによって、オーバーシュートの量を減らすことができる。
図4は、図3の変形例を示す機能ブロック図である。図4のデジタル処理部80Aは、第2フィルタ82の出力に代えて、RAM62取り込まれた時系列データ79(すなわち、電力系統の電流データおよび/または電圧データ)が第3フィルタ83に入力される点で、図3のデジタル処理部80と異なる。図4のその他の点は図3と同じであるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。図4の構成であっても、図3の場合とほぼ同様の機能を奏することができる。
[デジタル処理部の動作]
図5は、図2の演算回路による処理手順を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、図3および図4のデジタル処理部の動作を時系列順に示したものである。図5の各ステップは、図2のCPU61によって実行される。
まず、図5のステップS10において、CPU61は、係数k1,k2を電力系統で故障が生じていない場合の初期値に設定する。たとえば、CPU61は、k1=1,k2=0に設定する。窓長のより長い第1フィルタ81の出力を用いることによって、サージ電流などに基づく誤判定を防止することができる。
次のステップS20において、CPU61は、フィルタ演算に必要なデータをRAM62から取り出す。前述のとおり、電力系統から検出され、A/D変換された時系列の電流データおよび/または電圧データは、RAM62に格納されている。
その次のステップS30において、CPU61は、読み出したデータを用いて、前述の第1フィルタ81、第2フィルタ82、および第3フィルタ83としてフィルタ演算を行う。
第1フィルタ81および第2フィルタ82は、直流成分および特定の高調波成分を除去するFIRフィルタである。故障発生時には、過渡的に直流成分および高調波成分が大きく増加するので、振幅値演算の演算誤差を低減するために、直流成分および高調波成分を除去することが重要である。さらに、第1フィルタ81および第2フィルタ82は、第1フィルタ81の窓長の方が第2フィルタ82フィルタの窓長よりも長いという特徴を有している。第1フィルタ81および第2フィルタ82は共に基本波成分の少なくとも一部を通過させるが、フィルタ毎に透過の大きさは異なる。各フィルタを基本波成分に対して規格化した場合、第2フィルタ82は第1フィルタ81と比べて、高調波成分の減衰が少なく、また、ある高調波成分の値が基本波よりも大きくなることがある。また、入力が急変した場合、窓長のより短い第2のフィルタほうが出力がより早く故障後のデータに追随するが、オーバーシュート(すなわち、振幅値演算結果が実際の入力より過渡的に大きくなること)を起こしやすい。
第3フィルタ83は、基本波成分を除去するFIRフィルタである。電力系統の電流の大きさが変化していない場合には、第3フィルタ83の出力の大きさはほぼ0である。電力系統で故障が発生したときに、電流が大きく変化するので、基本波以外の成分が増加する。この結果、第3フィルタ83の出力の大きさが電流の急変量に応じて増加する。
その次のステップS40において、CPU61は、第1フィルタ81の出力信号の振幅値を計算し、第2フィルタ82の出力信号の振幅値を計算する。振幅値演算の方法として、公知のいずれの方法を用いてもよく、特に限定されない。
その次のステップS50において、CPU61は、第3フィルタ83の出力に基づいて電力系統で故障が発生しているか否かを判定する。たとえば、CPU61は、第3フィルタ83の出力の大きさが予め設定された閾値を超えた状態が、予め定められた照合期間(たとえば、2T)の間継続したときに、電力系統で故障が発生したと判定する。
上記の判定の結果、電力系統の故障が検出されなかった場合には(ステップS50でNO)、ステップS70において、CPU61は、初期設定された係数k1,k2の値を用いて、第1フィルタ81の出力信号の振幅値DF(t)longを係数k1倍し、第2フィルタ82の出力信号の振幅値DF(t)shortを係数k2倍する。CPU61は、これらの乗算結果を互いに加算する。そして、次のステップS80において、CPU61は、加算結果に基づいて動作判定を行う。この場合、加算結果はほぼ第1フィルタ81の出力によって決まるので、突発的なサージ電流などによって過電流リレーが誤判定することを防止することができる。その後、ステップS20からの手順が繰り返される。
一方、ステップS50の判定の結果、電力系統の故障が検出された場合には、CPU61は、故障検出時刻からの時間経過に応じて、予め作成されたテーブルまたは数式に基づいて係数k1,k2の値を変更する(ステップS60)。具体的には、故障検出時点において、CPU61は、係数k1に対する係数k2の比率を高め、最終的に係数k1に対する係数k2の比率を下げる。この場合、k1+k2=1の関係を満たすように変化させてもよい。
次のステップS70において、CPU61は、ステップS60で変更された係数k1,k2の値を用いて、k1*DF(t)long+k2*DF(t)shortを計算する。次のステップS80において、CPU61は、ステップS70での計算結果に基づいて動作判定を行う。たとえば、乗算結果が閾値を超えている場合には、CPU61は、動作フラグを1に設定することによって、遮断器を開路させる。
[実施の形態1の効果]
以上のとおり、実施の形態1の保護リレーによれば、互いに窓長の異なる第1フィルタ81および第2フィルタ82を利用し、第1フィルタ81の出力信号のk1倍と第2フィルタ82の出力信号のk2倍との和に基づいて動作判定が行われる。電力系統に故障が検出されたときには、前記第1係数を減少させかつ前記第2係数を増加させ、その後、時間の経過とともに前記第1係数および前記第2係数を変化させるようにする。これにより、オーバーシュートの発生を抑制することができ、応答速度と動作判定精度とを両立することが可能な保護リレーを提供することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1で説明した第1フィルタ81、第2フィルタ82、おおよび第3フィルタ83の具体例と、係数k1,k2の具体的な設定方法について説明する。
[第1および第2フィルタの具体例]
(第1フィルタ81)
具体的に、第1フィルタ81としてフル・サイクル・コサイン・フィルタ(Full Cycle Cosine Filter)が用いられる。リレー演算周期Tを電気角で30°としたとき、フル・サイクル・コサイン・フィルタは、
i(t)+i(t-1)・cos30°+i(t-2)・cos60°+i(t-3)・cos90°+i(t-4)・cos120°
+i(t-5)・cos150°+i(t-6)・cos180°+i(t-7)・cos210°+i(t-8)・cos240°
+i(t-9)・cos270°+i(t-10)・cos300°+i(t-11)・cos330° …(2)
のように表される。したがって、フル・サイクル・コサイン・フィルタの窓長は電気角で330°である。
図6は、フル・サイクル・コサイン・フィルタのゲイン特性を示す図である。図6において、横軸は電力系統の定格周波数fで規格化した周波数であり、縦軸はゲインである。図6に示すように、直流成分と定格周波数fの整数倍の高調波成分は完全に除去される。また、基本波成分は減衰されずに通過する。また、位相特性に関して、定格周波数の信号は360°遅延して出力される。
(第2フィルタ82)
第2フィルタ82として、60°差分フィルタが用いられる。60°差分フィルタは、
i(t)−i(t-2) …(3)
で表される。ただし、リレー演算周期Tを電気角で30°としている。したがって、60°差分フィルタの窓長は電気角で60°である。
図7は、60°差分フィルタのゲイン特性を示す図である。図7に示すように、直流成分は完全に減衰するが、基本波成分の信号は60°差分フィルタを通過するけれども減衰される。また、位相特性に関して、定格周波数の信号は60°位相が進んだ状態で出力される。
[係数k1,k2の設定方法]
図8は、実施の形態2における係数値k1,k2の設定例を示す図である。図8(A)では係数値k1,k2を表形式で示し、図8(B)では数値k1,k2をグラフで示す。図8(A)では、電力系統の故障検出後の経過時間がリレー演算周期T(Tは電気角で30°に対応する)を基準にして示されている。すなわち、故障検出から1Tの時間が経過した以降において係数値k1,k2が変化する。
図8(B)に示すように、電力系統の故障が検出されたときに、係数設定部93は、第1係数k1を急激に減少させかつ第2係数k2を急激に増加させる。その後、係数設定部93は、第1係数k1を増加させかつ第2係数k2を減少させた後に、再び第1係数k1を減少させかつ第2係数k2を増加させる。係数設定部93は、その後、第1係数を増加させかつ第2係数を減少させる。このように係数k1,k2を変化させることによって、係数演算部90の出力信号に生じるオーバーシュートを減らすことができる。
具体的な係数k1,k2の値は、シミュレーションによって求められる。以下、その方法を具体的に説明する。
図9は、シミュレーションにおけるフィルタ入力波形を示す図である。一般に、電力系統で故障が生じた場合の電流値は、交流成分と直流成分との重ね合わせによって表される。図1の送電線40の抵抗成分をRとし、インダクタンス成分をLとすると、直流成分が変化する時定数τはL/Rで表される。ここで、ψ=tan-1ωL/R(ただし、ωは電力系統の基本波の角周波数)とし、故障発生時の瞬時電圧位相をφとすれば、直流成分の大きさは、φ−ψ=90°または270°のとき(一般に電圧の瞬時値が0付近のとき)最大になる。
シミュレーションでは、このように直流成分の大きさが最大のときの電流波形が仮想のフィルタ入力波形として用いられる。そして、このような最も厳しい条件でも良好な応答性および精度が得られるように、係数k1,k2が決定される。
具体的に、図9に示す入力電流波形は、
i(t)=0 ただし、0≦t<0.05(秒) …(4A)
i(t)=sin(ωt)+exp(−t/τ) ただし、t≧0.05(秒)
…(4B)
によって表される。時刻t=0.05(秒)において、1相地絡などの単純故障が生じたと仮定している。系統周波数fを50Hzとし、リレー演算周期Tを1.667msec(対応する電気角を30°)とする。
図10は、図9の入力波形に対するフィルタ出力波形を示す図である。図10では、入力信号波形を破線で示し、フル・サイクル・コサイン・フィルタの出力波形を太い実線で示し、60°差分フィルタの出力波形を細い実線で示している。
図11は、図10のフィルタ出力波形に基づく振幅値の演算結果を示す図である。図11では、第1フィルタ81の出力信号の振幅値DF(t)longを太い破線で示し、第2フィルタ82の出力信号の振幅値DF(t)shortを細い破線で示し、係数演算部90の出力信号の振幅値(k1*DF(t)long+k2*DF(t)short)を実線で示している。係数k1,k2は、図8に示したものであるが、以下のように決定される。
まず、時刻t=0.05で故障が発生する。故障発生と同時に故障判定部86によって電力系統の故障が検出される。ただし、突発的なサージ電流などによって誤動作しないようにするために、故障判定部86は、2T(Tはリレー演算周期)の期間、故障状態が継続した場合に(すなわち、時刻t=0.0533秒において)故障検出を報知する。言い替えると、故障発生時、故障発生から1T経過後、および故障発生から2T経過後の3回にわたって、故障判定部86は、第3フィルタ83の出力異常を検知し、これにより故障検出を報知する。この明細書では、この2Tの期間を照合期間と称する。遅延時間が2Tのオンディレイタイマーが故障判定部86の後段に設けられていると考えることもできる。
故障検出時までは第1係数k1は1に設定され、かつ第2係数k2は0に設定される。故障検出から1Tの時間経過後から(すなわち、時刻t=0.055秒から)、係数演算部90の出力信号の振幅値が入力時系列データの振幅である1に等しくなるように(すなわち、オーバーシュートしないように)係数k1,k2が決定される。この結果、図11に示すように、係数演算部90の出力信号の振幅値は、故障発生後に、入力信号の振幅値まで急激に増加し、その後、ほとんど変化しないように係数k1,k2を設定することができる。
図12は、係数値k1,k2の決定手順を示すフローチャートである。図12の各ステップはプログラムに従って動作するコンピュータによって実現可能である。
まず、ステップS100において、コンピュータは、前述の式(4A)および(4B)に従って仮想の時系列データを入力信号として生成する。この仮想時系列データは、故障時に電力系統の直流成分が最大になる場合に対応している。
次のステップS110において、コンピュータは、入力された時系列データに基づいて、第1フィルタ81および第2フィルタ82の出力波形を計算する。その次のステップS120において、コンピュータは、第1フィルタ81の出力信号の振幅値DF(t)longの時間変化波形と、第2フィルタ82の出力信号の振幅値DF(t)shortの時間変化波形とを計算する。
次のステップS130において、コンピュータは、故障発生時刻(t=0.05秒)から2T(Tはリレー演算周期)が経過した、t=0.05+2Tにおいて、故障判定部86が故障を検出したと仮定する。故障検出時刻まで係数値k1=1かつk2=0に設定される。
次のステップS140において、コンピュータは、たとえば、故障検出から1Tが経過した時点を開始時刻として、その後、係数演算部90の出力信号の振幅値が入力信号の振幅値(=1)に等しくなるように、係数k1,k2を決定する。ここで、係数k1,k2の値を電力系統の正常時の値から故障検出時の値に切り替えるタイミングは、上記したような故障検出から1T経過後には限定されない。たとえば、故障検出と同時に係数k1,k2の切り替えを行ってもよい。また、上記の係数k1,k2の値として、k1+k2=1としてもよく、さらに、k1,k2は負の値に設定してもよいものとする。
[第3フィルタの具体例]
次に、第3フィルタ83について説明する。第3フィルタ83として180°加算フィルタが用いられる。180°加算フィルタは、
i(t)+i(t-6) …(5)
で表される。ただし、リレー演算周期Tを電気角で30°としている。したがって、180°加算フィルタの窓長は電気角で180°である。
図13は、180°加算フィルタのゲイン特性を示す図である。図13に示すように、基本波成分と奇数次の高調波成分は完全に除去できるが、直流成分と偶数次の高調波成分は、180°加算フィルタを通過する。このように基本成分を180°加算フィルタで除去することによって、電力系統の故障の判定が容易になる。
図14は、180°加算フィルタの出力波形の一例を示す図である。図14(A)は入力電流信号の波形の一例を示す。時刻0.185秒付近で電力系統に故障が発生している。
図14(B)は、図14(A)の入力信号波形に対する180°加算フィルタの出力信号波形を示す図である。図14(B)に示すように、故障検出の前後で入力信号波形が大きく変化するために検出閾値Th1を超える出力が得られる。
[実施の形態2の効果]
実施の形態2では、実施の形態1で説明した第1フィルタ81、第2フィルタ82、および第3フィルタ83の具体例と、係数k1,k2の具体的な設定方法について説明した。実施の形態1の場合と同様に、オーバーシュートの発生を抑制することができ、応答速度と動作判定精度とを両立することが可能な保護リレーを提供することができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、係数演算部90における係数k1,k2の他の設定方法について説明する。
図15は、実施の形態3における係数値k1,k2の設定例を示す図である。図15(A)では係数値k1,k2を表形式で示し、図15(B)では係数値k1,k2をグラフで示す。図15(A)では、故障検出時刻からの経過時間がリレー演算周期T(T=30°)を基準にして示されている。なお、故障検出時刻までは、たとえば、係数値k1=1、k2=0に設定されている。
図15を参照して、図3の係数設定部93は、電力系統で故障が検出されてから1Tが経過した時点で、係数k1を0.1まで急激に減少させ、係数k2を0.9まで急激に増加させる。その後、時間の経過とともに、係数k1を徐々に増加させ、係数k2を徐々に減少させる。図15(B)に示すように、実施の形態3の場合には、k1,k2は直線的に変化する。
図16は、図15に示す係数値k1,k2の設定において、図9の入力信号波形に対するフィルタ出力信号波形の振幅値演算結果を示す図である。図16では、第1フィルタ81の出力信号の振幅値DF(t)longを太い破線で示し、第2フィルタ82の出力信号の振幅値DF(t)shortを細い破線で示し、係数演算部90の出力信号の振幅値(k1*DF(t)long+k2*DF(t)short)を実線で示している。
なお、図11の場合と同様に、時刻t=0.05秒で電力系統に故障が発生する。故障判定部86は、2T(Tはリレー演算周期)の期間、故障状態が継続した場合に(すなわち、時刻t=0.0533秒において)故障検出を報知する。
図16を図11と比較すると、入力信号に対する応答性能は同程度であるが、図16の場合には出力信号のオーバーシュートが生じている。しかし、オーバーシュートの大きさおよびオーバーシュートが生じている期間は、第2フィルタ82(60°差分フィルタ)を単独で用いる場合よりも減少させることができる。
実施の形態3の構成を実際の過電流リレーに組み込む場合には、故障時以外に突発的なサージ電流によって誤動作しないようにする必要がある。そこで、保護リレー50は、動作フラグ=1の状態がリレー演算周期Tの数倍程度(この期間を照合期間と称する)継続した場合に、外部に動作信号を出力するように構成される。実施の形態3の保護リレーでは、オーバーシュートの期間を従来よりも短くできるので、上記の照合期間を短くできる。この結果、高速動作が可能な保護リレーを提供することができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、係数演算部90における係数k1,k2のさらに他の設定方法について説明する。
図17は、実施の形態4における係数値k1,k2の設定例を示す図である。図17(A)では係数値k1,k2を表形式で示し、図17(B)では係数値k1,k2をグラフで示す。図17(A)では、故障検出時刻からの経過時間がリレー演算周期T(T=30°)を基準にして示されている。なお、故障検出時刻までは、たとえば、係数値k1=1、k2=0に設定されている。
図17を参照して、図3の係数設定部93は、電力系統で故障が検出されてから1Tが経過した時点で、係数k1を0まで急激に減少させ、係数k2を1まで急激に増加させる。その後、2T(Tはリレー演算周期)の間、この係数値を維持する。その後、係数設定部93は、時間の経過とともに、係数k1を徐々に増加させ、係数k2を徐々に減少させる。図17(B)に示すように、実施の形態3の場合には、k1,k2は直線的に変化する。
図18は、図17に示す係数値k1,k2の設定において、図9の入力信号波形に対するフィルタ出力信号波形の振幅値演算結果を示す図である。図18では、第1フィルタ81の出力信号の振幅値DF(t)longを太い破線で示し、第2フィルタ82の出力信号の振幅値DF(t)shortを細い破線で示し、係数演算部90の出力信号の振幅値(k1*DF(t)long+k2*DF(t)short)を実線で示している。
なお、図11の場合と同様に、時刻t=0.05秒で電力系統に故障が発生する。故障判定部86は、2T(Tはリレー演算周期)の期間、故障状態が継続した場合に(すなわち、時刻t=0.0533秒において)故障検出を報知する。
図18と図16とを比較すると、図18の場合のほうが、入力信号に対する応答性は若干向上しているが、出力信号のオーバーシュートがより大きくなっている。しかし、オーバーシュートの大きさおよびオーバーシュートが生じている期間は、第2フィルタ82(60°差分フィルタ)を単独で用いる場合よりも減少させることができる。したがって、前述の照合期間を従来よりも短くできるので、従来よりも高速動作が可能な保護リレーを提供することができる。
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態1を変形したものである。実施の形態5では、基本波周波数に対して、第1フィルタ81の出力信号の位相と第2フィルタ82の出力信号の位相とが、同じか互いに180°異なる場合について説明する。この場合、第1フィルタ81および第2フィルタ82の各々の出力信号の振幅値を求めずに、各フィルタの出力信号の瞬時値を合成(加算または減算)することが可能である。この結果、動作遅れをより少なくすることができる。さらに、距離リレーなど瞬時値を用いるリレー演算にも、本開示の技術を適用することが可能になる。以下、図面を参照して詳しく説明する。
図19は、実施の形態5の保護リレーにおいて、図2の演算回路によって実現されるデジタル処理を説明する機能ブロック図である。CPUのデジタル処理内容を示す機能ブロック図である。
図19のデジタル処理部80Aは、振幅値演算部84,85が設けられていない点で図3のデジタル処理部80と異なる。したがって、係数演算部90は、第1フィルタ81の出力信号df(t)longに係数k1を乗算し、第2フィルタ82の出力信号df(t)shortに係数k2を乗算し、これらの乗算結果を互いに加算する。
さらに、図19のデジタル処理部80Aは、係数演算部90と動作判定部95との間に設けられた振幅値演算部88をさらに含む点で、図3のデジタル処理部80と異なる。振幅値演算部88は、係数演算部90の出力信号(k1*df(t)long+k2*df(t)short)の振幅値を求める。動作判定部95は、振幅値演算部88によって算出された振幅値に基づいて動作判定を行う。
ただし、振幅値演算部88は、過電流リレーのように振幅値演算が動作判定に必要な場合には設ける必要があるが、瞬時値を用いて動作判定を行う距離リレーなどの場合には不要である。この場合、動作判定部95は、係数演算部90の出力信号(k1*df(t)long+k2*df(t)short)に基づいて動作判定を行う。
図19のその他の点は図3の場合と同様であるので、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図20は、図19のデジタル処理部の処理手順を示すフローチャートである。図20のフローチャートは、図19のデジタル処理部の動作を時系列順に示したものである。図20の各ステップは、図2のCPU61によって実行される。
まず、図20のステップS200において、CPU61は、係数k1,k2を電力系統で故障が生じていない場合の初期値に設定する。たとえば、CPU61は、k1=1,k2=0に設定する。窓長のより長い第1フィルタ81の出力を用いることによって、サージ電流などに基づく誤判定を防止することができる。
次のステップS210において、CPU61は、フィルタ演算に必要なデータをRAM62から取り出す。前述のとおり、電力系統から検出され、A/D変換された時系列の電流データおよび/または電圧データは、RAM62に格納されている。
その次のステップS220において、CPU61は、読み出したデータを用いて、前述の第1フィルタ81、第2フィルタ82、および第3フィルタ83としてフィルタ演算を行う。
第1フィルタ81および第2フィルタ82は、直流成分を除去するFIRフィルタである。さらに、第1フィルタ81および第2フィルタ82は、第1フィルタ81の窓長の方が第2フィルタ82フィルタの窓長よりも長いという特徴を有している。第1フィルタ81および第2フィルタ82は共に基本波成分の少なくとも一部を通過させるが、窓長のより短い第2フィルタ82のほうが基本波成分の減衰が大きく、高調波成分の含有割合が大きい。
第3フィルタ83は、基本波成分を除去するFIRフィルタである。
その次のステップS230において、CPU61は、第3フィルタ83の出力に基づいて電力系統で故障が発生しているか否かを判定する。たとえば、CPU61は、第3フィルタ83の出力の大きさが予め設定された閾値を超えた状態が、予め定められた照合期間(たとえば、2T)の間継続したときに、電力系統で故障が発生したと判定する。
上記の判定の結果、電力系統の故障が検出されなかった場合には(ステップS230でNO)、ステップS250において、CPU61は、初期設定された係数k1,k2の値を用いて、第1フィルタ81の出力信号df(t)longに係数k1を乗算し、第2フィルタ82の出力信号df(t)shortに係数k2を乗算する。CPU61は、これらの乗算結果を互いに加算する(位相差が0°の場合)。位相差が180°の場合には、CPU61は、これらの乗算結果を互いに減算する。
その次のステップS260において、CPU61は、算出した信号(k1*df(t)long+k2*df(t)short)の振幅値を演算する。振幅値演算の方法として、公知のいずれの方法を用いてもよく、特に限定されない。
その次のステップS270において、CPU61は、振幅値演算の結果に基づいて動作判定を行う。この場合、振幅値演算結果はほぼ第1フィルタ81の出力によって決まるので、突発的なサージ電流などによって過電流リレーが誤判定することを防止することができる。その後、ステップS210からの手順が繰り返される。
一方、ステップS230の判定の結果、電力系統の故障が検出された場合には、CPU61は、故障検出時刻からの時間経過に応じて、予め設定されたテーブルまたは数式に基づいて係数k1,k2の値を変更する(ステップS240)。具体的には、故障検出から1Tが経過した時点において、CPU61は、係数k1に対する係数k2の比率を高め、最終的に係数k1に対する係数k2の比率を下げる。この場合、k1+k2=1の関係を満たすように変化させてもよい。
次のステップS250において、CPU61は、ステップS240で変更された係数k1,k2の値を用いて、k1*df(t)long+k2*df(t)shortを計算する。次のステップS260において、CPU61は、係数演算部90の出力信号(k1*df(t)long+k2*df(t)short)の振幅値を演算する。
その次のステップS270において、CPU61は、振幅値演算の出力結果に基づいて動作判定を行う。たとえば、過電流リレーの場合には、振幅値演算の結果が閾値を超えている場合には、CPU61は、動作フラグを1に設定することによって、遮断器を開路させる。
なお、上記において、瞬時値を用いて動作判定を行うリレー要素の場合には、ステップS260を実行しなくてよい。
以上のとおり、実施の形態5の保護リレーでは、基本波周波数に対して、第1フィルタ81の出力信号の位相と第2フィルタ82の出力信号の位相とが、等しいか互いに180°異なるという条件が加えられる。この場合、第1フィルタ81および第2フィルタ82の各々の出力信号の振幅値を求めずに、各フィルタの出力信号の瞬時値を合成(同相の場合に加算、逆相の場合に減算)することが可能である。なお、第1フィルタ81の出力信号と第2フィルタ82の出力信号との位相差が0°または180°でない場合は、位相補正によって両フィルタの出力信号の位相差を0°または180°にすることで、実施の形態5の保護リレーが実現できる。この場合、第1フィルタ81および第2フィルタ82の少なくとも一方は、フィルタ演算結果として得られた時系列データの位相を変化させる移相器を含む。この結果、動作遅れをより少なくすることができる。さらに、距離リレーなど瞬時値を用いるリレー演算にも、本開示の技術を適用することができる。
実施の形態6.
実施の形態6では、実施の形態5で説明した第1フィルタ81の具体例について説明する。なお、第2フィルタ82の具体的構成として60°差分フィルタを用いることができ、第3フィルタ83の具体的構成として180°加算フィルタを用いることができる。これらフィルタ特性は実施の形態2で説明したので、説明を繰り返さない。また、係数k1,k2の値として、実施の形態3で説明した図15の設定値が用いられる。
[第1フィルタの具体的構成例]
第1フィルタ81は、複数の加算フィルタと差分フィルタとを直列に接続することによって構成される。具体的に、現時点の入力信号をi(t)としたとき以下のフィルタ(a)〜(f)が直列に接続される。なお、リレー演算周期Tは電気角で30°とする。
(a) i1(t)=i(t)+i(t-1) …(6A)
(b) i2(t)=i1(t)−i1(t-1) …(6B)
(c) i3(t)=i2(t)+i2(t-2) …(6C)
(d) i4(t)=i3(t)+i3(t-3) …(6D)
(e) i5(t)=i4(t)+√(3)*i4(t-1)+i4(t-2) …(6E)
(f) i6(t)=−i5(t)−i5(t-4) …(6F)
上式において、入力信号i(t)は式(6A)で表される30°加算フィルタに入力される。次に、式(6A)で表される30°加算フィルタの出力i1(t)は式(6B)で表される30°差分フィルタに入力される。次に、式(6B)で表される30°差分フィルタの出力i2(t)は、式(6C)で表される60°加算フィルタに入力される。以下同様の演算が行われ、最終的に入力信号i(t)に対して出力信号i6(t)が得られる。
上記の第1フィルタ81の構成によれば、基本周波数に対する位相進みが60°となり、第2フィルタ82を構成する60°差分フィルタと同じになる。さらに、第1フィルタ81の窓長は電気角で390°であり、第2フィルタ82の窓長(電気角で60°)よりも長い。
[シミュレーション結果]
上記の第1フィルタ81を用いた場合のシミュレーション結果について説明する。
図21は、実施の形態5の保護リレーにおいて、図9の入力信号波形に対するフィルタ出力波形を示す図である。図21では、入力信号を太い破線で示し、第1フィルタ81の出力信号df(t)longを2点鎖線で示し、第2フィルタ82の出力信号df(t)shortを細い破線で示す。また、係数演算部90の出力信号(k1*df(t)long+k2*df(t)short)を実線で示す。
図21に示すように、第1フィルタ81の出力信号df(t)long、第2フィルタ82の出力信号df(t)short、および係数演算部90の出力信号は、互いに同位相であることがわかる。
図22は、図21のフィルタ出力波形に基づく振幅値の演算結果を示す図である。図22では、係数演算部90の出力信号(k1*df(t)long+k2*df(t)short)の振幅値(すなわち、振幅値演算部88の出力信号)を実線で示す。また、参考のために、第1フィルタ81の出力信号df(t)longの振幅値DF(t)longと第2フィルタ82の出力信号df(t)shortの振幅値DF(t)shortとを併せて示している。
なお、図11の場合と同様に、時刻t=0.05秒で電力系統に故障が発生する。故障判定部86は、2T(Tはリレー演算周期)の期間、故障状態が継続した場合に(すなわち、時刻t=0.0533秒において)故障検出を報知する。
図22に示された結果を、同じ係数k1,k2を用いて計算を行った図16の場合と比較すると、ほぼ同程度のオーバーシュートに抑制されていることがわかる。これにより、上記で説明した第1フィルタ81の構成例を用いることにより、従来よりも高速かつ高精度の動作判定が可能な保護リレーを提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
50 保護リレー、51 アナログ入力回路、57 A/D変換器、60 演算回路、61 CPU、62 RAM、63 ROM、64 メモリ、71 デジタル入力回路、72 デジタル出力回路、79 時系列データ、80,80A デジタル処理部、81 第1フィルタ、82 第2フィルタ、83 第3フィルタ、84,85,88 振幅値演算部、86 故障判定部、90 係数演算部、91,92 乗算器、93 係数設定部、94 加算器、95 動作判定部、T リレー演算周期、k1 第1係数、k2 第2係数。

Claims (12)

  1. 電力系統の電流または電圧を表す信号を検出してA/D(Analog to Digital)変換することにより、時系列データを生成するアナログ入力回路と、
    前記時系列データに基づいたデジタル処理を行う演算回路とを備え、
    前記演算回路は、
    前記時系列データのうち直流成分および電力系統の少なくとも一部の次数の高調波成分を減衰または除去して前記電力系統の基本波成分の少なくとも一部を通過させ、第1の窓長を有する第1フィルタと、
    前記時系列データのうち直流成分および電力系統の少なくとも一部の次数の高調波成分を減衰または除去して前記基本波成分の少なくとも一部を通過させ、前記第1の窓長より短い第2の窓長を有する第2フィルタと、
    前記第1フィルタの出力信号に基づく値に第1係数を乗算し、前記第2フィルタの出力信号に基づく値に第2係数を乗算し、乗算結果を合成する係数演算部と、
    前記係数演算部による合成結果に基づいて動作判定を行う動作判定部と、
    前記第1係数および前記第2係数を設定する係数設定部とを含み、
    前記係数設定部は、前記電力系統の故障が検出されたときに、前記第1係数を減少させかつ前記第2係数を増加させ、その後、時間経過とともに前記第1係数および前記第2係数を変化させる、保護リレー。
  2. 前記演算回路は、さらに、
    前記時系列データのうち基本波成分を除去する第3フィルタと、
    前記第3フィルタの出力信号に基づいて前記電力系統の故障を検出する故障判定部とを含む、請求項1に記載の保護リレー。
  3. 前記第1フィルタは、フル・サイクル・コサイン・フィルタを含み、
    前記第2フィルタは、60°差分フィルタを含み、
    前記第3フィルタは、180°加算フィルタを含む、請求項2に記載の保護リレー。
  4. 前記演算回路は、さらに、
    前記第1フィルタの出力信号の振幅を計算する第1振幅値演算部と、
    前記第2フィルタの出力信号の振幅を計算する第2振幅値演算部とを含み、
    前記係数演算部は、前記第1振幅値演算部によって算出された振幅値に前記第1係数を乗算し、前記第2振幅値演算部によって算出された振幅値に前記第2係数を乗算する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護リレー。
  5. 前記基本波成分の周波数に対して、前記第1フィルタの出力信号の位相と前記第2フィルタの出力信号の位相とは同じであるか、互いに180°異なり、
    前記係数演算部は、前記第1フィルタの出力信号に前記第1係数を乗算し、前記第2フィルタの出力信号に前記第2係数を乗算し、乗算結果を合成し、
    前記動作判定部は、前記係数演算部による前記合成結果に基づいて動作判定を行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護リレー。
  6. 前記係数設定部は、前記第1係数および前記第2係数と故障検出後の経過時間との間の予め決定された対応関係に基づいて、前記第1係数および前記第2係数を設定する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護リレー。
  7. 前記係数設定部は、前記電力系統の故障が検出されたときに、前記第1係数を減少させかつ前記第2係数を増加させ、その後、前記第1係数を増加させかつ前記第2係数を減少させた後に、再び前記第1係数を減少させかつ前記第2係数を増加させ、その後、前記第1係数を増加させかつ前記第2係数を減少させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護リレー。
  8. 前記係数設定部は、前記電力系統の故障が検出されたときに、前記第1係数を減少させかつ前記第2係数を増加させ、その後、時間の経過とともに前記第1係数を徐々に増加させかつ前記第2係数を徐々に減少させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護リレー。
  9. 前記係数設定部は、前記電力系統の故障が検出されたときに、前記第1係数を0に設定しかつ前記第2係数を1に設定する、請求項8に記載の保護リレー。
  10. 前記係数設定部は、前記電力系統の故障が検出されたときに、前記第1係数を0に設定しかつ前記第2係数を1に設定してからその状態を維持した後に、時間の経過とともに前記第1係数を徐々に増加させかつ前記第2係数を徐々に減少させる請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護リレー。
  11. 前記第1係数と前記第2係数との和は1に等しい、請求項1〜10のいずれか1項に記載の保護リレー。
  12. 前記対応関係は、故障時における前記電力系統の直流電流成分が最大となるような仮想の前記時系列データに基づいて、前記電力系統の故障検出後に前記合成結果の振幅が入力信号の振幅に等しくなるように決定される、請求項6に記載の保護リレー。
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